正解は④。④は光合成の熱の出入りに関する記述で、光合成は光エネルギーを吸収して進む吸熱反応なので、これと食い違う記述になっている点が誤りです。他の文は、光化学反応や光の利用についての正しい記述です。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目で120分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
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※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜41)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 知識で決まる問題(色・捕集法・製法・用語など)と、図を読んで決めた箇所は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の国際医療福祉大の化学
- ✅ 全4大問・解答番号は1〜41。すべて選択肢を選ぶマーク式です。数値は「1桁ずつ分かれた欄に、①〜⑩(⑩は0)から数字を選ぶ」形で答えます。理科は2科目で120分なので、化学には約60分です。
- ✅ 第1問は8問の小問集合。熱化学・指示薬・状態図・アミノ酸の電離平衡・ペプチド・エンタルピーとエントロピー・エステルの構造・イオン交換樹脂と、範囲が広く、知識と計算が混ざります。
- ✅ 第2問は電気分解。4種類の電解槽の電極反応、リチウムイオン電池と食塩電解の電流の比較、陽・陰イオン交換膜を交互に並べた5つの槽でのイオンの動きと、pHまで一続きで問われます。
- ✅ 第3問は銅。族と結晶格子(面心立方)、希硝酸との反応式、酸化物の混合物の質量パーセント、アンモニア錯イオンの平衡と、無機と計算が並ぶ大問です。
- ✅ 第4問は有機(C₆H₁₂のアルケン)。水素付加・水付加・オゾン分解のデータからA〜Dを決め、最後は芳香族アルコールの反応の流れ(K〜Q)から正しい文を選ばせる、というのが大きな流れです。
- ✅ 差がつくのは「落ち着いた計算」と「構造決定の順番」。第2問の5槽、第3問(6)の錯イオン、第4問の構造決定は、手順を整理できるかで分かれます。
60分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で120分。化学は60分を目安にします。時間はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、構造決定は全異性体の列挙で確かめています(結果は下の注記)。
第1問(解答番号 1〜8)
第2問(9〜16)
第3問(17〜32)
第4問(33〜41)
※ 検算:計算問題はpythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定はC₆H₁₂のアルケン13種・C₁₁H₁₆Oの芳香族アルコール・C₅H₁₀O₂のエステルを全部列挙して条件で絞り込み、すべて一致しました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 小問集合 ── 知識は消去法、計算と構造は確実に
8つの独立した小問が並びます。1問あたり1〜2分が目安です。知識問題で迷ったら深追いせず、計算・構造の問題に時間を回しましょう。
問1光に関する文の正誤(解答番号1)
各選択肢の文を、1つずつ正誤判定する知識問題。
- 解答番号1:光(光化学反応・光合成・発光など)に関する6つの文から、誤っているものを1つ選ぶ
問2滴定・中和についての3つの文(解答番号2)
滴定の操作や指示薬の選び方、沈殿の溶け方についての記述を読み、どれが正しいかを判定する。
- 解答番号2:3つの文(a)〜(c)のうち正しいものの組合せを選ぶ(「(a)のみ」「(a)と(b)」…の7通り)
(a)(b)は正しい記述。(c)は炭酸バリウムの沈殿が酸に溶けてしまう点を見落とした記述で誤りです。したがって「(a)と(b)」で④。
指示薬の選び方の基本は中和点のpHを見ること。強酸+強塩基は中性、弱酸+強塩基は塩基性(フェノールフタレイン)、強酸+弱塩基は酸性(メチルオレンジ)です。
問3状態図と状態変化(解答番号3)
状態図の読み取りの問題。点の名前と、矢印の向きが「どの状態からどの状態へ」を表すかを結びつけて答える。
- 解答番号3:状態図の2つの特別な点(三重点・臨界点)、図中の矢印i〜ivが表す状態変化から、「臨界点を表す点」「固体が液体になる変化」「減圧して固体が気体になる変化(フリーズドライの原理)」の組合せを選ぶ(①〜⑧)
状態図は、線をまたぐ向きで状態変化が決まります。三重点は固体・液体・気体が共存する点、臨界点は液体と気体の区別がなくなる点です。
本番の図では、臨界点を表す点はY。固体→液体は「圧力を上げて融解曲線を越える」変化の矢印i。減圧して固体→気体は、昇華曲線を越える矢印ivです。→ Y・i・iv の組合せで⑥。
問4アラニンの電離平衡(解答番号4)
電離定数の式から、各形のモル濃度の比を$[\mathrm{H^+}]$で表して数値を入れる計算問題。
- 解答番号4:アラニンの2段階の電離定数 $K_1,K_2$ が与えられ、pH 4.0の緩衝液中での「陽イオン:双性イオン:陰イオン」のモル濃度の比を選ぶ(6通り)
双性イオンを基準(=1)にすると、2つの電離定数の式から比がすぐ出ます。
よって比は $2.0\times10^{-2}:1:2.0\times10^{-6}$ で②。($10^{0.3}=2$ を使うと数値が出ます。)
問5トリペプチドの性質(解答番号5)
アミノ酸の側鎖の性質(硫黄・酸性基)と、pHによる電荷の向きを使って正誤を判定する。
- 解答番号5:グルタミン酸・フェニルアラニン・システインがつながったトリペプチドについて、3つの文(a)〜(c)(黒色沈殿・電気泳動・呈色反応)のうち正しいものの組合せを選ぶ
(a) システインは硫黄を含むので、水酸化ナトリウムで加熱後に酢酸鉛(II)を加えると硫化鉛(II)の黒色沈殿ができます。正しい。
(b) pH 10では、グルタミン酸の側鎖とC末端の2つのカルボキシ基が電離して負に帯電し、N末端のアミノ基は電離が進んで電荷が小さくなるため、全体では負に帯電します。電気泳動では陽極側へ動くので、「陰極側へ移動」は誤りです。
(c) ペプチド結合が2個以上あればビウレット反応(赤紫色)を示します。トリペプチドは結合が2個なので正しい。
→ (a)と(c)で⑤。
問6エンタルピーとエントロピー(解答番号6)
用語の定義を2つ並べて確認する知識問題。
- 解答番号6:反応が自発的に進む方向について、「エンタルピー」「エントロピー」の組合せ(各「増加」か「減少」か)を選ぶ
反応が自発的に進みやすいのは、エンタルピーが減少(熱を出して安定になる)し、エントロピーが増加(乱雑さが増える)する方向です。この組合せが⑦。
