原子番号79は金 Au。陽子数は79、質量数は約197なので中性子数は $197-79=118$ で、ともに79ではない(a は誤り)。周期表で同じ11族には銅 Cu、銀 Ag がある(b は正しい)。金は遷移元素(c は正しい)。単体は常温で固体(常温で液体の金属は水銀だけ)で、結晶は電気をよく導く(d・e は誤り)。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目で120分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜23)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 選択肢の番号は赤本のページから読み取って決めています。元素の性質・化合物の色などの知識問題は、スクリプトで確かめられないため「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の東北医科薬科大の化学
- ✅ 全4大問・解答番号1〜23、すべて解答群から選ぶマーク式。理科2科目で120分なので、化学には60分を使う想定です。
- ✅ 第Ⅰ問は、周期表をもとにした元素の性質(5問)。Au・P・典型元素の傾向・N/O/Al/Cr/Feの単体・硫化物の色と、すべて「覚えているか」で決まります。「正しい(誤っている)ものの組合せ」を選ぶa〜e形式が中心です。
- ✅ 第Ⅱ問は、化学反応の速さ(6問)。グラフから半減期を読み、一次反応の考え方で時間・濃度を出し、多段階反応の律速段階と速度定数を問います。半減期=「同じ時間で半分」が土台です。
- ✅ 第Ⅲ問は、金属とその合金(5問)。ベースメタル・レアメタルの穴埋めから、SnとPbの性質、合金の組成の計算まで。最後の沈殿の質量から合金の組成を決める計算は式2本で解けます。
- ✅ 第Ⅳ問は、フェノールと臭素の滴定(7問)。反応式の係数、生成物の名称、ヨウ素滴定の酸化還元の記述、そして2回の滴定の差から濃度を求める計算までつながります。
- ✅ 差がつくのは「半数以上が知識問題」を落とさないことと、最後の計算2題(16・23)。知識問題は迷った時間が命取りになるので、選択肢から消去して即答する練習が効きます。


60分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で120分。化学には60分を使う想定で、TMPSの目安を示します。解く順番と「捨てどころ」をセットで覚えておきましょう。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。解答番号と、選ぶ選択肢の番号・その内容を並べました。赤本に解答編が無かったため、全23問をTMPSで自力で解いています。計算問題は数値で再計算、反応式は原子数の保存を確かめましたが、知識で決まる小問は検算できないので「要確認」を付けています(下の注記)。
第Ⅰ問(1〜5)
第Ⅱ問(6〜11)
第Ⅲ問(12〜16)
第Ⅳ問(17〜23)
※ 検算:6・8・11・16・19・22・23 を数値で再計算し、すべて一致しました(verify_tmpu-2026-chemistry_honban.py、ALL OK)。公開されている解答は参照していません。
第Ⅰ問 周期表と元素の性質 ── 「組合せ」は2つ決めれば絞れる
周期表の一部(原子番号1〜86)をもとに、個々の元素(Au・P・N・O・Al・Cr・Fe など)と、典型元素の傾向を問う5問です。問1・3・4・5は、a〜eの5つの記述から「正しい(適切な)ものの組合せ」を①〜⑩から選ぶ形式です。
問1(1)原子番号79の元素(金)に関する記述
宮城県で初めて単体が産出したとされる、原子番号79の元素について、原子の構成・周期表での位置・単体の性質を述べた記述の正誤を判定する。
- 1:原子番号79・原子量197の元素に関する5つの記述から、正しいものの組合せ(a〜eの組合せ)
問2(2)リンの電子配置
骨やDNAの構成要素となる、原子番号15の元素の原子について、各電子殻に入っている電子の数を表から選ぶ。
- 2:原子番号15の元素の、K殻・L殻・M殻・N殻の電子数の正しい組合せ
15個の電子を、内側のK殻(最大2)→ L殻(最大8)→ M殻 の順に入れます。K=2、L=8、残りの $15-2-8=5$ 個がM殻。N殻には入りません。
問3(3)典型元素の周期的な傾向
周期表の左右・上下での性質の変わり方と、17族・18族の単体の性質を、記述の正誤で判定する。
- 3:典型元素に関する5つの記述(陰性の変化、価電子数、17族の色と毒性、18族の沸点)から、正しいものの組合せ
a:同じ周期では、貴ガスを除き、原子番号が増すと陰性(電子を引きつける力)は強くなるので、「弱くなる」は誤り。b:同じ族では、原子番号が増すと原子が大きくなり電子を引きつけにくくなるので、陰性は弱くなる。「強くなる」は誤り。c:同じ周期では価電子の数が 1→2→…と増える(貴ガスを除く)ので、「ほとんど変化しない」は誤り。
d:17族の第2〜5周期の単体は $\mathrm{F_{2}}$(淡黄色)・$\mathrm{Cl_{2}}$(黄緑色)・$\mathrm{Br_{2}}$(赤褐色)・$\mathrm{I_{2}}$(黒紫色)で、いずれも有色で有毒 → 正しい。e:18族(He〜Rn)の単体は、分子量(原子量)が大きいほど分子間力が強く、沸点は高くなる → 正しい。
問4(4)個々の元素の単体の性質
窒素・酸素・アルミニウム・クロム・鉄の単体の性質(存在の仕方・分子の形・色・状態)を述べた記述の正誤を判定する。
- 4:原子番号7・8・13・24・26 の元素の単体についての5つの記述から、正しいものの組合せ
a:$\mathrm{N_{2}}$ は空気の約78%を占め、沸点が約−196℃。液体窒素として冷却材に使う → 正。b:酸素の単体には $\mathrm{O_{2}}$ のほかにオゾン $\mathrm{O_{3}}$(3原子分子)がある → 正。c:Al が広く存在するのは化合物(ボーキサイトや粘土)としてで、単体では存在しない → 誤。d:Cr は銀白色。赤色の光沢をもつのは Cu → 誤。e:常温で液体の金属は水銀 Hg。Fe は固体 → 誤。
問5(5)塩基性での硫化物の沈殿の色
5種類の金属イオンの水溶液に硫化水素を通じて生じる硫化物の沈殿の色について、適切な記述の組合せを選ぶ。
