TMPS数学作戦室 慈恵医大 数学2024
2024年度 一次試験 全4大問 途中式つき答えを全探索・厳密計算で検算済みそっくり類題セット

東京慈恵会医科大学
医学部 数学
2024年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各大問を「どういう問題か」から説明し、途中式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ4大問の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2024年度を丸ごと演習できます。

ニックニ先生
解説:ニックニ先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.21 / 読了 約35分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ90分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各大問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を90分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。第1問の空欄の記号(ア・イ)は、本番の解答欄との対応を示すためのものです。※ 第2問〜第4問は、小問ごとに「調べよ」「求めよ」「示せ」などの指示があります。解答欄が答えだけか途中も書くかは、過去問集の指示で確かめてください(要確認)。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2024年度の慈恵医大の数学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
第3問の(2)は、正しいか正しくないかを自分で決めるんですよね。どっちか分からないと手が止まりそうです…。
ニックニ先生
ニックニ先生
正しいと思って証明に入る前に、いちばん小さい例を1つ試す。$p=q=1$ のような小さい例で、条件をみたす2次式を探してみる。それで見つかれば、正しくないとはっきり決まる。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
第2問は、絶対値を外すところで迷いそうです。
ニックニ先生
ニックニ先生
対数の中身は $x$ について単調に動く。だから符号が変わるのは1回だけ。その場所が積分区間に入るかどうかで場合分けする。それが決まれば、あとは計算だ。
STRATEGY MAP

90分の立ち回りマップ

時間はTMPSの目安です。解く順番と「粘りどころ」をセットで覚えておきましょう。

90分の時間配分。第1問10分、第2問25分、第3問20分、第4問25分、見直し10分
図A 90分の使い方(TMPS作成)
🧭 おすすめの解く順番
第1問 → 第3問 → 第2問 → 第4問 → 見直し10分
第3問は(1)を取れれば短く終わる整数の問題なので、第1問のあとに先に確保しておくと安心です。計算の重い第2問と図形の第4問に、時間を厚く残します。迷ったときは、問題番号順に解いて構いません。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

解説を読む前の採点用です。すべての答えを、厳密計算・全探索・数値計算のスクリプトで独立に確かめています(結果は下の注記)。

第1問(条件付き確率)

ア 1/18イ 2/9

第2問(絶対値つき積分と最小値)

(1) $1<a<\frac32$ のとき0個、$\frac32\le a<2$ のとき1個(2) $1<a\le\frac32$:$3\log3-4\log2-\log a$  $\frac32\le a<2$:$5\log a-2\log(a-1)-3\log3$(3) $a=\dfrac53$ のとき最小値 $5\log5-2\log2-6\log3$

第3問(2次式と整数の条件)

(1) 証明(2) 正しくない。反例:$p=q=1,\ f(x)=\dfrac{x(x-1)}{2}$

第4問(空間図形と回転体)

(1) $\dfrac{1-\sqrt3}{2}\le t\le\dfrac{1+\sqrt3}{2}$(2) $V=\dfrac{2\sqrt3}{3}\pi$
⚠️ 要確認:第2問〜第4問の解答欄の形式(答えのみか、途中の記述も求めるか)は、問題冊子の指示で確かめてください。このページの途中式は、どちらにも対応できる形で書いています。第3問(2)の反例は一例で、条件をみたす別の反例も答えになります。

※ 検算:第1問は赤2・白1の全54通り(全体120通り)の全探索と手計算ルートの一致、第2問は $a=1.005\sim1.995$ の199点での数値積分と式の一致・臨界点・格子探索での最小、第3問は $p,q\le5$・係数 $1/12$ 刻みでの全探索(条件をみたす1800個すべてで $2a/p,\ 2c/q$ が整数)と反例の確認、第4問は垂線の足と平面の式の記号計算・体積の厳密積分とサンプリングによる数値確認で、すべて一致しました。

採点したら → 30秒の得点診断へ
第1問 / 目標:10分(条件付き確率・空欄ア,イ)

第1問 玉の取り出しと条件付き確率 ── 「分母は条件に合う取り出し方」

条件付き確率は、「条件に合う取り出し方」を分母にした割合です。全体の120通りではなく、赤2個・白1個になる54通りの中で数えます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第1問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標10分。ア(3分)→イ(7分)。分母の54通りを先に決め、ア・イとも「その中で何通りか」を数える。
⚠️ 損切り・警戒ラインイで場合分けが多くなる。$a_2$(真ん中の番号)の値で分けると、数える単位がそろう。
💡 初手の思考トリガー分母は「赤2・白1」の順序つき取り出し→赤と白は別の玉(番号が同じでも別物)→イは真ん中の番号 $a_2$ で場合分け。
📝 どういう問題か?

