Sora先生&ニックニ先生の「1ステップも省略しない」完全講義へようこそ!
埼玉医科大学の生物(前期)は、標準的な知識をベースにしつつも、実験条件の読み取りや5'→3'方向のパズル的な思考力を問う良問が並びます。赤本や一般的な解答集では「これより〜となる」と1行で片付けられてしまう「なぜ複合活動電位は段階的に大きくなるのか?」「なぜリーディング鎖のG-T対合ミスが次回複製でC→A置換として検出されるのか?」といった思考の核心を、図解とステップ解説でゼロから完全に解き明かします!
SPEED CHECK 解答一覧(マーク番号 1 〜 16)
※まずは自分の答えと照らし合わせよう!【大問 1】神経の興奮伝導・不応期・脊髄反射(マーク 1〜7)
【大問 2】DNAの複製・校正異常と変異・制限酵素処理(マーク 8〜16)
大問 1 神経繊維の興奮伝導・不応期・H波とM波(脊髄反射回路)
目標解答時間:18分
大問1の最大のポイントは、「1本の神経繊維(全か無かの法則に従う)」と「坐骨神経=多数の神経繊維の束(閾値が異なる繊維が集まっているため段階的に振幅が大きくなる)」を明確に区別することです!
さらに後半の文章C(実験4・5)は、医学部入試で超頻出の「H波(感覚神経→脊髄→運動神経→骨格筋)」と「M波=波形L(運動神経→骨格筋へ直行)」の実験です。刺激位置を筋肉(記録電極)に近づけたとき、どちらの経路が長くなり、どちらの経路が短くなるかをイラストで視覚化すれば一瞬で解けますよ!
文章A(実験1・実験2)の重要条件と構造図解
カエル坐骨神経は多数の神経繊維の束である。刺激電極から電流を流すと興奮が発生し、活動電流が流れることに起因する記録電極間の電位差の変化をオシロスコープで「興奮波形」として観察する。興奮波形の振幅の大きさは活動電流の大きさに依存する(活動電流が大きいほど振幅も大きくなる)。
問1 下線部ア(刺激をS1よりも徐々に強くしたところ、興奮波形の振幅は徐々に大きくなった)、下線部イ(ある刺激の強さS2を超えると、興奮波形の振幅はそれ以上に大きくならず、S2の刺激を与えたときの興奮波形の振幅と同じだった)の理由として最も適切なものを、次の①〜⑥のうちからそれぞれ1つずつ選べ。同じものを繰り返し選んでもよい。
下線部ア:1 下線部イ:2
STEP 11本の神経繊維と「神経繊維の束(坐骨神経)」の違いを整理する
個々の神経繊維(1本1本)は「全か無かの法則(悉無律)」に従うため、刺激の強さが閾値を超えると、それ以上刺激を強くしても1本の神経繊維が生じる活動電位の大きさは常に一定です(したがって⑤や⑥は誤り)。
STEP 2下線部ア(S1〜S2の間)で振幅が大きくなる理由
坐骨神経は多数の神経繊維の束であり、それぞれの神経繊維ごとに閾値が少しずつ異なっています。刺激の強さが最も閾値の低い繊維に達した点(S1)からさらに刺激を強くしていくと、より閾値の高い神経繊維も次々と閾値に達して興奮するようになります。つまり、興奮が生じた神経繊維の数(本数)が増えるため、束全体として流れる活動電流が大きくなり、興奮波形の振幅も徐々に大きくなります。よって 1 は ① です。
STEP 3下線部イ(S2以上)で振幅が一定になる理由
刺激の強さがS2に達すると、坐骨神経に含まれるすべての神経繊維が興奮した状態(=興奮が生じた神経繊維の数が上限に達した状態)になります。これ以上刺激を強くしても、新たに興奮する神経繊維は増えず、各繊維の活動電位の大きさも変わらないため、興奮波形の振幅は一定となります。よって 2 は ③ です。
問2 実験2(刺激の強さをS2とし、刺激位置をP1から記録電極に近いP2に変更して刺激を行った)においてオシロスコープで観察される興奮波形または遅延時間(刺激した時刻と興奮波形が観察された時刻の差)の結果として最も適切なものを、次の①〜⑥のうちから2つ選び、一緒にマークせよ。ただし、P1とP2で神経繊維の閾値に変化はないものとする。3
STEP 1興奮波形の「振幅」はどうなるか?(不減衰伝導)
P1でもP2でも刺激の強さはS2(全神経繊維が興奮する十分な強さ)であり、P1とP2で閾値に変化はありません。さらに、神経繊維上を伝導する活動電位は距離が離れても減衰しない(不減衰伝導)ため、P1から伝導してもP2から伝導しても、記録電極に到達する活動電流の大きさは変わりません。したがって、P1とP2で興奮波形の振幅は同じになります(③が正しい)。
STEP 2興奮波形の「遅延時間」はどうなるか?
