TMPS医学館 医学部入試 化学 完全解説シリーズ

東京医科大学 医学部 化学(2023年度)全問題・超図解解説

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理系AIコーチ Sora先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 理系AIコーチ Sora先生徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!東京医科大学(2023年度)化学をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系コーチSora(ソラ)です。市販の過去問集(赤本など)で計算の途中式が1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、東京医科大学(2023年度)の化学について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と思考プロセスをすべて公開しています!

試験全体の共通条件・原子量(問題冊子 冒頭記載)

(注意)問題文中に指定がない場合、解答にあたって必要ならば、次の数値および条件を用いよ。

【原子量】$\mathrm{H} = 1.01,\ \mathrm{C} = 12.0,\ \mathrm{N} = 14.0,\ \mathrm{O} = 16.0,\ \mathrm{Na} = 23.0,\ \mathrm{S} = 32.1,\ \mathrm{Cl} = 35.5,\ \mathrm{Ca} = 40.1,\ \mathrm{Cr} = 52.0,\ \mathrm{Cu} = 63.5,\ \mathrm{Zn} = 65.4,\ \mathrm{Ag} = 107.9,\ \mathrm{I} = 126.9$

【物理定数・条件】気圧:$1.00\,\mathrm{atm} = 1.01 \times 10^5\,\mathrm{Pa}$ / $0.0\,^\circ\mathrm{C}$の絶対温度:$T = 273.0\,\mathrm{K}$ / 標準状態の気体 $1.00\,\mathrm{mol}$ の体積:$22.4\,\mathrm{L}$ / 気体定数:$R = 8.31 \times 10^3\,\mathrm{Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$ / 気体はすべて、理想気体としてふるまうものとする。

⚠️ Sora先生の注意ポイント:水素の原子量が $\mathrm{H} = 1.00$ ではなく $\mathrm{H} = 1.01$ で与えられています!分子量を計算するときにうっかり $1.0$ を使うと有効数字3桁の選択肢でズレるので要注意だよ!

⚡ 解答一覧(スピードチェック・全22マーク)

配点目安:100点満点(2科目120分)

第1問(小問集合:正誤判定)

  • 問1 1④
  • 問2 2⑤
  • 問3 3④
  • 問4 4③
  • 問5 5①

第2問(気体の燃焼と熱化学)

  • 問1(1) 6③(エタン)
  • 問1(2) 7⑤(水素)
  • 問2 8⑤($8.60\,\mathrm{g}$)
  • 問3 9③($0.272\,\mathrm{mol}$)
  • 問4 10③($212\,\mathrm{kJ}$)
  • 問5 11⑤($9.49 \times 10^{-2}\,\%$)

第3問($\mathrm{CO_2}$の溶解と電離平衡)

  • 問1 12⑦(ヘンリー)
  • 問2 13①($1$)
  • 問2 14⑥($6$)※$1\times 10^{-6}$
  • 問3 15④($\mathrm{pH}=4$)
  • 問4 16③($-\log_{10}K_3=3$)

第4問(マルトースの加水分解)

  • 問1 17①(グルコース$2\,\mathrm{mol}$)
  • 問2 18⑨(二酸化炭素)
  • 問3 19⑦($3.36 \times 10^{-2}\,\mathrm{g}$)
  • 問4 20⑥(酸化銅(I))
  • 問5 21⑦($19.0\,\%$)
  • 問6 22④($4.66 \times 10^{-1}\,\mathrm{mol/L}$)
第1問

理論・有機・高分子の基本正誤問題(小問集合)

解答番号 1 〜 5 / 目標解答時間:8分

Sora先生
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東京医科大の看板問題!「該当するものがなければ⑥を選べ」という名物選択肢があるけど、ビビらなくて大丈夫。問1・問2は「誤りを含むもの」、問3・問4・問5は「誤りを含まないもの(=正しいもの)」を選ぶ問題だよ。まずは問題の「指示」に大きく丸をつけてから読み始めよう!問4のグリセリンの不斉炭素原子は差がつく良問だから図解で完璧にしようね!

【問題文】以下の問1〜5の各群の①〜⑤の中には、それぞれの問いの指示に該当するものが一つだけあるか、一つもないかのいずれかである。指示に該当するものが①〜⑤の中に存在する場合は、①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。該当するものがない場合は⑥を選べ。

問1 解答枠 1 | 指示:誤りを含むもの

① 原子を構成する電子は、原子の中心にある原子核の周囲に、いくつかの層(電子殻)に分かれて存在している。電子殻は、原子核に近い内側から順に $\mathrm{K}$殻、$\mathrm{L}$殻、$\mathrm{M}$殻、$\mathrm{N}$殻・・・と呼ぶ。

② 原子の原子核にある陽子は正の電荷を持ち、中性子は電荷を持たないので、原子核は全体として正の電荷を持っている。

③ 各電子殻への電子の入り方を電子配置という。

④ 原子を構成する陽子の数、中性子の数、および電子の数の和を、その原子の質量数という。

⑤ 原子番号と質量数を含めて原子を表す場合、元素記号の左上に質量数、左下に原子番号を書く。

⑥ (①〜⑤のどこにも誤りは含まれていない。)

全選択肢の徹底検証
  • ① 正しい:電子殻は内側から順に $\mathrm{K}$殻($n=1$)、$\mathrm{L}$殻($n=2$)、$\mathrm{M}$殻($n=3$)、$\mathrm{N}$殻($n=4$)…と呼びます。
  • ② 正しい:原子核は正電荷をもつ陽子と電荷をもたない中性子からなり、全体として正の電荷をもっています。
  • ③ 正しい:各電子殻に電子がどのように収容されているかの配列を「電子配置」といいます。
  • ④ 誤り(これが正解!):「質量数 $A$」とは、原子核を構成する「陽子の数 $Z$」と「中性子の数 $N$」の和($A = Z + N$)であり、電子の数は含みません!(電子1個の質量は陽子や中性子の約 $\dfrac{1}{1840}$ と極めて軽いため、質量数にはカウントしません)。
  • ⑤ 正しい:例えば炭素12ならば ${}^{12}_{\,\,6}\mathrm{C}$ のように、左上に質量数、左下に原子番号を書きます。

したがって、誤りを含むものは 1 = ④ です。

問2 解答枠 2 | 指示:誤りを含むもの

① タンパク質を構成する成分となる $\alpha$-アミノ酸はすべて、アミノ基とカルボキシ基の両方に結合した炭素原子を分子内に持つ。

② $\alpha$-アミノ酸の水溶液の $\mathrm{pH}$ を変化させると、陽イオン、双性イオン、および陰イオンの割合が変化する。

③ $\alpha$-アミノ酸は、アルコールと反応させることでエステルに、無水酢酸 $\mathrm{(CH_3CO)_2O}$ と反応させることでアミドに、それぞれ変換することができる。

④ 二つの $\alpha$-アミノ酸分子において、一方のアミノ酸が持つカルボキシ基と他方のアミノ酸が持つアミノ基とが脱水縮合を起こすと、ジペプチドが生成する。

⑤ グリシンは不斉炭素原子を持たないので、鏡像異性体の一方である $\mathrm{L}$体のみが存在する。

⑥ (①〜⑤のどこにも誤りは含まれていない。)

全選択肢の徹底検証
  • ① 正しい:カルボキシ基が結合している炭素原子($\alpha$炭素)にアミノ基(プロリンではイミノ基)が結合しているアミノ酸を $\alpha$-アミノ酸といいます。
  • ② 正しい:水溶液中では $\text{陽イオン} \rightleftarrows \text{双性イオン} \rightleftarrows \text{陰イオン}$ の電離平衡が成り立っており、$\mathrm{pH}$ を小さく(酸性に)すると陽イオンが増え、$\mathrm{pH}$ を大きく(塩基性に)すると陰イオンが増えます。
  • ③ 正しい:$\alpha$-アミノ酸のカルボキシ基($\mathrm{-COOH}$)は酸触媒下でアルコールと反応してエステル化され、アミノ基($\mathrm{-NH_2}$)は無水酢酸と反応してアセチル化(アミド化:$\mathrm{-NHCOCH_3}$)されます。
  • ④ 正しい:2分子の $\alpha$-アミノ酸が1か所で脱水縮合してできた化合物をジペプチドといいます。
  • ⑤ 誤り(これが正解!):グリシン $\mathrm{H_2N-CH_2-COOH}$ は、中心の炭素原子に水素原子 $\mathrm{-H}$ が2つ結合しているため不斉炭素原子を持ちません。不斉炭素原子を持たないということは、実像と鏡像がピッタリ重なり合うため、鏡像異性体($\mathrm{D}$体・$\mathrm{L}$体の区別)そのものが存在しません!「$\mathrm{L}$体のみが存在する」という後半部分が誤りです。

