TMPS化学道場 北里大 化学2025
2025年度 一般選抜 全5大問 計算つき計算・構造を全てスクリプトで検算そっくり類題セット

北里大学
医学部 化学
2025年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各小問を「どういう問題か」から説明し、計算は式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ5大問の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2025年度を丸ごと演習できます。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.21 / 読了 約40分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ50分(理科2科目で100分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を50分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜25)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 知識で決まる問題(金属・酸塩基・電池・気体・肥料・沈殿の色・有機化合物の性質など)と、図を読んで決めた箇所は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」を付けています。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2025年度の北里大の化学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
全部マークなのに、50分で足りるでしょうか…。
Sora先生
Sora先生
25問を50分だから、1問あたり2分が目安。知識問題は1分で決めて、計算問題に3〜4分を回すイメージだよ。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
「2つ選べ」の問題で、片方しか分からないときは?
Sora先生
Sora先生
それが組合せ問題の強みなんだ。選択肢は「a,b」「a,c」…と並んでいるから、確実に正しい(誤り)の文を1つ決めれば、候補が4つに減るよ。
STRATEGY MAP

50分の立ち回りマップ

本番は理科2科目で100分。化学は50分を目安にします。時間はTMPSの目安です。

50分の時間配分。第Ⅰ問12分、第Ⅱ問10分、第Ⅲ問10分、第Ⅳ問8分、第Ⅴ問10分
図A 50分の使い方(TMPS作成)
🧭 おすすめの解く順番
第Ⅰ問 → 第Ⅱ問 → 第Ⅲ問 → 第Ⅳ問 → 第Ⅴ問(見直しは各大問の最後の1分)
第Ⅱ問(1)(2)(4)、第Ⅲ問、第Ⅳ問(3)(4)は式を立てれば必ず答えが出ます。知識問題で迷って時間を使い切らないよう、第Ⅰ問は12分で区切りましょう。理科2科目の合計で時間を調整してください。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、異性体と分子式はRDKitで列挙して確かめています(結果は下の注記)。

第Ⅰ問(解答番号 1〜8)

1:⑥2:⑨3:⑥4:①5:⑤6:⑦7:①8:⑥

第Ⅱ問(9〜12)

9:②10:②11:⑤12:⑥

第Ⅲ問(13〜16)

13:①14:⑤15:⑩16:④

第Ⅳ問(17〜20)

17:⑤18:⑩19:⑦20:③

第Ⅴ問(21〜25)

21:②22:⑨23:⑦24:⑨25:⑤
⚠️ 要確認(スクリプトでは確かめられない箇所):第Ⅰ問(1)〜(7)の各文の正誤(特に(3)の状態図の読みと「凝固」という語の扱い)、第Ⅱ問(3)のナトリウム化合物の記述、第Ⅳ問(1)(2)の色と沈殿の知識、第Ⅴ問の化合物の構造の選択・分液・正誤の知識。これらは教科書の知識と図の読み取りで決めたもので、機械による検算はしていません。

※ 検算:計算問題(第Ⅰ問(8)、第Ⅱ問(1)(2)(4)、第Ⅲ問(1)〜(4)、第Ⅳ問(3)(4)、第Ⅴ問(3)の量計算)はpythonで有効数字・単位まで再計算し、pHは電荷収支の厳密解と照合、アセトンの異性体(第Ⅰ問(7))と油脂の分子式(第Ⅰ問(8))はRDKitで列挙して確かめました。結果は全て一致しています。

採点したら → 30秒の得点診断へ
第Ⅰ問 / 目標:12分(問1〜問8、解答番号 1〜8)

第Ⅰ問 小問集合 ── 知識は「確実な1文」から決め、分子式は構成から組み立てる

8つの独立した小問が並びます。1問あたり1〜2分が目安。「2つ選べ」の問題が6問あり、確実な1文を決めてから消去法で絞るのが基本です。問7の異性体と問8の分子式は、考え方を知っていれば取れます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第Ⅰ問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標12分(知識6問を6分、問7・問8を5分、見直し1分)。問4・5・6のような確実に決められる問題から先に取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン「2つ選べ」で2つ目が決まらなければ、確実な1文だけで候補を4つに絞り、残りは消去法で1分以内に決めて先へ。
💡 初手の思考トリガー問3は状態図の「大気圧の線」と「臨界圧力の線」を引く、問7は安定な異性体を書き出して数える、問8は水素の物質量=C=Cの数から入る。

問1金属の記述(解答番号1)

📝 どういう問題か?

合金の成分や性質、金属の精錬について、1文ずつ○✕を付ける知識問題。

  • 解答番号1:アルミニウム・アマルガム・青銅・純銅・ニクロムについての5つの文a〜eから、正しいものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

○になるのは、b(アマルガムは水銀と他の金属の合金)とd(純銅は粗銅を陽極にした電解精錬で得る)。

✕の理由:aは、アルミニウムの表面を守っているのは酸化物(Al₂O₃)の被膜で、水酸化物ではない。cの青銅は銅とスズの合金で、鉄ではない。eのニクロム(ニッケルとクロムの合金)は電気抵抗が大きいので電熱線に使う。

→ b,d で⑥。

🎯 問1の答え
1:⑥
⚠️ 「水酸化物の被膜」「電気抵抗が小さい」のように、1語だけ入れ替えた誤文の形です。合金は「何と何か」、被膜は「何でできているか」をセットで覚えましょう 要確認

問2酸と塩基の記述(解答番号2)

📝 どういう問題か?

酸・塩基の基本事項を、反例を1つ思い浮かべながら1文ずつ判定する。

  • 解答番号2:中和反応・水のイオン積・弱酸の電離度・中和点のpH・逆滴定についての5つの文から、正しいものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

○になるのは、c(弱酸は濃度が小さいほど電離度が大きい)とe(気体の塩基などは、過剰の酸に吸収させて残りを滴定する逆滴定を使う)。

✕の理由:aはアンモニアと塩化水素の中和($\mathrm{NH_3+HCl\to NH_4Cl}$)のように水が生じない中和がある。bの水のイオン積 $K_w$ は温度で変わる(25℃で $1.0\times10^{-14}$、温度が上がると大きくなる)。dの中和点のpHは酸と塩基の強弱で変わり、必ず7とは限らない。

→ c,e で⑨。

$$\alpha=\sqrt{\frac{K_a}{c}}\quad(\text{希釈するほど電離度 }\alpha\text{ は大きい})$$
🎯 問2の答え
2:⑨
⚠️ 「必ず」「いつでも」「すべて」の入った文は、反例が1つ見つかれば誤りです。a・dはこの形です 要確認

問3状態図の読み取り(解答番号3)

📝 どういう問題か?

図の目盛りから、「どの圧力の線を、どちら向きにたどるか」を決めて、状態がどう変わるか読み取る問題。

  • 解答番号3:ある純物質の状態図(横軸が温度、縦軸が圧力で、三重点・臨界点・大気圧付近の数値が付いている)について、5つの文a〜eから誤っているものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)
状態図の読み方の模式図。大気圧の線と臨界圧力の線、三重点より低温での加圧
図B 状態図の読み方(TMPS作成の模式図・本番の図ではありません)

読み取りの手順は「① その圧力の横線を引く → ② 温度を上げる向きに進む → ③ 曲線を横切るたびに状態が変わる」です。

・a(大気圧で液体が存在する最低温度):大気圧の線上で固体と液体の境界を横切る温度が融点で、図の値のとおり。正しい。

・b(100℃で、27 Paから圧力を上げる):27 Paは三重点の圧力より低く、100℃は三重点の温度より低いので、最初は気体。圧力を上げると昇華曲線を横切って固体になる。この変化は気体→固体(凝華)で、液体→固体の「凝固」ではない。誤り。

・c(5.00×10⁵ Paで加熱):この圧力は大気圧と臨界圧力の間。固体→液体→気体の順に変わる。正しい。

・d(大気圧で、臨界温度より高い):超臨界状態は臨界温度より高く、かつ臨界圧力より高い場合。大気圧は臨界圧力より低いので、ただの気体。誤り。

・e(液体と気体の境界線=蒸気圧曲線):温度と飽和蒸気圧の関係を表す。正しい。

→ 誤りは b,d で⑥。

🎯 問3の答え
3:⑥
Yuiちゃん
Yuiちゃん
bの「凝固」って、固体になることなら正しいのでは…?
Sora先生
Sora先生
変化の名前は「どの状態からどの状態へ」で決まるんだ。液体→固体が凝固、気体→固体は凝華(昇華の逆)。b以外にc・dのどちらかも誤りとは言えないから、2つ選ぶ形式ではbとdが誤りと決まるよ。
⚠️ bの誤りは「凝固」という語の使い方で決まります。c・d・a・eは図から確実に決まるので、まず a・c・e を○と置き、残りのb・dで⑥を選ぶのが安全です 要確認

問4電池の記述(解答番号4)

📝 どういう問題か?

電池の活物質・酸化力の強弱を問う知識問題。

  • 解答番号4:鉛蓄電池・マンガン乾電池・ニッケル水素電池・燃料電池・リチウムイオン電池について述べた5つの文から、誤っているものを1つ選ぶ(①〜⑤)

誤りは①。鉛蓄電池では、正極の酸化鉛(IV) $\mathrm{PbO_2}$ が電子を受け取って硫酸鉛(II)になる(放電)ので、酸化力が強いのは $\mathrm{PbO_2}$ のほう。生成物の $\mathrm{PbSO_4}$ の酸化力のほうが強い、という文は逆です。

②(マンガン乾電池とアルカリマンガン乾電池は、活物質が同じ MnO₂ と Zn)、③(ニッケル水素電池の負極は水素吸蔵合金)、④(燃料電池は燃料と酸化剤を外から供給)、⑤(リチウムイオン電池の電極にはリチウムを含む黒鉛系材料)は正しい。

🎯 問4の答え
4:①
⚠️ 「放電すると相手を酸化する側=酸化力が強い側」と考えると、正極の活物質のほうが強いと分かります。2つ以上が迷うときは、まず②〜⑤の正しさを確かめましょう 要確認

問5二酸化窒素と二酸化硫黄に共通の性質(解答番号5)

📝 どういう問題か?

