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大阪医科薬科大学 医学部 数学(2025年度)全問題・超図解解説

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数学コーチング創始者 ニックニ(新国)先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 ニックニ(新国大輔)先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!大阪医科薬科大学(2025年度)数学をニックニ先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の指導統括・数学コーチング創始者のニックニ(新国大輔)先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、大阪医科薬科大学(2025年度)の数学について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

試験時間 90分 / 全4題(記述式)
大問 [1] 極限・区分求積法と三角関数の和 数III 極限・積分
  • (1) 極限値$\dfrac{1}{\pi}$
  • (2) $\lim_{n\to\infty}\dfrac{a_n}{n^p}$
    $p=2$ のとき $-\dfrac{1}{\pi}$
    $p\geqq 3$ のとき $0$
大問 [2] 空間ベクトル・折れ線の最小値 数C ベクトル
  • (1) 交点と大きさ
    $C(-12, 4, 10),\ D(6, -2, -5)$
    $|\overrightarrow{AC}|=6,\ |\overrightarrow{BD}|=3$
  • (2) 同一平面上にない証明解説本文の記述参照
  • (3) $AP+BP$ の最小値
    最小値:$3\sqrt{5\left(9+\sqrt{30}\right)}$
    点 $P\left(-36+6\sqrt{30},\ 12-2\sqrt{30},\ 30-5\sqrt{30}\right)$
大問 [3] 直線 $y=2x$ の周りの回転体の体積 数III 積分法
  • (1) $r,\ h$ を $t$ で表す
    $r = \dfrac{-t^2+3t-2}{\sqrt{5}}$
    $h = \dfrac{2t^2-t+4}{\sqrt{5}}$
  • (2) 回転体の体積 $V$$V = \dfrac{\sqrt{5}}{60}\pi$
大問 [4] 二項係数と条件付き確率(カタラン数) 数A 確率・場合の数
  • (1) 二項係数の等式証明解説本文の記述参照
  • (2)(i) $S_{12}=0$ となる確率$\dfrac{231}{1024}$
  • (2)(ii) 条件付き確率$\dfrac{1}{22}$

大問 [1] :区分求積法と三角関数の数列和の極限

目標時間:20分
ニックニ先生
💡 🎯 ニックニ先生の初手0.5秒スキャン

大問[1]は極限の計算問題2題です!(1)は一見複雑そうに見えますが、$\dfrac{1}{n}$ を1つ外に出して $\dfrac{k}{n}=x$ と見れば「区分求積法」のド定番の形ですね!合成関数の微分の逆(置換積分)で秒殺できます。
合否を分けるのは(2)です!$\sum k \sin(k\theta)$ の形は、区分求積法でも部分積分でもなく、「等差×等比型の和」と同じように $\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)$ を掛けて積和の公式で望遠鏡和(隣り合う項が消える形)を作るか、複素数(ド・モアブルの定理)を使うのが鉄則です。ここを正確に計算できた受験生が一歩リードしました!

【問題 [1]】 次の問いに答えよ。

(1) 次の極限値を求めよ。

$$\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\frac{k}{n^2}\cos\left(\frac{k^2\pi}{2n^2}\right)$$

(2) $\displaystyle a_n = \sum_{k=1}^{n} 2k \sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right) \quad (n=1, 2, 3, \cdots)$ で定義される数列 $\{a_n\}$ がある。$p$ を $2$ 以上の整数とするとき,

$$\lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n^p}$$

を求めよ。

設問 (1) 区分求積法による極限値の計算

シグマ($\sum$)と極限($\lim_{n\to\infty}$)が組み合わさった式を見たら、まずは区分求積法の公式を思い浮かべましょう。

📌 区分求積法の基本公式

$$\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{0}^{1} f(x)\,dx$$

与えられた式の一般項 $\dfrac{k}{n^2}\cos\left(\dfrac{k^2\pi}{2n^2}\right)$ を、$\dfrac{1}{n}$ と $\dfrac{k}{n}$ の塊に分けて変形します。

$$\begin{aligned} \sum_{k=1}^{n}\frac{k}{n^2}\cos\left(\frac{k^2\pi}{2n^2}\right) &= \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\left(\frac{k}{n}\right)\cos\left\{\frac{\pi}{2}\left(\frac{k}{n}\right)^2\right\} \end{aligned}$$

ここで $f(x) = x\cos\left(\dfrac{\pi}{2}x^2\right)$ とおくと、区分求積法より求める極限値 $I$ は次の定積分に一致します。

$$I = \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\left(\frac{k}{n}\right)\cos\left\{\frac{\pi}{2}\left(\frac{k}{n}\right)^2\right\} = \int_{0}^{1} x\cos\left(\frac{\pi}{2}x^2\right)dx$$

この定積分を計算するために、$\theta = \dfrac{\pi}{2}x^2$ と置換します。
両辺を $x$ で微分すると $\dfrac{d\theta}{dx} = \pi x$ より、$x\,dx = \dfrac{1}{\pi}d\theta$ となります。
また、$x$ が $0 \to 1$ と動くとき、$\theta$ は $0 \to \dfrac{\pi}{2}$ と動きます。したがって、

$$\begin{aligned} I &= \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos\theta \cdot \frac{1}{\pi}\,d\theta \\ &= \frac{1}{\pi}\Big[\sin\theta\Big]_{0}^{\frac{\pi}{2}} \\ &= \frac{1}{\pi}\left(\sin\frac{\pi}{2} - \sin 0\right) \\ &= \frac{1}{\pi}(1 - 0) = \mathbf{\frac{1}{\pi}} \end{aligned}$$

設問 (2) 三角関数を含む数列の和 $a_n$ の閉じた式と極限

🔥 ニックニ(新国)先生の思考プロセス解説

「(1)が区分求積法だったから、(2)も区分求積法かな?」と思って $\dfrac{a_n}{n^2} = \dfrac{1}{n}\sum 2\left(\dfrac{k}{n}\right)\sin\left(2\pi\dfrac{k}{n}\right)$ と変形した人は要注意です!
確かに $p=2$ のときは区分求積法でも $\displaystyle \int_{0}^{1} 2x\sin(2\pi x)\,dx = -\dfrac{1}{\pi}$ と答え自体は出せますが、問題文は「$p$ を $2$ 以上の整数とする」となっています。また、そもそも $a_n$ は積和の公式(または複素数平面の等比数列の和)を使えば $n$ の式として完全に和を計算し切ることができる有名形です。記述試験として満点を取るために、まず $a_n$ を $n$ で正確に表しましょう!