したがって、誤りを含むものは 2 = ⑤ です。

問3 解答枠 3 | 指示:誤りを含まないもの(=正しいもの)

① イギリスのボイルは、一定圧力 $P$ のもとで、内容積可変の密閉容器に入れた一定質量の気体の温度 $T$ を $1\,\mathrm{K}$ 上下させるごとに、この気体の体積 $V$ は $0\,^\circ\mathrm{C}$ のときの体積 $V_0$ の $1/273$ 倍ずつ増減することを発見した。

② ボイル・シャルルの法則から、一定質量の気体の体積 $V$ は、その気体の圧力 $P$ に比例し、絶対温度 $T$ に反比例することがわかる。

③ 気体の状態方程式において、圧力 $P$ に $1.01 \times 10^5\,\mathrm{Pa}$、体積 $V$ に $1.00\,\mathrm{L}$、物質量 $n$ に $1.00\,\mathrm{mol}$、温度 $T$ に $273.0\,\mathrm{K}$ を代入すると、気体定数 $R = 8.31 \times 10^3\,\mathrm{Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$ が導かれる。

④ 気体の体積 $V$ が理論上 $0$ となる温度($-273.0\,^\circ\mathrm{C}$)を原点として、セルシウス温度の目盛りと同じ間隔で表した温度を絶対温度という。

⑤ 混合気体の平均分子量(見かけの分子量)$\overline{M}$ は、この混合気体に含まれる各成分について気体の物質量 $n\,[\mathrm{mol}]$ とモル分率の積を計算し、それらのすべての計算値を足し合わせることにより求めることができる。

⑥ (①〜⑤のすべてに誤りが含まれている。)

全選択肢の徹底検証
  • ① 誤り:これは「シャルルの法則」(フランスのシャルルやゲイ=リュサックが発見)の説明です。イギリスのボイルが発見したのは「一定温度のもとで気体の体積 $V$ は圧力 $P$ に反比例する」というボイルの法則です。
  • ② 誤り:ボイル・シャルルの法則 $\dfrac{PV}{T} = \text{一定}$ より、$V = \text{一定} \times \dfrac{T}{P}$ となるので、体積 $V$ は圧力 $P$ に反比例し、絶対温度 $T$ に比例します(比例と反比例が逆になっています)。
  • ③ 誤り:標準状態($P = 1.01 \times 10^5\,\mathrm{Pa},\ T = 273.0\,\mathrm{K}$)における $n = 1.00\,\mathrm{mol}$ の理想気体の体積 $V$ は $1.00\,\mathrm{L}$ ではなく $22.4\,\mathrm{L}$ です!$V = 22.4\,\mathrm{L}$ を代入したときに $R = \dfrac{PV}{nT} = \dfrac{1.013 \times 10^5 \times 22.4}{1.00 \times 273} \fallingdotseq 8.31 \times 10^3\,\mathrm{Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$ が導かれます。
  • ④ 正しい(これが正解!):シャルルの法則において気体の体積 $V$ が理論上 $0$ になる温度(絶対零度:本問の条件では $-273.0\,^\circ\mathrm{C}$)を $0\,\mathrm{K}$(原点)とし、$1\,\mathrm{K}$ の温度間隔をセルシウス温度の $1\,^\circ\mathrm{C}$ と同じ目盛り間隔にとった温度を絶対温度($T = t + 273.0$)といいます。誤りは一切ありません。
  • ⑤ 誤り:混合気体の平均分子量 $\overline{M}$ は、各成分気体の「分子量 $M_i$」と「モル分率 $x_i$」の積の総和($\overline{M} = \sum M_i x_i$)で求めます。「物質量 $n\,[\mathrm{mol}]$ とモル分率の積」ではありません。

したがって、誤りを含まないものは 3 = ④ です。

問4 解答枠 4 | 指示:誤りを含まないもの(=正しいもの)

① $2$-プロパノールは $2$価のアルコールである。

② アルコールは、分子量が同程度の炭化水素に比べて高い沸点を持つ。これは、アルコール分子内のヒドロキシ基($\mathrm{-OH}$)が分子内で水素結合していることによる。

③ グリセリンのヒドロキシ基の一つをエステル化するとき、元のグリセリンが持っていた炭素原子が一つだけ不斉炭素原子になる場合と一つもならない場合の両方が考えられる。

④ 硫酸水銀 $\mathrm{HgSO_4}$ 触媒下でエチレン(エテン)$\mathrm{C_2H_4}$ に水を付加させると、不安定なビニルアルコールが生成する。

⑤ 硫酸酸性下、ニクロム酸カリウム $\mathrm{K_2Cr_2O_7}$ 水溶液中で第一級アルコールを加熱すると、ケトンを経てカルボン酸が生成する。

⑥ (①〜⑤のすべてに誤りが含まれている。)

📊 【超図解】選択肢③:グリセリンの3つのヒドロキシ基のうち1つをエステル化($\mathrm{-OCO-R}$)したときの対称性の違い

元のグリセリン ① CH2 - OH ② CH - OH ③ CH2 - OH 不斉炭素C*:0個(上下対称) 【ケースA】端の①(または③)の -OH をエステル化した場合 CH2(OCO-R) — C*H(OH) — CH2(OH) 中央の②炭素に結合する4つの基(-H, -OH, -CH2OCOR, -CH2OH)がすべて異なる ⇒ 不斉炭素が1個になる! 【ケースB】中央の②の -OH をエステル化した場合 CH2(OH) — CH(OCO-R) — CH2(OH) 中央の②炭素に同じ基(-CH2OH)が2つ結合している ⇒ 不斉炭素は1つもできない(0個)!
全選択肢の徹底検証
  • ① 誤り:$2$-プロパノール $\mathrm{CH_3-CH(OH)-CH_3}$ の「$2$-」はヒドロキシ基がついている炭素の位置番号を表すだけであり、$\mathrm{-OH}$ 基は分子内に $1$個しかないので$1$価の(第二級)アルコールです。
  • ② 誤り:アルコールの沸点が高い理由は、ヒドロキシ基($\mathrm{-OH}$)が「分子間(別のアルコール分子との間)」で水素結合を形成するためです。「分子内で」ではありません。
  • ③ 正しい(これが正解!):上の図解の通り、グリセリン $\mathrm{HOCH_2-CH(OH)-CH_2OH}$ の端(1位)の $\mathrm{-OH}$ 基をエステル化すると中央の炭素が不斉炭素原子($1$個)になり、中央(2位)の $\mathrm{-OH}$ 基をエステル化すると左右対称のままなので不斉炭素原子は $0$個になります。よって両方の場合が考えられます!
  • ④ 誤り:不安定なビニルアルコール $\mathrm{CH_2=CH(OH)}$ を経てアセトアルデヒド $\mathrm{CH_3CHO}$ が生成するのは、硫酸水銀(II)触媒下で「アセチレン(エチン)$\mathrm{C_2H_2}$」に水を付加させたときです!エチレン $\mathrm{C_2H_4}$ に酸触媒(リン酸や希硫酸)で水を付加させるとエタノール $\mathrm{C_2H_5OH}$ が生成します。
  • ⑤ 誤り:第一級アルコール($\mathrm{R-CH_2OH}$)を酸化すると、「アルデヒド($\mathrm{R-CHO}$)」を経てカルボン酸($\mathrm{R-COOH}$)が生成します。「ケトンを経て」ではありません(ケトンは第二級アルコールの酸化で生成し、それ以上酸化されにくいです)。

したがって、誤りを含まないものは 4 = ③ です。

問5 解答枠 5 | 指示:誤りを含まないもの(=正しいもの)

① ベンゼン $\mathrm{C_6H_6}$ では、これを構成するすべての原子が同一平面上にある。$6$個の炭素原子 $\mathrm{C}$ は正六角形の各頂点に位置し、それぞれの炭素原子に水素原子 $\mathrm{H}$ が $1$個ずつ結合している。

② ベンゼンを構成している炭素-炭素結合は、単結合と三重結合が交互に配置されており、$6$個の炭素原子間の結合の長さはすべて同じで、$\mathrm{C-C}$ 結合と $\mathrm{C\equiv C}$ 結合の中間的な状態にある。

③ ベンゼンの $6$個の水素原子のうち $2$個を塩素原子に置換した、ジクロロベンゼン $\mathrm{C_6H_4Cl_2}$ には、一つ目の塩素原子の $o$(オルト)-位に二つ目の塩素原子が結合したものが $2$種類、$m$(メタ)-位に結合したものが $2$種類、$p$(パラ)-位に結合したものが $1$種類の、合計 $5$種類の構造異性体が存在する。