図4より、刺激位置P2は刺激位置P1よりも記録電極の近くにあります。伝導速度 $v$ が一定であるとき、記録電極までの距離 $L$ が短くなれば、興奮が到達するまでにかかる時間(遅延時間 $t = \dfrac{L}{v}$)は短くなります。したがって、P1のときに比べ、P2のときの遅延時間は短くなったといえます(⑤が正しい)。
【文章B・実験3】神経細胞に対し、閾値を超える刺激が2回連続して与えられた場合、連続した2つの刺激の間隔が短くなると、ナトリウムチャネルは2回目の刺激で開きにくくなり、2回目の刺激により流入するナトリウムイオンの量が減少する。その結果、2回目の刺激による活動電流は、1回目の刺激による活動電流に比べて小さくなる。
坐骨神経に実験1のS2の刺激を2回与え、6ミリ秒の間隔で刺激を2回与えたところ、ウ 興奮波形が観察された。
問3 下線部ウについて最も適切なものを、次の①〜④のうちから1つ選べ。4
| 2回の刺激の間隔(ミリ秒) | 1 | 4 | 6 | 8 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回目の刺激により流入する $\text{Na}^+$ 量を100としたときの相対値 | 0 | 30 | 60 | 100 | 100 |
STEP 1表1から「間隔6ミリ秒」のときの $\text{Na}^+$ 流入量を読み取る
表1を見ると、2回の刺激の間隔が 6ミリ秒 のとき、2回目の刺激によって流入するナトリウムイオン($\text{Na}^+$)の量は、1回目の刺激のとき(100)に対して 相対値 60 となっています(これは不応期のうち「相対不応期」に相当する状態です。なお、1ミリ秒のときは相対値0=絶対不応期なので1つしか波形が見られません)。
STEP 2$\text{Na}^+$ 流入量 → 活動電流 → 興奮波形の振幅 のつながりを追う
・2回目の $\text{Na}^+$ 流入量は「60」なので、0ではなく興奮波形自体は2回目も発生します(①は誤り)。
・しかし、1回目(100)に比べると2回目の $\text{Na}^+$ 流入量(60)は減少しています。
・文章Bより「流入する $\text{Na}^+$ 量が減少すると、2回目の活動電流は1回目に比べて小さくなる」、さらに文章Aより「興奮波形の振幅は活動電流の大きさに依存する」ので、2回目の興奮波形の振幅は1回目の興奮波形の振幅よりも小さくなります。よって ③ が正解です。
文章C(実験4・実験5)の核心図解:波形H(H波)と波形L(M波)の伝導経路
下肢の神経束には「感覚神経」と「運動神経」の両方が通っています。刺激電極で皮膚上からこの神経束を刺激すると、興奮は以下の2つのルートで骨格筋(記録電極)に到達します。
問4 実験4の結果(刺激の強さをE1からE5へと徐々に強くしたところ、E2の刺激で感覚神経→脊髄→運動神経を経由する「波形H」が観察され、さらに強くするとE4、E5において運動神経が直接興奮して伝導する「波形L」が観察された。また図7より、波形Hの振幅はE2<E3<E4と大きくなり、波形Lの振幅もE4<E5と大きくなっている)の説明として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから1つ選べ。5
STEP 1感覚神経の閾値(波形Hが出現する最小刺激)と運動神経の閾値(波形Lが出現する最小刺激)を比較する
問題文より、「波形Hが観察される最小の刺激の強さを感覚神経の閾値とし、波形Lが観察される最小の刺激の強さを運動神経の閾値とする」と定義されています。
・波形H(感覚神経由来)が初めて観察されたのは 刺激の強さ E2 です。
・波形L(運動神経由来)が初めて観察されたのは、それより強い 刺激の強さ E4 です。
刺激の強さは $\text{E1} < \text{E2} < \text{E3} < \text{E4} < \text{E5}$ なので、運動神経の閾値(E4)は、感覚神経の閾値(E2)よりも高いことが分かります(①が正しい)。
STEP 2④・⑤が誤りである理由も確認しよう
図7を見ると、波形Hの振幅は E2→E3→E4 と刺激を強くするにつれて大きくなり、波形Lの振幅も E4→E5 で大きくなっています。問1で確認した通り、もし神経繊維が1本だけであれば「全か無かの法則」により振幅は最初から一定になるはずです。振幅が段階的に大きくなっていることから、感覚神経も運動神経も複数本の神経繊維の束であることが分かります(④・⑤は誤り)。
問5 実験5(刺激電極の位置を記録電極の近くに変更し、十分な強さの刺激を1回与えた)で観察された遅延時間 $\text{H}'$、遅延時間 $\text{L}'$ と実験4で観察された遅延時間 $\text{H}$、遅延時間 $\text{L}$ とを比べた結果を結果1に示す。$\text{W}$、$\text{X}$ に入る語句の組合せとして最も適切なものを、①〜⑨のうちから1つ選べ。6
④ W:同じだった / X:短くなった ⑤ W:同じだった / X:同じだった ⑥ W:同じだった / X:長くなった
⑦ W:長くなった / X:短くなった ⑧ W:長くなった / X:同じだった ⑨ W:長くなった / X:長くなった
STEP 1波形H(感覚神経 → 脊髄 → 運動神経 → 骨格筋)の移動距離はどう変わったか?(空欄W)
上の構造図解(実験5の刺激位置)を見てください!刺激電極を「記録電極(骨格筋)の近く」へ距離 $\Delta d$ だけ移動させると:
・まず、刺激位置から脊髄まで感覚神経を上っていく距離が $\Delta d$ だけ遠く(長く)なります。
・脊髄のシナプスを経由したあと、運動神経を通って骨格筋(記録電極)まで下りてくる距離は、実験4でも実験5でも「脊髄から骨格筋までの全長」でまったく同じです。
したがって、波形 $\text{H}'$ が進むトータルの距離は実験4のときより $\Delta d$ だけ長くなるため、遅延時間 $\text{H}'$ は遅延時間 $\text{H}$ に比べて「長くなった」(W=長くなった)となります!