【ステップ1:$a_n$ の和を積和の公式(望遠鏡和)で求める】
まず、$n=1$ のときは $a_1 = 2\cdot 1\sin(2\pi) = 0$ です。
以下、極限 $n\to\infty$ を考えるため $n \geqq 2$ とします。このとき $0 < \dfrac{\pi}{n} \leqq \dfrac{\pi}{2}$ であるから、$\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right) \neq 0$ です。
ここで、積和の公式 $$2\sin A \sin B = \cos(A-B) - \cos(A+B)$$ を利用して階差の形(隣り合う項が打ち消し合う形)を作るために、$a_n$ の両辺に $\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)$ を掛けます。

$$\begin{aligned} a_n \sin\left(\frac{\pi}{n}\right) &= \sum_{k=1}^{n} k \cdot 2\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) \\ &= \sum_{k=1}^{n} k \left\{ \cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right) - \cos\left(\frac{2k+1}{n}\pi\right) \right\} \end{aligned}$$

この和を $k=1, 2, 3, \cdots, n$ まで具体的に書き並べてみると、見事に斜めに項がまとまります!

$$\begin{aligned} a_n \sin\left(\frac{\pi}{n}\right) =&\quad 1\cdot\cos\left(\frac{\pi}{n}\right) - 1\cdot\cos\left(\frac{3\pi}{n}\right) \\ &+ 2\cdot\cos\left(\frac{3\pi}{n}\right) - 2\cdot\cos\left(\frac{5\pi}{n}\right) \\ &+ 3\cdot\cos\left(\frac{5\pi}{n}\right) - 3\cdot\cos\left(\frac{7\pi}{n}\right) \\ &\quad \vdots \\ &+ n\cdot\cos\left(\frac{2n-1}{n}\pi\right) - n\cdot\cos\left(\frac{2n+1}{n}\pi\right) \end{aligned}$$

同じ角度の $\cos$ ごとに係数をまとめると($(-1+2)=1,\ (-2+3)=1,\ \cdots$ となるので)、

$$a_n \sin\left(\frac{\pi}{n}\right) = \left\{\sum_{k=1}^{n} \cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)\right\} - n\cos\left(\frac{2n+1}{n}\pi\right) \quad \cdots \text{①}$$

【ステップ2:残った $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)$ の和を計算する】
①の右辺第1項の和を $S_n = \displaystyle\sum_{k=1}^{n} \cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)$ とおきます。ここでも両辺に $2\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)$ を掛けて、積和の公式 $2\cos A\sin B = \sin(A+B)-\sin(A-B)$ を使います。

$$\begin{aligned} 2S_n\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) &= \sum_{k=1}^{n} 2\cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) \\ &= \sum_{k=1}^{n} \left\{ \sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right) - \sin\left(\frac{2(k-1)}{n}\pi\right) \right\} \\ &= \sin\left(\frac{2n}{n}\pi\right) - \sin 0 \\ &= \sin(2\pi) - 0 = 0 \end{aligned}$$

$n\geqq 2$ のとき $\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)\neq 0$ なので、なんと $S_n = 0$ になります!
また、①の右辺第2項にある $\cos\left(\dfrac{2n+1}{n}\pi\right)$ は、周期 $2\pi$ の性質より、 $$\cos\left(2\pi + \frac{\pi}{n}\right) = \cos\left(\frac{\pi}{n}\right)$$ となります。これらを①に代入すると、

$$a_n \sin\left(\frac{\pi}{n}\right) = 0 - n\cos\left(\frac{\pi}{n}\right)$$ $$\therefore\quad a_n = -\frac{n\cos\left(\dfrac{\pi}{n}\right)}{\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)} \quad (n \geqq 2)$$

【ステップ3:$p$ の値で場合分けして極限を求める】
以上より、$\dfrac{a_n}{n^p}$ は次のように表されます。三角関数の極限公式 $\displaystyle\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin\theta}{\theta}=1$ を使うために、分母・分子に $\dfrac{\pi}{n}$ を補って整理しましょう。

$$\begin{aligned} \frac{a_n}{n^p} &= -\frac{n}{n^p} \cdot \frac{\cos\left(\dfrac{\pi}{n}\right)}{\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)} \\ &= -\frac{1}{n^{p-1}} \cdot \frac{n}{\pi} \cdot \frac{\dfrac{\pi}{n}}{\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)} \cdot \cos\left(\frac{\pi}{n}\right) \\ &= -\frac{1}{\pi n^{p-2}} \cdot \frac{\dfrac{\pi}{n}}{\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)} \cdot \cos\left(\frac{\pi}{n}\right) \end{aligned}$$

ここで $n\to\infty$ のとき $\dfrac{\pi}{n}\to 0$ であるから、 $$\lim_{n\to\infty}\frac{\dfrac{\pi}{n}}{\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)} = 1, \qquad \lim_{n\to\infty}\cos\left(\frac{\pi}{n}\right) = \cos 0 = 1$$ となります。残る $\dfrac{1}{n^{p-2}}$ の部分は、$p=2$ か $p\geqq 3$ かで極限が異なります!

  • (i) $p = 2$ のとき:
    $n^{p-2} = n^0 = 1$ であるから、 $$\lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n^2} = -\frac{1}{\pi \cdot 1}\cdot 1 \cdot 1 = \mathbf{-\frac{1}{\pi}}$$ (※おっと、ここで係数の確認です!問題の定義式は $a_n = \displaystyle\sum_{k=1}^{n} \mathbf{2}k\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)$ ですね!ステップ1で $2\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)\sin\left(\frac{\pi}{n}\right)$ と変形したとき、もともと $2k$ の「$2$」があったので、さらに両辺に $2$ を掛ける必要はありませんでした。もう一度係数を厳密にチェックしましょう!)

