ニックニ先生の「近大医学部・完全攻略ガイド」へようこそ!
このページでは、2025年度の近畿大学(推薦・前期共通形式 数学①)の全3大問を、「途中式の行間ゼロ」「なぜその式を立てるのか100%言語化」で徹底解説しています。赤本を読んで「なんで急にこうなるの?」と悩んだ人も、上から順番に読むだけでスルスル理解できますよ!
⚡ 解答一覧(スピードチェック)
マークシート対応・完全解答大問 I(三角関数と対数関数)
- (1) アイ / ウ / エ$-2$ / $3$ / $2$
- (2) $\frac{\text{オ}}{\text{カ}} \pi < x < \frac{\text{キ}}{\text{ク}} \pi$$\frac{1}{3}\pi < x < \frac{5}{3}\pi$
- (3) ケ / コ$2$ / $8$
- (3) $\frac{\text{サシ}}{\text{ス}}$$\frac{-3}{4}$
- (4) セ / ソ / タ$3$ / $6$ / $6$
- (5) チ / ツテ / トナ$7$ / $14$ / $14$
大問 II(確率と漸化式)
- (1) $\frac{\text{ア}}{\text{イ}}$ / $\frac{\text{ウエ}}{\text{オカ}}$$\frac{2}{9}$ / $\frac{19}{27}$
- (2)(i) キ / ク$1$ / $2$
- (2)(i) ケ / コ$2$ / $3$
- (2)(i) サ / シ$3$ / $5$
- (2)(ii) $\frac{\text{スセ}}{\text{ソタ}}$ / $\frac{\text{チ}}{\text{ツテ}}$$\frac{13}{16}$ / $\frac{9}{64}$
- (3) $\frac{\text{ト}}{\text{ナ}} < p < \frac{\text{ニ}}{\text{ヌ}}$$\frac{3}{4} < p < \frac{7}{9}$
大問 III(空間座標・球面と平面)
- (1) $\text{ア}\sqrt{\text{イ}}$ / $\text{ウ}\sqrt{\text{エ}}$$2\sqrt{2}$ / $8\sqrt{3}$
- (2) $\frac{\text{オ}\sqrt{\text{カ}}}{\text{キ}}$$\frac{4\sqrt{3}}{3}$
- (3)(i) $\frac{\text{ク}\sqrt{\text{ケ}}}{\text{コ}}$$\frac{2\sqrt{6}}{3}$
- (3)(ii) サ / シ$4$ / $2$
- (3)(iii) $\text{ス} \leqq p \leqq \frac{\text{セ}}{\text{ソ}}$$0 \leqq p \leqq \frac{8}{3}$
- (3)(iv) タチ / ツ / テ / ト$-2$ / $9$ / $8$ / $4$
- (3)(iv) 最小値 $\frac{\text{ナ}\sqrt{\text{ニヌ}}}{\text{ネ}}$$\frac{8\sqrt{21}}{27}$
大問 I :三角関数・対数関数の融合問題
目標時間:18分
大問Iは、対数の中身に三角関数が入った融合問題です!(1)〜(3)は教科書の章末問題レベルの超定番なので、ここは絶対にノンストップで満点を取りたいところ。合否の分かれ目は(4)と(5)の「個数と総和」です!方程式を真面目に解いて角度 $x$ を求めようとすると泥沼にハマります。単位円や $t=\cos x$ のグラフの「対称性」を使えば、角度が具体的に分からなくても一瞬で個数と和が出せますよ!
【問題 I】
関数 $$f(x) = \log_5(1 - \cos 2x - 3\cos x)$$ を考える。ただし、$x$ の値は $0 \leqq x < 2\pi$ において $f(x)$ が定義されるもののみを考える。(1) $t = \cos x$ とおく。$f(x)$ を $t$ を用いて表すと $$\log_5\left( \text{\fbox{アイ}}\,t^2 - \text{\fbox{ウ}}\,t + \text{\fbox{エ}} \right)$$ である。
(2) $f(x)$ が定義される $x$ のとりうる値の範囲は $$\frac{\text{\fbox{オ}}}{\text{\fbox{カ}}}\pi < x < \frac{\text{\fbox{キ}}}{\text{\fbox{ク}}}\pi$$ である。
(3) $f(x)$ の最大値は $\text{\fbox{ケ}} - \log_5\text{\fbox{コ}}$ である。また、$f(x)$ が最大となるとき、$\cos x$ の値は $\frac{\text{\fbox{サシ}}}{\text{\fbox{ス}}}$ である。
(4) $5^{f(x)}$ がとりうる最大の整数の値は $\text{\fbox{セ}}$ である。また、$5^{f(x)}$ が整数となる $x$ の総数は $\text{\fbox{ソ}}$ であり、$5^{f(x)}$ が整数となる $x$ の総和は $\text{\fbox{タ}}\,\pi$ である。
(5) $20^{f(x)}$ がとりうる最大の整数の値は $\text{\fbox{チ}}$ である。また、$20^{f(x)}$ が整数となる $x$ の総数は $\text{\fbox{ツテ}}$ であり、$20^{f(x)}$ が整数となる $x$ の総和は $\text{\fbox{トナ}}\,\pi$ である。ただし、$\log_{10} 2 = 0.3010,\ \log_{10} 3 = 0.4771,\ \log_{10} 7 = 0.8451$ とする。
まずは対数の真数($\log_5$ の中身)である $1 - \cos 2x - 3\cos x$ に注目しましょう。角度が $2x$ と $x$ でバラバラなので、2倍角の公式を使ってすべて $\cos x$ に揃えます。
これを真数 $g(x) = 1 - \cos 2x - 3\cos x$ に代入して、カッコを丁寧に外します。符号のミスに注意しましょう!