STEP 2波形L(刺激位置から運動神経を通って骨格筋へ直行)の移動距離はどう変わったか?(空欄X)
一方、波形Lは刺激位置から運動神経を右向き(末梢側)へ直行して骨格筋に達する波です。刺激電極を記録電極(骨格筋)の近くに $\Delta d$ だけ移動させると、刺激位置から骨格筋までの距離がそのまま $\Delta d$ だけ短くなります。
したがって、遅延時間 $\text{L}'$ は遅延時間 $\text{L}$ に比べて「短くなった」(X=短くなった)となります!
よって、W:長くなった、X:短くなった の組合せである ⑦ が正解です。
問6 ある神経の病気では、感覚神経と運動神経の両方の髄鞘が破壊され、髄鞘が機能しなくなる。遅延時間Hと遅延時間Lを、この病気がある場合とこの病気がない場合とで比べた結果を結果2に示す。Y、Zに入る語句として最も適切なものを、①〜⑨のうちから1つ選べ。ただし、髄鞘が破壊されたときの軸索の伝導速度は髄鞘のない軸索の伝導速度と同じであるものとする。7
STEP 1髄鞘が破壊されると伝導速度はどうなるか?
脊椎動物の感覚神経や運動神経は通常、髄鞘(ミエリン鞘)をもつ有髄神経繊維であり、ランビエ絞輪ごとに活動電位が飛び飛びに発生する「跳躍伝導」によって高速に興奮を伝えています。
病気(脱髄疾患)によって感覚神経と運動神経の両方の髄鞘が破壊されると、跳躍伝導ができなくなり、無髄神経繊維と同じく連続的な伝導になるため、感覚神経も運動神経も伝導速度が大幅に遅くなります。
STEP 2遅延時間Hと遅延時間Lへの影響
・波形Hは「感覚神経+運動神経」を伝導するため、両方の伝導速度が遅くなれば、当然遅延時間Hは「長くなった」(Y=長くなった)となります。
・波形Lも「運動神経」を伝導するため、運動神経の伝導速度が遅くなれば、遅延時間Lも「長くなった」(Z=長くなった)となります。
よって、Y:長くなった、Z:長くなった の組合せである ⑨ が正解です。
大問1の問5は、生理学の実習でも実際に行われる「H波(Hoffmann反射波)」と「M波(Muscle直行波)」の超定番テーマです。「刺激位置を末梢(筋)に近づけると、直行するM波(波形L)は早くなり、いったん中枢(脊髄)へ戻るH波(波形H)は遅くなる」という逆転現象は、私立医学部で繰り返し出題されています。図を描いて矢印の長さを比べる習慣をつけておけば、本番でも絶対に迷いません!
大問 2 DNAの半保存的複製・複製ポリメラーゼの変異と塩基置換・DNA加工パズル
目標解答時間:22分
大問2は、問1・問2の基礎知識を秒殺したあと、問3(文章B:リーディング鎖・ラギング鎖のポリメラーゼ変異による塩基置換パズル)と問4・問5(文章C:タンパク質Zによる平滑末端化とフレームシフト)で合否が完全に分かれます!
特に問3は、「どの鎖を鋳型にしたときにリーディング鎖になるのか?」「そして元の鎖(P鎖・Q鎖)の塩基が何から何に置き換わったことになるのか?」を頭の中だけで処理しようとすると100%混乱します。下に「1ステップずつ追える完全図解」を用意したので、一緒に手を動かしながらマスターしましょう!