⚠️ 係数「2」の厳密チェック(受験生が最もミスしやすいポイント!)

積和の公式は $2\sin A\sin B = \cos(A-B)-\cos(A+B)$ です。
問題の式は $a_n = \displaystyle\sum_{k=1}^{n} 2k\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)$ なので、両辺に $2\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)$ を掛けると、 $$2a_n\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) = \sum_{k=1}^{n} 2k \cdot 2\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) = 2\sum_{k=1}^{n} k\left\{\cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)-\cos\left(\frac{2k+1}{n}\pi\right)\right\}$$ となります。よって、 $$a_n\sin\left(\frac{\pi}{n}\right) = -n\cos\left(\frac{\pi}{n}\right)$$ は左辺に $2$ が残らない($a_n$ の定義の $2$ が積和の公式の $2$ として使われた)のか、それとも倍になるのかを正確に確認しましょう!
左辺は $a_n \times \sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right) = \displaystyle\sum_{k=1}^{n} k \cdot \underbrace{2\sin\left(\frac{2k}{n}\pi\right)\sin\left(\frac{\pi}{n}\right)}_{\cos\left(\frac{2k-1}{n}\pi\right)-\cos\left(\frac{2k+1}{n}\pi\right)}$ なので、両辺に $\sin\left(\dfrac{\pi}{n}\right)$ を1つ掛けただけで右辺がちょうど $\cos-\cos$ になります。
一方で、区分求積法で $p=2$ のときを計算してみると、 $$\lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n^2} = \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} 2\left(\frac{k}{n}\right)\sin\left(2\pi\frac{k}{n}\right) = \int_{0}^{1} 2x\sin(2\pi x)\,dx = \left[-\frac{x}{\pi}\cos(2\pi x) + \frac{\sin(2\pi x)}{2\pi^2}\right]_{0}^{1} = -\frac{1}{\pi}$$ となり、見事に $-\dfrac{1}{\pi}$ で完全一致します!(部分積分で $2x$ と $\sin(2\pi x)$ を積分すると、$2\pi$ が分母に出て $\dfrac{2}{2\pi}=\dfrac{1}{\pi}$ になるためです。検算完了!)

区分求積法による検算でも $-\dfrac{1}{\pi}$ と完全に一致することが確認できました。よって、(i) $p=2$ と (ii) $p\geqq 3$ の結論は次のようになります。

【大問 [1] 最終解答】

(1) $\dfrac{1}{\pi}$

(2) $p = 2$ のとき $-\dfrac{1}{\pi}$, $p \geqq 3$ のとき $0$

(※冒頭スピードチェックの表記も $-\dfrac{1}{\pi}$ が正答となります。ここで部分積分の検算をしておくことで本番のケアレスミスを100%防げます!)

大問 [2] :空間ベクトル・垂線の足と折れ線の長さの最小値

目標時間:25分
ニックニ先生
💡 🎯 ニックニ先生の初手0.5秒スキャン

大問[2]は空間ベクトルの良問です!(1)の「直線への垂線の足」と(2)の「4点が同一平面上にないことの証明」は教科書の例題レベルなので絶対に落とせません。
最大の山場は(3)の「空間内の直線 $l$ 上の動点 $P$ に対する折れ線 $AP+BP$ の最小値」です!平面図形なら片方の点を直線に関して対称移動させれば一発ですが、今回は(2)で示した通り $A, B, C, D$ が同一平面上にありません。でも大丈夫!直線 $l$ を軸として $\triangle BPD$ をパタンと回転させて $\triangle APC$ と同じ平面に広げる(展開図を描く)と、実は2つの直角三角形 $\triangle APC$ と $\triangle BPD$ を合わせた平面図形になり、三平方の定理だけで解けてしまいます!図解でイメージを掴みましょう!

【問題 [2]】

$xyz$ 空間において,原点を通り,ベクトル $\vec{m}=(6, -2, -5)$ に平行な直線 $l$ があり,また,点 $A(-10, 0, 14),\ B(8, -1, -3)$ がある。次の問いに答えよ。

(1) 点 $A$ から直線 $l$ に垂線をおろし $l$ との交点を $C$,同様に点 $B$ から直線 $l$ に垂線をおろし $l$ との交点を $D$ とする。$C$ と $D$ の座標を求めよ。また,ベクトルの大きさ $|\overrightarrow{AC}|$ と $|\overrightarrow{BD}|$ を求めよ。

(2) $4$ 点 $A, B, C, D$ は同一平面上にないことを示せ。

(3) $l$ 上に動点 $P$ があるとき,線分の長さの和 $AP+BP$ の最小値と,そのときの点 $P$ の座標を求めよ。

設問 (1) 直線 $l$ への垂線の足 $C, D$ と線分の長さ

直線 $l$ は原点 $O(0, 0, 0)$ を通り、方向ベクトルが $\vec{m}=(6, -2, -5)$ であるから、直線 $l$ 上の任意の点 $X$ の位置ベクトルは実数 $t$ を用いて $$\overrightarrow{OX} = t\vec{m} = (-6t,\ 2t,\ 5t)$$ と表せます。また、$\vec{m}$ の大きさの2乗を計算しておくと、 $$|\vec{m}|^2 = (-6)^2 + 2^2 + 5^2 = 36 + 4 + 25 = 65$$ です。

① 点 $C$ の座標と $|\overrightarrow{AC}|$ の計算:
点 $C$ は直線 $l$ 上にあるので、実数 $s$ を用いて $\overrightarrow{OC} = s\vec{m} = (-6s, 2s, 5s)$ とおけます。
よって、 $$\overrightarrow{AC} = \overrightarrow{OC} - \overrightarrow{OA} = (-6s + 10,\ 2s,\ 5s - 14)$$ 直線 $AC$ と直線 $l$ は垂直($\overrightarrow{AC} \perp \vec{m}$)であるから、内積 $\overrightarrow{AC}\cdot\vec{m} = 0$ より、

$$\begin{aligned} \overrightarrow{AC}\cdot\vec{m} &= -6(-6s+10) + 2(2s) + 5(5s-14) \\ &= 36s - 60 + 4s + 25s - 70 \\ &= 65s - 130 = 0 \end{aligned}$$ $$\therefore\quad s = 2$$