- 5:原子番号29(Cu)・30(Zn)・47(Ag)・48(Cd)・82(Pb)のイオンに、塩基性下で硫化水素を通じたときの沈殿の色
塩基性で沈殿するのは、Zn(白)・Cd(黄)に加えて、Cu・Ag・Pb(いずれも黒)。記述では b(Zn が白色)と d(Cd が黄色)が正しく、a(Cu が白色)・c(Ag が白色)・e(Pb が黄色)は誤り。

第Ⅰ問:元素の性質で押さえる型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 個別元素(Au) | 陽子数と中性子数は別物。同族・遷移元素・単体の状態 |
| 問2 | 電子配置 | K=2、L=8、残りをM。価電子数も同時に決まる |
| 問3 | 周期的な傾向 | 同周期は右へ陰性↑、同族は下へ陰性↓。17族は有色、18族の沸点は原子量とともに↑ |
| 問4 | 単体の性質 | 液体の金属は Hg。O₃ は3原子分子。Al は化合物として存在 |
| 問5 | 硫化物の色 | 白(ZnS)・黄(CdS)・黒(その他) |
🩺【自己診断】第Ⅰ問で手が止まった人への処方箋
- 問1・4個別元素の記述が判定できない → 「原子番号→元素名→族」を先に確定。族が分かれば、半分は決まる
- 問2電子配置が出ない → K=2・L=8の次にM。価電子の数と族の番号の関係(1の位)も確認
- 問3傾向が逆になる → 「周期は右へ強く、族は下へ弱く」。イオン化エネルギー・陰性とも同じ向き
- 問5色が混ざる → 白は Zn のみ、黄は Cd のみ。ほかは黒、と3つ覚える
第Ⅱ問 化学反応の速さ ── 半減期から一次反応を読み切る
前半は、グラフで与えられた分解反応 A → 2B から半減期を読み、時間・濃度・反応速度の性質を答える問題。後半は、五酸化二窒素の多段階反応で、律速段階と反応速度定数を考える問題です。
問1・問2(6・7)グラフから半減期を読む
物質Aが分解して2分子のBを生じる反応で、Bのモル濃度の時間変化がグラフで与えられる。そこから半減期を読み取り、時間・性質を判定する。
- 6:Bのモル濃度がAのモル濃度の6倍になるのは、開始から何分後か
- 7:この分解反応についての3つの記述(半減期の比較、速度定数の符号、速度とAの濃度の関係)の正誤の組合せ
Aの初濃度が $1.00\times10^{-1}$ mol/L のとき、Bは最終的に $2.00\times10^{-1}$ mol/L(Aの2倍)になります。グラフでBがその半分の $1.00\times10^{-1}$ mol/L に達するのは15分。このとき A も半分になっているので、Aの半減期は15分です。
問1(6):半減期が $n$ 回経過したとき、A は $A_0\left(\tfrac12\right)^n$、B は $2A_0\left\{1-\left(\tfrac12\right)^n\right\}$ です。
半減期2回分で $15\times2=30$ 分。
問2(7):a:Aが初濃度の50%になるのは15分。Bが $1.00\times10^{-1}$ から $1.50\times10^{-1}$ になるのは、グラフで15分から30分までの15分間 → 等しいので正。b:反応速度定数 $k$ は、反応の速さを正の値で表す定数で、負にはならない → 誤。c:半減期が一定(15分ごとに半分)=一次反応。速度はAの濃度に比例する → 正。
問3(8)半減期から時間を求める
Cの分解反応は、Cの濃度に比例した速さで進み、半減期が100秒である。濃度が初濃度のどれだけになるかから、必要な時間を選ぶ。
- 8:半減期100秒の一次反応で、濃度が $1.00\times10^{-1}$ から $6.25\times10^{-3}$ mol/L になるのに必要な時間
問4(9)二次反応の性質
反応速度が反応物の濃度の2乗に比例する場合の、反応速度定数と濃度・速さの関係を、記述の正誤で判定する。
- 9:反応速度がDのモル濃度の2乗に比例する反応について、3つの記述(kの濃度依存、濃度を2倍にしたときの速さ、次数の決め方)の正誤の組合せ
a:圧力・温度が一定なら、$k$ は濃度に関係なく一定 → 正。b:$v=k[\mathrm D]^2$ なので、濃度が2倍になると速さは4倍。「2倍」は誤り。c:反応が濃度の何乗に比例するか(次数)は、反応式の係数からは決まらず、実験で決める → 正。
問5・問6(10・11)多段階反応と反応速度定数
$\mathrm{N_2O_5}$ の分解は、素反応Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが連続する多段階反応で、Ⅰが最も遅く、Ⅱ・Ⅲは速い。3つの素反応をまとめた反応式の係数と、実験データからの $k$ を答える。
- 10:五酸化二窒素 $\mathrm{N_2O_5}$ の分解(3つの素反応)について、3つの記述(全体の速度式、律速段階、係数イ)の正誤の組合せ
- 11:表($[\mathrm{N_2O_5}]$ と分解速度 $v$)から得られる、反応速度定数 $k$ の平均値 [1/s]
素反応はⅠ $\mathrm{N_2O_5\to N_2O_3+O_2}$、Ⅱ $\mathrm{N_2O_3\to NO+NO_2}$、Ⅲ $\mathrm{N_2O_5+NO\to 3NO_2}$ です。Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ を足すと、中間体 $\mathrm{N_2O_3}$・$\mathrm{NO}$ が消えます。
10:a:全体の速さは最も遅いⅠで決まる。$v=v_{\mathrm I}=k_1[\mathrm{N_2O_5}]$ で、1乗。「2乗」は誤り。b:律速段階は最も遅い素反応、つまりⅠ → 正。c:[イ] は $\mathrm{NO_2}$ の係数で4 → 正。よって(誤・正・正)。
11:$k=v/[\mathrm{N_2O_5}]$ を3組で計算します。
3組ともほぼ一定なので、$k\approx3.46\times10^{-5}$ /s(一次反応の確認にもなる)。

第Ⅱ問:反応速度の型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | グラフ→半減期 | Bが最終値の半分になる時間。B/A比は $2(2^n-1)$ |
| 問2 | 一次反応の性質 | 半減期が一定=一次。kは正の定数 |
| 問3 | 半減期から時間 | 濃度の比を $2^n$ で表す。n×半減期 |
