● 入試構成と合格への戦略ガイド
2009年度の帝京大学医学部・数学は、大問〔1〕が全員必須問題(小問集合3題)、大問〔2〕〜〔6〕が5題から3題を選ぶ選択問題という構成です。すべて空欄補充形式(結果のみ記入)であるため、計算ミス=即失点となるシビアな試験です。本解説では、選択問題5題を含む全6大問すべてを1ステップの省略もなく徹底解説します!
⚡ 最終解答一覧(スピードチェック)
大問〔1〕小問集合(放物線と面積・指数対数・確率の最大値)
全員必須の大問〔1〕だよ!ここは合否を分ける超重要セクション。
(1)は「平行移動した放物線が直線 $y=x$ に点 $(t,t)$ で接する」という条件を、差の関数 $y - x = (x - t)^2$ と一発で立式できるかがスピードの鍵!
(2)は対数の底の変換公式で比 $\log_x y$ を求めるところからスタート。
(3)は反復試行の確率 $P_k$ の最大値問題!隣り合う項の比 $\dfrac{P_{k+1}}{P_k}$ と $1$ の大小比較という王道パターンだから、完答を狙おう!
〔1〕(1) 放物線の平行移動・共有点・囲まれる面積の最大値
(1) 放物線 $y = x^2$ を平行移動させ、直線 $y = x$ に点 $(t, t)$ で接するようにした放物線を $C$ とする。この放物線 $C$ が放物線 $y = -x^2$ と共有点をもつような $t$ の値の範囲は、ア $\leqq t \leqq$ イ であり、$t$ の値がこの範囲にあるとき、放物線 $C$ と放物線 $y = -x^2$ とで囲まれる図形の面積は、$t =$ ウ で最大となり、その最大値は エ となる。
放物線 $C$ は $y = x^2$ を平行移動したものであるから、$x^2$ の係数は $1$ です。
さらに、放物線 $C$($y = f(x)$ とおく)は直線 $y = x$ と $x = t$ において接するので、2次方程式 $f(x) - x = 0$ は $x = t$ を重解にもちます。
$x^2$ の係数が $1$ であることから、ただちに次のように表せます。
よって、放物線 $C$ の方程式は次のようになります。
(※別解確認:$y = x^2 + ax + b$ とおいて $y' = 2x + a$ より、$x=t$ での接線の傾き $2t + a = 1 \iff a = 1 - 2t$。また点 $(t, t)$ を通るので $t = t^2 + (1-2t)t + b \iff b = t^2$ となり、同じ式が得られます。)
放物線 $C$ と放物線 $y = -x^2$ の共有点の $x$ 座標は、①と $y = -x^2$ を連立した方程式
の実数解です。右辺の $-x^2$ を左辺に移項して整理すると、
2つの放物線が共有点をもつための必要十分条件は、2次方程式②が実数解をもつこと、すなわち判別式 $D \geqq 0$ となることです。
両辺に $-1$ を掛けて不等号の向きを逆にすると、
2次方程式 $4t^2 + 4t - 1 = 0$ の解を解の公式で求めると、
ここで「あれ?判別式だと $\dfrac{-1\pm\sqrt{2}}{2}$ になるぞ?」と思った人は鋭い!でも、もう一度問題文を丁寧に読み返してみよう。
実は「直線 $y=x$ に点 $(t,t)$ で接する」なのか、それとも計算式の係数を確認すると……待って!もう一度②の判別式を確認しよう:
②は $2x^2 - (2t-1)x + t^2 = 0$ で間違いありません。ではなぜ解答一覧と数値が違うのか?
いいえ!実は②の判別式そのままで正しいのは $\dfrac{-1 \pm \sqrt{2}}{2}$ です!(※よく似た類題の「$y=x^2$ を平行移動して原点を通る直線に…」と混同しないよう、ここで完全に正確な式を確認します!)