これを代入すると、点 $C$ の座標および $\overrightarrow{AC},\ |\overrightarrow{AC}|$ は、

$$C(-12,\ 4,\ 10)$$ $$\overrightarrow{AC} = (-2,\ 4,\ -4)$$ $$|\overrightarrow{AC}| = \sqrt{(-2)^2 + 4^2 + (-4)^2} = \sqrt{4 + 16 + 16} = \sqrt{36} = \mathbf{6}$$

② 点 $D$ の座標と $|\overrightarrow{BD}|$ の計算:
同様に、点 $D$ は直線 $l$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて $\overrightarrow{OD} = t\vec{m} = (-6t, 2t, 5t)$ とおけます。
点 $B(8, -1, -3)$ より、 $$\overrightarrow{BD} = \overrightarrow{OD} - \overrightarrow{OB} = (-6t - 8,\ 2t + 1,\ 5t + 3)$$ $\overrightarrow{BD} \perp \vec{m}$ より、内積 $\overrightarrow{BD}\cdot\vec{m} = 0$ を解くと、

$$\begin{aligned} \overrightarrow{BD}\cdot\vec{m} &= -6(-6t-8) + 2(2t+1) + 5(5t+3) \\ &= 36t + 48 + 4t + 2 + 25t + 15 \\ &= 65t + 65 = 0 \end{aligned}$$ $$\therefore\quad t = -1$$

これを代入すると、点 $D$ の座標および $\overrightarrow{BD},\ |\overrightarrow{BD}|$ は、

$$D(6,\ -2,\ -5)$$ $$\overrightarrow{BD} = (6-8,\ -2-(-1),\ -5-(-3)) = (-2,\ -1,\ -2)$$ $$|\overrightarrow{BD}| = \sqrt{(-2)^2 + (-1)^2 + (-2)^2} = \sqrt{4 + 1 + 4} = \sqrt{9} = \mathbf{3}$$

💡 計算結果の美しさに注目!

$t=-1$ を $\overrightarrow{OD}=(-6t, 2t, 5t)$ に代入すると、符号が反転して $D(6, -2, -5)$ となり、さらに $|\overrightarrow{BD}| = \sqrt{(-2)^2+(-1)^2+(-2)^2} = \mathbf{3}$ という非常に綺麗な整数になります!(もし $t=1$ と符号ミスをすると $D(6, -2, -5),\ |\overrightarrow{BD}|=3$ のようにルートが残ってしまうので、「綺麗な整数になった=計算が合っている!」と確信できますね!)

設問 (2) $4$ 点 $A, B, C, D$ が同一平面上にないことの証明

4点 $A, B, C, D$ が同一平面上にあるための必要十分条件は、例えば点 $C$ を始点としたとき、3つのベクトル $$\overrightarrow{CA},\quad \overrightarrow{CB},\quad \overrightarrow{CD}$$ について、$\overrightarrow{CB} = p\overrightarrow{CA} + q\overrightarrow{CD}$ を満たす実数 $p, q$ が存在することです(あるいは、直線 $l$ に垂直な2つのベクトル $\overrightarrow{CA}$ と $\overrightarrow{DB}$ が平行であること、と言い換えることもできます)。
一番計算が簡単な「背理法(同一平面上にあると仮定して矛盾を導く)」で証明しましょう。

【証明】

(1)より、各ベクトルの成分を求めると、 $$\overrightarrow{CA} = -\overrightarrow{AC} = (2,\ -4,\ 4)$$ $$\overrightarrow{CD} = \overrightarrow{OD} - \overrightarrow{OC} = (6 - (-12),\ -2 - 4,\ -5 - 10) = (18,\ -6,\ -15)$$ $$\overrightarrow{CB} = \overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OC} = (8 - (-12),\ -1 - 4,\ -3 - 10) = (20,\ -5,\ -13)$$ である(明らかに $\overrightarrow{CA}\neq\vec{0},\ \overrightarrow{CD}\neq\vec{0}$ であり、$\overrightarrow{CA}$ と $\overrightarrow{CD}$ は直交するため平行ではない)。

ここで、4点 $A, B, C, D$ が同一平面上にあると仮定すると、 $$\overrightarrow{CB} = p\overrightarrow{CA} + q\overrightarrow{CD}$$ を満たす実数 $p, q$ が存在する。成分で表すと、 $$(20,\ -5,\ -13) = p(2,\ -4,\ 4) + q(18,\ -6,\ -15)$$ すなわち、 $$\begin{cases} 2p + 18q = 20 & \cdots \text{①} \\ -4p - 6q = -5 & \cdots \text{②} \\ 4p - 15q = -13 & \cdots \text{③} \end{cases}$$ ②+③ より、$-21q = -18$ すなわち $q = \dfrac{6}{7}$ となる。
これを②に代入すると、$-4p = -5 + \dfrac{36}{7} = \dfrac{1}{7}$ より $p = -\dfrac{1}{28}$ となる。
この $p = -\dfrac{1}{28},\ q = \dfrac{6}{7}$ を①の左辺に代入すると、 $$2p + 18q = 2\left(-\frac{1}{28}\right) + 18\cdot\frac{6}{7} = -\frac{1}{14} + \frac{216}{14} = \frac{215}{14} \neq 20$$ となり、①を満たさず矛盾する。
したがって、4点 $A, B, C, D$ は同一平面上にない。 (証明終)

★ 別解(幾何学的なスマート証明):
$\overrightarrow{AC}\perp l,\ \overrightarrow{BD}\perp l$ であり、直線 $l$ は点 $C, D$ を通る直線 $CD$ そのものである。
もし4点 $A, B, C, D$ が同一平面 $\alpha$ 上にあるならば、平面 $\alpha$ 内の直線 $CD$ に対して直線 $AC$ と直線 $BD$ がともに垂直となるため、同一平面内で同一の直線に垂直な2直線として $\overrightarrow{AC} \parallel \overrightarrow{BD}$ でなければならない。
しかし $\overrightarrow{AC}=(-2, 4, -4),\ \overrightarrow{BD}=(-2, -1, -2)$ より $\overrightarrow{AC}$ と $\overrightarrow{BD}$ は平行ではないため、4点 $A, B, C, D$ は同一平面上にない。(これでも満点です!)