1〜3の番号がついた赤玉3個と、1〜3の番号がついた白玉3個が入った袋から、玉を1個ずつ、戻さずに3回取り出し、番号を順に $a_1,\ a_2,\ a_3$ とする。取り出した3個が「赤玉2個・白玉1個」だったという条件のもとで、2つの確率を求める(空欄ア・イに入れる)。

  • ア:取り出した番号が $a_1<a_2<a_3$ となる条件付き確率
  • イ:$a_1<a_2$ かつ $a_2>a_3$(真ん中が両隣より大きい)となる条件付き確率

① 分母を決める。条件に合う取り出し方(順序つき)を数えます。白玉を取り出す回が3通り、その白玉が3通り、赤玉2個を順に取り出すのが $3\times2=6$ 通りなので、

$$3\times3\times6=54\ \text{(通り)}$$

(全体は $6\times5\times4=120$ 通りですが、条件付き確率の分母は54通りです。)

② ア:番号が小さい順に並ぶ。$a_1<a_2<a_3$ なので、番号は1,2,3が順に並びます。それぞれの番号の玉は赤と白の2個ありますが、白玉は1個だけ使うので、どの番号を白にするかの3通りです。

$$\frac{3}{54}=\frac{1}{18}\ \text{(ア)}$$

③ イ:真ん中が両隣より大きい。$a_2$ の値で分けます。赤玉と白玉は番号が同じでも別の玉なので、$a_1=a_3$ になる場合(同じ番号の赤と白が両隣に来る)も数えます。

$a_2$ の値$(a_1,\ a_3)$ の候補色の決め方(赤2・白1)通り数
2両方とも1(赤1と白1)$a_2$ は赤2。両隣の赤1・白1の並べ方が2通り$2$
3(赤3)$a_1,a_3\in\{1,2\}$両隣は赤1個・白1個:位置2通り×番号 $2\times2=4$ 通り$8$
3(白3)$a_1,a_3\in\{1,2\}$(赤2個)両隣はどちらも赤で番号が違う:$(1,2),(2,1)$$2$
$$2+8+2=12$$
$$\frac{12}{54}=\frac29\ \text{(イ)}$$
🎯 第1問の答え
ア:1/18イ:2/9
⚠️ 分母を120通りにしてしまうと、条件付き確率ではなくなります。もう1つの落とし穴は、赤玉と白玉に同じ番号がある点。イでは「$a_1<a_2$ かつ $a_2>a_3$」に $a_1=a_3$ が含まれるので、$a_1\ne a_3$ と決めつけずに数えます。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
イは、場合を数えるうちに、赤と白のどっちを使ったか分からなくなりそうです…。
ニックニ先生
ニックニ先生
先に「$a_2$ の番号」を決める。そのうえで、両隣の番号と、赤が何個・白が何個かを順に決める。表を1枚つくれば足りる。数え終えたら、別の方法(たとえば色の並びから数える)でも確かめる。
ニックニ先生の総整理表

第1問:条件付き確率の型

場面数え方理由
分母条件に合う順序つき取り出し 54通り赤2・白1の位置と玉の選び方
ア番号が1<2<3、白にする番号を選ぶ$3$ 通り。$\frac{3}{54}=\frac1{18}$
イ$a_2$ の値で場合分け$a_1=a_3$(赤と白)も数える。$\frac{12}{54}=\frac29$
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋

  • 分母条件付き確率で何を割ればいいか分からない → 「条件に合う場合」が全体。まずそれを順序つきで数える
  • ア数え方が決まらない → 番号が1,2,3の順に決まるので、残る自由度は「どの番号を白にするか」だけ
  • イ場合が多すぎる → $a_2$ の値で分け、$a_1=a_3$ になる場合(赤と白の2個)も忘れずに数える
第2問 / 目標:25分(絶対値つき積分と最小値)

第2問 絶対値つきの積分 ── 符号が変わる点が区間に入るかで場合分け

3つの小問はつながっています。(1)で絶対値の中の符号が変わる点を調べ、(2)でその点が区間に入るかどうかで積分を2通りに分け、(3)で $a$ の関数として最小値を求めます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第2問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標25分。(1)(5分)→(2)(12分)→(3)(8分)。(1)の結果が(2)の場合分けそのものになる。
⚠️ 損切り・警戒ライン(2)で絶対値の外し方が決まらないときは、中身の符号を $x=\frac{1}{a-1}$ の左右で考える。(3)は(2)の2つの式をそれぞれ微分する。
💡 初手の思考トリガー(1):$1+x=ax$ を解いて $x=\frac{1}{a-1}$→(2):この点が $[1,2]$ に入るかで場合分け→(3):区間ごとに増減を調べる。
📝 どういう問題か?

$1<a<2$ の実数 $a$ に対して、$\log(1+x)$ と $\log ax$ の差の絶対値を $x=1$ から $x=2$ まで積分したものを $S(a)$ とする(対数は自然対数)。解の個数、$S(a)$ の式、最小値の3段構成。

  • (1):$a$ の値に応じて、$1\le x\le2$ の範囲での方程式の解の個数を調べる
  • (2):絶対値つきの積分 $S(a)$ を、$a$ の式で表す
  • (3):$S(a)$ の最小値と、そのときの $a$ の値を求める

(1)方程式を解いて、解が範囲に入る条件を調べる

方針:対数の差が $0$ になるのは、真数が等しいときです。$x>0$ では

$$\log(1+x)-\log ax=0\iff 1+x=ax\iff x=\frac{1}{a-1}$$

($a>1$ なので $a-1>0$ です。)この解が $1\le x\le2$ に入る条件を調べます。

$$1\le\frac{1}{a-1}\le2\iff\frac12\le a-1\le1\iff\frac32\le a\le2$$

$1<a<2$ の範囲では、$\dfrac32\le a<2$ のとき解は1個、$1<a<\dfrac32$ のとき解は0個です。

(2)符号が変わる点で積分を2つに分ける

① 中身の符号。$g(x)=\log(1+x)-\log ax=\log\dfrac{1+x}{ax}$ とおくと、$\dfrac{1+x}{ax}=\dfrac1a\left(1+\dfrac1x\right)$ は $x$ について減少します。したがって $g(x)$ は減少関数で、$x_0=\dfrac{1}{a-1}$ の左で正、右で負です。

