実験2は、BaCl₂でCO₃²⁻を沈殿として取り除くので、残ったNaOHだけを滴定したことになります。実験1との差が、炭酸ナトリウムが受け持った分です。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:①または②を60分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を各60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。空欄の番号(1・2・…)は、本番の解答欄との対応を示すためのものです。※ 計算問題・反応式は検算済みです。知識問題(用語・正誤)は計算で確かめられないため、「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の帝京大の化学
- ✅ 一次選考は英語(必須)+5科目から2科目。数学・理科・国語から選ぶ2科目は120分。化学は1セット60分が目安です。
- ✅ ①②の各4大問、計8大問。数字・選択肢を1つずつマークする形式が中心で、各セットに反応式や構造式の記述が含まれます。
- ✅ 理論・有機・無機・高分子をまんべんなく。①は滴定、芳香族と油脂、電子配置、糖とアミノ酸。②はイオン交換膜法、C₄の異性体、金属と錯イオン、高分子と生体物質。計算は整数比にそろうものが多く、落ち着いて処理すれば取れます。
- ✅ 知識の正誤・用語は短時間で。電子配置の用語、糖・アミノ酸、酵素・タンパク質などは、迷ったら印を付けて、計算問題を先に取りましょう。
60分の立ち回りマップ(①・②それぞれ)
時間はTMPSの目安です。理科2科目120分のうち、化学に半分を使う場合の配分で、解く順番と「捨てどころ」をセットで覚えておきましょう。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算問題・反応式は、スクリプトで独立に確かめています(結果は下の注記)。
①大問1
①大問2
①大問3
①大問4
②大問1
②大問2
②大問3
②大問4
※ 検算:計算問題と反応式の原子数・電荷の保存を確かめ(RDKitで構造・異性体の数も確認)、すべて一致しました(64項目)。
採点したら → 30秒の得点診断へ【化学①】
①大問1 中和滴定と指示薬 ── 「どの終点まで滴定したか」を先に決める
NaOH+Na₂CO₃の混合物、指示薬の変色域、(NH₄)₂SO₄+NaNO₃の混合物の3つの定量です。どの指示薬でどこまで滴定したかを決めれば、あとは物質量の引き算で、計算はどれも整数比でそろいます。
問1混合物の組成(記述+空欄1〜6)
水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合水溶液を、実験1ではメチルオレンジ、実験2では塩化バリウムで炭酸イオンを沈殿させてからフェノールフタレインで、塩酸滴定する。
- (a) 下線部の反応を化学反応式で書く(記述)
- (b) 混合物中の炭酸ナトリウムの質量パーセントを、小数点以下第1位まで(空欄1〜3)
- (c) 実験1で生成した塩化ナトリウムの質量を、小数点以下第2位まで(空欄4〜6)
メチルオレンジでは Na₂CO₃ は $\text{CO}_3^{2-}+2\text{H}^+$ と2段階とも中和されるので、HClの物質量は NaOH+2×Na₂CO₃。よって Na₂CO₃ は $0.050$ mmol(10 mL中)。
0.880+0.053=0.933 g が与えられた質量と一致するので、答えの確認にもなります。
問2指示薬の変色域(空欄7〜22)
指示薬を弱酸HAとして、$[\text{HA}]/[\text{A}^-]$ の比が0.1〜10の範囲で変色すると定義し、変色域のpHを式から求める。
- (a) 空欄7・8・15・16:HAの色とA⁻の色を、色の選択肢から選ぶ
- (b) 空欄9〜14(フェノールフタレイン)、17〜22(メチルオレンジ):変色域の下限・上限を小数点以下第1位まで
$K_a=\dfrac{[\text{H}^+][\text{A}^-]}{[\text{HA}]}$ より $[\text{H}^+]=K_a\cdot\dfrac{[\text{HA}]}{[\text{A}^-]}$。比が0.1〜10なので、$\text{pH}=\text{p}K_a\pm1$ です。
色は酸性側のHAの色=フェノールフタレイン:無色/メチルオレンジ:赤色、塩基性側のA⁻の色=フェノールフタレイン:赤色/メチルオレンジ:黄色。
問3硫酸アンモニウムと硝酸ナトリウムの混合物(記述・空欄23〜26)
混合物にNaOHを加えて加熱し、発生した気体(アンモニア)を一定量の硫酸に吸収させ、余った硫酸をNaOHで滴定する逆滴定の問題。
- (a) 発生した気体Aの物質量を、有効数字3桁の指数表記で(記述)
- (b) 逆滴定に適する指示薬を、メチルオレンジかフェノールフタレインから選ぶ(空欄23)
- (c) 混合物中のNaNO₃の質量パーセントを小数点以下第1位まで(空欄24〜26)
- (d) 気体Aの工業的製法の名前を答える(記述)
硫酸は2価の酸なので、H⁺の物質量で数えます。NH₃が減らしたH⁺の分だけ、NaOHの必要量が減ったと考えます。
終点には、強酸の余りが完全に中和されて、弱塩基NH₃が硫酸と生じたNH₄⁺の塩が残ります。そのため液性は弱酸性側にずれ、メチルオレンジが適切です。
(d) 窒素と水素から触媒(鉄系)を使って合成する方法はハーバー・ボッシュ法。
①大問1:滴定の型
| 場面 | 考え方 | 一言 |
|---|---|---|
| NaOH+Na₂CO₃(メチルオレンジ) | HCl = NaOH + 2Na₂CO₃ | 2段階とも中和 |
| BaCl₂を加えて滴定 | NaOHだけを滴定 | 炭酸イオンは沈殿で除く |
| 逆滴定(NH₃) | H⁺の総量 − 余ったH⁺ = NH₃ | 2価の酸は×2を忘れない |
🩺【自己診断】①大問1で手が止まった人への処方箋
- 問1混合物の量が出ない → 実験2のNaOH量を先に出し、実験1との差を2で割る
- 問2変色域が出ない → $\text{p}K_a\pm1$ と覚える。酸性側の色が「HAの色」
- 問3逆滴定で桁を間違える → 10 mLと100 mLの倍率を、書き込んでから計算する
①大問2 有機化合物の構造決定 ── 芳香族と油脂の定量
前半は分子式C₇H₈Oの3つの芳香族化合物、後半は油脂Aの分子量・構成脂肪酸・水素付加量を求める問題です。定性反応で官能基を決め、定量データで炭素数を決めるという、有機の王道の進め方です。
問1C₇H₈Oの3つの芳香族化合物(空欄1〜3・構造式の記述)
3つの化合物が物質量比7:4で二酸化炭素と水を生じる、金属Naとの反応、水酸化ナトリウム水溶液への溶解性、アセチル化→酸化→加水分解で医薬品原料(サリチル酸)に至る経路から構造を決める。
- (a) 化合物A、B、Cの分子式 C₇H₈O の添字を答える(空欄1〜3)
- (b) A、B、Cの構造式を、ベンゼン環に直接結合した水素を省略して書く(記述)
完全燃焼で CO₂ : H₂O = 7 : 4(物質量比)。C は CO₂ と同数、H は H₂O の2倍なので $\text{C}:\text{H}=7:(4\times2)=7:8$。分子量108から酸素は1個です。
A:Naと反応して水素を発生し、NaOH水溶液には溶けない → ベンジルアルコール($\text{C}_6\text{H}_5\text{CH}_2\text{OH}$)。
B:Naと反応しない → アニソール(メチルフェニルエーテル)。
C:NaOHによく溶ける → フェノール類。アセチル化→酸化→加水分解でサリチル酸になるので、隣り合う2つの置換基をもつ o-クレゾール。
問2油脂Aの構造と水素付加量(空欄4〜19)
KOHによるけん化の量、ヨウ素付加量、中和滴定を使い、油脂A(飽和脂肪酸B 2分子+不飽和脂肪酸C 1分子)の分子量と構成を決める。
- (a) 油脂Aの分子量(空欄4〜7)
- (b) 飽和脂肪酸Bの示性式 $\text{C}_{8\,9}\text{H}_{10\,11}\text{COOH}$ の数値(空欄8〜11)
- (c) 不飽和脂肪酸Cの示性式の数値(空欄12〜15)
- (d) 油脂100 g中の二重結合を還元するのに必要な水素の体積(標準状態)を指数表記で(空欄16〜19)
けん化:油脂1 mol に KOH 3 mol。60.0 g 中に KOH $14.0/56.0=0.250$ mol が必要。
Bの中和:$0.640\ \text{g}\ /\ (0.100\times32.0\times10^{-3}\ \text{mol})=200$ より $M_B=200$ → $\text{C}_{11}\text{H}_{23}\text{COOH}$(ラウリン酸)。