【文章A】DNAの複製では、もとのDNAの2本のヌクレオチド鎖がそれぞれ鋳型鎖となって、相補的な塩基配列をもつヌクレオチド鎖(新生鎖)が新しくつくられる。デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)が、伸長中の新生鎖の末端に結合するとき、デオキシリボヌクレオシド三リン酸から( a )個のリン酸基がはずれる。この反応は、ア DNAポリメラーゼのはたらきによって起こる。
こうして複製されたDNAは、もとのDNAとまったく同じ配列をもち、鋳型鎖と新生鎖の組合せでできている。これを半保存的複製といい、( b )が行った実験によって証明された。
問1 下線部アに関連して、PCR法に使用するDNAポリメラーゼに特徴的な性質として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから1つ選べ。8
① 95℃で加熱しても失活しない。 ② アルカリ性の溶液中でも失活しない。 ③ 鋳型鎖がなくてもDNA合成を行う。
④ プライマーがなくてもDNA合成を行う。 ⑤ DNAの2本鎖をほどきながらDNA合成を行う。
問2 ( a )、( b )に入る数字と人名の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑨のうちから1つ選べ。9
① a:1 / b:ハーシーとチェイス ② a:1 / b:メセルソンとスタール ③ a:1 / b:ニーレンバーグとコラーナ
④ a:2 / b:ハーシーとチェイス ⑤ a:2 / b:メセルソンとスタール ⑥ a:2 / b:ニーレンバーグとコラーナ
⑦ a:3 / b:ハーシーとチェイス ⑧ a:3 / b:メセルソンとスタール ⑨ a:3 / b:ニーレンバーグとコラーナ
問1の解説PCR法で用いる耐熱性DNAポリメラーゼ(Taqポリメラーゼなど)
PCR法では、DNAの2本鎖を1本鎖に解離(変性)させるために反応液を 約95℃の高温に加熱 します。通常の生物のDNAポリメラーゼはこの高温で熱変性して失活してしまいますが、PCR法では好熱菌(Thermus aquaticus など)由来の耐熱性DNAポリメラーゼを用いるため、95℃で加熱しても失活しないという特徴があります。よって 8 は ① です。(※耐熱性であっても、鋳型鎖とプライマーは必須であり、2本鎖をほどくのは酵素ではなく熱の力です)。
問2の解説dNTPの結合(リン酸基の脱離)と半保存的複製の証明者
・空欄 a:新生鎖の材料となる「デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP:リン酸基を3個もつ)」が新生鎖の3'-OH末端に結合するとき、高エネルギーリン酸結合が切れて2個のリン酸基(ピロリン酸 $\text{PP}_\text{i}$)がはずれ、リン酸基が1個だけ残った「ヌクレオチド(一リン酸)」として鎖に組み込まれます($3 - 1 = 2$ 個はずれる)。よって $\text{a} = 2$ です。
・空欄 b:窒素の同位体($^{15}\text{N}$ と $^{14}\text{N}$)と塩化セシウム密度勾配遠心法を用いてDNAの半保存的複製を証明したのは メセルソンとスタール(1958年)です。(※ハーシーとチェイスはT2ファージによる「遺伝子の本体がDNAであること」の証明、ニーレンバーグとコラーナは「遺伝暗号(コドン)の解読」です)。
よって $\text{a}:2$、$\text{b}:\text{メセルソンとスタール}$ の組合せである 9 = ⑤ が正解です。
文章B(問3)の完全攻略:なぜその塩基置換が・どの鎖で検出されるのか?
ここがこの試験で一番の思考力問題です!文章Bと図1・図2のルールを2つのパートに分けて完璧に整理しましょう。
① どの塩基からどの塩基への置換になるか?(空欄 10・12)
② 領域 $\alpha$・領域 $\beta$ の P鎖・Q鎖 のどこでその置換が起きるか?(空欄 11・13)
問3 酵母の遺伝子 $A$ はリーディング鎖の合成時にDNAポリメラーゼとしてはたらくタンパク質Aをコードしている。変異型タンパク質 $\text{A}'$ をもつ酵母では、図1の $\text{III}'$ の*のように、チミン(T)に対してチミン(T)を結合させる誤りを起こす頻度が野生型よりも10倍高くなる。
酵母の遺伝子 $B$ はラギング鎖の合成時にDNAポリメラーゼとしてはたらくタンパク質Bをコードしている。変異型タンパク質 $\text{B}'$ は、チミン(T)に対してグアニン(G)を結合させる誤りを起こす頻度が野生型よりも10倍高くなる。
・変異型遺伝子 $A'$ と遺伝子 $B$ をもつ酵母を培養したところ、10 への塩基置換の検出頻度が、11 において野生型と比較して高くなった。
・遺伝子 $A$ と変異型遺伝子 $B'$ をもつ酵母を培養したところ、12 への塩基置換の検出頻度が、13 において野生型と比較して高くなった。
① アデニンからシトシン ② シトシンからアデニン
③ シトシンからグアニン ④ シトシンからチミン
⑤ グアニンからアデニン ⑥ グアニンからシトシン
⑦ グアニンからチミン ⑧ チミンからアデニン
⑨ チミンからグアニン ⓪ チミンからシトシン
① 領域$\alpha$のP鎖のみ ② 領域$\alpha$のQ鎖のみ
③ 領域$\beta$のP鎖のみ ④ 領域$\beta$のQ鎖のみ
⑤ 領域$\alpha$のP鎖と領域$\alpha$のQ鎖のみ ⑥ 領域$\alpha$のP鎖と領域$\beta$のP鎖のみ
⑦ 領域$\alpha$のP鎖と領域$\beta$のQ鎖のみ ⑧ 領域$\alpha$のQ鎖と領域$\beta$のP鎖のみ
⑨ 領域$\alpha$のQ鎖と領域$\beta$のQ鎖のみ ⓪ 領域$\beta$のP鎖と領域$\beta$のQ鎖のみ
STEP 1図1を観察して「どの鎖で・何が何に置換したか」のルールを掴む!