問7C₅H₁₀O₂ のエステルの構造(解答番号7)
加水分解して、生成物ごとに条件を確かめる構造決定。
- 解答番号7:分子式 $\mathrm{C_5H_{10}O_2}$ のエステルのうち、3つの条件(加水分解生成物に銀鏡反応を示すものがない・ヨードホルム反応を示すものがある・第一級アルコールが生じる)をすべて満たすものを選ぶ(8通り)
エステルを加水分解すると「カルボン酸」と「アルコール」に分かれます。条件を1つずつ当てます。
銀鏡反応を示すものがない:ギ酸エステルは、生じるギ酸が銀鏡反応を示すので不適。ヨードホルム反応を示すものがある:生じるアルコールがエタノール($\mathrm{CH_3CH_2OH}$)や $\mathrm{CH_3CH(OH){-}}$ をもつものなら陽性。第一級アルコールが生じる:酸化するとアルデヒドになるアルコール。
3つがそろうのは、プロピオン酸とエタノールになる $\mathrm{CH_3CH_2COOCH_2CH_3}$(プロピオン酸エチル)だけで、番号は②。
問8イオン交換樹脂の質量(解答番号8)
スチレン部分の物質量を出し、スルホン化で質量がどれだけ増えるかを足す計算問題。
- 解答番号8:スチレンとp-ジビニルベンゼンを5:1で共重合した樹脂5.0 gのスチレン部分のベンゼン環の80%をスルホン化したとき、得られる陽イオン交換樹脂の質量を選ぶ(6通り)
スチレン5個とジビニルベンゼン1個で1組とします。1組の質量は $5\times104+130=650$。5.0 gには $5.0/650$ 組あり、スチレン部分は5倍の物質量です。
ベンゼン環のHを $\mathrm{SO_3H}$ に置き換えると、1個あたり $81-1=80$ 増えます。
第1問:8問の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2・3 | 知識・図読み | 正誤を1つずつ○✕。状態図は矢印の根元と先の領域を確認 |
| 問4 | 電離平衡 | $K_1,K_2$ の式を立て、$[\mathrm{H^+}]/K_1$ と $K_2/[\mathrm{H^+}]$ を計算 |
| 問5 | ペプチドの性質 | 硫黄→黒色沈殿、酸性基→アルカリ性で負、ビウレットは結合2個以上 |
| 問6 | 用語 | エンタルピー減少・エントロピー増加 |
| 問7 | 構造決定 | 加水分解して生成物ごとに条件確認。ギ酸エステルは銀鏡反応 |
| 問8 | 質量計算 | 1組あたりの質量→物質量→増加分(1個あたり+80) |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 問1〜3知識問題で3分以上悩む → 消去法で決めて先へ。ここで時間を失うと計算問題が崩れる
- 問4比がうまく出ない → 双性イオンを1にして、$K_1$・$K_2$ の式を1本ずつ書く。$10^{0.3}=2$ を使う
- 問5(b)の電荷が決められない → 酸性基が多ければアルカリ性で負、塩基性基が多ければ酸性で正
- 問7構造が決められない → 加水分解して、生成物を1つずつ「銀鏡?ヨードホルム?第一級?」で判定
- 問8質量が合わない → ジビニルベンゼンの分も入れた「1組の質量」で割る。増加は1個あたり80
第2問 電気分解 ── 電極反応を先に決め、膜は「イオンの通り道」で追う
4種類の電解槽、リチウムイオン電池による食塩電解、そして陽・陰イオン交換膜を交互に並べた5つの槽。電気量とイオンの物質量を、同じ単位(mol)に揃えるのが全体を貫くコツです。
本番の実験は4つ。実験1:炭素電極の4つの電解槽(塩化銅(II)・ヨウ化カリウム・硫酸ナトリウム・硝酸銀の各水溶液)を電気分解。実験2:陽イオン交換膜で仕切った食塩電解槽の電流を、発生した水素の体積から求め、リチウムイオン電池の正極の質量増加と結びつける。実験3:同じ装置で、毎分の水酸化ナトリウムの生成量から電流を比べる。実験4:陽・陰のイオン交換膜を交互に並べた5つの槽での電気分解。
実験1:4つの電解槽の電極反応
| 槽 | 陰極 | 陽極 | ポイント |
|---|---|---|---|
| A 塩化銅(II) | $\mathrm{Cu}$ | $\mathrm{Cl_2}$ | $\mathrm{Cu^{2+}}$ は水より還元されやすい |
| B ヨウ化カリウム | $\mathrm{H_2}$ | $\mathrm{I_2}$ | $\mathrm{I^-}$ は水より酸化されやすく、水素が出る($\mathrm{K^+}$ は還元されない) |
| C 硫酸ナトリウム | $\mathrm{H_2}$ | $\mathrm{O_2}$ | 水の電気分解(イオンは反応しない) |
| D 硝酸銀 | $\mathrm{Ag}$ | $\mathrm{O_2}$ | $\mathrm{Ag^+}$ が析出、陽極は水の酸化 |
問1電極から出る気体と捕集法(解答番号9・10)
上の表を使って、電極反応から気体の種類を決め、捕集法に結びつける。
- 解答番号9(空欄ア):陰極から発生し、上方置換で捕集できる気体を出す電解槽の組合せ
- 解答番号10(空欄イ):陽極から酸素を発生する電解槽の組合せ(酸素は塩素酸カリウムの熱分解でも得られる気体)。選択肢は ①Aのみ〜⑩CとD の10通り
ア:陰極から出る気体で上方置換(空気より軽く水に溶けにくい)が使えるのは水素。陰極で水素が出るのはBとCで、番号は⑧。
イ:陽極から酸素が出るのはCとDで、⑩。
問2陰極と陽極の生成物の物質量の比(解答番号11)
電子1 molあたりの生成物の物質量を、電極ごとに出して比べる。
- 解答番号11:陰極と陽極で生成する単体の物質量の比が1:1になる電解槽を選ぶ
電子2 molあたりの物質量は、$\mathrm{Cu}$ 1 mol、$\mathrm{Cl_2}$ 1 mol、$\mathrm{H_2}$ 1 mol、$\mathrm{I_2}$ 1 mol、$\mathrm{O_2}$ 0.5 mol、$\mathrm{Ag}$ 2 mol。比を出すと、Aは $\mathrm{Cu}:\mathrm{Cl_2}=1:1$、Bは $\mathrm{H_2}:\mathrm{I_2}=1:1$、Cは $\mathrm{H_2}:\mathrm{O_2}=2:1$、Dは $\mathrm{Ag}:\mathrm{O_2}=4:1$。→ AとBで⑤。
問3電流から求めるリチウムの質量増加(解答番号12・13)
発生した水素の体積から電子の物質量を出し、それが正極でとりこまれる $\mathrm{Li^+}$ の質量に等しいことから答える。
- 解答番号12・13:実験2の電解で、リチウムイオン電池の正極活物質の質量の増加が「0.[12][13] g」の形になる。1桁ずつ①〜⑩から数字を選ぶ
- 放電時の正極反応(電子1 molにつき $\mathrm{Li^+}$ 1 molが入る)が与えられている
