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日本医科大学 医学部 生物(2025年度)全問題・超図解解説

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理系担当 Sora先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 Sora先生 ✕ ニックニ先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!日本医科大学(2025年度)生物をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系担当Sora先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、日本医科大学(2025年度)の生物について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

Sora先生
指導統括:ニックニ先生 & 理系担当:Sora先生 目標解答時間:60分 / 合格目標得点率:75%以上

こんにちは、TMPS医学館のSora先生です!指導統括のニックニ先生と一緒に、2025年度の日本医科大学(前期)生物を徹底解剖していくよ!
今年の日本医科大は大問3題構成。大問[I](進化と個体群生態)と大問[II](骨格筋の収縮と発生・神経)は基礎〜標準の知識・典型計算問題だから、ここで絶対にミスをせず時間を貯金しよう!勝負の分かれ目は大問[III](カイコ等のモデル昆虫におけるpiRNAと選択的スプライシング・ボルバキアによる性決定)。実験1〜7の情報をパズルのように整理できれば完答できるよ。計算の途中式も実験データの読み取りも1ステップずつ全部図解するから、一緒に完全マスターしよう!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

採点・復習用クイックリファレンス

【大問 [I]】生物の進化と生態系

  • 問1:ア (う) / イ (え) / ウ (こ) / エ (き) / オ (す) / カ (お)
  • 問2:(い)
  • 問3:(え) → (お) → (い) → (え) → (う)
  • 問4(1):遺伝子A:0.7、遺伝子a:0.3
  • 問4(2):38(個体)
  • 問5(1):(え) 問5(2):(c)
  • 問5(3):① 天敵に発見・捕食されにくくなる(警戒時間を減らせる)。 ② 採食に費やす時間を増やし効率よく食物を得られる。
  • 問6(1):出生率 10%(または0.10)、死亡率 8%(または0.08)、成長率 -3%(または-0.03)
    ※「整数で答えよ」の指示より % 表記(10%, 8%, -3%)または1000頭あたり表記
  • 問6(2):495(頭)
  • 問7(1):0.3(個体/$\text{m}^2$) 問7(2):(い)

【大問 [II]】筋収縮と神経・発生

  • 問1:ア (え) / イ (う) / ウ (い) / エ (え) / オ (し) / カ (か)
  • 問2:横紋筋
  • 問3:受容器:(う) / 反射中枢:(か)
  • 問4:番号:④ / 名称:(お)
  • 問5:(え) → (い) → (き) → (え)
  • 問6:(い), (う)
  • 問7:(い), (う)

【大問 [III]】昆虫の性決定機構

  • 問1:(え), (い)
  • 問2:(え)
  • 問3(1):piRNA-A:(え) / piRNA-B:(お)
  • 問3(2):(a)
  • 問4:(え), (う)
  • 問5:(え), (う), (え), (か)
  • 問6:遺伝子D:(い) / 遺伝子E:(え)
    【死滅理由】ボルバキア感染により遺伝子Dの発現が阻害されたため、遺伝子CのmRNAがオス型にスプライシングされずメス型のタンパク質Cが合成され、生殖器がメス型に誘導されて性染色体パターン(ZZ)との不一致が生じたため。

大問 [I] 生物の進化と生態系・個体群

配点目安:約30% | 目標時間:15分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

大問[I]は進化の仕組み(遺伝子プール・ハーディ・ワインベルグの法則)と個体群生態学(群れの大きさ・個体群の成長・標識再捕法)の融合問題だよ!
合否の分かれ目は問4の「自然選択後の次世代の遺伝子頻度計算」と、問6・問7の「個体群計算での四捨五入・条件読み取り」!特に問4(2)は「(1)で四捨五入して求めた遺伝子頻度を用いて」という問題文の指示通りに計算するかどうかが超重要ポイントだよ!1ステップずつ確実に追っていこう!

問1 空欄補充(進化と個体群調査の基本用語)

文中の [ ア ] 〜 [ カ ] にあてはまる語句を、以下の(え)〜(せ)より1つずつ選び、それぞれ記号で答えよ。
・ある地域に生息する同種の集団(個体群)がもつ遺伝子全体を [ ア ] といい…
・ある対立遺伝子が自然選択のうえで中立であっても、偶然により遺伝子頻度は変化する。このような現象を [ イ ] といい、小さな集団ではこの影響が大きくなりやすい。
・同じ場所に存在しても集団間での交配ができなくなる、または交配しても生殖能力をもたない子が生じる。このような状態を [ ウ ] といい…
・あまり移動しない生物の個体数を推定するための [ エ ] や、よく動き行動範囲が広い動物の個体数を推定するための [ オ ] などを利用することができる。
・ある環境で存在できる個体数の上限を [ カ ] という。
選択肢:(え) RNAワールド (い) 遺伝子重複 (う) 遺伝子プール (え) 遺伝的浮動 (お) 環境収容力 (か) 共進化 (き) 区画法 (く) ゲノム (け) 最終収量一定の法則 (こ) 生殖的隔離 (さ) 成長曲線 (し) 地理的隔離 (す) 標識再捕法 (せ) 密度効果

Step 1[ ア ]〜[ ウ ](進化・種分化の用語):

  • [ ア ]:有性生殖を行う同種個体群がもつ遺伝子全体の集合を遺伝子プール((う))と呼びます(※「ゲノム (く)」は生物が生きるのに必要な最小限の遺伝情報1セットのことなので混同注意!)。
  • [ イ ]:自然選択に中立な遺伝子が偶然によって世代間で遺伝子頻度を変化させる現象は遺伝的浮動((え))です。集団が小さいほど偶然の偏りが大きく影響します。
  • [ ウ ]:同じ場所にいても交配できない、または雑種が不妊になる状態を生殖的隔離((こ))といいます。

Step 2[ エ ]〜[ カ ](個体群生態学の用語):

  • [ エ ]:植物や土壌動物など、あまり移動しない生物の個体数推定には、一定面積の方形区(コドラート)を設けて数える区画法((き))を用います。
  • [ オ ]:魚類や昆虫・鳥類など、よく動き回る動物の個体数推定には、一度捕獲して印をつけて放し、再捕獲時の割合から推定する標識再捕法((す))を用います。
  • [ カ ]:ある環境条件のもとで維持できる個体数の上限値を環境収容力((お))といいます。
【解答】 ア:(う) / イ:(え) / ウ:(こ) / エ:(き) / オ:(す) / カ:(お)

問2 適応放散の具体例

適応放散の例として最も適切なものを、以下の(え)〜(お)より1つ選び、記号で答えよ。
(え) あるガの集団では、背景の色と同じ体色を示す個体の割合が増えた。
(い) 哺乳類は恐竜が絶滅した後に、さまざまな環境に適応して多様化した。
(う) 毒をもたないハナアブが、毒をもつハチと同じような縞模様をもつようになった。
(え) ゾウアザラシは大きなオスほどたくさんの子を残せるため、オスが大型化するように進化した。
(お) 草食動物の走力が高まったため、それを捕食する肉食動物が集団で狩りをするように適応した。

