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兵庫医科大学 医学部 生物(2025年度)全問題・超図解解説

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理系担当 Sora先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 Sora先生 ✕ ニックニ先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!兵庫医科大学(2025年度)生物をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系担当Sora先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、兵庫医科大学(2025年度)の生物について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

全5大問・完全網羅

〔問1〕小問集合(全20問)

(1) B
(2) D, F
(3) D
(4) A
(5) D
(6) D
(7) B
(8) C
(9) B, F
(10) D
(11) A
(12) E
(13) C
(14) A
(15) C
(16) D
(17) B
(18) B
(19) C
(20) C

〔問2〕進化のしくみとハーディ・ワインベルグの法則

  • (1) ア:自然選択 / イ:遺伝的浮動 / ウ:中立進化 / エ:地理的隔離(生殖的隔離) / オ:異所的種分化(種分化) / カ:ハーディ・ワインベルグの法則
  • (2) A:② / B:①(または⑤)
  • (3) $p =$ 0.5, $q =$ 0.5
  • (4) 50 %
  • (5) $q =$ 0.33
  • (6) ク

〔問3〕ウニとアフリカツメガエルの発生

  • (1) ア:等黄卵 / イ:等割 / ウ:卵割腔(胞胚腔) / エ:受精膜 / オ:孵化(ふ化)
  • (2) ④ → ① → ③ → ②
  • (3) ④, ⑤
  • (4) 卵黄が植物極側に偏って分布しており、卵黄が卵割を阻害するため、第3卵割面が動物極側に偏るから。(48字)
  • (5) ①, ④, ⑦
  • (6) ③, ④
  • (7) 精子の侵入を機に表層回転が起こり、精子侵入側と反対側に灰色三日月環が生じる。この動きで植物極側にあったディシュベルドが灰色三日月環側(背側)へ移動し、そこでの$\beta$カテニンの分解を阻害するため、背側で$\beta$カテニンが核内に蓄積して背側と腹側の差が生じる。(128字)

〔問4〕免疫とオクタロニー法(二重拡散法)

  • (1) ア:抗体産生細胞(形質細胞) / イ:L鎖(軽鎖) / ウ:H鎖(重鎖) / エ:可変部 / オ:定常部
  • (2) C, D
  • (3) 0.6 mg(有効数字2桁なら 0.60 mg)
  • (4) アナフィラキシー(アナフィラキシーショック)
  • (5) 交感神経の作用により気管支を拡張させて呼吸困難を改善し、心拍数増加や血管収縮により低下した血圧を上昇させるため。
  • (6) 抗原抗体反応
  • (7) ③
  • (8) 選択肢群1:② / 選択肢群2:⑥ / 選択肢群3:⑦

〔問5〕血糖濃度の調節・糖尿病・腎臓の再吸収

  • (1) ア:cAMP(サイクリックAMP/環状AMP) / イ:グリコーゲン / ウ:糖質コルチコイド / エ:肝門脈(門脈) / オ:視床下部 / カ:副交感
  • (2) ①すい臓:ランゲルハンス島B細胞の機能低下によりインスリン分泌量が減少する。 / ②標的細胞:インスリン受容体の感受性や細胞内情報伝達が低下し、グルコースの取り込みが減少する。
  • (3) ①:200 mg / ②:0.1 L(0.10 L) / ③:180 g
  • (4) ①:GLUT2 / ②:GLUT2 / ③:GLUT4 / ④:GLUT4 / ⑤:SGLT / ⑥:SGLT
  • (5) エキソサイトーシス(開口分泌)
  • (6) B, C, E

〔問1〕全分野横断・小問集合((1)〜(20))

目標時間:15分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

兵庫医科大学の〔問1〕は、生物基礎〜生物の全範囲から20問がズラッと並ぶ名物セクションだよ!知識問題が多いけれど、(10)の分子時計計算、(13)の家系図パズル、(14)の酵素反応グラフ、(20)の呼吸商の実験装置など、「うっかり引っかかりやすい思考問題」が混ざっているのが特徴。1問1ステップずつ確実に根拠を確認していこう!

(1) 細胞を構成する物質と元素について、誤っているものを1つ選べ。
A. 脂質は $\text{C, H, O, P}$ からなる。 B. 核酸は $\text{C, H, O, S}$ からなる。 C. 炭水化物は $\text{C, H, O}$ からなる。 D. タンパク質は $\text{C, H, O, N, S}$ からなる。

【ステップ解説】

  • A(正しい):単純脂質(中性脂肪)は $\text{C, H, O}$ からなりますが、生体膜をつくる複合脂質(リン脂質)にはリン($\text{P}$)や窒素($\text{N}$)が含まれます。
  • B(誤り):核酸(DNAやRNA)はヌクレオチド(糖+リン酸+塩基)が結合した物質です。塩基に窒素($\text{N}$)、リン酸にリン($\text{P}$)が含まれるため、構成元素は $\text{C, H, O, N, P}$ であり、硫黄($\text{S}$)は含まれません。
  • C(正しい):炭水化物(糖質)は $\text{C}_m(\text{H}_2\text{O})_n$ と表される通り、$\text{C, H, O}$ からなります。
  • D(正しい):タンパク質はアミノ酸からなり、基本的に $\text{C, H, O, N}$ を含み、システインやメチオニンなどのアミノ酸には硫黄($\text{S}$)も含まれます(ジスルフィド結合 $\text{-S-S-}$ を形成)。
解答:B
(2) 次のうち、二糖を2つ選べ。
A. ガラクトース B. グルコース C. グリコーゲン D. スクロース E. フルクトース F. マルトース

【ステップ解説】糖類の分類を整理しよう!

● 単糖類(1個)
・B. グルコース(ブドウ糖)
・E. フルクトース(果糖)
・A. ガラクトース
● 二糖類(単糖2個が結合)
・D. スクロース(ショ糖=グルコース+フルクトース)
・F. マルトース(麦芽糖=グルコース+グルコース)
・ラクトース(乳糖=グルコース+ガラクトース)
● 多糖類(多数結合)
・C. グリコーゲン
・デンプン、セルロース
解答:D, F
(3) 真核細胞に存在する以下の構造のうち、生体膜をもつものを1つ選べ。
A. 細胞骨格 B. 細胞壁 C. 中心体 D. リソソーム E. リボソーム

【ステップ解説】生体膜(リン脂質二重層)の有無は超頻出!

  • 生体膜をもたない構造(非膜系):A. 細胞骨格(タンパク質繊維)、B. 細胞壁(セルロース等)、C. 中心体(微小管からなる)、E. リボソーム(rRNA+タンパク質)。
  • 単層の生体膜(一重膜)をもつ構造:D. リソソーム(加水分解酵素を含み細胞内消化を行う)、小胞体、ゴルジ体、液胞、ペルオキシソーム。
  • 二重膜をもつ構造:核、ミトコンドリア、葉緑体。
解答:D
(4) 細胞内において鞭毛や繊毛を構成し、その運動に関与する細胞骨格を1つ選べ。
A. 微小管 B. 神経繊維 C. 中間径フィラメント D. アクチンフィラメント E. コラーゲンフィラメント

【ステップ解説】3大細胞骨格の役割:

