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自治医科大学 医学部 生物(2025年度)全問題・超図解解説

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理系担当 Sora先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 Sora先生 ✕ ニックニ先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!自治医科大学(2025年度)生物をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系担当Sora先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、自治医科大学(2025年度)の生物について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

🩺 自治医科大学 医学部(1次試験・生物)攻略の鉄則

自治医科大学の理科は2科目で80分(1科目あたり約40分)というスピード勝負です!しかも「正しいものはいくつあるか(個数問題)」が頻出するため、曖昧な知識では最後の2択で足元を掬われます。この解説書では、Sora先生と指導統括のニックニ先生が、すべての選択肢の正誤理由と計算・実験考察のプロセスを1ステップも省略せずに完全図解します!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

全17問 マークシート完全対応

大問パート I(問題 1 〜 3):免疫とホルモン・血糖調節

目標時間:4分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

最初のパートは医学部入試の超王道テーマ「免疫」と「糖尿病(血糖調節)」だよ!問1はいきなり「正しいものはいくつあるか」という個数問題だけど、「自然免疫」と「獲得免疫(適応免疫)」の主語すり替えひっかけに気づけば15秒で突破できるよ。問3のグラフ問題は、「血糖値が高い人(Aさん・Bさん)のインスリン濃度がどうなっているか」を上下のグラフで対応させるだけで一発解決だ!

問題 1:自然免疫と獲得免疫(適応免疫)

正解:㋑(1個)

1 A〜Eの中で正しいものはいくつあるか。

  • A 獲得免疫(適応免疫)は,物理的バリアや化学的バリアによって異物の侵入を防ぐ。
  • B 自然免疫は,細胞による食作用によって異物を排除する。
  • C 獲得免疫(適応免疫)は,非特異的に異物を認識して反応する。
  • D 自然免疫は,特定の病原体に対する記憶を持ち,再感染時に反応する。
  • E 獲得免疫(適応免疫)は,B細胞とキラーT細胞が働き,自然免疫とは関連しない。

選択肢:㋐ 0  ㋑ 1  ㋒ 2  ㋓ 3  ㋔ 4

🔍 1ステップずつ全記述を完全判定!

項目 自然免疫 獲得免疫(適応免疫)
防衛ライン 第1防衛(皮膚・粘膜の物理的・化学的バリア)
第2防衛(好中球・マクロファージ・樹状細胞の食作用、NK細胞)
第3防衛(T細胞・B細胞などのリンパ球)
異物の認識 非特異的(大まかな共通構造を認識) 特異的(特定の抗原だけをピンポイント認識)
免疫記憶 原則として持たない 記憶細胞として記憶を持ち、再感染時に強く速く反応(二次応答)
  • 【A:誤り ❌】 角質層などの物理的バリアや、リゾチーム・胃酸・ディフェンシンなどの化学的バリアは「自然免疫」の仕組みです。
  • 【B:正しい ⭕】 自然免疫では、好中球・マクロファージ・樹状細胞といった食細胞による食作用によって異物を排除します。
  • 【C:誤り ❌】 「非特異的に」ではなく、特定の異物(抗原)を「特異的に」認識して反応するのが獲得免疫です。
  • 【D:誤り ❌】 特定の病原体に対する免疫記憶を持ち、再感染時に強く反応する(二次応答)のは「獲得免疫(適応免疫)」です。
  • 【E:誤り ❌】 獲得免疫が働くためには、自然免疫を担う樹状細胞やマクロファージが食作用の後に「抗原提示」を行う必要があります。したがって自然免疫と密接に関連しています。

以上より、正しいものは B の 1個のみ なので、正解は ㋑ です。

問題 2:アレルギー(I型アレルギー)のしくみ

正解:㋒

2 アレルギーについて,正しいものはどれか。

  • ㋐ 特定の抗原に対する $\text{IgG}$ 抗体の産生により引き起こされる。
  • ㋑ ヘルパーT細胞が,直接アレルゲンを攻撃する。
  • ㋒ マスト細胞の表面に結合した $\text{IgE}$ 抗体が,アレルゲンと結合する。
  • ㋓ B細胞がアレルゲンを認識し,抗原提示細胞に抗原を提示する。
  • ㋔ 樹状細胞が,$\text{IgE}$ 抗体を産生する。

🔍 花粉症や食物アレルギー(即時型アレルギー)のステップ図解

① 抗原提示
樹状細胞がアレルゲンを取り込みヘルパーT細胞へ提示
➔
② $\text{IgE}$ 抗体の産生
B細胞が分化した形質細胞(抗体産生細胞)が $\text{IgE}$ 抗体を産生
➔
③ マスト細胞へ結合
マスト細胞(肥満細胞)の表面に $\text{IgE}$ 抗体が結合して待機
➔
④ 再侵入・ヒスタミン放出
$\text{IgE}$ 抗体にアレルゲンが結合し、ヒスタミン等を放出!
  • 【㋐:誤り ❌】 花粉症などの典型的なアレルギー(I型アレルギー)は、$\text{IgG}$ ではなく主に $\text{IgE}$ 抗体の産生によって引き起こされます。
  • 【㋑:誤り ❌】 ヘルパーT細胞はサイトカイン(インターロイキンなど)を放出してB細胞などを活性化する司令塔であり、直接アレルゲンを攻撃するわけではありません。
  • 【㋒:正しい ⭕】 マスト細胞(肥満細胞)の表面にあらかじめ結合していた $\text{IgE}$ 抗体に、再侵入したアレルゲンが結合(架橋)することで、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されアレルギー症状が出ます。
  • 【㋓:誤り ❌】 順序が逆です。抗原提示細胞(樹状細胞など)がヘルパーT細胞に抗原を提示します(B細胞もヘルパーT細胞に抗原提示を行いますが、抗原提示細胞に向かって提示するのではありません)。
  • 【㋔:誤り ❌】 $\text{IgE}$ 抗体を産生するのは、B細胞から分化した抗体産生細胞(形質細胞)です。樹状細胞は抗体を産生しません。

問題 3:血糖濃度とインスリン濃度の時間変化(糖尿病の分類)