2つの気体の性質を並べ、「両方に当てはまるか」を判定する。

  • 解答番号5:二酸化窒素と二酸化硫黄に共通する性質として正しいものを2つ選ぶ(無色・刺激臭・捕集法・水に溶けたときの酸・漂白作用の5つの文、組合せ①〜⑩)
Sora先生の総整理表

$\mathrm{NO_2}$ と $\mathrm{SO_2}$ の比較

性質二酸化窒素二酸化硫黄共通?
色赤褐色無色✕(aは誤り)
におい刺激臭刺激臭○(b)
空気との重さ重い(分子量46)重い(分子量64)○(下方置換、c)
水に溶けると硝酸(強酸)+NO亜硫酸(弱い酸)✕(dは誤り)
漂白作用なしあり✕(eは誤り)

→ 共通で正しいのは b,c で⑤。

🎯 問5の答え
5:⑤
⚠️ 「強酸を生じる」のは二酸化窒素(硝酸)だけです。二酸化硫黄の水溶液(亜硫酸)は弱い酸です。表を1枚頭に入れておけば1分で決まります 要確認

問6肥料の三要素(解答番号6)

📝 どういう問題か?

化合物の組成式から、窒素・リン・カリウムを含むかを判定する。

  • 解答番号6:植物に不足しやすい3元素(窒素・リン・カリウム)のうち、いずれかを含み化学肥料として用いられる化合物を2つ選ぶ(5つの化合物から、組合せ①〜⑩)

三要素はN・P・K。b(過リン酸石灰:リンを含む)とe(硫酸アンモニウム:窒素を含む)が当てはまる。塩化リチウム・硫酸バリウム・炭酸ナトリウムには三要素が含まれない。→ ⑦。

🎯 問6の答え
6:⑦
⚠️ 「ナトリウム」と「カリウム」の取り違え(炭酸ナトリウムは肥料の三要素ではない)が引っかけです。肥料は N・P・K の頭文字で覚えます 要確認

問7アセトンと、その安定な異性体(解答番号7)

📝 どういう問題か?

異性体を書き出して数え、文の数や性質と照らし合わせる問題。

  • 解答番号7:アセトン(分子式 C₃H₆O)と、その安定な異性体(環をもつものは、環が炭素原子だけでできているものに限る)について述べた5つの文から、誤っているものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

まず、対象になる分子を全部書き出します。分子式 C₃H₆O で、不安定なエノール(C=C に OH が直接ついたもの)と、環に酸素が入るもの(エポキシド等)を除くと、次の5種類になります。

Sora先生の総整理表

C₃H₆O の安定な異性体(5種類)

名称構造の特徴C=C銀鏡反応ヨードホルム反応
アセトンCH₃COCH₃——○
プロパナールCH₃CH₂CHO(アルデヒド)—○—
アリルアルコールCH₂=CHCH₂OH○——
メチルビニルエーテルCH₂=CHOCH₃(エーテル)○——
シクロプロパノール三員環+OH(第二級アルコール)———

・a「C=C をもつものは4種類」:表では2種類(アリルアルコールとメチルビニルエーテル)。誤り。

・b「C=C をもつものはすべてアルコール」:メチルビニルエーテルはエーテル。誤り。

・c「銀鏡反応を示すものは1種類」:プロパナールのみ。正しい。 ・d「ヨードホルム反応を示すものは1種類」:アセトンのみ。正しい。 ・e「環状構造をもつものはすべて第二級アルコール」:シクロプロパノールのみで、OHが付いた炭素に炭素が2個つながる。正しい。

→ 誤りは a,b で①。

🎯 問7の答え
7:①
⚠️ 異性体の数え上げは、RDKitで骨格から総当たりに作って確かめました(C₃H₆O の全異性体は9種類で、不安定なエノール2種類と環に酸素をもつ2種類を除くと、表の5種類が残ります)。「安定な」の範囲は問題文の条件(エノールを除く)で決まっています 要確認

問8油脂の分子式(解答番号8)

📝 どういう問題か?

「水素の物質量=C=Cの数」から脂肪酸の組成を決め、グリセリンとのエステルの式で分子式を組み立てる。

  • 解答番号8:パルミチン酸(炭素16個、C=Cなし)とリノール酸(炭素18個、C=C 2個)の直鎖の脂肪酸だけからなり、分子の構造が1つに決まる油脂に水素2 molが付加すると全て飽和脂肪酸になる。水素付加前の油脂の分子式を選ぶ(①〜⑩)

油脂1 molに水素2 molが付加するので、C=Cは全部で2個。リノール酸1個がちょうど2個のC=Cをもつので、構成は(16:0)×2+(18:2)×1です(リノール酸を2個にすると水素が4 mol必要)。

油脂は、グリセリン1分子と脂肪酸3分子から水3分子が取れたエステルなので、

$$\mathrm{C_3H_8O_3}+2\,\mathrm{C_{16}H_{32}O_2}+\mathrm{C_{18}H_{32}O_2}-3\,\mathrm{H_2O}=\mathrm{C_{53}H_{98}O_6}$$

→ ⑥(C₅₃H₉₈O₆)。

🎯 問8の答え
8:⑥
⚠️ 分子式はRDKitで構造から組み立て、C₅₃H₉₈O₆・C=C 2個であることを確かめました(リノール酸2個の組成だと水素4 molが必要になるので条件に合いません)。
Sora先生の総整理表

第Ⅰ問:8問の型

問型着眼点
問1金属アルミは酸化物の被膜/青銅は銅とスズ/ニクロムは電気抵抗が大きい
問2酸と塩基水が生じない中和もある/Kwは温度で変わる/弱酸は薄いほど電離度大
問3状態図大気圧の線と臨界圧力の線/気体→固体は凝華
問4電池酸化力は PbO₂(正極)>PbSO₄
問5気体の比較NO₂は赤褐色・強酸/SO₂は漂白作用
問6肥料N・P・K。過リン酸石灰と硫酸アンモニウム
問7異性体安定な5種類を書き出して数える
問8油脂水素の物質量=C=Cの数 → 16:0×2+18:2×1
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第Ⅰ問で手が止まった人への処方箋

  • 問1・2・4〜6知識が曖昧 → 確実な1文を決めて組合せを4つに絞り、残りは消去法で1分以内に
  • 問3図が読めない → 大気圧の横線を引いて右へ進み、曲線を横切るたびに状態を書く
  • 問7数が合わない → C₃H₆O の安定な異性体を5つ全部書き出してから、各文を表で確認
  • 問8分子式が出ない → 水素2 mol=C=C 2個。16:0×2+18:2×1 のエステルを式にする
第Ⅱ問 / 目標:10分(問1〜問4、解答番号 9〜12)

第Ⅱ問 ナトリウムの化合物 ── 結晶・濃度・電気分解を一本道で

塩化ナトリウムの結晶格子、飽和水溶液の濃度、ナトリウム化合物の記述、イオン交換膜を使った電気分解の4問です。問3だけが知識で、他の3問は式を立てれば答えが出ます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第Ⅱ問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標10分(問1に3分、問2に2分、問3に1分、問4に3分、見直し1分)。問1・2・4は必ず取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問3は「炭酸水素ナトリウム水溶液の液性」と「酢酸ナトリウムは強電解質」の2点で2つの誤文が決まる。迷ったら先へ。
💡 初手の思考トリガー問1は単位格子の辺でどのイオンが接しているか、問4は電気量→電子の物質量→水素の物質量の順で式を書く。

問1塩化ナトリウムの結晶:イオン半径と密度(解答番号9)

📝 どういう問題か?

単位格子の辺に沿ってNa⁺とCl⁻が接している、という図の読みから半径を出し、単位格子の中の粒子数から密度を出す。

  • 解答番号9:塩化ナトリウムの単位格子(一辺0.564 nm、Na⁺の半径0.116 nm)の図から、Cl⁻の半径[nm]と結晶の密度[g/cm³]の組合せを選ぶ(6通り)。アボガドロ定数 $6.0\times10^{23}$/mol、$5.64^3=179$ を使う

辺に沿って Cl⁻ ─ Na⁺ ─ Cl⁻ と並んで接しているので、辺の長さは $2(r_{\mathrm{Na^+}}+r_{\mathrm{Cl^-}})$ です。

$$r_{\mathrm{Cl^-}}=\frac{0.564}{2}-0.116=0.166\ \mathrm{nm}$$

単位格子の中には、Na⁺ が4個、Cl⁻ が4個(NaCl の4組分)。体積は $(0.564\times10^{-7}\ \mathrm{cm})^3=179\times10^{-24}\ \mathrm{cm^3}$ です。

$$\rho=\frac{4\times58.5/(6.0\times10^{23})}{179\times10^{-24}}=\frac{3.9\times10^{-22}}{1.79\times10^{-22}}=2.18\ \mathrm{g/cm^3}$$

→ 0.166,2.18 で②。

🎯 問1の答え
9:②
⚠️ 半径の0.332は「直径」、密度の選択肢が倍・半分になるのは「単位格子の中の組の数(4組)」を数え違えた場合です。図でイオンの数を数えるときは、頂点は1/8、辺は1/4、面は1/2、中心は1を忘れずに 要確認

問2飽和水溶液の質量パーセントとモル濃度(解答番号10)

📝 どういう問題か?

溶解度から溶液の質量を出し、密度で溶液1 Lの質量に直してモル濃度を出す。

  • 解答番号10:20℃で水100 gに塩化ナトリウム(式量58.5)が最大35.9 g溶ける。飽和水溶液(密度1.2 g/cm³)の質量パーセント濃度とモル濃度を選ぶ(6通り)
$$\text{質量パーセント濃度}=\frac{35.9}{100+35.9}\times100=26.4\ \%$$
$$c=\frac{1200\ \mathrm{g/L}\times0.264}{58.5\ \mathrm{g/mol}}=5.42\ \mathrm{mol/L}$$

→ 26,5.4 で②。

🎯 問2の答え
10:②
⚠️ 質量パーセントの分母は溶液(水+溶質)の質量です。水100 gを分母にした36%(④〜⑥)に引っかからないこと。モル濃度は「溶液1 Lの質量=密度×1000」から始めます。

問3ナトリウムの化合物の記述(解答番号11)

📝 どういう問題か?