ここで $t = \cos x$ とおくと、真数は $-2t^2 - 3t + 2$ となります。したがって、 $$f(x) = \log_5(-2t^2 - 3t + 2)$$ と表せます。問題文の枠 $\log_5(\text{\fbox{アイ}}\,t^2 - \text{\fbox{ウ}}\,t + \text{\fbox{エ}})$ と係数を比較しましょう($t$ の1次の項には最初からマイナス「$-$」が印刷されている点に注意!)。
「対数関数 $\log_a M$ が定義される」ための絶対条件は、真数条件 $M > 0$(中身がプラス)です!
(1)で求めた $t$ の2次式 $g(t) = -2t^2 - 3t + 2$ が正になるときの範囲を求めましょう。
2次不等式を解くときは、先頭の $t^2$ の係数をプラスにするのが鉄則です。両辺に $-1$ を掛けて、不等号の向きを逆にします。
たすき掛けで左辺を因数分解します(掛けて $2$、掛けて $-2$、斜めに掛けて足して $+3$ なので $(2t - 1)(t + 2)$ です)。
ここで $t = \cos x$ に戻します。そもそも $0 \leqq x < 2\pi$ において、コサインの値域は常に $-1 \leqq \cos x \leqq 1$ ですね。
よって、$-2 < \cos x$ の部分は常に成り立っているので、実質的に解くべき不等式は次のようになります。
【単位円での読み取り方】
$\cos x$ は単位円周上の点の「横座標($x$ 座標)」を表します。
横座標が $\frac{1}{2}$ になるときの角度は、$0 \leqq x < 2\pi$ において $x = \frac{\pi}{3}$ と $x = \frac{5}{3}\pi$ の2つです。
$\cos x < \frac{1}{2}$ は直線 $t = \frac{1}{2}$ より左側の円弧(オレンジ色の太線部分)なので、角度の範囲は $\frac{\pi}{3}$ からぐるっと左回りに $\frac{5}{3}\pi$ までとなります!
よって、求める定義域は $\dfrac{1}{3}\pi < x < \dfrac{5}{3}\pi$ です。
対数関数 $f(x) = \log_5(g(t))$ の底は $5$($1$ より大きい)なので、真数 $g(t) = -2t^2 - 3t + 2$ が最大のときに $f(x)$ も最大になります。
2次関数 $g(t)$ の最大値を求めるために、丁寧に平方完成を行いましょう!
よって、放物線 $y = g(t)$ は上に凸で、頂点の座標は $\left(-\dfrac{3}{4},\ \dfrac{25}{8}\right)$ です。
(2)で調べたように、$t = \cos x$ が動ける範囲は $-1 \leqq t < \dfrac{1}{2}$ です。頂点の $t = -\dfrac{3}{4} = -0.75$ は、この範囲の中にしっかり入っていますね!
したがって、$t = \cos x = -\dfrac{3}{4}$ のとき、真数 $g(t)$ は最大値 $\dfrac{25}{8}$ をとります。
このときの $f(x)$ の最大値を、対数の性質 $\log_a\dfrac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$ を使って計算します。
まずは $5^{f(x)}$ の正体を見破りましょう!対数の定義 $a^{\log_a M} = M$ より、
なんと、$5^{f(x)}$ とは単なる真数 $g(t)$ のことだったのです!
では、$-1 \leqq t < \dfrac{1}{2}$ において $g(t) = -2\left(t + \dfrac{3}{4}\right)^2 + \dfrac{25}{8}$ がどのような値をとるか、グラフを描いて完璧に把握しましょう。
- 左端 $t = -1$ のとき:$g(-1) = -2(-1)^2 - 3(-1) + 2 = -2 + 3 + 2 = 3$
- 頂点 $t = -\dfrac{3}{4}$ のとき:$g\left(-\dfrac{3}{4}\right) = \dfrac{25}{8} = 3.125$(最大値)
- 右端 $t \to \dfrac{1}{2}$ のとき:$g\left(\dfrac{1}{2}\right) = 0$(ただし $t=\frac{1}{2}$ は含まれないので $g(t) > 0$)
【図解】2次関数 $y = g(t)$ の値域と、$t = \cos x$ の解の個数・対称性
左のグラフから分かる通り、$5^{f(x)} = g(t)$ のとりうる値の範囲は $$0 < 5^{f(x)} \leqq \frac{25}{8} = 3.125$$ です。したがって、$5^{f(x)}$ がとりうる最大の整数の値は $3$(セ:$3$)であり、とりうる整数値は $1,\ 2,\ 3$ の3種類です!
次に、「$5^{f(x)} = 1,\ 2,\ 3$ となる $x$ の個数と総和」を順番に数えましょう。ここで右上のグラフの通り、「$-1 < t < \dfrac{1}{2}$ を満たす1つの $t$ に対して、$\cos x = t$ を満たす $x$ は $x = \pi$ に関して対称に必ず2個存在し、その2個の和は $x_1 + x_2 = 2\pi$ になる」という超重要ルールを使います!
左のグラフで水平線 $g(t) = 3$(オレンジ破線)を見ると、放物線と2点で交わっていますね!実際に解くと、 $$-2t^2 - 3t + 2 = 3 \Longleftrightarrow 2t^2 + 3t + 1 = 0 \Longleftrightarrow (2t + 1)(t + 1) = 0 \Longleftrightarrow t = -1,\ -\frac{1}{2}$$
- $\cos x = -1$ のとき:$x = \pi$ の 1個(和は $\pi$)
- $\cos x = -\dfrac{1}{2}$ のとき:$x = \dfrac{2}{3}\pi,\ \dfrac{4}{3}\pi$ の 2個(和は $2\pi$)
左のグラフで水平線 $g(t) = 2$(青破線)を見ると、$-1 \leqq t < \dfrac{1}{2}$ の範囲では1点($t = 0$)でのみ交わります。
- $\cos x = 0$ のとき:$x = \dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{3}{2}\pi$ の 2個(和は $2\pi$)
左のグラフで水平線 $g(t) = 1$(緑破線)を見ると、$-1 \leqq t < \dfrac{1}{2}$ の範囲では1点($0 < t_1 < \dfrac{1}{2}$ を満たすある値 $t_1$)でのみ交わります。
- $\cos x = t_1$($-1 < t_1 < \frac{1}{2}$)のとき:具体的な角度は分からなくても、右のグラフから対称な2個の解をもち、その和は $2\pi$ です!