正解:㋔

3 Aさん,Bさん,Cさんの3人に同じ時間に同じ食事をとってもらい,1日の血糖濃度と血液中のインスリン濃度を測定したところ,図1と図2の結果が得られた。この実験の考察として最も適当なものはどれか。

  • ㋐ Aさんは,I型糖尿病である。
  • ㋑ Bさんは,II型糖尿病である。
  • ㋒ Cさんは,細胞内へのグルコースの取り込みに障害がある。
  • ㋓ 食後に,Aさんにインスリンを投与すると血糖濃度が正常化する。
  • ㋔ 食後に,Bさんにインスリンを投与すると血糖濃度の最高値が低下する。

📊 図1(血糖濃度)と図2(インスリン濃度)の3人のパターン比較

Aさん(太実線)= II型糖尿病
  • ・図1(血糖濃度):1日中ずっと高い!
  • ・図2(インスリン):食後にしっかり分泌されている(むしろ高値)!
  • 👉 原因:インスリンは出ているのに、標的細胞の受容体や細胞内情報伝達の異常でインスリンが効きにくい(インスリン抵抗性)状態。
Bさん(破線)= I型糖尿病
  • ・図1(血糖濃度):1日中ずっと高い!
  • ・図2(インスリン):食後も含め、ほとんど分泌されていない(低値のまま)!
  • 👉 原因:すい臓のランゲルハンス島B細胞($\beta$細胞)の破壊により、インスリン自体が作れない状態。
Cさん(細実線)= 健常者
  • ・図1(血糖濃度):基準値内で安定(食後に少し上がりすぐ戻る)。
  • ・図2(インスリン):食後に速やかに分泌され、血糖が下がると元に戻る。
  • 👉 状態:インスリン分泌もグルコース取り込みも完全に正常。

🔍 選択肢の正誤判定

  • 【㋐:誤り ❌】 Aさんはインスリンが分泌されているにもかかわらず高血糖なので、II型糖尿病です。
  • 【㋑:誤り ❌】 Bさんはインスリンがほとんど分泌されずに高血糖となっているので、I型糖尿病です。
  • 【㋒:誤り ❌】 Cさんは血糖濃度が低く正常に保たれている健常者であり、グルコースの取り込みに障害はありません。
  • 【㋓:誤り ❌】 Aさん(II型糖尿病)はすでに血液中に十分なインスリンがあるのに標的細胞が反応しない(インスリン抵抗性がある)ため、インスリンを投与しても血糖濃度はすぐには正常化しにくいです。
  • 【㋔:正しい ⭕】 Bさん(I型糖尿病)は、標的細胞のインスリン受容体は正常ですが、すい臓からのインスリン分泌自体が不足しています。したがって、食後にインスリンを投与すると、細胞内へのグルコース取り込みが促進され、血糖濃度の最高値が低下します!

大問パート II(問題 4 〜 6):進化・ハーディ・ワインベルグの法則・分子時計

目標時間:5分
Sora先生
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ここは計算とグラフ読み取りが入る重要パートだよ!特に問5の「茶色の個体(顕性表現型)同士をランダムに交配させる」計算は、分母を「100匹」から「茶色の84匹」に切り替えられるかどうかが最大の勝負どころ!公式丸暗記ではなく、「茶色の集団の中での遺伝子 $a$ の割合(配偶子頻度)」を出す瞬殺ステップをマスターしよう!

問題 4:遺伝子の変化および進化のしくみ

正解:㋒

4 遺伝子の変化および進化について適当なものはどれか。

  • ㋐ 減数分裂の際に組換えが起こると遺伝的多様性が低下する。
  • ㋑ 遺伝的浮動の影響は集団の大きさに比例して大きくなる。
  • ㋒ 生存に有利でも不利でもない遺伝子の変異は進化の要因となる。
  • ㋓ 大陸から隔離された小さな島に生息する生物集団では基本的にハーディ・ワインベルグの法則が成り立つ。
  • ㋔ コノハチョウが進化の過程で葉に似た色や模様を獲得した過程は適応放散とよばれる。

🔍 選択肢の正誤判定

  • 【㋐:誤り ❌】 減数分裂時の染色体の乗換え(遺伝子の組換え)は、新しい対立遺伝子の組み合わせを生むため、遺伝的多様性を増大(増加)させます。
  • 【㋑:誤り ❌】 遺伝的浮動(偶然による遺伝子頻度の変化)の影響は、集団が小さいほど大きくなります(集団の大きさに比例して大きくなるというのは逆です)。
  • 【㋒:正しい ⭕】 生存に有利でも不利でもない中立な突然変異が、遺伝的浮動によって偶然に集団中に広まり固定されることは、分子レベルの進化の大きな要因となります(木村資生の中立説)。
  • 【㋓:誤り ❌】 ハーディ・ワインベルグの法則が成り立つ前提条件の1つは「集団が十分に大きいこと」です。小さな島の小集団では遺伝的浮動が強く働くため、この法則は成り立ちません。
  • 【㋔:誤り ❌】 コノハチョウが木の葉に似た姿になったのは、自然選択による「擬態(隠蔽的擬態)」の進化です。「適応放散」とは、共通の祖先が多様な環境に適応して多数の異なる種に分化すること(ダーウィンフィンチや有袋類など)を指します。

問題 5:ハーディ・ワインベルグの法則と選択交配の計算

正解:㋑(8 %)

5 ある地域でウサギ100個体を捕獲したところ,体色には茶色と白色の2種類が存在した。この形質は常染色体上に位置する一対の対立遺伝子(アレル)$A$ と $a$ が決定し,白色個体の遺伝子型は $aa$ であり,白色は茶色に対して潜性(劣性)である。集めた100個体のうち,白色の個体は16匹であった。次に,第一世代の茶色の個体同士をランダムに交配させ,第二世代を得た。この集団においてハーディ・ワインベルグの法則が成り立つ場合,第二世代に含まれる白い個体の割合として適当なものはどれか。

選択肢:㋐ 0 %  ㋑ 8 %  ㋒ 16 %  ㋓ 48 %  ㋔ 64 %

🧮 途中式ゼロ省略!3ステップ完全解説

【Step 1】第一世代(100匹)の遺伝子頻度 $p, q$ と各遺伝子型の個体数を求める

第一世代の集団(100匹)においてハーディ・ワインベルグの法則が成り立っているので、顕性遺伝子 $A$ の頻度を $p$、潜性遺伝子 $a$ の頻度を $q$(ただし $p + q = 1$)とおきます。
白色個体(遺伝子型 $aa$)は 100匹中 16匹なので、その割合 $q^2$ は: $$q^2 = \frac{16}{100} = 0.16 \implies q = \sqrt{0.16} = 0.4$$ これより、顕性遺伝子 $A$ の頻度 $p$ は: $$p = 1 - q = 1 - 0.4 = 0.6$$ したがって、第一世代100匹の内訳は以下のようになります:

  • 茶色・ホモ接合体($AA$):$100 \times p^2 = 100 \times (0.6)^2 = \mathbf{36\text{ 匹}}$
  • 茶色・ヘテロ接合体($Aa$):$100 \times 2pq = 100 \times 2 \times 0.6 \times 0.4 = \mathbf{48\text{ 匹}}$
  • 白色・ホモ接合体($aa$):$100 \times q^2 = 100 \times (0.4)^2 = \mathbf{16\text{ 匹}}$
【Step 2】交配に使う「第一世代の茶色の個体(84匹)」が作る配偶子の割合を求める

次に交配させるのは、白色(16匹)を除いた「茶色の個体同士」です!
茶色の個体の合計数は: $$36\text{ 匹 }(AA) + 48\text{ 匹 }(Aa) = \mathbf{84\text{ 匹}}$$ この茶色集団($AA : Aa = 36 : 48 = 3 : 4$)がランダムに交配するとき、茶色集団全体から作られる配偶子(精子・卵)に含まれる潜性遺伝子 $a$ の割合 $q'$ を求めます。
・$AA$(割合 $\dfrac{3}{7}$)からは $a$ は出ない。
・$Aa$(割合 $\dfrac{4}{7}$)からは半分($\dfrac{1}{2}$)の確率で $a$ の配偶子が作られる。
よって、茶色の個体が作る配偶子のうち、遺伝子 $a$ をもつ配偶子の割合 $q'$ は: $$q' = \frac{4}{7} \times \frac{1}{2} = \mathbf{\frac{2}{7}}$$ (※別解:茶色84匹が持つ全遺伝子数 $84 \times 2 = 168$ 個のうち、$a$ の数は $Aa$ 48匹が1個ずつ持つ $48$ 個なので、$q' = \dfrac{48}{168} = \mathbf{\dfrac{2}{7}}$ と求めてもOK!)

【Step 3】第二世代で白色個体($aa$)が生じる割合を計算する

茶色の個体同士をランダムに交配させると、遺伝子 $a$ をもつ精子(確率 $\dfrac{2}{7}$)と、遺伝子 $a$ をもつ卵(確率 $\dfrac{2}{7}$)が受精したときに白色個体($aa$)が生まれます。 $$\text{第二世代の白色個体 }(aa)\text{ の割合} = (q')^2 = \left(\frac{2}{7}\right)^2 = \frac{4}{49} \fallingdotseq 0.0816\cdots \fallingdotseq \mathbf{8\,\%}$$ したがって、最も適当な選択肢は ㋑(8 %) です!

問題 6:タンパク質Aの分子時計と進化速度

正解:㋐

6 ヒトと他の動物種で,タンパク質Aの一次構造中のアミノ酸の違いの数と,ヒトとの共通祖先から分かれてからの時間の関係をグラフにした(図1)。
このようなグラフを用いると,異なるアミノ酸の数をもとに,ある生物がヒトとの共通祖先から分かれた年代を推定することができる。例えばタンパク質Aのアミノ酸が,ヒトと比べて30個異なる生物がいた場合,共通の祖先から分かれたのは約( I )億年前と推測できる。ただし,仮に突然変異が他よりも多く起きた動物種があった場合,実際よりも( II )見積もられてしまう。また,アミノ酸の変化の起こりやすさはタンパク質ごとに異なり,タンパク質Aに比べて,より生存に重要な分子について同様のグラフを作成した場合,グラフの傾きは( III )。

選択肢:
㋐ I:2 / II:遠く / III:より小さくなる
㋑ I:2 / II:遠く / III:より大きくなる
㋒ I:3 / II:近く / III:より小さくなる
㋓ I:2 / II:近く / III:より大きくなる
㋔ I:1 / II:近く / III:より小さくなる

20 30 40 60 80 異なるアミノ酸の数 1 2 3 4 5 (億年) ヒトとの共通祖先から分かれてからの時間 タンパク質A 生存に重要な分子(傾き小)

🔍 空欄(I)〜(III)の決定プロセス

  • 【空欄 I:2】
    図1の縦軸「異なるアミノ酸の数」が 30(20と40のちょうど真ん中)のところから右へ水平にたどり、直線とぶつかる点の横軸を読むと、ちょうど 2(億年) になります。
  • 【空欄 II:遠く】
    もしある動物種で突然変異が他よりも多く起きると、「異なるアミノ酸の数(縦軸の値)」が大きくなるため、グラフの直線に当てはめたときに横軸の「共通祖先から分かれてからの時間」が実際よりも長く(昔に・時間的に遠く)見積もられてしまいます。
  • 【空欄 III:より小さくなる】
    より生存に重要な機能をもつタンパク質(例:ヒストンやシトクロムcなど)では、アミノ酸配列が変化すると機能が損なわれて生存に不利になるため、自然選択によって有害な変異が取り除かれ(機能的制約が大きく)、アミノ酸の置換速度が遅くなります。したがって、単位時間あたりの異なるアミノ酸の数の増加量(=グラフの傾き)はより小さく(緩やかに)なります。

以上より、I=2、II=遠く、III=より小さくなる の組み合わせである ㋐ が正解です。

大問パート III(問題 7 〜 10):発酵・筋収縮のエネルギー・赤血球の能動輸送

目標時間:5分
Sora先生
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このパートは「化学反応式の係数」「筋収縮のミオシン頭部のサイクル」「赤血球のナトリウムポンプ」という、医学部受験生が絶対に落とせない重要知識のオンパレードだよ!特に問9(筋収縮のどの段階でATPの分解エネルギーが使われるか)と問10(赤血球の外から何を加えればナトリウムポンプが動くか)は、超定番のひっかけポイントだから、図解で完璧に整理しておこう!

