問1:知識の空欄補充。<span class="todo-flag">要確認</span>
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:化学60分の配分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各大問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。図はTMPSが作成した解説用の図です。本番は理科2科目で120分・200点で、このページでは化学に60分を使う想定で時間配分を示しています。※ 知識問題(族・酸化力・性質の正誤・用語など)は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」と示しています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の慈恵医大の化学
- ✅ 全2大問・理科2科目で120分。大問1が問1〜6、大問2が問1〜4。空欄補充、計算、反応式、字数制限つきの記述、構造式が混ざった、記述式中心の試験です。
- ✅ 大問1は「ケイ素」。周期表の知識(空欄ア〜オ)、反応エンタルピー、電子配置の記述(54字以内)、シランの燃焼と気体の体積、酸化数、そして環状のシロキサンが水で開環して高分子になる重合の計算まで、1つの元素を軸に幅広く問われます。
- ✅ 大問2は「ハロゲン」。4つの17族元素 X¹〜X⁴ の正体を、問題の条件(酸化力・同位体・融点沸点・ガラスを侵す性質)から決めるのが出発点です。そのうえで、同位体の質量数、フッ化水素酸の濃度、塩化ビニルの合成と電気分解、共重合の計算が続きます。
- ✅ 計算問題は「前の答えを使う」形が少なく、1問ずつ取れます。有効数字の桁数が指定されているので、最後の丸めまで確実に。
- ✅ 差がつくのは、問題文の条件の読み取り。たとえば大問1の問5は「ケイ素は水素より電気陰性度が小さい」という文中の条件から、SiH₄ の水素の酸化数が $-1$ になります。


化学60分の立ち回りマップ
時間はTMPSの目安です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定で配分しています。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、知識問題は「要確認」として分けています(注記を参照)。
大問1(ケイ素)
大問2(ハロゲン)
※ 検算:計算問題(問2、問4(ii)(i)、問6、大問2の問2(i)、問3(i)(ii)、問4(i)(iii)(iv)(v))は、有効数字まで含めてpythonで再計算し、反応式は原子数の保存をスクリプトで確かめました。字数制限の記述(問3・問4(iii))は字数を数えています。
採点したら → 30秒の得点診断へ大問1 ケイ素 ── 周期表の知識から、気体・酸化数・重合の計算まで
1つの元素(ケイ素)を軸に、知識・熱化学・気体・酸化還元・高分子の計算が並びます。小問ごとに独立なので、取れるところから取るのが基本です。
ケイ素を題材にした大問。炭素と同じ族のケイ素の性質を問う空欄補充に始まり、石英の還元、シラン(SiH₄)の自然発火とアルカリ水溶液による分解、環状のジメチルシロキサン(Si と O が交互に並んだ六員環)が触媒と水で開環して鎖状の高分子になる反応までを扱う。
- 問1:[ア]に数字、[イ]〜[オ]に語(記号)を入れる。ケイ素の族、電気陰性度、単体の存在、二酸化ケイ素と炭素の反応の種類、開環重合でできる高分子
- 問2:石英(二酸化ケイ素)を黒鉛で還元してケイ素と一酸化炭素ができる反応の反応エンタルピー(kJ/mol)
- 問3:ケイ素原子の電子配置を、指定された6つの語をすべて使って54字以内で説明する
- 問4:シランについて、(i)酸素との反応式、(ii)密度から求める1.00 molの体積(有効数字3桁)、(iii)実在気体で状態方程式が成り立たない理由(34字以内)
- 問5:シランとケイ酸ナトリウム中のケイ素の酸化数
- 問6:環状のシロキサンAが水で開環重合して高分子Bになる反応。(i)係数 $a,b$(重合度 $n$ を使う。考え方も記述)、(ii)平均分子量から求める平均重合度、(iii)必要な水の質量(mg)
ア:14。炭素と同じ族は14族。イ:(b) 小さ。ケイ素の電気陰性度は約1.9で、炭素(約2.6)・水素(約2.2)より小さい(この条件は、問5の酸化数でも使います)。ウ:(c) 単体。ケイ素は二酸化ケイ素やケイ酸塩として存在し、単体は天然にはありません。エ:(h) 還元。二酸化ケイ素を炭素で還元します。オ:(j) ナイロン6。環状の ε-カプロラクタムが環を開きながら重合してできる、開環重合の代表です。
問2:反応エンタルピー。「石英1 molからケイ素1 molが生じる反応」を式にします。単体(ケイ素・黒鉛)の生成エンタルピーは0です。