  • A. 微小管(太さ約25 nm):チューブリンというタンパク質からなり、鞭毛・繊毛(モータータンパク質のダイニンが関与)、中心体、紡錘糸などを構成します。
  • C. 中間径フィラメント(約10 nm):ケラチンやラミンなどからなり、細胞や核の形態維持に関与します。
  • D. アクチンフィラメント(約7 nm):アクチンからなり、筋収縮、アメーバ運動、原形質流動(モータータンパク質のミオシンが関与)に関わります。
解答:A
(5) 動物の分類について、正しいものを1つ選べ。
A. ヤツメウナギは顎を形成する。 B. オウムガイは脱皮して成長する。 C. ゴカイは原口とは別の部分が口になる。 D. ツツボヤは発生の過程で脊索を形成する。 E. ウメボシイソギンチャクは3つの胚葉を形成する。

【ステップ解説】

  • A(誤り):ヤツメウナギやヌタウナギは脊椎動物ですが、顎をもたない無顎類(円口類)です。
  • B(誤り):オウムガイは軟体動物(冠輪動物)であり、脱皮はしません(脱皮動物は節足動物や線形動物)。
  • C(誤り):ゴカイは環形動物(旧口動物/先口動物)なので、原口がそのまま口になります。
  • D(正しい):ツツボヤ(ホヤの仲間)は尾索動物(原索動物)であり、脊索動物門に属します。オタマジャクシ型幼生の尾部に脊索と背側の神経管を形成します。
  • E(誤り):ウメボシイソギンチャクは刺胞動物であり、内胚葉と外胚葉のみをもつ二胚葉動物です。
解答:D
(6) 光発芽種子とその発芽について、正しいものを1つ選べ。
A. 遠赤色光を照射すると、発芽が促進される。 B. 植物の葉は、赤色光より遠赤色光をよく吸収する。 C. 光受容体のフィトクロムは金属イオンの一種である。 D. 光受容体のフィトクロムは可逆的な構造変化をする。 E. 最初に種子に当たった光の波長が、発芽の抑制または促進を決定する。

【ステップ解説】フィトクロムの光可逆的変化:

$\text{R}$型フィトクロム($\text{P}_\text{r}$:不活性型) $\underset{\text{遠赤色光(FR)吸収}}{\stackrel{\text{赤色光(R)吸収}}{\rightleftarrows}}$ $\text{FR}$型フィトクロム($\text{P}_\text{fr}$:活性型 $\rightarrow$ ジベレリン合成促進 $\rightarrow$ 発芽!)
  • A(誤り):赤色光で発芽が促進され、遠赤色光で抑制されます。
  • B(誤り):緑葉のクロロフィルは赤色光をよく吸収し、遠赤色光はほとんど吸収せず透過します。
  • C(誤り):フィトクロムは色素タンパク質です。
  • D(正しい):赤色光と遠赤色光の吸収によって、$\text{R}$型と$\text{FR}$型の間で可逆的な構造変化をします。
  • E(誤り):最初ではなく、最後に照射された光の波長によって発芽の促進・抑制が決まります。
解答:D
(7) 細胞分画法において、植物の葉を用いた場合、遠心分離機の回転速度を段階的に大きくしていったときに沈殿してくる構造を正しい順に示しているものを選べ。
① 核 ② ミトコンドリア ③ 葉緑体 ④ リボソーム
A. ①②③④ B. ①③②④ C. ②①③④ D. ②③④① E. ③①②④ F. ③②④① G. ④②③① H. ④③②①

【ステップ解説】大きくて重い順に沈殿する!

低速遠心から高速遠心へ回転速度を上げていくと、次の順番で沈殿します:

① 核(最も大きく重い) $\rightarrow$ ③ 葉緑体 $\rightarrow$ ② ミトコンドリア $\rightarrow$ ④ リボソーム(ミクロソーム画分・超遠心で沈殿)

※語呂合わせ:「カク・ヨウ・ミ・リ(核・葉・ミ・リ)」と覚えよう!よって ①③②④ の B です。

解答:B
(8) ユスリカの唾腺染色体にはパフが存在する。パフで活発に起こっている現象を1つ選べ。
A. 逆転写 B. 対合 C. 転写 D. 複製 E. 翻訳

【ステップ解説】

ユスリカやショウジョウバエの幼虫の唾腺染色体(巨大染色体)に見られるパフは、染色体のDNA繊維がほぐれて膨らんだ部分で、そこでmRNAの合成(C. 転写)が活発に行われています(メチルグリーン・ピロニン染色を行うと、RNAがピロニンによって赤色に染まります)。

解答:C
(9) 遺伝子の転写と翻訳について述べた文のうち、原核生物、真核生物どちらにも当てはまらないものを2つ選べ。
A. 細胞質基質で、転写によってmRNAが合成される。
B. リボソームは、mRNAの上を $3'\rightarrow 5'$ 方向に移動する。
C. アミノ酸が次々と連結されて、ポリペプチドが合成される。
D. 1つの遺伝子について、転写が起こっている最中に翻訳が始まる。
E. RNAポリメラーゼによって、$5'\rightarrow 3'$ 方向にRNAのヌクレオチド鎖が合成される。
F. DNAを構成する2本のヌクレオチド鎖のうち、すべての遺伝子で同じ鎖が転写される。

【ステップ解説】どの生物に当てはまるかを1つずつ判定!

  • A(原核生物に当てはまる):核膜をもたない原核生物では、細胞質基質で転写が行われます。
  • B(どちらにも当てはまらない・誤り):リボソームはmRNA上を必ず $5'\rightarrow 3'$ 方向に移動しながらコドンを読み取ります。
  • C(両方に当てはまる):翻訳の基本過程です。
  • D(原核生物に当てはまる):原核生物では核膜がなくスプライシングもないため、転写途中のmRNAにリボソームが結合して翻訳が始まります。
  • E(両方に当てはまる):DNAポリメラーゼもRNAポリメラーゼも、新しい鎖の合成方向は常に $5'\rightarrow 3'$ 方向です(鋳型DNA鎖を $3'\rightarrow 5'$ 方向に読む)。
  • F(どちらにも当てはまらない・誤り):1本の二本鎖DNA上にある複数の遺伝子において、遺伝子ごとにどちらの鎖が鋳型鎖(アンチセンス鎖)になるかは決まっており、すべての遺伝子で同じ鎖が使われるわけではありません。
解答:B, F
(10) ヒトとワニが共通してもつ、あるタンパク質のアミノ酸配列を比較すると、40個のアミノ酸が異なっていた。この2種が共通祖先から分かれたあと、同じ頻度でアミノ酸配列に変化が生じたとし、哺乳類とハ虫類が分岐したのは3億1300万年前と仮定すると、このタンパク質のアミノ酸は何年に1個変化するか。最も近いものを選べ。
A. 500万年 B. 750万年 C. 1000万年 D. 1500万年 E. 2000万年 F. 5000万年

【ステップ解説】分子時計の超重要トラップ:「2つの系統の合計」であることに注意!

共通祖先(3億1300万年前) ヒト ワニ 20個変化 20個変化 合計 40個 の違い

Step 1:1つの系統あたり何個変化したか?
現在、ヒトとワニの間で40個のアミノ酸が異なっています。共通祖先からヒトに至る系統と、ワニに至る系統の両方で同じ頻度で変化が蓄積したため、片方の系統で変化したアミノ酸の数は:

$$\frac{40\text{ 個}}{2} = 20\text{ 個}$$

Step 2:1個変化するのにかかった年数を計算する!
3億1300万年($= 31300\text{ 万年}$)の間に20個のアミノ酸が変化したので、1個あたりの年数は:

$$\frac{31300\text{ 万年}}{20\text{ 個}} = 1565\text{ 万年/個}$$

選択肢の中で $1565\text{ 万年}$ に最も近いのは D. 1500万年 です。(※40でそのまま割って $31300 \div 40 = 782.5 \rightarrow \text{B. 750万年}$ と選ばないように要注意!)