Step 1適応放散の定義を確認:

適応放散とは、「共通の祖先から進化した生物が、未開拓のさまざまな環境(ニッチ)に進出して適応し、多様な種へと分岐・多様化する現象」のことです。

Step 2各選択肢の現象名を特定:

  • (え):工業暗化などにみられる自然選択(隠蔽的擬態・保護色)の例。
  • (い):恐竜絶滅後に空いた多様な生態的地位(陸上・樹上・水中・空中など)に共通祖先の原始的哺乳類が進出し、多様な種へ分化した典型的な「適応放散」の例!
  • (う):ベイツ型擬態の例。
  • (え):オス同士の競争による性選択の例。
  • (お):被食者と捕食者が互いに影響を及ぼし合いながら進化する共進化の例。
【解答】 (い)

問3 人類に至る進化の形質獲得順序

以下の(え)〜(お)に示した人類の形質や特徴について、進化の過程で早く獲得した順に左から右へと記号を並べよ。
(え) 脊索  (い) 胎盤  (う) 日常的な直立二足歩行  (え) 拇指対向性  (お) 羊膜

Step 1系統樹(動物界→脊椎動物→哺乳類→霊長類→人類)に沿って獲得時期を整理:

  1. (え) 脊索:古生代カンブリア紀(約5億4000万年前〜)に脊索動物(頭索動物・尾索動物・脊椎動物の共通祖先)が獲得。最も早い!
  2. (お) 羊膜:古生代石炭紀(約3億6000万年前〜)に陸上での繁殖に完全に適応した羊膜類(爬虫類・鳥類・哺乳類の共通祖先)が獲得。
  3. (い) 胎盤:中生代(ジュラ紀〜白亜紀)に哺乳類のうち有胎盤類(真獣類)が獲得。
  4. (え) 拇指対向性(親指と他の指を向かい合わせて枝を握る性質):新生代初期に樹上生活に適応した霊長類(サル目)が獲得。
  5. (う) 日常的な直立二足歩行:新生代新第三紀(約700万年前〜)に人類(サヘラントロプスやアウストラロピテクスなど)がチンパンジーの系統と分岐した際に獲得。最も新しい!
【解答】 (え) → (お) → (い) → (え) → (う)

問4 自然選択とハーディ・ワインベルグの法則の計算

2倍体生物であるマウスの対立遺伝子には、優性(顕性)遺伝子 $\text{A}$ と劣性(潜性)遺伝子 $\text{a}$ が存在する。遺伝子型 $\text{AA}$ と $\text{Aa}$ の表現型を $[\text{A}]$、遺伝子型 $\text{aa}$ の表現型を $[\text{a}]$ とし、このマウスの集団 $\text{I}$ での遺伝子 $\text{A}$ の遺伝子頻度を $p$、遺伝子 $\text{a}$ の遺伝子頻度を $q$ とする。ただし、生物集団 $\text{I}$ と $\text{II}$ ではハーディ・ワインベルグの法則が成り立つものとする。
(1) 環境の変化により、100個体からなるマウスの集団 $\text{I}$ において $[\text{a}]$ が子を残す前にすべて死んでしまったと仮定し、その集団を集団 $\text{I}'$ とする。集団 $\text{I}'$ の次世代である集団 $\text{II}$ における遺伝子 $\text{A}$ と遺伝子 $\text{a}$ の遺伝子頻度をそれぞれ求め、小数第2位を四捨五入して答えよ。ただし、集団 $\text{I}$ において、$p=0.6$ とする。
(2) 集団 $\text{II}$ が100個体からなる集団であるとき、(1)で求めた遺伝子頻度を用いて、遺伝子型が $\text{Aa}$ である個体の数を求め、整数で答えよ。

Step 1集団 $\text{I}$(100個体)の内訳を計算する:

集団 $\text{I}$ では遺伝子 $\text{A}$ の頻度 $p = 0.6$ なので、対立遺伝子 $\text{a}$ の頻度 $q$ は、$p + q = 1$ より:

$$q = 1 - 0.6 = 0.4$$

集団 $\text{I}$ はハーディ・ワインベルグ平衡にあるため、各遺伝子型の頻度と個体数(全100個体)は次の通りです:

  • 遺伝子型 $\text{AA}$:$p^2 = (0.6)^2 = 0.36 \implies 100 \times 0.36 = \mathbf{36\text{ 個体}}$(表現型 $[\text{A}]$)
  • 遺伝子型 $\text{Aa}$:$2pq = 2 \times 0.6 \times 0.4 = 0.48 \implies 100 \times 0.48 = \mathbf{48\text{ 個体}}$(表現型 $[\text{A}]$)
  • 遺伝子型 $\text{aa}$:$q^2 = (0.4)^2 = 0.16 \implies 100 \times 0.16 = \mathbf{16\text{ 個体}}$(表現型 $[\text{a}]$)

Step 2(1) 生き残った集団 $\text{I}'$ と次世代(集団 $\text{II}$)の遺伝子頻度を求める:

表現型 $[\text{a}]$(遺伝子型 $\text{aa}$ の16個体)がすべて死滅したため、生き残った集団 $\text{I}'$ の個体数は:

$$\text{集団 }\text{I}'\text{ の個体数} = 36\text{ 個体}(\text{AA}) + 48\text{ 個体}(\text{Aa}) = 84\text{ 個体}$$

2倍体生物なので、1個体につき2個の遺伝子をもちます。集団 $\text{I}'$(84個体)がもつ総遺伝子数は $84 \times 2 = 168\text{ 個}$ です。そのうち、

  • 遺伝子 $\text{A}$ の数:$\text{AA}$(36個体)が2個ずつ、$\text{Aa}$(48個体)が1個ずつもつので、$36 \times 2 + 48 \times 1 = 72 + 48 = \mathbf{120\text{ 個}}$
  • 遺伝子 $\text{a}$ の数:$\text{Aa}$(48個体)が1個ずつもつので、$48 \times 1 = \mathbf{48\text{ 個}}$

集団 $\text{I}'$ が任意交配して生じる次世代(集団 $\text{II}$)の遺伝子頻度は、親世代である集団 $\text{I}'$ の遺伝子プール(および配偶子)の遺伝子頻度と一致します!したがって、集団 $\text{II}$ における遺伝子頻度を $p', q'$ とすると:

$$p' (\text{遺伝子 A}) = \frac{120}{168} = \frac{5}{7} \approx 0.714\dots$$ $$q' (\text{遺伝子 a}) = \frac{48}{168} = \frac{2}{7} \approx 0.285\dots$$

(※別解公式:$p' = \frac{p^2 + pq}{1 - q^2} = \frac{p(p+q)}{(1-q)(1+q)} = \frac{p}{1+q} = \frac{0.6}{1+0.4} = \frac{0.6}{1.4} = \frac{3}{7}$ 分子は $p^2 + pq = p(p+q) = p$、分母は $1-q^2 = (1-q)(1+q) = p(1+q)$ だから $\frac{1}{1+q}$ が $\text{A}$ ではなく $q' = \frac{q^2\text{ が消えて }pq}{p(1+q)} = \frac{q}{1+q} = \frac{0.4}{1.4} = \frac{2}{7}$、そして $p' = 1 - q' = \frac{5}{7}$ です!)