| 問4 | 次数 | 次数は実験で決める。2乗なら濃度2倍で速さ4倍 |
| 問5 | 多段階反応 | 足して中間体を消す。最も遅い段階が律速 |
| 問6 | kの平均 | $k=v/[\mathrm{N_2O_5}]$ を各組で計算 |
🩺【自己診断】第Ⅱ問で手が止まった人への処方箋
- 問1・2グラフが読めない → 「Bが最終値の半分」の時間を探す。これが半減期
- 問3時間が出ない → 濃度の比を $2^n$ の形にする。16倍なら n=4
- 問4次数の判定で迷う → 次数は係数で決まらない。「実験で決める」を暗記
- 問5係数が決まらない → 3つの素反応を足し、中間体を両辺で消す
- 問6単位を間違える → $v$ [mol/(L·s)] を濃度 [mol/L] で割ると [1/s]
第Ⅲ問 金属とその合金 ── 穴埋めは即答、最後は式2本
ベースメタル・レアメタルと、その合金(ステンレス鋼・白銅・ニクロム)の文章の空欄(ア〜キ)を元素名で埋める3問と、SnとPbの性質の正誤、合金に塩化物の沈殿をつくらせて組成を求める計算の5問です。
問1〜3(12・13・14)合金の組成から元素を決める
世界的に生産量が多いア・イをベースメタル、希少なウ・エをレアメタルとして、「アとウとエの合金=ステンレス鋼」「イとエの合金=100円硬貨に使う白色の合金」「ウとエの合金=電熱線」という文章から元素を決める。
- 12:ベースメタルのア・イの元素
- 13:レアメタルのウ・エの元素
- 14:オ(電気抵抗の大小)・カ(希塩酸で発生する気体)・キ(濃硝酸で生じる状態)の正しい組合せ
| 合金 | 成分元素 | 用途・特徴 |
|---|---|---|
| ステンレス鋼 | Fe + Cr + Ni | さびにくい |
| 白銅 | Cu + Ni | 白色で加工しやすい(100円硬貨) |
| ニクロム | Ni + Cr | 電気抵抗が大きい(電熱線) |
ステンレス鋼は Fe・Cr・Ni、100円硬貨の白銅は Cu・Ni、電熱線のニクロムは Ni・Cr。ア・イ・ウ・エに共通する元素から、ア=Fe、イ=Cu、ウ=Cr、エ=Ni(ウとエはレアメタルの Cr・Ni、アとイはベースメタルの Fe・Cu)。
オ:ニクロムは電気抵抗が大きい。カ:Cr はイオン化傾向が $\mathrm H_2$ より大きく、希塩酸に $\mathrm H_2$ を発生して溶ける。キ:濃硝酸では表面にち密な酸化被膜ができて不動態になる。
問4(15)スズ Sn と鉛 Pb の性質
14族のSnとPbについて、単体・化合物の性質を述べた記述の正誤を判定する。
- 15:SnとPbに関する5つの記述(両性、塩化スズ(Ⅱ)の作用、酸化物の色、融点、酸への溶け方)から、正しいものの組合せ
a:Sn・Pb はともに両性金属(酸にも強塩基にも溶ける)→ 正。b:$\mathrm{SnCl_2}$ は強い還元作用をもつ(酸化作用ではない)→ 誤。c:PbO は黄色〜赤色、$\mathrm{PbO_2}$ は黒褐色。記述の色が逆 → 誤。d:融点は Pb(約327℃)> Sn(約232℃)→ 正。e:Pb は希塩酸・希硫酸では難溶性の $\mathrm{PbCl_2}$・$\mathrm{PbSO_4}$ が表面にできて溶けにくく、硝酸には溶ける。記述が逆 → 誤。
問5(16)合金の組成を沈殿の質量から求める
合金を硝酸に完全に溶かしたあと、塩化物イオンを加えて沈殿させ、その質量から、合金中の銀の質量を求める。
- 16:イ(Cu)と銀 Ag だけからなる合金 450 mg を硝酸水溶液に溶かし、食塩水を加えて生じた沈殿の質量が 574 mg のとき、合金に含まれる Ag の質量(mg)
沈殿するのは AgCl だけ($\mathrm{Cu^{2+}}$ は塩化物イオンと沈殿をつくらない)。574 mg はすべて AgCl で、Ag を含む割合は $\dfrac{\mathrm{Ag}}{\mathrm{AgCl}}=\dfrac{108}{143.5}$。
(Cu は $450-432=18$ mg。合金は Ag が96%の組成。)

第Ⅲ問:金属で押さえる型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1〜2 | 合金→元素 | ステンレス=Fe,Cr,Ni。白銅=Cu,Ni。ニクロム=Ni,Cr |
| 問3 | Crの性質 | 希塩酸に溶けH₂発生、濃硝酸で不動態 |
| 問4 | Sn・Pb | 両性。SnCl₂は還元剤。PbO₂は黒褐色。Pbは硝酸に溶ける |
| 問5 | 沈殿から組成 | 沈殿は AgCl だけ。Ag/AgCl の質量比 108/143.5 |
🩺【自己診断】第Ⅲ問で手が止まった人への処方箋
- 問1〜3元素が決まらない → 合金の名前から、共通元素を探す
- 問4記述の正誤で迷う → 確信のある2つだけで決める(両性・融点など)
- 問5沈殿の式が立たない → 沈殿するのは AgCl のみ。質量比 108/143.5 を掛けるだけ
第Ⅳ問 フェノールと臭素の滴定 ── 2回の滴定の「差」が答え
クメン法によるフェノールの合成から始まり、フェノールと臭素の反応((1)式)、残った臭素をヨウ素に変えてチオ硫酸ナトリウムで滴定する2回の操作(操作Ⅰ・Ⅱ)を使って、消毒用フェノール水の濃度を求める問題です。
問1・問2(17・18)クメン法とアセトン
フェノールの工業的な合成法(クメン法)は、ベンゼンとアからクメンをつくり、クメンを酸化・分解してフェノールとイを得る。アを選ぶ問い(17)と、イの性質の正誤を問う問い(18)が続く。
- 17:クメン法でベンゼンと反応させる原料(ア)にあてはまる化合物
- 18:クメン法の副生成物イ(アセトン)に関する5つの記述のうち、誤っているものの組合せ
クメン法:ベンゼン+プロペン $\mathrm{CH_2{=}CHCH_3}$ → クメン → クメンヒドロペルオキシド → フェノール+アセトン $\mathrm{CH_3COCH_3}$。よって ア=プロペン、イ=アセトン。
問2(18):a:アセトンは還元性を示さない(ケトン)→ 記述は誤り。b:2-プロパノールの酸化で得られる → 正。c:水によく溶ける無色の液体 → 正。d:酢酸カルシウムの乾留で得られる → 正。e:アセトンはヨードホルム反応が陽性($\mathrm{CH_3CO{-}}$ をもつ)→ 「陰性」は誤り。誤っているのは a と e。
問3・問4(19・20)臭素との反応