【問題7〜9 共通リード文】

微生物は酸素がない状態でも有機物を分解し,ATPを合成する。ワイン作りに利用される酵母は,(I) グルコースを分解してピルビン酸をつくり,ATPを合成する。その後,脱炭酸酵素と脱水素酵素のはたらきでピルビン酸は二酸化炭素とエタノールに変換される。ヨーグルト作りに利用される乳酸菌では,ピルビン酸は乳酸に変換される。
動物の骨格筋も,酸素不足の状態でATPを合成することができる。長距離を走ると筋肉で大量のATPを消費する。(II) 走行時にATPを合成する経路はおもに3つあり,運動開始時からの経過時間に応じて変化する。合成されたATPは骨格筋の収縮に利用される。運動ニューロンの興奮が筋繊維に伝わると,アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込み,(III) ①ミオシン頭部とアクチンフィラメントの結合,②ミオシン頭部の屈曲によるアクチンフィラメントの滑走,③ミオシン頭部とアクチンフィラメントの解離,④ミオシン頭部の角度の変化をくり返し,筋収縮が起こる。

問題 7:アルコール発酵におけるグルコースとエタノールの量的関係

正解:㋒

7 下線部(I)において,分解されるグルコースの量的な変化(点線)を図1に示した。生産されるエタノールの量的な変化は図1の曲線(実線)のどれか。ただし,分子数は最初に加えたグルコースを $1.0$ として,相対値で示している。

(※図1において、反応時間 $1.0$ 時のとき、点線のグルコース残量は $1.0 \to 0.5$ に減少しており、そのとき実線㋐は $2.0$、㋑は $1.5$、㋒は $1.0$、㋓は $0.5$、㋔は $0.25$ に達している)

🧮 アルコール発酵の化学反応式から一発計算!

酵母によるアルコール発酵の反応式は次の通りです: $$\mathrm{C_6H_{12}O_6 \longrightarrow 2\,C_2H_5OH + 2\,CO_2}$$ つまり、グルコース $1$ 分子が分解されると、エタノールは $2$ 分子生産されます(消費されたグルコース分子数の$2$ 倍のエタノール分子が生じる)。

  • ・反応時間 $0.0 \to 1.0$(時)において、点線(グルコース分子数)は $1.0$ から $0.5$ に減っています。
  • ・つまり、分解(消費)されたグルコースの分子数は $1.0 - 0.5 = 0.5$ です。
  • ・グルコースが $0.5$ 分解されると、その $2$ 倍 のエタノールが生産されるので、反応時間 $1.0$(時)におけるエタノールの分子数(相対値)は: $$0.5 \times 2 = \mathbf{1.0}$$

図1で反応時間 $1.0$(時)のときに縦軸の分子数が $1.0$ になっている曲線は ㋒ です!

問題 8:運動開始時から利用されるATP合成経路の順番

正解:㋓(C → A → B)

8 下線部(II)について,ATP合成のおもな経路は下記A〜Cである。ランニングをする場合,スタート時から利用される順番として正しいものはどれか。なお,走行中の栄養補給はないものとする。

  • A 筋肉内のグリコーゲンからATPを合成する経路
  • B 筋肉内の酸化的リン酸化によりATPを合成する経路
  • C 筋肉内のクレアチンリン酸からATPを合成する経路

選択肢:㋐ A→B→C  ㋑ A→C→B  ㋒ B→A→C  ㋓ C→A→B  ㋔ C→B→A

🏃‍♂️ 運動開始からの経過時間と3つのATP供給系

第1段階:C(クレアチンリン酸系)

【運動開始直後〜約10秒】
クレアチンキナーゼの働きで $\text{クレアチンリン酸} + \text{ADP} \to \text{クレアチン} + \text{ATP}$ という1段階の反応で最も素早くATPを合成します(ただしすぐ枯渇する)。

第2段階:A(解糖系・乳酸発酵)

【約10秒〜数分】
酸素供給が追いつかない段階でも、筋肉内のグリコーゲンを分解(解糖系)して素早くATPを合成します(ピルビン酸は乳酸になる)。

第3段階:B(好気呼吸・酸化的リン酸化)

【数分以降〜持久運動】
呼吸や心拍が上がり酸素が十分に供給されるようになると、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化によって持続的かつ大量にATPを合成します。

よって、スタート時から利用される順番は C → A → B となり、正解は ㋓ です。

問題 9:筋収縮サイクルとATP加水分解エネルギーの利用段階

正解:㋔(④)

9 下線部(III)について,ATPが分解された時の放出エネルギーを必要とするのはどれか。

(※下線部III:①ミオシン頭部とアクチンフィラメントの結合,②ミオシン頭部の屈曲によるアクチンフィラメントの滑走,③ミオシン頭部とアクチンフィラメントの解離,④ミオシン頭部の角度の変化)

選択肢:㋐ ①  ㋑ ①と②  ㋒ ③  ㋓ ③と④  ㋔ ④

💡 超重要!「ATPの結合」と「ATPの加水分解」を厳密に区別しよう

多くの受験生が「③の解離でもATPを使うのでは?」と迷いますが、リード文の順番(①→②→③→④)と「ATPが分解された時の放出エネルギー」という表現に注目してください!

① ミオシン頭部とアクチンフィラメントの結合:
高エネルギー状態(角度が戻った状態)のミオシン頭部がアクチンフィラメントに結合します。
② ミオシン頭部の屈曲によるアクチンフィラメントの滑走(パワーストローク):
ミオシン頭部からリン酸($\text{P}_\text{i}$)と $\text{ADP}$ が外れるとともに、蓄えられていたエネルギーでミオシン頭部が屈曲します。
③ ミオシン頭部とアクチンフィラメントの解離:
屈曲したミオシン頭部に新しい $\text{ATP}$ が「結合」すること自体によって、ミオシン頭部がアクチンフィラメントから解離します(※この解離の瞬間には、まだ $\text{ATP}$ は加水分解されていません!)。
④ ミオシン頭部の角度の変化(リカバリーストローク / 再コッキング):⭕
解離したミオシン頭部が持つATPアーゼ活性によって $\text{ATP}$ が $\text{ADP}$ とリン酸に分解(加水分解)され、その時の放出エネルギーを使ってミオシン頭部の角度が元の高エネルギー状態へと変化します!

したがって、「ATPが分解された時の放出エネルギー」を直接必要とする過程は ④ であり、正解は ㋔ です!

問題 10:ヒト赤血球の能動輸送とエネルギー源

正解:㋓(グルコース)

10 ヒトの赤血球を生理食塩水に入れて $4\,^\circ\text{C}$ に保存したところ,赤血球内外の $\text{Na}^+$ と $\text{K}^+$ の分布が変化した。その後,$37\,^\circ\text{C}$ に戻して生理食塩水に物質Aを加えたところ,$\text{Na}^+$ と $\text{K}^+$ の分布が元に戻った。物質Aはどれか。

選択肢:㋐ $\text{Na}^+$  ㋑ $\text{K}^+$  ㋒ $\text{ATP}$  ㋓ グルコース  ㋔ ヘモグロビン

⚠️ なぜ「ATP(㋒)」ではなく「グルコース(㋓)」なのか?