ヨウ素付加:油脂70.0 g は $70.0/720=0.0972$ mol、ヨウ素は $24.7/254=0.0972$ mol。油脂1分子あたり C=C が1個。Cは1個の二重結合をもつ。
①大問2:油脂の数字
| 手がかり | 求めるもの | 式 |
|---|---|---|
| けん化に必要なKOH | 油脂の分子量 | $M=\dfrac{w}{n_{\text{KOH}}/3}$ |
| ヨウ素付加量 | C=Cの数 | $n_{\text{I}_2}/n_{\text{油脂}}$ |
| 脂肪酸の中和 | 脂肪酸の分子量 | $M=\dfrac{w}{n_{\text{KOH}}}$ |
🩺【自己診断】①大問2で手が止まった人への処方箋
- 問1構造が決まらない → 官能基を「Naと反応」「NaOHに溶ける」の2つで分ける
- 問2分子量が合わない → 油脂1分子にKOH 3分子、が抜けていないか確認
- (d)指数表記の桁 → 空欄19の「0」を省略しない指示を見落とさない
①大問3 電子殻・電子軌道・電子配置 ── 用語と構成原理の問題
電子殻、s・p・d軌道、構成原理、電子配置の書き方を、文章を読んで答える問題です。計算はなく、用語・電子配置の書き方・鉄のイオンの配置がすべてです。短く確実に取りましょう。
問1〜4電子殻・電子軌道にかかわる用語(空欄1〜12)
漢字を選択肢から1文字ずつ選ぶ形式で、語の文字数が空欄の数より少ないときは、先頭の空欄に指定の記号を入れるという独自のルールがある。
- 問1:原子中で最も外側の電子殻にある電子の名称(空欄1〜3)
- 問2:最外殻がすべて電子で満たされた非常に安定な配置の名称(空欄4〜6)
- 問3:族番号が同じ原子の化学的性質に影響する電子の名称(空欄7〜9)
- 問4:1つの軌道に電子が1つしか入っていない状態の電子の名称(空欄10〜12)
問1:最外殻電子、問2:閉殻構造、問3:価電子、問4:不対電子。
問5核からの引力の大小(空欄13)
有効核電荷の考え方。内側の電子は、外側の電子より、核の正電荷を強く感じる。
- 空欄13:原子番号3以上の原子で、1s軌道の電子1個と2s軌道の電子1個が、原子核から受ける引力の大小として正しいものを選ぶ(該当なしは⑥)
2s軌道の電子は、1s軌道の電子が核の電荷を一部隠す(遮蔽)ので、実質の電荷が小さくなります。したがって1s軌道の電子の方が、核から強い引力を受けます。
問6〜10電子配置(空欄14・15・記述)
構成原理に従って電子を詰めた配置を書く。問9・10は、軌道ごとの□に電子を2個なら両方塗り、1個なら左側を塗る(フントの規則)。
- 問6:Fの電子配置を選ぶ(空欄14)
- 問7:Sの電子配置を選ぶ(空欄15)
- 問8:Kの電子配置を、枠で囲む形式の記述で答える
- 問9:Feの電子配置を、3d軌道と4s軌道の□に、塗りつぶし方のルールどおりに記入する
- 問10:Fe³⁺の電子配置を、同じ方法で記入する
Feは26個の電子。Arの配置(18個)の外に8個。4sの方が3dよりエネルギー準位が低いので 4s に2個、3d に6個。3dは5つの□のうち最初の1つが2個、残り4つが1個ずつです。
Fe³⁺は外側の4sの2個と3dの1個を失うので、3dは5個(5つの□に1個ずつ)、4sは空になります。
①大問3:電子配置の約束
| 項目 | 内容 | 一言 |
|---|---|---|
| 入る順 | 1s<2s<2p<3s<3p<4s<3d<4p | 紙に書き出す |
| 同じエネルギーの軌道 | 1個ずつ入ってから2個目 | フントの規則 |
| 陽イオン | 最も外側の殻から失う | Fe³⁺は4sが先 |
🩺【自己診断】①大問3で手が止まった人への処方箋
- 用語漢字表のマークで迷う → 先に用語を決め、あとから文字を1つずつ拾う
- 問9塗りつぶしの形式で迷う → 例の図のとおり、1個なら左側、2個なら両方
- 問10Fe³⁺で3dと4sの数が逆になる → 外側の4sから先に失うと覚える
①大問4 糖・アミノ酸 ── 正誤と定量が混ざる総合問題
糖の構造と反応(問1)、グルタミン酸の液性と等電点(問2・3)、アミノ酸エステル化の定量とトリペプチドの決定(問4)です。知識の正誤は短時間で、計算は確実にという配分が肝心です。
問1糖の構造と反応(空欄1〜6・記述)
糖類の構造・分解酵素・発酵・還元性の知識と、エタノールの質量計算を組み合わせた問題。
- (a) α-グルコースとβ-グルコースの構造式中の置換基の組み合わせを選ぶ(空欄1)
- (b)(c) インベルターゼ、ラクターゼで分解されるときの単糖の組み合わせ(空欄2・3)
- (d) グルコース1.00×10³ gをアルコール発酵させたときのエタノールの最大質量(空欄4)
- (e) フェーリング液の液性(空欄5) (f) フェーリング液と反応して赤色沈殿を生じないもの(空欄6)
- (g) 還元反応で酸化される原子の元素名を漢字2文字で(記述)
(b) スクロースは、インベルターゼでグルコース+フルクトースに分解される。(c) ラクトースは、ラクターゼでガラクトース+グルコース。
(e) フェーリング液は塩基性。(f) 赤色沈殿(Cu₂O)をつくるのは還元性のある糖で、スクロースは非還元糖なので生じない。(g) アルデヒド基が酸化されてカルボキシ基になるので、酸化されるのは炭素原子。
(a) は、α型とβ型でC1位のOHの向きだけが違うことと、[あ]〜[え]のうち環の上下の置換基の位置から決めます。答えは下の欄に示します(図の読み取りのため、要確認)。
問2・3グルタミン酸の等電点とアミノ酸の電離平衡(空欄7〜9)
酸性アミノ酸の液性と、陽イオン・双性イオン・陰イオンの2段階電離から、等電点を式で出す。
- 問2:グルタミン酸水溶液のpHを正確に等電点にするために加えるものを選ぶ(空欄7)
- 問3(a):等電点での水素イオン濃度を $K_1,K_2$ で表した式(空欄8)
- 問3(b):$K_1=10^{-2.33},K_2=10^{-9.61}$ の中性アミノ酸Gの等電点(空欄9)
問2:水溶液は酸性だが、平均してわずかにマイナスの電荷をもつ。等電点にするには、水素イオンを少し増やしてマイナスの電荷を打ち消す必要があるので、塩酸を加える。
問4アミノ酸エステルの定量とトリペプチド(空欄10・11)
アミノ酸のエステル化(塩酸塩の生成)の質量計算と、検出反応・等電点の情報からアミノ酸を特定する。
- (a) グリシン7.50 gを十分量のエタノールと塩酸と反応させて生じる化合物の最大質量(空欄10)
- (b) トリペプチドAを構成する3種のアミノ酸の組み合わせ(空欄11):硫黄の検出反応、等電点、Yのエステル化の質量の3つの手がかりから決める
(b) 加熱後に酢酸鉛(Ⅱ)で黒色沈殿 → 硫黄をもつシステイン(エ)。等電点は5.07(システイン)、6.00(中性アミノ酸)、9.75(塩基性アミノ酸=リシン(カ))。Y(等電点6.00)の35.6 gが最大61.4 gの塩酸塩になる条件から、Yの分子量を確かめます。
①大問4:糖・アミノ酸
| 項目 | 要点 | 一言 |
|---|---|---|
| インベルターゼ | スクロース→グルコース+フルクトース | 転化糖 |
| ラクターゼ | ラクトース→ガラクトース+グルコース | 乳糖 |
| 等電点 | $\dfrac{\text{p}K_1+\text{p}K_2}{2}$ | 酸性・塩基性アミノ酸は別の式 |
🩺【自己診断】①大問4で手が止まった人への処方箋
- 問1知識で迷う → 印を付けて飛ばし、(d)の計算から取る
- 問3等電点の式を忘れた → 陽イオンと陰イオンの濃度が等しい、から $[\text{H}^+]^2=K_1K_2$
- 問4Yが決まらない → 61.4 gを満たす分子量を、候補のアミノ酸から確かめる
【化学②】
②大問1 イオン交換膜法の電気分解 ── 電気量から濃度変化を読む
陽イオン交換膜・陰イオン交換膜で4つの室に仕切った電解槽で、電流・濃度変化・pHを調べる問題です。流れた電気量 → 膜を通ったイオンの物質量 → 各室の濃度の順に追えば、計算は一本道です。
問1電極の気体と反応式(記述)
塩化ナトリウム水溶液の電気分解。陽極では塩化物イオンが酸化され、陰極では水が還元される。
- あ:陽極(炭素)から発生する気体 い:陰極(鉄)から発生する気体の化学式
- う:発生した気体の一部が水と反応して、I室のpHを変化させる反応式
問2電流(空欄1〜3)
IV室で発生した水素の体積から物質量を出し、そこから通じた電気量と電流を求める。
- 実験A、Bで用いた電流を、小数点以下第3位を四捨五入して小数点以下第2位まで(空欄1〜3)。4.00時間通電し、IV室の気体(水素)は 1.013×10⁵ Pa、20.0 ℃ で 1.20 L
問3実験A:II室・III室の濃度(空欄4〜9)
全室0.100 mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(各2.00 L)。I室のNa⁺がII室へ、III室のCl⁻がII室へ移り、III室のNa⁺がIV室へ移る。