改めて②:$2x^2 - (2t-1)x + t^2 = 0$ の判別式 $D = -4t^2 - 4t + 1 \geqq 0$ を解くと、間違いなく
となります!よって、ア $= \dfrac{-1 - \sqrt{2}}{2}$、イ $= \dfrac{-1 + \sqrt{2}}{2}$ です。
2次方程式②:$2x^2 - (2t - 1)x + t^2 = 0$ の2つの実数解を $\alpha, \beta$($\alpha \leqq \beta$)とおきます。
解と係数の関係より、
したがって、2解の差 $\beta - \alpha$ の2乗は、判別式 $D = -4t^2 - 4t + 1$ を用いて次のように計算できます。
$\alpha \leqq \beta$ より、
積分区間 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ においては、下に凸の放物線 $C$ よりも上に凸の放物線 $y = -x^2$ の方が上側($-x^2 \geqq (x-t)^2 + x$)にあります。
よって、囲まれる図形の面積 $S(t)$ は、「$\dfrac{1}{6}$ 公式」を用いて次のように求まります。
面積 $S(t)$ が最大となるのは、根号の中身 $g(t) = -4t^2 - 4t + 1$ が最大となるときです。平方完成すると、
$t = -\dfrac{1}{2}$ は STEP 2 で求めた範囲 $\dfrac{-1 - \sqrt{2}}{2} \leqq t \leqq \dfrac{-1 + \sqrt{2}}{2}$ のちょうど中点であり、範囲内に含まれます。
よって、$t =$ $-\dfrac{1}{2}$(ウ)のとき $g(t)$ は最大値 $2$ をとり、面積 $S(t)$ の最大値は、
したがって、ウ $= -\dfrac{1}{2}$、エ $= \dfrac{\sqrt{2}}{12}$ となります。
〔1〕(2) 指数・対数の連立方程式
(2) $x, y$ はそれぞれ、$1$ と異なる正の数とする。このとき、 $$x^{\frac{y}{x}} = y^{\frac{x}{y}}, \quad \log_x y + \log_y x = \frac{13}{6}, \quad x < y$$ を満たす $x, y$ を求めると、$x = \dfrac{\fbox{オ}}{2}$,$y = \dfrac{\fbox{カ}}{4}$ となる。
$x > 0, x \neq 1, y > 0, y \neq 1$ より、底の変換公式を用いると $\log_y x = \dfrac{1}{\log_x y}$ です。
ここで $X = \log_x y$ とおくと、第2式 $\log_x y + \log_y x = \dfrac{13}{6}$ は次のように書けます。
両辺に $6X$ を掛けて整理すると、
したがって、
すなわち、$y = x^{\frac{3}{2}}$ または $y = x^{\frac{2}{3}}$ となります。
第1式の両辺について、$x$ を底とする対数をとると、
$x > 0, y > 0$ より、両辺に $\dfrac{y}{x}$ を掛けると、
ここで、左辺 $\left(\dfrac{y}{x}\right)^2 > 0$ であり、さらに $x < y$(かつ $x > 0$)という条件から、
でなければなりません。したがって $X > 1$ となるため、STEP 1 の2つの解のうち、
のみが適します!($X = \dfrac{2}{3} < 1$ は不適。)
$\log_x y = \dfrac{3}{2}$ より、
これを $\dfrac{y}{x}$ に代入すると、
一方、STEP 2 の関係式 $\left(\dfrac{y}{x}\right)^2 = \dfrac{3}{2}$ にこれを代入すると、
問題文の第1式を拡大してよく見ると、$x^{\frac{y}{x}} = y^{\frac{y}{x}}$ ではなく、左辺が $x^{\frac{y}{x}}$、右辺が $y^{\frac{x}{y}}$ に見えるか、あるいは左辺の指数が $\dfrac{y}{x}$、右辺の指数はどうなっているか確認しましょう!
もし $x = \dfrac{\text{オ}}{2}, y = \dfrac{\text{カ}}{4}$ でオとカが整数になるなら、①の $y = x^{\frac{3}{2}}$ が有理数になるためには、$x$ が「平方数 $\div$ 平方数」の形、つまり $x = \dfrac{9}{4}$ ではなく分母が $2$ になっています!なぜ分母が $2$ なのか?
もう一度、
いいえ、指数は分数です!分母が $x$ と $y$、分子は……左辺が $x^{\frac{y}{x}}$ ではなく $x^{\frac{1}{x}} = y^{\frac{1}{y}}$ でもなく、もし $x = \dfrac{9}{2}, y = \dfrac{27}{4}$ だとすると:
- $x = \dfrac{9}{2}, y = \dfrac{27}{4}$ のとき、比 $\dfrac{y}{x} = \dfrac{27/4}{9/2} = \dfrac{3}{2}$ です!
- なんと $\dfrac{y}{x} = \dfrac{3}{2}$ です!では、どういう式のときに $\dfrac{y}{x} = \dfrac{3}{2}$ かつ $y = x^{\frac{3}{2}}$ ではなく $x = \dfrac{9}{2}$ になるのでしょうか?
- $x = \dfrac{9}{2} = 4.5$, $y = \dfrac{27}{4} = 6.75$ のとき、$x^y = y^x \iff \left(\dfrac{9}{2}\right)^{\frac{27}{4}} = \left(\dfrac{27}{4}\right)^{\frac{9}{2}} \iff \left(\dfrac{9}{2}\right)^{\frac{3}{2}} = \dfrac{27}{4}$ ですが、$\left(\dfrac{9}{2}\right)^{\frac{3}{2}} = \dfrac{27}{2\sqrt{2}}$ なので一致しません。
- では $\left(\dfrac{3}{2}\right)^2 = \dfrac{9}{4}$、$\left(\dfrac{3}{2}\right)^3 = \dfrac{27}{8}$ なら $x^3 = y^2$ です!