をじっくり見てください!
・I(もとのDNAの2本鎖):上の鎖($5'\to 3'$)の左から4番目は T(チミン)、下の鎖($3'\to 5'$)の左から4番目は A(アデニン) です。
・$\text{III}'$(変異型タンパク質 $\text{A}'$ による1回目の複製):上の鎖の T(チミン) を鋳型として、本来なら下の鎖(新生鎖☆)に A を入れるべきところ、変異型タンパク質 $\text{A}'$ が誤って T(チミン) を結合させてしまいました。
・$\text{IV}'$(☆の鎖を鋳型として次回のDNA複製が進んだ結果できるDNA 2本鎖):誤って入った下の鎖(☆)の T を鋳型にして正常な複製が行われると、向かい側の上の鎖には相補的な A(アデニン) が入ります!
つまり、もとのDNA(I)と結果のDNA($\text{IV}'$)を比べると:
1. 鋳型となった鎖(Tをもっていた側の鎖)は、次回複製後に 「T(チミン)から A(アデニン)」 に置き換わっている!
2. 新しく合成された鎖(元々Aだった側の鎖=相補鎖)は、「A(アデニン)から T(チミン)」 に置き換わっている!
ここで選択肢群1を見ると、「アデニンからチミン」という選択肢は存在せず、⑧「チミンからアデニン」 が存在します!
すなわち、この問題で聞いている「〇〇への塩基置換が、△△(の鎖)において高くなった」というのは、「最初に鋳型となってTを提供した側の鎖(あるいはその対合鎖の特定の塩基)」のうち、選択肢群1に存在する側を答えさせる構造になっているのです!
STEP 2前半:変異型遺伝子 $A'$(リーディング鎖で T に対して T を誤挿入)の塩基置換 10 と場所 11
1. 10(どの塩基置換か):
図1とまったく同じ現象です!鋳型鎖の T(チミン) に対して、新生鎖(リーディング鎖)に誤って T(チミン) が入り、次回の複製でその向かい側(もとの鋳型鎖と同じ位置の鎖)に A(アデニン) が入ります。
したがって、もとの鋳型鎖の位置にあった塩基は 「チミン(T)からアデニン(A)」 に変化します(なお、向かい側の鎖は「アデニン(A)からチミン(T)」に変化しますが、選択肢群1には「チミンからアデニン(⑧)」しかありません!)。
よって、10 は間違いなく ⑧(チミンからアデニン) です!
2. 11(P鎖・Q鎖のどこで「チミンからアデニン」が検出されるか):
ここを超丁寧に確認しましょう!「チミン(T)からアデニン(A)」への変化が起きたのは、図1で確認した通り「1回目の複製で『鋳型(もともとTだった鎖)』として使われた側の鎖と同じ鎖($\text{IV}'$の上の鎖)」です!
では、変異型タンパク質 $\text{A}'$(リーディング鎖を合成する酵素)がはたらくとき、「鋳型」になっている鎖はどれでしょうか?上のSVG図解(赤色の枠)を見てください!
DNAポリメラーゼは必ず 新生鎖を $5' \to 3'$ 方向(=鋳型鎖を $3' \to 5'$ 方向に読む向き) に合成します。
・領域 $\alpha$(複製起点から左へ進む):左向きに連続合成(リーディング鎖合成)されるためには、鋳型鎖が右から左へ $3' \to 5'$ でなければなりません。図2で右から左へ $3' \to 5'$ なのは…?
【重要!図2の $5'$ と $3'$ の表記を拡大してよく見てください!】
を見ると、左端に「P鎖 $5'$」「Q鎖 $3'$」、右端に「$3'$ P鎖」「$5'$ Q鎖」と書かれています。つまり:
・P鎖(上の鎖)は、左が $5'$、右が $3'$ です。複製起点(中央)から左(領域 $\alpha$)へ向かう向きは $3' \to 5'$ 方向 です!したがって、領域 $\alpha$ では、P鎖を鋳型として左向き($5' \to 3'$)に合成される鎖(=最終的にQ鎖と同じ向きになる新生鎖)がリーディング鎖です!
・Q鎖(下の鎖)は、左が $3'$、右が $5'$ です。複製起点(中央)から右(領域 $\beta$)へ向かう向きは $3' \to 5'$ 方向 です!したがって、領域 $\beta$ では、Q鎖を鋳型として右向き($5' \to 3'$)に合成される鎖(=最終的にP鎖と同じ向きになる新生鎖)がリーディング鎖です!
🔍 「P鎖・Q鎖のどちらで『チミンからアデニン』が検出されるか」を特定しよう!
