第3回は、医学部入試の頻出分野である「芳香族化合物(ほうこうぞく)」の世界へ飛び込みます!六角形のマーク「ベンゼン環」の正体を暴きます。
1. 脂肪族と芳香族は何が違うの?
「Sora先生!有機化学の教科書をめくっていたら、前半は『脂肪族』、後半は『芳香族』って分かれていました。この2つの違いって何ですか?」
「すごくスッキリ分けるとね、
・脂肪族:炭素がまっすぐや枝分かれで繋がっている『鎖状(ロープ型)』の化合物
・芳香族:炭素が6個で輪っかを作った『ベンゼン環(六角形の亀の甲)』を含んでいる化合物
これだけだよ!ベンゼン環があるかないかでグループが分かれているんだ。」
2. ベンゼン環は「円陣を組んだ鉄壁の要塞」!
「二重結合が3つもあるのに、なんでベンゼン環って壊れにくいって言われるんですか?普通の二重結合(アルケン)はすぐ反応して壊れるのに不思議です…」
「鋭い着眼点だね!普通の二重結合は手が余っていて反応しやすいんだけど、ベンゼンの6個の電子は『6人でがっちり手をつないで輪になってぐるぐる回っている(非局在化)』んだ。
この円陣(共鳴構造)が超強力だから、六角形を壊すのはめちゃくちゃ大変!だからベンゼンは『六角形を保ったまま、外側の水素だけを交換する(置換反応)』のが大好きなんだよ。」
- ニトロ化:硝酸を反応させて「-NO₂(ニトロ基)」をくっつける
- スルホン化:濃硫酸を反応させて「-SO₃H(スルホ基)」をくっつける
- ハロゲン化:塩素などを反応させて「-Cl」をくっつける
- アルキル化:炭素鎖をくっつける(フリーデル・クラフツ反応)
3. なぜ医薬品のほとんどが芳香族なのか?
「医学部の入試問題で、アスピリン(解熱鎮痛剤)とか消毒液のフェノールがやたら出るのはどうしてですか?」
「ベンゼン環は体の中で簡単に壊れない頑丈な『土台(コア)』になってくれるからなんだ。この頑丈な土台に必要なパーツ(痛みを抑える基など)をトッピングしたものが、世の中のほとんどの医薬品なんだよ。将来医師になる受験生にとって、芳香族はまさに命の化学なんだ!」
「今日のポイント!
① ベンゼン環(六角形)があるのが芳香族、ないのが脂肪族!
② ベンゼン環は円陣を組んで超安定だから壊れにくい(置換反応が得意)!
③ 医薬品の主役だから医学部受験でめちゃくちゃ狙われる!
六角形を見るのが怖くなくなりました!」