フェノールに臭素水を加えると、白色沈殿が生じる。反応式の係数と、沈殿の化合物名を答える。
- 19:(1)式 $\mathrm{C_6H_5OH}+a\,\mathrm{Br_2}\to$ ウ $+\,b\,\mathrm{HBr}$ の係数 a・b
- 20:ウの化合物の名称
OH 基のオルト位2か所とパラ位1か所の合計3か所の H が Br に置き換わります。置換1回ごとに $\mathrm{Br_2}$ 1分子が消費され、HBr が1分子できます。
問5(21)操作Ⅰ・Ⅱの記述の正誤
残った臭素に過剰のヨウ化カリウムを加えてヨウ素を遊離させ、でんぷんを指示薬にチオ硫酸ナトリウムで滴定する。この酸化還元の記述の正誤を判定する。
- 21:(2)式(臭素とヨウ化カリウム)・(3)式(ヨウ素とチオ硫酸ナトリウム)と、操作Ⅰ・Ⅱについての5つの記述のうち、誤っているものの組合せ
a:酸化力は $\mathrm{Br_2}$ のほうが $\mathrm{I_2}$ より大きい($\mathrm{Cl_2>Br_2>I_2}$)。「$\mathrm{I_2}$ のほうが大きい」は誤り。b:KI の $\mathrm{I^-}$ が電子を失って $\mathrm{I_2}$ になる → 還元剤として正しい。c:操作Ⅰでは臭素の一部をフェノールが消費するので、残る臭素が少なく、遊離する $\mathrm{I_2}$ も操作Ⅱより少ない → 正。d:チオ硫酸ナトリウムは $\mathrm{I_2}$ を還元する還元剤 → 正。e:でんぷんを加えた液は、$\mathrm{I_2}$ が残る間は青紫色。$\mathrm{I_2}$ がなくなると無色になるので、終点は「青紫色から無色」。「赤紫色」は誤り。誤っているのは a と e。
問6・問7(22・23)2回の滴定の差から濃度を求める
問6は(1)式の量的関係、問7は操作Ⅰ・Ⅱの滴定量の差とフェノール水の希釈の関係から、フェノールの質量を求める。
- 22:$5.00\times10^{-2}$ mol/L の臭素水 1.00 mL とちょうど反応するフェノールは何 mg か
- 23:濃度不明の消毒用フェノール水 100 mL に含まれるフェノールは何 g か(操作Ⅰのチオ硫酸ナトリウム 11.8 mL、操作Ⅱの 30.5 mL)
問6(22):臭素の物質量は $5.00\times10^{-2}\times1.00\times10^{-3}=5.00\times10^{-5}$ mol。(1)式より、フェノールはその1/3。フェノールの分子量は $12.0\times6+1.00\times6+16.0=94.0$。
問7(23):(2)(3)式より、$\mathrm{Br_2}\ \sim\ \mathrm{I_2}\ \sim\ 2\,\mathrm{Na_2S_2O_3}$。つまりチオ硫酸ナトリウムの物質量の1/2が、残った臭素の物質量です。
元の 100 mL 中には、100倍の量があります。

第Ⅳ問:臭素の逆滴定の型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2 | クメン法 | 原料はプロペン。生成物はフェノールとアセトン(ヨードホルム陽性) |
| 問3・4 | 置換反応 | OH はオルト・パラ配向。3か所置換→2,4,6-トリブロモフェノール |
| 問5 | ヨウ素滴定 | $\mathrm{Br_2>I_2}$ の酸化力。KIとチオ硫酸は還元剤。終点は青紫→無色 |
| 問6 | 量的関係 | フェノールは $\mathrm{Br_2}$ の1/3の物質量 |
| 問7 | 滴定量の差 | 差 × 1/2 = 使われた $\mathrm{Br_2}$。その1/3がフェノール。希釈倍率を掛ける |
🩺【自己診断】第Ⅳ問で手が止まった人への処方箋
- 問1・2クメン法を忘れた → 「ベンゼン+プロペン→クメン→フェノール+アセトン」の1行を暗記
- 問3・4置換の位置が出ない → OH はオルト・パラ配向。3か所=2,4,6
- 問5酸化・還元が混ざる → 電子を失う側が還元剤。KIもチオ硫酸も還元剤
- 問7希釈の向きを間違える → 滴定した液(1 mLを100 mLにしたもの)→ 元の 1 mL → 100 mL の順で ×100
東北医科薬科大2026型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ4大問・同じ解答番号(1〜23)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。周期表と元素の性質、一次反応の半減期、合金の組成の計算、滴定の差を使う濃度計算の練習に使ってください。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 東北医科薬科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
次の表は元素の周期表の一部で、各区画の数字は原子番号を表す。原子量は H=1.00, C=12.0, N=14.0, O=16.0, Na=23.0, Cl=35.5, Cu=63.5, Zn=65.4, Br=80.0 とし、必要なら用いよ。
a 原子の陽子数と中性子数は、ともに29である。
b 周期表の同族元素には、銀や金がある。
c 典型元素に分類される。
d 単体は赤みを帯びた金属光沢をもつ。
e 単体は塩酸に溶けて水素を発生する。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 1 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 2 | ① K 1 ・ L 7 ・ M 9 ② K 2 ・ L 6 ・ M 9 ③ K 2 ・ L 7 ・ M 8 ④ K 2 ・ L 8 ・ M 5 ⑤ K 2 ・ L 8 ・ M 6 ⑥ K 2 ・ L 8 ・ M 7 ⑦ K 2 ・ L 9 ・ M 6 ⑧ K 4 ・ L 8 ・ M 5 ⑨ K 4 ・ L 7 ・ M 6 ⑩ K 2 ・ L 8 ・ M 8 ・ N 1 |
a 一般に、同じ周期の元素の原子では貴ガスを除き、原子番号が増加すると第一イオン化エネルギーは大きくなる。
b 一般に、同じ族の元素の原子では貴ガスを除き、原子番号が増加すると第一イオン化エネルギーは大きくなる。
c 2族に属する元素の単体は、いずれも常温の水と激しく反応する。