図1の I と $\text{IV}'$ を見比べてください。
・I(もとのDNA):上の鎖(鋳型鎖)が T、下の鎖(リーディング鎖と同じ向きの鎖)が A です。
・$\text{III}'$:上の鎖(T)を鋳型にして、リーディング鎖(下の鎖☆)に誤って T が組み込まれました。
・つまり、もとの下の鎖(リーディング鎖に相当する鎖)は「A → T」になり、もとの上の鎖(鋳型鎖に相当する鎖)は「T → A(⑧ チミンからアデニン)」になっています!
※ただし!もし問題作成者が「リーディング鎖として合成された鎖そのもの(領域 $\alpha$ のQ鎖と領域 $\beta$ のP鎖=⑧)」と「その鋳型となった鎖(領域 $\alpha$ のP鎖と領域 $\beta$ のQ鎖=⑦)」のどちらを 11 としているか、後半の 12・13 と合わせて検証しましょう!
STEP 3後半:変異型遺伝子 $B'$(ラギング鎖で T に対して G を誤挿入)の塩基置換 12 と場所 13 と合わせて完全検証!
変異型タンパク質 $\text{B}'$ は、鋳型鎖の T(チミン) に対して、新生鎖(ラギング鎖)に誤って G(グアニン) を結合させます。
これを図1と同じステップで追ってみましょう!
・鋳型となる側の鎖 : 5' ... A T G T C A G ... 3' (もとは T)
・ラギング鎖と同じ鎖 : 3' ... T A C A G T C ... 5' (もとは A)
【III':変異型タンパク質 B' によるラギング鎖合成】
・鋳型鎖の T に対して、ラギング鎖(☆)に誤って G(グアニン) が入る!
【IV':☆の鎖(Gが入った鎖)を鋳型として次回のDNA複製が進んだ結果】
・ラギング鎖(☆)の G の向かい側(もとの鋳型鎖側の位置)には、相補的な C(シトシン) が入る!
・結果として:
① もとの鋳型鎖側の塩基は: T(チミン) → C(シトシン)(選択肢群1の ⓪ に存在!)
② ラギング鎖側の塩基は : A(アデニン) → G(グアニン)(選択肢群1に「アデニンからグアニン」は存在しない!)
さらに、もし「鋳型鎖のGに対してTが入る」ではなく、文字通り「(鋳型鎖の)チミンに対してグアニンを結合させる誤り」または「(新生鎖に)チミンに対してグアニンが対合した結果、C-G対になる」を整理すると:
上のBOXを見てください!選択肢群1には「アデニンからグアニン」が存在せず、⓪「チミンからシトシン」(または相補鎖側から見た ④「シトシンからチミン」 ではなく、元がT-A対なのでT→C)が存在します。
なぜ一般的な解答速報では 12 が ④(シトシンからチミン) または ⓪(チミンからシトシン) に分かれることがあるのでしょうか?
その理由も1ミリも隠さず両方説明します!
💡 表現の読み取り方(2通りの解釈の完全比較)
【解釈A:文面通り「鋳型鎖のチミン(T)に対して、新生鎖にグアニン(G)を結合させる」場合】
・鋳型鎖の塩基は T(チミン) です。ここに新生鎖の G(グアニン) が結合し、次回複製でGの向かいに C(シトシン) が入ります。
・すると、鋳型となった鎖自身の塩基は「チミン(T)からシトシン(C)」(=⓪)に変化します!
・このとき「鋳型となった鎖」はどこかというと:
・前半(リーディング鎖合成・タンパク質A')の鋳型鎖 = 領域 $\alpha$ のP鎖 と 領域 $\beta$ のQ鎖(=⑦)!(このとき新生鎖そのものは 領域 $\alpha$ のQ鎖 と 領域 $\beta$ のP鎖=⑧)。
・後半(ラギング鎖合成・タンパク質B')の鋳型鎖 = 領域 $\alpha$ のQ鎖 と 領域 $\beta$ のP鎖(=⑧)!(このとき新生鎖そのものは 領域 $\alpha$ のP鎖 と 領域 $\beta$ のQ鎖=⑦)。
【解釈B:もし「新生鎖にチミン(T)を入れる際に、鋳型鎖のグアニン(G)に対して結合させてしまう」と読んだ場合】
・鋳型鎖のGに対して新生鎖にTが入ると、次回複製でTの向かいにAが入り、鋳型鎖のGがAに(⑤ グアニンからアデニン)、新生鎖の位置(元はC)がTに(④ シトシンからチミン)変化します。
・しかし、問題文(36ページ8行目)には
前半:「図1の $\text{III}'$ の*のように、チミンに対してチミンを結合させる誤り」
後半:「チミンに対してグアニンを結合させる誤り」
と、まったく同じ日本語の構文(「鋳型鎖のチミンに対して、新生鎖に〇〇を結合させる誤り」)で書かれています!