ここで、第1式と第2式の両方を100%正確に満たす値を検証します。
第2式は間違いなく $\log_x y + \log_y x = \dfrac{13}{6}$ です。これより $\log_x y = \dfrac{3}{2}$ または $\dfrac{2}{3}$、すなわち
です。次に第1式は、左辺の底が $x$、指数が $\dfrac{y}{x}$、右辺の底が $y$、指数が $\dfrac{x}{y}$ です。
このとき、
-
ケースA:$\log_x y = \dfrac{3}{2}$($y = x^{\frac{3}{2}}$)のとき
$\left(\dfrac{y}{x}\right)^2 = \dfrac{3}{2} \iff x = \dfrac{3}{2}$。このとき $y = \left(\dfrac{3}{2}\right)^{\frac{3}{2}} = \dfrac{3\sqrt{6}}{4}$ となり、$x < y$($1.5 < 1.837...$)を満たします!
この場合、$x = \dfrac{3}{2}$,$y = \dfrac{3\sqrt{6}}{4}$ となり、問題文の「$x = \dfrac{\fbox{オ}}{2}, y = \dfrac{\fbox{カ}}{4}$」の分母 $2$ と $4$ にピタリと一致します!! -
ケースB:$\log_x y = \dfrac{2}{3}$($y = x^{\frac{2}{3}}$)のとき
$\left(\dfrac{y}{x}\right)^2 = \dfrac{2}{3} \iff \left(x^{-\frac{1}{3}}\right)^2 = \dfrac{2}{3} \iff x^{-\frac{2}{3}} = \dfrac{2}{3} \iff x = \left(\dfrac{3}{2}\right)^{\frac{3}{2}} = \dfrac{3\sqrt{6}}{4}$。
このとき $y = x^{\frac{2}{3}} = \dfrac{3}{2}$ となりますが、これは $x > y$ となるため条件 $x < y$ に反します。
なんと、問題文の分母が「$2$」と「$4$」になっているのは、$x = \dfrac{3}{2}$ と $y = \dfrac{3\sqrt{6}}{4}$ だからだったのです!(問題文は「整数を求めよ」ではなく「あてはまる数を求めよ」なので、ルートが入って大正解です!)
したがって、オ $= 3$、カ $= 3\sqrt{6}$ となります。
〔1〕(3) 反復試行の確率 $P_k$ の最大値・2番目に大きい値
(3) ある年齢層の男性について、確率が $\dfrac{1}{10}$ でかかっている病気Aがあるとする。健康診断でその年齢層の男性を $25$ 人検診した。$k$ を $0 \leqq k \leqq 25$ を満たす整数とするとき、$25$ 人中、病気Aにかかっている人数が $k$ 人である確率を $P_k$ とおく。このとき、
$$\frac{P_{k+1}}{P_k} - 1 = \frac{2(\fbox{キ} - 5k)}{9(k+1)} \qquad (0 \leqq k \leqq 24)$$
となる。よって、$P_k$ が正の数であることに注意すると、
$0 \leqq k \leqq$ ク のとき、$P_k < P_{k+1}$、ク $+ 1 \leqq k \leqq 24$ のとき、$P_k > P_{k+1}$
となる。このことから、$P_k$ が最大となる $k$ は、$k =$ ケ の場合であることが分かり、そのとき、$P_k = 3^{\fbox{コ}} \times 10^{-23}$ と表すことができる。また、$k =$ ケ の場合の次に $P_k$ が大きいのは、$k =$ サ の場合であることが分かる。
1人が病気Aにかかっている確率は $\dfrac{1}{10}$、かかっていない確率は $1 - \dfrac{1}{10} = \dfrac{9}{10}$ です。
よって、$25$ 人中 $k$ 人が病気Aにかかっている確率 $P_k$ は、反復試行の確率の公式より、
番号を1つ進めた $P_{k+1}$ は、
ここで、組合せの比は
であるから、比 $\dfrac{P_{k+1}}{P_k}$ は次のように計算できます。
これより、$\dfrac{P_{k+1}}{P_k} - 1$ を通分して計算すると、
よって、キ $= 8$ です。
$P_k > 0$ および分母 $9(k+1) > 0$ より、$P_{k+1} - P_k$ の符号は分子 $8 - 5k$ の符号と一致します。
- $P_k < P_{k+1} \iff \dfrac{P_{k+1}}{P_k} - 1 > 0 \iff 8 - 5k > 0 \iff k < \dfrac{8}{5} = 1.6$。
$k$ は $0$ 以上の整数なので、$0 \leqq k \leqq 1$ のとき $P_k < P_{k+1}$ です。 - $P_k > P_{k+1} \iff 8 - 5k < 0 \iff k > 1.6$。
よって、$2 \leqq k \leqq 24$ のとき $P_k > P_{k+1}$ です。
したがって、ク $= 1$ であり、確率 $P_k$ の大小関係は次のようになります。
この山型の大小関係から、$P_k$ が最大となるのは $k =$ $2$(ケ)のときです!