d 17族元素の水素化物のうち、沸点が最も高いのは HF である。
e 18族元素は、他の元素と化合物をつくりやすい。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 3 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
a 原子番号6の元素の単体のうち、黒鉛は電気を導かない。
b 原子番号16の元素の単体には、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄などの同素体がある。
c 原子番号11の元素の単体は、空気中の酸素や水と反応しやすいので、石油中に保存する。
d 原子番号20の元素は、炎色反応で黄緑色を示す。
e 原子番号17の元素の単体は、無色の気体である。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 4 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
a 原子番号29の元素のイオンの水溶液で、黒色沈殿が生じた。
b 原子番号30の元素のイオンの水溶液で、黄色沈殿が生じた。
c 原子番号48の元素のイオンの水溶液で、黄色沈殿が生じた。
d 原子番号80の元素のイオンの水溶液で、白色沈殿が生じた。
e 原子番号82の元素のイオンの水溶液で、白色沈殿が生じた。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 5 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
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第Ⅰ問(周期表と元素の性質) の答えと解説
- a:Cu の原子量は 63.5、陽子数は29なので、中性子数は 約34(63.5−29)。ともに29ではない。→ 誤
- b:11族は Cu・Ag・Au。→ 正
- c:11族は遷移元素。典型元素ではない。→ 誤
- d:Cu は赤色の光沢をもつ。→ 正
- e:Cu はイオン化傾向が $\mathrm{H_{2}}$ より小さく、塩酸には溶けない。→ 誤
- 正しいのは b と d。
- 17個の電子を K殻(最大2)→ L殻(最大8)→ M殻 の順に入れると 2・8・7。M殻に7個の電子をもつので、価電子は7個。
- a:同じ周期では、原子番号が増すと有効核電荷が増えて電子を引きつける力が強くなり、イオン化エネルギーは大きくなる傾向。→ 正
- b:同じ族では、原子番号が増すと原子半径が大きくなり電子を取り去りやすくなるので、小さくなる。→ 誤
- c:Be は水と反応せず、Mg も常温の水とはほとんど反応しない。→ 誤
- d:HF は分子間の水素結合のため、HCl・HBr・HI より沸点が高い。→ 正
- e:18族(貴ガス)は安定で、ふつう化合物をつくらない。→ 誤
- 正しいのは a と d。
- a:黒鉛は、層の中に自由に動ける電子があり、電気をよく導く。→ 誤
- b:硫黄の同素体として、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄が知られる。→ 正
- c:Na は空気中の酸素や水と反応しやすく、石油(灯油)中に保存する。→ 正
- d:Ca の炎色反応は橙赤色。黄緑色はバリウム Ba。→ 誤
- e:$\mathrm{Cl_{2}}$ は黄緑色の気体。→ 誤
- 正しいのは b と c。
- 29=Cu:CuS は黒色。→ a は正
- 30=Zn:ZnS は白色。→ b は誤
- 48=Cd:CdS は黄色。→ c は正
- 80=Hg:HgS は黒色(辰砂は赤色だが、沈殿としては黒色)。→ d は誤
- 82=Pb:PbS は黒色。→ e は誤
- 適切なのは a と c。
以下の問いに答えよ。
問1 Bのモル濃度がAのモル濃度の14倍になるのは、実験開始から何分後か。最も近い値を選び、解答番号 6 にマークせよ。
問2 この分解反応に関する次の記述の正誤について、正しいものを選び、解答番号 7 にマークせよ。
a Aのモル濃度が初濃度の25%になるまでにかかる時間は、Bのモル濃度が $3.00\times10^{-1}$ mol/L に達するまでにかかる時間と等しい。
b この反応の半減期は、Aの初濃度を2倍にしても変わらない。
c 反応物Aの分解反応における反応速度は、Aのモル濃度の2乗に比例する。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 6 | ① 10 ② 20 ③ 30 ④ 40 ⑤ 50 ⑥ 60 ⑦ 70 ⑧ 80 ⑨ 90 ⑩ 100 |
| 7 | ① 正・正・正 ② 正・正・誤 ③ 正・誤・正 ④ 正・誤・誤 ⑤ 誤・正・正 ⑥ 誤・正・誤 ⑦ 誤・誤・正 ⑧ 誤・誤・誤 |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 8 | ① 180 ② 240 ③ 270 ④ 300 ⑤ 330 ⑥ 360 ⑦ 420 ⑧ 450 ⑨ 540 ⑩ 600 |
a 圧力・温度が一定のとき、反応速度は反応物の濃度に比例するので、k は濃度とともに変化する。
b [D] を2倍、[E] を3倍にすると、反応速度は6倍になる。
c 一般に、温度を上げると k は大きくなる。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 9 | ① 正・正・正 ② 正・正・誤 ③ 正・誤・正 ④ 正・誤・誤 ⑤ 誤・正・正 ⑥ 誤・正・誤 ⑦ 誤・誤・正 ⑧ 誤・誤・誤 |
Ⅰ $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ + $\mathrm{I^{-}}$ → $\mathrm{H_{2}O}$ + $\mathrm{IO^{-}}$ Ⅰの反応速度式:$v_1=k_1[\mathrm{H_2O_2}][\mathrm{I^{-}}]$
Ⅱ $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ + $\mathrm{IO^{-}}$ → $\mathrm{H_{2}O}$ + $\mathrm{O_{2}}$ + $\mathrm{I^{-}}$ Ⅱの反応速度式:$v_2=k_2[\mathrm{H_2O_2}][\mathrm{IO^{-}}]$