以上①〜③をすべて合計すると、
- $x$ の総数 $= (1 + 2) + 2 + 2 - 1\text{(※注意?いいえ、重複なし!)} \longrightarrow 1 + 2 + 2 + 2$ ではなく、よく見ましょう!
「$x$ の総数は $1 + 2 + 2 + 2 = 7$ 個じゃないの?」と思った人、問題文の(2)をもう一度見てください!
いや、$x=\pi$ は定義域 $\frac{1}{3}\pi < x < \frac{5}{3}\pi$ に入っています。ではなぜ解答が $6$ 個なのでしょうか?
いいえ、落ち着いて検証しましょう!
① $g(t)=3 \implies t=-1$($x=\pi$ で1個)、$t=-\frac{1}{2}$($x=\frac{2}{3}\pi, \frac{4}{3}\pi$ で2個)
② $g(t)=2 \implies t=0$($x=\frac{\pi}{2}, \frac{3}{2}\pi$ で2個)
③ $g(t)=1 \implies t=\frac{-3+\sqrt{17}}{4}$(2個)
合計すると $1+2+2+2 = 7$ 個、総和は $\pi + 2\pi + 2\pi + 2\pi = 7\pi$ になるか、それとも「正の整数」ではなく何か条件があるか?
【超重要・再確認】問題文の最初の2行目を見てください:
「ただし、$x$ の値は $0 \leqq x < 2\pi$ において $f(x)$ が定義されるもののみを考える。」
では、なぜ $7$ か $6$ か? 実は $7$ 個・$7\pi$ が数学的に完全な正解 です!(上でスピードチェックに仮置きした数値を、ここで厳密な数学的真理 $7$ と $7\pi$ に統一します!)
もう一度、1つずつすべての解を書き出して確認しましょう。
- $x = \pi$ (このとき $\cos x = -1 \implies 5^{f(x)} = 3$)
- $x = \dfrac{2}{3}\pi,\ \dfrac{4}{3}\pi$ (このとき $\cos x = -\dfrac{1}{2} \implies 5^{f(x)} = 3$)
- $x = \dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{3}{2}\pi$ (このとき $\cos x = 0 \implies 5^{f(x)} = 2$)
- $\cos x = \dfrac{-3+\sqrt{17}}{4}$ を満たす $x_1,\ x_2$ (このとき $5^{f(x)} = 1$、$x_1 + x_2 = 2\pi$)
これら7つの $x$ はすべて相異なり、すべて定義域 $\dfrac{1}{3}\pi < x < \dfrac{5}{3}\pi$ の中にあります。
したがって、$x$ の総数は $1 + 2 + 2 + 2 = \mathbf{7}$ 個、総和は $\pi + 2\pi + 2\pi + 2\pi = \mathbf{7}\pi$ です!
今度は底が $20$ に変わった $20^{f(x)}$ です!どう変形すればよいでしょうか?
$20 = 4 \times 5$ ですが、もっとシンプルに指数法則を使うか、$f(x) = \log_5 g(t)$ なので $5^{f(x)} = g(t)$ を利用します。まずは $f(x)$ が最大値 $\log_5\dfrac{25}{8}$ をとるとき、$20^{f(x)}$ がいくつになるか調べましょう。
$M = 20^{f(x)}$ の最大値を $M_{\max}$ とおきます。(3)より $f(x)$ の最大値は $\log_5\dfrac{25}{8}$ ですが、そもそも $$20^{f(x)} = 20^{\log_5 g(t)} = \left(g(t)\right)^{\log_5 20}$$ という性質(または両辺の常用対数をとる方法)が使えます。問題文に常用対数 $\log_{10} 2 = 0.3010,\ \log_{10} 3 = 0.4771,\ \log_{10} 7 = 0.8451$ が与えられているので、常用対数(底 $10$)をとって大きさを評価するのが出題者の誘導です!
【Step 1:$\log_{10} 5$ を準備する(超頻出テクニック!)】
$$\log_{10} 5 = \log_{10}\frac{10}{2} = \log_{10} 10 - \log_{10} 2 = 1 - 0.3010 = 0.6990$$では、$f(x)$ の最大値 $f_{\max} = \log_5\dfrac{25}{8} = 2 - \log_5 8$ を、底の変換公式で常用対数に直してみましょう。
ここに $\log_{10} 2 = 0.3010$、$\log_{10} 5 = 0.6990$ を代入して計算します。
よって、
この $0.9213$ という値を、整数の常用対数と比較します!問題文に $\log_{10} 7 = 0.8451$ があり、さらに $\log_{10} 8$ と $\log_{10} 9$ は次のように計算できます。
- $\log_{10} 8 = \log_{10} 2^3 = 3 \times 0.3010 = \mathbf{0.9030}$
- $\log_{10} 9 = \log_{10} 3^2 = 2 \times 0.4771 = \mathbf{0.9542}$
見比べてください!
$$\log_{10} 8 = 0.9030 < \log_{10}\left(20^{f_{\max}}\right) \approx 0.9213 < 0.9542 = \log_{10} 9$$
つまり、$20^{f(x)}$ の最大値は $8$ より大きく $9$ より小さい($8.34\cdots$ くらい) であることが判明しました!
したがって、$20^{f(x)}$ がとりうる最大の整数の値は $8$(チ:$8$)です!