問3:電子配置の記述(54字以内)。ケイ素の原子番号は14。K殻に2個、L殻に8個、残りの4個がM殻に入ります。指定された語(ケイ素原子,原子番号,電子,M殻,L殻,K殻)をすべて使います。<span class="todo-flag">要確認</span>
問4(i):反応式。シランの燃焼は、左右で原子数をそろえます。
(ii):1.00 molの体積。モル質量は $28.0+4\times1.00=32.0$ g/mol。密度が 1.42 g/L なので、体積は質量÷密度です(実在気体の密度から求めるので、$PV=nRT$ は使いません)。
(iii):34字以内の理由。理想気体の仮定が成り立たない理由を、2点で書きます。<span class="todo-flag">要確認</span>
問5:酸化数。ここが罠です。問題文の最初に「ケイ素は水素よりも電気陰性度が小さい」とあります。電気陰性度の大きい水素が電子を引き寄せるので、$\mathrm{SiH_4}$ の水素は $-1$、ケイ素は $+4$ になります。
式(1)では、ケイ素の酸化数は変わらず、水素が $-1$ から0に変わる(酸化される)反応だと分かります。
問6(i):係数。Bは「繰り返し単位 $\mathrm{Si(CH_3)_2O}$ が $n$ 個」で、両端が HO と H です。Aは繰り返し単位3個の環なので、$n$ 個の単位をつくるのにAは $\dfrac n3$ 個必要です。鎖の両端の H と OH で、水は鎖1本につき1分子です。
(ii):平均重合度。繰り返し単位 $\mathrm{Si(CH_3)_2O}$ の式量は $28.0+2\times15.0+16.0=74.0$。Bの分子量は $74.0n+18.0$(末端の水分)。
(iii):必要な水の質量。9.99 gのAは $\dfrac{9.99}{222}=0.0450$ mol(Aの分子量 $=74.0\times3=222$)。鎖1本($n$ 個の単位)につきAは $\dfrac n3$ 分子で水が1分子なので、
(質量保存でも確かめられます:Bの質量は $9.99+w$ g、物質量は $\dfrac{9.99+w}{1.00\times10^{5}}$ mol、これが水 $\dfrac{w}{18.0}$ mol に等しい → $w=1.80\times10^{-3}$ g。)

大問1:ケイ素の型
| 小問 | やること | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問2 | 反応エンタルピー = 生成物の和 − 反応物の和 | 単体(Si,C)は0。石英1 molあたり |
| 問3・4(iii) | 字数制限の記述は型で書く | 指定語をすべて使う。字数を数える |
| 問4(ii) | 体積 = モル質量 ÷ 密度 | 実在気体の密度なので $PV=nRT$ は使わない |
| 問5 | 電気陰性度の条件から酸化数を決める | 水素が $-1$、ケイ素は $+4$ |
| 問6 | 重合度 $n$ で式を立てる | $a=n/3$,$b=1$。Bの分子量は $74.0n+18.0$ |
🩺【自己診断】大問1で手が止まった人への処方箋
- 問2符号が合わない → 反応式を書いて「生成物 − 反応物」。単体は0
- 問3字数が合わない → 型(原子番号→電子の数→各殻)で書いてから、字数を数えて削る
- 問5酸化数が合わない → 問題文の電気陰性度の記述を探し、水素の酸化数を決める
- 問6係数が出ない → 重合度 $n$ で、Bの組成と両端(HO,H)を先に書く
大問2 ハロゲン ── まず元素を決めて、それから計算する
4つの17族元素 X¹〜X⁴ の正体は、問題のヒントから決まります。元素が決まれば計算問題は定型です。
17族の互いに異なる4元素について、ハロゲンの単体の酸化力、環状炭化水素への付加と脱ハロゲン(同位体の質量数から元素の存在比を求める)、フッ化水素酸と二酸化ケイ素の反応の計算、そして塩化ビニル・アクリロニトリルの合成と共重合を扱う。
- 問1:3つの単体 $(\mathrm{X^1})_2,(\mathrm{X^3})_2,(\mathrm{X^4})_2$ の酸化力の強さの順(記号で選ぶ)
- 問2:(i)同位体の質量数と存在比、(ii)亜鉛との反応で生じる無機物質の化学式、(iii)化合物Dの構造式
- 問3:(i)式(1)の係数 a〜e、(ii)反応前の濃度(有効数字2桁)、(iii)HX² についての記述の正誤を選ぶ(複数)、(iv)沸点が高い原因となる分子間力
- 問4:(i)必要な気体の体積(理論値)、(ii)電気分解の電極反応式、(iii)電気分解の時間、(iv)共重合体中の窒素の質量%、(v)共重合の物質量比 $x$