② 原始関数。$g(x)$ の原始関数を1つ決めておきます(微分すると $g(x)$ に戻ることを確かめてください)。

$$G(x)=(1+x)\log(1+x)-x\log x-x\log a-1$$
$$\begin{aligned}G(1)&=2\log2-\log a-1\\ G(2)&=3\log3-2\log2-2\log a-1\end{aligned}$$

③ $1<a\le\dfrac32$ のとき。$x_0\ge2$ なので、$[1,2]$ で $g\ge0$ です。絶対値はそのまま外せて、

$$S(a)=G(2)-G(1)=3\log3-4\log2-\log a$$

④ $\dfrac32\le a<2$ のとき。$x_0\in(1,2]$ で符号が変わるので、$[1,x_0]$ は $g\ge0$、$[x_0,2]$ は $g\le0$ です。

$$S(a)=\bigl(G(x_0)-G(1)\bigr)-\bigl(G(2)-G(x_0)\bigr)=2G(x_0)-G(1)-G(2)$$

$G(x_0)$ は、$1+x_0=\dfrac{a}{a-1}$ を使って整理します。

$$\begin{aligned}G(x_0)&=\frac{a}{a-1}\bigl(\log a-\log(a-1)\bigr)+\frac{1}{a-1}\log(a-1)-\frac{1}{a-1}\log a-1\\&=\log a-\log(a-1)-1\end{aligned}$$
$$S(a)=5\log a-2\log(a-1)-3\log3$$

($a=\dfrac32$ でつなぎ目の値が一致します:どちらの式でも $2\log3-3\log2$ です。)

(3)区間ごとに増減を調べる

$1<a\le\dfrac32$ では $S(a)=3\log3-4\log2-\log a$ なので、$a$ が増えると減少します。

$\dfrac32\le a<2$ では、

$$S^{\prime}(a)=\frac5a-\frac{2}{a-1}=\frac{3a-5}{a(a-1)}$$

$a<\dfrac53$ で負、$a>\dfrac53$ で正です。したがって $S(a)$ は $1<a<\dfrac53$ で減少、$\dfrac53<a<2$ で増加し、最小は $a=\dfrac53$。

$$\begin{aligned}S\!\left(\tfrac53\right)&=5\log\tfrac53-2\log\tfrac23-3\log3\\&=5\log5-2\log2-6\log3\ (\approx0.0692)\end{aligned}$$
S(a)のグラフの形。a=3/2で式が切り替わり、a=5/3で最小になる
図B $S(a)$ のグラフの形(TMPS作成・模式図)
🎯 第2問の答え
(1) $1<a<\frac32$ で0個、$\frac32\le a<2$ で1個(2) $1<a\le\frac32$:$3\log3-4\log2-\log a$(2) $\frac32\le a<2$:$5\log a-2\log(a-1)-3\log3$(3) $a=\dfrac53$、最小値 $5\log5-2\log2-6\log3$
⚠️ (2)では、$x_0=\frac{1}{a-1}$ が区間 $[1,2]$ のどこにあるかが場合分けの境目です。境目 $a=\frac32$ は、どちらの式に入れても同じ値になります(等号をどちらに付けても答えは変わりません)。(3)で、$1<a\le\frac32$ の式は減少なので最小にはなりません。最小は $\frac32\le a<2$ の内側の $a=\frac53$ で決まります。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
(2)で、$G(x_0)$ の計算が長くて、途中で符号を間違えそうです。
ニックニ先生
ニックニ先生
$1+x_0=\frac{a}{a-1}$ と $x_0=\frac{1}{a-1}$ だけを使って、$\log a$ と $\log(a-1)$ の係数をそれぞれまとめる。最後に $a=\frac32$ を代入して、(2)の場合分けのつなぎ目で2つの式が一致するか確かめれば、計算ミスに気づける。
ニックニ先生の総整理表

第2問:絶対値つき積分の型

小問やることポイント
(1)$1+x=ax$ から $x=\frac{1}{a-1}$$[1,2]$ に入るのは $\frac32\le a<2$
(2)符号が変わる点で積分を分ける$1<a\le\frac32$ は分けない。$\frac32\le a<2$ は $2G(x_0)-G(1)-G(2)$
(3)区間ごとに増減$S^{\prime}(a)=\frac{3a-5}{a(a-1)}$、最小は $a=\frac53$
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋

  • (1)解の個数が分からない → 真数を等しいとおいて $x=\frac{1}{a-1}$。これが $1\le x\le2$ に入る $a$ の範囲を不等式で出す
  • (2)絶対値が外せない → $g(x)=\log\frac{1+x}{ax}$ は $x$ で減少。符号が変わる点 $x_0$ が区間に入るかで場合分け
  • (2)計算が合わない → $a=\frac32$ で2つの式が一致するかを確かめる($2\log3-3\log2$)
  • (3)最小値が決まらない → 場合分けした区間ごとに増減を調べ、内側の極小点を探す
第3問 / 目標:20分(2次式の整数条件・証明と反例)

第3問 2次式と整数の条件 ── 係数を整数にして互いに素で約数を取り出し、正誤は小さい例で試す

条件の「連続する3つの整数での値が整数」は、差をとって係数を取り出すための材料です。(1)は証明、(2)は命題の正誤を判断して、正しくなければ反例を1つ作ります。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第3問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標20分。(1)(12分)→(2)(8分)。(1)の「係数が整数になる」ところまでを先に書く。
⚠️ 損切り・警戒ライン(2)で証明を探し続けない。まず $p=q=1$ のような小さい例を試して、条件をみたすのに命題が成り立たない例を探す。
💡 初手の思考トリガー(1):差をとって $2a,\ 2b,\ 2c$ の整数性→$f(\frac qp)=0$ から整数の等式→互いに素から $p\mid 2a,\ q\mid 2c$。(2):$f(x)=\frac{(px-q)(Rx+S)}{2}$ の形で例を作る。
📝 どういう問題か?