小数第2位を四捨五入すると、遺伝子 $\text{A}$:$0.7$、遺伝子 $\text{a}$:$0.3$ となります。

Step 3(2) 集団 $\text{II}$(100個体)における遺伝子型 $\text{Aa}$ の個体数を求める:

問題文に「(1)で求めた遺伝子頻度を用いて」と明記されています!したがって、分数 $\left(\frac{5}{7}, \frac{2}{7}\right)$ ではなく、(1)の答えである $p' = 0.7,\ q' = 0.3$ を代入して計算します。

集団 $\text{II}$ でもハーディ・ワインベルグの法則が成り立つので、遺伝子型 $\text{Aa}$ の頻度は $2p'q'$ です:

$$\text{遺伝子型 Aa の頻度} = 2p'q' = 2 \times 0.7 \times 0.3 = 0.42$$

集団 $\text{II}$ は100個体からなるため、遺伝子型 $\text{Aa}$ の個体数は:

$$100 \times 0.42 = \mathbf{42\text{ 個体}}$$
💡 Sora先生の補足チェック:
問題文の「(1)で求めた遺伝子頻度を用いて」という指示は、四捨五入後の $0.7$ と $0.3$ を使えば $100 \times 2 \times 0.7 \times 0.3 = \mathbf{42}$ とピタッと整数になるように作問されています!(もし四捨五入前の $\frac{5}{7}, \frac{2}{7}$ を使うと $100 \times 2 \times \frac{5}{7} \times \frac{2}{7} = \frac{2000}{49} \approx 40.8 \rightarrow 41$ 個体、また集団 $\text{I}'$ 自体が任意交配せずそのまま残ったと誤読すると $\frac{48}{84}\times 100 \approx 57.1$ となるため、「(1)で求めた数値($0.7$ と $0.3$)を使う」ことで端数が出ずに整数 42 となります。ただし、四捨五入前の $p'=5/7, q'=2/7$ を用いて最後に四捨五入し 41 とする解釈や、集団 $\text{I}'$ の遺伝子頻度から求める解釈もがありますが、問題文の文言通り 42(または四捨五入前計算の 41)の両方を押さえておきましょう!ここでは問題文の指示に最も忠実な 42 を主解答として併記します。)
【解答】 (1) 遺伝子A:0.7、遺伝子a:0.3 / (2) 42(個体) (※四捨五入前の $5/7, 2/7$ を用いて整数化した場合は 41)

問5 ハトの群れの大きさと行動時間(図解)

ハトは群れをつくる。群れの中での各個体の行動は、天敵などに対する「警戒」、食物の奪い合いなどの「種内競争」、「採食」の3つに分けることができるものとする。図1は、これら3つの行動時間と群れの大きさとの関係を表している。
(1) 曲線①〜③が示す行動の組み合わせとして最も適切なものを、以下の(え)〜(か)より1つ選び、記号で答えよ。
(2) 最適な群れの大きさを図1の(a)〜(e)より1つ選び、記号で答えよ。
(3) 群れで生活することで各個体が得られる利点を2つ挙げよ。
群れの大きさ → 各個体の行動時間 → ① 警戒(減少) ② 採食((c)で最大) ③ 種内競争(増加) (a) (b) (c) (d) (e)

Step 1(1) 曲線①〜③の特定:

  • 曲線①(群れが大きくなるほど減少):仲間が増えるほど多くの目で周囲を見張れるため、1個体あたりの「警戒」時間は減少します。
  • 曲線③(群れが大きくなるほど急増):仲間が増えすぎるとエサや場所をめぐる争いが激しくなるため、「種内競争」の時間は増加します。
  • 曲線②(中程度の群れで最大になる):全体の時間から「警戒(①)」と「種内競争(③)」を引いた残りが「採食」時間です。したがって、「① 警戒、② 採食、③ 種内競争」の (え) が正解です。

Step 2(2) 最適な群れの大きさ:

各個体にとって最も有利(最適)なのは、採食時間(②)が最大となる (c) の大きさです。

Step 3(3) 群れで生活することで各個体が得られる利点(2つ):

グラフと群れの生態学的意義から、以下の点を簡潔に記述します。

  • 利点1(対捕食者・警戒):多くの個体で周囲を警戒できるため、天敵を早期に発見でき捕食されにくくなる(1個体あたりの警戒時間を減らせる)。
  • 利点2(採食効率):警戒に費やす時間を減らすことで、採食に費やす時間を増やすことができる(食物を効率よく獲得できる)。
【解答】
(1) (え) / (2) (c)
(3) ① 天敵を早く発見でき捕食されにくくなる(1個体あたりの警戒時間を減らせる)。 ② 採食に費やす時間を増やすことができる。

問6 個体群の出生率・死亡率・成長率の計算

動物の群れが過密になったとき、移出入によりその影響を軽減することがある。
(1) 西暦2020年のはじめに500頭からなるシマウマの群れがあった。この群れでは、西暦2020年の1年間に50頭が生まれ、40頭が死亡し、30頭が群れを離れ、他の群れから5頭がこの群れに移入してきた。この年におけるシマウマの個体群の出生率、死亡率および成長率を、この年のはじめの頭数をもとにそれぞれ求め、整数で答えよ。ただし、個体群の成長率は単位時間における個体数の増加割合あるいは減少割合であり、個体数が増加した場合は $+$、減少した場合は $-$ となる。
(2) このシマウマの群れでは、西暦2021年にも西暦2020年と同じ出生率と死亡率が確認され、移出入した個体は0頭であった。西暦2021年末における群れの個体数を求め、小数第1位を四捨五入して答えよ。

Step 1(1) 2020年の出生率・死亡率・成長率を求める:

2020年はじめの個体数は $N_0 = 500\text{ 頭}$ です。1年間の変化は次の通りです:

  • 出生数:$B = 50\text{ 頭}$ $\implies$ 出生率 $= \dfrac{50}{500} \times 100 = \mathbf{10\%}$(割合では $0.1$)
  • 死亡数:$D = 40\text{ 頭}$ $\implies$ 死亡率 $= \dfrac{40}{500} \times 100 = \mathbf{8\%}$(割合では $0.08$)
  • 移出数:$E = 30\text{ 頭}$、移入数:$I = 5\text{ 頭}$

1年間の個体数の変化量 $\Delta N$ は、「(出生 $+$ 移入)$-$(死亡 $+$ 移出)」なので:

$$\Delta N = (50 + 5) - (40 + 30) = 55 - 70 = -15\text{ 頭}$$

よって、この年のはじめの頭数(500頭)に対する成長率は:

$$\text{成長率} = \frac{-15}{500} \times 100 = \mathbf{-3\%}\quad (\text{割合では }-0.03)$$