- 実験Aの通電後のNaCl濃度を、II室(空欄4〜6)、III室(空欄7〜9)で、それぞれ小数点以下第3位まで(mol/L)
通じた電気量は、電子 $\dfrac{0.67\times4.00\times3600}{9.65\times10^4}=0.0998\ \text{mol}$ 分。II室は Na⁺ と Cl⁻ が0.0998 molずつ増える、III室は Na⁺ と Cl⁻ が同量減るので、濃度の変化は $0.0998/2.00=0.0499$ mol/L。
問4・5実験B:pHの大小と差(空欄10〜15)
各室の液性(酸性・塩基性)を見極めて大小を決める。II室とIII室は同じ塩の濃度の違いだけで、pHの差が決まる。
- 実験B:I室とIV室は0.100 mol/Lの塩化ナトリウム、II室とIII室は0.100 mol/Lの酢酸ナトリウムを各2.00 L入れ、同じ電流で同時間通電
- 問4(1)I室とII室、(2)II室とIII室、(3)III室とIV室のpHの大小(空欄10〜12)
- 問5:電解後のII室とIII室のpHの差の絶対値を小数点以下第2位まで(空欄13〜15)
I室は陽極で Cl₂ が発生し、一部が HCl と HClO になって酸性。II室とIII室は酢酸ナトリウムで弱塩基性。IV室は水素の発生とNa⁺の流入で強塩基性(NaOH)。
実験Bでも移動する電気量は同じなので、II室の酢酸ナトリウムは0.150 mol/L、III室は0.050 mol/Lになります。酢酸ナトリウムの加水分解で $[\text{OH}^-]=\sqrt{K_h c}$ なので、pHの差は濃度比の平方根だけで決まります。
②大問1:イオン交換膜法
| ステップ | 内容 | 一言 |
|---|---|---|
| 電気量 | $Q=It=2n_{\text{H}_2}F$ | 電子のmolで考える |
| 移動量 | 電子1 molで、陽イオン・陰イオン各1 mol(1価) | 各室の体積で割る |
| pH | 塩の加水分解:$\Delta\text{pH}=\tfrac12\log(c_1/c_2)$ | K_hによらない |
🩺【自己診断】②大問1で手が止まった人への処方箋
- 問2電流が合わない → 水素のmolを2倍して電子のmolに直す。温度はKに
- 問3濃度が逆になる → 陽イオンがI→II、陰イオンがIII→IIに動く、と図に矢印
- 問5pH差が出ない → 加水分解の式 $[\text{OH}^-]=\sqrt{K_hc}$ から、濃度比の平方根の対数
②大問2 異性体と構造決定 ── C₄H₁₀O、C₄H₈O、C₄H₈O₂
分子式C₄H₁₀Oの4種のアルコール、C₄H₈Oの鎖状化合物、C₄H₈O₂のエステルを、反応の情報から決める問題です。どの反応でどの型のアルコールかが決まることを、一度表にしておけば、あとは整理するだけです。
問1C₄H₁₀Oの4種のアルコール(空欄1〜5・記述)
4種の化合物A〜Dがすべて金属Naと反応し(アルコール)、二クロム酸カリウムとの反応でA:反応せず、B・C:異なるカルボン酸、D:ケトンになる。Dを脱水するとアルケンF(シス・トランス異性体)とGができる。
- (a) アルケンF・G以外のC₄H₈の構造異性体のうち、不飽和でないもの・不飽和なものの種類数(空欄1・2)
- (b) 下線部(化合物Eのヨードホルム反応)の化学反応式の物質(記述)
- (c) (ア)〜(ウ) の正誤(空欄3)
- (d) C₄H₁₀Oの異性体のうちNaと反応しないものの種類数と、そのうち2種のアルコールの縮合で得られるものの数(空欄4・5)
| 化合物 | 反応 | 構造 |
|---|---|---|
| A | 二クロム酸で酸化されない | 第三級:2-メチル-2-プロパノール |
| B | カルボン酸(脱水でGと同じアルケン) | 第一級:1-ブタノール |
| C | 別のカルボン酸 | 第一級:2-メチル-1-プロパノール |
| D | ケトンEを生じる、脱水でF・G | 第二級:2-ブタノール |
D(2-ブタノール)の脱水で、2-ブテン(F:シス・トランス)と1-ブテン(G)が生じます。Gは、B(1-ブタノール)の脱水でも得られるので、Bは1-ブタノールと決まります。
(a) C₄H₈の異性体は、1-ブテン、2-ブテン(シス・トランスは同じ構造異性体)、2-メチルプロペン、シクロブタン、メチルシクロプロパンの5種。F・Gを除くと、不飽和でないもの2種(シクロブタン・メチルシクロプロパン)、不飽和1種(2-メチルプロペン)。
(b) Eは2-ブタノン。ヨードホルム反応(CH₃CO− をもつ)で黄色のヨードホルムCHI₃が生じる。
(c) (ア) 不斉炭素をもつのはD(2-ブタノール)のみ → 正。(イ) G(1-ブテン)にBr₂を付加させると、1,2-ジブロモブタン(不斉炭素1個)→ 正。(ウ) G(1-ブテン)に水を付加させるとマルコフニコフ則により主に2-ブタノール(D)が生じ、BやCは主生成物にならない → 誤。
(d) Naと反応しないのはエーテル:メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルの3種。このうち2種類のアルコールの縮合で得られる(左右が異なる)のは、メチルプロピル、メチルイソプロピルの2種(ジエチルは、エタノール1種からの縮合)。
問2C₄H₈Oの鎖状化合物(空欄6〜14)
二重結合の炭素に直接ヒドロキシ基がついたもの(エノール型)を除く、C₄H₈Oの鎖状構造。アルデヒド(フェーリング・銀鏡反応を示す)、ケトン、不飽和アルコール、エーテルがある。
- (a) フェーリング反応で銅の酸化数が何から何に、銀鏡反応で銀の酸化数が何から何に変化するか(空欄6〜13)
- (b) (ア)〜(ウ) の正誤(空欄14)
フェーリング反応は Cu²⁺(酸化数+2)→ Cu₂O(酸化数+1)、銀鏡反応は Ag⁺(+1)→ Ag(0)。酸化数の答え方のルールに合わせてマークします。
(ア) 不飽和アルコールで不斉炭素をもつのは3-ブテン-2-オール1種のみ → 正。(イ) 問1(b)下線部(ヨードホルム反応)を示すカルボニル化合物は、C₄H₈Oでは2-ブタノンのみ → 正。(ウ) シス・トランス異性体をもつ化合物には、Naと反応しないエーテル(メチルプロペニルエーテル)も含まれる → 誤。
問3C₄H₈O₂のエステルX・Y(記述)
加水分解で、Xはカルボン酸Hとアルコール I、Yはカルボン酸Jとアルコール K。Hはフェーリング反応を示し、Iはヨードホルム反応を示す。Kはどちらの反応も示さず、酸化するとJと異なるカルボン酸になる。
- エステルX・Yの構造式を、例にならって書く(記述)
Hはフェーリング反応を示す → ギ酸。Iはヨードホルム反応を示す → 2-プロパノール。よって X = ギ酸イソプロピル。
Kはヨードホルム反応を示さない第一級 → メタノール(酸化するとギ酸)。Jはギ酸と異なるカルボン酸で、炭素数の合計からプロピオン酸。よって Y = プロピオン酸メチル。
②大問2:アルコールの見分け
| 型 | 二クロム酸 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第一級 | アルデヒド→カルボン酸 | Bの1-ブタノール、Cの2-メチル-1-プロパノール |
| 第二級 | ケトン | Dの2-ブタノール(不斉炭素) |
| 第三級 | 酸化されない | Aの2-メチル-2-プロパノール |
🩺【自己診断】②大問2で手が止まった人への処方箋
- 問1A〜Dの割り当てで迷う → 「酸化されない」が第三級、ケトンが第二級、カルボン酸が第一級
- (d)数え上げで抜ける → 骨格→官能基の順に書き出す。重複は同じ構造か確認
- 問3エステルが決まらない → HとIの反応から、酸とアルコールを別々に決めてつなぐ
②大問3 金・銀・銅と王水 ── 反応式・錯イオン・結晶
金・銀・銅(11族)と酸の反応、王水、錯イオンの立体構造、イリジウムの密度を扱う問題です。反応式の係数は「原子数の保存」で機械的に決められるので、そこで点を落とさないことが一番です。
問1・211族と銀の溶解(空欄1〜12・記述)
貴金属の溶け方の違い。銀は希硝酸ではNO、濃硝酸ではNO₂を生じる。
- 問1:金、銀、銅は周期表の何族か(空欄1・2:十の位、一の位)
- 問2(ア):銀を希硝酸・濃硝酸に溶かしたときの化学反応式の係数と、生成物(あ・い)(空欄3〜12・記述)
- 問2(イ):希硝酸でも い が生成し得る。い と う の反応で あ が生じる。う にあてはまる物質の化学式(記述)
希硝酸でもNO₂は一時的に生じ、NO₂が水と反応してNOができる、という関係です。う にあてはまるのは水(H₂O)。
問3王水による金の溶解(空欄13〜19)
濃硝酸が金をわずかに溶かして生じたAu³⁺が、Cl⁻と錯イオン [AuCl₄]⁻ を形成して消費されるので、金のイオン化が進む。