解答:D
(11) 日本において、荒原から一次遷移が起こる場合、その順番が正しいものを選べ。
A. 荒原-草原-低木林-陽樹林-混交林-陰樹林
B〜E.(略)

【ステップ解説】

乾性一次遷移は、荒原(裸地)$\rightarrow$ 地衣類・コケ植物 $\rightarrow$ 草原 $\rightarrow$ 低木林 $\rightarrow$ 陽樹林 $\rightarrow$ 混交林 $\rightarrow$ 陰樹林(極相林)の順に進みます。したがって A が正解です。

解答:A
(12) 以下の食品のうち、酵母と細菌の両方が関わっているものを1つ選べ。
A. パン B. ヨーグルト C. 納豆 D. ワイン E. 日本酒

【ステップ解説】発酵食品と微生物の対応!

  • A. パン・D. ワイン:酵母(真核生物・菌類)によるアルコール発酵を利用します。
  • B. ヨーグルト:乳酸菌(原核生物・細菌)による乳酸発酵を利用します。
  • C. 納豆:納豆菌(枯草菌の一種:原核生物・細菌)を利用します。
  • E. 日本酒(正しい):デンプンを糖に分解するコウジカビ(真核生物)、糖からアルコールをつくる酵母(真核生物)に加えて、雑菌の繁殖を防ぐために酸性の環境をつくる乳酸菌(細菌・生酛造りなどで活躍)が関わっています。したがって酵母と細菌の両方が関わるのは E. 日本酒 です。
解答:E
(13) 家系図(1〜10の人)において、ABO式血液型の遺伝子型を特定できない人の組み合わせで正しいものを選べ。
【家系図の条件】
・親1(A型)× 親2(B型) $\rightarrow$ 子4(A型)、子5(B型)
・親3(A型)× 親4(A型) $\rightarrow$ 子7(A型)、子8(A型)
・親5(B型)× 親6(A型) $\rightarrow$ 子9(B型)、子10(AB型)
A. 3, 6, 7 B. 3, 6, 8 C. 3, 7, 8 D. 1, 2, 5, 6 E. 1, 2, 7, 8 F. 1, 2, 6, 9, 10

【ステップ解説】確実に決まる遺伝子型を順番に書き出そう!

  1. 1(A型)× 2(B型)から 4(A型)と 5(B型)が生まれている:
    ・子4(A型)は親2(B型)から遺伝子 $B$ をもらっていないため、親2から遺伝子 $O$ をもらっています。よって 2は $BO$、4は $AO$ と確定します。
    ・子5(B型)は親1(A型)から遺伝子 $A$ をもらっていないため、親1から遺伝子 $O$ をもらっています。よって 1は $AO$、5は $BO$ と確定します。
  2. 5(B型:$BO$)× 6(A型)から 9(B型)と 10(AB型)が生まれている:
    ・10(AB型)は $AB$ と確定します。
    ・子9(B型)は親6(A型)から遺伝子 $A$ をもらっていないため、親6から遺伝子 $O$ をもらっています。よって 6は $AO$、さらに子9は親5($BO$)から $B$、親6($AO$)から $O$ をもらうので 9は $BO$ と確定します。
  3. 3(A型)× 4(A型:$AO$)から 7(A型)と 8(A型)が生まれている:
    ・親3は $AA$ か $AO$ か特定できません。
    ・子7と子8も、$AA$ か $AO$ か特定できません。

したがって、遺伝子型を特定できない人は 3, 7, 8 です。

解答:C
(14) ある酵素反応において、酵素量と基質量を一定として、横軸に時間、縦軸に生成物量としてグラフに表している。この反応系において、酵素量のみを2倍にした場合の反応曲線として正しいものはAからDのうちどれか。ただし、点線が元のグラフとする。

【ステップ解説】「反応速度」と「最終的な生成物量」を分けて考える!

  • 反応初期の傾き(反応速度):酵素量を2倍にすると、単位時間あたりに働く酵素が2倍になるため、初期の反応速度は2倍(立ち上がりが急)になります。
  • 最終的な生成物量(グラフの天井の高さ):基質量(材料の量)は一定(元のまま)なので、基質がすべて生成物に変わったときの最終的な生成物量は元のグラフと同じ高さになります。

したがって、「立ち上がりが急で、最終的な高さが点線と一致している」曲線 A が正解です。(※Cは基質量も増やした場合のグラフです)

解答:A
(15) 植物とは異なるしくみで光合成を行う細菌を1つ選べ。
A. 亜硝酸菌 B. 硫黄細菌 C. 紅色硫黄細菌 D. ベンケイソウ E. シアノバクテリア

【ステップ解説】

  • A. 亜硝酸菌・B. 硫黄細菌:光合成ではなく化学合成細菌です。
  • C. 紅色硫黄細菌(正しい):バクテリオクロロフィルをもち、水の代わりに硫化水素($\text{H}_2\text{S}$)を電子供与体として用い、酸素($\text{O}_2$)を発生せず硫黄($\text{S}$)を遊離する光合成細菌です。
  • D. ベンケイソウ:CAM植物(真核生物・植物)です。
  • E. シアノバクテリア:細菌(原核生物)ですが、クロロフィルaをもち、植物と同じしくみ(水を分解して$\text{O}_2$を発生する)で光合成を行います。
解答:C
(16) 動物をえさに直接近づけないように障害(ひも)を設定した状態にすると、動物はえさを得るために、まずえさからいったん遠ざかって障害を迂回(うかい)する必要がある。マウス、イヌ、アライグマ、チンパンジーのそれぞれを使ってこの実験を行ったとき、1回目から成功できる動物はどれか。
A. すべての動物 B. イヌとアライグマとチンパンジー C. アライグマとチンパンジー D. チンパンジーのみ E. どの動物も成功しない

【ステップ解説】知能行動(洞察学習)の古典的実験!

全体の状況を見渡して見通しを立て、試行錯誤をせずに1回目からえさから遠ざかって柱を迂回できるのは、高度な知能(洞察)をもつチンパンジーのみ(D)です。イヌやアライグマは試行錯誤を繰り返すうちに学習して成功するようになります。

解答:D
(17) 次の動物のうち、母指対向性があり立体視が可能なのはどれか、1つ選べ。
A. イヌ B. キツネザル C. タヌキ D. ツパイ E. マウス

【ステップ解説】霊長類(サル目)の特徴!

親指を他の指と向かい合わせて木の枝などを握れる母指対向性、および両眼が顔の前方について対象物までの距離を正確に測れる立体視は、樹上生活に適応した霊長類(サル目)の共通特徴(さらに平爪をもつ)です。選択肢の中で霊長類は B. キツネザル(曲鼻猿類・原猿類)のみです(※D. ツパイは外見が似ていますが登木目であり霊長類ではありません)。

解答:B
(18) ATPの模式図において、1〜7が示す部分の名称について正しいものを1つ選べ。
A. 1:AMP B. 2:アデノシン C. 3:リボース D. 4:アデニン E. 5, 6, 7:高エネルギーリン酸結合

【ステップ解説】ATPの構造パーツを完全確認!