【最大のひっかけポイント!】
ナトリウムポンプ($\text{Na}^+/\text{K}^+$-ATPアーゼ)は細胞内の $\text{ATP}$ を分解して能動輸送を行いますが、細胞外(生理食塩水)に $\text{ATP}$ を加えても、$\text{ATP}$ は親水性の大きな電荷をもつ分子であるため細胞膜を通過できず、赤血球内に入れません!
  • ・$4\,^\circ\text{C}$ 保存時:低温のため解糖系の酵素やナトリウムポンプ(酵素)の働きが低下し、能動輸送が止まるため、受動輸送(拡散)によって赤血球内の $\text{K}^+$ が流出し、外から $\text{Na}^+$ が流入してイオン分布が変化します。
  • ・$37\,^\circ\text{C}$ に戻して「グルコース(物質A)」を加えたとき:生理食塩水に加えられたグルコースは、赤血球膜のグルコース輸送体(GLUT1)を通って赤血球の細胞内へと取り込まれます。
  • ・取り込まれたグルコースをもとに、赤血球内の解糖系で $\text{ATP}$ が合成され、その細胞内 $\text{ATP}$ を使ってナトリウムポンプが働き、$\text{Na}^+$ を外へ・$\text{K}^+$ を内へと能動輸送して分布が元に戻ります。

よって、外から生理食塩水に加える物質Aは ㋓(グルコース) です。

大問パート IV(問題 11 〜 14):バイオテクノロジー実験と遺伝子変異

目標時間:10分
Sora先生
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ここが2025年度の合否を分ける最重要パートだよ!問12・問13・問14は3連続で「正しいものはいくつあるか」という個数問題!
問12・13では「プラスミドA・B・Cのどのプロモーターがどの生物(大腸菌・植物・動物)で働くか」を実験3のグラフから整理すれば一切迷わないよ。そして問14は、実際にDNA配列の塩基を1文字消して3文字ずつ区切り直し、途中に終止コドン(TGA, TAA, TAG)が出現するかをその場で確認するパズル問題だ!一緒に1ステップずつ解いていこう!

🧬 問題11〜13 実験条件とグラフデータの完全整理

生体内でのDNA複製では( 1 ),( 2 ),( 3 )が用いられる。PCR法では高温により二本鎖を解離させ,( 2 )と( 3 )を用いて標的DNAを増幅する。PCR法で使用する( 2 )は好熱菌由来のものであり,生体内でDNAが複製される際は( 3 )として( 4 )が用いられる。

【図1】プラスミドA, B, Cの構造
  • ・共通部分:「薬剤X耐性遺伝子」+「耐性遺伝子プロモーター(大腸菌で働く)」を持っている。
  • ・異なる部分:GFP遺伝子cDNAの上流に、それぞれ異なるプロモーターa, b, cがつながっている。
【実験1・図2】薬剤Xと薬剤Yの効果
  • ・薬剤X培地:大腸菌は死滅(生存0)、植物細胞・動物細胞は生存(100)。
  • ・薬剤Y培地:大腸菌は死滅(生存0)、植物細胞・動物細胞も減少する。
  • ※プラスミドは「薬剤X耐性遺伝子」しか持たず、薬剤Y耐性遺伝子は持っていない!
【実験3・図3】プロモーターa, b, cの働き
  • ・大腸菌:A(プロモーターa)のみGFP発現(約70個)。B, Cは0。
  • ・植物細胞:B(プロモーターb)のみGFP発現(約50個)。A, Cは0。
  • ・動物細胞:BとC(プロモーターb, c)でGFP発現(B約50個、C約80個)。Aは0。

問題 11:生体内のDNA複製とPCR法の比較

正解:㋔

11 ( 1 )から( 4 )に入る語句の組み合わせとして最も適当なものはどれか。

選択肢:
㋐ 1:DNAヘリカーゼ / 2:DNAポリメラーゼ / 3:プライマー / 4:DNA
㋑ 1:DNAリガーゼ / 2:DNAポリメラーゼ / 3:DNAヘリカーゼ / 4:RNA
㋒ 1:DNAリガーゼ / 2:DNAヘリカーゼ / 3:プライマー / 4:DNA
㋓ 1:DNAリガーゼ / 2:プライマー / 3:DNAポリメラーゼ / 4:RNA
㋔ 1:DNAヘリカーゼ / 2:DNAポリメラーゼ / 3:プライマー / 4:RNA

🔍 空欄(1)〜(4)の決定プロセス

  • ・( 1 )= DNAヘリカーゼ:生体内のDNA複製では、二本鎖DNAの水素結合を切って一本鎖に解離させるためにDNAヘリカーゼを用います(一方、PCR法では約 $95\,^\circ\text{C}$ の高温処理によって熱変性で解離させるため、ヘリカーゼは不要です)。
  • ・( 2 )= DNAポリメラーゼ:PCR法で使用する好熱菌由来の酵素(Taqポリメラーゼなど)といえば、耐熱性のDNAポリメラーゼです。
  • ・( 3 )= プライマー / ( 4 )= RNA:DNAポリメラーゼはゼロから鎖を合成開始できないため、足場となるプライマー(3)が必要です。PCR法では人工合成したDNAプライマーを用いますが、生体内でDNAが複製される際は、プライマーゼが合成する「RNA」(RNAプライマー)(4)が用いられます!

したがって、1:DNAヘリカーゼ、2:DNAポリメラーゼ、3:プライマー、4:RNA となる ㋔ が正解です。

問題 12:プラスミド導入実験の考察①(個数問題)

正解:㋓(3個)

12 この実験に関連する記述として正しいものはいくつあるか。

(※実験2の下線部:「プラスミドA, B, Cを大腸菌に別々に導入する処理を行い,それぞれ薬剤Xを含む寒天培地で一晩培養した。翌日,すべての寒天培地に100個以上の大腸菌コロニーがみられた。」)

  • A 下線部のコロニーのうち,GFPを発現しないコロニーにはプラスミドが導入されていない。
  • B 下線部のコロニーを作った大腸菌にはプラスミドが導入されている。
  • C 実験2で薬剤Xを加えない場合,培地一面に大腸菌が生育する。
  • D 実験2で薬剤Xの代わりに薬剤Yを培地に加えると形成されるコロニーがなくなる。

選択肢:㋐ 0  ㋑ 1  ㋒ 2  ㋓ 3  ㋔ 4

🔍 記述 A〜D を1ステップずつ完全検証!