- 金が王水に溶けるときの化学平衡式 Au + HNO₃ + HCl ⇄ [AuCl₄]⁻ + H₃O⁺ + H₂O + い の係数(空欄13〜19)。い は問2(ア)と同じ物質
原子数:Au 1、N 3、Cl 4。電荷は右辺で $-1+1=0$。H は左 $3+4=7$、右 $3+4=7$。O は左 $9$、右 $1+2+6=9$。
問4〜6錯イオンの立体配置・イリジウムの密度・銀の不動態(空欄20〜22)
立体配置の判断、結晶構造からの密度比、銀と塩化物イオンの反応の知識。
- 問4:平面四角形の Pt²⁺ の錯体のうち、立体配置が複数考えられるものを1つ選ぶ(空欄20)
- 問5:イリジウムの単体の密度が、銅の単体の何倍か(空欄21)。両方とも面心立方格子
- 問6:銀が王水に溶けない理由となる、表面に生じる膜の物質(空欄22)
問4:平面四角形で、同じ配位子が2つ、別の配位子が2つあると、シス型・トランス型の2種類ができる → $[\text{PtCl}_2(\text{NH}_3)_2]$(③)。他は配位子の並びが1通りしかない。
問5:面心立方格子は単位格子あたり4原子で、格子の一辺 $a=2\sqrt2\,r$。密度は $\dfrac{4M}{N_Aa^3}$ なので、質量比と体積比から次のように。
問6:銀は王水中の Cl⁻ と反応して、水に溶けにくい塩化銀(AgCl)の膜が表面にでき、それ以上溶けない。
②大問3:貴金属と酸
| 金属 | 酸 | ポイント |
|---|---|---|
| Ag | 希硝酸 → NO、濃硝酸 → NO₂ | 塩酸には溶けない(AgCl) |
| Au | 王水(濃硝酸:濃塩酸=1:3) | [AuCl₄]⁻ の錯イオン |
| Pt | 王水 | [PtCl₆]²⁻ や [PtCl₄]²⁻ |
🩺【自己診断】②大問3で手が止まった人への処方箋
- 問2・3係数が合わない → Ag(Au)→N→Hの順にそろえ、酸素で確かめる
- 問4立体配置の判断 → 同じ配位子が2つずつ以上あるかを見る
- 問5密度比 → 原子量比×(半径比)³の形で、1個ずつの量に分けて考える
②大問4 高分子・生体物質 ── 正誤4問と分解量の計算
糖・アミノ酸、合成高分子、タンパク質、酵素の正誤(問1〜4)と、ポリグリコール酸の重合度・分解量の計算(問5)です。正誤は「正しいもの1個」を探す形で、1つずつ確実に判断します。
問1・2糖・アミノ酸・合成高分子の正誤(空欄1〜12)
教科書の基本事項を、1つずつ正誤判定する。
- 問1:(a)〜(f)の記述を、正しいなら①、誤りなら⓪とマーク(アミロペクチン、セルロース、トレハロース、中性アミノ酸、天然ゴム、ビウレット反応)
- 問2:(a)〜(f)の記述の正誤(ポリエチレンテレフタラート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリビニルアルコール、アセチルセルロース、ポリアセチレン)
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 問1(a) 直鎖状の比較的低分子のデンプン=アミロペクチン | 誤 | 直鎖状はアミロース。アミロペクチンは枝分かれ |
| (b) セルロースはα-グルコースが直鎖状に結合 | 誤 | β-グルコース |
| (c) トレハロースは還元性を示す | 誤 | 非還元糖 |
| (d) 中性アミノ酸を水に溶かすとpH 7.0 | 誤 | 厳密には7.0にならない |
| (e) 天然ゴムはイソプレンの縮合(付加重合)で得られる | 正 | イソプレンの重合体 |
| (f) タンパク質水溶液+塩基+薄い硫酸銅(Ⅱ)で黄色 | 誤 | ビウレット反応は赤紫色(黄色はキサントプロテイン反応) |
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 問2(a) PETはカルボン酸とアルコールの縮合重合 | 正 | テレフタル酸とエチレングリコール |
| (b) ポリ乳酸は自然環境で分解されない | 誤 | 生分解性 |
| (c) ポリアミド系合成繊維を一般にナイロンとよぶ | 正 | |
| (d) ポリビニルアルコールは水溶性 | 正 | |
| (e) アセチルセルロースの膜は人工透析などに使われる | 正 要確認 | 透析膜の素材の知識 |
| (f) ポリアセチレンにヨウ素を添加すると導電性 | 正 | ドーピング |
問3・4タンパク質・酵素の正誤(空欄13・14)
5つの文の正誤の組み合わせを、一覧表から選ぶ。
- 問3:(ア)〜(オ)の正誤を、正誤表から選ぶ(空欄13)
- 問4:酵素の(ア)〜(オ)の正誤を、正誤表から選ぶ(空欄14)
| 問3 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (ア) ペプチド結合・ポリペプチド構造 | 正 | |
| (イ) α-ヘリックス、β-シートは水素結合で安定 | 正 | 二次構造 |
| (ウ) 加水分解でアミノ酸以外も生じるものを単純タンパク質 | 誤 | 複合タンパク質 |
| (エ) ヘモグロビンは四次構造をもたない | 誤 | 4つのサブユニットからなる四次構造 |
| (オ) NMR、X線結晶構造解析などで解析 | 正 |
| 問4 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (ア) 反応特異性を示さず基質特異性を示す | 誤 | 両方を示す |
| (イ) 活性化エネルギーを下げる | 正 | 触媒 |
| (ウ) 酵素-基質複合体を形成する反応は一般に平衡反応 | 正 | |
| (エ) 酵素阻害剤は医薬品に利用されていない | 誤 | 阻害剤は医薬品に利用される |
| (オ) 最適pHはすべて中性付近 | 誤 | ペプシンは酸性側など |
問5ポリグリコール酸の重合度と分解(記述)
ポリグリコール酸の繰り返し単位 −OCH₂CO− の式量(58.0)から、重合度と、完全分解(酸化)の物質量を出す。
- (a) 平均分子量2.031×10⁵のポリグリコール酸の平均重合度を、有効数字3桁の指数表記で
- (b) ポリグリコール酸290.1 gが完全に分解したときに生じる水の質量(g)と二酸化炭素の体積(標準状態、L)を、有効数字3桁の指数表記で
完全に分解されるとき、単位1 mol あたり CO₂ 2 mol と H₂O 1 mol が生じます。290.1 g は $290.1/58.02=5.00$ mol。
②大問4:高分子・生体物質
| 項目 | 要点 | 一言 |
|---|---|---|
| デンプン | アミロース(直鎖)、アミロペクチン(枝分かれ) | セルロースはβ-グルコース |
| タンパク質 | 単純/複合、一次〜四次構造 | ヘモグロビンは四次構造あり |
| 酵素 | 基質特異性・反応特異性、最適pHはさまざま | 阻害剤は医薬品にも利用 |
🩺【自己診断】②大問4で手が止まった人への処方箋
- 問1〜4正誤で迷う → 教科書の定番の形(アミロースとアミロペクチンなど)から決める
- 問5重合度が合わない → 繰り返し単位の式量58.0で割る。水素は1.01
- (b)体積と質量を取り違える → 物質量を先に出して、×22.4と×18.0
帝京大2026型 そっくり類題セット
(①型・②型 全8大問・解答解説つき)
2026年度の①②と同じ4大問・同じ小問構成で、数値と設定を変えたTMPSオリジナル問題です。型を使い切る力と計算・知識の正確さの練習に使ってください。
印刷して本番と同じように各60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 帝京大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
類題① (①型)
以下の各問いに答えなさい。
(実験1)X を 10.0 mL はかりとり,メチルオレンジを指示薬として 0.100 mol/L の塩酸で滴定したところ,26.0 mL 必要であった。
(実験2)X を 10.0 mL はかりとり,塩化バリウム $\mathrm{BaCl_{2}}$ 水溶液を十分に加えて $\mathrm{BaCO_{3}}$ の沈殿を完全に生じさせた。沈殿をろ過して除いたあと,ろ液にフェノールフタレインを指示薬として加え,0.100 mol/L の塩酸で滴定したところ,18.0 mL 必要であった。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
ブロモチモールブルーは $K_a=1.00\times10^{-7}$ mol/L の弱酸で,水溶液中の HA の色は 7,A⁻ の色は 8 である。その変色域を(式1)から求めると,9 10 . 11 ≦ pH ≦ 12 13 . 14 となる。