・したがって、前半の「チミンに対して」が「鋳型鎖のチミンに対して」を意味している以上、後半の「チミンに対してグアニンを結合させる」も100%確実に「鋳型鎖のチミン(T)に対して、新生鎖にグアニン(G)を結合させる誤り」です!
では、なぜ予備校の速報等で 10〜13 の番号が割れたのか、そして最も論理的に正しい結論はどれかをまとめました:
- 10 について:鋳型鎖のTに対して新生鎖にTが入り、次回複製でTの向かい(元の鋳型鎖側)にAが入るので、⑧(チミンからアデニン)で全解釈一致!
-
12 について:
・問題文の「(鋳型鎖の)チミンに対して(新生鎖に)グアニンを結合させる」に従うと、次回複製でGの向かい(元の鋳型鎖側)にCが入るため、元の鋳型鎖は ⓪(チミンからシトシン) に変化します。
・(※もし「新生鎖のチミンに対して鋳型鎖のグアニンが対合する=元のCべき場所にTが入る」と解釈した場合は ④(シトシンからチミン) となります)。 -
11 と 13(鎖の位置)について:
・リーディング鎖そのものが位置するのは 「領域 $\alpha$ のQ鎖と領域 $\beta$ のP鎖」(⑧) であり、その鋳型鎖(T→Aが起きる鎖)は 「領域 $\alpha$ のP鎖と領域 $\beta$ のQ鎖」(⑦) です。
・ラギング鎖そのものが位置するのは 「領域 $\alpha$ のP鎖と領域 $\beta$ のQ鎖」(⑦) であり、その鋳型鎖(T→Cが起きる鎖)は 「領域 $\alpha$ のQ鎖と領域 $\beta$ のP鎖」(⑧) です。
文章C(問4・問5)の重要ルール:タンパク質Zの2つの働き(平滑末端化酵素)
タンパク質Z(実際の分子生物学実験で使われる「T4 DNAポリメラーゼ」や「クレノウフラグメント」に相当する酵素)は、DNAの末端が1本鎖として飛び出している(突出末端)とき、5'突出か3'突出かによって真逆の働きをして、最終的に「1本鎖部分のないDNA(平滑末端)」にします!
DNAポリメラーゼとして働き、向かい側の短い鎖の 3'末端からヌクレオチドを継ぎ足して伸長(埋め戻し) します!
👉 結果:突出していた部分の長さの分だけ、2本鎖DNAになる(塩基対が減らない)!
3'-A T T A C G C A-5'(5'突出!)
↓ 3'末端を右へ伸ばして埋める!
反応後: 5'-T A A T G C G T-3'
3'-A T T A C G C A-5'
3'→5'エキソヌクレアーゼ(1本鎖分解酵素)として働き、飛び出している3'末端側の1本鎖部分を削り取って分解 します!
👉 結果:突出していた1本鎖部分が消えて短くなる!
3'-A T T A C -5'
↓ 飛び出た3'末端を分解して削る!
反応後: 5'-T A A T G-3'
3'-A T T A C-5'
問4 両方の末端に1本鎖部分をもつ図6に示すようなDNAに、デオキシリボヌクレオシド三リン酸とタンパク質Zを加えて反応させた。その結果として得られるDNAとして最も適切なものを、①〜⑥のうちから1つ選べ。14
上の鎖: 5' - T C C C T T A T G - 3'
下の鎖: 3' - G A A - 5'
3'-GAA-5'
3'-GAATAC-5'
3'-AGGGAA-5'
3'- GAATAC-5'
3'-AGGGAA -5'
3'-AGGGAATAC-5'
STEP 1左側の末端(5'-TCC が突出)はどうなるか?
図6の左側を見ると、上の鎖の 5'末端側(5'-TCC) が1本鎖として突出しています(=例1:5'突出)。
したがって、下の鎖の 3'末端(Gの左側)が左へ向かって伸長 し、上の鎖の 5'-TCC と相補的な 3'-AGG が合成されて2本鎖になります!
STEP 2右側の末端(ATG-3' が突出)はどうなるか?
図6の右側を見ると、上の鎖の 3'末端側(ATG-3') が1本鎖として突出しています(=例2:3'突出)。
また、下の鎖の右端は 5'末端 なので、これ以上右へ伸長することはできません。
したがって、タンパク質Zの分解酵素活性によって、上の鎖の飛び出している 3'末端側(ATG-3')は3'末端側から分解されて削り取られます!
STEP 3反応後の配列を確定する
左側の 5'-TCC は埋められて2本鎖(上が TCC、下が AGG)になり、真ん中の CTT / GAA はそのまま残り、右側の ATG は削り取られて消えるため、得られるDNAは:
上の鎖:5'- T C C C T T -3'
下の鎖:3'- A G G G A A -5'
となり、③ が正解です!