ナトリウムの化合物の性質を、1文ずつ○✕で判定する知識問題。

  • 解答番号11:炭酸水素ナトリウム・塩化ナトリウムの融解塩電解・炭酸ナトリウムと塩酸・酢酸ナトリウム・塩化ナトリウム水溶液と硫化水素についての5つの文から、正しいものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

○になるのは、b(塩化ナトリウムの融解塩電解でナトリウムの単体が得られる)とc(炭酸ナトリウムに塩酸を加えると二酸化炭素が発生する)。

✕の理由:aは炭酸水素ナトリウム水溶液の液性の記述が実際と合わない(水溶液は弱塩基性)。dの酢酸ナトリウムは水に溶けるとほぼ完全に電離する強電解質で、「わずかに電離」は誤り。eは塩化ナトリウム水溶液に硫化水素を吹き込んでも沈殿は生じない。

→ b,c で⑤。

🎯 問3の答え
11:⑤
⚠️ 「塩は水に溶ければほぼ完全に電離する」と覚えておけば、dの「わずかに電離」が誤りと分かります 要確認

問4イオン交換膜を使った電気分解(解答番号12)

📝 どういう問題か?

電気量から電子の物質量を出し、陰極の半反応の係数比で気体の物質量に直す。

  • 解答番号12:陽イオン交換膜で2室に仕切った電解槽(陽極に炭素、陰極に鉄、両室にブロモチモールブルーを加えた塩化ナトリウム水溶液)に、2.00 Aで16分5秒電流を流す。陰極付近の溶液の色と、陰極から発生する気体の質量[g]の組合せを選ぶ(8通り)。ファラデー定数 $9.65\times10^{4}$ C/mol
陽イオン交換膜で仕切った電解槽の模式図。陽極で塩素、陰極で水素が発生し、陰極側は塩基性になる
図C 電解槽の模式図(TMPS作成)
$$Q=2.00\ \mathrm{A}\times(16\times60+5)\ \mathrm{s}=1930\ \mathrm{C}\ \Rightarrow\ n(\mathrm{e^-})=\frac{1930}{9.65\times10^{4}}=0.0200\ \mathrm{mol}$$
$$\text{陰極:}\ 2\mathrm{H_2O}+2\mathrm{e^-}\to\mathrm{H_2}+2\mathrm{OH^-}\ \Rightarrow\ n(\mathrm{H_2})=0.0100\ \mathrm{mol},\ \ m=0.0100\times2.0=2.0\times10^{-2}\ \mathrm{g}$$

陰極では $\mathrm{OH^-}$ が生じるので溶液は塩基性となり、ブロモチモールブルーは青です(酸性側は黄、塩基性側は青)。→ 青,2.0×10⁻² で⑥。

🎯 問4の答え
12:⑥
Yuiちゃん
Yuiちゃん
陰極からは気体が出るので、塩素と迷いました…。
Sora先生
Sora先生
問題文は「陰極から発生する気体」とあるね。陰極は還元が起こる極(ここでは水の還元で水素)。塩素が出るのは陽極だよ。ちなみに陽極の塩素の質量を答えると0.71 g(⑧)。どちらの極かを問題文で確かめるのが決め手。
⚠️ 「陰極」と「陽極」の読み違いが、⑥と⑧の差です。気体の質量は電子0.0200 molから、水素なら÷2×2.0、塩素なら÷2×71で出ます。色は陰極側(塩基性)が青 要確認
Sora先生の総整理表

第Ⅱ問:4問の型

問型着眼点
問1結晶格子辺で Cl⁻─Na⁺─Cl⁻ が接する。4組/格子。密度2.18
問2溶解度→濃度分母は溶液。モル濃度は 密度×1000 から
問3知識Na化合物の記述(融解塩電解・強電解質・硫化水素で沈殿しない)
問4電気分解Q=It → e⁻ 0.0200 mol → 陰極は H₂ 0.0100 mol=0.020 g、溶液は青
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第Ⅱ問で手が止まった人への処方箋

  • 問1半径が出ない → 辺の長さ=2×(Na⁺の半径+Cl⁻の半径)。粒子数は頂点1/8・辺1/4・面1/2・中心1
  • 問2濃度が合わない → 溶液の質量(水+溶質)を分母に。1 L=1200 gから溶質の質量を出す
  • 問32つ目が決まらない → bとcが確実に○。a・d・eは○が1つもない
  • 問4気体の質量が合わない → どちらの極の気体か。陰極なら H₂、電子の半分の物質量
第Ⅲ問 / 目標:10分(問1〜問4、解答番号 13〜16)

第Ⅲ問 二酸化炭素と炭酸 ── 2段階電離は「どちらの式を使うか」を決める

二酸化炭素が水に溶けてできる炭酸の2段階電離を使い、pH・存在率・沈殿・気体と溶解量の比を求めます。4問とも、式を立てれば答えが出る大問です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第Ⅲ問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標10分(問1に3分、問2に2分、問3に1分、問4に3分、見直し1分)。4問とも取り切る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問2は「どの化学種が50%か」を見極めるだけで1行で終わる。迷ったら図の分布曲線を思い浮かべる。
💡 初手の思考トリガー問1は(1)式だけ、問2は(2)式だけを使う。どの式がどの設問の主役かを最初に決める。

問1二酸化炭素水溶液のpH(解答番号13)

📝 どういう問題か?

電離定数の式から $[\mathrm{H^+}]$ を出し、pH に直す計算。

  • 解答番号13:25℃の水1.0 Lに $7.8\times10^{-3}$ mol の二酸化炭素が溶けているときのpHを選ぶ(5通り)。$[\mathrm{H^+}]$ は $[\mathrm{H_2CO_3}]$ に比べて非常に小さく、(2)式の電離は無視してよい。$K_1=7.8\times10^{-7}$ mol/L、$\log_{10}7.8=0.89$

(1)式の電離だけを考えると $[\mathrm{H^+}]=[\mathrm{HCO_3^-}]$、$[\mathrm{H_2CO_3}]=7.8\times10^{-3}$ mol/L とみなせます。

$$K_1=\frac{[\mathrm{H^+}]^2}{[\mathrm{H_2CO_3}]}\ \Rightarrow\ [\mathrm{H^+}]=\sqrt{7.8\times10^{-7}\times7.8\times10^{-3}}=7.8\times10^{-5}\ \mathrm{mol/L}$$
$$\mathrm{pH}=-\log_{10}(7.8\times10^{-5})=5-0.89=4.11\approx4.1$$

→ ①(4.1)。電荷収支の式から厳密に解いても pH は4.11で、近似は十分です。

🎯 問1の答え
13:①
⚠️ $K_1$ と濃度がどちらも「7.8」なので、$[\mathrm{H^+}]=7.8\times10^{-5}$ とそろいます。「7.8」が見えたら、$\log_{10}7.8=0.89$ がそのまま使えるように作られている、と気づくのがコツです。

問2炭酸イオンが50%になるpH(解答番号14)

📝 どういう問題か?

(2)式 $K_2$ の定義から、$[\mathrm{CO_3^{2-}}]=[\mathrm{HCO_3^-}]$ のとき $[\mathrm{H^+}]=K_2$。

  • 解答番号14:水酸化カリウムを加えて塩基性にしたとき、炭酸イオンの物質量が溶けている二酸化炭素の総量の50%になるpHを選ぶ(5通り)。$K_2=1.3\times10^{-10}=10^{-9.9}$ mol/L
炭酸の存在率とpHの関係。pH6.1付近でH2CO3とHCO3-が等量、pH9.9付近でHCO3-とCO3 2-が等量
図D 炭酸の存在率(TMPS作成・問題の定数 $K_1,K_2$ で計算)

pHが高い領域では $\mathrm{H_2CO_3}$ はほぼ存在せず、全体は $\mathrm{HCO_3^-}$ と $\mathrm{CO_3^{2-}}$ です。炭酸イオンがちょうど50%なら、$[\mathrm{CO_3^{2-}}]=[\mathrm{HCO_3^-}]$ です。

$$K_2=\frac{[\mathrm{CO_3^{2-}}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{HCO_3^-}]}=[\mathrm{H^+}]\ \Rightarrow\ \mathrm{pH}=\mathrm{p}K_2=9.9$$

→ ⑤(9.9)。

🎯 問2の答え
14:⑤
⚠️ 「炭酸イオン」が50%なのは $\mathrm{p}K_2$(9.9)、「炭酸水素イオン」と「炭酸」が等量なのは $\mathrm{p}K_1$(6.1)です。8.0(④)は $(\mathrm{p}K_1+\mathrm{p}K_2)/2$ で、炭酸水素イオンの割合が最大になるpHです。

問3二酸化炭素を通じて炭酸塩の沈殿が生じるもの(解答番号15)

📝 どういう問題か?

強い塩基の水溶液に二酸化炭素を通すと炭酸塩ができる、という反応の判定。

  • 解答番号15:5つの化合物(塩化カルシウム・塩化ナトリウム・硝酸ナトリウム・水酸化バリウム・水酸化カルシウム)の飽和水溶液に二酸化炭素を通じるとき、炭酸塩の沈殿が生じるものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

沈殿が生じるのは、水酸化バリウムと水酸化カルシウム(石灰水)です。

$\mathrm{Ca(OH)_2+CO_2\to CaCO_3\downarrow+H_2O}$、$\mathrm{Ba(OH)_2+CO_2\to BaCO_3\downarrow+H_2O}$。

塩化カルシウムの水溶液では、炭酸(弱酸)が塩酸(強酸)を追い出せないので、$\mathrm{CaCO_3}$ は生じません。塩化ナトリウム・硝酸ナトリウムは炭酸塩をつくりません。→ d,e で⑩。

🎯 問3の答え
15:⑩
⚠️ 塩化カルシウムは「カルシウムがあるから沈殿しそう」と見えて、一番引っかかりやすい選択肢です。「強酸の塩に弱酸(炭酸)を通じても、弱酸の塩は沈殿しない」と整理しましょう 要確認

問4気体と溶解量の比(ヘンリーの法則)(解答番号16)

📝 どういう問題か?