  • 3:塩基のアデニン
  • 4:五炭糖のリボース
  • 2(3+4):アデニン+リボース = アデノシン(よって Bが正しい)
  • 1(2+リン酸2個):アデノシン二リン酸(ADP)。AMPはリン酸1個までです。
  • 6, 7:リン酸どうしの結合が高エネルギーリン酸結合です(5はリボースとリン酸の通常のエステル結合なので高エネルギーリン酸結合ではありません)。
解答:B
(19) 生態系とその保全について正しいものを1つ選べ。
A. 植食性動物は、栄養段階では2次消費者である。 B. 遺骸やふんからはじまる食物連鎖を生食連鎖という。 C. 人類が生態系から受ける恩恵を生態系サービスという。 D. 生態系のバランスに大きな影響を与える種をマイルストーン種という。 E. 大気中の窒素を窒素化合物に変える根粒菌のはたらきを窒素同化という。

【ステップ解説】

  • A(誤り):植食性動物は1次消費者です。
  • B(誤り):遺骸やふん(デトリタス)から始まる食物連鎖は腐食連鎖といいます。
  • C(正しい):人類が生態系から受ける恩恵(供給・調整・文化・基盤サービス)を生態系サービスといいます。
  • D(誤り):マイルストーン種ではなくキーストーン種です。
  • E(誤り):大気中の $\text{N}_2$ をアンモニウムイオン($\text{NH}_4^+$)に変える働きは窒素固定です。
解答:C
(20) 主な呼吸基質が脂質であるトウゴマの発芽種子が行う気体の出入りを測定した。三角フラスコ①($\text{KOH}$溶液入り)、②(水入り)に発芽種子をそれぞれ同量ずつ入れ、メスピペット内の着色液の動きから各フラスコ内の気体の増減量を測定した。結果について正しいものを選べ。
A〜F.(①と②の気体体積の増減と大小比較)

【ステップ解説】呼吸商($\text{RQ}$)とフラスコ①・②の気体変化の完全理解!

Step 1:呼吸基質が「脂質」のときの $\text{O}_2$ 吸収量と $\text{CO}_2$ 放出量の関係
脂質の呼吸商 $\text{RQ} = \dfrac{\text{CO}_2\text{ 放出量}}{\text{O}_2\text{ 吸収量}} \fallingdotseq 0.7 < 1$ です。
つまり、「吸収される $\text{O}_2$ の体積 > 放出される $\text{CO}_2$ の体積」となります。
分かりやすく具体例として、$\text{O}_2$ を $10\text{ mL}$ 吸収し、$\text{CO}_2$ を $7\text{ mL}$ 放出したとしましょう!

Step 2:フラスコ①($\text{KOH}$溶液入り)とフラスコ②(水入り)の体積変化を計算!

● フラスコ①($\text{KOH}$溶液入り)
放出された $\text{CO}_2$($7\text{ mL}$)はすべて $\text{KOH}$ に吸収されます。
よって気体変化は「$\text{O}_2$ 吸収量そのもの」になり、
$10\text{ mL}$ 減少します。
● フラスコ②(水入り)
$\text{CO}_2$ は吸収されません。
$\text{O}_2$ が $10\text{ mL}$ 減り、$\text{CO}_2$ が $7\text{ mL}$ 増えるので、差し引き
$10 - 7 = 3\text{ mL}$ 減少します。

結論:フラスコ①、②ともに気体の体積は減少し、①の減少量($10\text{ mL}$)の方が②の減少量($3\text{ mL}$)より大きかったとなるため、C が正解です。

解答:C

〔問2〕進化のしくみとハーディ・ワインベルグの法則

目標時間:12分
Sora先生
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〔問2〕は進化の基本用語と、ハーディ・ワインベルグの法則+自然選択による遺伝子頻度の変化だよ!特に(5)と(6)の「潜性(劣性)ホモ接合体 $aa$ が毎世代すべて死亡するとき、遺伝子頻度 $q$ がどう減っていくか」は医学部入試の王道テーマ。数式でも直感でも一発で分かるように解説するよ!

〔問2〕I. (1) 文中の空欄(ア)〜(カ)に当てはまる語を記せ。
(2) 次のA, Bの進化の事例は、ハーディ・ワインベルグの法則の条件①〜⑤のうち、どれかが満たされなかったことにより起こったと考えられている。どの条件と最も関連が深いか、①〜⑤の記号で記せ。
【条件】①きわめて多数の同種の集団からなる。 ②個体によって生存率や生殖能力に差がない。 ③すべての個体が自由に交配して子孫を残す。 ④集団内では突然変異が起こらない。 ⑤他の集団との間で、個体の移入や移出が起こらない。
A. オオシモフリエダシャクの工業暗化  B. アメリカ先住民の血液型にO型が多いこと

【(1) ステップ解説】

  • (ア)自然選択(自然淘汰):ダーウィンが提唱した、生存や繁殖に有利な形質をもつ個体が次世代により多く子孫を残すしくみ。
  • (イ)遺伝的浮動:生存や繁殖上の有利・不利に関係がない(中立な)変異が、集団が小さいときなどに偶然によって次世代の遺伝子頻度が変化する現象。
  • (ウ)中立進化(中立説):木村資生が提唱した、遺伝的浮動によって中立な突然変異が集団内に偶然広まって固定される進化。
  • (エ)地理的隔離:元の集団から空間的に隔てられて互いに交配できなくなること。
  • (オ)異所的種分化(または種分化):地理的隔離によって独自の遺伝子頻度の変化が起こり、新しい種が生じること。
  • (カ)ハーディ・ワインベルグの法則:①〜⑤の条件をすべて満たす理想集団(メンデル集団)では、世代を経ても遺伝子頻度と遺伝子型頻度が変化しないという法則。

【(2) ステップ解説】

  • A. オオシモフリエダシャクの工業暗化:煤煙で黒くなった樹皮では、黒化型の方が鳥に捕食されにくく生存率に差があった(自然選択が働いた)ため起こりました。よって条件 ②(個体によって生存率や生殖能力に差がない)が満たされなかった事例です。
  • B. アメリカ先住民の血液型にO型が多いこと:ユーラシア大陸からベーリング海峡を渡って移住したごく少数の祖先集団(創始者効果・ビン首効果)から集団が形成されたため、遺伝的浮動が強く働きました。よって条件 ①(きわめて多数の同種の集団からなる)または移住に伴う ⑤ と最も関連が深いです。
(1) ア:自然選択 / イ:遺伝的浮動 / ウ:中立進化 / エ:地理的隔離 / オ:異所的種分化 / カ:ハーディ・ワインベルグの法則 (2) A:② / B:①(または⑤)
〔問2〕II. ある植物がもつタンパク質Aをつくる対立遺伝子 $A$ は、つくらない対立遺伝子 $a$ に対して顕性(優性)である。この植物のある集団を調べたところ、タンパク質Aをつくらない個体($aa$)が $25\%$ 存在した。
(3) 対立遺伝子 $A, a$ の遺伝子頻度をそれぞれ $p, q$ とする。$p, q$ を小数で記せ($p+q=1$)。
(4) この集団における遺伝子 $A$ に関するヘテロ接合体($Aa$)の個体の割合を整数値($\%$)で記せ。
(5) ある世代において、突然未知の感染症が広まり、タンパク質Aを作らない個体($aa$)が全滅してしまった。残りの個体が自由に交配してできた次世代の集団において、対立遺伝子 $a$ の遺伝子頻度 $q$ はいくらになるか。小数点第2位までで記せ。
(6) (5)の次世代以降でもタンパク質Aを作らない個体がすべて死亡する場合、遺伝子 $a$ の遺伝子頻度 $q$ の変化を表したグラフはア〜クのどれか。

【(3)・(4) ステップ解説】ハーディ・ワインベルグ平衡の基本計算

タンパク質Aをつくらない個体は潜性ホモ接合体 $aa$ であり、その割合 $q^2$ が $25\% = 0.25$ です。

$$q^2 = 0.25 \quad \Longrightarrow \quad q = \sqrt{0.25} = 0.5$$ $$p = 1 - q = 1 - 0.5 = 0.5$$

また、ヘテロ接合体 $Aa$ の個体の割合は $2pq$ で表されるので:

$$2pq = 2 \times 0.5 \times 0.5 = 0.50 \quad \Longrightarrow \quad 50\%$$

【(5) ステップ解説】$aa$ が全滅したあとの遺伝子頻度 $q'$ を求める!