設問 (3) 線分の長さの和 $AP+BP$ の最小値と点 $P$ の座標

直線 $l$ 上の動点 $P$ に対して、$\triangle ACP$ は $\angle ACP = 90^\circ$ の直角三角形、$\triangle BDP$ は $\angle BDP = 90^\circ$ の直角三角形です。
よって、線分 $CP, DP$ の長さと、(1)で求めた $AC = 6,\ BD = 3$ だけで $AP$ と $BP$ の長さが決まります!
つまり、直線 $l$ を回転軸として点 $B$ を回転させ、点 $A$ を含む平面上に(直線 $l$ に関して点 $A$ と反対側に)点 $B'$ をとった平面図形を考えればよいのです。

【図解】直線 $l$ を軸として平面に広げた展開図($AC \perp l,\ B'D \perp l$)

直線 l A C P (CP:PD = 2:1) D B' (回転後のB) AC = 6 BD = 3 CD = 3√65

【ステップ1:最小値の計算】
まず、線分 $CD$ の長さを求めます。(1)で $C$ は $s=2$、$D$ は $t=-1$ に対応していたので、 $$\overrightarrow{CD} = (-1 - 2)\vec{m} = -3\vec{m}$$ よって、 $$CD = |-3\vec{m}| = 3|\vec{m}| = 3\sqrt{65}$$ です。
また、直線 $l$ 上の動点 $P$ に対して、$\angle ACP = 90^\circ,\ \angle BDP = 90^\circ$ であるから、三平方の定理より $$AP + BP = \sqrt{AC^2 + CP^2} + \sqrt{BD^2 + DP^2} = \sqrt{6^2 + CP^2} + \sqrt{3^2 + DP^2}$$ となります。
これは上の展開図の通り、平面上で $CD = 3\sqrt{65}$ の両端から互いに反対側に垂線 $AC = 6,\ B'D = 3$ を立てたときの折れ線 $AP + PB'$ の長さに等しいから、3点 $A, P, B'$ が一直線上に並ぶとき(すなわち点 $P$ が線分 $CD$ を $AC : BD = 6 : 3 = 2 : 1$ に内分するとき)に最小となります!
その最小値は、横が $CD = 3\sqrt{65}$、縦が $AC + BD = 6 + 3 = 9$ の直角三角形の斜辺の長さ $AB'$ であるから、

$$\begin{aligned} (AP + BP)_{\min} &= \sqrt{CD^2 + (AC + BD)^2} \\ &= \sqrt{\left(3\sqrt{65}\right)^2 + (6 + 3)^2} \\ &= \sqrt{9 \times 65 + 9 \times 9} \\ &= \sqrt{9 \times (65 + 9)} \\ &= 3\sqrt{74} \end{aligned}$$

【ステップ2:最小となるときの点 $P$ の座標】
最小となるとき、$\triangle ACP \sim \triangle B'DP$ より、点 $P$ は線分 $CD$ を $$CP : PD = AC : BD = 6 : 3 = 2 : 1$$ に内分する点です!
$C(-12, 4, 10),\ D(6, -2, -5)$ であるから、内分点の公式より点 $P$ の位置ベクトル $\overrightarrow{OP}$ は、

$$\begin{aligned} \overrightarrow{OP} &= \frac{1\cdot\overrightarrow{OC} + 2\cdot\overrightarrow{OD}}{2 + 1} \\ &= \frac{1}{3}\Big((-12,\ 4,\ 10) + 2(6,\ -2,\ -5)\Big) \\ &= \frac{1}{3}\Big((-12+12,\ 4-4,\ 10-10)\Big) \\ &= (0,\ 0,\ 0) \end{aligned}$$

なんと、最小を与える点 $P$ はちょうど原点 $(0, 0, 0)$ になります!($C$ が $s=2$、$D$ が $t=-1$ なので、$2:1$ に内分するとパラメータが $\dfrac{1\cdot 2 + 2\cdot(-1)}{3} = 0$ となり、原点にピタッと一致するように問題が作られています。出題者の素晴らしい数値設定ですね!)

【大問 [2] 最終解答】

(1) $C(-12, 4, 10),\ D(6, -2, -5)$, $|\overrightarrow{AC}| = 6,\ |\overrightarrow{BD}| = 3$

(2) (上記証明の通り)

(3) 最小値:$3\sqrt{74}$, そのときの点 $P$ の座標:$(0, 0, 0)$

大問 [3] :斜軸回転体の体積(放物線と直線の囲む領域)

目標時間:20分
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大問[3]は医学部入試の超頻出テーマ「斜軸回転体の体積」です!いわゆる「傘型分割(バームクーヘン・斜軸公式)」を暗記している人も多いと思いますが、この問題では(1)で丁寧にも $r = PH$ と $h = OH$ を $t$ で表す誘導がついています。
ここで絶対に注意してほしいのが、$t$ が動くとき点 $H$ が直線 $L$ 上を単調に進むか(折り返しがないか)の確認と、(1)の質問が「図形 $S$ の境界に含まれる $C$ 上の各点 $P$」となっているため、$r$ と $h$ の絶対値がどう外れるかです!図を正確に描いて、1ステップずつ確実に完答しましょう!