気体の体積から圧力を気体の物質量で表し、ヘンリーの法則で溶解量を同じ文字で表して、比を取る。

  • 解答番号16:容積9.31 Lの真空容器に水1.00 Lと二酸化炭素を入れ、27℃で平衡に達した。気体として残った二酸化炭素の物質量は、溶解した物質量の何倍かを選ぶ(5通り)。27℃、$1.0\times10^{5}$ Paで水1.0 Lに $3.3\times10^{-2}$ mol 溶ける。気体定数は $8.31\times10^{3}$ Pa・L/(mol・K)

気体が占める体積は容器の容積から水の体積を引いた $9.31-1.00=8.31$ L。気体の二酸化炭素を $n$ mol とすると、

$$P=\frac{nRT}{V}=\frac{n\times8.31\times10^{3}\times300}{8.31}=3.0\times10^{5}\,n\ \ \mathrm{[Pa]}$$
$$n_{\text{溶}}=3.3\times10^{-2}\times\frac{P}{1.0\times10^{5}}\times1.00=3.3\times10^{-2}\times3.0\,n=0.099\,n$$
$$\frac{n_{\text{気}}}{n_{\text{溶}}}=\frac{n}{0.099\,n}=10.1\approx10$$

→ ④(10)。

🎯 問4の答え
16:④
Yuiちゃん
Yuiちゃん
圧力が分からないのに、どうやって解くんですか?
Sora先生
Sora先生
圧力は未知でいいんだ。気体の物質量 $n$ を使って「P=…n」と表し、溶解量も「…n」と表せば、最後に $n$ が消えて比だけが残る。「未知数を同じ文字にそろえる」が、この問題の一手だよ。
⚠️ 気体の体積を9.31 L のまま使うと、圧力が1/1.12倍にずれて、比が約11.3(⑤の11に近づく)になってしまいます。水の1.00 Lを引くのを忘れずに。
Sora先生の総整理表

第Ⅲ問:4問の型

問型着眼点
問1弱酸のpH$[\mathrm{H^+}]=\sqrt{K_1c}$。pH=4.11
問2存在率炭酸イオンが50% ⇔ $[\mathrm{H^+}]=K_2$ → pH=9.9
問3炭酸塩の沈殿Ca(OH)₂・Ba(OH)₂ に CO₂。CaCl₂ には沈殿しない
問4ヘンリーの法則気体の体積は容器−水。未知の圧力は n で表して比を取る→10
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第Ⅲ問で手が止まった人への処方箋

  • 問1pHが出ない → $[\mathrm{H^+}]^2=K_1[\mathrm{H_2CO_3}]$。7.8×10⁻⁵ の対数は 5−0.89
  • 問2何が50%か分からない → 炭酸イオン=炭酸水素イオンの点は $K_2$ の式で $[\mathrm{H^+}]=K_2$
  • 問3CaCl₂が迷う → 強酸の塩に炭酸は反応しない。石灰水・バリタ水だけ沈殿
  • 問4比が合わない → 気体の体積は 9.31−1.00=8.31 L。圧力を n で表して、溶解量も n で
第Ⅳ問 / 目標:8分(問1〜問4、解答番号 17〜20)

第Ⅳ問 沈殿滴定 ── 溶解度積は「イオン積が超えるか」の式1本

塩化物イオンを硝酸銀で滴定し、指示薬のクロム酸カリウムで終点を知る「モール法」の大問です。色の知識、クロム酸イオンの沈殿、溶解度積の計算、滴定の濃度計算の4問。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第Ⅳ問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標8分(問1・2で2分、問3に3分、問4に2分、見直し1分)。問3・問4の計算は必ず取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問1・問2の色の知識は、確実なものから決める。問2は「クロム酸イオンと反応して黄色沈殿」のBa²⁺・Pb²⁺を覚えていれば即決。
💡 初手の思考トリガー問3の最初の一手は「沈殿が生じる条件=イオン積が溶解度積に達する」。AgClは $[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]$、Ag₂CrO₄ は $[\mathrm{Ag^+}]^2[\mathrm{CrO_4^{2-}}]$(二乗!)。

問1クロム酸カリウム水溶液とクロム酸銀の色(解答番号17)

📝 どういう問題か?

モール法の終点が「何色の沈殿」で分かるかを問う知識問題。

  • 解答番号17:クロム酸カリウム水溶液の色とクロム酸銀の沈殿の色に、もっとも近い色が順に並んでいるものを選ぶ(9通り)

クロム酸カリウム水溶液は黄色(クロム酸イオンの色)、クロム酸銀の沈殿は赤褐色(暗赤色)。→ 黄色,赤褐色 で⑤。

🎯 問1の答え
17:⑤
⚠️ 「クロム酸(黄)」と「二クロム酸(橙赤)」は別物です。二クロム酸カリウムは橙赤色。クロム酸銀の赤褐色は、AgCl(白)の沈殿と区別して終点を判定できる色です 要確認

問2クロム酸イオンと有色沈殿をつくるイオン(解答番号18)

📝 どういう問題か?

クロム酸塩の溶解性の知識問題。

  • 解答番号18:アンモニウムイオン・ナトリウムイオン・マグネシウムイオン・バリウムイオン・鉛(II)イオンのうち、クロム酸イオンと反応して難溶性の有色沈殿を生じるものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

クロム酸バリウム $\mathrm{BaCrO_4}$(黄色)とクロム酸鉛(II) $\mathrm{PbCrO_4}$(黄色)が沈殿します。アンモニウム・ナトリウム・マグネシウムのクロム酸塩は水に溶けます。→ d,e で⑩。

🎯 問2の答え
18:⑩
⚠️ Ba²⁺・Pb²⁺・Ag⁺ は「クロム酸イオンで沈殿する3種類」としてまとめて覚えます(BaCrO₄ 黄、PbCrO₄ 黄、Ag₂CrO₄ 赤褐) 要確認

問3どちらが先に沈殿するか:沈殿が生じはじめる銀イオン濃度(解答番号19)

📝 どういう問題か?

沈殿が生じはじめるのは、イオン積が溶解度積に等しくなる瞬間。2つの沈殿それぞれについて $[\mathrm{Ag^+}]$ を求め、小さいほうが先に沈殿する。

  • 解答番号19:塩化物イオン $1.0\times10^{-2}$ mol/L、クロム酸イオン $1.0\times10^{-3}$ mol/L の混合水溶液に硝酸銀水溶液を滴下する。AgClの沈殿が生じはじめる $[\mathrm{Ag^+}]$ と、Ag₂CrO₄ の沈殿が生じはじめる $[\mathrm{Ag^+}]$ の組合せを選ぶ(8通り)。$K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{AgCl})=1.8\times10^{-10}$、$K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{Ag_2CrO_4})=3.6\times10^{-12}$
$$\mathrm{AgCl}:\ [\mathrm{Ag^+}]=\frac{K_{\mathrm{sp}}}{[\mathrm{Cl^-}]}=\frac{1.8\times10^{-10}}{1.0\times10^{-2}}=1.8\times10^{-8}\ \mathrm{mol/L}$$
$$\mathrm{Ag_2CrO_4}:\ [\mathrm{Ag^+}]=\sqrt{\frac{K_{\mathrm{sp}}}{[\mathrm{CrO_4^{2-}}]}}=\sqrt{\frac{3.6\times10^{-12}}{1.0\times10^{-3}}}=\sqrt{3.6\times10^{-9}}=6.0\times10^{-5}\ \mathrm{mol/L}$$

1.8×10⁻⁸ ≪ 6.0×10⁻⁵ なので、AgClが先に沈殿します(だからモール法が成り立つ)。→ ⑦。

🎯 問3の答え
19:⑦
⚠️ Ag₂CrO₄ の $K_{\mathrm{sp}}$ は $[\mathrm{Ag^+}]^{2}$ を含むので、平方根をとるのが最大の山。$3.6\times10^{-12}/10^{-3}=3.6\times10^{-9}$ を、平方根にし忘れた値(3.6×10⁻⁹、①〜⑤)が選択肢にあります。

問4塩化ナトリウム水溶液の濃度(解答番号20)

📝 どういう問題か?

終点では塩化物イオンがほぼ全量、塩化銀として沈殿している。銀イオンと塩化物イオンは1:1で反応するので、物質量が等しい。

  • 解答番号20:濃度未知の塩化ナトリウム水溶液10 mLに、指示薬のクロム酸カリウムを加え、$2.0\times10^{-2}$ mol/L の硝酸銀水溶液を滴下すると、32 mLでクロム酸銀の有色沈殿が見えた。塩化ナトリウム水溶液のモル濃度にもっとも近い値を選ぶ(6通り)
$$n(\mathrm{Ag^+})=2.0\times10^{-2}\ \mathrm{mol/L}\times0.032\ \mathrm{L}=6.4\times10^{-4}\ \mathrm{mol}=n(\mathrm{Cl^-})$$
$$c=\frac{6.4\times10^{-4}\ \mathrm{mol}}{0.010\ \mathrm{L}}=6.4\times10^{-2}\ \mathrm{mol/L}$$

→ ③(6.4×10⁻²)。

🎯 問4の答え
20:③
⚠️ 「mL」のまま掛けると 10³ 倍ずれます(6.4×10⁻⁵ なども選択肢に並んでいます)。体積は両方とも L に直してから比べます。
Sora先生の総整理表

第Ⅳ問:4問の型

問型着眼点
問1色の知識K₂CrO₄ 水溶液は黄/Ag₂CrO₄ の沈殿は赤褐
問2沈殿の知識クロム酸イオンで沈殿:Ba²⁺・Pb²⁺(黄)
問3溶解度積AgCl は $K_{sp}/[Cl^-]$、Ag₂CrO₄ は $\sqrt{K_{sp}/[CrO_4^{2-}]}$
問4滴定n(Ag⁺)=n(Cl⁻)。mL を L に直して割る
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第Ⅳ問で手が止まった人への処方箋

  • 問1色が迷う → クロム酸は黄、クロム酸銀は赤褐色、AgClは白
  • 問22つ選べない → Ba²⁺・Pb²⁺・Ag⁺ がクロム酸イオンで沈殿する
  • 問3値が合わない → Ag₂CrO₄ は $[Ag^+]^2[CrO_4^{2-}]$。平方根をとる
  • 問4桁がずれる → mL → L。n(Ag⁺)=n(Cl⁻)
第Ⅴ問 / 目標:10分(問1〜問4、解答番号 21〜25)

第Ⅴ問 芳香族化合物の合成 ── 3つの実験を1本の流れにして、化合物を決める

フェノール・ニトロベンゼンから、アゾ染料ができるまでを3つの実験で追い、化合物の構造、分液、記述の正誤、塩化鉄(III)による呈色を問います。まず実験1〜3を1本の矢印の流れにして整理しましょう。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第Ⅴ問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標10分(流れの整理に3分、問1に2分、問2に1分、問3に2分、問4に1分、見直し1分)。流れが整理できれば4問とも取れる。
⚠️ 損切り・警戒ライン問3の5つの文は、2つの誤文(Snの役割と生成量の計算)を先に決める。残りは反応の流れが分かれば○。
💡 初手の思考トリガー最初の一手はA〜Eに名前を付ける:A=ナトリウムフェノキシド、B=アニリン塩酸塩、C=アニリン、D=塩化ベンゼンジアゾニウム、E=p-ヒドロキシアゾベンゼン。
Sora先生の総整理表

実験1〜3の流れ(TMPSの整理)

実験反応生成物
実験1フェノール + NaOHA:ナトリウムフェノキシド
実験2ニトロベンゼン + Sn・HCl(還元)→ B + NaOHB:アニリン塩酸塩 → C:アニリン
実験3C + HCl・NaNO₂(5℃以下)→ D、D + A(ジアゾカップリング)D:塩化ベンゼンジアゾニウム → E:p-ヒドロキシアゾベンゼン(橙赤色)

問1有機化合物AとEの構造(解答番号21・22)

📝 どういう問題か?