  • 【A:誤り ❌】
    実験1(図2)より、プラスミドを持たない大腸菌は薬剤Xを含む培地では生存できません。したがって、実験2の薬剤Xを含む寒天培地上でコロニーを作れた大腸菌には、すべてプラスミド(薬剤X耐性遺伝子)が導入されています。
    プラスミドBやCが導入された大腸菌がGFPを発現しないのは、「プラスミドが導入されていないから」ではなく、「プロモーターbやcが大腸菌内では働かない(転写を活性化できない)から」です!
  • 【B:正しい ⭕】
    薬剤Xを含む寒天培地で生存・増殖してコロニーを作ることができた大腸菌には、薬剤X耐性遺伝子をもつプラスミドA, B, Cのいずれかが確実に導入されています。
  • 【C:正しい ⭕】
    プラスミドが導入される確率はごく一部であり、大部分の大腸菌にはプラスミドが導入されていません。実験2で薬剤Xを加えない場合、プラスミドが導入されなかった大量の大腸菌もすべて死滅せずに増殖できるため、培地一面に大腸菌が生育します。
  • 【D:正しい ⭕】
    実験1(図2)より大腸菌は薬剤Yで死滅します。また、プラスミドA, B, Cが持っているのは「薬剤X耐性遺伝子」であり、薬剤Yに対する耐性遺伝子は持っていません。したがって、薬剤Yを培地に加えると、プラスミドの有無にかかわらず大腸菌はすべて死滅し、形成されるコロニーがなくなります。

以上より、正しいものは B, C, D の 3個 なので、正解は ㋓ です。

問題 13:プラスミド導入実験の考察②(個数問題)

正解:㋒(2個)

13 この実験に関連する記述として正しいものはいくつあるか。

  • A 同じプラスミドを導入した場合,GFPを発現する細胞の割合は大腸菌,植物由来の培養細胞,動物由来の培養細胞で一定である。
  • B GFP遺伝子cDNAの代わりにインスリン遺伝子cDNAを挿入したプラスミドAを使うと,大腸菌がインスリン遺伝子を発現すると考えられる。
  • C プロモーターbにつなげた薬剤Yを合成する遺伝子を植物のゲノムに挿入すると,大腸菌に対する抵抗性が失われる。
  • D ある遺伝子zが欠失しているために早期に死亡する系統のマウスがいる。このマウスのゲノムに,プロモーターcにつなげたz遺伝子を挿入すると,寿命が延びる可能性がある。

選択肢:㋐ 0  ㋑ 1  ㋒ 2  ㋓ 3  ㋔ 4

🔍 記述 A〜D を1ステップずつ完全検証!

  • 【A:誤り ❌】
    図3の結果を見れば一目瞭然です。例えばプラスミドAを導入した場合、大腸菌では約70%がGFPを発現しますが、植物細胞や動物細胞では0%です。プロモーターごとに働く生物種や転写活性が異なるため、一定ではありません。
  • 【B:正しい ⭕】
    図3より、プラスミドAに含まれるプロモーターaは大腸菌内で遺伝子を発現させる働きがあります。また、挿入するのはイントロンを含まないcDNA(相補的DNA)であるため、スプライシング機構を持たない大腸菌でも問題なく転写・翻訳され、インスリン遺伝子を発現すると考えられます。
  • 【C:誤り ❌】
    図3より、プロモーターbは植物細胞内で働きます。したがって、プロモーターbにつなげた「薬剤Yを合成する遺伝子」を植物ゲノムに挿入すると、植物体内で薬剤Yが合成されます。図2より薬剤Yは大腸菌を死滅させる(抗菌作用をもつ)ため、大腸菌に対する抵抗性は失われるのではなく、むしろ高まります(獲得されます)!(※なお、高濃度では植物自身の生育も一部阻害される可能性がありますが、「大腸菌に対する抵抗性が失われる」という記述は明確に誤りです)。
  • 【D:正しい ⭕】
    図3より、プロモーターcは動物由来の細胞(マウスなど)で強く遺伝子を発現させる働きがあります。したがって、遺伝子zが欠失したマウスのゲノムに、プロモーターcにつなげたz遺伝子を挿入すると、マウス体内でz遺伝子が発現して欠失を補い、寿命が延びる可能性があります。

以上より、正しいものは B と D の 2個 なので、正解は ㋒ です。

問題 14:DNA塩基配列の変異とフレームシフトの検証(個数問題)

正解:㋓(3個)

14 下記の遺伝子に変異が生じた場合の説明として適当なものはいくつあるか。ただし終止コドンはUAA,UGA,UAGとする。

変異前の遺伝子の開始コドンから終止コドンまでのDNA配列(非鋳型鎖):
5'-ATG/AAG/CTG/CTG/CCG/TCG/GTG/ATC/GAT/CCG/ATC/GAT/CCG/ATC/GGG/TGC/
  TTA/AGC/TCT/TTC/TGG/CTC/TGG/TGA-3'
  • A 10番目から15番目のアミノ酸をコードする塩基配列の間で一塩基が欠失した場合,変異前より短いタンパク質が合成される。
  • B 開始コドンのAが欠失した場合でも,開始コドン直前の塩基配列によってはタンパク質が合成される。
  • C 20番目から23番目のアミノ酸をコードする塩基配列の間で一塩基が欠失した場合,変異前に比べて長いタンパク質が合成される。
  • D 終止コドンに一塩基の置換が起こった場合,変異前に比べて必ず長いタンパク質が合成される。

選択肢:㋐ 0  ㋑ 1  ㋒ 2  ㋓ 3  ㋔ 4

🧬 コドン番号を振って、実際に1塩基欠失させた配列を完全検証!

まず、与えられたDNA配列(mRNAと同じ並びでTをUに読み替えたセンス鎖・非鋳型鎖)に1番目(開始コドン)から24番目(終止コドン)まで番号を振ります。DNA上で終止コドンに相当するのは TAA, TGA, TAG の3つです!