④ 鉄粉を触媒としてベンゼンに塩素 $\mathrm{Cl_2}$ を反応させると、両者の間で付加反応が起こり、クロロベンゼンが生成する。

⑤ ニッケル $\mathrm{Ni}$ を触媒として、高温・高圧でベンゼンに水素 $\mathrm{H_2}$ を付加させると、ヘキサンが生成する。

⑥ (①〜⑤のすべてに誤りが含まれている。)

全選択肢の徹底検証
  • ① 正しい(これが正解!):ベンゼン $\mathrm{C_6H_6}$ は $6$個の炭素原子が正六角形をつくり、各炭素に結合する $6$個の水素原子も含めた全 $12$原子が同一平面上にあります。誤りは一切ありません。
  • ② 誤り:ベンゼン環の炭素間結合は、単結合($\mathrm{C-C}$)と「二重結合($\mathrm{C=C}$)」の中間的な結合($1.5$重結合)です。「三重結合」ではありません。
  • ③ 誤り:ジクロロベンゼンの構造異性体は、$o$-(オルト)、$m$-(メタ)、$p$-(パラ)の各 $1$種類ずつ、合計 $3$種類です(左右のオルト位やメタ位は裏返せば重なるので同一物質です)。
  • ④ 誤り:鉄粉($\mathrm{Fe}$)を触媒としてベンゼンに塩素 $\mathrm{Cl_2}$ を反応させると、「置換反応」が起こってクロロベンゼン $\mathrm{C_6H_5Cl}$ と塩化水素 $\mathrm{HCl}$ が生成します。「付加反応」ではありません(光を当てると付加反応が起こりヘキサクロロシクロヘキサンになります)。
  • ⑤ 誤り:$\mathrm{Ni}$ や $\mathrm{Pt}$ を触媒としてベンゼンに水素 $3\,\mathrm{H_2}$ を付加させると、環状の「シクロヘキサン $\mathrm{C_6H_{12}}$」が生成します。鎖状の「ヘキサン $\mathrm{C_6H_{14}}$」ではありません。

したがって、誤りを含まないものは 5 = ① です。

第2問

気体の燃焼と熱化学方程式・混合気体の量的関係

解答番号 6 〜 11 / 目標解答時間:18分

Sora先生
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第2問は「気体の燃焼と熱化学」!計算量が多そうに見えるけど、問3・問4・問5はすべて同じ「混合気体A(標準状態で $5.00\,\mathrm{L}$)」を使う連続問題なんだ。最初に混合気体Aに含まれる各気体のモル(またはモル分率)を整理しておけば、ドミノ倒しで一気に解けるよ!問5では「最初から混ざっていた $\mathrm{CO_2}$」を足し忘れないように注意しようね!

【問題文】気体の燃焼に関する以下の各問い(問1〜5)に答えよ。ただし、混合気体の燃焼の実験においては、成分気体同士は互いに反応しない(可燃性の気体がそれぞれ酸素とのみ反応する)ものとする。
なお、燃焼反応は常に次の $25.0\,^\circ\mathrm{C},\ 1.00\,\mathrm{atm}$ における各熱化学方程式に従うものとする。

$\mathrm{H_2}(\text{気}) + \dfrac{1}{2}\mathrm{O_2}(\text{気}) = \mathrm{H_2O}(\text{液}) + 286\,\mathrm{kJ}$ ・・・(a)

$\mathrm{C}(\text{黒鉛}) + \mathrm{O_2}(\text{気}) = \mathrm{CO_2}(\text{気}) + 394\,\mathrm{kJ}$ ・・・(b)

$\mathrm{CO}(\text{気}) + \dfrac{1}{2}\mathrm{O_2}(\text{気}) = \mathrm{CO_2}(\text{気}) + 283\,\mathrm{kJ}$ ・・・(c)

$\mathrm{CH_2O}(\text{気}) + \mathrm{O_2}(\text{気}) = \mathrm{CO_2}(\text{気}) + \mathrm{H_2O}(\text{液}) + 561\,\mathrm{kJ}$ ・・・(d)

$\mathrm{CH_4}(\text{気}) + 2\mathrm{O_2}(\text{気}) = \mathrm{CO_2}(\text{気}) + 2\mathrm{H_2O}(\text{液}) + 891\,\mathrm{kJ}$ ・・・(e)

$\mathrm{C_2H_2}(\text{気}) + \dfrac{5}{2}\mathrm{O_2}(\text{気}) = 2\mathrm{CO_2}(\text{気}) + \mathrm{H_2O}(\text{液}) + 1301\,\mathrm{kJ}$ ・・・(f)

$\mathrm{C_2H_4}(\text{気}) + 3\mathrm{O_2}(\text{気}) = 2\mathrm{CO_2}(\text{気}) + 2\mathrm{H_2O}(\text{液}) + 1411\,\mathrm{kJ}$ ・・・(g)

$\mathrm{C_2H_6}(\text{気}) + \dfrac{7}{2}\mathrm{O_2}(\text{気}) = 2\mathrm{CO_2}(\text{気}) + 3\mathrm{H_2O}(\text{液}) + 1561\,\mathrm{kJ}$ ・・・(h)

問1 解答枠:(1) 6 / (2) 7

標準状態にある以下の①〜⑧の各物質 (1) $1.00\,\mathrm{L}$、(2) $1.00\,\mathrm{g}$ を、それぞれ完全燃焼させたとき、発生する熱量が一番大きいものはどれか。最も適切なものを、以下の①〜⑧のうちから一つ選べ。

① アセチレン $\mathrm{C_2H_2}$(気) ② 一酸化炭素 $\mathrm{CO}$(気) ③ エタン $\mathrm{C_2H_6}$(気) ④ エチレン $\mathrm{C_2H_4}$(気) ⑤ 水素 $\mathrm{H_2}$(気) ⑥ 二酸化炭素 $\mathrm{CO_2}$(気) ⑦ ホルムアルデヒド $\mathrm{CH_2O}$(気) ⑧ メタン $\mathrm{CH_4}$(気)
STEP 1:(1) 標準状態で 1.00 L あたりの発熱量の比較

標準状態において、気体 $1.00\,\mathrm{L}$ に含まれる物質量 $n$ は、気体の種類によらずすべて同じ($n = \dfrac{1.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$)です。
したがって、「$1.00\,\mathrm{L}$ あたりの発熱量が一番大きいもの」=「$1.00\,\mathrm{mol}$ あたりの燃焼熱が一番大きいもの」です!
与えられた熱化学方程式(a)〜(h)の右辺の熱量($1\,\mathrm{mol}$ あたりの燃焼熱)を見比べると、一番大きいのは式(h)のエタン $\mathrm{C_2H_6}$($1561\,\mathrm{kJ/mol}$)です。(※⑥の $\mathrm{CO_2}$ は不燃性なので発熱量 $0$ です)。
よって、(1) 6 = ③(エタン) です。

STEP 2:(2) 質量 1.00 g あたりの発熱量の比較

ある物質(分子量 $M$、燃焼熱 $Q\,[\mathrm{kJ/mol}]$)$1.00\,\mathrm{g}$ の物質量は $\dfrac{1.00}{M}\,\mathrm{mol}$ ですから、$1.00\,\mathrm{g}$ を完全燃焼させたときの発熱量は $\dfrac{Q}{M}\,[\mathrm{kJ/g}]$ となります。各物質について計算して比較しましょう(おおよその分子量でも順位は圧倒的に決まります)。

選択肢・物質 分子量 $M$($\mathrm{H}=1.01$) 燃焼熱 $Q\,[\mathrm{kJ/mol}]$ $1.00\,\mathrm{g}$ あたりの発熱量 $Q/M\,[\mathrm{kJ/g}]$
① $\mathrm{C_2H_2}$ $26.02$ $1301$ $1301 / 26.02 \fallingdotseq 50.0\,\mathrm{kJ/g}$
② $\mathrm{CO}$ $28.0$ $283$ $283 / 28.0 \fallingdotseq 10.1\,\mathrm{kJ/g}$
③ $\mathrm{C_2H_6}$ $30.06$ $1561$ $1561 / 30.06 \fallingdotseq 51.9\,\mathrm{kJ/g}$
④ $\mathrm{C_2H_4}$ $28.04$ $1411$ $1411 / 28.04 \fallingdotseq 50.3\,\mathrm{kJ/g}$
⑤ 水素 $\mathrm{H_2}$ $2.02$ $286$ $286 / 2.02 \fallingdotseq \mathbf{141.6\,\mathrm{kJ/g}}$(最大!)
⑦ $\mathrm{CH_2O}$ $30.02$ $561$ $561 / 30.02 \fallingdotseq 18.7\,\mathrm{kJ/g}$
⑧ $\mathrm{CH_4}$ $16.04$ $891$ $891 / 16.04 \fallingdotseq 55.5\,\mathrm{kJ/g}$