よって 0.28 g。12=2(②)、13=8(⑧)。
問42つの電流の比(解答番号14)
2つの実験の電気量を、どちらも「流れた電子の物質量」に直して比べる。
- 解答番号14:実験2(水素の体積から)と実験3(毎分の水酸化ナトリウムの生成量から)の電流 $I_\mathrm{A}$ と $I_\mathrm{B}$ の比 $I_\mathrm{B}/I_\mathrm{A}$ を選ぶ(6通り)
問5第V槽のpH(解答番号15)
陰極の槽で生成する水酸化物イオンの量から、pHを求める。
- 解答番号15:実験4(5つの槽、電子0.18 molを流す)の電気分解後の第V槽のpHを選ぶ(8通り)。体積変化は無視してよい
膜のしくみ:陽イオン交換膜は陽イオンだけ、陰イオン交換膜は陰イオンだけを通します。電気分解の間、陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ動きます。
第V槽は陰極(鉄)。$2\mathrm{H_2O}+2\mathrm{e^-}\to\mathrm{H_2}+2\mathrm{OH^-}$ で、電子0.18 molで $\mathrm{OH^-}$ が0.18 mol生じます。第V槽の隣は陽イオン交換膜で、$\mathrm{Na^+}$ が入ってきて電気的な釣り合いが取れます。体積は1.0 Lなので
問6第I槽・第IV槽の濃度変化(解答番号16)
各膜でどのイオンが何mol動くかを追い、槽ごとの $\mathrm{Na^+}$ と $\mathrm{Cl^-}$ の出入りを数える。
- 解答番号16:電気分解で第I槽と第IV槽の塩化ナトリウム水溶液のモル濃度が「変化しない/増加する/減少する」のどれになるかの組合せ(9通り)
流れた電子0.18 molと同じ量の電気が、膜を通るイオンによって運ばれます(陽イオンなら $\mathrm{Na^+}$ 0.18 mol、陰イオンなら $\mathrm{Cl^-}$ 0.18 mol)。
第I槽(陽極):$\mathrm{Cl^-}$ が陽極で0.18 mol消費される。一方、隣の第II槽との間は陰イオン交換膜で、第II槽から $\mathrm{Cl^-}$ が0.18 mol入る。$\mathrm{Na^+}$ は動かない。→ 塩化ナトリウムの量は変化しない。
第IV槽:第III槽との間は陰イオン交換膜で $\mathrm{Cl^-}$ が0.18 mol出ていき、第V槽との間は陽イオン交換膜で $\mathrm{Na^+}$ が0.18 mol出ていく。→ 減少する。
→ 第I槽は変化しない、第IV槽は減少するで③。
第2問:電気分解の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2 | 電極反応 | 陰極・陽極の生成物を表にする。ヨウ化物イオンは水より酸化されやすい |
| 問3 | 電気量→質量 | $\mathrm{H_2}$ 1 molで電子2 mol、電子1 molで $\mathrm{Li^+}$ 1 mol |
| 問4 | 電流の比較 | 2つの実験とも「電子の物質量」に直してから $I=Q/t$ |
| 問5 | pH | 陰極の槽の $\mathrm{OH^-}$ の物質量から。陽イオン交換膜側から $\mathrm{Na^+}$ が入る |
| 問6 | 膜とイオンの移動 | 陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ。槽ごとの出入りを数える |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 問1・2電極反応が出ない → 水溶液中の陽イオン・陰イオンと水を比べる。Cu・Agは析出、アルカリ金属・硫酸イオンは反応しない
- 問3質量が合わない → 電子の物質量が基準。H₂ 1 mol = 電子2 mol。正極では電子1 molにつき Li⁺ 1 mol
- 問4電流の比が合わない → 実験3は「毎分」なので60秒で割る。NaOHの式量は40.0
- 問5pHが合わない → 陰極の槽の OH⁻ の物質量(電子と同数)を、体積で割ってから $14+\log$
- 問6濃度の変化を決められない → 槽ごとにNa⁺・Cl⁻の出入りを書き、陽極の槽のCl⁻の減少も忘れない
第3問 銅 ── 無機の知識と、結晶・反応式・平衡の計算
銅を題材に、周期表と結晶格子、希硝酸との反応式、酸化物の混合物の定量、アンモニア錯イオンの平衡と、解答番号が16個と最も多い大問です。1桁ずつの欄が多いので、計算結果をそのまま数字に分けて答えます。
問1銅の族と、同じ族に属さない元素(解答番号17)
周期表の位置の知識問題。
- 解答番号17:銅が属する周期表の族の数字と、その族に属さない元素の組合せ(数字×元素の9通り)
銅は11族(銅・銀・金)。選択肢の元素のうち、同じ11族に属さないのは白金(10族)です。→ ⑥。
問2銅の酸化物の色(解答番号18)
銅の酸化物の色を覚えているかを問う知識問題。
- 解答番号18:2種類の銅の酸化物(酸化銅(II)と酸化銅(I))の色の組合せを選ぶ
酸化銅(II) $\mathrm{CuO}$ は黒色、酸化銅(I) $\mathrm{Cu_2O}$ は赤色です。→ ①。
問3面心立方格子と原子半径(解答番号19〜22)
銅は面心立方格子。格子の対角線に原子が接していることから、半径を一辺で表す。
- (i) 解答番号19:銅の単位格子の名称と、単位格子に含まれる原子の数の組合せ(9通り)
- (ii) 解答番号20〜22:単位格子の一辺 $a=3.6\times10^{-8}$ cm のとき、銅の原子半径が「[20].[21]×10^{-[22]} cm」の形になる。$\sqrt2=1.41$
(i) 頂点8個(各1/8)と面の中心6個(各1/2)で、含まれる原子は $8\times\frac18+6\times\frac12=4$ 個。→ 面心立方格子・4個で②。
(ii) 面の対角線(長さ $\sqrt2\,a$)に沿って原子3個分(半径の4倍)が接しています。
→ 20=1(①)、21=3(③)、22=8(⑧)。
問4銅と希硝酸の反応式の係数(解答番号23〜27)
電子の授受と元素の保存から、係数を決める。
- 解答番号23〜27:銅が希硝酸に溶けて、硝酸銅(II)・一酸化窒素・水ができる反応式の5つの係数を、①〜⑨から選ぶ(係数1は①)
半反応で考えます。
電子を合わせるため、前者を3倍、後者を2倍して足すと、
→ 23=3(③)、24=8(⑧)、25=3(③)、26=2(②)、27=4(④)。
問5酸化物の混合物の質量パーセント(解答番号28・29)
質量の減少が「放出された酸素」であることから、$\mathrm{CuO}$ の量を逆算する。
- 解答番号28・29:酸化銅(II)と酸化銅(I)の混合物4.61 gを加熱すると、酸素が放出されて質量が減る。もとの混合物に含まれる酸化銅(II)の質量パーセントを、1桁ずつ①〜⑩から数字を選んで答える
