講師紹介
《物理科》
上村 聡 先生
上村先生からのメッセージ
物理科講師の上村です。
理を持って進め。
●理の意味するところ
近頃テレビのバラエティ番組などに出演もしているタレントにメンタリストと呼ばれる人がいる。
メンタリストとは心理を分析する人という意味であろう。
では心理、心理学とは何か。
それは心の動きを調べ分析し洞察することによって、人の行動を理解することだろう。
この心理という言葉の「心」を「物」に置き換えると、物理、あるいは物理学という言葉になる。その意味するところはすなわち、物体の動きを調べ分析し洞察することによって、物体の運動を理解することと言えようか。
心理学、物理学いずれの場合にせよ、変化の様子を原因と因果を結び付けて、その因果律の規則性を説いていることには間違いがない。
ただ、心理学においては、解釈に広がりを持つ「言葉」でその因果律を示し、物理学においては「数式」でその因果律を示すことで、出来るだけ曖昧さを排除するのである。
●医学における理と心
医学・医療を志す諸君は、心理という言葉に組み込まれている「心すなわち精神性」と「理すなわち科学性」の両者をバランスよく学ばねばならないのだ。
「データによれば余命は3ヵ月。標準治療はありません。」と言い切ってしまう「理」だけでは不足であって、「希望を持って進みましょう。医師として出来ることは出来る限りします。」という言葉は「心」を救うのだ。
●受験における理と心
医学部受験の過程においても同様である。
理論的に組まれたカリキュラムをこなすだけではなかなか合格力を身に付けられない。
ふと視点を外したところに希望の火が見えることもある。
「そうだ、今度はこうやってみようか。」自ら勉強のやり方を編み出したとき、諸君たちは合格を手繰り寄せることになる。
●受験科目としての物理
物理の出題は自然現象をもとにした問題しか出せないのだ。
ならばその問題の種類には限りがある。
過去問にあたり、その解説を読み、指導者に質問し、他の大学の過去問にあたってみよ。
道は自ずと拓ける。