感染症が広まる前の個体数の比は、$AA : Aa : aa = p^2 : 2pq : q^2 = 0.25 : 0.50 : 0.25 = 1 : 2 : 1$ です。
ここで $aa$(1の割合)が全滅すると、生き残った個体の比は $AA : Aa = 1 : 2$ になります。

分かりやすく、生き残った個体が $AA$ が100個体、$Aa$ が200個体(合計300個体=遺伝子総数600個) だとしましょう!
・遺伝子 $A$ の数 $= 100\times 2 + 200\times 1 = 400$ 個
・遺伝子 $a$ の数 $= 200\times 1 = 200$ 個
よって、生き残った親世代における遺伝子 $a$ の頻度(これがそのまま自由交配後の次世代の遺伝子頻度 $q$ になります)は: $$q = \frac{200}{600} = \frac{1}{3} \fallingdotseq 0.333\cdots \quad \Longrightarrow \quad 0.33$$

【(6) ステップ解説】毎世代 $aa$ が死亡するときの $q$ の変化グラフ

一般に、ある世代の遺伝子 $a$ の頻度を $q_n$ とすると、生存個体の遺伝子頻度 $q_{n+1}$ は:

$$q_{n+1} = \frac{pq_n}{p^2 + 2pq_n} = \frac{q_n}{p + 2q_n} = \frac{q_n}{(1 - q_n) + 2q_n} = \frac{q_n}{1 + q_n}$$

$q_0 = 0.5 = \dfrac{1}{2}$ からスタートすると、世代 $n$ ごとに

$$q_0 = \frac{1}{2}\ (0.5) \longrightarrow q_1 = \frac{1}{3}\ (0.33) \longrightarrow q_2 = \frac{1}{4}\ (0.25) \longrightarrow q_3 = \frac{1}{5}\ (0.20) \longrightarrow \cdots \longrightarrow q_n = \frac{1}{n+2}$$

と変化します。つまり、最初は急に減少し、世代が進むにつれてヘテロ接合体 $Aa$ の中に隠れている遺伝子 $a$ は淘汰されにくいため、減少が緩やかになりながら $0$ に漸近する下に凸の減少曲線(ク)になります。

(3) p = 0.5, q = 0.5 (4) 50 % (5) 0.33 (6) ク

〔問3〕ウニとアフリカツメガエルの発生・中胚葉誘導

目標時間:18分
Sora先生
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〔問3〕は発生分野の2大スター「ウニ(16細胞期の割球組み換え実験)」と「アフリカツメガエル(ニューコープの動物極・植物極組み換え実験&背腹軸決定)」だよ!
特に(7)の「表層回転・灰色三日月環・ディシュベルド・$\beta$カテニン」を使った160字論述は差がつく大勝負ポイント。因果関係の矢印を1ステップずつ繋げれば満点が取れるよ!

〔問3〕I. ウニの発生
(1) 空欄(ア)〜(オ)に当てはまる適当な語を答えよ。
(2) 胞胚期以降のウニの発生で起こる以下の現象①〜④を正しい順番に並べよ。
① 植物極側の細胞層が胚内部へ陥入する。
② 原腸が外胚葉に接触して口が形成される。
③ 原腸の先端の細胞が胚内部へこぼれてくる。
④ 骨片に分化する細胞が胚内部へ遊離を始める。
(3) 16細胞期の割球の分離・組み換え実験【E1】〜【E4】の結果を正しく説明した文章を①〜⑤よりすべて選べ。

【(1) ステップ解説】

  • (ア)等黄卵:ウニの卵は卵黄が少なく、卵全体に均一に分布している等黄卵です。
  • (イ)等割:第3卵割までは割球の大きさが同じ等割を行います(第1・第2は経割、第3は緯割)。
  • (ウ)卵割腔(または胞胚腔):桑実胚〜胞胚の内部に生じる空所。
  • (エ)受精膜:胞胚期になると表面に繊毛が生じ、受精膜の中で回転を始めます。
  • (オ)孵化(ふ化):孵化酵素によって受精膜を溶かして破り、外へ泳ぎ出る現象。

【(2) ステップ解説】ウニの胞胚期〜原腸胚期のイベント順序!

  1. ④ 一次間充織の遊離(胞胚期後半):原腸陥入の直前に、小割球に由来する一次間充織細胞(将来、骨片に分化する細胞)が卵割腔内へ遊離を始めます。
  2. ① 原腸の陥入開始(原腸胚初期):植物極側の細胞層(大割球由来)が胚内部へ陥入して原腸をつくります。
  3. ③ 二次間充織の遊離(原腸胚中期〜後期):陥入した原腸の先端から二次間充織細胞が胚内部へこぼれ出し、糸状仮足を伸ばして原腸先端を動物極側の予定口領域へ引き寄せます。
  4. ② 口の形成:原腸の先端が外胚葉に接触して口が開通し(原口は肛門になる:新口動物)、プリズム幼生 $\rightarrow$ プルテウス幼生となります。

よって正しい順番は ④ $\rightarrow$ ① $\rightarrow$ ③ $\rightarrow$ ② です。

【(3) ステップ解説】実験【E1】〜【E4】から言えることだけを厳密に選ぶ!

・【E1】中割球のみ $\rightarrow$ 外胚葉のみの永久胞胚

・【E2】小割球のみ $\rightarrow$ 骨片を作る細胞(中胚葉)へ分化

・【E3】中割球+小割球 $\rightarrow$ 小さいが正常な幼生(小割球からは骨片のみ発生=中割球から外胚葉だけでなく内胚葉なども分化した!)

・【E4】大割球+中割球 $\rightarrow$ 正常な幼生(小割球がなくても大割球から骨片が作られた!)

  • ①(誤り):【E4】より、小割球がなくても大割球+中割球で正常な幼生になるため、小割球は必須ではありません。
  • ②(誤り):【E3】より、大割球がなくても中割球+小割球で正常な幼生(内胚葉をもつ)になるため、大割球は必須ではありません。
  • ③(誤り):【E4】より、小割球がなくても正常な幼生(骨片をもつ)になるため、大割球などが予定運命を変えて骨片に分化できます。
  • ④(正しい):【E1】より、中割球単独では外胚葉のみの永久胞胚になり、中胚葉や内胚葉にはなりません。
  • ⑤(正しい):【E1】と【E3】の比較より、本来は外胚葉にしかならない中割球が、小割球と組み合わせることで誘導を受け、予定運命を変えて内胚葉(消化管)になることができます。
(1) ア:等黄卵 / イ:等割 / ウ:卵割腔(胞胚腔) / エ:受精膜 / オ:孵化 (2) ④ → ① → ③ → ② (3) ④, ⑤
〔問3〕II. アフリカツメガエルの発生と中胚葉誘導
(4) ツメガエルの卵割において第3卵割で植物極側と動物極側の割球の大きさに差が出る理由を60文字以内で答えよ。
(5) 中胚葉から分化しない組織を①〜⑦より3つ選べ。
① 表皮 ② 筋肉 ③ 腎臓 ④ 肝臓 ⑤ 血球 ⑥ 脊椎骨 ⑦ 神経細胞
(6) 実験および実験結果について説明している文章①〜⑤のうち、誤っているものをすべて選べ。
(7) ツメガエルにおいて、どのようなしくみで背側と腹側の差が生じるか、以下の語をすべて用いて、160文字以内で答えよ。
【語:表層回転,灰色三日月環,ディシュベルド,$\beta$カテニン】