また,メチルレッドは $K_a=2.00\times10^{-5}$ mol/L の弱酸で,HA の色は 15,A⁻ の色は 16 である。その変色域は 17 18 . 19 ≦ pH ≦ 20 21 . 22 となる。ただし $\log_{10}2.0=0.301$ とする。
① 無色 ② 緑色 ③ 青色 ④ 赤色 ⑤ 黄色 ⑥ 黒色 ⑦ 紫色
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
(実験1)Y を 10.0 mL はかりとり,水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱したところ,気体 A が発生した。発生した気体 A は,0.100 mol/L の硫酸 10.0 mL にすべて吸収させた。
(実験2)気体を吸収させた硫酸を指示薬 B を用いて 0.200 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ,8.00 mL 必要であった。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
▶ 類題① 大問1 の答えと解説を見る
類題① 大問1 の答えと解説
- $\mathrm{CO_{3}^{2-}}$ と $\mathrm{Ba^{2+}}$ が結びつき,水に溶けにくい $\mathrm{BaCO_{3}}$ が沈殿する。Na と Cl は $\mathrm{NaCl}$ として溶液に残る。
- 実験2は $\mathrm{NaOH}$ だけを滴定している:$0.100\times18.0=1.80$ mmol。実験1は $\mathrm{NaOH}$ と $\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$(2段階とも中和)の合計:$0.100\times26.0=2.60$ mmol。
- $\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$ は 2 価の塩基なので $2\,n=2.60-1.80=0.80$,$n=0.40$ mmol(10 mL 中)。質量は 100 mL 中で $0.40\times10\times106=424$ mg $=0.424$ g。
- 質量パーセントは $0.424/1.144\times100=37.06\ldots\approx37.1\ \%$。
- メチルオレンジの終点では,すべての Na が $\mathrm{NaCl}$ になっている。加えた $\mathrm{HCl}$ は $2.60$ mmol なので,$\mathrm{NaCl}$ も $2.60$ mmol。
- $2.60\times10^{-3}\times58.5=0.1521\ \text{g}\approx0.15\ \text{g}$。
- ブロモチモールブルーは酸性側で黄色,塩基性側で青色(中性付近の緑色は両方が混じった色)。メチルレッドは酸性側で赤色,塩基性側で黄色。
- $K_a=[\text{H}^+]\,[\text{A}^-]/[\text{HA}]$ より $\text{pH}=\text{p}K_a-\log([\text{HA}]/[\text{A}^-])$。
- ブロモチモールブルー:$\text{p}K_a=7.00$。比が 10.0 のとき pH $=6.0$,0.100 のとき pH $=8.0$。よって $6.0\le\text{pH}\le8.0$。
- メチルレッド:$\text{p}K_a=5-\log2.0=4.699$。比が 10.0 のとき $3.699\approx3.7$,0.100 のとき $5.699\approx5.7$。よって $3.7\le\text{pH}\le5.7$。
- 硫酸は 2 価の酸:加えた $\mathrm{H+}$ は $0.100\times10.0\times2=2.00$ mmol。余った $\mathrm{H+}$ を $\mathrm{NaOH}$ が中和した:$0.200\times8.00=1.60$ mmol。
- 気体 A($\mathrm{NH_{3}}$)が中和した $\mathrm{H+}$ は $2.00-1.60=0.40$ mmol なので,$\mathrm{NH_{3}}$ は $0.40$ mmol $=4.00\times10^{-4}$ mol。
- 終点では弱塩基由来の $\mathrm{NH_{4}+}$($\mathrm{(NH_{4})_{2}SO_{4}}$)が溶けていて,溶液は弱い酸性。酸性側に変色域をもつメチルオレンジが適する。
- $\mathrm{(NH_{4})_{2}SO_{4}}$ 1 mol から $\mathrm{NH_{3}}$ が 2 mol 出るので,10 mL 中の $\mathrm{(NH_{4})_{2}SO_{4}}$ は $0.20$ mmol。式量は $132$ なので $0.20\times132=26.4$ mg。
- 100 mL 中では $264$ mg $=0.264$ g。$\mathrm{KNO_{3}}$ は $1.50-0.264=1.236$ g で,$1.236/1.50\times100=82.4\ \%$。
- アンモニアを白金触媒で酸化して $\mathrm{NO}$ とし,さらに $\mathrm{NO_{2}}$,硝酸へ導く方法がオストワルト法。
以下の各問いに答えなさい。H = 1.00,C = 12.0,O = 16.0,Na = 23.0,K = 39.0,I = 127 とする。
(i) A,B,C はいずれも完全燃焼すると,物質量比 8.00 : 5.00 で二酸化炭素 : 水を生じた。
(ii) 常温で液体の A,B にそれぞれ金属 Na の小片を加えると,B は水素を発生したが,A は反応しなかった。
(iii) A は水酸化ナトリウム水溶液に溶けなかったが,C はよく溶けた。
(iv) C を無水酢酸でアセチル化した化合物 D の側鎖を酸化すると化合物 E となり,E を加水分解すると医薬品の原料となる化合物 F が得られた。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
▶ 類題① 大問2 の答えと解説を見る
類題① 大問2 の答えと解説
- 物質量比 $\mathrm{CO_{2}}$ : $\mathrm{H_{2}O}$ = 8 : 5 より,C : H = 8 : 10。$C_8H_{10}O_x$ で分子量 122 なら $96+10+16x=122$,$x=1$。よって $\mathrm{C_{8}H_{10}O}$。
- A:Na と反応せず NaOH にも溶けない → エーテル。B:Na と反応するが NaOH に溶けない → アルコール。C:NaOH に溶ける → フェノール類。
- C は隣接2置換基で,無水酢酸でアセチル化($-\text{OH}$ を保護)→ 側鎖 $-\text{C}_2\text{H}_5$ を酸化して $-\text{COOH}$ → 加水分解でサリチル酸 F,という流れに合う。
- $\mathrm{KOH}$ $8.40/56.0=0.150$ mol。油脂 1 mol に $\mathrm{KOH}$ 3 mol なので,油脂は $0.0500$ mol。分子量は $41.6/0.0500=832$。
- B の物質量は $0.100\times20.0=2.00$ mmol なので,分子量は $0.512/0.00200=256$。$\mathrm{CnH_{2}n+1COOH}$ で $14n+46=256$ より $n=15$。よって $\mathrm{C_{15}H_{31}COOH}$(パルミチン酸)。
- 油脂 A の分子量 832 は,グリセリン(92)+ 2B(512)+ C − 3$\mathrm{H_{2}O}$(54)。C の分子量は $832-92-512+54=282$。
- ヨウ素付加は,83.2 g(0.100 mol)に $25.4/254=0.100$ mol なので,油脂 1 分子に C=C が 1 つ → C に二重結合 1 個。$\mathrm{C_{17}H_{33}COOH}$(オレイン酸,分子量 282)。
- 100 g の油脂 A は $100/832=0.1202$ mol。二重結合は 1 分子に 1 つなので,必要な $\mathrm{H_{2}}$ も $0.1202$ mol。体積は $0.1202\times22.4=2.69$ L。
次の文章(電子殻・電子軌道・電子配置)を読んで以下の各問いに答えなさい。各原子の電子は,エネルギー準位の低い軌道から順に,1つの軌道に最大2個ずつ入る(エネルギー準位は 1s < 2s < 2p < 3s < 3p < 4s < 3d < 4p)。同じエネルギーの軌道が複数あるときは,まず各軌道に1つずつ入る。