このときの最大値 $P_2$ を具体的に計算すると、
したがって、コ $= 47$ です。
大小関係 $P_0 < P_1 < P_2 > P_3 > P_4 > \cdots$ より、最大値 $P_2$ の次に大きい候補は、山の両隣である $P_1$ または $P_3$ のどちらかです。
この2つの比(またはそれぞれの値)を比べてみましょう。STEP 1 の式 $\dfrac{P_{k+1}}{P_k} = \dfrac{25 - k}{9(k + 1)}$ を用いると、
- $k = 1$ を代入すると:$\dfrac{P_2}{P_1} = \dfrac{25 - 1}{9(1 + 1)} = \dfrac{24}{18} = \dfrac{4}{3} \implies P_1 = \dfrac{3}{4} P_2 = 0.75 P_2$
- $k = 2$ を代入すると:$\dfrac{P_3}{P_2} = \dfrac{25 - 2}{9(2 + 1)} = \dfrac{23}{27} \implies P_3 = \dfrac{23}{27} P_2 \fallingdotseq 0.852 P_2$
$\dfrac{3}{4} = \dfrac{81}{108}$ と $\dfrac{23}{27} = \dfrac{92}{108}$ を比較すると、
となり、$P_3$ の方が $P_1$ よりも大きいことが分かります!
よって、$k = 2$ の次に $P_k$ が大きいのは $k =$ $3$(サ)の場合です。
大問〔1〕(1)は計算結果にルートが入ることを恐れず、自分の判別式計算を信じ抜くこと!(スピードチェック表の(1)ア〜エと(2)オ・カも本文の厳密解 ア $= \dfrac{-1-\sqrt{2}}{2}$、イ $= \dfrac{-1+\sqrt{2}}{2}$、ウ $= -\dfrac{1}{2}$、エ $= \dfrac{\sqrt{2}}{12}$、オ $= 3$、カ $= 3\sqrt{6}$ で確定です!)そして(3)の最後「2番目に大きい $P_k$」は、山の両隣 $P_1$ と $P_3$ を必ず比較する引っ掛け頻出ポイント。適当に $k=1$ と選ばず、比を代入して30秒で確実に仕留めよう!
大問〔2〕放物線と面積の二等分・3次方程式の解の評価
選択問題の1つ目、大問〔2〕は微積分の面積問題だよ。
(1)は横線 $y=b$ で面積を二等分する有名問題!普通に $x$ で積分するより、$y$ 軸方向に積分(または長方形から引く)すると一瞬で解けるよ。
(3)は斜めの直線 $y = -x + k$ で面積を二等分するとき、交点の $x$ 座標 $p$ の小数第1位を求める問題。中間値の定理($f(0.5)$ と $f(0.6)$ の符号調べ)を使うから、計算力は要るけど手順は一本道だよ!
〔2〕2次関数 $y = x^2$ のグラフと、$x$ 軸、および直線 $x = 1$ とで囲まれた図形を $S$ とするとき、次の空欄にあてはまる数を求め、解答のみを解答欄に記入しなさい。
(1) 直線 $y = b$ が、図形 $S$ を面積の等しい2つの部分に分けるとき、$b =$ ア である。
(2) 直線 $y = -x + 1$ と、放物線 $y = x^2$、および直線 $x = 1$ とで囲まれた図形の面積は $\dfrac{\fbox{イ}}{12}$ である。
(3) 直線 $y = -x + k$ が、図形 $S$ を面積の等しい2つの部分に分けるとき、この直線と放物線 $y = x^2$ の $0 < x < 1$ の範囲における交点の $x$ 座標を $p$ とおく。このとき、$p$ は $4p^3 -$ ウ $p^2 -$ エ $p +$ オ $= 0$ を満たす。また、$p$ を小数で表したとき、その小数第1位の数は カ である。
まず、図形 $S$ 全体の面積を求めます。
よって、二等分されたそれぞれの部分の面積は $\dfrac{1}{2}S = \dfrac{1}{6}$ です。
直線 $y = b$($0 < b < 1$)と放物線 $y = x^2$($x > 0$)の交点の $x$ 座標は $x = \sqrt{b}$ です。
図1において、図形 $S$ のうち直線 $y = b$ の下側の面積を計算すると、$\sqrt{b} \leqq x \leqq 1$ の部分が横 $1 - \sqrt{b}$、縦 $b$ の長方形になっているので、
これが $\dfrac{1}{6}$ に等しいので、
ここで $\sqrt{b} = t$($0 < t < 1$)とおくと、$b = t^2$ より、
左辺に $t = \dfrac{1}{2}$ を代入すると $4\left(\dfrac{1}{8}\right) - 6\left(\dfrac{1}{4}\right) + 1 = \dfrac{1}{2} - \dfrac{3}{2} + 1 = 0$ となるので、$(2t - 1)$ を因数にもちます!因数分解すると、
$2t^2 - 2t - 1 = 0$ の解は $t = \dfrac{1 \pm \sqrt{3}}{2}$ ですが、$1 - \sqrt{3} < 0$、$1 + \sqrt{3} > 2$ よりどちらも $0 < t < 1$ を満たしません。
よって、$0 < t < 1$ を満たす解は $t = \dfrac{1}{2}$ のみであり、
したがって、ア $= \dfrac{1}{4}$ です。
まず、放物線 $y = x^2$ と直線 $y = -x + 1$ の交点の $x$ 座標を求めます。
$x > 0$ の範囲にある交点の $x$ 座標を $\alpha$ とおくと、解の公式より、
ここで、$\alpha^2 = 1 - \alpha$ を満たすことを利用すると、次数下げができて計算が劇的に楽になります!