互いに素な自然数 $p,\ q$ と、$a\ne0$ の2次式 $f(x)=ax^2+bx+c$(係数は実数)を考える。「ある整数 $k$ について $f(k-1),\ f(k),\ f(k+1)$ がすべて整数」かつ「$f(x)$ が $px-q$ で割り切れる」という条件をみたす $f$ について、係数の整数性を調べる。

  • (1):$\dfrac{2a}{p}$ と $\dfrac{2c}{q}$ が整数であることを示す(証明)
  • (2):「$\dfrac ap,\ \dfrac cq$ はともに整数である」という命題が正しいか判断し、正しくなければ反例を1つあげる

(1)差をとって $2a,\ 2b,\ 2c$ が整数であることを出す

① 係数を取り出す。$f(k-1),\ f(k),\ f(k+1)$ が整数なので、

$$\begin{aligned}f(k+1)-2f(k)+f(k-1)&=2a\\ f(k+1)-f(k-1)&=4ak+2b\\ 2f(k)&=2ak^2+2bk+2c\end{aligned}$$

上の式から $2a$ は整数。次に $4ak=2k\cdot(2a)$ は整数なので $2b$ も整数、最後の式から $2c$ も整数です。$A=2a,\ B=2b,\ C=2c$ とおきます。

② 割り切れる条件を使う。$f(x)$ が $px-q$ で割り切れるので $f\left(\dfrac qp\right)=0$。両辺に $2p^2$ を掛けて、

$$q^2A+pqB+p^2C=0$$

③ 互いに素を使う。$A,B,C$ は整数なので、この式を $p$ で割った余りを見ると $q^2A\equiv0\pmod p$。$p$ と $q$ は互いに素だから $p\mid A$。同じく $q$ で割った余りを見ると $p^2C\equiv0\pmod q$ から $q\mid C$。

$$\frac{2a}{p}=\frac Ap,\quad\frac{2c}{q}=\frac Cq\ \text{は整数}$$

(2)小さい例で反例を作る

④ 条件を整理する。(1)の $R=\dfrac{2a}{p}$、$S=-\dfrac{2c}{q}$(整数)を使うと、条件をみたす $f$ は

$$f(x)=\frac{(px-q)(Rx+S)}{2}$$

と書けます。「$\dfrac ap$ が整数」は「$R$ が偶数」と同じことなので、命題を崩すには、$R$ が奇数なのに、連続する3つの整数で $f$ の値が整数になる例を探します。

⑤ 反例。$p=q=1,\ R=1,\ S=0$ とすると

$$f(x)=\frac{x(x-1)}{2}$$

連続する2つの整数の積は偶数なので、すべての整数 $x$ で $f(x)$ は整数です(どの $k$ でも条件をみたします)。また $f(1)=0$ なので $x-1$ で割り切れ、$a=\dfrac12\ne0$。ところが $\dfrac ap=\dfrac12$ は整数ではありません。

よって命題は正しくありません。

🎯 第3問の答え
(1) 証明(2) 正しくない。反例:$p=q=1,\ f(x)=\dfrac{x(x-1)}{2}$
⚠️ (1)で、$2b$ が整数であることを使わずに③に進むと、$q^2A+pqB+p^2C=0$ から $p\mid A$ を言えません($B,C$ が整数でないと余りで考えられない)。(2)は、反例に使う $f$ が条件を3つともみたすことを書きます:連続する3つの整数での値が整数、$px-q$ で割り切れる、$a\ne0$。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
(2)で、証明も反例も思いつかなくて、時間だけが過ぎてしまいそうです…。
ニックニ先生
ニックニ先生
正しいか分からない命題は、まず一番小さい場合を試す。$p=q=1$ のとき、$x-1$ で割り切れて、整数の値をとる2次式は何があるか。$x(x-1)$ を2で割った形が見つかれば、それで決まりだ。
ニックニ先生の総整理表

第3問:2次式の整数条件の型

段階やること着眼点
(1)①3つの整数値の差をとる$2a,\ 2b,\ 2c$ が整数になる
(1)②$f(\frac qp)=0$ に $2p^2$ を掛ける$q^2A+pqB+p^2C=0$
(1)③互いに素から約数を取り出す$p\mid A,\ q\mid C$
(2)小さい例を試す$f=\frac{(px-q)(Rx+S)}{2}$ で $R$ を奇数に。$p=q=1$、$f=\frac{x(x-1)}{2}$
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋

  • (1)①条件が使えない → $f(k\pm1),\ f(k)$ の差を作って $a,\ b,\ c$ を取り出す($2a=f(k+1)-2f(k)+f(k-1)$)
  • (1)②互いに素が使えない → $q^2A+pqB+p^2C=0$ を $p$ と $q$ のそれぞれで割った余りで見る
  • (2)正誤が決まらない → $p=q=1$ で例を試す。連続2整数の積は偶数、を利用して $\frac{x(x-1)}{2}$ にたどり着く
  • (2)反例を書くとき → 条件を3つとも確かめて書く
第4問 / 目標:25分(空間図形・回転体の体積)