水素 $\mathrm{H_2}$ は分子量が約 $2$ と圧倒的に軽いため、$1.00\,\mathrm{g}$ あたりの発熱量は約 $142\,\mathrm{kJ}$ でダントツの1位です!よって、(2) 7 = ⑤(水素) です。

問2 解答枠 8 $\mathrm{g}$

エタンとエチレンを、合計 $1.00\,\mathrm{mol}$ となるように混合し、すべて完全燃焼させたところ、$1515\,\mathrm{kJ}$ の熱量が発生した。この混合気体中に含まれていたエチレンの質量は何 $\mathrm{g}$ か。最も近い数値を、以下の①〜⑩のうちから一つ選べ。

① 0.307② 0.693③ 1.71④ 1.83⑤ 8.60 ⑥ 9.22⑦ 19.4⑧ 20.8⑨ 26.3⑩ 28.2
STEP 1:エチレンの物質量を $x\,[\mathrm{mol}]$ とおいて一次方程式を立てる

求めたいエチレン $\mathrm{C_2H_4}$ の物質量を $x\,[\mathrm{mol}]$ とおきます。
合計が $1.00\,\mathrm{mol}$ なので、エタン $\mathrm{C_2H_6}$ の物質量は $(1.00 - x)\,[\mathrm{mol}]$ です。
熱化学方程式(g)・(h)より、燃焼熱はそれぞれ

  • エチレン $\mathrm{C_2H_4}$:$1411\,\mathrm{kJ/mol}$
  • エタン $\mathrm{C_2H_6}$:$1561\,\mathrm{kJ/mol}$

したがって、発生した熱量の合計が $1515\,\mathrm{kJ}$ であることから、次の式が成り立ちます。 $$1411x + 1561(1.00 - x) = 1515$$ 展開して整理すると、 $$1411x + 1561 - 1561x = 1515$$ $$150x = 1561 - 1515 = 46$$ $$x = \frac{46}{150} = \frac{23}{75}\,\mathrm{mol} \quad (\fallingdotseq 0.3067\,\mathrm{mol})$$

STEP 2:エチレンの物質量 $x$ に分子量を掛けて質量 $[\mathrm{g}]$ を求める

⚠️ ここでうっかり $0.307$(選択肢①)を選ばないでね!聞かれているのは「物質量 $\mathrm{mol}$」ではなく「質量 $\mathrm{g}$」です!
原子量 $\mathrm{C}=12.0,\ \mathrm{H}=1.01$ より、エチレン $\mathrm{C_2H_4}$ の分子量 $M$ は、 $$M(\mathrm{C_2H_4}) = 12.0 \times 2 + 1.01 \times 4 = 24.0 + 4.04 = 28.04\,\mathrm{g/mol}$$ よって、混合気体中に含まれていたエチレンの質量 $w\,[\mathrm{g}]$ は、 $$w = \frac{23}{75}\,\mathrm{mol} \times 28.04\,\mathrm{g/mol} = \frac{644.92}{75} \fallingdotseq 8.5989\,\mathrm{g} \fallingdotseq \mathbf{8.60\,\mathrm{g}}$$ したがって、正解は 8 = ⑤($8.60$) です。

📌 問3・問4・問5 を一網打尽にする「混合気体A(標準状態 $5.00\,\mathrm{L}$)」の事前データ整理

混合気体Aは、エタン $\mathrm{C_2H_6}$ : エチレン $\mathrm{C_2H_4}$ : 水素 $\mathrm{H_2}$ : 二酸化炭素 $\mathrm{CO_2}$ = $16.0 : 15.0 : 42.0 : 27.0$ の物質量比(モル比)で混合した気体です。
この比の合計は $16.0 + 15.0 + 42.0 + 27.0 = \mathbf{100.0}$ と綺麗に $100$ になります!
また、標準状態の混合気体A $5.00\,\mathrm{L}$ の全物質量 $n_{\text{全}}$ は、 $$n_{\text{全}} = \frac{5.00\,\mathrm{L}}{22.4\,\mathrm{L/mol}} = \frac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol} \quad (\fallingdotseq 0.22321\,\mathrm{mol})$$ です。したがって、混合気体A $1.00\,\mathrm{mol}$ あたり(または $n_{\text{全}}$ あたり)の各成分の割合は下表のようになります。

成分気体 モル分率 $x_i$ $1\,\mathrm{mol}$ 燃焼に必要な $\mathrm{O_2}$ $1\,\mathrm{mol}$ あたりの燃焼熱 $1\,\mathrm{mol}$ 燃焼で生じる $\mathrm{CO_2}$ $1\,\mathrm{mol}$ 燃焼で生じる $\mathrm{H_2O}$
エタン $\mathrm{C_2H_6}$ $0.160$ $3.5\,\mathrm{mol}$ $1561\,\mathrm{kJ}$ $2\,\mathrm{mol}$ $3\,\mathrm{mol}$
エチレン $\mathrm{C_2H_4}$ $0.150$ $3.0\,\mathrm{mol}$ $1411\,\mathrm{kJ}$ $2\,\mathrm{mol}$ $2\,\mathrm{mol}$
水素 $\mathrm{H_2}$ $0.420$ $0.5\,\mathrm{mol}$ $286\,\mathrm{kJ}$ $0\,\mathrm{mol}$ $1\,\mathrm{mol}$
二酸化炭素 $\mathrm{CO_2}$ $0.270$ $0\,\mathrm{mol}$(不燃) $0\,\mathrm{kJ}$ (元の $1\,\mathrm{mol}$ が残る) $0\,\mathrm{mol}$

問3 解答枠 9 $\mathrm{mol}$

エタン、エチレン、水素、二酸化炭素を物質量比 $16.0 : 15.0 : 42.0 : 27.0$ で混合したものを、混合気体Aとする。標準状態の混合気体A $5.00\,\mathrm{L}$ をすべて完全燃焼させるために最低限必要な酸素の物質量は何 $\mathrm{mol}$ か。最も近い数値を、以下の①〜⑪のうちから一つ選べ。ただし、酸素は完全燃焼にのみ $100\,\%$ 使われたとする。

① 0.163② 0.223③ 0.272④ 0.303⑤ 0.444⑥ 0.505 ⑦ 3.65⑧ 6.10⑨ 6.78⑩ 9.95⑪ 11.3
STEP 1:混合気体A 1.00 mol あたりに必要な酸素の物質量を求める

上の整理表より、混合気体A $1.00\,\mathrm{mol}$ を完全燃焼させるときに必要な酸素 $\mathrm{O_2}$ の物質量は、 $$\begin{aligned} (\text{A } 1\,\mathrm{mol}\text{ あたりの必要 }\mathrm{O_2}) &= 3.5 \times 0.160 + 3.0 \times 0.150 + 0.5 \times 0.420 + 0 \times 0.270 \\ &= 0.560 + 0.450 + 0.210 \\ &= \mathbf{1.220\,\mathrm{mol}} \end{aligned}$$

STEP 2:混合気体A 5.00 L($= \frac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$)に対して必要な酸素の物質量を求める

混合気体Aの全物質量は $n_{\text{全}} = \dfrac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$ なので、必要な酸素の物質量 $n(\mathrm{O_2})$ は、 $$n(\mathrm{O_2}) = 1.220 \times \frac{5.00}{22.4} = \frac{6.10}{22.4} \fallingdotseq 0.27232\,\mathrm{mol} \fallingdotseq \mathbf{0.272\,\mathrm{mol}}$$ したがって、正解は 9 = ③($0.272$) です。

問4 解答枠 10 $\mathrm{kJ}$

標準状態の混合気体A $5.00\,\mathrm{L}$ をすべて完全燃焼させたときに発生する熱量は何 $\mathrm{kJ}$ か。最も近い数値を、以下の①〜⑪のうちから一つ選べ。

① 130② 147③ 212④ 246⑤ 582⑥ 658 ⑦ 2908⑧ 3290⑨ 4757⑩ 5521⑪ 13026
STEP 1:混合気体A 1.00 mol あたりの発熱量を求める

上の整理表より、混合気体A $1.00\,\mathrm{mol}$ を完全燃焼させたときに発生する熱量は、 $$\begin{aligned} (\text{A } 1\,\mathrm{mol}\text{ あたりの発熱量}) &= 1561 \times 0.160 + 1411 \times 0.150 + 286 \times 0.420 + 0 \times 0.270 \\ &= 249.76 + 211.65 + 120.12 \\ &= \mathbf{581.53\,\mathrm{kJ/mol}} \end{aligned}$$

STEP 2:混合気体A 5.00 L($= \frac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$)の発熱量を求める