問1:元素の正体と酸化力の順。<span class="todo-flag">要確認</span>酸化力の強い単体は、弱い単体のイオンを酸化して単体にします。実験から $(\mathrm{X^3})_2>(\mathrm{X^1})_2>(\mathrm{X^4})_2$(問2・問3で X¹=Br,X³=Cl,X⁴=I と分かり、$\mathrm{Cl_2}>\mathrm{Br_2}>\mathrm{I_2}$ とも一致)。答えは (c)。
問2(i):同位体の質量数。Aは分子式 $\mathrm{C_5H_8}$ で枝分かれのない環式なので、シクロペンテン(二重結合1つの五員環)。Bは臭素 $(\mathrm{X^1})_2$ が付加した $\mathrm{C_5H_8X^1_2}$ です。炭素と水素の質量数の和は $5\times12+8\times1=68$。質量数の総和 226,228,230 から、X¹ 2個の質量数の和は 158,160,162。
3つの値が $1:2:1$ で現れるのは、2つの同位体の存在比が $p:q$ のとき $p^2:2pq:q^2=1:2:1$ だから、$p=q$、すなわち存在比は $1:1$。(融点−7℃・沸点59℃の $(\mathrm{X^1})_2$ は臭素 Br₂ で、質量数79と81の同位体が約1:1で存在することとも一致します。)
(ii):無機物質。<span class="todo-flag">要確認</span>ジブロモ化合物を亜鉛と反応させると、臭素が取れて二重結合がもどります。
(iii):化合物D。<span class="todo-flag">要確認</span>Aはシクロペンタノール(C)の脱水で得られます。第二級アルコールを酸化するとケトンになるので、Dはシクロペンタノン(五員環の炭素の1つが C=O)。構造式は、五員環の1か所に C=O を書きます。
問3(i):係数。$\mathrm{HF}+\mathrm{SiO_2}\to\mathrm{H}_d\mathrm{SiF_6}+\mathrm{H_2O}$ で、原子数をそろえます。F の数から $a=6c$、Si から $b=c$、O から $2b=e$、H から $a=cd+2e$。$b=c=1$ とおくと $a=6$,$e=2$,$d=2$。
(ii):反応前の濃度。反応した二酸化ケイ素は $20.0-9.2=10.8$ g、$\dfrac{10.8}{60.0}=0.180$ mol($\mathrm{SiO_2}=28.0+32.0=60.0$)。式(1)から、消費した HF は $6\times0.180=1.08$ mol。これが反応前の $100-60=40\%$ なので、
(iii):記述の正誤。<span class="todo-flag">要確認</span>フッ化水素酸 HF について正しいのは (b)(c)(e)(g)(h)(j)。(b) HF は弱酸(HBr は強酸)。(c) 弱酸とその塩(NaF)の混合液は緩衝作用を示す。(e) AgF は水に溶けやすい。(g) F₂ と水の反応で HF が生じる。(h) 蛍石 $\mathrm{CaF_2}$ と濃硫酸から HF が得られる。(j) ガラスを侵すのでポリエチレン容器に保存する。誤りは (a)(d)(f)(i):シリカゲルは SiO₂ なので HF の乾燥には使えない((i))。
(iv):分子間力。<span class="todo-flag">要確認</span>HF の沸点が高いのは、水素結合をつくるため(フッ素の電気陰性度が大きく、H–F 結合が強く分極する)。
問4:化合物を決める。$\mathrm{C_2H_4}$(エチレン)に塩素を付加すると 1,2-ジクロロエタン(F)、HCl がとれると分子量62.5の塩化ビニル $\mathrm{CH_2{=}CHCl}$(G)。アセチレン(H)に HCN を付加するとアクリロニトリル $\mathrm{CH_2{=}CH{-}CN}$(J、分子量53.0)。
(i):Cl₂の体積。Gの1 molには Cl₂ が1 mol必要です。G 37.5 kg は $\dfrac{37.5\times10^{3}}{62.5}=600$ mol。気体は理想気体として、27℃=300 K で
(ii):電極反応。<span class="todo-flag">要確認</span>塩化ナトリウム水溶液の電気分解では、陰極で水が還元され、陽極で塩化物イオンが酸化されます。
(iii):時間。Cl₂ 600 mol には電子 1200 mol が必要。電気量は $1200\times9.65\times10^{4}$ C。
(iv):窒素の質量%。GとJを1:1で共重合させると、繰り返し単位(G1個+J1個)の質量は $62.5+53.0=115.5$。窒素(原子量14.0)は1個。
(v):物質量比 $x$。G 1 molあたりの Cl は 35.5 g(62.5 から $2\times12.0+3\times1.00=27.0$ を引いて Cl=35.5)。共重合体の質量は $62.5+53.0x$。

大問2:ハロゲンの型