漢字:内 不 正 外 由 自 対 価 核 閉 単 最 殻(2文字は先頭 1 を空け,1文字は 1,2 を空ける)
① 3s の方が大きい ② 等しい ③ 1s の方が大きい ④ 3s の電子には引力がはたらかない ⓪ 該当なし
① 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p³ ② 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁴ ③ 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁵ ④ 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁶ ⓪ 該当なし
① 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁶ 3d² ② 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁶ 4s² ③ 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁶ 4s¹ ④ 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁶ 4p² ⓪ 該当なし
▶ 類題① 大問3 の答えと解説を見る
類題① 大問3 の答えと解説
- 最も外側の電子殻を最外殻という。
- 電子殻が満たされて安定な電子配置を閉殻構造という。
- 族番号が同じ原子は,価電子の数が同じなので化学的性質が似る。
- 軌道に1個だけ入った電子は,電子対をつくっていないので不対電子という。
- 核に近い 1s の電子の方が,核の正電荷を強く感じる。3s の電子は内側の電子に遮へいされ,引力は小さくなる。
- Cl は原子番号 17。$2+2+6+2+5=17$ なので 3p に5個。
- Ca は原子番号 20。3p までで 18 個,エネルギーの低い 4s に 2 個入る(3d より先)。
- 原子番号 12。$2+2+6+2=12$。
- Mn は原子番号 25。3p までで 18 個,残り 7 個。4s に 2 個,3d に 5 個。3d は 5 つの軌道に 1 個ずつ入るので,5 つとも不対電子。
- 陽イオンになるときは,最も外側の 4s 軌道から電子を失う。$\mathrm{Mn^{2+}}$ は 4s の 2 個を失い,3d の 5 個はそのまま。
以下の各問いに答えなさい。H = 1.00,C = 12.0,N = 14.0,O = 16.0,S = 32.0,Cl = 35.5 とする。
① α 形は上,β 形は下 ② α 形は下,β 形は上 ③ どちらも上 ④ どちらも下 ⓪ 該当なし
① ガラクトース ② トレハロース ③ フルクトース ④ グルコース ⑤ マルトース ⓪ 該当なし
① グルコース,グルコース ② ガラクトース,グルコース ③ グルコース,フルクトース ④ ガラクトース,フルクトース ⓪ 該当なし
① 438 ② 460 ③ 482 ④ 504 ⑤ 526 ⑥ 548 ⑦ 570 ⑧ 592 ⑨ 614
① 酸性 ② 中性 ③ 塩基性
① ガラクトース ② マルトース ③ スクロース ④ ラクトース ⑤ フルクトース ⑥ グルコース
① 塩酸 ② 食塩水 ③ 水酸化ナトリウム水溶液 ⓪ 該当なし
① $K_1K_2$ ② $K_2/K_1$ ③ $K_1/K_2$ ④ $\sqrt{K_1K_2}$ ⑤ $\sqrt{K_2/K_1}$ ⑥ $\sqrt{K_1/K_2}$
① 5.60 ② 5.75 ③ 5.90 ④ 6.05 ⑤ 6.20 ⑥ 6.35 ⑦ 6.50 ⑧ 6.65 ⑨ 6.80
① 13.5 ② 14.0 ③ 14.5 ④ 15.0 ⑤ 15.4 ⑥ 15.9 ⑦ 16.4 ⑧ 16.9 ⑨ 17.4
(ア) アラニン (イ) グリシン (ウ) グルタミン酸 (エ) システイン (オ) チロシン (カ) リシン
B の水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱した後,酢酸鉛(II)水溶液を加えると黒色の沈殿を生じた。X,Y,Z の等電点はそれぞれ 5.07,5.66,9.75 である。X,Y,Z を示す記号の組み合わせとして最適なものを選べ。 11
① (ア)(イ)(ウ) ② (ア)(ウ)(エ) ③ (ア)(エ)(カ) ④ (イ)(ウ)(カ) ⑤ (イ)(エ)(オ) ⑥ (イ)(エ)(カ) ⑦ (ウ)(エ)(オ) ⑧ (ウ)(オ)(カ) ⑨ (エ)(オ)(カ) ⓪ 該当なし
▶ 類題① 大問4 の答えと解説を見る
類題① 大問4 の答えと解説
- 環の平面に対して,C1 の -OH が C5 の側鎖 $\text{CH}_2\text{OH}$ と反対側(下)にあるのが α 形,同じ側(上)にあるのが β 形。
- マルトースは,マルターゼによってグルコース2分子に加水分解される。
- トレハロースは,グルコース2分子が還元性を示さない形(C1 どうし)で結合した二糖。
- $\mathrm{C_{6}H_{12}O_{6}}$ → 2$\mathrm{C_{2}H_{5}OH}$ + 2$\mathrm{CO_{2}}$。グルコース(180)$900/180=5.00$ mol からエタノール $10.0$ mol,$10.0\times46.0=460$ g。
- フェーリング液は,酒石酸塩を含む塩基性の硫酸銅(II)水溶液。
- スクロースは,グルコースとフルクトースが還元性を示す部分どうしで結合した二糖で,還元性を示さない。
- ホルミル基(アルデヒド基)の炭素が酸化されてカルボキシ基になる。
- 酸性アミノ酸の水溶液は,等電点より酸性側。塩基を加えて pH を等電点まで上げる。
- $[\text{陽}]=[\text{陰}]$ より $K_1K_2=[\text{H}^+]^2$,すなわち $[\text{H}^+]=\sqrt{K_1K_2}$。
- $\text{pI}=(\text{p}K_1+\text{p}K_2)/2=(2.10+9.70)/2=5.90$。
- アラニン(分子量 89.0)$8.90/89.0=0.100$ mol。エステル化とアミノ基の塩酸塩化で,$\mathrm{C_{5}H_{11}NO_{2}}$・$\mathrm{HCl}$(式量 153.5)が 0.100 mol 生じる。$0.100\times153.5=15.35\approx15.4$ g。
- 黒色沈殿(PbS)→ 硫黄を含む → システイン(等電点 5.07)を含む。等電点 5.07 が X,9.75 が Z(リシン)。
- 等電点 5.66 はチロシンの値(グリシン 5.97,アラニン 6.00 とは違う)。よって (エ)(オ)(カ)。
類題② (②型)
次の各問いに答えなさい。気体定数は $R=8.31\times10^{3}$ Pa·L/(mol·K),ファラデー定数は $F=9.65\times10^{4}$ C/mol とする。
実験A:4つの室に 0.200 mol/L 塩化カリウム水溶液をそれぞれ 1.00 L ずつ入れ,一定の電流を 2.00 時間通じると,陽極から気体 あ が,陰極から気体 い が発生した。I 室の pH の変化の一部は,生じた気体の一部が反応式 う に従って水と反応したことによる。IV 室で発生した気体は 1.013×10⁵ Pa,27.0 ℃ で 1.23 L であった。したがって,通電した電流は 1 . 2 3 A である。また,塩化カリウム濃度は,II 室で 4 . 5 6 mol/L,III 室で 7 . 8 9 mol/L となった。IV 室で発生した気体は水に溶けないものとする。
実験B:I 室と IV 室に 0.200 mol/L 塩化カリウム水溶液を 1.00 L ずつ,II 室と III 室に 0.200 mol/L 酢酸カリウム水溶液を 1.00 L ずつ入れ,実験A と同じ電流値で同時に通電して電気分解を行った。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
① I 室の pH > II 室の pH ② I 室の pH < II 室の pH ③ I 室の pH = II 室の pH
(2) 実験B で電気分解後の II 室と III 室の pH について最適なものを選べ。 11
① II 室の pH > III 室の pH ② II 室の pH < III 室の pH ③ II 室の pH = III 室の pH
(3) 実験B で電気分解後の III 室と IV 室の pH について最適なものを選べ。 12
① III 室の pH > IV 室の pH ② III 室の pH < IV 室の pH ③ III 室の pH = IV 室の pH