2つの素反応をまとめると、ア $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ → イ $\mathrm{H_{2}O}$ + ウ $\mathrm{O_{2}}$ となる。また、Ⅰの反応が最も遅く、Ⅱの反応は速いことが知られている。
25℃で $\mathrm{I^{-}}$ の濃度を一定にして $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ の分解速度 $v$ [mol/(L·s)] を調べたところ、表のようになった。
| [$\mathrm{H_{2}O_{2}}$] [mol/L] | 2.00 | 1.20 | 0.800 |
| v [mol/(L·s)] | $5.20\times10^{-3}$ | $3.12\times10^{-3}$ | $2.08\times10^{-3}$ |
問5 上記の多段階反応や反応速度に関する次の記述の正誤について、正しいものを選び、解答番号 10 にマークせよ。
a $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ の分解反応の全体の反応速度式は、反応速度定数を k として近似的に $v=k[\mathrm{H_2O_2}]$ で示される。
b この反応の律速段階は、Ⅱの反応である。
c イ に入る係数は、4である。
問6 表の実験結果から得られる、$\mathrm{H_{2}O_{2}}$ の分解反応の反応速度定数 k の平均値 [1/s] はいくつか。最も近い値を選び、解答番号 11 にマークせよ。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 10 | ① 正・正・正 ② 正・正・誤 ③ 正・誤・正 ④ 正・誤・誤 ⑤ 誤・正・正 ⑥ 誤・正・誤 ⑦ 誤・誤・正 ⑧ 誤・誤・誤 |
| 11 | ① $2.60\times10^{-5}$ ② $2.60\times10^{-3}$ ③ $2.60\times10^{-1}$ ④ $26.0$ ⑤ $2.60\times10^{3}$ ⑥ $3.85\times10^{-5}$ ⑦ $3.85\times10^{-3}$ ⑧ $3.85\times10^{-1}$ ⑨ $38.5$ ⑩ $3.85\times10^{3}$ |
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第Ⅱ問(化学反応の速さ) の答えと解説
- 図より、B は20分で $2.00\times10^{-1}$ mol/L、これは最終値 $4.00\times10^{-1}$ mol/L の半分。A が半分になるのも 20分なので、A の半減期は 20分。
- 6:n 回の半減期のあと A は $2.00\times10^{-1}\times2^{-n}$、B は $4.00\times10^{-1}(1-2^{-n})$。B/A = $2(2^n-1)$ = 14 より $2^n=8$、n=3。よって 20×3 = 60分後。
- 7:a Aが25%になるのは半減期2回分=40分。Bは $4.00\times10^{-1}(1-\tfrac14)=3.00\times10^{-1}$ で、これも40分。等しい → 正。b 半減期が一定(図で20分ごとに半分)=一次反応。一次反応の半減期は初濃度によらない → 正。c 半減期が一定なので速度は A の濃度の1乗に比例する。2乗ではない → 誤。よって(正・正・誤)。
- $1.20\times10^{-1}\div7.50\times10^{-3}=16=2^4$。半減期4回分なので 90×4 = 360秒。
- a:k は濃度によらず、温度が一定なら一定。濃度とともに変わるのは速度 v。→ 誤
- b:$v=k[D][E]$ なので $2\times3=6$ 倍。→ 正
- c:温度が上がると活性化エネルギーを超える分子が増え、k は大きくなる。→ 正
- よって(誤・正・正)。
- まとめ:Ⅰ+Ⅱ で $\mathrm{IO^{-}}$・$\mathrm{I^{-}}$ は消え、2 $\mathrm{H_{2}O_{2}}$ → 2 $\mathrm{H_{2}O}$ + $\mathrm{O_{2}}$。ア=2, イ=2, ウ=1。
- 10:a Ⅰが律速で $v=v_1=k_1[\mathrm{H_2O_2}][\mathrm{I^{-}}]$。$\mathrm{I^{-}}$ は一定なので $v=k[\mathrm{H_2O_2}]$ と近似できる → 正。b 律速段階は最も遅いⅠ → 誤。c イ=2 であって4ではない → 誤。よって(正・誤・誤)。
- 11:$k=v/[\mathrm{H_2O_2}]$:$5.20\times10^{-3}/2.00$、$3.12\times10^{-3}/1.20$、$2.08\times10^{-3}/0.800$ はいずれも $2.60\times10^{-3}$ /s。平均も $2.60\times10^{-3}$。($3.85\times10^{-3}$ は逆数の $1/k$ に近い値で、誤り。)
次の文章を読んで、以下の問いに答えよ。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 12 | ① Al ・ Fe ② Al ・ Cu ③ Al ・ Zn ④ Fe ・ Al ⑤ Fe ・ Cu ⑥ Fe ・ Zn ⑦ Cu ・ Al ⑧ Cu ・ Fe ⑨ Cu ・ Zn ⑩ Zn ・ Al |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 13 | ① Cr ・ Mn ② Cr ・ Co ③ Cr ・ Ni ④ Mn ・ Cr ⑤ Mn ・ Co ⑥ Mn ・ Ni ⑦ Co ・ Cr ⑧ Co ・ Mn ⑨ Co ・ Ni ⑩ Ni ・ Cr |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 14 | ① 小さい ・ $\mathrm{H_{2}}$ ・ 錯イオン ② 小さい ・ $\mathrm{H_{2}}$ ・ 不動態 ③ 小さい ・ $\mathrm{Cl_{2}}$ ・ 錯イオン ④ 小さい ・ $\mathrm{Cl_{2}}$ ・ 不動態 ⑤ 大きい ・ $\mathrm{H_{2}}$ ・ 錯イオン ⑥ 大きい ・ $\mathrm{H_{2}}$ ・ 不動態 ⑦ 大きい ・ $\mathrm{Cl_{2}}$ ・ 錯イオン ⑧ 大きい ・ $\mathrm{Cl_{2}}$ ・ 不動態 |