加熱では $4\mathrm{CuO}\to2\mathrm{Cu_2O}+\mathrm{O_2}$ が起こり、質量の減少が放出された酸素 $\mathrm{O_2}$ に当たります。
→ 28=6(⑥)、29=9(⑨)。
問6アンモニア錯イオンの平衡と全アンモニア量(解答番号30〜32)
平衡定数の式から $[\mathrm{NH_3}]$ を出し、錯イオン1個に含まれるアンモニア4個を足す。
- 解答番号30〜32:銅(II)イオンにアンモニアを加えてできる錯イオンについて、錯イオンと銅(II)イオンの濃度比と平衡定数 $K=8.0\times10^{12}$ が与えられ、溶液中のアンモニア分子と錯イオン中のアンモニアの物質量の合計を「[30].[31]×10^{-[32]} mol」の形で答える
錯イオンの濃度比が $2.0\times10^{8}$ なので、$K=\dfrac{[\text{錯}]}{[\mathrm{Cu^{2+}}][\mathrm{NH_3}]^4}$ から
銅(II)の総量が $1.0\times10^{-2}$ mol で、ほぼすべてが錯イオンなので、錯イオン中のアンモニアは $4\times1.0\times10^{-2}=0.040$ mol。体積を1.0 Lとして
→ 30=1(①)、31=1(①)、32=1(①)。
第3問:銅の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2 | 知識 | 銅は11族。$\mathrm{CuO}$ は黒、$\mathrm{Cu_2O}$ は赤 |
| 問3 | 結晶格子 | 面心立方:原子4個。面の対角線 $\sqrt2\,a=4r$ |
| 問4 | 反応式 | 半反応で電子を合わせる(Cu×3、NO₃⁻×2) |
| 問5 | 混合物の定量 | 質量減少=放出された O₂。$4\mathrm{CuO}\to2\mathrm{Cu_2O}+\mathrm{O_2}$ |
| 問6 | 錯イオンの平衡 | $[\mathrm{NH_3}]^4=(\text{比})/K$。錯イオン1個にNH₃が4個 |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- 問3半径が合わない → 面心立方は「面の対角線」に原子3個。体対角線ではない
- 問4係数が合わない → 半反応で電子数をそろえてから足す。最後に原子数を左右で確認
- 問5割合が合わない → 質量減少は O₂ の質量。CuO の物質量はその4倍
- 問64乗根で止まる → $[\mathrm{NH_3}]^4=2.5\times10^{-5}$。概算で0.07と見当をつけて、選択肢と比べる
- 1桁ずつの欄桁がずれる → 先に有効数字2桁の数値を書いてから、1桁ずつ番号に直す
第4問 アルケンの構造決定 ── データを順に当てはめ、A〜Dを決める
分子式 $\mathrm{C_6H_{12}}$ のアルケン4種類A〜Dについて、水素付加・水付加・オゾン分解のデータから構造を決めていきます。最後の問6は、芳香族アルコールKから始まる反応の流れ(K〜Q)です。データを当てはめる順番がすべてです。
問1燃焼に必要な酸素の体積(解答番号33・34)
燃焼の反応式と、気体の状態方程式を使う計算問題。
- 解答番号33・34:4.2 gの $\mathrm{C_6H_{12}}$ を完全燃焼させるのに必要な酸素の体積を、温度・圧力が与えられた条件で「[33][34] L」の形で答える
→ 33=1(①)、34=1(①)。
問2化合物Eの構造(解答番号35)
水素付加で炭素骨格が決まる。一塩素置換体の数=水素原子の種類の数。
- 解答番号35:AとBに水素を付加すると同じ化合物Eになり、Eの水素原子1個を塩素に置換した化合物は3種類。Eの構造を選ぶ(5通り)
$\mathrm{C_6H_{12}}$ の鎖状アルケンは、立体を区別しなければ13種類あります。そのうち、水素付加で同じアルカンになるアルケンが2種類以上あり、しかも一塩素置換体が3種類になるのはヘキサンだけです(2,2-ジメチルブタンも一塩素置換体は3種類ですが、水素付加でそれになるアルケンは1種類しかない)。→ E=ヘキサンで⑤。
問3F・G・Hのうち不斉炭素をもつもの(解答番号36)
水付加の生成物の違い(マルコフニコフ則)からA・Bを決め、アルコールの構造を決めて不斉炭素を数える。
- 解答番号36:水付加で得られるアルコールF・G・Hのうち、不斉炭素原子をもつ組合せを選ぶ(6通り)
AとBは1-ヘキセンと2-ヘキセンのどちらか。2-ヘキセンは二重結合の両側の炭素の水素数が同じなので、水付加で2種類(2-ヘキサノールと3-ヘキサノール)が同程度にできます。1-ヘキセンはマルコフニコフ則で、主生成物が2-ヘキサノール、副生成物が1-ヘキサノールです。
よって A=2-ヘキセン、B=1-ヘキセン、F=3-ヘキサノール、G=2-ヘキサノール、H=1-ヘキサノール。不斉炭素は、Fの3位(4つの異なる基)、Gの2位にあり、Hにはありません。→ FとGで④。
問4オゾン分解で得られるIの性質(解答番号37)
実験3のデータからIを決め、Iの製法・性質の知識を当てはめる。
- 解答番号37:C・Dのオゾン分解で得られる化合物Iに関する6つの文から、適切なものを選ぶ
実験3の手がかりから、Iはアセトンと決まります。すると、オゾン分解でアセトンだけを生じるDは 2,3-ジメチル-2-ブテン、アセトンともう1つの化合物(プロパナール)を生じるCは 2-メチル-2-ペンテンです。
アセトンは酢酸カルシウムの乾留で得られます。→ ④。他の文は、1-プロパノールの酸化(プロパナール)、2-ブタノールの酸化(2-ブタノン)、ホルマリン(ホルムアルデヒド)、エチレンの酸化(アセトアルデヒド)、一酸化炭素と水酸化ナトリウム(ギ酸)に関するもので、アセトンには当てはまりません。
問5Cの構造式の空欄(解答番号38〜40)
Cの構造を決めて、図の空欄の位置と一致させる。
- 解答番号38〜40:Cの構造式の中の3つの空欄ア・イ・ウに入る基を、①〜⑤(H・CH₃・CH₂CH₃・CH₂CH₂CH₃・CH(CH₃)₂)から選ぶ。2つの空欄の基が異なるときは、原子量の和が大きい方を指定の位置に入れる
C=2-メチル-2-ペンテン $\mathrm{CH_3CH_2CH{=}C(CH_3)_2}$。二重結合の片方の炭素には $\mathrm{CH_3}$ が2つ、もう片方には $\mathrm{CH_2CH_3}$ と $\mathrm{H}$ が付きます。
空欄の位置の指定に従って、ア=$\mathrm{CH_2CH_3}$(③)、イ=$\mathrm{H}$(①)、ウ=$\mathrm{CH_3}$(②)。
問6芳香族アルコールの反応の流れ(解答番号41)
Kの構造を条件から決め、順に生成物を追って、各文を判定する。