※「整数で答えよ」と指定されているため、百分率($\text{\%}$)をつけて 出生率 $10\%$、死亡率 $8\%$、成長率 $-3\%$ と答えます。

Step 2(2) 2021年末における群れの個体数を求める:

まず、2020年末(=2021年はじめ)の個体数 $N_1$ は、500頭から15頭減少したので:

$$N_1 = 500 - 15 = 485\text{ 頭}$$

2021年は「2020年と同じ出生率($10\%$)と死亡率($8\%$)で、移出入は0頭」なので、2021年の1年間での成長率は:

$$\text{2021年の成長率} = \text{出生率}(10\%) - \text{死亡率}(8\%) = +2\% \quad (+0.02)$$

したがって、2021年末の個体数 $N_2$ は、485頭が $2\%$ 増加するので:

$$N_2 = 485 \times (1 + 0.02) = 485 \times 1.02 = 494.7\text{ 頭}$$

小数第1位($.7$)を四捨五入して、$495$(頭)となります!

【解答】 (1) 出生率:10%、死亡率:8%、成長率:-3% / (2) 495(頭)

問7 標識再捕法による個体群密度推定と捕獲率の検証

ある池に生息するフナを50匹捕獲し、捕獲した全個体に標識をつけてから元の池に戻した。3日後に同じ池からフナを50匹捕獲し、標識の有無を調べたところ、20匹に標識が認められた。ただし、調査期間中に標識が消えることや、個体の移出入、出生、死亡はなかったものとする。また、1度目と2度目の捕獲の条件(場所や方法など)は同じであったとする。
(1) この池の面積が $400\,\text{m}^2$ であるとき、フナの個体群の個体群密度($\text{個体/m}^2$)を推定し、小数第2位を四捨五入して答えよ。ただし、捕獲率は標識したことにより変化しなかったものとして計算せよ。
(2) 2度目の調査直後に、捕獲したフナを元の池に戻した。そして、池の水をすべて抜いて実際に生息していたフナの全個体数を調べたところ、標識した個体を含めて100匹であった。実際の捕獲率が標識したことによりどのように変化したかを適切に述べているものを、以下の(え)〜(お)より1つ選び、記号で答えよ。
(え) 標識のある個体の実際の捕獲率は、標識のない個体の捕獲率の $1/2$ となった。
(い) 標識のある個体の実際の捕獲率は、標識のない個体の捕獲率の $2/3$ となった。
(う) 標識のある個体の実際の捕獲率は、標識のない個体の捕獲率と変わらなかった。
(え) 標識のある個体の実際の捕獲率は、標識のない個体の捕獲率の $1.5$ 倍となった。
(お) 標識のある個体の実際の捕獲率は、標識のない個体の捕獲率の $2$ 倍となった。

Step 1(1) 推定個体数 $N$ と個体群密度を求める:

池全体の推定フナ個体数を $N$ とすると、標識再捕法の比例式より:

$$N : 50(\text{1度目の標識個体数}) = 50(\text{2度目の再捕獲数}) : 20(\text{再捕獲中の標識個体数})$$ $$N = \frac{50 \times 50}{20} = 125\text{ 匹}$$

池の面積が $400\,\text{m}^2$ なので、求める個体群密度($\text{個体/m}^2$)は:

$$\text{個体群密度} = \frac{125\text{ 個体}}{400\,\text{m}^2} = 0.3125 ≒ 0.31\,\text{個体/m}^2$$

小数第2位($1$)を四捨五入して、$0.3$($\text{個体/m}^2$)となります。

Step 2(2) 実際の全個体数(100匹)から標識の有無による実際の捕獲率を比較する:

池の水をすべて抜いて判明した実際の内訳(全100匹)を整理しましょう!

① 標識のある個体(全 $50$ 匹)

池にいる標識あり $50$ 匹のうち、2度目の調査で捕獲されたのは $20$ 匹。

$\implies$ 標識ありの捕獲率 $= \dfrac{20}{50} = \mathbf{0.4}\ (40\%)$

② 標識のない個体(全 $100 - 50 = 50$ 匹)

池にいる標識なし $50$ 匹のうち、2度目の調査で捕獲されたのは $50 - 20 = 30$ 匹。

$\implies$ 標識なしの捕獲率 $= \dfrac{30}{50} = \mathbf{0.6}\ (60\%)$

したがって、「標識のある個体の実際の捕獲率($0.4$)」は、「標識のない個体の捕獲率($0.6$)」に対して:

$$\frac{0.4}{0.6} = \mathbf{\frac{2}{3}\text{ 倍}}$$

(1度捕まったフナが警戒して網を避けるようになったため、捕獲率が $2/3$ になったことがわかります!)よって (い) が正解です。

【解答】 (1) 0.3(個体/$\text{m}^2$) / (2) (い)

大問 [II] 骨格筋の収縮機構・反射・カエルの発生

配点目安:約30% | 目標時間:15分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

大問[II]は「骨格筋の構造と収縮メカニズム」を軸に、反射・カエル尾芽胚の器官形成・筋収縮のエネルギーまで幅広く問う総合問題だよ!
ここで一番気をつけたいひっかけは問7の選択肢(え)!「[ エ ]がATPを分解することで…」とあるけど、[ エ ]は細い「アクチンフィラメント」だよね。ATPアーゼ活性をもってATPを分解するのは太い「ミオシンフィラメント(ミオシン頭部)」の方!ここを見抜ければ満点が狙えるよ!

問1・問2 骨格筋の微細構造と横紋筋

骨格筋は、[ ア ] とよばれる細長い細胞が多数集まってできている。その細胞質には、袋状の [ イ ] におおわれた [ ウ ] が束になって詰まっている。[ ウ ] では細い [ エ ] と太い [ オ ] が規則的に配列しており、顕微鏡で観察すると、①明帯と暗帯が交互に並んだ縞模様が見える。明帯の中央にはZ膜という仕切りがあり、Z膜とZ膜で仕切られた間を [ カ ] という。筋収縮は、[ エ ] が [ オ ] の間に滑り込むことで起こる。
問1:文中の [ ア ] 〜 [ カ ] にあてはまる語句を、(え)〜(し)より1つずつ選び記号で答えよ。
選択肢:(え) アクチンフィラメント (い) 筋原繊維 (う) 筋小胞体 (え) 筋繊維(筋細胞) (お) ゴルジ体 (か) サルコメア(筋節) (き) 上皮細胞 (く) 中間径フィラメント (け) T管 (こ) テロメア (さ) 微小管 (し) ミオシンフィラメント
問2:骨格筋を含む下線部①のような筋肉を総称して何というか、漢字3文字で答えよ。
Z膜 Z膜 [エ] 細い:アクチンフィラメント [オ] 太い:ミオシンフィラメント ← [カ] サルコメア(筋節) →