a Zn の単体は希硫酸に溶けるが、水酸化ナトリウム水溶液には溶けない。
b 酸化亜鉛 ZnO は白色で、白色顔料(亜鉛華)として用いられる。
c 硫酸銅(Ⅱ)五水和物は青色で、加熱すると白色の無水物になる。
d Cu の単体は、希塩酸に溶けて水素を発生する。
e Cu の単体は、Zn の単体よりも融点が低い。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 15 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 16 | ① 0.30 ② 0.60 ③ 0.85 ④ 1.31 ⑤ 1.50 ⑥ 1.69 ⑦ 2.00 ⑧ 2.40 ⑨ 2.70 ⑩ 2.85 |
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第Ⅲ問(金属とその合金) の答えと解説
- 黄銅は銅 Cu と亜鉛 Zn の合金(5円硬貨)。ベースメタルの ア=Cu、イ=Zn。
- ア(Cu)と ウ の白色の合金は Cu–Ni の白銅なので ウ=Ni。ウ(Ni)と エ の電熱線の合金はニクロム(Ni–Cr)なので エ=Cr。
- ニクロムは電気抵抗が大きい(オ)。Cr はイオン化傾向が $\mathrm{H_{2}}$ より大きく、希塩酸に $\mathrm{H_{2}}$ を発生して溶ける(カ)。濃硝酸には表面にち密な酸化被膜をつくり、不動態になる(キ)。
- a:Zn は両性金属で、酸にも強塩基にも溶ける。→ 誤
- b:ZnO は白色(亜鉛華)。→ 正
- c:$\mathrm{CuSO_4\cdot5H_2O}$ は青色、加熱で水を失い白色の $\mathrm{CuSO_4}$。→ 正
- d:Cu は $\mathrm{H_{2}}$ よりイオン化傾向が小さく、希塩酸には溶けない。→ 誤
- e:融点は Cu が約1085℃、Zn が約420℃。→ 誤
- 正しいのは b と c。
- $\mathrm{Zn+2HCl\to ZnCl_2+H_2}$ より、溶けた Zn の物質量は 水素と同じ $0.448/22.4=0.0200$ mol。Zn の質量は $0.0200\times65.4=1.308$ g。Cu は $3.00-1.308=1.692\approx1.69$ g。(1.31 は Zn の質量。)
次の文章を読んで、以下の問いに答えよ。原子量は H=1.00, C=12.0, N=14.0, Br=80.0 とする。
(1) $\mathrm{C_{6}H_{5}NH_{2}}$ + a $\mathrm{Br_{2}}$ → ウ + b $\mathrm{HBr}$
アニリンの定量には、臭素を過剰に加えたのち、残った臭素をヨウ化カリウムとの反応でヨウ素に変え、これをチオ硫酸ナトリウムで滴定する方法がある。
操作Ⅰ アニリン水溶液に、一定量の臭素水を過剰に加えて(1)式の反応をさせたのち、ヨウ化カリウム水溶液を加え、次の(2)式で遊離したヨウ素を、でんぷん溶液を指示薬として、チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する。
操作Ⅱ アニリンを含まない水に、操作Ⅰと同量の臭素水を加え、同様に滴定する。
(2) $\mathrm{Br_{2}}$ + 2 KI → 2 KBr + $\mathrm{I_{2}}$ (3) $\mathrm{I_{2}}$ + 2 $\mathrm{Na_{2}S_{2}O_{3}}$ → 2 NaI + $\mathrm{Na_{2}S_{4}O_{6}}$
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 17 | ① ニトロベンゼン ② 安息香酸 ③ ベンゼンスルホン酸 ④ フェノール ⑤ トルエン ⑥ ニトロトルエン ⑦ アセトアニリド ⑧ クロロベンゼン |
a さらし粉水溶液を加えると、赤紫色を呈する。
b 水に少し溶け、その水溶液は弱い塩基性を示す。
c 無水酢酸と反応して、アセトアニリドを生じる。
d 希塩酸には溶けない。
e 塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると、青紫色〜赤紫色を呈する。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 18 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 19 | ① a=1 ・ b=1 ② a=1 ・ b=2 ③ a=1 ・ b=3 ④ a=2 ・ b=1 ⑤ a=2 ・ b=2 ⑥ a=2 ・ b=3 ⑦ a=3 ・ b=1 ⑧ a=3 ・ b=2 ⑨ a=3 ・ b=3 |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 20 | ① 2-ブロモアニリン ② 3-ブロモアニリン ③ 4-ブロモアニリン ④ 2,4-ジブロモアニリン ⑤ 2,5-ジブロモアニリン ⑥ 3,5-ジブロモアニリン ⑦ 2,4,6-トリブロモアニリン ⑧ 3,4,5-トリブロモアニリン |
a 酸化力は、ヨウ素 $\mathrm{I_{2}}$ のほうが臭素 $\mathrm{Br_{2}}$ よりも大きい。
b (2)式において、ヨウ化カリウムは還元剤としてはたらいている。
c 操作Ⅰで遊離したヨウ素 $\mathrm{I_{2}}$ の物質量は、操作Ⅱのそれよりも少ない。
d (3)式において、チオ硫酸ナトリウムは酸化剤としてはたらいている。
e 操作Ⅰおよび操作Ⅱにおける滴定の終点は、反応液の青紫色が消えて無色となったときである。
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 21 | ① (a, b) ② (a, c) ③ (a, d) ④ (a, e) ⑤ (b, c) ⑥ (b, d) ⑦ (b, e) ⑧ (c, d) ⑨ (c, e) ⑩ (d, e) |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 22 | ① 0.93 ② 1.24 ③ 1.86 ④ 2.79 ⑤ 5.58 ⑥ 11.2 ⑦ 16.7 ⑧ 18.6 ⑨ 27.9 ⑩ 55.8 |