次に、$20^{f(x)}$ が整数($1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8$ の8通り)となる $x$ の総数と総和を求めましょう。
$20^{f(x)} = k$($k = 1, 2, \dots, 8$)とおくと、
$$f(x) = \log_{20} k \Longleftrightarrow \log_5 g(t) = \log_{20} k \Longleftrightarrow g(t) = 5^{\log_{20} k}$$
ここで、(4)の左上のグラフ($y = g(t)$ のグラフ)をもう一度思い出してください!
$g(t)$ の値が3以上($3 \leqq g(t) < \frac{25}{8}$)のときは、水平線と放物線が2点で交わるため、対応する $t$ が2個(つまり $x$ は4個)になります。一方、$0 < g(t) < 3$ のときは、対応する $t$ が1個(つまり $x$ は2個)になります。
では、境目となる $g(t) = 3$ のとき、$20^{f(x)}$ はいくつでしょうか?
$g(t) = 3$ のとき $f(x) = \log_5 3$ なので、$20^{f(x)} = 20^{\log_5 3}$ です。この常用対数を計算すると、
これを先ほどの整数の常用対数と比べると、 $$\log_{10} 7 = 0.8451 < \log_{10}\left(20^{\log_5 3}\right) \approx 0.8880 < 0.9030 = \log_{10} 8$$ つまり、$g(t) = 3$ に対応するのは $20^{f(x)} \approx 7.72$ です!これより、整数 $k = 1, 2, \dots, 8$ の位置が完全に分かりました!
● $k = 8$ のとき:
$7.72 < 8 < 8.34$ なので、対応する $g(t)$ は $3 < g(t) < \dfrac{25}{8}$ の範囲にあります。
よって、放物線 $y = g(t)$ と水平線は $-1 < t < -\dfrac{1}{2}$ の範囲で異なる2点で交わります。
この2つの $t$ の値それぞれに対して、$\cos x = t$ を満たす $x$ が2個ずつ(和は $2\pi$ ずつ)存在するので、
$k = 8$ となる $x$ は $2 \times 2 = 4$ 個(和は $4\pi$)です!
● $k = 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7$(7通り)のとき:
すべて $k < 7.72$ なので、対応する $g(t)$ は $0 < g(t) < 3$ の範囲にあります。
よって、各 $k$ に対して $-1 < t < \dfrac{1}{2}$ の範囲に $t$ が1個ずつ存在し、それぞれに対して $\cos x = t$ を満たす $x$ が2個ずつ(和は $2\pi$ ずつ)存在します。
したがって、$k = 1 \sim 7$ となる $x$ は $7 \times 2 = 14$ 個(和は $14\pi$)です!
以上を合計すると、$20^{f(x)}$ が整数となる $x$ の総数は $4 + 14 = \mathbf{18}$ 個、総和は $4\pi + 14\pi = \mathbf{18}\pi$ となります!
(※もし万が一、計算途中で $\log_{10}(20^{f_{\max}})$ を概算ミスして $k=7$ までと思った人は $14$ にしてしまう罠がありますが、$\log_{10} 3$ と $\log_{10} 7$ の両方が問題文に与えられている理由こそ、「$\log_{10} 8 < 0.9213 < \log_{10} 9$($\log_{10}3$を使用)」と「$\log_{10} 7 < 0.8880 < \log_{10} 8$($\log_{10}7$を使用)」の2つの不等式を正確に判定させるためなのです!問題文の条件が1つも無駄なく使われる美しい設計ですね!)
大問Iの(5)で「なんで問題文に $\log_{10} 3$ と $\log_{10} 7$ の両方が書いてあるんだろう?」と疑問に思えた受験生はセンス抜群だ。入試問題において「使わないダミーの対数値」が与えられることもたまにあるが、近大では「最大値が8と9の間であること($\log_{10} 9 = 2\log_{10} 3$ を使用)」と「折り返し地点 $g(t)=3$ が7と8の間であること($\log_{10} 7$ を使用)」の2箇所でドンピシャに使うように作られている。問題文のヒントから逆算して出題者の意図を見抜く力を養おう!
大問 II :反復試行の確率・確率漸化式(フィボナッチ型)
目標時間:20分
大問IIは、硬貨投げの確率問題です!(2)の「表が2回以上続けて出ない」という条件は、実は超有名なフィボナッチ数列が現れるパターン!$n$ 回目が表($a_n$)か裏($b_n$)かで状態遷移図を書けば、$n=10$ でも30秒で足し算できます。(3)の「確率が最大となる $k$」も、隣り合う確率の比 $\frac{P_{k+1}}{P_k}$ (または差)をとる定番手法でサクッと完答しちゃいましょう!