【問題 [3]】

原点を $O$ とする $xy$ 平面において,曲線 $C : y = x^2 - x + 2$ と 直線 $L : y = 2x$ で囲まれた図形を $S$ とする。図形 $S$ の境界に含まれる $C$ 上の各点を $P$ として,各点 $P$ から $L$ に垂線をおろし,垂線と $L$ との交点を $H$ とする。線分 $PH$,線分 $OH$ の長さをそれぞれ $r, h$ とする。次の問いに答えよ。

(1) 点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とするとき,$r$ および $h$ をそれぞれ $t$ を用いて表せ。

(2) 図形 $S$ を直線 $L$ の周りに $1$ 回転させてできる立体の体積 $V$ を求めよ。

設問 (1) $r = PH$ と $h = OH$ を $t$ の式で表す

まずは曲線 $C : y = x^2 - x + 2$ と直線 $L : y = 2x$ の交点の $x$ 座標を求めましょう。

$$x^2 - x + 2 = 2x \iff x^2 - 3x + 2 = 0 \iff (x - 1)(x - 2) = 0$$ $$\therefore\quad x = 1,\ 2$$

よって、曲線 $C$ と直線 $L$ は2点 $A(1, 2),\ B(2, 4)$ で交わります。
図形 $S$ の境界に含まれる $C$ 上の点 $P(t,\ t^2-t+2)$ について、$t$ のとり得る値の範囲は $$1 \leqq t \leqq 2$$ であり、この範囲において常に $2t \geqq t^2 - t + 2$(直線 $L$ が曲線 $C$ の上側)となります。

【図解】図形 $S$ と垂線 $PH = r$、線分 $OH = h$ の位置関係

O x y L : y = 2x C : y = x² - x + 2 A(1, 2) B(2, 4) P(t, t²-t+2) H r h = OH

① $r = PH$ を $t$ で表す:
直線 $L : 2x - y = 0$ と点 $P(t,\ t^2-t+2)$ との距離が $r = PH$ です。
点と直線の距離の公式より、

$$r = \frac{|2t - (t^2 - t + 2)|}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}} = \frac{|-t^2 + 3t - 2|}{\sqrt{5}}$$

ここで $1 \leqq t \leqq 2$ のとき、$-t^2 + 3t - 2 = -(t-1)(t-2) \geqq 0$ であるから、絶対値記号はそのまま外れて、

$$r = \mathbf{\frac{-t^2 + 3t - 2}{\sqrt{5}}}$$

② $h = OH$ を $t$ で表す:
直線 $L : y = 2x$ の方向ベクトル(第1象限向きの単位ベクトル)を $\vec{e}$ とすると、 $$\vec{e} = \frac{1}{\sqrt{1^2 + 2^2}}(1,\ 2) = \left(\frac{1}{\sqrt{5}},\ \frac{2}{\sqrt{5}}\right)$$ です。$\angle OHP = 90^\circ$ であるから、線分 $OH$ の長さ $h$ はベクトル $\overrightarrow{OP} = (t,\ t^2-t+2)$ の $\vec{e}$ 方向への正射影の長さ $|\overrightarrow{OP}\cdot\vec{e}|$(または三平方の定理 $OH = \sqrt{OP^2 - PH^2}$)で一瞬で求まります!

$$\begin{aligned} \overrightarrow{OP}\cdot\vec{e} &= t\cdot\frac{1}{\sqrt{5}} + (t^2 - t + 2)\cdot\frac{2}{\sqrt{5}} \\ &= \frac{t + 2t^2 - 2t + 4}{\sqrt{5}} \\ &= \frac{2t^2 - t + 4}{\sqrt{5}} \end{aligned}$$

ここで $2t^2 - t + 4 = 2\left(t - \dfrac{1}{4}\right)^2 + \dfrac{31}{8} > 0$ と常に正であるから、$h = \overrightarrow{OP}\cdot\vec{e}$ となり、

$$h = \mathbf{\frac{2t^2 - t + 4}{\sqrt{5}}}$$

設問 (2) 直線 $L$ の周りの回転体の体積 $V$

【ステップ1:$t$ と $h$ の1対1対応(単調増加性)の確認】
(1)で求めた $h = \dfrac{2t^2 - t + 4}{\sqrt{5}}$ を $t$ で微分すると、 $$\frac{dh}{dt} = \frac{4t - 1}{\sqrt{5}}$$ となります。$1 \leqq t \leqq 2$ において $\dfrac{dh}{dt} > 0$ であるから、$t$ が $1$ から $2$ まで増加するとき、$h$ は $h(1) = \sqrt{5}$ から $h(2) = 2\sqrt{5}$ まで単調に増加します。
(かつ、弦 $AB$ の傾きは $2$ で直線 $L$ に垂直な方向傾き $-\dfrac{1}{2}$ と交わるため、直線 $L$ に垂直な直線 $OH=h$($\sqrt{5}\leqq h\leqq 2\sqrt{5}$)は曲線 $C$ の $1\leqq t\leqq 2$ の部分とただ1点で交わります。)

【ステップ2:断面積 $\pi r^2$ の積分と 1/30 公式の活用】
したがって、求める回転体の体積 $V$ は、直線 $L$ に垂直な平面による断面積 $\pi r^2$ を $h$ で積分することで次のように求まります。

$$\begin{aligned} V &= \int_{\sqrt{5}}^{2\sqrt{5}} \pi r^2 \,dh \\ &= \pi \int_{1}^{2} r^2 \frac{dh}{dt}\,dt \\ &= \pi \int_{1}^{2} \left(\frac{-t^2 + 3t - 2}{\sqrt{5}}\right)^2 \cdot \frac{4t - 1}{\sqrt{5}}\,dt \\ &= \frac{\pi}{5\sqrt{5}} \int_{1}^{2} (t - 1)^2(t - 2)^2(4t - 1)\,dt \end{aligned}$$

🔥 ニックニ(新国)先生の爆速・無ミス積分テクニック

ここで $(t-1)^2(t-2)^2(4t-1)$ をバラバラに展開して積分するのは絶対NGです!計算ミスが多発します。
平行移動の置換 $u = t - 1$(または中点置換 $u = t - \dfrac{3}{2}$)を使いましょう!
特に中点 $t = \dfrac{3}{2}$ の周りの対称性に注目して $4t - 1 = 4\left(t - \dfrac{3}{2}\right) + 5$ と分けると、奇関数の積分が $0$ になって有名な $\dfrac{1}{30}$ 公式だけで暗算レベルで解けます!両方のやり方を見せますね!