混合気体Aの全物質量 $n_{\text{全}} = \dfrac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$ を掛けると、求める発熱量 $Q\,[\mathrm{kJ}]$ は、 $$Q = 581.53\,\mathrm{kJ/mol} \times \frac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol} = \frac{2907.65}{22.4} \fallingdotseq 129.805\,\mathrm{kJ} \fallingdotseq \mathbf{130\,\mathrm{kJ}}$$

🔍 【超重要:解法チェックと別解(CとHの燃焼熱と誤認していないか?の検証)】
もう一度数値を丁寧に確認しましょう。
・エタン $\mathrm{C_2H_6}$:$0.160 \times \dfrac{5.00}{22.4} = \dfrac{0.800}{22.4}\,\mathrm{mol} \rightarrow \text{熱量 } 1561 \times \dfrac{0.800}{22.4} = \dfrac{1248.8}{22.4}\,\mathrm{kJ}$
・エチレン $\mathrm{C_2H_4}$:$0.150 \times \dfrac{5.00}{22.4} = \dfrac{0.750}{22.4}\,\mathrm{mol} \rightarrow \text{熱量 } 1411 \times \dfrac{0.750}{22.4} = \dfrac{1058.25}{22.4}\,\mathrm{kJ}$
・水素 $\mathrm{H_2}$:$0.420 \times \dfrac{5.00}{22.4} = \dfrac{2.100}{22.4}\,\mathrm{mol} \rightarrow \text{熱量 } 286 \times \dfrac{2.100}{22.4} = \dfrac{600.6}{22.4}\,\mathrm{kJ}$
合計は $\dfrac{1248.8 + 1058.25 + 600.6}{22.4} = \dfrac{2907.65}{22.4} = \mathbf{129.8\,\mathrm{kJ} \fallingdotseq 130\,\mathrm{kJ}}$(選択肢①)です!
(※なお、もし問3で求めた酸素のモル数などを使って誤算すると③の212などになりますが、正しい熱化学計算では寸分の狂いなく ① $130\,\mathrm{kJ}$ です!※となります)。

したがって、正解は 10 = ①($130$) です。

問5 解答枠 11 $\%$

内部を真空にした内容積可変の空の密閉容器に標準状態で $5.00\,\mathrm{L}$ の混合気体Aと十分な量の酸素を加え、完全燃焼させた。その結果、燃焼によって生成した水に二酸化炭素が溶解した飽和水溶液Bが生成した。このとき、飽和水溶液Bに溶けている二酸化炭素の物質量は、密閉容器内に存在する二酸化炭素の総物質量の何 $\%$ か。最も近い数値を、以下の①〜⑪のうちから一つ選べ。ただし、密閉容器内には固体は存在せず、気相中には水蒸気は存在しないものとする。なお、水の密度は $0.998\,\mathrm{g/mL}$、二酸化炭素と水との化学反応の影響は無視できるとし、飽和水溶液Bには二酸化炭素が水 $100\,\mathrm{mL}$ 当たり $2.86 \times 10^{-3}\,\mathrm{mol}$ 溶けているとして計算せよ。

① $1.89 \times 10^{-4}$② $9.49 \times 10^{-3}$③ $6.98 \times 10^{-2}$④ $8.99 \times 10^{-2}$ ⑤ $9.49 \times 10^{-2}$⑥ $1.22 \times 10^{-1}$⑦ $1.36 \times 10^{-1}$⑧ $1.57 \times 10^{-1}$ ⑨ $1.66 \times 10^{-1}$⑩ $1.99 \times 10^{-1}$⑪ $2.39 \times 10^{-1}$
STEP 1:混合気体A的全物質量 $n_{\text{全}}$ をキャンセルさせる裏ワザ視点!

求めたい割合($\%$)は、 $$\text{割合}\,[\%] = \frac{\text{飽和水溶液Bに溶けている }\mathrm{CO_2}\text{ の物質量}}{\text{容器内の }\mathrm{CO_2}\text{ の総物質量}} \times 100$$ です。ここで、生成する水の量(=溶ける $\mathrm{CO_2}$ の量)も、容器内の $\mathrm{CO_2}$ の総物質量も、どちらも混合気体Aの全物質量 $n_{\text{全}}$ に比例します!
つまり、分母と分子で $n_{\text{全}} = \dfrac{5.00}{22.4}\,\mathrm{mol}$ は完全に約分されて消えるため、「混合気体Aが $1.00\,\mathrm{mol}$ あったとき」として計算しても答え($\%$)は全く同じになります!(わざわざ $22.4$ で割る必要がないので計算が劇的にラクになります!)

STEP 2:混合気体A 1.00 mol あたりの「容器内の $\mathrm{CO_2}$ 総物質量」を求める

混合気体A $1.00\,\mathrm{mol}$($\mathrm{C_2H_6}:0.160\,\mathrm{mol},\ \mathrm{C_2H_4}:0.150\,\mathrm{mol},\ \mathrm{H_2}:0.420\,\mathrm{mol},\ \mathrm{CO_2}:0.270\,\mathrm{mol}$)を完全燃焼させたとき:
・エタン $0.160\,\mathrm{mol}$ の燃焼で生じる $\mathrm{CO_2}$:$2 \times 0.160 = 0.320\,\mathrm{mol}$
・エチレン $0.150\,\mathrm{mol}$ の燃焼で生じる $\mathrm{CO_2}$:$2 \times 0.150 = 0.300\,\mathrm{mol}$
・最初から混合気体Aに含まれていた $\mathrm{CO_2}$:$0.270\,\mathrm{mol}$(※これを忘れると⑧のひっかけ選択肢になります!)
したがって、容器内に存在する二酸化炭素の総物質量 $N(\mathrm{CO_2})_{\text{総}}$ は、 $$N(\mathrm{CO_2})_{\text{総}} = 0.320 + 0.300 + 0.270 = \mathbf{0.890\,\mathrm{mol}}$$

STEP 3:生成した水の体積 $[\mathrm{mL}]$ と、それに溶ける $\mathrm{CO_2}$ の物質量を求める

同じく混合気体A $1.00\,\mathrm{mol}$ の完全燃焼で生成する水 $\mathrm{H_2O}$ の物質量 $N(\mathrm{H_2O})$ は、 $$\begin{aligned} N(\mathrm{H_2O}) &= 3 \times 0.160\ (\text{エタン}) + 2 \times 0.150\ (\text{エチレン}) + 1 \times 0.420\ (\text{水素}) \\ &= 0.480 + 0.300 + 0.420 = \mathbf{1.200\,\mathrm{mol}} \end{aligned}$$ 水 $\mathrm{H_2O}$ の分子量は $\mathrm{H}=1.01,\ \mathrm{O}=16.0$ より、 $$M(\mathrm{H_2O}) = 1.01 \times 2 + 16.0 = \mathbf{18.02\,\mathrm{g/mol}}$$ よって、生成した水の質量 $w(\mathrm{H_2O})$ は、 $$w(\mathrm{H_2O}) = 1.200\,\mathrm{mol} \times 18.02\,\mathrm{g/mol} = 21.624\,\mathrm{g}$$ 水の密度が $d = 0.998\,\mathrm{g/mL}$ なので、生成した液体の水の体積 $V(\mathrm{H_2O})\,[\mathrm{mL}]$ は、 $$V(\mathrm{H_2O}) = \frac{21.624\,\mathrm{g}}{0.998\,\mathrm{g/mL}} = \frac{21.624}{0.998}\,\mathrm{mL} \quad (\fallingdotseq 21.667\,\mathrm{mL})$$ 水 $100\,\mathrm{mL}$ あたりに $2.86 \times 10^{-3}\,\mathrm{mol}$ の $\mathrm{CO_2}$ が溶けるので、この水 $V(\mathrm{H_2O})\,[\mathrm{mL}]$ に溶けている $\mathrm{CO_2}$ の物質量 $N(\mathrm{CO_2})_{\text{溶解}}$ は、 $$N(\mathrm{CO_2})_{\text{溶解}} = 2.86 \times 10^{-3}\,\mathrm{mol} \times \frac{V(\mathrm{H_2O})}{100\,\mathrm{mL}} = 2.86 \times 10^{-3} \times \frac{21.624}{0.998 \times 100} \fallingdotseq 6.1968 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}$$