- 解答番号41:芳香族アルコールK($\mathrm{C_{11}H_{16}O}$)から、脱水・オゾン分解・還元・脱水・水付加と続く反応の流れの化合物L〜Qについて、5つの文(a)〜(e)のうち正しいものの組合せを選ぶ(10通り)
Kの条件(芳香族一置換体・不斉炭素あり・Naで気体・脱水でL)を満たす構造は全異性体の中で1つだけで、$\mathrm{C_6H_5CH_2CH(OH)CH(CH_3)_2}$ です。ザイツェフ則で脱水すると $L=\mathrm{C_6H_5CH_2CH{=}C(CH_3)_2}$。
Lのオゾン分解で、M=フェニルアセトアルデヒド $\mathrm{C_6H_5CH_2CHO}$ とN=アセトン。Mを還元してO=2-フェニルエタノール、脱水してP=スチレン、水付加でQ=1-フェニルエタノール(主生成物)。
各文の判定です。(a)=Kのアルコールの級:Kは第二級なので誤り。(b)=Nの別の生成法:アセトンはプロピンへの水の付加(エノールがケトンに変わる)でも得られるので正しい。(c)=Pの重合の種類:スチレンは付加重合でポリスチレンになるので誤り。(d)=Qの不斉炭素:1-フェニルエタノールは不斉炭素をもつので誤り。(e)=ヨードホルム反応が陽性の数:アセトン(N)と1-フェニルエタノール(Q)の2つで、正しい。
→ (b)と(e)で⑦。
第4問:構造決定の流れ
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 燃焼の量計算 | $\mathrm{C_6H_{12}}+9\mathrm{O_2}$。物質量→体積 |
| 問2 | 水素付加と置換体の数 | Eの一塩素置換体の数=水素の種類の数 |
| 問3 | 水付加・不斉炭素 | 二重結合の両端のH数でマルコフニコフ則。不斉炭素は4つの異なる基 |
| 問4 | オゾン分解 | 対称なアルケンは1種類のカルボニル化合物。Iの性質を知識で |
| 問5 | 構造式の空欄 | C=2-メチル-2-ペンテン。指定の位置に当てはめる |
| 問6 | 反応の流れ | Kを全異性体から1つに決め、L〜Qを順に追う |
🩺【自己診断】第4問で手が止まった人への処方箋
- 問1体積が合わない → 物質量は 4.2/84.0。酸素は9倍。温度は絶対温度に直す
- 問2Eが決まらない → AとBが同じEになる=炭素骨格が同じ。一塩素置換体の数は水素の種類で数える
- 問3不斉炭素が数えられない → 4つの異なる基が付いた炭素を探す。ヘキサノールは2位と3位に注意
- 問4Iが決まらない → Dはオゾン分解で1種類だけ。対称な構造から決める
- 問6反応の流れが長くて混乱する → K→L→(M,N)→O→P→Qの順に1つずつ書き出す。(e)はヨードホルムの構造の数え上げ
国際医療福祉大2026型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ4大問・同じ解答番号の数(1〜41)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。計算を一本道で解く力と、データを順に当てはめる力の練習に使ってください。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 国際医療福祉大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 必要であれば,次の値を用いよ。また,指示がない場合,気体は理想気体として扱ってよい。
- 原子量:H=1.0,Li=6.94,C=12.0,O=16.0,Na=23.0,Fe=56.0
- 気体定数:$R=8.31\times10^{3}\ \mathrm{Pa\cdot L/(mol\cdot K)}$,ファラデー定数:$9.65\times10^{4}\ \mathrm{C/mol}$
- $\log_{10}2=0.30,\ \log_{10}3=0.48$,$\sqrt{3}=1.73$,標準状態(0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa)の気体1 molの体積:22.4 L
- 数値を答える場合は,解答欄が 12 13 のように1桁ずつ分かれているものは,指示に従い有効数字2桁で①〜⑩(⑩は0)から選ぶ。
次の設問に答えよ。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | X | i | iii |
| ② | X | i | iv |
| ③ | X | ii | iii |
| ④ | X | ii | iv |
| ⑤ | Y | i | iii |
| ⑥ | Y | i | iv |
| ⑦ | Y | ii | iii |
| ⑧ | Y | ii | iv |
| ア | イ | ウ | エ | |
|---|---|---|---|---|
| ① | エントロピー | 増加 | エンタルピー | 増加 |
| ② | エントロピー | 増加 | エンタルピー | 減少 |
| ③ | エントロピー | 減少 | エンタルピー | 増加 |
| ④ | エントロピー | 減少 | エンタルピー | 減少 |
| ⑤ | エンタルピー | 増加 | エントロピー | 増加 |
| ⑥ | エンタルピー | 増加 | エントロピー | 減少 |
| ⑦ | エンタルピー | 減少 | エントロピー | 増加 |
| ⑧ | エンタルピー | 減少 | エントロピー | 減少 |
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合 の答えと解説
- 誤りは④。燃焼熱は「物質1 molが完全燃焼するときの反応熱」で,水素の場合は生成する水が液体のときの値を使う。つまり水素の燃焼熱は水(液体)の生成熱に等しく,気体の水の生成熱とは蒸発熱の分だけ違う。
- ①②は発熱・吸熱の例,③は黒鉛が単体なので燃焼熱=CO₂の生成熱,⑤は溶解熱が正,⑥は H⁺+OH⁻→H₂O の熱(約56 kJ/mol)なので正しい。
- (a) 弱酸と強塩基の滴定では中和点が塩基性になるので,変色域が塩基性側にあるフェノールフタレインを使う。メチルオレンジは不適で,誤り。
- (b) 弱塩基と強酸の滴定では中和点が酸性になるので,メチルオレンジが適する。正しい。
- (c) シュウ酸(弱酸)と強塩基の滴定は中和点が塩基性なので,フェノールフタレインが適する。正しい。→ (b)と(c)で⑥。
- (a) 三つの状態が共存する点は三重点。図のXが三重点(Yは臨界点)。
- (b) 圧力が三重点より低い(大気圧)ところで温度を上げると,固体が液体を経ずに気体になる(昇華)。昇華曲線を右へ横切る矢印はi。
- (c) 温度一定で圧力を下げると,蒸気圧曲線を下へ横切って液体が気体になる。下向きの矢印はiv。→ X,i,ivで②。