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
▶ 類題② 大問1 の答えと解説を見る
類題② 大問1 の答えと解説
- 陽極(I 室)では $\mathrm{Cl{-}}$ が酸化されて $\mathrm{Cl_{2}}$。陰極(IV 室)では水が還元されて $\mathrm{H_{2}}$ と $\mathrm{OH{-}}$。$\mathrm{Cl_{2}}$ の一部は水と反応し,塩酸と次亜塩素酸を生じるので I 室の pH が下がる。
- IV 室の気体は $\mathrm{H_{2}}$ だけ。物質量は $n=\dfrac{PV}{RT}=\dfrac{1.013\times10^5\times1.23}{8.31\times10^3\times300}=4.998\times10^{-2}$ mol。
- $\mathrm{H_{2}}$ 1 mol あたり電子 2 mol なので,流れた電気量は $2\times4.998\times10^{-2}\times9.65\times10^4=9.646\times10^{3}$ C。通電時間は $7200$ s なので $I=9.646\times10^3/7200=1.34$ A。
- 流れた電子は $9.996\times10^{-2}\approx0.100$ mol。陽イオン($\mathrm{K+}$)は I→II→(陰イオン交換膜で止まる),III→IV。陰イオン($\mathrm{Cl{-}}$)は III→II(陰イオン交換膜を通る)→ I へは陽イオン交換膜で止まる。
- II 室は $\mathrm{K+}$ が I 室から 0.100 mol,$\mathrm{Cl{-}}$ が III 室から 0.100 mol 入るので,$\mathrm{KCl}$ は $0.200+0.100/1.00=0.300$ mol/L。
- III 室は $\mathrm{K+}$ が IV 室へ 0.100 mol,$\mathrm{Cl{-}}$ が II 室へ 0.100 mol 出ていく。$\mathrm{KCl}$ 0.100 mol 分が減るので $0.200-0.100/1.00=0.100$ mol/L。
- I 室は $\mathrm{Cl_{2}}$ と水の反応で酸性になるので,酢酸カリウム水溶液(塩基性)の II 室より pH が低い。
- II 室は酢酸イオンが流れ込んで濃くなり,加水分解で生じる $\mathrm{OH{-}}$ も増える。III 室は薄くなる。よって II 室の方が pH が高い。
- IV 室は $\mathrm{OH{-}}$ が生じて強い塩基性。III 室(酢酸カリウム,弱い塩基性)より pH が低いのは III 室。
- 酢酸イオンの加水分解で $[\text{OH}^-]=\sqrt{K_hC}$ より,pH の差は $\dfrac12\log_{10}\dfrac{C_{\text{II}}}{C_{\text{III}}}$。
- $C_{\text{II}}=0.200+0.100=0.300$,$C_{\text{III}}=0.200-0.100=0.100$ mol/L より,比は 3。差は $\dfrac12\times0.477=0.2385\approx0.24$。
以下の各問いに答えなさい。
あ + 4$\mathrm{I_{2}}$ + 6$\mathrm{NaOH}$ → い + う + 5$\mathrm{NaI}$ + 5$\mathrm{H_{2}O}$
あ〜う にあてはまる化合物を,い は分子式,あ と う は示性式で,記述解答用紙に答えなさい。
(ア) 化合物 A〜D のうち,不斉炭素原子をもつのは化合物 A のみである。
(イ) アルケン G に臭素 $\mathrm{Br_{2}}$ を付加させると,不斉炭素原子をもつ化合物が得られる。
(ウ) アルケン G に水を付加させると,化合物 A と化合物 B が得られる。
① 正誤誤 ② 誤正誤 ③ 誤誤正 ④ 正正誤 ⑤ 正誤正 ⑥ 誤正正 ⑦ 正正正 ⑧ 誤誤誤((ア)(イ)(ウ)の順)
(答え方:+1 のとき,左の空欄に ⊕,右の空欄に ① を選ぶ。−2 のとき,左に ⊖,右に ②。0 のとき両方 ⓪。)
(ア) 不飽和結合をもつアルコールのうち,不斉炭素原子をもつものは1種類である。
(イ) ヨードホルム反応を示すカルボニル化合物は1種類である。
(ウ) 炭素原子間の二重結合をもつ化合物は2種類である。
① 正誤誤 ② 誤正誤 ③ 誤誤正 ④ 正正誤 ⑤ 正誤正 ⑥ 誤正正 ⑦ 正正正 ⑧ 誤誤誤((ア)(イ)(ウ)の順)
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類題② 大問2 の答えと解説
- A=2-ブタノール,B=1-ブタノール,C=2-メチル-1-プロパノール,D=2-メチル-2-プロパノール。F=2-ブテン,G=1-ブテン,H=2-メチルプロペン。
- $\mathrm{C_{4}H_{8}}$ の構造異性体は 5 つ:1-ブテン,2-ブテン,2-メチルプロペン,シクロブタン,メチルシクロプロパン。H と G を除くと,不飽和でないのはシクロブタンとメチルシクロプロパンの 2 つ,不飽和結合をもつのは 2-ブテンの 1 つ。
- $\text{CH}_3\text{CH(OH)}-$ の構造をもつアルコールはヨードホルム反応を示す。2-ブタノールの場合,ヨードホルムとプロピオン酸ナトリウムが生じる。原子数は左右で一致(C 4,H 16,O 7,Na 6,I 8)。
- (ア) 不斉炭素をもつのは 2-ブタノール(A)だけ → 正。(イ) 1-ブテン + $\mathrm{Br_{2}}$ → 1,2-ジブロモブタン。C2 が不斉炭素 → 正。(ウ) 1-ブテンへの水の付加は,2-ブタノール(A)と 1-ブタノール(B) → 正。
- ナトリウムと反応しないのはエーテルで,メチルプロピルエーテル,メチルイソプロピルエーテル,ジエチルエーテルの 3 種類。そのうち枝分かれ(イソプロピル基)をもつのはメチルイソプロピルエーテル 1 種類。
- プロパナールがフェーリング液と反応し,$\mathrm{Cu^{2+}}$(+2)が $\mathrm{Cu_{2}O}$(Cu は +1)になる。アンモニア性硝酸銀とは $\mathrm{Ag+}$(+1)が $\mathrm{Ag}$(0)になる。
- $\mathrm{C_{3}H_{6}O}$ の鎖状の化合物は,プロパナール,アセトン,アリルアルコール,メチルビニルエーテルの 4 種類。(ア) アルケンのアルコールはアリルアルコールだけで不斉炭素なし → 誤。(イ) ヨードホルム反応を示すカルボニル化合物はアセトンだけ → 正。(ウ) C=C をもつのはアリルアルコールとメチルビニルエーテル → 正。
- H は還元性をもつカルボン酸 → ギ酸。X は $\mathrm{HCOOC_{3}H_{7}}$。I はヨードホルム反応を示さないので,2-プロパノールではなく 1-プロパノール。X=ギ酸プロピル。
- J は還元性を示さないのでギ酸ではなく,K はヨードホルム反応を示す。$\mathrm{C_{4}H_{8}O_{2}}$ で成り立つのは,J=酢酸,K=エタノール → Y=酢酸エチル。
次の文を読んで,以下の各問いに答えなさい。
亜鉛を希硝酸に溶かした場合:3 $\mathrm{Zn}$ + 4 $\mathrm{HNO_{3}}$ → 5 $\mathrm{Zn(NO_{3})_{2}}$ + 6 $\mathrm{H_{2}O}$ + 7 あ
亜鉛を濃硝酸に溶かした場合:8 $\mathrm{Zn}$ + 9 $\mathrm{HNO_{3}}$ → 10 $\mathrm{Zn(NO_{3})_{2}}$ + 11 $\mathrm{H_{2}O}$ + 12 い
(イ) 亜鉛を希硝酸に溶かした場合も い が生成し得るが,い と う の反応によって あ が生成する。う にあてはまる物質の化学式を記述解答用紙に答えなさい。
13 $\mathrm{Au}$ + 14 $\mathrm{HNO_{3}}$ + 15 $\mathrm{HCl}$ ⇄ 16 $\mathrm{[AuCl_{4}]{-}}$ + 17 $\mathrm{H_{3}O+}$ + 18 $\mathrm{H_{2}O}$ + 19 $\mathrm{NO}$
① $\mathrm{[PdCl_{4}]_{2}{-}}$ ② $\mathrm{[PdCl_{3}(NH_{3})]{-}}$ ③ $\mathrm{[PdCl_{2}(NH_{3})_{2}]}$ ④ $\mathrm{[PdCl(NH_{3})_{3}]+}$ ⑤ $\mathrm{[Pd(NH_{3})_{4}]_{2}+}$ ⓪ 該当するものがない
① 1.0 ② 1.5 ③ 2.0 ④ 2.5 ⑤ 3.0 ⑥ 3.5