【(4) ステップ解説】端黄卵の不等割の理由(60字以内)

ツメガエルの卵は端黄卵であり、卵黄が植物極側に多く偏って分布しています。卵黄には卵割(細胞質分裂)を物理的に阻害(遅らせる)働きがあるため、第3卵割(緯割)の卵割面が赤道面より動物極側に偏って形成される結果、動物極側の割球は小さく、植物極側の割球は大きくなります。

解答例:「卵黄が植物極側に偏って分布しており、卵黄が卵割を阻害するため、第3卵割面が動物極側に偏るから。」(48字)

【(5) ステップ解説】各胚葉から分化する器官の整理

  • 外胚葉由来:① 表皮、⑦ 神経細胞(神経系)、感覚器(水晶体など)
  • 中胚葉由来:② 筋肉(体節)、③ 腎臓(腎節)、⑤ 血球・心臓・血管(側板)、⑥ 脊椎骨(体節・硬節)、脊索
  • 内胚葉由来:④ 肝臓、すい臓、消化管上皮、肺・気管(呼吸器上皮)

よって中胚葉から分化しない3つは ①, ④, ⑦ です。

【(6) ステップ解説】表のデータから誤りを選ぶ

  • ①(正しい):表より、D2(11%)、D3(5%)、D4(16%)もAの割球を背側中胚葉に分化させています。
  • ②(正しい):リード文に「A層の割球はいずれの場合も中胚葉に分化した」とある通り、D1〜D4はいずれも中胚葉誘導を行っています。
  • ③(誤り):動物極側のA層の割球(アニマルキャップ)は、単独で培養すると外胚葉(表皮)にしかなりません。植物極側のD層の割球からの誘導(中胚葉誘導)を受けて初めて中胚葉に分化します。
  • ④(誤り):腹側中胚葉を最も高率で誘導しているのは、D4(42%)ではなく D3(50%) です。
  • ⑤(正しい):最も背側のD1は77%という最高率で背側中胚葉を誘導しています。

よって誤っているものは ③, ④ です。

【(7) ステップ解説】背腹軸決定の分子機構(160字以内)

📊 背腹軸決定の4ステップ・フローチャート

Step 1:表層回転
精子侵入をきっかけに卵の表層が約$30^\circ$回転する表層回転が起こる。
Step 2:灰色三日月環
精子侵入側と反対側の赤道付近に灰色三日月環が生じる。
Step 3:ディシュベルド移動
植物極側にあったディシュベルドが灰色三日月環側(将来の背側)へ移動する。
Step 4:$\beta$カテニン蓄積
ディシュベルドが$\beta$カテニンの分解を抑制するため、背側で$\beta$カテニンが核内に蓄積し背腹の差が生じる。
解答例:「精子の侵入を機に表層回転が起こり、精子侵入側と反対側に灰色三日月環が生じる。この動きで植物極側にあったディシュベルドが灰色三日月環側(背側)へ移動し、そこでの$\beta$カテニンの分解を阻害するため、背側で$\beta$カテニンが核内に蓄積して背側と腹側の差が生じる。」(128字)
(4) 上記解答例参照 (5) ①, ④, ⑦ (6) ③, ④ (7) 上記解答例参照

〔問4〕免疫のしくみ・抗体の定量計算・二重拡散法(オクタロニー法)

目標時間:18分
Sora先生
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〔問4〕は免疫と二重拡散法(オクタロニー法)!ここには受験生が引っかかりやすい2大ポイントがあるよ。
1つ目は(3)の「Y字型の抗体1分子には抗原結合部位(可変部)が2か所ある!」という計算。2つ目は(7)・(8)のオクタロニー法で、「同じ抗原どうしなら沈降線が融合(つながる)、異なる抗原なら沈降線が交差する」「濃度を薄めると沈降線は薄めた穴の方へ近づく」というルール。図解で完璧にマスターしよう!

〔問4〕I. 免疫とアレルギー
(1) 文中の空欄(ア)〜(オ)に当てはまる適当な語を答えよ。
(2) ヒトの自然免疫について正しく述べたものを2つ選び記号で記せ。
A. ヘルパーT細胞は、ウイルスに感染した細胞を見つけ、攻撃する。
B. マクロファージはTCRというタンパク質を分泌し、炎症を引き起こす。
C. 食作用を示す細胞の細胞膜にはToll様受容体と呼ばれるタンパク質がある。
D. 樹状細胞は、異物を取り込むだけでなくリンパ管へ移動し獲得免疫を誘導する。
E. 活性化したNK細胞の一部は、一度反応した抗原の情報を記憶するしくみをもつ。
(3) 分子量が15万の抗体が結合できる、分子量10万の抗原がある。この抗体と結合できる抗原分子の部位が1か所のみであったとき、この抗体 $0.45\text{ mg}$ が結合できる抗原の最大量は何 $\text{mg}$ か。
(4) 重度のアレルギーによって急激で重篤な全身性症状が現れることを何というか。
(5) (4)の兆候がみられた際、アドレナリンを含む薬剤を注射する理由を記せ。

【(1)・(2) ステップ解説】

  • (1) ア:抗体産生細胞(または形質細胞) / イ:L鎖(軽鎖)(小さいポリペプチド) / ウ:H鎖(重鎖)(大きいポリペプチド) / エ:可変部 / オ:定常部
  • (2)
    ・A(誤り):ウイルス感染細胞を直接攻撃するのはキラーT細胞(しかも獲得免疫)。
    ・B(誤り):TCR(T細胞受容体)はT細胞の細胞膜上にある受容体であり、マクロファージが分泌するタンパク質(サイトカイン)ではありません。
    ・C(正しい):マクロファージや樹状細胞などの食細胞の細胞膜には、病原体に共通する分子パターンを認識するToll様受容体(TLR)があります。
    ・D(正しい):樹状細胞は食作用で異物を取り込んで分解し、リンパ管を通ってリンパ節へ移動し、T細胞に抗原提示を行って獲得免疫を誘導します。
    ・E(誤り):NK細胞は自然免疫を担うリンパ球であり、免疫記憶はもちません。

【(3) ステップ解説】Y字型抗体1分子は「2分子の抗原」と結合できる!

抗原1 抗原2 抗体1分子(分子量15万) 先端2か所に抗原(分子量10万)が1個ずつ計2個結合!