| 小問 | やること | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2 | 条件から元素を決める | 融点−7℃・沸点59℃ → Br。ガラスを侵す → F |
| 問2(i) | 同位体の質量数と存在比 | $p^2:2pq:q^2$ の比から存在比。C・H の質量数を先に引く |
| 問3(ii) | 消費量 ÷ 消費の割合 | 60%残る → 40%消費。$6\times$ で係数を使う |
| 問4(i)(iii) | $PV=nRT$、電気量 $=n(e^-)\times F$ | G 1 molに Cl₂ 1 mol、電子は 2 mol |
🩺【自己診断】大問2で手が止まった人への処方箋
- 問1元素が決まらない → 融点・沸点・ガラス・NaX の電気分解のヒントを拾って順に決める
- 問2(i)質量数が出ない → C・H の質量数の和を引いて、ハロゲン2個分の和にする
- 問3濃度が出ない → 係数比で消費した HF を求め、消費の割合(40%)で割る
- 問4計算が合わない → 反応式の係数から物質量の関係を先に決める(Cl₂ は G と 1:1、電子は Cl₂ の2倍)
慈恵医大2026型 そっくり類題セット
(全2大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ2大問(問1〜6、問1〜4)・同じ型で、題材と数値を変えたTMPSオリジナル問題です。周期表の知識と熱化学、字数制限の記述、酸化数、開環重合の計算、ハロゲンの元素決定と塩化ビニルの計算を一通り練習できます。
印刷して、本番と同じように60分で解けます(本番は理科2科目で120分)。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 東京慈恵会医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 原子量:H=1.00,B=10.8,C=12.0,N=14.0,O=16.0,Si=28.0。気体定数:$8.31\times10^{3}$ Pa・L/(mol・K),ファラデー定数:$9.65\times10^{4}$ C/mol。
- 答えはすべて解答用紙(想定)に記入する。数値を答える場合の有効数字の桁数は,問題文の条件から適切に判断すること。特に指示がなければ,気体はすべて理想気体とする。
次の文を読み,下の問いに答えよ。
元素の周期表で,アルミニウムと同じア族に属するホウ素は,炭素や水素よりも電気陰性度がイい。ホウ素のウは,天然には存在しないため,酸化ホウ素をマグネシウムでエしてつくる。$^{\ ①}$
分子式$\mathrm{B_{2}H_{6}}$で表されるジボランは,空気中で自然発火する。$^{\ ②}$ また,式(1)に示すように,ジボランは水と反応して分解する。
式(2)に示すように,触媒を用いて,環状構造をもつ化合物Aに水を作用させると,環が開き,次々と重合して化合物Bが得られる。単量体どうしから水などの小さい分子がとれながら次々と結合していく重合で得られる合成高分子化合物には,オなどがある。
▶ 大問1 の答えと解説を見る
大問1 ホウ素とジボラン・ナイロン6 の答えと解説
- ホウ素はアルミニウムと同じ13族で,電気陰性度は炭素(2.6)・水素(2.2)より小さい(2.0)ので イ は「小さ」。
- ホウ素は鉱物(ホウ砂など)の化合物として存在し,単体は天然には存在しないので ウ は「単体」。酸化ホウ素からホウ素を取り出すので,マグネシウムは還元剤,エ は「還元」。
- 水などの小さい分子がとれながら重合する縮合重合でできるのは,ポリエチレンテレフタラート(PET)。ナイロン6は環状のε-カプロラクタムの開環重合,ポリスチレン・クロロプレンゴムは付加重合,ビニロンはポリビニルアルコールの化学反応でつくる。
- 知識問題。
- 反応式:$\mathrm{B_{2}O_{3}}$ + 3$\mathrm{Mg}$ → 2$\mathrm{B}$ + 3$\mathrm{MgO}$。単体の生成エンタルピーは 0。
- $\Delta H=3\times(-602)-(-1274)=-1806+1274=-532$ kJ/mol(発熱反応)。
- 原子番号5 → 電子は5個。内側から K殻に2個,L殻に最大8個まで入るので,残りの3個が L殻に入る。
- 「どの殻に何個か」を書くのがポイント。指定された語を落とさないこと。
- B:2=2,H:6=3×2,O:3×2=3+3 で原子数が保存される。
- $\mathrm{B_{2}H_{6}}$ のモル質量は $2\times10.8+6\times1.00=27.6$ g/mol。体積は $\dfrac{27.6}{1.23}=22.4$ L。
- 理想気体は「分子の大きさ(体積)がない」「分子間力がはたらかない」と仮定している。この2つが実在気体では成り立たない。