- (1)より $K_1=\dfrac{[\text{双}][\mathrm{H^+}]}{[\text{陽}]}$ なので,$\dfrac{[\text{陽}]}{[\text{双}]}=\dfrac{[\mathrm{H^+}]}{K_1}=\dfrac{10^{-5.0}}{10^{-2.4}}=10^{-2.6}=2.5\times10^{-3}$。
- (2)より $\dfrac{[\text{陰}]}{[\text{双}]}=\dfrac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=\dfrac{10^{-9.6}}{10^{-5.0}}=10^{-4.6}=2.5\times10^{-5}$。($10^{0.4}=2.5$)→ ①。
- このトリペプチドはシステイン(硫黄を含む)・グリシン・リシンがつながったもの。
- (a) 硫黄を含むので,NaOHで加熱すると S²⁻ が生じ,酢酸鉛(II)と反応して PbS の黒色沈殿ができる。正しい。
- (b) pH 2ではアミノ基はNH₃⁺で,リシン側鎖も正電荷。カルボキシ基はほとんど電離しないので全体は正に帯電し,陰極側へ移動する。正しい。
- (c) 黄色になるのはベンゼン環をもつアミノ酸(キサントプロテイン反応)。このペプチドにはベンゼン環がないので誤り。→ (a)と(b)で④。
- 乱雑さを表すのはエントロピーで,増加する(乱雑になる)方向に進みやすい。熱の出入りを表すのはエンタルピーで,減少する(発熱する)方向に進みやすい。→ ア=エントロピー,イ=増加,ウ=エンタルピー,エ=減少で②。
- (a) 銀鏡反応を示すのは,ギ酸(HCOOH)を生じるギ酸エステル(①②)。
- (b) 酸化するとケトンになるのは第二級アルコール。①は1-ブタノール(第一級)で不適,②は2-ブタノール(第二級)で適する。
- (c) 2-ブタノールは CH₃-CH(OH)- の構造をもつのでヨードホルム反応を示す。→ すべて満たすのは②。(⑧はエステルではなくカルボン酸なので加水分解しない。)
- 4:1で共重合した「スチレン4個+ジビニルベンゼン1個」の1組の質量は $4\times104+130=546$。8.19 g では $8.19/546=0.0150$ mol の組があり,スチレン部分は $0.0150\times4=0.0600$ mol。
- そのうち75%がスルホン化され,$0.0600\times0.75=0.0450$ mol。ベンゼン環のHをスルホ基($\mathrm{SO_{3}H}$)に置き換えると1個あたり $81-1=80$ 増える。
- 質量は $8.19+0.0450\times80=11.79\approx11.8$ g → ③。
次の文章を読み,下の設問に答えよ。
電気分解は,薬品の製造や金属の精錬などに用いられている。さまざまな電気分解について調べるため,以下の(実験1)〜(実験4)を行った。なお,いずれの実験でも電極では1種類の反応のみが起こり,副反応は起こらないものとする。
(実験1) 炭素電極を2枚ずつ用いた4つの電解槽A〜Dを用意し,それぞれ別の直流電源に接続した。電解槽Aには塩化ナトリウム水溶液,電解槽Bには硫酸銅(II)水溶液,電解槽Cには硝酸カリウム水溶液,電解槽Dには塩化銅(II)水溶液を適量ずつ入れた。溶質が消失しない範囲で電気分解を行ったところ,各電解槽の両極で反応が見られた。
(実験2) 陽イオン交換膜で2つの室に仕切った電解槽を用意した。I室には炭素電極(陽極)と飽和塩化ナトリウム水溶液,II室には鉄電極(陰極)と水を入れ,通電を開始した後はI室には塩化ナトリウム飽和水溶液を,II室には水を連続的に供給するものとする。大きさが $I_\mathrm{A}$ で一定の直流電流のもと32分10秒間電気分解を行ったところ,0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa のもとで0.336 Lの体積を占める気体がII室から発生した。
(実験3) 実験2と同じ装置を用いて,大きさが $I_\mathrm{B}$ で一定の直流電流のもと電気分解を行うと,毎分0.10 gの新たな水酸化ナトリウムがつくられた。
(実験4) 次の図のように,陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に設置し,第I〜V槽には0.10 mol/Lの塩化ナトリウム水溶液を1.0 Lずつ入れ,電極として第I槽に炭素電極,第V槽に鉄電極を浸して電気分解を行う。大きさが一定の直流電流を用いて,電子を0.060 mol流した。
| 第I槽 | 第IV槽 | |
|---|---|---|
| ① | 変化しない | 変化しない |
| ② | 変化しない | 増加する |
| ③ | 変化しない | 減少する |
| ④ | 増加する | 変化しない |
| ⑤ | 増加する | 増加する |
| ⑥ | 増加する | 減少する |
| ⑦ | 減少する | 変化しない |
| ⑧ | 減少する | 増加する |
| ⑨ | 減少する | 減少する |
▶ 第2問 の答えと解説を見る
第2問 電気分解 の答えと解説
- 実験1の電極反応は,A:陰極 H₂・陽極 Cl₂,B:陰極 Cu・陽極 O₂,C:陰極 H₂・陽極 O₂,D:陰極 Cu・陽極 Cl₂。
- ア 下方置換で捕集するのは空気より重く水に溶ける Cl₂ → A,D(⑦)。
- イ 水上置換で捕集できるのは H₂ → A,C(⑥)。
- 電子2 molあたり,Cu,H₂,Cl₂ はそれぞれ1 mol,O₂ は0.5 mol。Aは H₂:Cl₂=1:1,Bは Cu:O₂=2:1,Cは H₂:O₂=2:1,Dは Cu:Cl₂=1:1。→ BとCで⑧。
- II室の気体は H₂:$0.336/22.4=0.0150$ mol。H₂ 1 molに電子2 molなので,流れた電子は 0.0300 mol。
- 正極では電子1 molにつき Li⁺ 1 mol(6.94 g)が増える。$0.0300\times6.94=0.2082\approx0.21$ g → 12=2(②),13=1(①)。
- $I_\mathrm{A}=\dfrac{0.0300\times9.65\times10^{4}}{32\times60+10}=\dfrac{2895}{1930}=1.50$ A。
- 実験3:NaOH(式量40.0)は毎分 $0.10/40.0=2.5\times10^{-3}$ mol,電子も同じ物質量。$I_\mathrm{B}=\dfrac{2.5\times10^{-3}\times9.65\times10^{4}}{60}=4.02$ A。比は $4.02/1.50=2.68\approx2.7$ → ④。
- 陰極(第V槽)では 2H₂O+2e⁻→H₂+2OH⁻ が起こり,電子0.060 molで OH⁻ 0.060 molが生じる。