【文章C・空欄 15 ・ 16(問5相当)】
図4は、15 個のアミノ酸から構成されているあるポリペプチド鎖(ポリペプチド鎖X)をコードする部分を含むDNAと、そこから転写されたmRNAの塩基配列を示している。図4でmRNAの左端のAUGは開始コドンである。
このDNAを、制限酵素 ApaLI で切断した。ApaLI は、図5のように、GTGCAC 配列の部分を切断し、1本鎖部分をもつ切断面を生成する。切断後のDNAを、デオキシリボヌクレオシド三リン酸とタンパク質Zを加えて反応させ、その後、DNAリガーゼで処理して再連結させた。その結果、この遺伝子がコードするポリペプチド鎖はポリペプチド鎖Xから、16 個のアミノ酸から構成されるポリペプチド鎖に変化した。
DNA上鎖: 5'…ATG GAA GAC ATT TGT GCA CTA TGA TTA ATT AGT TAG…3'
DNA下鎖: 3'…TAC CTT CTG TAA ACA CGT GAT ACT AAT TAA TCA ATC…5'
mRNA : 5'…AUG GAA GAC AUU UGU GCA CUA UGA UUA AUU AGU UAG…3'
STEP 1もとのmRNAから翻訳されるポリペプチド鎖Xのアミノ酸数 15 を求める
図4のmRNAを左端の開始コドン AUG からコドン(3塩基ずつ)で区切って読みます:
①AUG - ②GAA - ③GAC - ④AUU - ⑤UGU - ⑥GCA - ⑦CUA - 【UGA:終止コドン!】 - UUA - AUU - AGU - UAG
8番目のコドン UGA は終止コドン(UAA, UAG, UGA の1つ)であり、対応するアミノ酸はありません。
・開始コドン(AUG:メチオニン)を含め、終止コドンの直前(CUA)まで数えると、コドンは 7個 あります。
・(※もし高校生物の標準ルール通り「開始コドンAUGからCUAまでの7個のアミノ酸」なら 7個、翻訳後にN末端の開始メチオニンが切断される条件やAUGの次から数える選択肢設定がある場合は 6個 となります。次ページの選択肢に従って 7(または6) を選びます)。
STEP 2制限酵素 ApaLI で切断したあと、タンパク質Zで処理すると配列がどう変わるか?
図4のDNAの中にある ApaLI 認識配列 5'-GTGCAC-3'(5'...T[GTGCAC]TA...3')を図5の通りに切断すると:
・左側の断片:
上鎖:5'...T G -3'
下鎖:3'...A C A C G T -5' (← 下鎖の 5'末端側 TGCA-5' が4塩基突出!=例1の5'突出!)
・右側の断片:
上鎖:5'- T G C A C T A...3' (← 上鎖の 5'末端側 5'-TGCA が4塩基突出!=例1の5'突出!)
下鎖:3'- G A T...5'
なんと、左右どちらの切断面も「5'末端側が4塩基(TGCA)突出」しています!
したがって、タンパク質ZとdNTPを加えると、例1(5'突出の埋め戻し)が左右両方の断片で起こり:
・左側の断片の上鎖 3'末端に T G C A が伸長されて 5'...T G T G C A -3' の平滑末端になる!
・右側の断片の下鎖 3'末端にも相補鎖が伸長されて、上鎖は 5'- T G C A C T A...3' の平滑末端になる!
STEP 3DNAリガーゼで再連結した後のmRNA配列とアミノ酸数 16 を求める
この2つの平滑末端をDNAリガーゼでつなぎ合わせると、真ん中の TGCA(4塩基)が2回繰り返される(4塩基挿入される)ことになります!
上鎖DNA:5'...ATG GAA GAC ATT TGT GCA TGC ACT ATG ATT AAT TAG TTA G...3'
これをmRNAに転写して3塩基ずつ区切ると:
①AUG - ②GAA - ③GAC - ④AUU - ⑤UGU - ⑥GCA - ⑦UGC - ⑧ACU - ⑨AUG - ⑩AUU - ⑪AAU - 【UAG:終止コドン!】 - UUA - G...
4塩基挿入によるフレームシフト(読み枠のズレ)が起きた結果、もとの終止コドン UGA が読み飛ばされ、後ろにあった UAG が新たな終止コドンとして機能します!
その結果、終止コドン UAG の直前(AAU)までのコドン数は 11個(開始メチオニンを除いた場合は 10個)となり、もとのポリペプチド鎖Xよりも 4個多いアミノ酸 から構成されるポリペプチド鎖に変化します!
大問2の文章Cは、制限酵素 ApaLI の切断面(5'-GTGCAC-3' を切ってできる 5'-TGCA 突出)が5'突出なのか3'突出なのかを正確に判定できるかがすべてです。図5の「5'」と「3'」の向きを丁寧に見れば、問4では「左が5'突出(伸長)・右が3'突出(分解)」、問5では「切断面の両方が5'突出(両方とも4塩基伸長して再結合するため計4塩基プラスのフレームシフトが起きる)」と1本のストーリーで気持ちよく解けるはずです。何度も復習して自分の武器にしてくださいね!
過去問演習で時間を溶かしていませんか?
合格の鍵は「全科目の時間配分(バランス調整)」にあります。
私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ先生と一緒に50分で整理しませんか?
【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(埼玉医科大学 2024年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。