- ホウ素は水素より電気陰性度が小さいので,$\mathrm{B_{2}H_{6}}$ の水素は $-1$。$2x+6\times(-1)=0$ より $x=+3$。
- $\mathrm{H_{3}BO_{3}}$ は $+1\times3+x+(-2)\times3=0$ より $x=+3$。ホウ素の酸化数は変わらず,水素が $-1$ から 0 に変化する反応。
- Bは $n$ 個の繰り返し単位 $-\mathrm{NH(CH_2)_5CO}-$ でできており,その1個はAの1分子と同じ組成($\mathrm{C_{6}H_{11}NO}$)。したがって A は $n$ 分子必要。
- 鎖の両端が H と OH なので,水は1分子だけ付加する。$n\ \mathrm{C_6H_{11}NO}+\mathrm{H_2O}\to\mathrm{H[NH(CH_2)_5CO]_nOH}$。原子数が保存される。
- 繰り返し単位 $\mathrm{C_{6}H_{11}NO}$ の式量は $72.0+11.0+14.0+16.0=113.0$。Bの分子量は $113.0n+18.0$。
- $113.0n+18.0=2.26\times10^{4}$ より $n=\dfrac{22600-18.0}{113.0}=199.8\approx2.00\times10^{2}$(末端の 18.0 を無視しても同じ)。
- A の物質量は $\dfrac{22.6}{113.0}=0.200$ mol。B 1分子(鎖1本)あたり A が $n\approx200$ 分子,水が1分子。
- 鎖の本数は $\dfrac{0.200}{200}=1.00\times10^{-3}$ mol,水は同じ物質量なので $1.00\times10^{-3}\times18.0=1.80\times10^{-2}$ g $=18.0$ mg。
次の文を読み,下の問いに答えよ。
Y$^{1}$〜Y$^{4}$ は,元素の周期表で17族の互いに異なる元素で,第2周期〜第5周期のいずれかに属する。
▶ 大問2 の答えと解説を見る
大問2 17族元素と塩化ビニル の答えと解説
- 酸化力の強い単体は,弱い単体のイオンを酸化して単体にする。1番目と2番目の実験から (Y$^{1}$)$_2$ は (Y$^{3}$)$_2$ と (Y$^{4}$)$_2$ のどちらよりも強い。3番目の実験から (Y$^{4}$)$_2$ > (Y$^{3}$)$_2$。
- 合わせて (Y$^{1}$)$_2$ > (Y$^{4}$)$_2$ > (Y$^{3}$)$_2$ で (b)。(実際は Y$^1$=Cl,Y$^4$=Br,Y$^3$=I で Cl$_2$>Br$_2$>I$_2$。)知識に依存する問題。
- A は C$_6$H$_{10}$ の環式(シクロヘキセン),B は C$_6$H$_{10}$Y$^{1}$$_2$。C と H の質量数の和は $6\times12+10=82$。
- Y$^{1}$ 2個の質量数の和は 70,72,74。2つの同位体の質量数を $m_1<m_2$ とすると $2m_1=70$,$m_1+m_2=72$,$2m_2=74$ より $m_1=35$,$m_2=37$。
- 存在比を $p:q$ とすると,組合せの確率は $p^2:2pq:q^2=9:6:1$ なので $p:q=3:1$。
- $\mathrm{C_{6}H_{10}Cl_{2}}$ + $\mathrm{Zn}$ → $\mathrm{C_{6}H_{10}}$ + $\mathrm{ZnCl_{2}}$。Y$^1$=Cl は(i)の質量数 35・37(存在比 3:1)から判断する。
- A(シクロヘキセン)は C(シクロヘキサノール)の脱水で得られる。第二級アルコールを酸化するとケトンになるので D はシクロヘキサノン $\mathrm{C_{6}H_{10}O}$。
- 構造式を記す問いなので,答案では六員環の図で書く。知識問題。
- $\mathrm{Si}$ の係数を1とすると,F(Y$^2$)が6個なので a=6。H の数:$6=d+2e$,O の数:$2b=e$($b=1$ より $e=2$)。よって $d=2$。
- 6HF + SiO$_2$ → H$_2$SiF$_6$ + 2H$_2$O。H・Si・O・F の原子数がすべて保存される。Y$^2$=F はガラスを侵す性質から判断する。
- 反応した SiO$_2$ は $30.0-18.0=12.0$ g,$\dfrac{12.0}{60.0}=0.200$ mol。式(1)より,消費した HF は $6\times0.200=1.20$ mol。
- これが反応前の $30\%$($100-70$)なので,反応前の HF は $\dfrac{1.20}{0.30}=4.00$ mol。濃度は $\dfrac{4.00}{0.500}=8.0$ mol/L。