- 第V槽と第IV槽の間は陰イオン交換膜。陰イオンは陽極側(第I槽の方向)へ動くので,第V槽の Cl⁻ が0.060 mol 第IV槽へ移る。陽イオンは膜を通れず,Na⁺ は0.10 molのまま。
- 第V槽には Na⁺ 0.10 mol,Cl⁻ 0.040 mol,OH⁻ 0.060 mol(電気的に中性)。$[\mathrm{OH^-}]=0.060$ mol/L より $\mathrm{pH}=14+\log_{10}0.060=14+(0.78-2)=12.78\approx12.8$ → ⑤。
- 陽極は第I槽。Cl⁻ が0.060 mol消費される。第I槽の隣(第II槽との間)は陽イオン交換膜なので,Cl⁻ は第II槽から入ってこず,Na⁺ が0.060 mol第II槽へ出る。→ 第I槽は NaCl が0.060 mol減って「減少する」。
- 第IV槽は,第III槽との間が陽イオン交換膜で Na⁺ が0.060 mol入り,第V槽との間が陰イオン交換膜で Cl⁻ が0.060 mol入る。→ 「増加する」。→ ⑧。
次の文章を読み,下の設問に答えよ。
鉄は,周期表のア族に属する遷移元素である。単体は灰白色の金属光沢をもち,単位格子が次の図で表されるような(a)結晶構造をとっている。なお,この単位格子は立方体である。
鉄は塩酸には溶けるが,濃硝酸には不動態をつくって溶けにくい。一方,(b)希硝酸には溶解する。
鉄の水溶液について,鉄(III)イオンを含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えるとイ色の沈殿が生じ,鉄(II)イオンを含む水溶液にヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム水溶液を加えるとウ色の沈殿が生じる。
鉄の酸化物には酸化鉄(II)や酸化鉄(III)などがあり,(c)酸化鉄(II)は空気中で加熱すると酸化鉄(III)になる。
(d)鉄(III)イオンは,チオシアン酸イオンと反応して赤色の錯イオン $\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}$ を生成する。
| ア | アに属さない元素 | |
|---|---|---|
| ① | 8 | Ru |
| ② | 8 | Os |
| ③ | 8 | Co |
| ④ | 9 | Ru |
| ⑤ | 9 | Os |
| ⑥ | 9 | Co |
| ⑦ | 10 | Ru |
| ⑧ | 10 | Os |
| ⑨ | 10 | Co |
| イ | ウ | |
|---|---|---|
| ① | 赤褐 | 濃青 |
| ② | 赤褐 | 白 |
| ③ | 赤褐 | 赤 |
| ④ | 緑白 | 濃青 |
| ⑤ | 緑白 | 白 |
| ⑥ | 緑白 | 赤 |
| ⑦ | 黒 | 濃青 |
| ⑧ | 黒 | 白 |
| ⑨ | 黒 | 赤 |
▶ 第3問 の答えと解説を見る
第3問 鉄 の答えと解説
- 鉄は8族。8族は Fe,Ru,Os。Co は9族なので「8族に属さない」のは Co。→ ア=8,Co で③。
- Fe³⁺+OH⁻ → 水酸化鉄(III)の赤褐色沈殿。Fe²⁺+[Fe(CN)₆]³⁻ → ターンブルブルーの濃青色沈殿。→ ①。
- 頂点8個(各1/8)と中心1個の構造は体心立方格子。含まれる原子は $8\times\frac18+1=2$ 個。→ ⑦。
- 体心立方格子では,立方体の対角線(長さ $\sqrt3\,a$)に沿って原子3個が接し,対角線の長さは原子半径の4倍。$r=\dfrac{\sqrt3\,a}{4}$。
- $a=2.8\times10^{-8}$ cm より $r=\dfrac{1.73\times2.8\times10^{-8}}{4}=1.21\times10^{-8}$ cm → 1.2×10⁻⁸ cm(20=1,21=2,22=8)。
- Fe が Fe³⁺ になって3個,N が+5から+2になって3個の電子をやりとりするので,Fe:NO=1:1。
- Fe(NO₃)₃ に含まれる NO₃⁻ が3個,NO として出る N が1個で HNO₃ は4個,H₂O は2個。→ Fe+4HNO₃ → Fe(NO₃)₃+NO+2H₂O。
- 質量の増加は $6.80-6.32=0.48$ g で,これは吸収した O₂ の質量。$0.48/32.0=0.0150$ mol。
- 4FeO+O₂→2Fe₂O₃ より FeO は $0.0150\times4=0.0600$ mol,質量は $0.0600\times72.0=4.32$ g。割合は $4.32/6.32\times100=68.4\approx68$ % → 28=6(⑥),29=8(⑧)。
- 鉄の総量 $1.0\times10^{-3}$ mol が $[\mathrm{Fe^{3+}}]:[\text{錯イオン}]=1:4$ に分かれるので,錯イオンは $8.0\times10^{-4}$ mol,Fe³⁺ は $2.0\times10^{-4}$ mol。
- $K$ の式より $[\mathrm{SCN^-}]=\dfrac{4.0}{1.0\times10^{3}}=4.0\times10^{-3}$ mol/L。錯イオン1個に SCN⁻ が1個含まれるので,合計は $4.0\times10^{-3}+8.0\times10^{-4}=4.8\times10^{-3}$ mol → 30=4(④),31=8(⑧),32=3(③)。
次の文章を読み,下の設問に答えよ。
分子式が $\mathrm{C_{6}H_{12}}$ で表される,異なる種類のアルケンA〜Dがある。これらの構造を決定するために,下の(実験1)〜(実験3)を行った。なお,マルコフニコフ則およびオゾン分解に関する説明は次の通りである。また,立体異性体については区別しないものとする。
※マルコフニコフ則:炭素間二重結合に対して対称でないアルケンの炭素間二重結合に,H-OHのような分子が付加するとき,二重結合の炭素原子のうち,結合している水素原子の多い方にHが,少ない方に-OHが付加しやすい。例えば,プロペンに水が付加すると,2-プロパノールが主生成物,1-プロパノールが副生成物になる。なお,本問では,マルコフニコフ則が成り立つものとする。
※オゾン分解:アルケンにオゾンを適切に作用させた後,亜鉛で還元すると二重結合が開裂してカルボニル化合物が生成する。例えば,$\mathrm{CH_{3}{-}CH{=}CH_{2}}$ からは $\mathrm{CH_{3}{-}CHO}$ と $\mathrm{HCHO}$ が得られる。
(実験1) A,Bに白金触媒を用いて水素を付加すると,同じ化合物Eが得られた。また,Eの分子中にある水素原子の1つを塩素原子で置換した化合物は2種類存在する。
(実験2) A,Bに対して,酸性条件のもと,水の付加反応を行うと,AからはアルコールFのみが得られ,Bからは主生成物としてFが,副生成物としてアルコールGが得られた。また,Dに同様の水の付加反応を行うと,アルコールHのみが得られた。