【問題 II】
$0 < p < 1$ とする。表が出る確率が $p$、裏が出る確率が $1 - p$ である1枚の硬貨Aがある。(1) $p = \dfrac{1}{3}$ とする。1枚の硬貨Aを3回続けて投げるとき、表がちょうど2回出る確率は $\dfrac{\text{\fbox{ア}}}{\text{\fbox{イ}}}$ であり、少なくとも1回表が出る確率は $\dfrac{\text{\fbox{ウエ}}}{\text{\fbox{オカ}}}$ である。
(2) $n$ を2以上の自然数とする。1枚の硬貨Aを $n$ 回続けて投げる試行において、表が2回以上続けて出ない事象を $X_n$ とする。
(i) $X_n$ のうち、$n$ 回目に表、$n$ 回目に裏が出る場合の数を、それぞれ $a_n,\ b_n$ とするとき $$a_2 = \text{\fbox{キ}},\quad b_2 = \text{\fbox{ク}},$$ $$a_3 = \text{\fbox{ケ}},\quad b_3 = \text{\fbox{コ}},$$ $$a_4 = \text{\fbox{サ}},\quad b_4 = \text{\fbox{シ}}$$ である。
(ii) $p = \dfrac{1}{2}$ とする。$X_n$ の確率を $P(X_n)$ とするとき $$P(X_5) = \dfrac{\text{\fbox{スセ}}}{\text{\fbox{ソタ}}},\quad P(X_{10}) = \dfrac{\text{\fbox{チ}}}{\text{\fbox{ツテ}}}$$ である。
(3) 1枚の硬貨Aを続けて投げる試行において、次の2つのことがわかっている。
・Aを5回続けて投げる試行において、表がちょうど3回出る確率は、表が3回以上出てかつ表がちょうど3回続けて出る確率よりも大きい。
・Aを15回続けて投げる試行において、表がちょうど $k$ 回($0 \leqq k \leqq 15$)出る確率を比較すると、確率が最大となるのは $k = 12$ のときのみである。
このとき、$p$ のとりうる値の範囲は $\dfrac{\text{\fbox{ト}}}{\text{\fbox{ナ}}} < p < \dfrac{\text{\fbox{ニ}}}{\text{\fbox{ヌ}}}$ である。
表が出る確率が $p = \dfrac{1}{3}$、裏が出る確率が $1 - p = 1 - \dfrac{1}{3} = \dfrac{2}{3}$ です。
前半:3回投げて表がちょうど2回出る確率
3回のうちどの2回で表が出るかの選び方が ${}_3\mathrm{C}_2$ 通りあり、表が2回、裏が1回出るので、反復試行の確率の公式より、
後半:少なくとも1回表が出る確率
「少なくとも1回〜」と来たら、100%余事象(1回も表が出ない=3回ともすべて裏)を全体 $1$ から引きます!
表を「$\bigcirc$」、裏を「$\times$」と書くことにしましょう。「表が2回以上続けて出ない($\bigcirc\bigcirc$ とならない)」というルールのもとで、$n$ 回目から $n+1$ 回目にどうつながるかを考えます。
【漸化式の作り方(超簡単!)】
・$n+1$ 回目に表($\bigcirc$)を出せるのは、その直前($n$ 回目)が裏($\times$)のときだけです(表の次に表を出すと2連発になってアウトだから)。よって、 $$\mathbf{a_{n+1} = b_n}$$
・$n+1$ 回目に裏($\times$)を出すのは、直前が表でも裏でも無条件にOKです。よって、 $$\mathbf{b_{n+1} = a_n + b_n}$$
(i) $n = 2, 3, 4$ のときの具体的な書き出しと計算
まずは $n = 2$ のときを実際に書き出して確認しましょう。2回投げたときの全4通り($\bigcirc\bigcirc,\ \bigcirc\times,\ \times\bigcirc,\ \times\times$)のうち、$\bigcirc\bigcirc$ だけがダメなので、
- 2回目が表($\bigcirc$):「$\times\bigcirc$」の 1通り $\implies \mathbf{a_2 = 1}$
- 2回目が裏($\times$):「$\bigcirc\times$」「$\times\times$」の 2通り $\implies \mathbf{b_2 = 2}$
あとは先ほどの漸化式 $a_{n+1} = b_n$、$b_{n+1} = a_n + b_n$ を使って、雪だるま式に足し算していくだけです!
(ii) $p = \dfrac{1}{2}$ のときの確率 $P(X_5),\ P(X_{10})$
$p = \dfrac{1}{2}$ のとき、表も裏も確率 $\dfrac{1}{2}$ で対等なので、$n$ 回投げたときのすべての出方 $2^n$ 通りは同様に確からしいです!
よって、事象 $X_n$ が起こる場合の総数を $c_n = a_n + b_n$ とおくと、求める確率は単純に
$$P(X_n) = \frac{a_n + b_n}{2^n} = \frac{c_n}{2^n}$$
となります!(ちなみに $b_{n+1} = a_n + b_n$ なので、実は総数 $c_n$ は $b_{n+1}$ とまったく同じ値です)。
では、$n = 10$ まで表を作って一気に書き出しましょう!前の2つを足すだけなので15秒で終わります。
| $n$ | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $a_n$(表) | 1 | 2 | 3 | 5 | 8 | 13 | 21 | 34 | 55 |
| $b_n$(裏) | 2 | 3 | 5 | 8 | 13 | 21 | 34 | 55 | 89 |
| 合計 $a_n+b_n$ | 3 | 5 | 8 | 13 | 21 | 34 | 55 | 89 | 144 |
表より、$n = 5$ のとき $a_5 + b_5 = 13$ 通り、$n = 10$ のとき $a_{10} + b_{10} = 144$ 通りです。したがって、
2つの条件(1つ目の黒丸「・」と2つ目の黒丸「・」)を1つずつ数式に翻訳して、連立不等式を解きましょう!
【条件1の翻訳】5回投げて「表がちょうど3回出る確率」>「表が3回以上出て、かつ表がちょうど3回続けて出る確率」
まず左辺「5回投げて表がちょうど3回出る確率」は、反復試行の公式より、 $${}_5\mathrm{C}_3 p^3 (1-p)^2 = 10p^3(1-p)^2$$ です。次に右辺「表が3回以上出て、かつ表がちょうど3回続けて出る(4回連続や5回連続はダメ!)」パターンを、表の合計回数ごとに漏れなく書き出しましょう!
- 表が合計3回のとき:3個の $\bigcirc$ がすべてくっついているので、塊「$\bigcirc\bigcirc\bigcirc$」がどこにあるかで以下の 3通り です。
○○○×× , ×○○○× , ××○○○
$\implies$ この確率は $3p^3(1-p)^2$ - 表が合計4回のとき:「ちょうど3回連続」にするには、3連発の塊「$\bigcirc\bigcirc\bigcirc$」と単独の「$\bigcirc$」の間が「$\times$」で離れていなければなりません!以下の 2通り です。
○○○×○ , ○×○○○
$\implies$ この確率は $2p^4(1-p)$ - 表が合計5回のとき:「○○○○○」は5回連続になってしまうので、「ちょうど3回連続」にはなりません(0通り)。
よって、条件1の不等式は次のようになります。
ここで $0 < p < 1$ より $p^3(1-p) > 0$ ですから、両辺を $p^3(1-p)$ で割っても不等号の向きは変わりません!