反応の名前から、構造を決める問題。構造式の選択肢は、官能基(ONa・OH・N=N)で見分ける。

  • 解答番号21・22:実験1で生じる化合物A(21)と、実験3で生じる橙赤色の化合物E(22)を、10個の構造式(トルエン・アニリン・アセチル化物・アゾ染料など)の中からそれぞれ選ぶ

・21:フェノールに水酸化ナトリウムを作用させる中和で、$\mathrm{C_6H_5OH+NaOH\to C_6H_5ONa+H_2O}$。Aはナトリウムフェノキシド(ベンゼン環に ONa が付いた構造)で②。

・22:実験3は、ジアゾニウム塩(D)とナトリウムフェノキシド(A)のジアゾカップリング。ベンゼン環2つが N=N でつながり、パラ位にヒドロキシ基が残るp-ヒドロキシアゾベンゼン(橙赤色)で⑨。

$$\mathrm{C_6H_5N_2^+Cl^-}+\mathrm{C_6H_5ONa}\to\mathrm{C_6H_5{-}N{=}N{-}C_6H_4{-}OH}+\mathrm{NaCl}$$
🎯 問1の答え
21:②22:⑨
⚠️ Eの選択肢には、スルホン酸ナトリウム基とジメチルアミノ基をもつ別のアゾ染料(⑩)もあります。実験3の原料はA(フェノール由来)なので、ヒドロキシ基をもつ⑨です。構造式の選択は図を読む問題なので、答えを決める前に自分の目で確かめてください 要確認

問2分液操作(解答番号23)

📝 どういう問題か?

塩(イオン性)は水層、中性・弱塩基の有機化合物はエーテル層、という分液の基本。

  • 解答番号23:ニトロベンゼン・化合物B・化合物Cのそれぞれにジエチルエーテルと水を加えて分けるとき、3つが水層・エーテル層のどちらに移るかを、この順に並べた組合せを選ぶ(8通り)

ニトロベンゼンは水に溶けない油状の中性化合物でエーテル層。Bのアニリン塩酸塩はイオン性の塩で水層。Cのアニリンは水に溶けにくい弱塩基でエーテル層。

→ エーテル層,水層,エーテル層 で⑦。

🎯 問2の答え
23:⑦
⚠️ 実験2で「塩基性にしたあとジエチルエーテルを加えて分液」したのは、アニリン塩酸塩(水層)をアニリン(エーテル層)に変えてから取り出すためです。この操作の意味が分かれば迷いません 要確認

問3記述の正誤(解答番号24)

📝 どういう問題か?

反応の流れを使って、1文ずつ○✕を付ける。最後の文は量計算。

  • 解答番号24:実験1〜3に関する5つの文(Aに塩酸→フェノール/CにHCl→B/スズは触媒/冷却せず実験3→フェノール/フェノール0.5 mol・ニトロベンゼン1.0 mol を使ったときのEの量)から、誤っているものを2つ選ぶ(組合せ①〜⑩)

・a「Aに塩酸を加えるとフェノールが生じる」:弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が遊離する。正しい。

・b「Cに塩酸を加えるとBが生じる」:アニリンに塩酸を加えるとアニリン塩酸塩。正しい。

・c「Bを生じる反応で、スズは触媒としてはたらく」:スズは還元剤(自身が酸化される)で、触媒ではない。誤り。

・d「実験3を冷却せずに行うとフェノールが生じる」:ジアゾニウム塩は温度が上がると窒素を出してフェノールになる。正しい。

・e「フェノール0.5 molとニトロベンゼン1.0 molで、Eは1.0 mol」:A(ナトリウムフェノキシド)は0.5 mol、D(ジアゾニウム塩)は1.0 mol。ジアゾカップリングは1:1なので、少ないほうの0.5 molで止まる。誤り。

$$n(\mathrm{A})=0.5\ \mathrm{mol},\ \ n(\mathrm{D})=1.0\ \mathrm{mol}\ \Rightarrow\ n(\mathrm{E})=\min(0.5,\,1.0)=0.5\ \mathrm{mol}$$

→ 誤りは c,e で⑨。

🎯 問3の答え
24:⑨
⚠️ eは「2つの原料のうち少ない方で決まる(限定試薬)」の問題です。1.0 molを選ぶと、Aが足りないことを見落とした答えになります。c・eの2つが誤りと決まれば⑨の1択です 要確認

問4フェノール性ヒドロキシ基の呈色反応(解答番号25)

📝 どういう問題か?

塩化鉄(III)の呈色は、フェノール性ヒドロキシ基があるかどうかで決まる。

  • 解答番号25:Aを高温・高圧で二酸化炭素と反応させたA1を希硫酸で処理したA2(サリチル酸)から、無水酢酸でA3、メタノールと濃硫酸でA4をつくる。炭酸水素ナトリウムとの反応でA2からA1が生じる。A1・A3・A4のうち、塩化鉄(III)水溶液で呈色するものをすべて選ぶ(該当なしは⑧)
Sora先生の総整理表

A1〜A4 とフェノール性OH

化合物内容フェノール性OH呈色
A1サリチル酸ナトリウムあり○
A2サリチル酸あり—(問われていない)
A3アセチルサリチル酸(OHがアセチル化)なし✕
A4サリチル酸メチル(COOHがエステル化)あり○

A3は、無水酢酸でフェノール性のヒドロキシ基がアセチル化(エステル)されて消えているので呈色しません。A1とA4は残っています。→ A1,A4 で⑤。

🎯 問4の答え
25:⑤
⚠️ フェノール性のOHは、A3(アセチル化)では消え、A4(カルボキシ基のエステル化)では残る、という違いが決め手です。「サリチル酸誘導体」と一括りにしないこと。ここはRDKitで「ベンゼン環に直接ついたOHの有無」を確かめました(A1・A4あり、A3なし)。
Sora先生の総整理表

第Ⅴ問:4問の型

問型着眼点
問1構造の決定A=ナトリウムフェノキシド/E=ジアゾカップリング生成物
問2分液イオン性の塩は水層、アニリン・ニトロベンゼンはエーテル層
問3正誤Snは還元剤/Eの量は少ない方の原料で決まる
問4呈色反応フェノール性OHの有無(A3だけ消えている)
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第Ⅴ問で手が止まった人への処方箋

  • 全体流れが追えない → A〜Eに名前を付け、1本の矢印にする(フェノキシド→…→アゾ染料)
  • 問1構造が決まらない → Aは ONa、Eはベンゼン環2つが N=N でつながりOHが残るもの
  • 問2層が決まらない → イオンは水層、アニリンとニトロベンゼンはエーテル層
  • 問3誤文が決まらない → Snは還元剤。Eは A と D のうち少ない方の物質量
  • 問4呈色が決まらない → ベンゼン環に直接ついた OH があるか。A3はアセチル化で消えている
TMPS ORIGINAL

北里大2025型 そっくり類題セット
(全5大問・解答解説つき)

2025年度の本番と同じ5大問・同じ解答番号の数(1〜25)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。計算を一本道で解く力と、知識問題を消去法で素早く決める力の練習に使ってください。

試験時間の目安 50分(理科2科目で100分)小問集合・結晶と電気分解・硫化水素の電離・沈殿滴定・芳香族化合物の合成
📄 本番形式の問題冊子PDFをダウンロード(全8ページ)

印刷して本番と同じように50分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 北里大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。

類題 第Ⅰ問 小問集合
  • 必要であれば,次の値を用いよ。気体は,指示がなければ理想気体として扱ってよい。
  • 原子量:H=1.0,C=12.0,N=14.0,O=16.0,Al=27.0,Cu=63.5
  • 気体定数:$R=8.3\times10^{3}\ \mathrm{Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$,アボガドロ定数:$6.0\times10^{23}\ \mathrm{/mol}$,ファラデー定数:$9.65\times10^{4}\ \mathrm{C/mol}$
  • $\log_{10}2=0.30$。各問の答えは,①から始まる選択肢の中から1つだけ選ぶ(1問に2つ以上答えると誤り)。