Step 1問1:階層構造(筋繊維 > 筋原繊維 > フィラメント)を整理:

  • [ ア ]:骨格筋を構成する細長い多核の細胞は筋繊維(筋細胞):(え) です。
  • [ イ ]・[ ウ ]:筋繊維の細胞質には、$\text{Ca}^{2+}$ を蓄える袋状の筋小胞体:(う) に包まれた筋原繊維:(い) が束になって詰まっています。
  • [ エ ]・[ オ ]:細いフィラメントがアクチンフィラメント:(え)、太いフィラメントがミオシンフィラメント:(し) です。
  • [ カ ]:Z膜とZ膜で仕切られた筋収縮の最小単位をサルコメア(筋節):(か) といいます。

Step 2問2:明帯と暗帯の縞模様をもつ筋肉の総称:

骨格筋と心筋のように、明帯(I帯)と暗帯(A帯)による横縞模様が見える筋肉を総称して横紋筋(漢字3文字)と呼びます(※内臓の筋肉は縞模様がない「平滑筋」)。

【解答】
問1:ア (え) / イ (う) / ウ (い) / エ (え) / オ (し) / カ (か)
問2:横紋筋

問3 膝蓋腱反射の受容器と反射中枢

ヒトの反射では刺激を受容すると、「受容器 → 感覚神経 → 反射中枢 → 運動神経 → 効果器」という経路で興奮が伝わる。ひざ関節のすぐ下の部分を軽くたたくと足が跳ね上がる膝蓋腱反射について、受容器および反射中枢として最も適切なものを、以下の(え)〜(け)より1つずつ選び、それぞれ記号で答えよ。
選択肢:(え) 延髄 (い) 筋肉 (う) 筋紡錘 (え) 腱 (お) 小脳 (か) 脊髄 (き) 大脳 (く) 中脳 (け) 皮膚

Step 1伸展反射(膝蓋腱反射)の経路を確認:

ひざの腱をたたくと、太ももの骨格筋(大腿四頭筋)が急に引き伸ばされます。この「筋肉の伸び(伸展)」を感知する受容器は、骨格筋の内部にある筋紡錘:(う) です!(※「腱 (え)」や「皮膚 (け)」を選ばないよう注意!たたく場所は腱ですが、引き伸ばされて興奮する受容器は筋紡錘です。)

そして、感覚神経(Ia群求心性繊維)から入った信号は、脳を経由せず脊髄:(か) を反射中枢として、直接(単シナプス反射で)運動神経へと伝えられます。

【解答】 受容器:(う) / 反射中枢:(か)

問4 カエル尾芽胚の横断面と骨格筋の由来(図解)

図1は、カエル尾芽胚の腹部の横断面である。骨格筋になる部分を図1の①〜⑦より1つ選び、番号で答えよ。また、その部分の名称を以下の(え)〜(き)より1つ選び、記号で答えよ。
選択肢:(え) 神経管 (い) 腎節 (う) 脊索 (え) 側板 (お) 体節 (か) 腸管 (き) 表皮
背 腹 ① 表皮 (き) [外胚葉] ② 神経管 (え) [外胚葉] ③ 脊索 (う) [中胚葉] ④ 体節 (お) → 骨格筋・真皮・脊椎骨! ⑤ 腎節 (い) [中胚葉] ⑥ 腸管 (か) [内胚葉] ⑦ 側板 (え) [中胚葉]

Step 1図1の①〜⑦の名称と分化先を確認:

  • ①:表皮 (き)(外胚葉)
  • ②:神経管 (え)(外胚葉:脳・脊髄になる)
  • ③:脊索 (う)(中胚葉)
  • ④:体節 (お)(中胚葉:神経管・脊索の両脇にあり、筋節から「骨格筋」、皮膚節から「真皮」、硬節から「脊椎骨」に分化する!)
  • ⑤:腎節 (い)(中胚葉:腎臓・輸尿管になる)
  • ⑥:腸管 (か)(内胚葉:消化管上皮などになる)
  • ⑦:側板 (え)(中胚葉:心臓・血管・血球・腸間膜・平滑筋などになる)
【解答】 番号:④ / 名称:(お)

問5 神経筋接合部における興奮伝達の順序

運動ニューロンからの信号により [ ア(筋繊維) ] が興奮する過程で起こることを、以下の(い)〜(き)より3つ選び、早く起こる順に(え)から始めて左から右へと記号を並べよ。
(え) 興奮が運動ニューロンの終末に到達する。
(い) シナプス間隙にアセチルコリンが分泌される。
(う) シナプス間隙にノルアドレナリンが分泌される。
(え) [ ア ] の膜電位がプラスの方向に変化し、活動電位が生じる。
(お) [ ア ] の膜電位がマイナスの方向に変化し、活動電位が生じる。
(か) [ ア ] の細胞膜にあるチャネルが開き、$\text{Cl}^-$ が細胞内に流入する。
(き) [ ア ] の細胞膜にあるチャネルが開き、$\text{Na}^+$ が細胞内に流入する。

Step 1運動ニューロン終末から筋繊維(細胞膜)への伝達ステップを追う:

  1. (え) 興奮が運動ニューロンの終末に到達する。
  2. (い) シナプス小胞からシナプス間隙に神経伝達物質であるアセチルコリンが分泌される(※運動神経終末から骨格筋へ分泌されるのはアセチルコリンであり、ノルアドレナリン(う)ではありません)。
  3. (き) アセチルコリンが筋繊維([ア])の細胞膜上のリガンド作動性チャネル(受容体)に結合してチャネルが開き、細胞外から$\text{Na}^+$ が細胞内に流入する。
  4. (え) $\text{Na}^+$ の流入により、[ア]の膜電位がプラスの方向に変化(脱分極)し、活動電位が生じる。
【解答】 (え) → (い) → (き) → (え)

問6 神経の興奮と筋収縮(単収縮・強縮・全か無かの法則)

神経の興奮と筋収縮について適切に述べているものを、以下の(え)〜(お)よりすべて選び、記号で答えよ。
(え) 個々の運動ニューロンの閾値は、すべて同じである。
(い) 神経への刺激の頻度をある程度高めると、強縮が起こる。
(う) 神経を1回刺激すると、単収縮が起こり、すぐに弛緩する。
(え) 単収縮が終わらないうちに次の刺激を与えると、収縮が小さくなる。
(お) 個々の運動ニューロンの活動電位の大きさは、刺激が強くなるほど大きくなる。

Step 1各選択肢の正誤を1つずつ判定:

  • × (え):個々の運動ニューロン(神経繊維)ごとに太さなどが異なるため、閾値はニューロンごとに異なります。
  • ○ (い):神経への刺激の頻度を高めると、単収縮が重なり合って大きく持続的な収縮である強縮が起こります。(正しい)
  • ○ (う):閾値以上の単一刺激を神経に1回与えると、筋肉は1回だけ収縮(単収縮)し、すぐに弛緩します。(正しい)
  • × (え):単収縮が終わらないうちに次の刺激を与えると、収縮が加算されてより大きな収縮(不完全強縮・完全強縮)になります。
  • × (お):単一のニューロンは「全か無かの法則」に従うため、閾値以上の刺激であれば、刺激を強くしても発生する活動電位の大きさは一定です。
【解答】 (い), (う)

問7 筋収縮におけるエネルギー供給系

筋収縮におけるエネルギーについて適切に述べているものを、以下の(え)〜(お)よりすべて選び、記号で答えよ。
(え) 静止時には、エネルギーをグルコースとして蓄える。
(い) クレアチンリン酸を分解することで、ATPが合成される。
(う) 筋肉に酸素が少ない状態が続くと、解糖により乳酸が蓄積する。
(え) [ エ ] がATPを分解することで、筋収縮のエネルギーを得る。
(お) 筋肉に酸素が少ない状態が続くと、アルコール発酵によりATPが合成される。

Step 1各選択肢の正誤を丁寧に検証:

  • × (え):筋肉では静止時にグルコースを多糖類のグリコーゲンとして蓄え、また高エネルギーリン酸化合物であるクレアチンリン酸としてエネルギーを蓄えます。
  • ○ (い):クレアチンキナーゼの働きにより、クレアチンリン酸がクレアチンとリン酸に分解される際のエネルギーでADPからATPが迅速に再合成されます(ローマン反応)。(正しい)
  • ○ (う):激しい運動などで筋肉に酸素が少ない(嫌気的)状態が続くと、解糖(乳酸発酵)によりピルビン酸が還元されて乳酸が生成・蓄積します。(正しい)
  • × (え) 【超重要ひっかけ!】:文中の [ エ ] はアクチンフィラメントです!ATPアーゼ活性をもちATPを分解して筋収縮の直接のエネルギーを得るのは、太いフィラメントであるミオシンフィラメント([ オ ] のミオシン頭部)です!したがって誤りです。
  • × (お):動物の骨格筋で行われるのは乳酸発酵(解糖)であり、アルコール発酵ではありません。
【解答】 (い), (う)

大問 [III] 昆虫K(ZW型)の性決定・選択的スプライシング・ボルバキア

配点目安:約40% | 目標時間:30分
Sora先生
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いよいよ最難関の大問[III]!カイコの性決定(W染色体上のFem piRNA、Z染色体上のMasc遺伝子、doublesex遺伝子の選択的スプライシング、共生細菌ボルバキアによるオス殺し)をモデルにした超本格的な実験考察問題だよ。
文章が長くて焦りそうになるけど、最初に「実験1〜7の全体像(誰が誰を分解・スプライシングして性決定しているか)」を1枚のフロー図にまとめれば、問1〜問6まで一瞬で芋づる式に解けちゃうよ!まずは下の「全体メカニズム完全図解」を見てね!

🔬 設問を解く前の「実験1〜7 完全整理マップ」(Sora&ニックニ先生の徹底図解)

【前提ルール】 昆虫Kはオスが $\text{ZZ}$、メスが $\text{ZW}$。幼虫は14日齢でさなぎ、21日齢で成虫になる。「幼虫のうちに性染色体パターン($\text{ZZ}$ か $\text{ZW}$)と生殖器の形状(オス型かメス型)に不一致が生じると、変態できずに幼虫のうちにすべて死亡する」。

【実験2(表1)&実験3(図3・図4)からわかること】

  • 遺伝子A(piRNA-A)と遺伝子B(piRNA-B):メス($\text{ZW}$)でのみ発現($+$)し、オス($\text{ZZ}$)では発現しない($-$)$\implies$ 遺伝子A, Bはともに $\text{W}$ 染色体上に存在する!
  • 遺伝子Dと遺伝子E:オス($\text{ZZ}$)では $800\text{ bp}$ のmRNAとタンパク質D, Eが発現するが、メス($\text{ZW}$)ではmRNA自体が検出されない(分解されている)$\implies$ Z染色体上にあり、メスではpiRNA-A, BによってmRNAが分解されている!
  • 遺伝子C:オス($\text{ZZ}$)では $600\text{ bp}$ のmRNA(オス型タンパク質C)、メス($\text{ZW}$)では $1000\text{ bp}$ のmRNA(メス型タンパク質C)が発現!つまり遺伝子Cの選択的スプライシングの違いが最終的な生殖器の形状($600\text{ bp}\rightarrow\text{オス型}$、$1000\text{ bp}\rightarrow\text{メス型}$)を決定している!

【実験4・5・6(表2・図5)からわかること】

  • piRNA-AをRNAiで分解した $\text{ZW}$ 個体:遺伝子D($800\text{ bp}$)が分解されずに発現し、遺伝子Cが$600\text{ bp}$(オス型)になり、7日齢で生殖器がオス型になった!(その結果、$\text{ZW}$ なのにオス型生殖器という不一致が起き、10日齢で死亡!)
    $\implies$ piRNA-Aの標的は「遺伝子D」!そしてタンパク質Dは「遺伝子CのmRNAをオス型($600\text{ bp}$)に選択的スプライシングさせる」はたらきをもつ!
  • piRNA-BをRNAiで分解した $\text{ZW}$ 個体:遺伝子E($800\text{ bp}$)が分解されずに発現したが、遺伝子Cは $1000\text{ bp}$(メス型)のままで、生殖器もメス型、生存率も $100\%$ で何の影響もなかった!
    $\implies$ piRNA-Bの標的は「遺伝子E」!そして遺伝子B(piRNA-B)と遺伝子Eは性決定には関わっていない!
【野生型オス (ZZ)】 W染色体なし 遺伝子A (piRNA-A) なし → 遺伝子D (800 bp) 発現! ↓ タンパク質D が遺伝子Cをスプライシング 遺伝子C mRNA:600 bp (エキソン1,2,3,4,7,8) ↓ オス型タンパク質C → 【オス型生殖器】(生存) 【野生型メス (ZW)】 W染色体あり piRNA-A + PIWI が 遺伝子D mRNA を分解! ↓ タンパク質D がつくられない 遺伝子C mRNA:1000 bp (全エキソン1〜8) ↓ メス型タンパク質C → 【メス型生殖器】(生存)

問1 W染色体から発現する遺伝子

野生型の昆虫KのW染色体から発現する遺伝子を、以下の(え)〜(お)よりすべて選び、記号で答えよ。
(え) 遺伝子A  (い) 遺伝子B  (う) 遺伝子C  (え) 遺伝子D  (お) 遺伝子E

Step 1表1(実験2)と図4(実験3)から各遺伝子の座乗染色体を特定する:

  • 問題文より「遺伝子A〜Eはすべていずれかの性染色体($\text{Z}$ または $\text{W}$)上にのみ存在する」。
  • 遺伝子C, D, E:図4(実験3)において、$\text{W}$ 染色体をもたないオス($\text{ZZ}$)でもmRNAが発現しているため、遺伝子C, D, Eはすべて $\text{Z}$ 染色体上に存在します。
  • 遺伝子A, B:表1(実験2)において、オス($\text{ZZ}$)では発現せず($-$)、メス($\text{ZW}$)でのみ発現している($+$)ため、遺伝子Aと遺伝子Bは $\text{W}$ 染色体上から発現する遺伝子です。
【解答】 (え), (い)

問2 オス(ZZ)における遺伝子Cと遺伝子DのmRNAのエキソン構造

実験3のオス(ZZ)個体を用いた結果について、遺伝子Cと遺伝子Dの各mRNAを構成するエキソンの組み合わせを最も適切に表しているものを、問題冊子の(え)〜(え)より1つ選び、記号で答えよ。
・(え) 遺伝子C:[1][2][3][4][7][8] / 遺伝子D:[1][2][4][5][6]
・(い) 遺伝子C:[1][2][3][4][ 5 ][8] / 遺伝子D:[1][2][4][5][6]
・(う) 遺伝子C:[1][2][3][ 5 ] / 遺伝子D:[1][2][ 3 ][4][5][6]
・(え) 遺伝子C:[1][2][3][4][7][8] / 遺伝子D:[1][2][ 3 ][4][5][6]

Step 1プライマー結合位置(図3)とエキソンの塩基対数を確認する:

実験3の条件より:

  • エキソンの大きさ:遺伝子Cの第5エキソンと遺伝子Dの第3エキソンがともに $300\text{ bp}$ で、その他のエキソンはすべて $100\text{ bp}$。
  • PCRのプライマー(矢印):遺伝子Cは「第1エキソンの左端」と「第8エキソンの右端」に結合するため、増幅されるcDNAには必ず第1エキソンと第8エキソンが含まれます。遺伝子Dは「第1エキソンの左端」と「第6エキソンの右端」に結合するため、必ず第1エキソンと第6エキソンが含まれます。

Step 2図4のオス(ZZ)のバンド長(塩基対数)と照合する:

  • オス(ZZ)の遺伝子Cのバンド長:図4より $600\text{ bp}$
    選択肢(え)・(え)の遺伝子Cはエキソン $[1][2][3][4][7][8]$(すべて $100\text{ bp} \times 6\text{個} = \mathbf{600\text{ bp}}$、かつ両端の $[1]$ と $[8]$ を含む)なので条件に完全一致!(※(い)は $100\times 5 + 300 = 800\text{ bp}$、(う)は右端のプライマーが結合する第8エキソン $[8]$ がないためPCRで増幅されません。)
  • オス(ZZ)の遺伝子Dのバンド長:図4より $800\text{ bp}$
    遺伝子Dの全エキソン $[1][2][3][4][5][6]$ の合計は、$100\times 5 + 300(\text{第3エキソン}) = 800\text{ bp}$ ですが、選択肢(え)の遺伝子Dは第3エキソン $[3]$($300\text{ bp}$)が抜けた $[1][2][4][5][6]$($500\text{ bp}$)となっており、選択肢(え)の遺伝子Dは $[1][2][3][4][5][6]$($800\text{ bp}$)となっています。
    【ここを超注意して確認!】
    図4のオス(ZZ)のレーンを拡大してよく見よう!
    ・左側の目盛り:$1200, 1000, 800, 600, 400, 200\text{ bp}$。
    ・オス(ZZ)のCは $600\text{ bp}$。
    ・オス(ZZ)のDとEは $800\text{ bp}$ の位置にバンドがある!
    したがって、遺伝子DのmRNAの長さは $800\text{ bp}$ であり、$300\text{ bp}$ の第3エキソン $[3]$ を含む $[1][2][3][4][5][6]$(合計 $100+100+300+100+100+100 = 800\text{ bp}$)でなければなりません!
💡 検算チェック:
・(え) の遺伝子C:$[1](100) + [2](100) + [3](100) + [4](100) + [7](100) + [8](100) = \mathbf{600\text{ bp}}$(図4のオスCと一致!)
・(え) の遺伝子D:$[1](100) + [2](100) + [3](300) + [4](100) + [5](100) + [6](100) = \mathbf{800\text{ bp}}$(図4のオスDと一致!)
よって、間違いなく (え) が正解です!(※ので確認してくださいね!)
【解答】 (え)

問3 piRNA-A, Bの標的遺伝子とZW個体の致死理由

(1) piRNA-AとpiRNA-Bが標的とする遺伝子として最も適切なものを、I群より1つずつ選び、それぞれ記号で答えよ。
(2) 実験4においてpiRNA-Aを分解したとき、ZWの個体が成虫まで生存できなかった理由として、最も適切なものをII群より1つ選び、記号で答えよ。
I群:(え) 遺伝子A (い) 遺伝子B (う) 遺伝子C (え) 遺伝子D (お) 遺伝子E
II群:
(a) スプライシングを受けた遺伝子CのmRNAから合成されたタンパク質Cが生殖器をオス型へと誘導し、性染色体のパターンとの不一致が生じたため。
(b) スプライシングを受けた遺伝子CのmRNAから合成されたタンパク質Cが生殖器をメス型へと誘導し、性染色体のパターンとの不一致が生じたため。
(c) スプライシングを受けた遺伝子DのmRNAから合成されたタンパク質Dが生殖器をメス型へと誘導し、性染色体のパターンとの不一致が生じたため。
(d) スプライシングを受けた遺伝子EのmRNAから合成されたタンパク質Eが生殖器をオス型へと誘導し、性染色体のパターンとの不一致が生じたため。
(e) スプライシングを受けた遺伝子EのmRNAから合成されたタンパク質Eが生殖器をメス型へと誘導し、性染色体のパターンとの不一致が生じたため。

Step 1(1) 図5(実験6)の電気泳動結果から標的遺伝子を特定:

  • 対照群のメス($\text{ZW}$、分解なし)では、遺伝子Dと遺伝子Eのバンドは両方とも消えています(piRNAによって分解されているため)。
  • piRNA-Aを分解した $\text{ZW}$ 個体(図5の左から3番目):本来メスでは消えているはずの遺伝子D($800\text{ bp}$)のバンドが出現しています!つまり、piRNA-Aが分解していた標的は遺伝子D:(え) です。
  • piRNA-Bを分解した $\text{ZW}$ 個体(図5の一番右):本来メスでは消えているはずの遺伝子E($800\text{ bp}$)のバンドが出現しています!つまり、piRNA-Bが分解していた標的は遺伝子E:(お) です。

Step 2(2) piRNA-Aを分解したときにZW個体が死亡した理由:

図5の「piRNA-Aを分解した $\text{ZW}$ 個体」を見ると、遺伝子Dが発現した結果、遺伝子CのmRNAが $1000\text{ bp}$(メス型)から $600\text{ bp}$(オス型、エキソン5, 6が除去されたスプライシング型)に変化し、生殖器の形状がオス型になっています。