第4問 平面上の円板を回した立体 ── 高さ $t$ の断面は線分、回すと円環

(1)で円板の高さの範囲を求め、(2)で高さごとの断面(線分)を $z$ 軸のまわりに回すと円環になることを使って、断面積を積分します。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第4問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標25分。平面と垂線の足(8分)→(1)(5分)→(2)(12分)。平面の式から $H$ を出す。
⚠️ 損切り・警戒ライン(2)で立体の形が思い浮かばない。「高さ $t$ で切る」と、$D$ の切り口は線分になる。線分を回すと円環。
💡 初手の思考トリガー平面の式と垂線の足 $H$→円板を $H+u\vec e_1+v\vec e_2$ で表す→高さ $t$ の断面は $v$ 一定の線分→回転は円環、面積 $\pi w^2$。
📝 どういう問題か?

原点 $O$、点 $A,\ B,\ C$ が決める平面 $ABC$ に $O$ から垂線 $OH$ を下ろす。$H$ を中心とする半径1の円板 $D$(平面 $ABC$ 上、内部を含む)について、高さの範囲と、$z$ 軸まわりの回転体の体積を調べる。$A,\ B$ は $z=0$ の平面上で $x$ 軸に平行な線分の両端、$C$ は $z$ 軸上の点。

  • (1):平面 $z=t$ が円板 $D$ と交わるような $t$ の範囲を求める
  • (2):$D$ を $z$ 軸のまわりに1回転させてできる立体 $K$ の体積 $V$ を求める

① 平面の式。$A,B$ は $y=-\dfrac{2}{\sqrt3},\ z=0$ の直線上にあり、$C$ は $(0,0,2)$ なので、平面は $y$ と $z$ の1次式で表せます。3点を代入して確かめると、

$$-\sqrt3\,y+z=2\qquad\text{(法線ベクトル }(0,-\sqrt3,1),\ \text{大きさ }2\text{)}$$

② 垂線の足 $H$。$OH$ は法線ベクトルに平行なので、

$$H=\frac{2}{4}\,(0,-\sqrt3,1)=\left(0,\ -\frac{\sqrt3}{2},\ \frac12\right),\qquad OH=1$$

③ 円板を表す。平面上で、$x$ 軸方向の単位ベクトル $\vec e_1=(1,0,0)$ と、それに垂直な単位ベクトル $\vec e_2=\left(0,\dfrac12,\dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ をとります($\vec e_2$ は法線ベクトルに垂直)。$D$ の点は、$u^2+v^2\le1$ をみたす $u,v$ を使って

$$H+u\vec e_1+v\vec e_2=\left(u,\ -\frac{\sqrt3}{2}+\frac v2,\ \frac12+\frac{\sqrt3}{2}v\right)$$

(1)$z$ 座標は $v$ だけで決まる

$z=\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}v$ で、$v$ は $-1\le v\le1$ を動くので、

$$\frac{1-\sqrt3}{2}\le t\le\frac{1+\sqrt3}{2}$$

(2)断面は線分、回すと円環

④ 高さ $t$ の断面。$z=t$ のとき $v$ が決まり、$v=v_0=\dfrac{2t-1}{\sqrt3}$。そこでの $D$ の切り口は、$y$ が一定の線分です。

$$y_0=-\frac{\sqrt3}{2}+\frac{v_0}{2},\qquad |x|\le w,\quad w=\sqrt{1-v_0^2}$$

⑤ 回転させる。この線分は $x=0$ の点($z$ 軸に一番近い点)を含みます。$z$ 軸からの距離は、一番近い点で $|y_0|$、端点で $\sqrt{y_0^2+w^2}$。回すと、内側の半径が $|y_0|$、外側の半径が $\sqrt{y_0^2+w^2}$ の円環になります($y_0\ne0$ なので真ん中に穴があきます)。その面積は

$$\pi\bigl\{(y_0^2+w^2)-y_0^2\bigr\}=\pi w^2=\pi(1-v_0^2)$$
高さtの断面(線分)をz軸のまわりに回すと、内側の半径|y0|・外側の半径√(y0²+w²)の円環になる
図C 断面の線分と、回してできる円環(TMPS作成・模式図)

⑥ 積分する。$t$ と $v_0$ の関係 $dt=\dfrac{\sqrt3}{2}dv_0$ を使って、

$$\begin{aligned}V&=\int\pi(1-v_0^2)\,dt=\frac{\sqrt3}{2}\pi\int_{-1}^{1}(1-v_0^2)\,dv_0\\&=\frac{\sqrt3}{2}\pi\cdot\frac43=\frac{2\sqrt3}{3}\pi\end{aligned}$$
🎯 第4問の答え
(1) $\dfrac{1-\sqrt3}{2}\le t\le\dfrac{1+\sqrt3}{2}$(2) $V=\dfrac{2\sqrt3}{3}\pi$
⚠️ 断面積は円環の面積です。外側の円の面積だけを使うと、穴の分まで含めてしまいます。また、線分が $z$ 軸に一番近い点($x=0$)を含むことが、円環の内側の半径が $|y_0|$ になる理由です。$y_0$ は断面ごとに変わりますが、面積 $\pi w^2$ には $y_0$ が出てこないので、積分は $v_0$ の2次式になります。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
立体の形がうまく想像できなくて、積分の式が立てられません…。
ニックニ先生
ニックニ先生
立体を想像しなくていい。「高さ $t$ で切った断面の面積」だけを考える。切り口は線分、回すと円環、面積は $\pi w^2$。あとは $t$ で積分すれば体積になる。
ニックニ先生の総整理表