Step 1:抗体 $0.45\text{ mg}$ の物質量($\text{mol}$)を求める
抗体の分子量は $15\text{万} = 1.5 \times 10^5$ なので:

$$\text{抗体の物質量} = \frac{0.45\text{ mg}}{1.5 \times 10^5\text{ g/mol}} = 3.0 \times 10^{-6}\text{ mmol}$$

Step 2:結合できる抗原の最大物質量を求める
Y字型の抗体1分子には可変部(抗原結合部位)が2か所あります。抗原側の結合部位は1か所のみなので、抗体1分子につき最大2分子の抗原が結合できます:

$$\text{抗原の最大物質量} = 3.0 \times 10^{-6}\text{ mmol} \times 2 = 6.0 \times 10^{-6}\text{ mmol}$$

Step 3:抗原(分子量 $10\text{万} = 1.0 \times 10^5$)の質量($\text{mg}$)を求める

$$\text{抗原の最大質量} = 6.0 \times 10^{-6}\text{ mmol} \times 1.0 \times 10^5\text{ mg/mmol} = 0.6\text{ mg}\ (\text{または } 0.60\text{ mg})$$

【(4)・(5) ステップ解説】アナフィラキシーとアドレナリン自己注射薬(エピペン)

  • (4) アナフィラキシー(またはアナフィラキシーショック)
  • (5) アナフィラキシーショックでは、血管拡張による急激な血圧低下や、気道平滑筋の収縮・浮腫による気道閉塞(呼吸困難)が起こり生命が危険になります。アドレナリンは交感神経の作用と同様に、①心拍数・心収縮力を高め末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる作用と、②気管支を拡張させて呼吸困難を緩和する作用があるため注射します。
(1) ア:抗体産生細胞 / イ:L鎖 / ウ:H鎖 / エ:可変部 / オ:定常部 (2) C, D (3) 0.6 mg (4) アナフィラキシー
〔問4〕II. 二重拡散法(オクタロニー法)
(6) 下線部(d)「抗原と抗体が特異的に結合する」ことを何というか。
(7) 実験E1〜E3の結果(図イでは沈降線がつながり、図ウでは沈降線が交差した)から、抗原A〜Cの構造について最も可能性が高いものを①〜⑤から1つ選べ。
(8) 中心に血清Dを、周囲4つに「抗原A(原液)」「抗原A(2倍希釈)」「抗原C(原液)」「抗原C(2倍希釈)」を入れた。沈降線はどのように現れるか。【選択肢群1〜3】から1つずつ選べ。

【(6)・(7) ステップ解説】なぜ同じ抗原だと「つながり」、違う抗原だと「交差する」のか?

(6) 抗原と抗体が特異的に結合する反応を 抗原抗体反応 といいます。

(7) オクタロニー法の原理:
血清Dには抗A抗体、抗B抗体、抗C抗体が含まれています。

  • 図イ(抗原Aと抗原B):沈降線が交差せず山形に融合(つながって)います。これは抗原Aと抗原Bが同一の構造(同じ抗原決定基)をもっており、同じ抗体と反応してそれ以上先へ拡散できずに止められたことを示します。
  • 図ウ(抗原Aと抗原C):沈降線が交差しています。これは抗原Aと抗原Cが異なる構造をもっており、抗A抗体は抗原Cの沈降線を素通りし、抗C抗体は抗原Aの沈降線を素通りして、それぞれ独立に沈降線を作ったことを示します。

したがって、「③ 抗原AとBは同じ構造で、抗原Cは異なる可能性が高い」が正解です。

【(8) ステップ解説】2倍希釈したときの沈降線の位置と形!

血清D 抗原A(原液) 抗原A(2倍希釈) 抗原C(原液) 抗原C(2倍希釈) 同じ抗原A同士はつながる AとCの沈降線は交差する!
  • 【選択肢群1】希釈すると沈降線の位置はどうなるか?
    沈降線は、抗原と抗体が拡散して「最適濃度比」になった場所に形成されます。抗原を2倍希釈(濃度を$\frac{1}{2}$に)すると、抗原の拡散が弱まり、最適濃度比になる地点は薄い側(2倍希釈の抗原の孔側)へ移動します。つまり、中央の血清Dの孔からは遠くなります(②)。
  • 【選択肢群2】同じ抗原の原液と2倍希釈の間の沈降線はどうなるか?
    濃度が違っても同じ抗原どうしなので、沈降線は交差せずにつながります(⑥)。
  • 【選択肢群3】抗原Aと2倍希釈の抗原Cの間の沈降線はどうなるか?
    抗原Aと抗原Cは異なる構造の抗原なので、それぞれの沈降線は交差します(⑦)。
(6) 抗原抗体反応 (7) ③ (8) 選択肢群1:② / 選択肢群2:⑥ / 選択肢群3:⑦

〔問5〕血糖濃度の調節・2型糖尿病・グルコース輸送体・腎臓の再吸収

目標時間:17分
Sora先生
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最後の大問〔問5〕は、医学部入試の超王道テーマ「血糖調節・糖尿病・腎臓のグルコース再吸収計算・膜輸送体(GLUT2, GLUT4, SGLT)」の総合問題だよ!
特に(3)の腎臓グラフ読み取り計算と、(4)の「リード文のヒントからどの組織がどの輸送体(GLUT2/GLUT4/SGLT)を使っているかをパズルのように特定する問題」はめちゃくちゃ良問!1ステップずつ丁寧に解き明かそう!

〔問5〕(1) 文中の空欄(ア)〜(カ)に当てはまる適当な語を答えよ。
(2) 下線部(a)について、2型糖尿病患者では加齢や体質、生活習慣などの影響により ①すい臓や、②インスリン標的細胞(筋肉や脂肪細胞)の変化が原因となって血糖濃度が低下しにくくなっている。①と②での変化とはどのようなものか、それぞれ簡潔に説明せよ。

【(1) ステップ解説】

  • (ア)cAMP(サイクリックAMP/環状AMP):グルカゴンが受容体に結合すると、Gタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、ATPからセカンドメッセンジャーである cAMP が合成されて増加します。
  • (イ)グリコーゲン:肝臓に貯蔵されている多糖。分解されるとグルコースになり、インスリン作用時にはグルコースから合成されて貯蔵されます。
  • (ウ)糖質コルチコイド:副腎皮質から分泌され、タンパク質からグルコースを合成(糖新生)して血糖濃度を上昇させるホルモン。
  • (エ)肝門脈(または門脈):小腸で吸収されたグルコースやアミノ酸を肝臓へ運ぶ血管。
  • (オ)視床下部:自律神経系および内分泌系の中枢である間脳の視床下部。
  • (カ)副交感:高血糖時に間脳の視床下部からすい臓のランゲルハンス島B細胞へ指令を伝え、インスリン分泌を促進するのは副交感神経です(低血糖時にA細胞や副腎髄質を刺激するのは交感神経)。

【(2) ステップ解説】2型糖尿病における2つの原因(分泌不全とインスリン抵抗性)

① すい臓での変化:
ランゲルハンス島B細胞の機能が低下し、インスリンの分泌量が減少(分泌不全)する。
② インスリン標的細胞での変化:
インスリン受容体の感受性や細胞内情報伝達が低下(インスリン抵抗性)し、インスリンが作用してもグルコースの取り込みが促進されにくくなる。
(1) ア:cAMP / イ:グリコーゲン / ウ:糖質コルチコイド / エ:肝門脈 / オ:視床下部 / カ:副交感
〔問5〕(3) 健康なヒトにグルコース溶液を注射して血糖濃度を増加させ、1分あたりの原尿と尿に含まれるグルコース量($\text{mg/分}$)を調べて図を作成した。
【グラフの読み取り条件】
・原尿中のグルコース輸送量:原点を通り、血糖濃度 $1\text{ mg/mL}$ のとき $100\text{ mg/分}$、$2\text{ mg/mL}$ のとき $200\text{ mg/分}$、$2.5\text{ mg/mL}$ のとき $250\text{ mg/分}$ の直線。
・尿中のグルコース輸送量:血糖濃度 $2\text{ mg/mL}$ まで $0\text{ mg/分}$、$2.5\text{ mg/mL}$ のとき $50\text{ mg/分}$ の直線。
① 原尿からグルコースを再吸収する能力は、最大で1分あたり何 $\text{mg}$ か。
② 1分あたり何 $\text{L}$ の原尿が生成されるか。
③ ある糖尿病患者の1日の平均の血糖濃度が $3.25\text{ mg/mL}$ だったとすると、この患者が1日に尿中に排出したグルコース量は何 $\text{g}$ か。