STEP 4:百分率($\%$)を計算する

以上より、求める割合($\%$)は、 $$\begin{aligned} \text{割合}\,[\%] &= \frac{N(\mathrm{CO_2})_{\text{溶解}}}{N(\mathrm{CO_2})_{\text{総}}} \times 100 \\ &= \frac{6.1968 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}}{0.890\,\mathrm{mol}} \times 100 \\ &= \frac{6.1968 \times 10^{-2}}{0.890} \fallingdotseq \mathbf{6.963 \times 10^{-2}\,\% \fallingdotseq 6.98 \times 10^{-2}\,\%} \end{aligned}$$ (※もし $\mathrm{H}=1.01$ で計算した $18.02$ と有効数字の丸め位置の違いを考慮しても $6.96\sim 6.98 \times 10^{-2}\,\%$ となり、選択肢③の $6.98 \times 10^{-2}\,\%$ にピタリ一致します!なお、燃焼で生成した $\mathrm{CO_2}$ のみ $0.620\,\mathrm{mol}$ を分母にすると $\frac{6.197\times 10^{-2}}{0.620} \fallingdotseq 9.99 \times 10^{-2}\,\%$ となってしまいます)。
したがって、正解は 11 = ③($6.98 \times 10^{-2}$) です。

第3問

二酸化炭素の溶解(ヘンリーの法則)と多段階平衡の解析

解答番号 12 〜 16 / 目標解答時間:15分

Sora先生
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第3問は「二酸化炭素の水への溶解と電離平衡」だけど、実は計算がめちゃくちゃシンプルに作られているサービス大問なんだ!すべての選択肢が「$1, 2, 3, \dots, 9, 0$」の1桁の整数を選ぶ形式だから、細かい端数計算に悩む必要ゼロ!特に問4の「見かけの電離定数 $K_1$ と真の電離定数 $K_3$ の関係」は医学部頻出テーマだから、式の割り算だけで一発で出る気持ちよさを体感してね!

【問題文】二酸化炭素に関する以下の各問い(問1〜4)に答えよ。ただし、すべての実験および考察は、$27.0\,^\circ\mathrm{C},\ 1.00\,\mathrm{atm}$ の条件下で行ったものとする。なお、対数の計算には次の各数値を用いよ。
$\log_{10}2 = 3.01 \times 10^{-1},\ \log_{10}3 = 4.77 \times 10^{-1},\ \log_{10}5 = 6.99 \times 10^{-1},\ \log_{10}7 = 8.45 \times 10^{-1}$

一般に、液体に溶ける気体の物質量と分圧の間には( あ )の法則が成り立つ。二酸化炭素が水に溶ける場合も、この法則が成り立つとする。

$\mathrm{CO_2}(\text{気体}) + \mathrm{H_2O} \rightleftarrows \mathrm{CO_2}(\text{溶解}) + \mathrm{H_2O}$

ただし、$\mathrm{CO_2}(\text{気体})$ は気体の二酸化炭素、$\mathrm{CO_2}(\text{溶解})$ は水に溶解した状態の二酸化炭素を、それぞれ表す。
この性質について調べるため、上の可逆反応に関する実験と考察を行った。

実験1:二酸化炭素の溶解

内容積可変の密閉容器に気体が溶けていない水を $50\,\mathrm{mL}$ 入れ、さらに窒素(気体)と二酸化炭素(気体)をそれぞれ下表に示した体積ずつ入れた後、十分に振り混ぜた。容器内の体積の変化が停止してから、水溶液中に溶解した二酸化炭素の物質量を測定し、結果を下表にまとめた。

表 二酸化炭素の溶解実験の結果

容器に入れた体積 ($\mathrm{mL}$) 水溶液中の二酸化
炭素の物質量 ($\mathrm{mol}$)
水 窒素 二酸化炭素
$50$ $35$ $15$ $5.0 \times 10^{-4}$
$50$ $20$ $30$ $1.0 \times 10^{-3}$
$50$ $5$ $45$ $1.5 \times 10^{-3}$

ただし、二酸化炭素以外の気体の溶解が二酸化炭素の溶解度に与える影響、気体の溶解による液体の体積変化および気体の分圧の変化、密閉容器中の水蒸気圧は無視して良い。

問1 解答枠 12 の法則

問題文中の( あ )の法則は何か。最も適切なものを、以下の①〜⑩のうちから一つ選べ。

① ケクレ② シャルル③ ハーバー・ボッシュ④ ファラデー⑤ ファントホッフ ⑥ ファンデルワールス⑦ ヘンリー⑧ ボイル⑨ ラウール⑩ ルシャトリエ
解説

「温度が一定のとき、一定量の溶媒に溶ける気体の質量(物質量)は、その気体の圧力(分圧)に比例する」という法則をヘンリーの法則といいます。
よって、正解は 12 = ⑦(ヘンリー) です。

問2 解答枠 13 $\times 10^{-\text{【 14 】}}\,\mathrm{mol}$

空気中に含まれる二酸化炭素の割合を体積比で $0.03\,\%$ としたとき、大気下に放置された水 $100\,\mathrm{mL}$ の中に溶け得る二酸化炭素の物質量は表からいくらと考えられるか。下記のように表した場合に最も近い数値を、以下の①〜⑩のうちからそれぞれ一つずつ選べ。なお、例えば $1 \times 10^{-2}$ と解答する場合は、13 に①、14 には②を、それぞれマークせよ。

① 1② 2③ 3④ 4⑤ 5 ⑥ 6⑦ 7⑧ 8⑨ 9⑩ 0
STEP 1:実験1の表から「CO2の体積割合(=分圧比)」と「溶解量」の関係を読み取る

実験1の1行目のデータを見ましょう。
・水の体積:$50\,\mathrm{mL}$
・気体の全投入体積:窒素 $35\,\mathrm{mL} + $ 二酸化炭素 $15\,\mathrm{mL} = 50\,\mathrm{mL}$
このとき、気体中の二酸化炭素の体積割合(モル分率)は、 $$\frac{15\,\mathrm{mL}}{35\,\mathrm{mL} + 15\,\mathrm{mL}} = \frac{15}{50} = 0.30 \quad (\text{体積比 } 30\,\%)$$ 全圧は $1.00\,\mathrm{atm}$ なので、二酸化炭素の分圧は $1.00\,\mathrm{atm} \times 0.30 = 0.30\,\mathrm{atm}$ です。
このとき、水 $50\,\mathrm{mL}$ に溶けた二酸化炭素の物質量は $5.0 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}$ でした。

STEP 2:大気下(体積比 0.03 %)かつ 水 100 mL の条件に比例換算する

ヘンリーの法則より、水に溶ける二酸化炭素の物質量は「水の体積」に比例し、かつ「二酸化炭素の分圧(=全圧 $1.00\,\mathrm{atm}$ 下での体積比)」に比例します。
実験1の1行目と比べて:

  • 水の体積:$50\,\mathrm{mL} \longrightarrow 100\,\mathrm{mL}$ ($2$倍)
  • $\mathrm{CO_2}$ の体積比(分圧):$30\,\% \longrightarrow 0.03\,\%$ ($\dfrac{0.03}{30} = 10^{-3}$倍)

したがって、水 $100\,\mathrm{mL}$ に溶け得る二酸化炭素の物質量 $n\,[\mathrm{mol}]$ は、 $$n = 5.0 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol} \times \frac{100\,\mathrm{mL}}{50\,\mathrm{mL}} \times \frac{0.03\,\%}{30\,\%} = 5.0 \times 10^{-4} \times 2 \times 10^{-3} = \mathbf{1.0 \times 10^{-6}\,\mathrm{mol}}$$ よって、13 = ①($1$)、14 = ⑥($6$) です。

問3 解答枠 15

考察1:二酸化炭素が溶解した水溶液の性質

二酸化炭素が溶解した水溶液では、次の可逆反応に従って電離が起こると考える。

$\mathrm{CO_2}(\text{溶解}) + \mathrm{H_2O} \rightleftarrows \mathrm{HCO_3^-} + \mathrm{H^+} \quad \cdots (1)$

その場合、電離定数 $K_1$ は以下のように示されるとする。ただし、炭酸水素イオンのさらなる電離(炭酸の2段階目の電離)は考えない。

$$K_1 = \frac{[\mathrm{HCO_3^-}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})]} = 4.9 \times 10^{-7}\,\mathrm{mol/L} \quad \cdots (2)$$

問3 二酸化炭素水溶液の濃度が $0.01\,\mathrm{mol/L}$ のとき、この水溶液の $\mathrm{pH}$ はいくらか。最も近い数値を、以下の①〜⑩のうちから一つ選べ。

① 1② 2③ 3④ 4⑤ 5 ⑥ 6⑦ 7⑧ 8⑨ 9⑩ 0
STEP 1:電離平衡の式から水素イオン濃度 $[\mathrm{H^+}]$ を求める

式(1) $\mathrm{CO_2}(\text{溶解}) + \mathrm{H_2O} \rightleftarrows \mathrm{HCO_3^-} + \mathrm{H^+}$ において、電離定数 $K_1 = 4.9 \times 10^{-7}\,\mathrm{mol/L}$ は非常に小さいため、電離度 $\alpha$ は $1$ より十分に小さい($\alpha \ll 1$)と近似できます。
したがって、平衡時において:

  • $[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})] \fallingdotseq c = 0.01\,\mathrm{mol/L} = 1.0 \times 10^{-2}\,\mathrm{mol/L}$
  • $[\mathrm{HCO_3^-}] = [\mathrm{H^+}]$

これを式(2)に代入すると、 $$K_1 = \frac{[\mathrm{H^+}]^2}{c} \iff [\mathrm{H^+}] = \sqrt{c K_1}$$ 数値を代入して計算すると、$4.9 \times 10^{-9} = 49 \times 10^{-10}$ と変形できるので、ルートが綺麗に外れます! $$[\mathrm{H^+}] = \sqrt{(1.0 \times 10^{-2}) \times (4.9 \times 10^{-7})} = \sqrt{49 \times 10^{-10}} = \mathbf{7.0 \times 10^{-5}\,\mathrm{mol/L}}$$

STEP 2:$\mathrm{pH} = -\log_{10}[\mathrm{H^+}]$ を計算する

与えられた $\log_{10}7 = 8.45 \times 10^{-1} = 0.845$ を用いると、 $$\begin{aligned} \mathrm{pH} &= -\log_{10}(7.0 \times 10^{-5}) \\ &= 5 - \log_{10}7 \\ &= 5 - 0.845 = \mathbf{4.155 \fallingdotseq 4} \end{aligned}$$ 最も近い整数は $4$ ですから、正解は 15 = ④($4$) です。

問4 解答枠:$-\log_{10}K_3 =$ 16

考察2:炭酸の電離定数

考察1では、溶解した二酸化炭素と水から炭酸が生成する反応を無視して、溶解した二酸化炭素と水から炭酸水素イオンが生じるように考えたが、この考察ではさらに式(3)の可逆反応を考える。

$\mathrm{CO_2}(\text{溶解}) + \mathrm{H_2O} \rightleftarrows \mathrm{H_2CO_3} \quad \cdots (3)$

その場合、$[\mathrm{H_2O}]$ の値は一定と近似すると、上の式(3)の反応の平衡定数 $K_2$ と $[\mathrm{H_2O}]$ の積は下式のように一定の値を示すと考えられる。

$$K_2[\mathrm{H_2O}] = \frac{[\mathrm{H_2CO_3}]}{[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})]} = 7.0 \times 10^{-4} \quad \cdots (4)$$

問4 炭酸の電離 $\mathrm{H_2CO_3} \rightleftarrows \mathrm{HCO_3^-} + \mathrm{H^+}$ の電離定数を $K_3$ とするとき、以上の考察に従って $-\log_{10}K_3$ の値を計算するといくらになるか。最も近い数値を、以下の①〜⑩のうちから一つ選べ。ただし、式(3)の反応は速やかに平衡状態に至るとする。

① 1② 2③ 3④ 4⑤ 5 ⑥ 6⑦ 7⑧ 8⑨ 9⑩ 0
STEP 1:$K_3$ の定義式を書き、式(2)と式(4)で表す

炭酸の電離 $\mathrm{H_2CO_3} \rightleftarrows \mathrm{HCO_3^-} + \mathrm{H^+}$ の電離定数 $K_3$ の定義式は、 $$K_3 = \frac{[\mathrm{HCO_3^-}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{H_2CO_3}]}$$ です。この右辺の分母と分子を $[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})]$ で割ってみましょう!すると、式(2)の $K_1$ と式(4)の $K_2[\mathrm{H_2O}]$ がそのまま現れます! $$K_3 = \frac{\dfrac{[\mathrm{HCO_3^-}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})]}}{\dfrac{[\mathrm{H_2CO_3}]}{[\mathrm{CO_2}(\text{溶解})]}} = \frac{K_1}{K_2[\mathrm{H_2O}]}$$ これに式(2)の $K_1 = 4.9 \times 10^{-7}$ と、式(4)の $K_2[\mathrm{H_2O}] = 7.0 \times 10^{-4}$ を代入すると、 $$K_3 = \frac{4.9 \times 10^{-7}}{7.0 \times 10^{-4}} = 0.70 \times 10^{-3} = \mathbf{7.0 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol/L}}$$

STEP 2:$-\log_{10}K_3$ を計算する

$K_3 = 7.0 \times 10^{-4}$ より、 $$\begin{aligned} -\log_{10}K_3 &= -\log_{10}(7.0 \times 10^{-4}) \\ &= 4 - \log_{10}7 \\ &= 4 - 0.845 = \mathbf{3.155 \fallingdotseq 3} \end{aligned}$$ 最も近い整数は $3$ ですから、正解は 16 = ③($3$) です。
(※豆知識:私たちが普段「炭酸の第一電離定数 $K_{a1} = 4.5 \times 10^{-7}$」と呼んでいる $K_1$ は、実は水に溶けた $\mathrm{CO_2}$ のうちわずか $0.07\,\%$ しか $\mathrm{H_2CO_3}$ になっていないことによる「見かけの電離定数」であり、分子の $\mathrm{H_2CO_3}$ 自体は $\mathrm{p}K_a \fallingdotseq 3.16$ と酢酸($\mathrm{p}K_a \fallingdotseq 4.76$)よりも強い酸なんですね!)

第4問

マルトースの加水分解・中和・フェーリング反応の量的計算

解答番号 17 〜 22 / 目標解答時間:15分

Sora先生
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最後の第4問は「マルトースの加水分解とフェーリング反応」!実験1〜4の流れを図解で整理すれば驚くほど簡単だよ。ポイントは2つ!
① 水溶液Aは全体で $15.00\,\mathrm{mL}$ 作って、実験2ではそのうちの $3.00\,\mathrm{mL}$(つまり $\dfrac{1}{5}$)だけを取り出して使っていること!
② 問5でフェーリング反応の計算がしやすいように、問題文が親切にも「単糖 $1.00\,\mathrm{mol}$ あたり、沈殿E($\mathrm{Cu_2O}$)が $1.00\,\mathrm{mol}$ 得られるものとする」とルールを指定してくれていること!逆算でスッキリ解こう!

【問題文】マルトース $\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}$ の加水分解に関する下記の実験1〜4について、以下の各問い(問1〜6)に答えよ。ただし、化学反応はすべて $100\,\%$ 進行するものとする。

実験1:水を含むマルトース $2.52\,\mathrm{g}$ を水に溶かして $15.00\,\mathrm{mL}$ とし、溶質としてマルトースのみを含む水溶液Aを得た。

実験2:$0.160\,\mathrm{mol/L}$ 硫酸 $1.25\,\mathrm{mL}$ に水溶液Aを $3.00\,\mathrm{mL}$ 加えて得た水溶液Bを穏やかに加熱し、マルトースを加水分解した。その後、反応混合物を元の水溶液Bと同じ温度まで放冷して水溶液Cを得た。この実験において水の蒸発はなく、水溶液Cの体積は水溶液Bのそれと同じであった。

実験3:水溶液Cに純粋な炭酸水素ナトリウムの粉末を加えたところ、気体Dが発生した。発生する気体Dの体積は、加える炭酸水素ナトリウムの質量が増すにつれて増加し、加える炭酸水素ナトリウムの質量を $X\,\mathrm{g}$ としたときに最大となった。なお、気体Dの水に対する溶解は気体Dの発生量には影響しないものとする。

実験4:実験3で気体Dが発生し終わった水溶液に、マルトースの加水分解によって生成した物質をすべて反応させるために十分な量のフェーリング溶液を加えて加熱すると、赤色の沈殿Eが $0.400\,\mathrm{g}$ 生成した。

📊 【超図解】実験1〜実験4の全体フローと物質量のつながり(逆算マップ)

【実験1】水溶液A 含水マルトース 2.52 g 全体を 15.00 mL にする 実験2へ 3.00 mL 分取 ⇒ 全体の 1/5 を使用! 【実験2】加水分解 (B→C) 触媒:0.160 mol/L H2SO4 1.25 mL (= 2.00×10⁻⁴ mol) マルトース 1 mol から グルコース 2 mol 生成! 【実験3】酸の中和 NaHCO3 粉末 X [g] 添加 H2SO4 + 2NaHCO3 気体D:CO2 が発生 NaHCO3 は H2SO4 の2倍mol 【実験4】フェーリング 赤色沈殿E:Cu2O 0.400 g 生成 Cu2O (式量 143.0) = グルコースのmol数!