第4問:回転体の体積の型

段階やること着眼点
① 平面3点から平面の式$-\sqrt3y+z=2$
② 垂線の足法線ベクトルに平行$H=(0,-\frac{\sqrt3}{2},\frac12)$、$OH=1$
(1)$z$ 座標を $v$ で表す$\frac12+\frac{\sqrt3}{2}v$、$-1\le v\le1$
(2)断面は線分→回して円環面積 $\pi w^2=\pi(1-v_0^2)$、$dt=\frac{\sqrt3}{2}dv_0$
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第4問で手が止まった人への処方箋

  • ①平面の式が出ない → $A,B$ は $y,z$ が一定の直線上。$by+cz=d$ の形におき、3点を代入
  • ②$H$ が分からない → 垂線の足は、法線ベクトルの実数倍。平面の式に代入して倍率を決める
  • (1)範囲が決まらない → 円板の点の $z$ 座標を $v$ で表し、$v$ の範囲 $-1\le v\le1$ から出す
  • (2)体積が立てられない → 高さ $t$ の断面を考える。切り口は線分、回すと円環。内側の半径は線分が $z$ 軸に一番近い点までの距離
TMPS ORIGINAL

慈恵医大2024型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)

2024年度の本番と同じ4大問・同じ型で、数値と設定を変えたTMPSオリジナル問題です。赤玉・白玉の取り出しと条件付き確率、絶対値つき積分と最小値、2次式の整数条件と反例、平面上の円板を回した立体の体積を一通り練習できます。

試験時間の目安 90分条件付き確率・絶対値つき積分・2次式の整数条件・回転体の体積
📄 本番形式の問題冊子PDFをダウンロード(全5ページ)

印刷して本番と同じように90分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 東京慈恵会医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。

類題 第1問

次の ア,イ にあてはまる適切な数値を解答欄に記入せよ。

1から4までの番号をつけた赤玉4個と,1から4までの番号をつけた白玉4個が入った袋から,玉を1個ずつ3回取り出し,玉に書かれた番号を取り出した順に $a_1,\ a_2,\ a_3$ とする。ただし,取り出した玉は元に戻さないものとする。
取り出した3個の玉が,赤玉1個,白玉2個であったとき,
$a_1<a_2<a_3$ となる条件付き確率は ア,
$a_1>a_2$ かつ $a_2<a_3$ となる条件付き確率は イ
である。
▶ 第1問 の答えと解説を見る

第1問 の答えと解説

ア:1/12イ:1/4
  1. まず条件に合う取り出し方(順序つき)の数を数える。赤玉を取り出す回が3通り,その赤玉が4通り,白玉2個を順に取り出すのが $4\times3=12$ 通りで,$3\times4\times12=144$ 通り。以下,この144通りを分母にする(どれも同様に確からしい)。
  2. (ア)$a_1<a_2<a_3$ となるのは,番号が小さい順に並ぶときで,4つの番号から異なる3つを選ぶ $\binom43=4$ 通り。選んだ3つの番号の玉のうち,どれを赤玉にするかが3通り。$4\times3=12$ 通りで,$\dfrac{12}{144}=\dfrac1{12}$。
  3. (イ)$a_2$ が両隣より小さい場合。$a_2$ の値で分ける。番号は同じでも赤と白は別の玉なので,$a_1=a_3$ になることもある点に注意する。
  4. $a_1\ne a_3$ のときは,3つの番号がすべて異なるので,赤玉をどの回にするかが3通り。$a_1=a_3$ のときは,同じ番号の赤・白2個を $a_1,a_3$ に使うので並べ方が2通りで,$a_2$ の玉は白玉。
  5. $a_2=1$:$a_1,a_3\in\{2,3,4\}$。$a_1\ne a_3$ が $3\times2=6$ 組で $6\times3=18$ 通り,$a_1=a_3$ が3組で $3\times2=6$ 通り。計24通り。
  6. $a_2=2$:$a_1,a_3\in\{3,4\}$。$2\times3=6$ 通りと $2\times2=4$ 通りで計10通り。$a_2=3$:$a_1=a_3=4$ の $1\times2=2$ 通り。
  7. 合計 $24+10+2=36$ 通りで,$\dfrac{36}{144}=\dfrac14$。
類題 第2問

$1<a<3$ をみたす実数 $a$ について,$S(a)=\displaystyle\int_1^3\left|\log(2+x)-\log ax\right|dx$ とするとき,次の問いに答えよ。ただし,$\log$ は自然対数である。

(1) $a$ の値に応じて,$1\le x\le3$ の範囲で方程式 $\log(2+x)-\log ax=0$ の解の個数を調べよ。
(2) $S(a)$ を求めよ。
(3) $S(a)\ (1<a<3)$ の最小値と,そのときの $a$ の値を求めよ。
▶ 第2問 の答えと解説を見る