[1]ATG [2]AAG [3]CTG [4]CTG [5]CCG [6]TCG [7]GTG [8]ATC [9]GAT
[10]CCG [11]ATC [12]GAT [13]CCG [14]ATC [15]GGG [16]TGC [17]TTA [18]AGC [19]TCT
[20]TTC [21]TGG [22]CTC [23]TGG [24:終止]TGA
【記述 A の検証:正しい ⭕】
10番目〜15番目のコドンの配列に注目してください:
[10]CCG / [11]ATC / [12]GAT / [13]CCG / [14]ATC / [15]GGG / [16]TGC / [17]TTA / [18]AGC ...
ここで1塩基が欠失すると、後ろの塩基が1文字ずつ左にズレます(フレームシフト)。すると:
  • [11]の ATC と [12]の GAT の境界は ATC / GAT、同じく [13]と[14]・[15]付近にも ATC / GAT や ATC / GGG があります。
  • もし [10]CCG〜[11]ATCのAまでの間で1塩基欠失すると、11番目の後半から TCG / ATC / CGA / TCG / GGT / GCT / TAA となり、16〜17番目付近(GCT / TAA / GCT...)で必ず TAA(終止コドンUAA) が出現します!
  • もし [11]のT以降で欠失しても、どんな遅くとも [15]GGG までのどこで1塩基欠失しても、必ず 17番目の TTA / AGC が1文字ズレることで ...GCT / TAA / GCT... という終止コドン TAA(UAA)が17コドン目に出現します!(さらにその手前でも、[11]のCや[12]のGなどが消えれば TGA がすぐ出現します)。
つまり、10〜15番目のどの1塩基が欠失しても、本来の24番目より手前(遅くとも17番目)で終止コドン(UGAまたはUAA)が生じるため、確実に変異前より短いタンパク質が合成されます!
【記述 B の検証:正しい ⭕】
開始コドン ATG の先頭の A が欠失すると TG... となりますが、もし開始コドン直前(5'側上流)の塩基が A であれば、その直前の A と残った TG がつながって再び開始コドン ATG が形成され、変異前と全く同じ読み枠でタンパク質が合成されます!
【記述 C の検証:正しい ⭕】
20番目〜24番目(終止コドン)の配列を書き出して、1塩基欠失させてみましょう:
元の配列:[20]TTC / [21]TGG / [22]CTC / [23]TGG / [24]TGA
ここで20〜23番目の間のどの1塩基が欠失しても、24番目の TGA が1文字左にズレるため、本来の終止コドン TGA が壊れます!しかも、その途中で新しい終止コドンができるか調べると:
・[20]〜[23]から1文字消した残りの並び(TTCTGGCTCTGG から1文字消して TGA をつなげたもの)には、どこで消しても TAA, TAG, TGA が一切出現しません!(※例:[20]のTが消えると TCT / GGC / TCT / GGT / GA...、[21]のGが消えると TTC / TGC / TCT / GGT / GA...、[23]のGが消えると TTC / TGG / CTC / TGT / GA... となり、すべて最後は ...GGT / GA... または ...TGT / GA... となって24番目までに終止コドンが現れません)。
したがって、翻訳は本来の終止コドン(24番目)を通り過ぎて3'側下流へと続くため、変異前に比べて長いタンパク質が合成されます!
【記述 D の検証:誤り ❌】
元の終止コドンは TGA(mRNAではUGA) です。
もし3文字目の A が G に一塩基置換しても TGG(Trp)になりますが、もし2文字目の G が A に一塩基置換すると、TGA $\to$ TAA(mRNAではUAA)となり、別の終止コドンに変わるだけです!
この場合、終止コドンの位置は変わらないため、タンパク質の長さは変異前と同じになります。「必ず長いタンパク質が合成される」というのは誤りです。

以上より、適当なものは A, B, C の 3個 なので、正解は ㋓ です!

大問パート V(問題 15 〜 17):ウニの受精過程と種特異性の実験考察

目標時間:6分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

最後のパートはウニの受精における「種特異性(なぜ異種間では受精しにくいか)」を解明する超良問だよ!
異種間の組み合わせは2通り(①卵A×精子B と ②卵B×精子A)あるけど、表1(ゼリー海水による先体突起形成率)と表2(先体突起を形成させた後の卵との受精率)を見比べると、①と②でブロックされている段階が違うことがクッキリ浮かび上がるよ!ここを見抜けば満点フィニッシュだ!

🔬 問題15〜17 実験1〜4の結果まとめ

  • ・【実験1(図1)】精子濃度を高くすると受精率は上昇する。同種間($\text{A精子}\times\text{A卵}$、$\text{B精子}\times\text{B卵}$)は低い精子濃度($10^3\sim 10^5\text{ 個/mL}$)でも高率に受精するが、異種間(特に $10^5\text{ 個/mL}$ 付近)では受精しにくい。
  • ・【実験2(表1)】ゼリー海水と精子($10^5\text{ 個/mL}$)を混合して先体突起を形成した精子の割合を測定。
  • ・【実験3】ゼリー層を取り除いた未受精卵と(未処理の)精子を混合すると、どの組み合わせでも先体反応は起こらなかった(👉 先体反応・先体突起形成にはゼリー層が必要!)。
  • ・【実験4(表2)】あらかじめ同種のゼリー海水で先体突起を形成させた精子($10^5\text{ 個/mL}$)を、ゼリー層を取り除いた未受精卵と混合して受精率を測定。
表1:先体突起を形成した精子の割合(実験2)
ウニA精子 ウニB精子
ウニAゼリー海水 90 %(同種) 60 %(かなり形成!)
ウニBゼリー海水 10 %(ほぼ形成せず!) 89 %(同種)
表2:受精した卵の割合(実験4:先体突起形成済み精子を使用)
先体突起形成済み
ウニA精子
先体突起形成済み
ウニB精子
ゼリー除去卵A 87 %(同種) 9 %(融合できない!)
ゼリー除去卵B 7 % 85 %(同種)

問題 15:ウニの受精過程の順序

正解:㋒

15 ウニの受精の過程を早い順に並べたとき3番目にくるものはどれか。

  • ㋐ 精子頭部でのアクチンフィラメントの伸長
  • ㋑ 細胞膜の融合
  • ㋒ 表層粒の放出
  • ㋓ 卵黄膜の硬化
  • ㋔ 卵黄膜の解離

🔍 ウニの受精の5ステップを時系列順に並べよう!