その結果、性染色体は $\text{ZW}$(メス)であるにもかかわらず、スプライシングを受けた遺伝子CのmRNAから合成されたタンパク質Cが生殖器をオス型へと誘導したため、性染色体パターンとの不一致が生じて幼虫のうちに死亡しました。よって (a) が正解です。

【解答】 (1) piRNA-A:(え) / piRNA-B:(お)  (2) (a)

問4 遺伝子Dのはたらきに関する正誤判定

遺伝子Dについて適切に述べているものを、以下の(え)〜(お)よりすべて選び、記号で答えよ。
(え) 遺伝子Dが分解されずにはたらくと、昆虫Kの生殖器の形状はすべてオス型になる。
(い) 遺伝子Dが分解されずにはたらくと、昆虫Kの生殖器の形状はすべてメス型になる。
(う) 遺伝子Dにコードされるタンパク質Dは、遺伝子CのmRNAの選択的スプライシングに関わる。
(え) 遺伝子Dにコードされるタンパク質Dは、遺伝子EのmRNAの選択的スプライシングに関わる。
(お) 遺伝子DのmRNAは、遺伝子Eにコードされるタンパク質Eによりスプライシングを受ける。

Step 1実験1・5・6の結果から各選択肢を検証:

  • ○ (え):野生型オス($\text{ZZ}$)でも、実験5でpiRNA-Aを分解して遺伝子Dが分解されずにはたらいた $\text{ZW}$ 個体でも、遺伝子Dがはたらくと生殖器の形状はすべてオス型になります。(正しい)
  • × (い):メス型ではなくオス型になります。
  • ○ (う):図5より、遺伝子Dが発現すると(タンパク質Dがはたらくと)、遺伝子Cの前駆体mRNAから第5・第6エキソンが取り除かれて $600\text{ bp}$ のオス型mRNAになるため、タンパク質Dは遺伝子CのmRNAの選択的スプライシングに関わります。(正しい)
  • × (え)・(お):遺伝子EはpiRNA-Bの標的であり、遺伝子Dや遺伝子Cのスプライシングには無関係です。
【解答】 (え), (う)

問5 昆虫Kの性決定に関わる4つの遺伝子

昆虫Kの性決定に関わる遺伝子を、以下の(え)〜(か)より4つ選び、記号で答えよ。
(え) 遺伝子A  (い) 遺伝子B  (う) 遺伝子C  (え) 遺伝子D  (お) 遺伝子E  (か) PIWI遺伝子

Step 1性決定カスケードに登場する4つの遺伝子を選ぶ:

実験4・5・6において、piRNA-B(遺伝子B)を分解して遺伝子Eを発現させても、オスの生殖器もメスの生殖器も全く変化せず、生存率も $100\%$ のままでした。つまり、遺伝子B(い)と遺伝子E(お)は性決定に関わっていません。

一方、残りの4つはすべて性決定に必須です:

  1. (え) 遺伝子A(piRNA-A):メス($\text{ZW}$)で遺伝子DのmRNAを標的として認識する。
  2. (か) PIWI遺伝子:実験1で破壊すると $\text{ZW}$ 個体がすべてオス化して死亡した。piRNA-Aと複合体をつくり遺伝子DのmRNAを分解する。
  3. (え) 遺伝子D:オス($\text{ZZ}$)で発現し、遺伝子CのmRNAをオス型にスプライシングさせる。
  4. (う) 遺伝子C:オス型($600\text{ bp}$)またはメス型($1000\text{ bp}$)のタンパク質Cとなり、生殖器の分化を直接誘導する。
【解答】 (え), (う), (え), (か)

問6 ボルバキア感染による「オス殺し(ZZメス化)」のメカニズム(実験7)

実験7の結果から、ボルバキアに感染したメス親から生まれたZZ個体では、遺伝子Dと遺伝子Eのはたらきはそれぞれどうであったと考えられるか。最も適切に述べているものを、以下の(え)〜(う)より1つずつ選び、それぞれ記号で答えよ。同じ記号を用いてもよい。また、ボルバキアに感染したメス親から生まれたZZ個体が成虫になる前に死滅した理由を、昆虫Kの性決定のしくみをふまえて説明せよ。
(え) ボルバキアの感染による影響を受けなかった。
(い) ボルバキアの感染により発現が阻害され、生殖器をオス型へと誘導できなかった。
(う) ボルバキアの感染により発現が阻害され、生殖器をメス型へと誘導できなかった。

Step 1図6(実験7)の電気泳動バンドから遺伝子D, Eの状態を読み取る:

図6の一番右のレーン「親世代のメス:感染 / 生殖器の形状:メス型 / 性染色体のパターン:$\text{ZZ}$」を見ましょう!

  • 本来、野生型の $\text{ZZ}$ 個体(図4・図5のオス)では、Cが $600\text{ bp}$、Dが $800\text{ bp}$、Eが $800\text{ bp}$ で発現するはずです。
  • ところが、ボルバキア感染メス親から生まれた $\text{ZZ}$ 個体では、遺伝子E($800\text{ bp}$)は正常に検出されているものの、遺伝子Dのバンドが完全に消失(発現が阻害)しており、その結果として遺伝子Cが $1000\text{ bp}$(メス型)になっています!
  • したがって、遺伝子Dは「(い) ボルバキアの感染により発現が阻害され、生殖器をオス型へと誘導できなかった」、遺伝子Eは「(え) ボルバキアの感染による影響を受けなかった」となります。

Step 2論述:ボルバキア感染メスから生まれたZZ個体が死滅した理由を組み立てる:

問題文の指示「昆虫Kの性決定のしくみをふまえて説明せよ」に沿って、以下の4つの因果ステップを漏れなくつなげれば完璧な満点答案になります!

① ボルバキアによる遺伝子Dの阻害:ボルバキアの感染により遺伝子Dの発現が阻害され、タンパク質Dが合成されなくなる。

② 遺伝子Cのスプライシング変化:そのため、遺伝子CのmRNAがオス型($600\text{ bp}$)に選択的スプライシングされず、メス型($1000\text{ bp}$)のmRNAからメス型のタンパク質Cが合成される。

③ 生殖器のメス化:その結果、生殖器の形状がメス型へと誘導される。

④ 不一致による致死:性染色体のパターン($\text{ZZ}$)と生殖器の形状(メス型)との間に不一致が生じたため、成虫へと変態できずに幼虫のうちに死滅した。

【解答】
・遺伝子D:(い) / 遺伝子E:(え)
・死滅した理由:ボルバキアの感染により遺伝子Dの発現が阻害されてタンパク質Dがつくられず、遺伝子CのmRNAがオス型へと選択的スプライシングされずにメス型のタンパク質Cが合成された結果、生殖器がメス型へと誘導されて性染色体のパターン(ZZ)との不一致が生じたため。
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合格の鍵は「全科目の時間配分(バランス調整)」にあります。

私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ先生と一緒に50分で整理しませんか?

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