第2問 の答えと解説

(1)
答え:1<a<5/3 のとき0個,5/3≦a<3 のとき1個
  1. $x>0$ のとき,方程式は $2+x=ax$,つまり $x=\dfrac{2}{a-1}$ と同値($a>1$ なので $a-1>0$)。
  2. $1\le\dfrac{2}{a-1}\le3$ を解くと,$a-1\le2$ かつ $a-1\ge\dfrac23$ より $\dfrac53\le a\le3$。$a<3$ の範囲では,$\dfrac53\le a<3$ のとき解が1個,$1<a<\dfrac53$ のとき0個($x=\dfrac{2}{a-1}>3$ となり範囲の外)。
(2)
答え:1<a≦5/3:S(a)=5log5−6log3−2log a5/3≦a<3:S(a)=8log a−4log(a−1)+4log2−5log5
  1. $g(x)=\log(2+x)-\log x-\log a$ とおくと,$\dfrac{2+x}{ax}=\dfrac1a\left(1+\dfrac2x\right)$ は $x$ について減少するので,$g(x)$ は減少関数。(1) より,$g$ の符号が変わるのは $x_0=\dfrac{2}{a-1}$ のとき。
  2. 原始関数は $G(x)=(2+x)\log(2+x)-x\log x-x\log a-2$(微分すると $g(x)$ に戻る)。$G(1)=3\log3-\log a-2$,$G(3)=5\log5-3\log3-3\log a-2$。
  3. 【$1<a\le\dfrac53$】$[1,3]$ 全体で $g\ge0$ なので $S=G(3)-G(1)=5\log5-6\log3-2\log a$。
  4. 【$\dfrac53\le a<3$】$x_0\in[1,3)$ で符号が変わり,$S=\bigl(G(x_0)-G(1)\bigr)-\bigl(G(3)-G(x_0)\bigr)=2G(x_0)-G(1)-G(3)$。$2+x_0=\dfrac{2a}{a-1}$ を使って整理すると $G(x_0)=2\log2+2\log a-2\log(a-1)-2$。
  5. よって $S=4\log2+4\log a-4\log(a-1)-4-(3\log3-\log a-2)-(5\log5-3\log3-3\log a-2)=8\log a-4\log(a-1)+4\log2-5\log5$。
(3)
答え:a=2 のとき最小値 12log2−5log5
  1. $1<a\le\dfrac53$ では $S(a)=5\log5-6\log3-2\log a$ は減少。
  2. $\dfrac53\le a<3$ では $S^{\prime}(a)=\dfrac8a-\dfrac4{a-1}=\dfrac{4(a-2)}{a(a-1)}$。$a<2$ で負,$a>2$ で正。
  3. $a=\dfrac53$ で2つの式はつながっている(連続)ので,$S(a)$ は $1<a<2$ で減少,$2<a<3$ で増加。最小は $a=2$ で,$S(2)=8\log2-4\log1+4\log2-5\log5=12\log2-5\log5$。
類題 第3問

$p,\ q$ は互いに素な自然数とする。実数 $a,\ b,\ c$ に対して,$x$ の2次多項式 $f(x)=ax^2+bx+c$ を考える。ただし,$a\ne0$ とする。
$f(x)$ が条件「ある整数 $k$ について $f(k-1),\ f(k),\ f(k+1)$ は整数となり,$f(x)$ は $px+q$ で割り切れる」をみたすとき,次の問いに答えよ。
(1) $\dfrac{2a}{p},\ \dfrac{2c}{q}$ は整数であることを示せ。
(2) 命題「$f(x)$ が上の条件をみたすならば,$b$ は整数である」は正しいか。正しければそれを示せ。正しくなければ,反例を1つあげよ。
▶ 第3問 の答えと解説を見る

第3問 の答えと解説

(1)
証明問題
  1. $f(k+1)-2f(k)+f(k-1)=2a$ なので,$2a$ は整数。次に $f(k+1)-f(k-1)=4ak+2b$ で,$4ak=2k\cdot(2a)$ は整数だから $2b$ も整数。さらに $2f(k)=2ak^2+2bk+2c$ より $2c$ も整数。
  2. $A=2a,\ B=2b,\ C=2c$(整数)とおく。$f(x)$ が $px+q$ で割り切れるので $f\!\left(-\dfrac qp\right)=0$。両辺に $2p^2$ を掛けて $q^2A-pqB+p^2C=0$。
  3. この式を $p$ で割った余りで見ると $q^2A\equiv0\pmod p$。$p,q$ は互いに素なので $p\mid A$,つまり $\dfrac{2a}{p}$ は整数。同様に $q$ で割った余りで見ると $p^2C\equiv0\pmod q$ より $q\mid C$,つまり $\dfrac{2c}{q}$ も整数。
(2)
答え:正しくない。反例:p=q=1,f(x)=x(x+1)/2(b=1/2)
  1. 条件をみたす $f$ は,(1) の $R=\dfrac{2a}{p},\ S=\dfrac{2c}{q}$(整数)を使って $f(x)=\dfrac{(px+q)(Rx+S)}{2}$ と書ける。このとき $b=\dfrac{pS+qR}{2}$ なので,$pS+qR$ が奇数になれば $b$ は整数でない。
  2. $p=q=1,\ R=1,\ S=0$ とすると $f(x)=\dfrac{x(x+1)}{2}$。連続する2整数の積は偶数なので,すべての整数 $x$ で $f(x)$ は整数(どの $k$ でも条件をみたす)。$f(-1)=0$ なので $x+1$ で割り切れ,$a\ne0$ もみたす。
  3. しかし $b=\dfrac12$ は整数でない。よって命題は正しくない。
類題 第4問