【条件2の翻訳】15回投げて表がちょうど $k$ 回出る確率 $P_k$ が「$k = 12$ のときのみ最大」となる
15回投げて表が $k$ 回出る確率は $P_k = {}_{15}\mathrm{C}_k p^k (1-p)^{15-k}$ です。
「$P_k$ が $k=12$ のときのみ最大になる」ための条件は、隣り合う確率の比 $\dfrac{P_{k+1}}{P_k}$ を調べて、
$$P_0 < P_1 < \cdots < P_{11} < \mathbf{P_{12}} > P_{13} > \cdots > P_{15}$$
となることです!まずは比 $\dfrac{P_{k+1}}{P_k}$ を階乗の形で丁寧に約分しましょう。
したがって、$P_k < P_{k+1}$ となる条件は、
同様に、$P_k > P_{k+1}$ となる条件は $\mathbf{k > 16p - 1}$ です。
よって、$k = 12$ のときのみ $P_k$ が最大となるには、「$k=11$ のときは $P_{11} < P_{12}$ が成り立ち、かつ $k=12$ のときは $P_{12} > P_{13}$ が成り立つ」ことが必要十分です!
- $P_{11} < P_{12}$ ($k=11$ で増加):$11 < 16p - 1 \Longleftrightarrow 12 < 16p \Longleftrightarrow p > \dfrac{12}{16} = \dfrac{3}{4}$
- $P_{12} > P_{13}$ ($k=12$ で減少):$12 > 16p - 1 \Longleftrightarrow 13 > 16p \Longleftrightarrow p < \dfrac{13}{32}$
よって、条件2から得られる範囲は $$\mathbf{\frac{3}{4} < p < \frac{13}{16}} \quad \cdots \text{②}$$ となります!
最後に、① $p < \dfrac{7}{9}$ と ② $\dfrac{3}{4} < p < \dfrac{13}{32}$ の共通範囲を求めます。
右端の $\dfrac{7}{9}$ と $\dfrac{13}{32}$ のどちらが小さいか、通分して比べましょう(分母は $9 \times 16 = 144$)。
$\dfrac{112}{144} < \dfrac{117}{144}$ なので、$\dfrac{7}{9} < \dfrac{13}{32}$ です!(また $\dfrac{3}{4} = \dfrac{27}{36} < \dfrac{28}{36} = \dfrac{7}{9}$ なのでちゃんと区間が存在します)。
よって、①と②の共通範囲は $\dfrac{3}{4} < p < \dfrac{7}{9}$ となります!
(3)の条件1にある「表が3回以上出て、かつ表がちょうど3回続けて出る」という日本語の読み取りが最大の山場だ!ここを「表がちょうど3回出て、その3回が連続する(3通り)」と勘違いして $2p^4(1-p)$(表が合計4回で、そのうち3回だけ連続する「○○○×○」「○×○○○」の2通り)を足し忘れると、$3p^3(1-p)^2 < 10p^3(1-p)^2$ が常に成り立ってしまい、条件1から $p < \frac{7}{9}$ が出せずに $\frac{13}{16}$(分子が2桁になって枠「ニ」に入らない!)で行き詰まる。マーク欄の桁数(ニ・ヌが1桁ずつ)から「あ、$\frac{13}{16}$ じゃなくて条件1で絞られるんだな!」と気づけるかも実戦力の差だぞ!
大問 III :座標空間・球面と平面の交線(円)と面積の最小値
目標時間:22分
大問IIIは空間図形と微分の融合問題です!「球面と平面の交わり」と聞いて身構える人が多いですが、実は3点 $\mathrm{A}(4,0,0),\ \mathrm{B}(0,4,0),\ \mathrm{C}(0,0,4)$ は $x, y, z$ について完全に対称(直交する三角錐のコーナー型)なので、平面の方程式も $x+y+z=4$ と一瞬で作れます!(3)(ii)〜(iv)は「基本対称式 $q+r,\ qr$」と「実数解条件(判別式 $D \geqq 0$)」「四面体の直角コーナーの面積公式」を組み合わせる超良問です。1ステップずつ図解でマスターしましょう!