【解法A:対称性と $\dfrac{1}{30}$ 公式を使う超スマート計算】
$4t - 1 = 4\left(t - \dfrac{3}{2}\right) + 5 = 2\Big((t-1)+(t-2)\Big) + 5$ と変形します。
ここで、関数 $g(t) = (t-1)^2(t-2)^2\left(t - \dfrac{3}{2}\right)$ のグラフは直線 $t = \dfrac{3}{2}$ に関して点対称であるから、 $$\int_{1}^{2} (t-1)^2(t-2)^2\left(t - \frac{3}{2}\right)dt = 0$$ となります!(実際に $u = t - 1$ とおいても $\displaystyle\int_{0}^{1} u^2(u-1)^2\left(u-\frac{1}{2}\right)du = 0$ です。)
また、定積分のベータ関数公式(1/30公式)より、 $$\int_{\alpha}^{\beta} (t-\alpha)^2(t-\beta)^2\,dt = \frac{(\beta - \alpha)^5}{30}$$ であるから、$\alpha=1,\ \beta=2$ を代入すると、

$$\begin{aligned} \int_{1}^{2} (t - 1)^2(t - 2)^2(4t - 1)\,dt &= 4\underbrace{\int_{1}^{2} (t-1)^2(t-2)^2\left(t - \frac{3}{2}\right)dt}_{=\,0} + 5\int_{1}^{2} (t-1)^2(t-2)^2\,dt \\ &= 0 + 5 \times \frac{(2 - 1)^5}{30} \\ &= \frac{5}{30} = \frac{1}{6} \end{aligned}$$

【解法B:$u = t - 1$ と置換して愚直に計算(記述答案用の丁寧な計算)】
$u = t - 1$ とおくと、$du = dt$ であり、$t: 1 \to 2$ のとき $u: 0 \to 1$ です。
また、$t - 2 = u - 1$、$4t - 1 = 4(u+1) - 1 = 4u + 3$ となるから、

$$\begin{aligned} \int_{1}^{2} (t - 1)^2(t - 2)^2(4t - 1)\,dt &= \int_{0}^{1} u^2(u - 1)^2(4u + 3)\,du \\ &= \int_{0}^{1} (u^4 - 2u^3 + u^2)(4u + 3)\,du \\ &= \int_{0}^{1} (4u^5 - 5u^4 - 2u^3 + 3u^2)\,du \\ &= \left[ \frac{2}{3}u^6 - u^5 - \frac{1}{2}u^4 + u^3 \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{2}{3} - 1 - \frac{1}{2} + 1 = \frac{1}{6} \end{aligned}$$

どちらで計算しても $\dfrac{1}{6}$ になりますね!したがって、求める体積 $V$ は、

$$V = \frac{\pi}{5\sqrt{5}} \times \frac{1}{6} = \frac{\pi}{30\sqrt{5}} = \mathbf{\frac{\sqrt{5}}{150}\pi}$$

【大問 [3] 最終解答】

(1) $r = \dfrac{-t^2 + 3t - 2}{\sqrt{5}}$, $h = \dfrac{2t^2 - t + 4}{\sqrt{5}}$

(2) $V = \dfrac{\sqrt{5}}{150}\pi$

大問 [4] :二項係数とランダムウォーク(カタラン数・鏡像の原理)

目標時間:25分
ニックニ先生
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最後の大問[4]は、(1)の二項係数の等式が「カタラン数 $C_n = {}_{2n}\mathrm{C}_n - {}_{2n}\mathrm{C}_{n-1} = \dfrac{1}{n+1}{}_{2n}\mathrm{C}_n$」そのものになっています!
そして(2)(ii)の「$S_{12}=0$ であったとき、途中の $S_1, S_2, \cdots, S_{11}$ がすべて負である確率」は、1回目が必ず $-1$(裏)、12回目が必ず $+1$(表)になって、間の2回目〜11回目の10回の試行で、得点 $S_k$ が $-1$ のラインを越えない(常に $S_k \leqq -1$ を保つ)経路の数を求める問題です!
(1)の誘導を使って「鏡像の原理(反射原理)」で一瞬で解くこともできますし、5×5の格子経路(グリッド)を描いて書き込み法で数え上げることもできます。両方とも完全図解しますね!

【問題 [4]】

(1) $n$ を正の整数とする。二項係数に関する等式

$${}_{2n}\mathrm{C}_{n} - {}_{2n}\mathrm{C}_{n-1} = \frac{{}_{2n}\mathrm{C}_{n}}{n + 1}$$

が成り立つことを示せ。

(2) コインを $1$ 枚投げる。投げたときの表裏の出る確率はそれぞれ $\dfrac{1}{2}$ である。表が出れば得点は $1$ 点とし,裏が出れば得点は $-1$ 点とする。この試行を $12$ 回繰り返す。$1$ 回目から $k$ 回目までの合計得点を $S_k$ 点とする。ただし $S_1$ 点は $1$ 回目の得点である。次の問いに答えよ。

(i) $S_{12} = 0$ となる確率を求めよ。

(ii) $S_{12} = 0$ であったとき,$S_1, S_2, \cdots, S_{11}$ がすべて負である確率を求めよ。

設問 (1) 二項係数の等式(カタラン数の公式)の証明

階乗($!$)の定義式 ${}_{m}\mathrm{C}_{r} = \dfrac{m!}{r!(m-r)!}$ を用いて左辺を変形し、右辺を導きましょう。
このとき、${}_{2n}\mathrm{C}_{n-1}$ を ${}_{2n}\mathrm{C}_{n}$ で表す変形を使うと、3行でとてもエレガントに証明できます。

【証明】

$$\begin{aligned} {}_{2n}\mathrm{C}_{n-1} &= \frac{(2n)!}{(n-1)!(2n-(n-1))!} \\ &= \frac{(2n)!}{(n-1)!(n+1)!} \\ &= \frac{n}{n+1} \cdot \frac{(2n)!}{n!n!} \\ &= \frac{n}{n+1}\,{}_{2n}\mathrm{C}_{n} \end{aligned}$$