$O$ を原点とする $xyz$ 空間において,3点 $A\left(1,\ -\dfrac53,\ 0\right),\ B\left(-1,\ -\dfrac53,\ 0\right),\ C\left(0,\ 0,\ \dfrac54\right)$ の定める平面 $ABC$ 上に $O$ から垂線 $OH$ を下ろす。平面 $ABC$ において,$H$ を中心とする半径 $2$ の円板(内部を含む)$D$ を考える。次の問いに答えよ。
(1) 平面 $z=t$ が $D$ と交わるような $t$ の値の範囲を求めよ。
(2) $D$ を $z$ 軸のまわりに1回転させるとき,$D$ が通過してできる立体 $K$ の体積 $V$ を求めよ。
▶ 第4問 の答えと解説を見る

第4問 の答えと解説

(1)
答え:−2/5 ≦ t ≦ 2
  1. 平面 $ABC$ は $-3y+4z=5$(3点を代入して確かめられる)。法線ベクトル $(0,-3,4)$ の大きさは $5$ なので $H=\dfrac{5}{25}(0,-3,4)=\left(0,\ -\dfrac35,\ \dfrac45\right)$,$OH=1$。
  2. 平面内で,$x$ 軸方向の単位ベクトル $\vec e_1=(1,0,0)$ と,それに垂直な単位ベクトル $\vec e_2=\left(0,\dfrac45,\dfrac35\right)$ をとると,$D$ の点は $H+u\vec e_1+v\vec e_2\ (u^2+v^2\le4)$。その $z$ 座標は $\dfrac45+\dfrac35v$。
  3. $-2\le v\le2$ なので $z$ は $\dfrac45-\dfrac65=-\dfrac25$ から $\dfrac45+\dfrac65=2$ まで動く。よって $-\dfrac25\le t\le2$。
(2)
答え:V=32π/5
  1. 平面 $z=t$ による $D$ の切り口は,$v_0=\dfrac{5t-4}{3}$ として,$y=-\dfrac35+\dfrac45v_0$ の直線上の線分 $|x|\le w,\ w=\sqrt{4-v_0^2}$。
  2. この線分は $x=0$ の点($z$ 軸に最も近い点)を含み,その $z$ 軸からの距離は $|y|$。端点までの距離は $\sqrt{y^2+w^2}$。回転させると,内側の半径 $|y|$,外側の半径 $\sqrt{y^2+w^2}$ の円環ができ,面積は $\pi\bigl\{(y^2+w^2)-y^2\bigr\}=\pi w^2=\pi(4-v_0^2)$。
  3. $dt=\dfrac35dv_0$ なので $V=\displaystyle\int_{-2}^{2}\pi(4-v_0^2)\cdot\dfrac35\,dv_0=\dfrac{3\pi}{5}\left(16-\dfrac{16}{3}\right)=\dfrac{32}{5}\pi$。

※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、数値・設定・条件を変えて作っています(第1問は赤・白4個ずつで赤1個・白2個のときの確率、第2問は被積分関数を $\log(2+x)-\log ax$・区間を $[1,3]$ に変更、第3問は割る1次式を $px+q$ にして(2)の命題を「$b$ は整数」に変更、第4問は3点の座標と円板の半径を変更)。全問の答えは、スクリプトで全探索・厳密計算・数値計算により確かめています。

CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを90分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

第1問(条件付き確率・ア,イ)
第2問(絶対値つき積分と最小値)
第3問(2次式と整数の条件)
第4問(空間図形と回転体)
FOR PARENTS

保護者の方へ:慈恵医大の数学で知っておきたい3つのこと

① 「4問を90分」は1問あたり約20分
大問が4つしかなく、1問が重い試験です。取れる問題を取り切る力と、重い問題で最初の一歩を早く踏み出す力の両方が必要です。
② 「正しいか決める」問題が出る
2024年度の第3問のように、命題が正しいかどうかを自分で判断する問題があります。証明を探し続けず、小さい例を試して反例を探す習慣があるかで、時間の使い方が変わります。
③ 秋からは「答案を見てもらう」
90分で4大問を終える配分や、場合分け・条件の確認の抜けは、独学では直しにくい部分です。どこで時間を失ったか、第三者の目で見ると最短で伸びます。
FAQ

よくある質問

Q. 東京慈恵会医科大学 医学部の数学2024年度は、どの順番で解くのがよいですか?

TMPSの目安は、第1問(条件付き確率)10分、第2問(絶対値つき積分と最小値)25分、第3問(2次式と整数の条件)20分、第4問(空間図形と回転体)25分、見直し10分です。第1問は取り切り、第3問は(1)を確保してから(2)は小さい例で反例を探し、第2問は絶対値の外し方(場合分けの境目)を最初に決め、第4問は断面が線分になることに気づければ短く終わります。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各大問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるかをTMPSの言葉で説明しています。

Q. 第2問〜第4問は、途中の式も書く必要がありますか?

第1問は空欄(ア・イ)に数値を入れる形です。第2問〜第4問は小問ごとに「調べよ」「求めよ」「示せ」などの指示があります。解答欄が答えだけか、途中も書く形かは、過去問集の指示や解答用紙で確かめてください(要確認)。このページでは、どちらでも対応できるよう、途中式を省略せずに解説しています。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2024年度と同じ4大問の構成(玉の取り出しと条件付き確率・絶対値つき積分と最小値・2次式の整数条件・平面上の円板を回した立体の体積)で、数値・設定・条件を変えたTMPSオリジナル問題です。本文・設問はすべて新しく作ったもので、全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。

Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?

公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

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問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。

受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。

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