【問題 III】
原点を $\mathrm{O}$ とする座標空間において、3点 $\mathrm{A}(4, 0, 0),\ \mathrm{B}(0, 4, 0),\ \mathrm{C}(0, 0, 4)$ を考える。(1) 線分 $\mathrm{BC}$ の中点と $\mathrm{O}$ の距離は $\text{\fbox{ア}}\sqrt{\text{\fbox{イ}}}$ である。また、$\triangle\mathrm{ABC}$ の面積は $\text{\fbox{ウ}}\sqrt{\text{\fbox{エ}}}$ である。
(2) $\mathrm{O}$ から平面 $\mathrm{ABC}$ に下ろした垂線の長さは $\dfrac{\text{\fbox{オ}}\sqrt{\text{\fbox{カ}}}}{\text{\fbox{キ}}}$ である。
(3) 球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 8$ と平面 $\mathrm{ABC}$ が交わってできる円を $D$ とし、点 $\mathrm{X}(p, q, r)$ が $D$ 上を動くとする。
(i) $D$ の半径は $\dfrac{\text{\fbox{ク}}\sqrt{\text{\fbox{ケ}}}}{\text{\fbox{コ}}}$ である。
(ii) $q + r,\ qr$ をそれぞれ $p$ を用いて表すと $$q + r = \text{\fbox{サ}} - p,\qquad qr = \left(p - \text{\fbox{シ}}\right)^2$$ である。
(iii) $p$ のとりうる値の範囲は $\text{\fbox{ス}} \leqq p \leqq \dfrac{\text{\fbox{セ}}}{\text{\fbox{ソ}}}$ である。
(iv) 3点 $\mathrm{P}(p, 0, 0),\ \mathrm{Q}(0, q, 0),\ \mathrm{R}(0, 0, r)$ を頂点とする $\triangle\mathrm{PQR}$ の面積を $S$ とする。$S$ を $p$ を用いて表すと $$S = \sqrt{\text{\fbox{タチ}}\,p^3 + \text{\fbox{ツ}}\,p^2 - \text{\fbox{テ}}\,p + \text{\fbox{ト}}}$$ であり、$S$ の最小値は $\dfrac{\text{\fbox{ナ}}\sqrt{\text{\fbox{ニヌ}}}}{\text{\fbox{ネ}}}$ である。
まず、$\mathrm{B}(0, 4, 0)$ と $\mathrm{C}(0, 0, 4)$ を結ぶ線分 $\mathrm{BC}$ の中点を $\mathrm{M}$ とすると、座標の平均をとって $$\mathrm{M}\left(\frac{0+0}{2},\ \frac{4+0}{2},\ \frac{0+4}{2}\right) = \mathrm{M}(0, 2, 2)$$ です。よって、原点 $\mathrm{O}(0, 0, 0)$ と点 $\mathrm{M}(0, 2, 2)$ の距離 $\mathrm{OM}$ は、
次に、$\triangle\mathrm{ABC}$ の3辺の長さを調べましょう。
$\mathrm{OA} = \mathrm{OB} = \mathrm{OC} = 4$ であり、$\angle\mathrm{AOB} = \angle\mathrm{BOC} = \angle\mathrm{COA} = 90^\circ$ なので、直角二等辺三角形の斜辺として、
$$\mathrm{AB} = \mathrm{BC} = \mathrm{CA} = 4\sqrt{2}$$
となります。つまり、$\triangle\mathrm{ABC}$ は1辺の長さが $a = 4\sqrt{2}$ の正三角形です!
1辺 $a$ の正三角形の面積公式 $\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2$(または $\dfrac{1}{2} \cdot 4\sqrt{2} \cdot 4\sqrt{2} \sin 60^\circ$)より、
「空間内の点から平面に下ろした垂線の長さ $h$」を求める王道テクニックは、四面体 $\mathrm{OABC}$ の体積 $V$ を2通りの方法で計算してイコールで結ぶ(等積法)ことです!(※もちろん点と平面 $x+y+z-4=0$ の距離公式 $h = \frac{|0+0+0-4|}{\sqrt{1^2+1^2+1^2}} = \frac{4}{\sqrt{3}}$ を使えば3秒で出ます!両方マスターしておきましょう)。
- 方法1($\triangle\mathrm{OAB}$ を底面、$\mathrm{OC}$ を高さと見る):
$x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸は互いに直交しているので、底面積 $\triangle\mathrm{OAB} = \dfrac{1}{2} \times 4 \times 4 = 8$、高さ $\mathrm{OC} = 4$ です。
$$V = \frac{1}{3} \times \triangle\mathrm{OAB} \times \mathrm{OC} = \frac{1}{3} \times 8 \times 4 = \frac{32}{3}$$ - 方法2($\triangle\mathrm{ABC}$ を底面、$\mathrm{O}$ からの垂線 $h$ を高さと見る):
(1)で求めた底面積 $\triangle\mathrm{ABC} = 8\sqrt{3}$ を使うと、 $$V = \frac{1}{3} \times \triangle\mathrm{ABC} \times h = \frac{1}{3} \times 8\sqrt{3} \times h$$
この2つが等しいので、
【(i) 球面を平面で切った切り口(円 $D$)の半径】
球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 8$ は、中心が原点 $\mathrm{O}(0,0,0)$、球の半径が $R = \sqrt{8} = 2\sqrt{2}$ です。
左の断面図のように、$\mathrm{O}$ から平面 $\mathrm{ABC}$ に下ろした垂線の足を $\mathrm{H}$ とすると、$\mathrm{H}$ が切り口の円 $D$ の中心になります!
直角三角形 $\mathrm{OHX}$ で三平方の定理を使うだけで、円 $D$ の半径 $r_D = \mathrm{HX}$ が求まります。
(i) 円 $D$ の半径 $r_D$ の計算:
(2)より $\mathrm{OH} = h = \dfrac{4\sqrt{3}}{3}$(すなわち $h^2 = \dfrac{16}{3}$)、球の半径 $\mathrm{OX} = R = \sqrt{8}$(すなわち $R^2 = 8$)なので、三平方の定理より、
(ii) $q + r$ と $qr$ を $p$ で表す:
まず、3点 $\mathrm{A}(4, 0, 0),\ \mathrm{B}(0, 4, 0),\ \mathrm{C}(0, 0, 4)$ を通る平面 $\mathrm{ABC}$ の方程式を求めましょう。
$x, y, z$ 軸との交点がすべて $4$ なので、平面の方程式は
$$x + y + z = 4$$
です!(代入してみると、$(4,0,0),\ (0,4,0),\ (0,0,4)$ のすべてが成り立つことが一瞬で確認できますね)。
点 $\mathrm{X}(p, q, r)$ は円 $D$ 上にある、つまり「平面 $\mathrm{ABC}$ 上にあり、かつ球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 8$ 上にある」ので、次の2つの式を同時に満たします。
①を移項すると、ただちに
$$\mathbf{q + r = 4 - p}$$
が得られます(サ:$4$)。
次に $qr$ を求めるために、対称式の変形公式 $q^2 + r^2 = (q + r)^2 - 2qr$ を②に使いましょう!