であるから、左辺は

$$\begin{aligned} {}_{2n}\mathrm{C}_{n} - {}_{2n}\mathrm{C}_{n-1} &= {}_{2n}\mathrm{C}_{n} - \frac{n}{n+1}\,{}_{2n}\mathrm{C}_{n} \\ &= \left(1 - \frac{n}{n+1}\right){}_{2n}\mathrm{C}_{n} \\ &= \frac{{}_{2n}\mathrm{C}_{n}}{n + 1} \end{aligned}$$

となり、題意の等式が成り立つ。 (証明終)

設問 (2)(i) $S_{12} = 0$ となる確率

12回の試行のうち、表($+1$ 点)が $x$ 回、裏($-1$ 点)が $12-x$ 回出たとすると、12回目までの合計得点 $S_{12}$ は $$S_{12} = 1\cdot x + (-1)\cdot(12 - x) = 2x - 12$$ となります。よって、$S_{12} = 0$ となるのは $$2x - 12 = 0 \iff x = 6$$ すなわち「12回中、表が6回、裏が6回出るとき」に限られます。
したがって、反復試行の確率の公式より、求める確率 $P(S_{12}=0)$ は、

$$\begin{aligned} P(S_{12} = 0) &= {}_{12}\mathrm{C}_{6}\left(\frac{1}{2}\right)^6\left(\frac{1}{2}\right)^6 \\ &= \frac{12 \cdot 11 \cdot 10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 7}{6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} \cdot \frac{1}{2^{12}} \\ &= \frac{924}{4096} = \mathbf{\frac{231}{1024}} \end{aligned}$$

設問 (2)(ii) $S_{12}=0$ のもとで $S_1, S_2, \cdots, S_{11}$ がすべて負である条件付き確率

求めたいのは「$S_{12}=0$ であったとき」という条件付き確率です。
12回の試行の表・裏の出方は全部で $2^{12}$ 通りあり、それらはすべて同様に確からしいので、

  • 事象 $A$:$S_{12} = 0$ となる(${}_{12}\mathrm{C}_{6} = 924$ 通り)
  • 事象 $B$:$S_1, S_2, \cdots, S_{11}$ がすべて負であり、かつ $S_{12}=0$ となる

とおくと、求める条件付き確率 $P_A(B)$ は $$P_A(B) = \frac{P(A\cap B)}{P(A)} = \frac{n(A\cap B)}{n(A)} = \frac{\text{(事象 }B\text{ の起こる場合の数)}}{{}_{12}\mathrm{C}_{6}}$$ となります!では、事象 $B$ が起こる場合の数を2通りの方法(①格子経路の書き込み法、②(1)を利用した鏡像の原理)で求めましょう。

【ステップ1:1回目と12回目の確定】
$S_k$ は1回ごとに $+1$ または $-1$ ずつ変化する整数です。したがって、「$S_1, S_2, \cdots, S_{11}$ がすべて負($\leqq -1$)であり、かつ $S_{12} = 0$」となるためには、

  • 1回目: $S_1 < 0$ より、必ず裏($-1$)が出なければならず、$S_1 = -1$ で確定します。
  • 12回目: $S_{11} \leqq -1$ から1回で $S_{12} = 0$ になるためには、$S_{11} = -1$ であり、かつ12回目に表($+1$)が出なければなりません。
  • 2回目〜11回目(間の10回): $S_1 = -1$ からスタートして $S_{11} = -1$ に到達するまでの10回の試行において、表($+1$)が $5$ 回、裏($-1$)が $5$ 回出て、かつ途中のすべての $k\ (1\leqq k\leqq 11)$ で常に $S_k \leqq -1$(すなわち、2回目以降に加算された表の回数が、2回目以降に加算された裏の回数を一度も上回らない)ことが必要十分条件です!

【図解】2回目〜11回目(裏5回・表5回)で $S_k \leqq -1$ を保つ経路数(カタラン数 $C_5 = 42$ 通り)

S_k = -1 の境界線 (表≦裏) S_k = 0 (NGライン) 1 1 1 1 1 1 1 2 3 4 5 2 5 9 14 5 14 28 14 42 42 通り (S₁₁ = -1) → 裏(-1点)の回数(5回) ↑ 表(+1点) (5回)

【ステップ2:(1)の誘導(鏡像の原理・カタラン数)を用いた計算】
2回目から11回目までの10回の試行において、表5回、裏5回が出るすべての出方は ${}_{10}\mathrm{C}_{5}$ 通りあります。
このうち、途中で1度でも $S_k = 0$ に達してしまう(上の図の赤い点線「表の回数 $-$ 裏の回数 $= 1$」に触れる)不適な経路を考えます。
初めて $S_k = 0$ となった時点以降の「表」と「裏」をすべて入れ替えると(鏡像の原理)、10回の試行全体では「表が $5+1=6$ 回、裏が $5-1=4$ 回」出る経路と1対1に対応します!
よって、途中で $S_k = 0$ に達してしまう不適な経路の総数は ${}_{10}\mathrm{C}_{4}$ 通りです。
したがって、(1)で示した等式($n = 5$ を代入)より、条件を満たす出方の総数は、

$$\begin{aligned} {}_{10}\mathrm{C}_{5} - {}_{10}\mathrm{C}_{4} &= \frac{{}_{10}\mathrm{C}_{5}}{5 + 1} \\ &= \frac{1}{6}\,{}_{10}\mathrm{C}_{5} \\ &= \frac{1}{6} \times 252 = 42 \text{(通り)} \end{aligned}$$

上の図の書き込み法で数えた「$42$ 通り」と100%ピタッと一致しましたね!
【ステップ3:条件付き確率の計算】
以上より、求める条件付き確率は、分母が ${}_{12}\mathrm{C}_{6}$、分子が $\dfrac{1}{6}\,{}_{10}\mathrm{C}_{5}$ であるから、

$$\begin{aligned} \text{求める確率} &= \frac{\dfrac{1}{6}\,{}_{10}\mathrm{C}_{5}}{{}_{12}\mathrm{C}_{6}} \\ &= \frac{42}{924} = \mathbf{\frac{1}{22}} \end{aligned}$$

【大問 [4] 最終解答】

(1) (上記証明の通り)

(2)(i) $\dfrac{231}{1024}$

(2)(ii) $\dfrac{1}{22}$

ニックニ先生
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