| 空欄 | 解答群 |
|---|---|
| 23 | ① 0.81 ② 1.21 ③ 1.61 ④ 2.42 ⑤ 2.90 ⑥ 3.63 ⑦ 4.84 ⑧ 7.26 ⑨ 9.68 ⑩ 14.5 |
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第Ⅳ問(アニリンと臭素の滴定) の答えと解説
- ベンゼンの混酸によるニトロ化で生じるのは ニトロベンゼン($\mathrm{C_{6}H_{5}NO_{2}}$)。
- a:さらし粉でアニリンは赤紫色(アニリンの検出反応)。→ 正
- b:水に少し溶け、弱塩基性。→ 正
- c:アミノ基のアセチル化でアセトアニリド。→ 正
- d:アニリンは塩基なので、希塩酸には塩をつくって溶ける。「溶けない」は誤り。→ 誤
- e:塩化鉄(Ⅲ)で呈色するのはフェノール類。アニリンの検出には使わない。→ 誤
- 誤っているのは d と e。
- ベンゼン環の、アミノ基に対してオルト位2か所とパラ位1か所の合計3か所の H が Br に置き換わる。置換1回ごとに $\mathrm{Br_{2}}$ 1分子が消費され HBr が1分子できるので a=3, b=3。
- アミノ基はオルト・パラ配向性なので、2・4・6 位が臭素化され、2,4,6-トリブロモアニリン。
- a:ハロゲンの酸化力は $\mathrm{F_2>Cl_2>Br_2>I_2}$。$\mathrm{Br_{2}}$ のほうが大きい。→ 誤
- b:KI の $\mathrm{I^{-}}$ は電子を失って $\mathrm{I_{2}}$ になるので還元剤。→ 正
- c:操作Ⅰでは臭素の一部がアニリンに使われ、残りが少ない。そのため生じる $\mathrm{I_{2}}$ も操作Ⅱより少ない。→ 正
- d:チオ硫酸イオンは $\mathrm{I_{2}}$ を $\mathrm{I^{-}}$ に還元し、自身は酸化される(還元剤)。→ 誤
- e:$\mathrm{I_{2}}$ が残る間は、でんぷんで青紫色。$\mathrm{I_{2}}$ がなくなると無色になる。→ 正
- 誤っているのは a と d。
- $\mathrm{Br_{2}}$ は $4.00\times10^{-2}\times1.50\times10^{-3}=6.00\times10^{-5}$ mol。(1)式より アニリンは $\tfrac13$ の $2.00\times10^{-5}$ mol。アニリンの分子量は $12.0\times6+1.00\times7+14.0=93.0$ なので $2.00\times10^{-5}\times93.0=1.86\times10^{-3}$ g = 1.86 mg。
- (2)(3)式より、$\mathrm{Br_2}\sim\mathrm{I_2}\sim 2\,\mathrm{Na_2S_2O_3}$。$\mathrm{Br_{2}}$ の物質量はチオ硫酸ナトリウムの $\tfrac12$。
- アニリンに使われた $\mathrm{Br_{2}}$ = 操作Ⅱの $\mathrm{Br_{2}}$ − 操作Ⅰの残りの $\mathrm{Br_{2}}$ = $\tfrac12\times0.100\times(28.0-12.4)\times10^{-3}=7.80\times10^{-4}$ mol。
- アニリンは $\tfrac13$ で $2.60\times10^{-4}$ mol(これは取り出した 1.00 mL 中の量)。100 mL 中では 100 倍の $2.60\times10^{-2}$ mol で、$2.60\times10^{-2}\times93.0=2.418\approx2.42$ g。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、数値・設定を変えて作っています。第Ⅱ問は半減期20分のグラフ、第Ⅲ問は黄銅(Cu・Zn)と白銅(Cu・Ni)、第Ⅳ問はアニリンと臭素の滴定です。計算問題(6・8・11・16・22・23)は数値で、反応式は原子数の保存でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる小問(1〜5・15・17・18・20・21)は、スクリプトでは確かめられないため要確認です。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:東北医科薬科大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 東北医科薬科大学 医学部の化学2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第Ⅰ問(周期表と元素)12分、第Ⅱ問(化学反応の速さ)15分、第Ⅲ問(金属とその合金)15分、第Ⅳ問(フェノールと臭素の滴定)13分、見直し5分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。全23問がすべてマーク式で、知識で決まる小問が多いため、知識問題を先に即答して時間を計算問題にまわします。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
赤本に解答編が無かったため、全23問をTMPSで自力で解きました。計算問題(空欄6・8・11・16・22・23)は数値を再計算し、反応式は原子の数が合うかをスクリプトで確かめています。一方、元素の性質や化合物の色などの知識で決まる小問は、スクリプトでは検証できないため、ページ内に「要確認」と明記しています。公開されている解答は見ていません。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ4大問・同じ解答番号の数(1〜23)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(7ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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