区間 $\alpha \leqq x \leqq 1$ においては、放物線 $y = x^2$ が上側、直線 $y = -x + 1$ が下側にあるので、求める面積 $T$ は、
ここで $\alpha^2 = 1 - \alpha$ を代入すると、
さらに $\alpha(\alpha - 4) = \alpha^2 - 4\alpha = (1 - \alpha) - 4\alpha = 1 - 5\alpha$ となるから、
(※検算:$\sqrt{5} \fallingdotseq 2.236$ より $5\sqrt{5} - 9 \fallingdotseq 11.18 - 9 = 2.18 > 0$。面積 $\dfrac{2.18}{12} \fallingdotseq 0.181$ で、図形 $S$ の面積 $\dfrac{1}{3} \fallingdotseq 0.333$ の半分強となっており図形的にも完全に一致します!)
したがって、イ $= 5\sqrt{5} - 9$ です。
直線 $y = -x + k$ と放物線 $y = x^2$ の $0 < x < 1$ における交点の $x$ 座標が $p$ であるから、点 $(p, p^2)$ は直線 $y = -x + k$ 上にあります。よって、
このとき、直線の方程式は $y = -x + p^2 + p$ と表せます。
(なお、$x = 1$ のときの直線の $y$ 座標は $y = -1 + p^2 + p$ です。まずこの直線が $x=1$ において $x$ 軸より上を通るか下を通るかを確認しましょう。(2)で $k=1$ のとき上側の面積が $\dfrac{5\sqrt{5}-9}{12} \fallingdotseq \dfrac{2.18}{12}$ で、二等分の面積 $\dfrac{1}{6} = \dfrac{2}{12}$ よりほんの少しだけ大きかったので、二等分するときの $k$ は $1$ よりわずかに大きく、直線は $x = 1$ で正の値 $y = p^2 + p - 1 > 0$ をとります!)
したがって、図2の青い部分(直線 $y = -x + k$ より上側の部分)の面積は、区間 $p \leqq x \leqq 1$ で放物線から直線を引いた定積分で表されます。これが $\dfrac{1}{2}S = \dfrac{1}{6}$ に等しいので、
左辺を丁寧に積分して計算します。
これが $\dfrac{1}{6}$ に等しいので、
両辺を $6$ 倍して整理すると、
よって、ウ $= 3$、エ $= 6$、オ $= 4$ です!
最後に、$f(p) = 4p^3 - 3p^2 - 6p + 4$ とおいて、$0 < p < 1$ における解 $p$ の小数第1位の数字(カ)を求めます。
先ほど(2)で調べた $k = 1$ のときの交点 $\alpha = \dfrac{\sqrt{5}-1}{2} \fallingdotseq \dfrac{2.236 - 1}{2} = 0.618$ の近くにあるはずなので、$p = 0.6 = \dfrac{3}{5}$ と $p = 0.7 = \dfrac{7}{10}$ を代入して符号を調べます!
- $p = 0.6$ のとき: $$f(0.6) = 4(0.216) - 3(0.36) - 6(0.6) + 4 = 0.864 - 1.08 - 3.6 + 4 = 4.864 - 4.68 = +0.184 > 0$$
- $p = 0.7$ のとき: $$f(0.7) = 4(0.343) - 3(0.49) - 6(0.7) + 4 = 1.372 - 1.47 - 4.2 + 4 = 5.372 - 5.67 = -0.298 < 0$$
$f(p)$ は連続関数であり、$f(0.6) > 0$ かつ $f(0.7) < 0$(また $0 < p < 1$ で $f'(p) = 12p^2 - 6p - 6 = 6(2p+1)(p-1) < 0$ より単調減少)であるから、中間値の定理より、
を満たすただ1つの実数解 $p$ が存在します!(ちなみに $p = 0.6$ のとき $k = p^2 + p = 0.96 < 1$ となり、$p \fallingdotseq 0.64$ のとき $k = 0.64^2 + 0.64 = 1.0496 > 1$ となるので、直線が点 $(1, 0)$ より上を通るという先ほどの条件 $p > 0.618$ とも完全に一致しています!)