次の問1〜問8に答えよ。答えは各問の①から始まる選択肢の中から選べ。

問1 金属に関する次の記述のうちから,正しいものを2つ選べ。(解答番号 1)
a 鉄は,濃硝酸に入れると表面に不動態ができて,溶けにくくなる。
b 黄銅(しんちゅう)は,銅とスズを主成分とする合金である。
c ジュラルミンは,銅を主成分とし,アルミニウムを少量含む合金である。
d ステンレス鋼は,鉄にクロムやニッケルを加えた合金で,さびにくい。
e 銅は,水素よりイオン化傾向が大きいので,希硫酸に溶けて水素を発生する。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問2 酸と塩基に関する次の記述のうちから,正しいものを2つ選べ。ただし,水溶液の温度は25℃とする。(解答番号 2)
a 中和点では,水溶液は必ず中性(pH=7)になる。
b pH=3 の塩酸を水で100倍に薄めると,pH は 5 になる。
c 酢酸水溶液の電離度は,濃度が大きいほど大きい。
d pH=6 の塩酸を水で100倍に薄めると,pH は 8 になる。
e 弱酸を強塩基で滴定するときの指示薬には,フェノールフタレインが適する。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問3 二酸化炭素の状態図について,三重点は −56.6℃,$5.18\times10^{5}$ Pa,臨界点は 31.0℃,$7.38\times10^{6}$ Pa である。次の記述のうちから,誤っているものを2つ選べ。(解答番号 3)
a $1.01\times10^{5}$ Pa のもとで,固体のドライアイスを温めると,液体を経ずに気体になる。
b $1.00\times10^{6}$ Pa のもとで,−70℃から温度を上げていくと,固体から液体を経て気体になる。
c −70℃で,圧力を $1.00\times10^{3}$ Pa から上げていくと,気体は液体になる。
d 温度が31.0℃より高く,圧力が $7.38\times10^{6}$ Pa より低い状態を,超臨界状態という。
e 気体と固体の境界線は,圧力と昇華が起こる温度との関係を表している。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問4 電池に関する次の記述のうちから,誤っているものを1つ選べ。(解答番号 4)
① 鉛蓄電池の放電では,負極・正極ともに質量が増加する。② ダニエル電池では,亜鉛板が負極,銅板が正極になる。③ 酸化銀電池の正極活物質は酸化銀であり,放電により銀が生じる。④ 水素−酸素燃料電池では,負極で水素が還元され,正極で酸素が酸化される。⑤ 二次電池では,充電のとき,放電のときと逆向きの反応が起こる。
問5 アンモニアと塩化水素の気体に共通する性質について,次の記述のうちから,正しいものを2つ選べ。(解答番号 5)
a 無色である。
b 刺激臭がある。
c 空気より軽い。
d 水に溶けると,塩基性を示す。
e 上方置換で捕集する。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問6 窒素・リン・カリウムは「肥料の三要素」とよばれる。次の化合物のうちから,肥料の三要素のいずれかを含み,化学肥料として用いられるものを2つ選べ。(解答番号 6)
a 塩化カリウム  b 炭酸カルシウム  c 尿素  d 酸化マグネシウム  e 硫酸カルシウム
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問7 分子式 $\mathrm{C_4H_8}$ で表される化合物(シス−トランス異性体は区別して数える)について,次の記述のうちから,誤っているものを2つ選べ。(解答番号 7)
a 臭素水を脱色するものは,4種類である。
b 環状構造をもつものは,2種類である。
c シス−トランス異性体の関係にあるものは,1組だけである。
d 水を付加させて 2-ブタノールを生じるものは,2種類のみである。
e すべての異性体に水素を付加させると,ブタンが得られる。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問8 分子内に $x$ 個の炭素原子と $y$ 個の C=C 二重結合をもつ脂肪酸を $(x:y)$ と表記する。$(16:0)$ の直鎖の脂肪酸と $(18:1)$ の直鎖の脂肪酸のみから構成され,単一の分子構造をもつ油脂について考える。この油脂1 mol に水素 2 mol が付加すると,構成する脂肪酸は全て飽和脂肪酸になる。水素を付加する前のこの油脂の分子式はどれか。(解答番号 8)
① $\mathrm{C_{52}H_{98}O_{6}}$② $\mathrm{C_{52}H_{100}O_{3}}$③ $\mathrm{C_{53}H_{98}O_{6}}$④ $\mathrm{C_{53}H_{102}O_{6}}$⑤ $\mathrm{C_{55}H_{98}O_{3}}$⑥ $\mathrm{C_{55}H_{98}O_{6}}$⑦ $\mathrm{C_{55}H_{102}O_{6}}$⑧ $\mathrm{C_{55}H_{104}O_{6}}$⑨ $\mathrm{C_{57}H_{104}O_{6}}$⑩ $\mathrm{C_{57}H_{108}O_{6}}$
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第Ⅰ問 小問集合 の答えと解説

問1
③
  1. a 正しい(濃硝酸中で鉄は不動態になる)。b 黄銅は銅と亜鉛の合金なので誤り。c ジュラルミンの主成分はアルミニウム(銅・マグネシウムを少量含む)なので誤り。
  2. d 正しい。e 銅は水素よりイオン化傾向が小さく,希硫酸には溶けないので誤り。→ a,d。
問2
⑦
  1. b 正しい($[\mathrm{H^+}]$ が $1/100$ になるので pH が2大きくなる)。e 正しい(中和点が弱塩基性側にあるので,変色域が塩基性側のフェノールフタレインが適する)。
  2. a 弱酸と強塩基の中和点は塩基性,強酸と弱塩基の中和点は酸性になるので誤り。c 弱酸の電離度は薄いほど大きいので誤り。d 酸を薄めても塩基性にはならず,pH は 7 に近づくだけ(約6.98)なので誤り。→ b,e。
問3
⑧
  1. c −70℃は三重点の温度(−56.6℃)より低いので,圧力を上げると気体は液体を経ずに固体になる(液体にはならない)。誤り。
  2. d 超臨界状態は,温度が臨界温度より高く,かつ圧力も臨界圧力より高い状態。「低い」は誤り。
  3. a $1.01\times10^{5}$ Pa は三重点の圧力より低いので,昇華する(正しい)。b $1.00\times10^{6}$ Pa は三重点の圧力と臨界圧力の間なので,固体→液体→気体の順になる(正しい)。e 正しい。→ c,d。
問4
④
  1. ④ 負極では水素が酸化され,正極では酸素が還元されるので誤り(酸化と還元が逆)。
  2. ① 負極の Pb も正極の $\mathrm{PbO_{2}}$ も $\mathrm{PbSO_{4}}$ に変わり,質量が増える(正しい)。②③⑤は正しい。
問5
①
  1. a,b 正しい(どちらも無色で刺激臭がある)。c 塩化水素(分子量36.5)は空気(平均分子量28.8)より重く,アンモニア(17)は軽いので,共通ではない。
  2. d 塩化水素の水溶液は酸性なので誤り。e アンモニアは上方置換,塩化水素は下方置換なので共通ではない。→ a,b。
問6
②
  1. 塩化カリウム(カリウム)と尿素(窒素)。炭酸カルシウム・酸化マグネシウム・硫酸カルシウムは三要素(窒素・リン・カリウム)のどれも含まない。→ a,c。
問7
⑩
  1. 異性体は 1-ブテン,シス-2-ブテン,トランス-2-ブテン,2-メチルプロペン,シクロブタン,メチルシクロプロパンの6種類。
  2. a 脱色するのは鎖状の4種類(正しい)。b 環状はシクロブタンとメチルシクロプロパンの2種類(正しい)。c シス・トランスの関係は2-ブテンの1組(正しい)。
  3. d 2-ブタノールを生じるのは 1-ブテン・シス-2-ブテン・トランス-2-ブテンの3種類なので誤り。e 2-メチルプロペンに水素を付加させると 2-メチルプロパンが得られ,環状のものは付加しないので誤り。→ d,e。
問8
⑦
  1. 水素 2 mol で全て飽和するので,C=C は全部で2個。$(18:1)$ は1個ずつなので,$(18:1)$ が2個,$(16:0)$ が1個。
  2. 分子式は,グリセリン $\mathrm{C_{3}H_{8}O_{3}}$ + $\mathrm{C_{16}H_{32}O_{2}}$ + 2$\mathrm{C_{18}H_{34}O_{2}}$ − 3$\mathrm{H_{2}O}$ = $\mathrm{C_{55}H_{102}O_{6}}$。
類題 第Ⅱ問 結晶・濃度・電気分解

結晶・水溶液・カルシウムの化合物・電気分解に関する次の問1〜問4に答えよ。答えは各問の①から始まる選択肢の中から選べ。

問1 アルミニウムの結晶は面心立方格子で,一辺の長さは 0.405 nm である。アルミニウム原子を球とみなし,面の対角線の方向で最も近い原子どうしが接しているとき,アルミニウム原子の半径[nm]と,アルミニウムの結晶の密度[g/cm³]はいくらか。もっとも近い値が順に並んでいるものを選べ。ただし,アルミニウムの原子量は27.0,$\sqrt2=1.41$,$4.05^3=66.4$ とせよ。(解答番号 9)
① 0.143,1.35② 0.143,2.71③ 0.143,5.42④ 0.202,1.35⑤ 0.202,2.71⑥ 0.202,5.42
問2 硝酸カリウム(式量101)は,水100 g に対して60℃で最大109 g 溶ける。60℃の飽和水溶液(密度1.3 g/cm³)における硝酸カリウムの質量パーセント濃度[%]と,モル濃度[mol/L]はいくらか。もっとも近い値が順に並んでいるものを選べ。(解答番号 10)
① 48,5.4② 48,6.7③ 48,8.4④ 52,5.4⑤ 52,6.7⑥ 52,8.4
問3 カルシウムの化合物に関する次の記述のうちから,正しいものを2つ選べ。(解答番号 11)
a 酸化カルシウムに水を加えると,発熱して水酸化カルシウムが生じる。
b 石灰水に二酸化炭素を通じ続けると,はじめ白く濁り,さらに通じ続けると無色透明になる。
c 塩化カルシウムは潮解性がないので,乾燥剤には使えない。
d 硫酸カルシウムは,水によく溶ける。
e カルシウムの炎色反応は,黄緑色である。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問4 白金電極を用いて,硫酸銅(II)水溶液を $5.00$ A の一定電流で32分10秒間電気分解した。このとき陰極に析出する金属の質量[g]と,陽極で発生する気体の標準状態での体積[L]にもっとも近い値が,順に並んでいるものを選べ。ただし,標準状態での気体のモル体積は22.4 L/mol とし,発生する気体は水溶液に溶けないものとする。(解答番号 12)
① 1.6,0.28② 1.6,0.56③ 3.2,0.28④ 3.2,0.56⑤ 3.2,1.1⑥ 6.4,0.56⑦ 6.4,1.1⑧ 6.4,2.2
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第Ⅱ問 結晶・濃度・電気分解 の答えと解説

