問題 1:原子の構造・放射性同位体・結晶構造の正誤判定 正解:㋐(0個)
次の文章のうち正しい記述はいくつあるか。
- ヨウ素の放射性同位体 $^{131}_{53}\text{I}$ の半減期を $8$ 日とすると,壊変により $^{131}_{53}\text{I}$ が $\dfrac{1}{8}$ の量になるまでにかかる日数は $32$ 日である。
- 原子番号 $5,\ 13,\ 21$ 番の原子の価電子の数はすべて同じである。
- 石英は二酸化ケイ素 $\text{SiO}_2$ のイオン結晶である。
- 金属結晶に関して,体心立方格子と六方最密構造で配位数は同じである。
選択肢: ㋐ $0$ ㋑ $1$ ㋒ $2$ ㋓ $3$ ㋔ $4$
半減期 $T = 8\text{ 日}$ とは、「$8$ 日経つごとに元の量の $\dfrac{1}{2}$ になる」ということです。経過日数を $t\text{ 日}$ とすると、残存量の割合は $\left(\dfrac{1}{2}\right)^{\frac{t}{8}}$ と表せます。
これが $\dfrac{1}{8}$ になるとき、
$$\left(\frac{1}{2}\right)^{\frac{t}{8}} = \frac{1}{8} = \left(\frac{1}{2}\right)^3$$
指数の部分を比較すると、
$$\frac{t}{8} = 3 \quad \Longleftrightarrow \quad t = 8 \times 3 = 24\text{ 日}$$
したがって、かかる日数は $32$ 日ではなく $24$ 日 です。($\dfrac{1}{2} \xrightarrow{8\text{日}} \dfrac{1}{4} \xrightarrow{8\text{日}} \dfrac{1}{8}$ と指折り数えても $8 \times 3 = 24$ 日とすぐわかります!)
それぞれの原子番号の元素と電子配置(K殻、L殻、M殻、N殻)を確認しましょう。
- 原子番号 $5$:ホウ素 $\text{B}$(第2周期・13族) $\rightarrow$ 電子配置は $\text{K}(2)\,\text{L}(3)$ $\rightarrow$ 価電子の数は $3$
- 原子番号 $13$:アルミニウム $\text{Al}$(第3周期・13族) $\rightarrow$ 電子配置は $\text{K}(2)\,\text{L}(8)\,\text{M}(3)$ $\rightarrow$ 価電子の数は $3$
- 原子番号 $21$:スカンジウム $\text{Sc}$(第4周期・3族の遷移元素!) $\rightarrow$ 原子番号19の $\text{K}$ が $\text{K}(2)\,\text{L}(8)\,\text{M}(8)\,\text{N}(1)$、原子番号20の $\text{Ca}$ が $\text{K}(2)\,\text{L}(8)\,\text{M}(8)\,\text{N}(2)$ であり、21番の $\text{Sc}$ は内側のM殻($3\text{d}$ 軌道)に電子が入るため $\text{K}(2)\,\text{L}(8)\,\text{M}(9)\,\text{N}(2)$ となります。最外殻(N殻)の電子数は $2$ です(第4周期の13族であるガリウム $\text{Ga}$ は原子番号 $31$ です)。
よって、すべて同じではありません。
石英(水晶)は二酸化ケイ素 $\text{SiO}_2$ からなりますが、その結晶はイオン結晶ではなく、ケイ素原子 $\text{Si}$ と酸素原子 $\text{O}$ が共有結合で網目状に無限につながった 共有結合の結晶 です。
金属結晶の配位数(1個の原子に最も近くで接している周囲の原子の数)は以下の通りです。
- 体心立方格子:立方体の中心にある原子に、8個の頂点の原子が接しているので、配位数は $8$。
- 六方最密構造(および面心立方格子):最も密に詰まる構造であり、配位数は $12$。
よって、配位数は異なります($8 \neq 12$)。