  1. 【1番目:㋐ 精子頭部でのアクチンフィラメントの伸長】
    精子がゼリー層に達して先体反応を起こすと、アクチンが重合してアクチンフィラメントが伸長し、先体突起が形成されます。
  2. 【2番目:㋑ 細胞膜の融合】
    先体突起が卵黄膜を貫通し、精子の細胞膜と卵の細胞膜が融合します(直後に膜電位が変化し、早い多精拒否が起こる)。
  3. 【3番目:㋒ 表層粒の放出】 👈 ココが3番目!
    精子の侵入刺激により細胞内 $\text{Ca}^{2+}$ 濃度上昇の波(カルシウム波)が広がり、卵の表層にある表層粒がエキソサイトーシスによって卵黄膜と細胞膜の間へ放出(崩壊)されます。
  4. 【4番目:㋔ 卵黄膜の解離】
    表層粒から放出されたタンパク質分解酵素などの働きで卵黄膜と細胞膜の結合が切られ、浸透圧で水が流入して卵黄膜が細胞膜から解離(持ち上がる)して受精膜となります。
  5. 【5番目:㋓ 卵黄膜の硬化】
    表層粒から放出された酵素(ペルオキシダーゼなど)の働きで、持ち上がった卵黄膜が化学的に架橋されて硬化し、強固な受精膜が完成します。

したがって、早い順に並べたとき(㋐ → ㋑ → ㋒ → ㋔ → ㋓)の3番目にくるものは ㋒(表層粒の放出) です。

問題 16:同種のウニの受精に関する実験考察(個数問題)

正解:㋑(2個)

16 実験1〜4から導かれる同種のウニの受精に関する考察として正しいものはいくつあるか。

  • A 精子濃度を高くしても受精率は上昇しない。
  • B 精子の先体反応には未受精卵と精子の融合が必要である。
  • C 精子の先体突起形成にはゼリー層が必要である。
  • D 受精にはゼリー層が必要である。
  • E 未受精卵と先体突起が形成された精子の融合には,ゼリー層が必要である。

選択肢:㋐ 1  ㋑ 2  ㋒ 3  ㋓ 4  ㋔ 5

🔍 記述 A〜E を1ステップずつ完全検証!

  • 【A:誤り ❌】
    実験1(図1)より、精子濃度を $10^2 \to 10^5\text{ 個/mL}$ と高くすると、受精率は明確に上昇しています。
  • 【B:誤り ❌】
    順序が逆です!実験2では未受精卵そのものがなくても「ゼリー海水」と混ぜるだけで先体突起が形成されており、先体反応が起こった後に未受精卵と精子の融合が起こります。
  • 【C:正しい ⭕】
    実験2でゼリー海水によって先体突起が形成され、実験3で「ゼリー層を取り除いた未受精卵と精子を混合すると先体反応は起こらなかった」ことから、精子の先体突起形成(先体反応)にはゼリー層が必要であることが導かれます。
  • 【D:正しい ⭕】
    通常の受精においては、実験3よりゼリー層がないと先体反応が起こらず受精できないため(先体突起を形成させるために)、受精にはゼリー層が必要です。
  • 【E:誤り ❌】
    実験4(表2)に注目してください!すでに先体突起が形成された精子を用いれば、「ゼリー層を取り除いた未受精卵(ゼリー除去卵)」であっても同種間では 87% や 85% という高い割合で受精(融合)できています!つまり、いったん先体突起が形成された後の「未受精卵と精子の融合」の段階そのものには、ゼリー層は必要ありません。

以上より、正しいものは C と D の 2個 なので、正解は ㋑ です。

問題 17:異種間で受精が起こりにくい理由の比較考察

正解:㋓(bとc)

17 実験1〜4の結果から,実験1の考察として適当なものはどれか。

  • a 未受精卵Aと精子Bで受精が起こりにくいのは,精子に先体突起が形成されないためである。
  • b 未受精卵Bと精子Aで受精が起こりにくいのは,精子に先体突起が形成されないためである。
  • c 未受精卵Aと精子Bで受精が起こりにくいのは,精子に先体突起は形成されるが卵と融合できないためである。
  • d 未受精卵Bと精子Aで受精が起こりにくいのは,精子に先体突起は形成されるが卵と融合できないためである。

選択肢:㋐ aとb  ㋑ aとc  ㋒ aとd  ㋓ bとc  ㋔ bとd

🔍 2つの異種交配パターンを表1・表2から完全解剖!

パターン①:未受精卵A × 精子B(a か c か?)
  • ・Step 1(表1を確認):「ウニAゼリー海水 × ウニB精子」では、なんと 60 % もの精子が先体突起を形成しています!
  • ・Step 2(表2を確認):ところが、先体突起を形成したウニB精子を「ゼリー除去卵A」と混ぜても、受精率はわずか 9 % です(卵黄膜・細胞膜への結合タンパク質バインディンと受容体が合わないため融合できない)。
  • 👉 よって、「精子に先体突起は形成されるが卵と融合できないため」である c が正しい!(a は誤り)
パターン②:未受精卵B × 精子A(b か d か?)
  • ・Step 1(表1を確認):「ウニBゼリー海水 × ウニA精子」では、先体突起を形成した精子は わずか 10 % しかありません!
  • ・Step 2(表2を確認):しかも、もし強制的に先体突起を形成させたとしても、「ゼリー除去卵B × ウニA精子」の受精率は 7 % です。そもそも通常の受精(実験1)では、第1関門であるウニBのゼリー層でウニA精子が先体突起を形成できない(10%)ため、その時点で受精がブロックされています。
  • 👉 よって、「精子に先体突起が形成されないため」である b が正しい!(d は「先体突起は形成されるが」となっている点が誤り)

以上より、適当な組み合わせは b と c であり、正解は ㋓ です!

Sora先生

🎉 全17問の完全制覇、お疲れ様でした!

自治医科大学の生物は、基礎知識の正確さ(問1・2・4・8・9・10・11・15)をベースに、典型計算(問5・7)と実験データ・塩基配列の精密な読み取り(問3・6・12・13・14・16・17)がバランスよく出題されます。特に個数問題で迷わないよう、「なぜその選択肢が誤りなのか」まで自分の言葉で説明できるようになるまで繰り返し復習してね!Sora先生とニックニ先生が君の医学部合格を全力で応援しているよ!

Sora先生
Sora先生 ✕ ニックニ先生からのメッセージ

過去問演習で時間を溶かしていませんか?
合格の鍵は「全科目の時間配分(バランス調整)」にあります。

私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ先生と一緒に50分で整理しませんか?

【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(自治医科大学 2025年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。