問1
②
  1. 面心立方格子では,面の対角線(長さ $\sqrt2\,a$)に原子が3個並んで接するので $4r=\sqrt2\,a$,$r=\dfrac{1.41\times0.405}{4}=0.143$ nm。
  2. 単位格子には $8\times\frac18+6\times\frac12=4$ 個の原子が入る。密度は $\dfrac{4\times27.0/(6.0\times10^{23})}{(4.05\times10^{-8})^3}=\dfrac{1.8\times10^{-22}}{66.4\times10^{-24}}=2.71$ g/cm³。
問2
⑤
  1. 質量パーセント濃度は $\dfrac{109}{100+109}\times100=52.2\ \%$。
  2. モル濃度は,溶液1 L(1300 g)に含まれる溶質で $\dfrac{1300\times0.522}{101}=6.7$ mol/L。
問3
①
  1. a $\mathrm{CaO}$+$\mathrm{H_{2}O}$→$\mathrm{Ca(OH)_{2}}$ は発熱反応(正しい)。b $\mathrm{CaCO_{3}}$ の沈殿が生じて白濁し,さらに $\mathrm{CO_{2}}$ を通じると $\mathrm{Ca(HCO_{3})_{2}}$ となって溶ける(正しい)。
  2. c 塩化カルシウムは潮解性があり,乾燥剤に使われるので誤り。d 硫酸カルシウムは水に溶けにくいので誤り。e カルシウムの炎色反応は橙赤色なので誤り。→ a,b。
問4
④
  1. 流れた電気量は $5.00\times(32\times60+10)=9650$ C,電子は $9650/(9.65\times10^{4})=0.100$ mol。
  2. 陰極:$\mathrm{Cu^{2+}}$+2$\mathrm{e^{-}}$→$\mathrm{Cu}$ より $\mathrm{Cu}$ は 0.0500 mol,$0.0500\times63.5=3.2$ g。
  3. 陽極:2$\mathrm{H_{2}O}$→$\mathrm{O_{2}}$+4$\mathrm{H^{+}}$+4$\mathrm{e^{-}}$ より $\mathrm{O_{2}}$ は 0.0250 mol,$0.0250\times22.4=0.56$ L。
類題 第Ⅲ問 硫化水素の電離

硫化水素やその水溶液に関する次の問1〜問4に答えよ。答えは各問の①から始まる選択肢の中から選べ。なお,気体はすべて理想気体とし,気体と水溶液の間には気液平衡が成立しているものとする。

硫化水素は水に少し溶け,水溶液中では次のように2段階に電離する。

$\mathrm{H_{2}S}$ $\rightleftarrows$ $\mathrm{HS^{-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ (1)   $\mathrm{HS^{-}}$ $\rightleftarrows$ $\mathrm{S^{2-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ (2)

水溶液中の $\mathrm{H_{2}S}$,$\mathrm{HS^{-}}$,$\mathrm{S^{2-}}$,$\mathrm{H^{+}}$ のモル濃度をそれぞれ $[\mathrm{H_2S}]$,$[\mathrm{HS^-}]$,$[\mathrm{S^{2-}}]$,$[\mathrm{H^+}]$ と表すと,(1)式,(2)式の電離定数 $K_1$,$K_2$ は次式で表される。

$K_1=\dfrac{[\mathrm{HS^-}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{H_2S}]}$   $K_2=\dfrac{[\mathrm{S^{2-}}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{HS^-}]}$

また,25℃における $K_1$,$K_2$ の値を以下に示す(本問のために設定した値)。

$K_1=1.0\times10^{-7}\ \mathrm{mol/L}$   $K_2=1.0\times10^{-13}\ \mathrm{mol/L}$

問1 25℃の水1.0 L に $2.5\times10^{-2}$ mol の硫化水素が溶解している。この水溶液の pH はいくらか。もっとも近い値を選べ。なお,水溶液中の水素イオンのモル濃度 $[\mathrm{H^+}]$ は,硫化水素のモル濃度 $[\mathrm{H_2S}]$ に比べて非常に小さいものとし,(2)式の電離は非常に小さく,pH への影響は考慮しなくてよい。ただし,$\log_{10}2=0.30$ とする。(解答番号 13)
① 3.7② 4.3③ 5.0④ 5.7⑤ 6.5
問2 水溶液中の硫化物イオンの存在率は,pH によって変化する。硫化水素を溶解した水に水酸化カリウム水溶液を加えた。硫化物イオンの物質量が,溶解した硫化水素の総量の 50 % となるのは,pH がいくらのときか。もっとも近い値を選べ。なお,水溶液の温度は25℃とする。(解答番号 14)
① 4.0② 7.0③ 10.0④ 13.0⑤ 14.0
問3 次の化合物のうち,その酸性の水溶液に硫化水素を通じると,黒色の沈殿が生じるものを2つ選べ。(解答番号 15)
a 硫酸銅(II)  b 硝酸亜鉛  c 酢酸鉛(II)  d 硫酸ナトリウム  e 塩化鉄(II)
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問4 容積 5.15 L の真空容器に,水 1.00 L と硫化水素を封入し,温度を27℃に保ったところ,硫化水素の一部が水に溶解し,平衡に達した。気体として残った硫化水素の物質量は,溶解した硫化水素の物質量の何倍か。もっとも近い値を選べ。なお,27℃,$1.0\times10^{5}$ Pa で硫化水素が水1.0 L に溶ける物質量は 0.10 mol,水の蒸気圧は無視でき,圧力と気体の水への溶解度の関係にはヘンリーの法則が成り立つものとする。(解答番号 16)
① 0.60② 1.0③ 1.7④ 2.5⑤ 6.0
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第Ⅲ問 硫化水素の電離 の答えと解説

問1
②
  1. $[\mathrm{H^+}]=[\mathrm{HS^-}]$,$[\mathrm{H_2S}]=2.5\times10^{-2}$ mol/L とすると $[\mathrm{H^+}]^2=K_1[\mathrm{H_2S}]=1.0\times10^{-7}\times2.5\times10^{-2}=2.5\times10^{-9}$。
  2. $[\mathrm{H^+}]=5.0\times10^{-5}$ mol/L より $\mathrm{pH}=5-\log_{10}5=5-(1-0.30)=4.3$。
問2
④
  1. 強い塩基性では $[\mathrm{H_2S}]$ は無視できるので,硫化物イオンが総量の50 % のとき $[\mathrm{S^{2-}}]=[\mathrm{HS^-}]$。
  2. (2)式より $K_2=[\mathrm{H^+}]$,$\mathrm{pH}=-\log_{10}(1.0\times10^{-13})=13.0$。(このとき $[\mathrm{H_2S}]/[\mathrm{HS^-}]=[\mathrm{H^+}]/K_1=10^{-6}$ で,確かに無視できる。)
問3
②
  1. 酸性では硫化物イオンの濃度が小さく,溶解度の小さい硫化物だけが沈殿する。$\mathrm{CuS}$(黒),$\mathrm{PbS}$(黒)が沈殿する。
  2. $\mathrm{ZnS}$(白)と $\mathrm{FeS}$(黒)は酸性では沈殿しない。ナトリウムは硫化物の沈殿をつくらない。→ a,c。
問4
③
  1. 気体の体積は $5.15-1.00=4.15$ L。気体の硫化水素を $n$ mol とすると,圧力は $P=\dfrac{n\times8.3\times10^{3}\times300}{4.15}=6.0\times10^{5}\,n$ Pa。
  2. 溶解量はヘンリーの法則から $0.10\times\dfrac{6.0\times10^{5}\,n}{1.0\times10^{5}}=0.60\,n$ mol。よって気体/溶解 $=\dfrac{n}{0.60\,n}=1.7$ 倍。
類題 第Ⅳ問 沈殿滴定

沈殿滴定に関する次の文章を読み,問1〜問4に答えよ。答えは各問の①から始まる選択肢の中から選べ。

塩化銀は水に溶けにくい塩(難溶性塩)であり,溶けた塩化銀は完全に電離して,溶解度積 $K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{AgCl})=[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]$ が成り立つ。ある水溶液で $[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]$ が $K_{\mathrm{sp}}$ を超えると,塩化銀の沈殿が生じる。

濃度未知の塩化物イオンを含む水溶液に,指示薬として少量のクロム酸カリウム水溶液を加え,濃度既知の硝酸銀水溶液を滴下すると,まず塩化銀の沈殿が生じる。塩化物イオンのほぼ全量が沈殿すると,次に銀イオンがクロム酸イオンと反応してクロム酸銀の沈殿が生じるため,その沈殿の色から滴定の終点が判定できる。

問1 塩化銀,ヨウ化銀,クロム酸銀の沈殿の色が,この順に並んでいるものはどれか。(解答番号 17)
① 白色,白色,赤褐色② 白色,黄色,黄色③ 白色,黄色,赤褐色④ 白色,黄色,濃青色⑤ 黒色,黄色,赤褐色⑥ 黒色,黄色,黄色⑦ 白色,黒色,赤褐色⑧ 黄色,白色,赤褐色⑨ 黄色,白色,濃青色
問2 塩化物イオンと反応して,白色の難溶性の沈殿が生じる陽イオンを,2つ選べ。(解答番号 18)
a $\mathrm{Na^{+}}$  b $\mathrm{Ag^{+}}$  c $\mathrm{Cu^{2+}}$  d $\mathrm{Pb^{2+}}$  e $\mathrm{Zn^{2+}}$
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問3 塩化物イオン濃度が $1.0\times10^{-3}$ mol/L,クロム酸イオン濃度が $9.0\times10^{-3}$ mol/L である混合水溶液に,濃度既知の硝酸銀水溶液をビュレットから滴下するとき,塩化銀の沈殿が生成しはじめる銀イオン濃度と,クロム酸銀の沈殿が生成しはじめる銀イオン濃度は,計算上何 mol/L か。もっとも近い値が順に並んでいるものを選べ。なお,溶解度積は,$K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{AgCl})=1.8\times10^{-10}\ (\mathrm{mol/L})^2$,$K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{Ag_2CrO_4})=3.6\times10^{-12}\ (\mathrm{mol/L})^3$ とする。また,混合水溶液は25℃かつ中性とし,溶液を加えることによる体積変化は無視できるものとする。(解答番号 19)
① $1.8\times10^{-13}$,$4.0\times10^{-10}$② $1.8\times10^{-13}$,$2.0\times10^{-5}$③ $1.8\times10^{-7}$,$4.0\times10^{-10}$④ $1.8\times10^{-7}$,$2.0\times10^{-5}$⑤ $1.8\times10^{-7}$,$6.0\times10^{-5}$⑥ $1.8\times10^{-7}$,$6.0\times10^{-4}$⑦ $1.8\times10^{-4}$,$2.0\times10^{-5}$⑧ $1.8\times10^{-4}$,$6.0\times10^{-4}$
問4 海水を10倍に薄めた試料水10.0 mL に,指示薬としてクロム酸カリウム水溶液を適量加えた。この混合溶液に,$0.100$ mol/L の硝酸銀水溶液をビュレットから滴下すると,5.6 mL を加えたところでクロム酸銀の赤褐色沈殿が確認できた。もとの海水の塩化物イオンのモル濃度は何 mol/L か。もっとも近い値を選べ。(解答番号 20)
① $5.6\times10^{-3}$② $5.6\times10^{-2}$③ $5.6\times10^{-1}$④ 5.6⑤ $5.6\times10$⑥ $1.8\times10^{-1}$
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第Ⅳ問 沈殿滴定 の答えと解説