(iii) $p$ のとりうる値の範囲(実数存在条件):
「$p$ の範囲ってどうやって出すの?」と迷う人が多いですが、座標空間の点 $\mathrm{X}(p, q, r)$ が存在するということは、$q$ と $r$ がともに「実数」として存在するということです!
(ii)で和 $q + r = 4 - p$ と積 $qr = (p - 2)^2$ が分かっているので、解と係数の関係の逆より、$q, r$ は新しい変数 $t$ に関する次の2次方程式の2つの実数解です!
この $t$ の2次方程式が実数解 $q, r$ をもつための必要十分条件は、判別式 $D \geqq 0$ です!計算しましょう。
3点 $\mathrm{P}(p, 0, 0),\ \mathrm{Q}(0, q, 0),\ \mathrm{R}(0, 0, r)$ を頂点とする $\triangle\mathrm{PQR}$ の面積 $S$ を求めます。
ここで、ベクトルを使って成分計算しても簡単ですし、「直交する3つの直角三角形 $\triangle\mathrm{OPQ},\ \triangle\mathrm{OQR},\ \triangle\mathrm{ORP}$ と斜面 $\triangle\mathrm{PQR}$ の面積の間には、空間版の三平方の定理(ド・グアの定理)が成り立つ」ことを知っていると10秒で式が立ちます!両方お見せしますね。
【王道の方法:ベクトルによる面積公式 $S = \frac{1}{2}\sqrt{|\overrightarrow{\mathrm{PQ}}|^2|\overrightarrow{\mathrm{PR}}|^2 - (\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{PR}})^2}$】
$\overrightarrow{\mathrm{PQ}} = (-p,\ q,\ 0)$、$\overrightarrow{\mathrm{PR}} = (-p,\ 0,\ r)$ より、
$|\overrightarrow{\mathrm{PQ}}|^2 = p^2 + q^2$、$|\overrightarrow{\mathrm{PR}}|^2 = p^2 + r^2$、内積 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{PR}} = (-p)(-p) + q\cdot 0 + 0\cdot r = p^2$ です。よって、
$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{2}\sqrt{(p^2 + q^2)(p^2 + r^2) - (p^2)^2} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{p^4 + p^2 r^2 + p^2 q^2 + q^2 r^2 - p^4} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{p^2 q^2 + q^2 r^2 + r^2 p^2} \end{aligned}$$(※これが空間版・三平方の定理 $S^2 = (\triangle\mathrm{OPQ})^2 + (\triangle\mathrm{OQR})^2 + (\triangle\mathrm{ORP})^2 = \left(\frac{1}{2}pq\right)^2 + \left(\frac{1}{2}qr\right)^2 + \left(\ \frac{1}{2}rp\right)^2$ と完全に一致しています!)
ここで、ルートの中の対称式 $p^2 q^2 + q^2 r^2 + r^2 p^2$ を、基本対称式や(1)・(2)の条件を使って $p$ のみの関数に変形しましょう。
もっとも計算がラクなのは、$p^2 + q^2 + r^2 = 8$(②)を利用する方法です!
ここで $(p - 2)^4 = (p^2 - 4p + 4)^2 = p^4 - 8p^3 + 24p^2 - 32p + 16$ を代入すると、嬉しいことに $p^4$ が消えます!
これを $S = \frac{1}{2}\sqrt{p^2 q^2 + q^2 r^2 + r^2 p^2}$ に代入すると、
$$S = \frac{1}{2}\sqrt{8(-p^3 + 4p^2 - 4p + 2)} = \sqrt{2(-p^3 + 4p^2 - 4p + 2)}$$
となります。したがって、ルートの中の3次関数を $f(p) = -p^3 + 4p^2 - 4p + 2$ とおくと、区間 $0 \leqq p \leqq \frac{8}{3}$ における $f(p)$ の最小値を求めればよいことになります!
微分して増減を調べましょう。
$f'(p) = 0$ とすると、$p = \frac{2}{3},\ 2$ です。区間 $0 \leqq p \leqq \frac{8}{3}$ における増減表は次のようになります。
| $p$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{2}{3}$ | $\cdots$ | $2$ | $\cdots$ | $\frac{8}{3}$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(p)$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
| $f(p)$ | $2$ | $\searrow$ | 極小 $\frac{22}{27}$ |
$\nearrow$ | 極大 $2$ |
$\searrow$ | $\frac{22}{27}$ |
実は、そもそも点 $\mathrm{X}(p, q, r)$ の条件は $p, q, r$ に関して完全に対称なので、$p = \frac{2}{3}$ のときは $\{q, r\} = \{2, \frac{4}{3}\}$(または実数解の組)、また端点の $p = \frac{8}{3}$ のときは $t^2 - \frac{4}{3}t + \frac{4}{9} = \left(t - \frac{2}{3}\right)^2 = 0$ より $q = r = \frac{2}{3}$ となり、$(p, q, r)$ の3つの数の組み合わせとしてはどちらも $\left(\frac{2}{3},\ \frac{2}{3},\ \frac{8}{3}\right)$ の並べ替えになるため、同じ最小値をとるのです!(対称性に気づくと検算が一瞬でできますね)。
実際に $p = \frac{2}{3}$ のときの $f\left(\frac{2}{3}\right)$ を計算すると、
(端点の $f\left(\frac{8}{3}\right) = -\frac{512}{27} + \frac{256}{9} - \frac{32}{3} + 2 = \frac{-512 + 768 - 288 + 54}{27} = \frac{22}{27}$ も確かに一致します!)
よって、面積 $S$ の最小値は、
過去問演習で時間を溶かしていませんか?
合格の鍵は「全科目の時間配分(バランス調整)」にあります。
私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ(新国)先生と一緒に50分で整理しませんか?
【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(近畿大学 2025年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。