【① ステップ解説】最大再吸収速度(極量)の読み取り

再吸収量 = 原尿中グルコース量 - 尿中グルコース量 です。
・血糖濃度 $2\text{ mg/mL}$ のとき:原尿中 $200\text{ mg/分} - \text{尿中 } 0\text{ mg/分} = 200\text{ mg/分}$ 再吸収。
・血糖濃度 $2.5\text{ mg/mL}$ のとき:原尿中 $250\text{ mg/分} - \text{尿中 } 50\text{ mg/分} = 200\text{ mg/分}$ 再吸収。
つまり、血糖濃度が $2\text{ mg/mL}$ を超えると再吸収能力が限界(最大)に達し、1分あたり最大で $200\text{ mg}$ 再吸収できます。

【② ステップ解説】1分あたりの原尿生成量($\text{L}$)

グルコースは血漿から原尿へそのままの濃度でろ過されるため、原尿中のグルコース濃度 = 血糖濃度 です。
グラフより、血糖濃度(=原尿中グルコース濃度)が $1\text{ mg/mL}$ のとき、1分あたりの原尿中グルコース量は $100\text{ mg/分}$ です。よって1分あたりの原尿生成量は:

$$\text{原尿生成量} = \frac{100\text{ mg/分}}{1\text{ mg/mL}} = 100\text{ mL/分}$$

問題文は「何 $\text{L}$ か」と聞いているので、$1\text{ L} = 1000\text{ mL}$ より:

$$100\text{ mL} = \mathbf{0.1\text{ L}}\ (\text{または } 0.10\text{ L})$$

【③ ステップ解説】血糖濃度 $3.25\text{ mg/mL}$ の患者が1日に尿中に排出するグルコース量($\text{g}$)

Step 1:1分あたりに原尿へろ過されるグルコース量を求める
1分あたり $100\text{ mL}$ の原尿が生成され、その濃度が $3.25\text{ mg/mL}$ なので:

$$\text{1分あたりの原尿中グルコース量} = 3.25\text{ mg/mL} \times 100\text{ mL/分} = 325\text{ mg/分}$$

Step 2:1分あたりに尿中へ排出されるグルコース量を求める
①より、細尿管で再吸収できるグルコースは最大で $200\text{ mg/分}$ です。再吸収しきれなかった分が尿中へ排出されるので:

$$\text{1分あたりの尿中排出量} = 325\text{ mg/分} - 200\text{ mg/分} = 125\text{ mg/分}$$

Step 3:1日($= 60\text{分} \times 24\text{時間} = 1440\text{分}$)あたりの排出量を $\text{g}$ で求める

$$\text{1日の尿中排出量} = 125\text{ mg/分} \times 60\text{ 分/時間} \times 24\text{ 時間/日} = 180000\text{ mg} = \mathbf{180\text{ g}}$$
(3) ①:200 mg / ②:0.1 L / ③:180 g
〔問5〕(4) 下線部(c)〜(g)およびリード文の最後の段落を参考にして、以下の①〜⑥の細胞や組織へのグルコース取り込みを行うグルコース輸送体が GLUT2, GLUT4, SGLT のいずれであるかをそれぞれ答えよ。
①肝細胞 ②ランゲルハンス島B細胞 ③筋肉 ④脂肪細胞 ⑤細尿管 ⑥小腸上皮
(5) 下線部(i)のような小胞を介したタンパク質の輸送は、細胞外に物質を放出するしくみにも使われている。このしくみを何というか。
(6) 下線部(j)の $\text{Na}^+$ の濃度勾配は、あるタンパク質のはたらきにより維持されている。このタンパク質について誤っているものをすべて選べ。
A. ポンプである B. チャネルである C. 受動輸送を行う D. 能動輸送を行う E. $\text{K}^+$ を細胞外に排出する F. ATPをADPに変換する G. 選択的透過性に関与する

【(4) ステップ解説】3種類のグルコース輸送体の完全整理!

● GLUT2
特徴:常に細胞膜上に発現し、インスリン濃度とは無関係に濃度勾配に従って輸送(受動輸送)。
該当組織:
・① 肝細胞(下線部g:血中インスリン濃度とは無関係に取り込む)
・② ランゲルハンス島B細胞(下線部e:血糖濃度上昇に応じてグルコースを取り込みインスリンを分泌)
● GLUT4
特徴:インスリンが作用すると細胞内小胞から細胞膜へ移動し、濃度勾配に従って取り込む。
該当組織:
・③ 筋肉
・④ 脂肪細胞
(下線部f:インスリンが筋肉や脂肪細胞への取り込みを促進)
● SGLT($\text{Na}^+$/グルコース共輸送体)
特徴:$\text{Na}^+$の濃度勾配を利用して、グルコースの濃度勾配に逆らって($100\%$残らず)取り込む二次性能動輸送。
該当組織:
・⑤ 細尿管(下線部b:$100\%$再吸収)
・⑥ 小腸上皮(下線部d:消化管内の濃度に関係なく吸収)

【(5)・(6) ステップ解説】エキソサイトーシスとナトリウムポンプ

(5) 細胞内小胞の膜が細胞膜と融合して内部の物質を細胞外へ放出するしくみを エキソサイトーシス(または開口分泌) といいます(逆に取り込むしくみはエンドサイトーシス/飲食作用)。

(6) 細胞内外の $\text{Na}^+$ の濃度勾配(細胞外に $\text{Na}^+$ が多く、細胞内に $\text{K}^+$ が多い状態)を維持しているタンパク質は ナトリウムポンプ($\text{Na}^+\text{-K}^+\text{ATPアーゼ}$) です。

  • A(正しい):ポンプです。
  • B(誤り):チャネルではありません。
  • C(誤り):受動輸送ではなく能動輸送を行います。
  • D(正しい):濃度勾配に逆らう能動輸送を行います。
  • E(誤り):ATPのエネルギーを使って、$\text{Na}^+$(3個)を細胞外へ排出し、$\text{K}^+$(2個)を細胞内へ取り込みます。よって「$\text{K}^+$を細胞外に排出する」は誤りです。
  • F(正しい):ATPアーゼ活性をもち、ATPをADPとリン酸に加水分解します。
  • G(正しい):特定のイオンを選択的に輸送するため、生体膜の選択的透過性に関与します。

したがって、誤っているものは B, C, E です。

(4) ①:GLUT2 / ②:GLUT2 / ③:GLUT4 / ④:GLUT4 / ⑤:SGLT / ⑥:SGLT (5) エキソサイトーシス(開口分泌) (6) B, C, E
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2025年度の兵庫医科大学・生物は、〔問1〕の幅広い知識・小問から始まり、〔問2〕のハーディ・ワインベルグ計算、〔問3〕の発生の実験考察と背腹軸論述、〔問4〕の抗体計算とオクタロニー法、〔問5〕の腎臓再吸収計算とグルコース輸送体(GLUT2/GLUT4/SGLT)の分類まで、「基礎知識の正確さ」と「実験・グラフをその場で論理的に処理する力」がバランスよく問われる素晴らしい良問セットでした。特に間違えやすい分子時計の「$\div 2$」、Y字抗体の「$\times 2$」、オクタロニー法の「希釈すると薄い側の穴へ近づく」の3点は、本番で10点以上の差がつくポイントです。このページのステップ解説を繰り返し復習し、確実な得点力に変えていきましょう!

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