(実験3) C,Dそれぞれの炭素間二重結合にオゾンを適切に作用させた後,亜鉛で還元すると,Cからは化合物Iと化合物Jが,DからはIのみが得られた。なお,Iは分子量58で,銀鏡反応を示した。
▶ 第4問 の答えと解説を見る
第4問 アルケンの構造決定 の答えと解説
- $\mathrm{C_{6}H_{12}}$(分子量84.0)5.04 gは 0.0600 mol。$\mathrm{C_{6}H_{12}}$+9$\mathrm{O_{2}}$→6$\mathrm{CO_{2}}$+6$\mathrm{H_{2}O}$ より O₂ は $0.0600\times9=0.540$ mol。
- $V=\dfrac{nRT}{P}=\dfrac{0.540\times8.31\times10^{3}\times300}{1.00\times10^{5}}=13.5\to13$ L(2桁で13.46)→ 33=1(①),34=3(③)。
- 一塩素置換体の数=水素原子の種類の数。2,2-ジメチルブタンは3,2,3-ジメチルブタンは2,2-メチルペンタンは5,3-メチルペンタンは4,ヘキサンは3。2種類になるのは2,3-ジメチルブタンだけ。→ ②。
- E=2,3-ジメチルブタンから,A・Bは 2,3-ジメチル-2-ブテン,2,3-ジメチル-1-ブテンのどちらか。2,3-ジメチル-2-ブテンは左右対称で水付加の生成物は1種類だけ(F)。2,3-ジメチル-1-ブテンはマルコフニコフ則で主生成物が第三級アルコールの F,副生成物が第一級の G。よって A=2,3-ジメチル-2-ブテン,B=2,3-ジメチル-1-ブテン,F=2,3-ジメチル-2-ブタノール,G=2,3-ジメチル-1-ブタノール。
- D は(実験3)で I のみを生じる対称なアルケンで,分子量58の I(プロパナール)を生じる3-ヘキセン。H=3-ヘキサノール。
- 不斉炭素は,Fにはなし,Gの2位(H,CH₃,CH(CH₃)₂,CH₂OH)とHの3位にあり。→ GとHで⑥。
- I=プロパナール(分子量58で銀鏡反応を示す)。①1-プロパノールを穏やかに酸化すると得られる。②は2-ブタノンが得られる。③はホルムアルデヒド(ホルマリン)。④はアセトン。⑤はアセトアルデヒド。⑥はギ酸。→ ①。
- (実験3)より,C は I(プロパナール)と J に分かれ,C≠D なので J は炭素数3の別のカルボニル化合物。J=アセトン。よって C=$\mathrm{CH_{3}CH_{2}CH{=}C(CH_{3})_{2}}$(2-メチル-2-ペンテン)。
- 左の炭素に $\mathrm{CH_{3}}$ が固定なので,左の炭素は $\mathrm{(CH_{3})_{2}C{=}}$:38=$\mathrm{CH_{3}}$(②)。右の炭素は $\mathrm{H}$ と $\mathrm{CH_{2}CH_{3}}$。39と40が異なるので,原子量の和が大きい $\mathrm{CH_{2}CH_{3}}$ が39(③),$\mathrm{H}$ が40(①)。
- K=2-フェニル-3-ペンタノール $\mathrm{C_{6}H_{5}{-}CH(CH_{3}){-}CH(OH){-}CH_{2}CH_{3}}$(第二級・不斉炭素あり)。ザイツェフ則でHの少ない隣の炭素(CH(CH₃)Ph)からHが取れて L=$\mathrm{C_{6}H_{5}{-}C(CH_{3}){=}CH{-}CH_{2}CH_{3}}$。
- Lのオゾン分解で,M=プロパナール $\mathrm{CH_{3}CH_{2}CHO}$,N=アセトフェノン $\mathrm{C_{6}H_{5}{-}CO{-}CH_{3}}$($\mathrm{C_{8}H_{8}O}$,銀鏡反応なし)。O=1-プロパノール,P=プロペン,Q=2-プロパノール。
- (a) Kは第二級なので誤り。(b) アセトフェノンは $\mathrm{CH_{3}{-}CO{-}}$ をもつのでヨードホルム反応を示す(正しい)。(c) Pはプロペンなので得られるのはポリプロピレン(誤り)。(d) Q(2-プロパノール)は不斉炭素をもたない(正しい)。
- (e) 陽性は N と Q の2つ(K は $\mathrm{CH_{3}{-}CH(OH){-}}$ 構造をもたないので陰性)。「3つ」は誤り。→ (b)と(d)で⑥。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・符号を変えて作っています(例:第2問は食塩電解の槽と5槽の膜の並びを変え、第3問は銅を鉄に、第4問はアルケンの骨格と最後の反応の流れを変えています)。計算は数値で、構造・反応は分子の全異性体の列挙でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる設問は「要確認」の扱いです。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:国際医療福祉大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 国際医療福祉大学 医学部の化学2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第1問の小問集合を12分、第2問(電気分解)を18分、第3問(鉄・銅などの無機と計算)を15分、第4問(アルケンの構造決定)を15分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。第1問は1問あたり1〜2分で取り切り、迷う知識問題は消去法で先へ進みます。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 計算の答えは、どうやって確かめていますか?
本番の計算問題は、pythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定は分子の全異性体を列挙して条件に合うものを絞り込んで、独立に確かめています。ただし、用語や性質の真偽(色・捕集法・製法など)はスクリプトでは確かめられないので、ページ内に「要確認」と明記しています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ4大問・同じ解答番号の数(1〜41)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
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問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
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