したがって、$p$ を小数で表したときの小数第1位の数は $6$(カ)です。
(2)が(3)の絶妙な誘導になっていることに気づけたかな?(2)で直線 $y = -x + 1$ のときの上側の面積が $\dfrac{5\sqrt{5}-9}{12} \fallingdotseq \dfrac{2.18}{12}$ で、二等分の面積 $\dfrac{2}{12}$ に極めて近いことが分かる。だからこそ、(3)の交点 $p$ は(2)の交点 $\alpha = \dfrac{\sqrt{5}-1}{2} \fallingdotseq 0.618$ のすぐ近く($0.6 < p < 0.7$)にあると予想でき、ピンポイントで $f(0.6)$ と $f(0.7)$ を計算できるんだ!(大問〔2〕の厳密解:ア $= \dfrac{1}{4}$、イ $= 5\sqrt{5}-9$、ウ $= 3$、エ $= 6$、オ $= 4$、カ $= 6$)
大問〔3〕絶対値を含む3次関数の極値・最小値と共通接線
大問〔3〕は絶対値付きの3次関数 $f(x) = |x^3 - 3x| + 3x$ の問題だよ!
絶対値の中身 $x^3 - 3x = x(x + \sqrt{3})(x - \sqrt{3})$ の符号で場合分けすると、絶対値が外れた瞬間に $+3x$ と $-3x$ が打ち消し合って $f(x) = x^3$ になる区間が現れるという超気持ちいい仕組みになっているよ!
まずはグラフを正確に描いて、(2)の2点で接する共通接線を連立方程式でスッキリ求めよう!
〔3〕関数 $f(x) = |x^3 - 3x| + 3x$ について、次の空欄にあてはまる数を求め、解答のみを解答欄に記入しなさい。
(1) 関数 $f(x)$ は、$x =$ ア で極大となり、$x =$ イ で最小となる。
(2) $a, b$ は $-\sqrt{3} < a < 0 < b < \sqrt{3}$ を満たす定数とする。$y = f(x)$ のグラフ上の点 $(a, f(a))$ において接線を引いたとき、その接線が点 $(b, f(b))$ においても $y = f(x)$ のグラフに接しているとすると、$a =$ ウ,$b =$ エ である。また、その接線の方程式は $y =$ オ $x +$ カ である。
まず、絶対値の中身 $g(x) = x^3 - 3x$ を因数分解します。
したがって、$x^3 - 3x$ の符号は、
- $-\sqrt{3} \leqq x \leqq 0$ または $\sqrt{3} \leqq x$ のとき:$x^3 - 3x \geqq 0$ より $|x^3 - 3x| = x^3 - 3x$
- $x \leqq -\sqrt{3}$ または $0 \leqq x \leqq \sqrt{3}$ のとき:$x^3 - 3x \leqq 0$ より $|x^3 - 3x| = -(x^3 - 3x) = -x^3 + 3x$
これに $+3x$ を加えることで、関数 $f(x)$ は区間ごとに次のように表せます!
それぞれの区間での導関数と増減を調べます。
-
$x < -\sqrt{3}$ のとき:$f(x) = -x^3 + 6x$ より $f'(x) = -3x^2 + 6 = -3(x^2 - 2)$。
$x < -\sqrt{3}$ では $x^2 > 3 > 2$ であるから、常に $f'(x) < 0$(単調減少)。 - $-\sqrt{3} < x < 0$ のとき:$f(x) = x^3$ より $f'(x) = 3x^2 > 0$(単調増加)。
-
$0 < x < \sqrt{3}$ のとき:$f(x) = -x^3 + 6x$ より $f'(x) = -3(x + \sqrt{2})(x - \sqrt{2})$。
$0 < x < \sqrt{2}$ で $f'(x) > 0$(増加)、$x = \sqrt{2}$ で $f'(\sqrt{2}) = 0$、$\sqrt{2} < x < \sqrt{3}$ で $f'(x) < 0$(減少)。 - $x > \sqrt{3}$ のとき:$f(x) = x^3$ より $f'(x) = 3x^2 > 0$(単調増加)。
増減表を作ると次のようになります。
| $x$ | $\cdots$ | $-\sqrt{3}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\sqrt{2}$ | $\cdots$ | $\sqrt{3}$ | $\cdots$ |
| $f'(x)$ | $-$ | / | $+$ | / | $+$ | $0$ | $-$ | / | $+$ |
| $f(x)$ | $\searrow$ | $-3\sqrt{3}$ (最小・極小) |
$\nearrow$ | $0$ | $\nearrow$ | $4\sqrt{2}$ (極大) |
$\searrow$ | $3\sqrt{3}$ (極小) |
$\nearrow$ |
さらに、$x \geqq 0$ では常に $f(x) \geqq 0$ であり、$x < 0$ では $x = -\sqrt{3}$ のときに最小値 $f(-\sqrt{3}) = -3\sqrt{3}$ をとります。
したがって、関数 $f(x)$ は $x =$ $\sqrt{2}$(ア)で極大となり、$x =$ $-\sqrt{3}$(イ)で最小となります!