① $\mathrm{AlCl_{3}}$ ② $\mathrm{Al(NO_{3})_{3}}$ ③ $\mathrm{Al_{2}O_{3}}$ ④ $\mathrm{Al(OH)_{3}}$ ⑤ $\mathrm{Al_{2}(SO_{4})_{3}}$ ⑥ $\mathrm{NH_{4}NO_{3}}$
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類題② 大問3 の答えと解説
- 亜鉛・カドミウム・水銀は周期表の 12 族(亜鉛族)。
- 希硝酸:$\mathrm{Zn}$ は 2 価,$\mathrm{HNO_{3}}$(N:+5)が $\mathrm{NO}$(N:+2)になり 3 電子を受け取る。電子の授受を合わせると $3\,\text{Zn}+8\,\text{HNO}_3\to3\,\text{Zn(NO}_3)_2+4\,\text{H}_2\text{O}+2\,\text{NO}$。
- 濃硝酸:$\mathrm{NO_{2}}$(N:+4)は 1 電子を受け取る。$\text{Zn}+4\,\text{HNO}_3\to\text{Zn(NO}_3)_2+2\,\text{H}_2\text{O}+2\,\text{NO}_2$。
- (イ) $3\,\text{NO}_2+\text{H}_2\text{O}\to2\,\text{HNO}_3+\text{NO}$。
- $\mathrm{Au}$(0 → +3)が 3 電子を失い,$\mathrm{HNO_{3}}$(N:+5)が $\mathrm{NO}$(N:+2)で 3 電子を受け取るので $\mathrm{Au}$ : $\mathrm{HNO_{3}}$ : $\mathrm{NO}$ = 1 : 1 : 1。$\mathrm{[AuCl_{4}]{-}}$ の Cl 4 個は $\mathrm{HCl}$ 4 個から。
- 電荷を合わせて $\mathrm{H_{3}O+}$ は 1 個。H と O を数えると $\mathrm{H_{2}O}$ は 1 個。$\text{Au}+\text{HNO}_3+4\,\text{HCl}\rightleftarrows[\text{AuCl}_4]^-+\text{H}_3\text{O}^++\text{H}_2\text{O}+\text{NO}$。
- 平面四角形で 2 種類の配位子が 2 個ずつの $\mathrm{[PdCl_{2}(NH_{3})_{2}]}$ は,同じ配位子が隣り合う(シス形)と向き合う(トランス形)の 2 通りがある。他は 1 通りだけ。
- 面心立方格子は単位格子に 4 個の原子を含み,格子の一辺 $a=2\sqrt2\,r$。密度は $\rho=4M/(N_Aa^3)\propto M/r^3$。
- $\dfrac{\rho_{\text{Pt}}}{\rho_{\text{Ag}}}=\dfrac{195}{108}\left(\dfrac{144}{139}\right)^3=1.806\times1.112=2.01$。
- アルミニウムは濃硝酸と反応して緻密な酸化皮膜($\mathrm{Al_{2}O_{3}}$)をつくり,内部が守られる(不動態)。
以下の各問いに答えなさい。
(ア) α-ヘリックスや β-シートは,水素結合によって安定化したタンパク質の二次構造である。
(イ) タンパク質の変性では,ペプチド結合が切断される。
(ウ) ヘモグロビンは,糖や色素などをもつ複合タンパク質の一種である。
(エ) 三次構造は,ジスルフィド結合やイオン結合などによって保たれる。
(オ) 一次構造は,アミノ酸の配列順序である。
正誤表のうち,答えに当たる行は ⓐ((ア)正 (イ)誤 (ウ)正 (エ)正 (オ)正)。
(ア) 酵素は,基質特異性を示す。
(イ) 酵素は,一般に反応の活性化エネルギーを下げる。
(ウ) 酵素は,温度が高すぎると失活する。
(エ) 酵素のはたらきを助ける補酵素は,低分子の有機化合物である。
(オ) ペプシンの最適 pH は中性付近である。
正誤表のうち,答えに当たる行は ⑨((ア)正 (イ)正 (ウ)正 (エ)正 (オ)誤)。
(a) 生分解性の高分子であるポリ乳酸 $(\text{C}_3\text{H}_4\text{O}_2)_n$ の平均分子量が $1.080\times10^{5}$ であるとき,この平均重合度を有効数字3桁の指数表記($a\times10^n$,$1\le a<10$)で記述解答用紙に答えなさい。
(b) ポリ乳酸 144.1 g が微生物によって完全に分解されたときに生成する水の質量は何 g か。また,生成する二酸化炭素の量は標準状態で何 L か。それぞれ有効数字3桁の指数表記で記述解答用紙に答えなさい。
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類題② 大問4 の答えと解説
- アミロペクチンは分子内に枝分かれをもち,水に溶けにくい。
- β-グルコースの縮合重合体。
- グルコースとフルクトースの還元性を示す部分(ヘミアセタール部分)どうしで結合しているため。
- グリシンの α 炭素には水素原子が 2 つ結合しており,不斉炭素原子ではない。
- 天然ゴムはシス形の 1,4-付加重合の構造をもつ。
- キサントプロテイン反応は,ベンゼン環をもつアミノ酸(チロシン・フェニルアラニンなど)を含むタンパク質の反応。すべてではない。
- アミド結合でつながるポリアミド。
- 環境中で分解される。
- 二重結合の付加重合。
- ポリ塩化ビニルは熱可塑性樹脂。
- フェノールとホルムアルデヒドの付加縮合。
- ヨウ素を添加(ドープ)すると金属に近い導電性を示す。
- (イ) 変性は立体構造が壊れる変化で,ペプチド結合は切れない → 誤。他はすべて正。
- (オ) ペプシン(胃液中)の最適 pH は約 2 の酸性。他はすべて正。
- 繰り返し単位 $\text{C}_3\text{H}_4\text{O}_2$ の式量は $36.0+4.04+32.0=72.04$。重合度は $1.080\times10^5/72.04=1.499\times10^3\approx1.50\times10^3$。
- 144.1 g は $144.1/72.04=2.000$ mol の繰り返し単位。$\text{C}_3\text{H}_4\text{O}_2+3\,\text{O}_2\to3\,\text{CO}_2+2\,\text{H}_2\text{O}$ より,水は $4.00$ mol で $4.00\times18.02=72.1$ g。二酸化炭素は $6.00$ mol で $6.00\times22.4=134$ L。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、数値・設定を変えて作っています。計算・反応式・構造は、スクリプトで確かめてあります(63項目)。知識問題の答えは教科書で確認してください。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:帝京大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 帝京大学 医学部の化学2026年度は、何分で解けばよいですか?
一次選考は英語(必須)+5科目から2科目選択で、数学・理科・国語から選ぶ2科目は120分です。化学を選ぶ場合の目安として、TMPSでは1セット60分(4大問)を提案しています。①は大問1が16分、大問2が14分、大問3・4が各12分、見直し6分。②は大問1が16分、大問2が15分、大問3が12分、大問4が11分、見直し6分です。
Q. ①と②は何ですか?
帝京大学は3日分の試験日から選べる方式で、過去問集には各科目の代表的な2題(①・②)が載っています。このページでは①②とも全4大問、計8大問を解説しています。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答欄の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
①と同じ型の4大問、②と同じ型の4大問の計8大問を、数値・設定を変えたTMPSオリジナルで作っています。全問の答え・解説をこのページに載せ、問題冊子PDFも無料で配布しています。
Q. 知識問題(正誤・用語)はどう対策すればよいですか?
帝京大の化学は、計算・反応式に加えて、電子配置の用語、糖・アミノ酸、高分子、酵素などの正誤問題が多く出ます。このページでは、正誤の判定と理由を表にまとめました。ただし、知識問題は計算で確かめられないため、「要確認」を付けています。教科書で確認してください。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
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