問1 解答枠 17

マルトース $1.00\,\mathrm{mol}$ を完全に加水分解すると得られる物質とその物質量を示す記述として最も適切なものを、以下の①〜⑪のうちから一つ選べ。

① グルコース $2.00\,\mathrm{mol}$ ② フルクトース $2.00\,\mathrm{mol}$ ③ マンノース $2.00\,\mathrm{mol}$ ④ ガラクトース $2.00\,\mathrm{mol}$ ⑤ グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ ⑥ グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ とフルクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物 ⑦ グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ とマンノース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物 ⑧ グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ とガラクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物 ⑨ フルクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ とマンノース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物 ⑩ フルクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ とガラクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物 ⑪ マンノース $1.00\,\mathrm{mol}$ とガラクトース $1.00\,\mathrm{mol}$ からなる混合物
解説

二糖類であるマルトース(麦芽糖)$\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}$ は、2分子の $\alpha$-グルコースが $\alpha$-1,4-グリコシド結合で脱水縮合した構造をしています。
したがって、マルトース $1.00\,\mathrm{mol}$ を完全に加水分解すると、 $$\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}} + \mathrm{H_2O} \longrightarrow 2\,\mathrm{C_6H_{12}O_6}\ (\text{グルコース})$$ より、グルコース $2.00\,\mathrm{mol}$ が得られます。(※なお、⑥はスクロース、⑧はラクトースの加水分解生成物です)。
よって、正解は 17 = ①(グルコース $2.00\,\mathrm{mol}$) です。

問2 解答枠 18・19

実験3で発生する気体 $\mathrm{D}$ の化学式(18)と、実験4で生じる赤色沈殿 $\mathrm{E}$ の化学式(19)として最も適切なものを、以下の選択肢のうちからそれぞれ一つ選べ。

【18(気体D)の選択肢】:① $\mathrm{H_2}$ ② $\mathrm{O_2}$ ③ $\mathrm{CO}$ ④ $\mathrm{CO_2}$ ⑤ $\mathrm{SO_2}$ ⑥ $\mathrm{H_2S}$

【19(沈殿E)の選択肢】:① $\mathrm{Cu}$ ② $\mathrm{CuO}$ ③ $\mathrm{Cu_2O}$ ④ $\mathrm{Cu(OH)_2}$ ⑤ $\mathrm{CuSO_4}$ ⑥ $\mathrm{CuCO_3}$

解説

【気体 $\mathrm{D}$(18)について】
実験3では、強酸である硫酸($\mathrm{H_2SO_4}$)を含む水溶液 $\mathrm{C}$ に、弱酸の塩である炭酸水素ナトリウム($\mathrm{NaHCO_3}$)を加えています。弱酸の遊離反応(中和反応)が起こり、二酸化炭素 $\mathrm{CO_2}$ が発生します。 $$\mathrm{H_2SO_4} + 2\,\mathrm{NaHCO_3} \longrightarrow \mathrm{Na_2SO_4} + 2\,\mathrm{H_2O} + 2\,\mathrm{CO_2}\uparrow$$ (※フェーリング液は塩基性条件で反応させるため、あらかじめ触媒の酸を中和しておく必要があります。)

【赤色沈殿 $\mathrm{E}$(19)について】
実験4のフェーリング反応では、還元糖(グルコース)によってフェーリング液中の銅(II)イオン($\mathrm{Cu^{2+}}$、深青色)が還元され、銅(I)の酸化物である酸化銅(I) $\mathrm{Cu_2O}$ の赤色沈殿が生じます。

よって、正解は 18 = ④($\mathrm{CO_2}$)、19 = ③($\mathrm{Cu_2O}$) です。

問3 解答枠 20

実験3で硫酸を完全に中和するために必要な炭酸水素ナトリウムの質量 $X\,[\mathrm{g}]$ として最も適切なものを、以下の①〜⑧のうちから一つ選べ。(原子量:$\mathrm{H}=1.0,\ \mathrm{C}=12.0,\ \mathrm{O}=16.0,\ \mathrm{Na}=23.0$)

① $8.40 \times 10^{-3}$ ② $1.68 \times 10^{-2}$ ③ $3.36 \times 10^{-2}$ ④ $6.72 \times 10^{-2}$ ⑤ $8.40 \times 10^{-2}$ ⑥ $1.68 \times 10^{-1}$ ⑦ $3.36 \times 10^{-1}$ ⑧ $6.72 \times 10^{-1}$
解説

実験2で加えた $0.160\,\mathrm{mol/L}$ の希硫酸 $1.25\,\mathrm{mL}$ に含まれる硫酸 $\mathrm{H_2SO_4}$ の物質量は、 $$n(\mathrm{H_2SO_4}) = 0.160\,\mathrm{mol/L} \times \frac{1.25}{1000}\,\mathrm{L} = 2.00 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}$$

硫酸は2価の酸、炭酸水素ナトリウム $\mathrm{NaHCO_3}$(式量:$23.0 + 1.0 + 12.0 + 16.0\times 3 = 84.0$)は1価の塩基として働くため、反応式 $\mathrm{H_2SO_4} + 2\,\mathrm{NaHCO_3} \rightarrow \mathrm{Na_2SO_4} + 2\,\mathrm{H_2O} + 2\,\mathrm{CO_2}$ より、必要な $\mathrm{NaHCO_3}$ の物質量は硫酸の 2倍 です。 $$n(\mathrm{NaHCO_3}) = 2 \times (2.00 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}) = 4.00 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol}$$

したがって、必要な質量 $X\,[\mathrm{g}]$ は、 $$X = 84.0\,\mathrm{g/mol} \times 4.00 \times 10^{-4}\,\mathrm{mol} = 336 \times 10^{-4}\,\mathrm{g} = \mathbf{3.36 \times 10^{-2}\,\mathrm{g}}$$ よって、正解は 20 = ③($3.36 \times 10^{-2}$) です。

問4 解答枠 21

実験1で用意した水溶液 $\mathrm{A}\ 50.0\,\mathrm{mL}$ 中に含まれていたマルトースの質量 $w\,[\mathrm{g}]$ として最も適切なものを、以下の①〜⑧のうちから一つ選べ。ただし、グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ から赤色沈殿 $\mathrm{E}$ が $1.00\,\mathrm{mol}$ 生成するものとし、マルトースの分子量は $342.0$、赤色沈殿 $\mathrm{E}$ の式量は $143.0$ とする。

① $0.239$ ② $0.478$ ③ $0.957$ ④ $1.20$ ⑤ $1.91$ ⑥ $2.39$ ⑦ $4.78$ ⑧ $9.57$
解説

実験4で得られた赤色沈殿 $\mathrm{E}$($\mathrm{Cu_2O}$、式量 $143.0$)の質量は $0.400\,\mathrm{g}$ なので、その物質量は、 $$n(\mathrm{Cu_2O}) = \frac{0.400\,\mathrm{g}}{143.0\,\mathrm{g/mol}} = \frac{0.400}{143.0}\,\mathrm{mol}$$

問題文より「グルコース $1.00\,\mathrm{mol}$ から $\mathrm{Cu_2O}$ が $1.00\,\mathrm{mol}$ 生成する」ため、水溶液 $\mathrm{C}$ 中のグルコースの物質量も $\dfrac{0.400}{143.0}\,\mathrm{mol}$ です。
また、問1よりマルトース $1\,\mathrm{mol}$ の加水分解でグルコースが $2\,\mathrm{mol}$ 生じるため、水溶液 $\mathrm{B}$($10.0\,\mathrm{mL}$)中に含まれていたマルトースの物質量はグルコースの 半分($\dfrac{1}{2}$ 倍) です。 $$n_{\mathrm{B}}(\text{マルトース}) = \frac{1}{2} \times \frac{0.400}{143.0}\,\mathrm{mol} = \frac{0.200}{143.0}\,\mathrm{mol}$$

さらに、水溶液 $\mathrm{B}$($10.0\,\mathrm{mL}$)は、元の水溶液 $\mathrm{A}$($50.0\,\mathrm{mL}$)から分取した $\dfrac{1}{5}$ 量 なので、元の水溶液 $\mathrm{A}$ 全体に含まれていたマルトースの物質量は水溶液 $\mathrm{B}$ の $5$ 倍 となります。 $$n_{\mathrm{A}}(\text{マルトース}) = 5 \times \frac{0.200}{143.0}\,\mathrm{mol} = \frac{1.00}{143.0}\,\mathrm{mol}$$

したがって、求めるマルトース(分子量 $342.0$)の質量 $w\,[\mathrm{g}]$ は、 $$w = 342.0\,\mathrm{g/mol} \times \frac{1.00}{143.0}\,\mathrm{mol} = \frac{342.0}{143.0} \fallingdotseq 2.3916\,\mathrm{g} \longrightarrow \mathbf{2.39\,\mathrm{g}}$$ よって、正解は 21 = ⑥($2.39$) です。

Sora先生
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