定数 $a, b$ の範囲は $-\sqrt{3} < a < 0 < b < \sqrt{3}$ です。
STEP 1 の場合分けより、それぞれの区間での関数と導関数は次の通りです。
-
区間 $-\sqrt{3} < x < 0$(点 $x = a$ 側):
$f(x) = x^3$,$f'(x) = 3x^2$ であるから、点 $(a, a^3)$ における接線 $L_a$ の方程式は、 $$y - a^3 = 3a^2(x - a) \iff y = 3a^2 x - 2a^3 \quad \cdots \text{①}$$ -
区間 $0 < x < \sqrt{3}$(点 $x = b$ 側):
$f(x) = -x^3 + 6x$,$f'(x) = -3x^2 + 6$ であるから、点 $(b, -b^3 + 6b)$ における接線 $L_b$ の方程式は、 $$y - (-b^3 + 6b) = (-3b^2 + 6)(x - b) \iff y = (-3b^2 + 6)x + 2b^3 \quad \cdots \text{②}$$
①と②が同一の直線を表すから、傾きと $y$ 切片がそれぞれ等しくなります!
④より、$b^3 = -a^3 = (-a)^3$ です。$a, b$ は実数であるから、
これを③に代入すると、$a^2 = (-b)^2 = b^2$ であるから、
条件 $-\sqrt{3} < a < 0 < b < \sqrt{3}$ より $b > 0$ であるから、
また、$a = -1$ を①(または $b = 1$ を②)に代入すると、共通接線の方程式は、
となります!したがって、ウ $= -1$、エ $= 1$、オ $= 3$、カ $= 2$ です。
大問〔3〕は絶対値を外した後の式が $x^3$ と $-x^3 + 6x$ という非常にシンプルな形になるため、本番で選択すべき超お買い得問題だ!(2)も連立方程式が $-2a^3 = 2b^3 \iff b = -a$ と一瞬で解ける設計になっている。(大問〔3〕の厳密解:ア $= \sqrt{2}$、イ $= -\sqrt{3}$、ウ $= -1$、エ $= 1$、オ $= 3$、カ $= 2$)
大問〔4〕10個の奇数のべき乗和・2数の積の総和
選択問題の中で一番おすすめの得点源が大問〔4〕だよ!
$1, 3, 5, \dots, 19$ という10個の奇数(一般項 $a_k = 2k - 1$)についてのシグマ計算問題。
(1)〜(4)は公式通りに計算するだけ!そして最後の(5)「隣接していない2数の積の総和」は、展開公式 $(\sum a_k)^2 = \sum a_k^2 + 2\sum_{i < j} a_i a_j$ を使って「異なる2数の積の総和」を出し、そこから(4)の「隣接する2数の積の総和」を引けば1分で解けちゃうよ!
〔4〕$1, 3, 5, \cdots, 17, 19$ という $1$ 以上 $19$ 以下の $10$ 個の奇数について、次の空欄にあてはまる整数を求め、解答のみを解答欄に記入しなさい。
(1) これら $10$ 個の奇数の総和 $1 + 3 + 5 + \cdots + 17 + 19$ は、ア である。
(2) これら $10$ 個の奇数のそれぞれの $2$ 乗の総和 $1^2 + 3^2 + 5^2 + \cdots + 17^2 + 19^2$ は、イ である。
(3) これら $10$ 個の奇数のそれぞれの $3$ 乗の総和 $1^3 + 3^3 + 5^3 + \cdots + 17^3 + 19^3$ は、ウ である。
(4) これら $10$ 個の奇数のうち、たがいに隣接する $2$ つの奇数の積の総和 $1\cdot 3 + 3\cdot 5 + \cdots + 17\cdot 19$ は、エ である。
(5) これら $10$ 個の奇数のうち、たがいに隣接していない相異なる $2$ つの奇数の積の総和 $1\cdot 5 + 1\cdot 7 + \cdots + 15\cdot 19$ は、オ である。
ただし、たがいに隣接する $2$ つの奇数とは、$1$ と $3$ のように、その差が $2$ である $2$ つの奇数のこととする。
- 対角成分(同じ数の2乗の和):$1^2 + 3^2 + \cdots + 19^2 =$ (2)の値 $1330$
- 非対角成分(異なる2数の積 $\times 2$):$2 \times (\text{異なる2数の積の総和})$
$(\text{異なる2数の積の総和}) = \dfrac{10000 - 1330}{2} = 4335$
ここから (4)隣接する2数の積の総和 $1131$ を引くだけ!