問1
③
  1. 塩化銀は白色,ヨウ化銀は黄色,クロム酸銀は赤褐色の沈殿。→ ③。(知識問題)
問2
⑥
  1. $\mathrm{Ag^{+}}$ は $\mathrm{AgCl}$(白色),$\mathrm{Pb^{2+}}$ は $\mathrm{PbCl_{2}}$(白色)の沈殿をつくる。$\mathrm{Na^{+}}$,$\mathrm{Cu^{2+}}$,$\mathrm{Zn^{2+}}$ の塩化物は水に溶ける。→ b,d。
問3
④
  1. 塩化銀:$[\mathrm{Ag^+}]=\dfrac{K_{\mathrm{sp}}(\mathrm{AgCl})}{[\mathrm{Cl^-}]}=\dfrac{1.8\times10^{-10}}{1.0\times10^{-3}}=1.8\times10^{-7}$ mol/L。
  2. クロム酸銀:$[\mathrm{Ag^+}]^2[\mathrm{CrO_4^{2-}}]=3.6\times10^{-12}$ より $[\mathrm{Ag^+}]=\sqrt{\dfrac{3.6\times10^{-12}}{9.0\times10^{-3}}}=\sqrt{4.0\times10^{-10}}=2.0\times10^{-5}$ mol/L。
問4
③
  1. 終点で加えた $\mathrm{Ag^{+}}$ は $0.100\times5.6\times10^{-3}=5.6\times10^{-4}$ mol で,これが試料水10.0 mL の $\mathrm{Cl^{-}}$ と等しい。
  2. 薄めた試料水の濃度は $\dfrac{5.6\times10^{-4}}{0.0100}=5.6\times10^{-2}$ mol/L。10倍に薄めてあるので,もとの海水は $5.6\times10^{-1}$ mol/L。
類題 第Ⅴ問 芳香族化合物の合成

次の実験は,ある有機化合物の合成過程を示したものである。これらに関する次の問1〜問4に答えよ。答えは各問の①から始まる選択肢の中から選べ。

実験1.アニリンに無水酢酸を作用させると,有機化合物Aが生じた。

実験2.アニリンを希塩酸に溶かして氷冷(5℃以下)し,亜硝酸ナトリウムの水溶液を加えると,有機化合物Bが生じた。

実験3.2-ナフトールに水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶かし,氷冷しながらBの水溶液を加えると,橙赤色の有機化合物Cが生じた。

問1 有機化合物A,Cとして適切なものを,それぞれ選べ。(Aを21,Cを22に答えよ。)(解答番号 21・22)
① アニリン塩酸塩② ニトロベンゼン③ 塩化ベンゼンジアゾニウム④ 酢酸フェニル⑤ ナトリウムフェノキシド⑥ 2,4,6-トリニトロフェノール⑦ アセトアニリド⑧ p-ヒドロキシアゾベンゼン⑨ N,N-ジメチル-4-アミノアゾベンゼン⑩ 1-フェニルアゾ-2-ナフトール
問2 アニリン,アセトアニリド,アニリン塩酸塩のそれぞれに,ジエチルエーテルと水を加えて分離すると,3つの有機化合物はそれぞれ水層とエーテル層のどちらに移動するか。アニリン,アセトアニリド,アニリン塩酸塩に当てはまるものが順に並んでいるものを選べ。(解答番号 23)
① 水層,水層,水層② 水層,水層,エーテル層③ 水層,エーテル層,水層④ 水層,エーテル層,エーテル層⑤ エーテル層,エーテル層,エーテル層⑥ エーテル層,エーテル層,水層⑦ エーテル層,水層,エーテル層⑧ エーテル層,水層,水層
問3 次の記述のうちから,誤っているものを2つ選べ。(解答番号 24)
a アニリンの水溶液にさらし粉水溶液を加えると,赤紫色を呈する。
b アセトアニリドは,アニリンよりも塩基性が強い。
c 実験2を氷冷せずに行うと,塩化ベンゼンジアゾニウムが分解して,フェノールが生じる。
d アセトアニリドを希塩酸中で加熱すると,アニリン塩酸塩と酢酸が生じる。
e アニリン 0.20 mol と 2-ナフトール 0.30 mol を用いて実験2・3を行い,すべての反応が完全に進むとき,Cは 0.30 mol 生じる。
① a,b② a,c③ a,d④ a,e⑤ b,c⑥ b,d⑦ b,e⑧ c,d⑨ c,e⑩ d,e
問4 p-アミノフェノールに無水酢酸を作用させると,有機化合物A3が生じた(実験4)。また,p-アミノフェノールに希塩酸を作用させると,有機化合物A4が生じた(実験5)。実験1で生じた有機化合物A,A3,A4のうち,塩化鉄(III)水溶液により呈色反応を示すものをすべて選べ。なお,該当するものがない場合には⑧を選べ。(解答番号 25)
① A② A3③ A4④ A,A3⑤ A,A4⑥ A3,A4⑦ A,A3,A4⑧ 該当なし
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第Ⅴ問 芳香族化合物の合成 の答えと解説

問1
⑦⑩
  1. 実験1:アニリンのアミノ基が無水酢酸でアセチル化され,A は アセトアニリド $\mathrm{C_{6}H_{5}NHCOCH_{3}}$(⑦)。
  2. 実験2:ジアゾ化で B は 塩化ベンゼンジアゾニウム。実験3:ジアゾカップリングで,2-ナフトールのナトリウム塩と結びつき,橙赤色の C は 1-フェニルアゾ-2-ナフトール(⑩)。
問2
⑥
  1. アニリンは水に溶けにくい弱塩基性の油状物質で,エーテル層に移動する。アセトアニリドは水に溶けにくい中性の化合物で,エーテル層に移動する。アニリン塩酸塩はイオン性の塩で,水層に移動する。→ エーテル層,エーテル層,水層。
問3
⑦
  1. b アセトアニリドはアミド(窒素の孤立電子対がカルボニル基に引かれる)なので,アニリンよりも塩基性が弱い。誤り。
  2. e Cの量はアニリン(0.20 mol)で決まり,0.20 mol。0.30 mol は誤り。a,c,d は正しい。→ b,e。
問4
⑥
  1. 塩化鉄(III)水溶液による呈色反応は,フェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環に直接付いた $\mathrm{OH}$)をもつ化合物で起こる。
  2. A(アセトアニリド)にはフェノール性ヒドロキシ基がない。A3(p-アセトアミノフェノール)とA4(p-アミノフェノールの塩酸塩)には残っている。→ A3,A4。

※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・符号を変えて作っています(例:第Ⅱ問は塩化ナトリウム→アルミニウムの結晶と硝酸カリウム・硫酸銅(II)の電気分解、第Ⅲ問は炭酸→硫化水素、第Ⅳ問は塩化物イオンと臭化物でなく海水の滴定、第Ⅴ問はフェノール→アニリンを出発物質にした合成)。計算は数値で、異性体と分子式は列挙でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる設問は「要確認」の扱いです。第Ⅴ問(1)の構造式の選択肢は、化合物名の選択肢にしてあります。

CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを50分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

第Ⅰ問(小問集合・8問)
第Ⅱ問(ナトリウムの化合物)
第Ⅲ問(二酸化炭素と炭酸)
第Ⅳ問(沈殿滴定)
第Ⅴ問(芳香族の合成)
FOR PARENTS

保護者の方へ:北里大の化学で知っておきたい3つのこと

① 「広く」「きちんと」の両方が必要
理論・無機・有機と範囲が広く、知識問題の比重も大きい試験です。各分野の基本の計算と性質を、取りこぼさず押さえる準備が得点に直結します。
② 計算は「一本道」で落とさない
結晶格子・濃度・電気分解・電離定数・溶解度積・滴定など、式を立てれば必ず答えが出る問題が並びます。単位と有効数字を確かめる習慣が効きます。
③ 秋からは「答案を見てもらう」
理科2科目で100分という配分は、独学では直しにくい部分です。どこで時間を失ったか、第三者の目で見ると最短で伸びます。
FAQ

よくある質問

Q. 北里大学 医学部の化学2025年度は、どの順番で解くのがよいですか?

TMPSのおすすめは、第Ⅰ問の小問集合を12分、第Ⅱ問(ナトリウムの化合物)を10分、第Ⅲ問(二酸化炭素と炭酸)を10分、第Ⅳ問(沈殿滴定)を8分、第Ⅴ問(芳香族化合物の合成)を10分の合計50分です。本番は理科2科目で100分なので、化学は1科目あたり50分が目安になります。時間配分は受験生の実力で変わるため、あくまでTMPSの目安です。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。

Q. 計算の答えは、どうやって確かめていますか?

本番の計算問題は、pythonで有効数字・単位まで再計算し、pHは電荷収支の厳密解、油脂の分子式と異性体の数はRDKitによる列挙で、独立に確かめています。ただし、用語や性質の真偽(金属・酸塩基・電池・気体・肥料の記述、沈殿の色など)と、図を読んで決めた箇所はスクリプトでは確かめられないため、「要確認」と明記しています。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2025年度と同じ5大問・同じ解答番号の数(1〜25)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。入試問題そのものではありません。

Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?

公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

安心安全・継続更新システム

問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。

受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。

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