- 塩酸は強酸(a)で,強酸とその塩の混合水溶液は緩衝作用を示さない(d)。AgCl は水に溶けにくい(e)。NaCl と濃硫酸の加熱で HCl が発生する(g)。HCl はガラスを侵さない(i)。
- 塩基性のソーダ石灰は HCl と反応してしまうので乾燥に使えない(h は誤り)。知識問題。
- Y$^3$=I。HCl・HBr・HI は,分子量が大きいほどファンデルワールス力が強くなり,沸点は HI が最も高い。
- 同じ族の中で,水素結合をするのはHFだけ。知識問題。
- G は C$_2$H$_3$Y$^{1}$(62.5 = $24.0+3.00+$ 原子量)で,原子量は 35.5。E + Y$^{1}$$_2$ → F,F → G + HY$^{1}$ より,G 1 mol あたり (Y$^{1}$)$_2$ は 1 mol。
- G は $\dfrac{25.0\times10^{3}}{62.5}=400$ mol。$V=\dfrac{nRT}{P}=\dfrac{400\times8.31\times10^{3}\times290}{2.00\times10^{7}}=48.2$ L。
- 陰極では水が還元されて水素と OH$^-$。陽極では Cl$^-$ が酸化されて塩素。左右で原子数と電荷が一致する。知識問題。
- Cl$_2$ 400 mol を発生させるのに必要な電子は $400\times2=800$ mol。電気量は $800\times9.65\times10^{4}=7.72\times10^{7}$ C。
- 時間は $\dfrac{7.72\times10^{7}}{9.65\times10^{3}}=8.00\times10^{3}$ 秒。
- J は酢酸ビニル $\mathrm{C_{4}H_{6}O_{2}}$($48.0+6.00+32.0=86.0$)。G と J の1組の質量は $62.5+86.0=148.5$。
- Cl の割合は $\dfrac{35.5}{148.5}\times100=23.9\%$。
- $\dfrac{35.5}{62.5+86.0x}=0.300$ より $62.5+86.0x=118.3$,$x=\dfrac{55.8}{86.0}=0.649$。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(大問1はケイ素をホウ素に、シロキサンの環をε-カプロラクタムの開環重合に。大問2は酸化力の順の組合せ、同位体を Cl の 35 と 37(存在比3:1)、共重合の相手を酢酸ビニルに変更)。計算問題は、pythonで有効数字まで再計算して確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:慈恵医大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 東京慈恵会医科大学 医学部の化学2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、大問1(ケイ素・シラン・シリコーン)に35分、大問2(ハロゲンと塩化ビニル)に25分の、化学60分の配分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。どちらの大問も、計算問題は小問ごとに独立しているので、解ける小問から確実に取ります。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各大問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・答える形(数字・記号・字数制限つきの記述など)をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
計算問題は、有効数字・単位まで含めて、pythonで再計算して確かめています(反応式は原子数の保存もスクリプトで確認)。一方、元素の族・酸化力の順・水溶液の性質の正誤・用語などの知識問題は、スクリプトでは確かめられないので、ページ内に「要確認」と明記しています。
Q. 字数制限つきの記述は、どう書けばいいですか?
指定された語を全部使い、結論を先に書きます。たとえば電子配置の問いなら「原子番号→電子の数→各電子殻の電子の数」の順です。このページには、字数を数えた模範解答を載せています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ2大問(問1〜6、問1〜4)の構成で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全10問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
🔥 次に読むならこちら
慈恵医大の化学を、
あなたの答案で攻略する
「どこで時間を失ったか」「記述でどこが減点されそうか」「有効数字の癖」を、Sora先生があなたの答案から直接診断します。