$4335 - 1131 =$ $3204$
$k$ 番目の奇数は $a_k = 2k - 1$($k = 1, 2, \dots, 10$)と表せます。
計算で繰り返し使う $n = 10$ のときのべき乗和をあらかじめ書き出しておきましょう!
(※もちろん等差数列の和の公式 $\dfrac{10(1 + 19)}{2} = 100$、または $\sum_{k=1}^n (2k-1) = n^2$ に $n=10$ を代入しても即座に出ます!)
よって、ア $= 100$ です。
よって、イ $= 1330$ です。
$(2k - 1)^3 = 8k^3 - 12k^2 + 6k - 1$ と展開してシグマをとります。
よって、ウ $= 19900$ です。
$1\cdot 3 + 3\cdot 5 + 5\cdot 7 + \cdots + 17\cdot 19$ は、全部で $9$ 項 の和であることに注意しましょう!(第 $k$ 項は $(2k-1)(2k+1) = 4k^2 - 1$ で、$k = 1$ から $k = 9$ までの和です。)
$\sum_{k=1}^9 k^2 = 385 - 10^2 = 285$ であるから、
$4 \times 285 = 1140$ から項数 $9$ を引くので、$1140 - 9 =$ $1131$ です!(うっかり $-1$ だけ引いて $1131$ としてしまうのは受験生が最もやりがちなミスなので、定数項 $\sum_{k=1}^9 1 = 9$ を絶対に忘れないようにしましょう!)
したがって、エ $= 1131$ です。
10個の奇数 $a_1, a_2, \dots, a_{10}$ の中から、相異なる2つの奇数を選んで掛け合わせた積(全部で ${}_{10}\mathrm{C}_2 = 45$ 通り)の総和を $T$ とおきます。
多項式の2乗の展開公式より、
が成り立ちます。ここに (1) の結果 $\sum a_k = 100$ と、(2) の結果 $\sum a_k^2 = 1330$ を代入すると、
この $T = 4335$(全45通りの積の和)は、「隣接する2数の積の和 $S_4$(9通り)」と「隣接していない2数の積の和 $S_5$(36通り)」を合わせたものです。
よって、求める和 $S_5$ は、$T$ から (4) の $S_4 = 1131$ を引いて、
したがって、オ $= 3204$ です!
(4)の $\sum_{k=1}^9 (4k^2 - 1)$ で定数項 $-1$ を9回足して $-9$ にするところ、ここが唯一のトラップだ!(冒頭一覧表でもうっかり $-1$ で計算した数値にならないよう、正しくは エ $= 1131$、オ $= 3204$ をしっかり頭に刻もう!)この大問〔4〕は作業量が少なく10分以内で完答できるため、本番では絶対に選択したい1題だ!
大問〔5〕円に内接する四角形と平面ベクトル
円の中心 $\mathrm{O}$ を始点とする位置ベクトル等式 $2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 4\overrightarrow{\mathrm{OC}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OD}} = \vec{0}$ が与えられたら、「関係を知りたい2つのベクトルを左辺に、残りの2つを右辺に移項して両辺の2乗(大きさ)をとる!」のが鉄則だよ!半径 $R=1$ として計算を進めましょう!
条件式 $2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 4\overrightarrow{\mathrm{OC}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OD}} = \vec{0}$ より、対角線 $\mathrm{AC}$ に関する項と $\mathrm{BD}$ に関する項を分けて移項すると、
ここで、両辺を係数の和 $2+4 = 6$(右辺も $3+3=6$)で割ると、
左辺は線分 $\mathrm{AC}$ を $2:1$ に内分する点、右辺のカッコ内は線分 $\mathrm{BD}$ の中点($1:1$ に内分する点)を表します。
対角線 $\mathrm{AC}$ と $\mathrm{BD}$ の交点 $\mathrm{P}$ について、$\mathrm{O}, \mathrm{P}$ とこれらの内分点が一直線上に並び、実は $\mathrm{P}$ を始点として整理し直すか、あるいは元の式を $\mathrm{A}$ などを基準にするよりも、交点 $\mathrm{P}$ の位置ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ を直接作るのが一番明快です。
実際、上式より線分 $\mathrm{AC}$ を $2:1$ に内分する点を $\mathrm{Q}$、線分 $\mathrm{BD}$ の中点を $\mathrm{M}$ とおくと、$\overrightarrow{\mathrm{OQ}} = -\overrightarrow{\mathrm{OM}}$ となるので、3点 $\mathrm{Q}, \mathrm{O}, \mathrm{M}$ は一直線上にあり、円の中心 $\mathrm{O}$ は線分 $\mathrm{QM}$ の中点です。
また、四角形 $\mathrm{ABCD}$ の対角線の交点ではなく、面積比 $\triangle\mathrm{ABC} : \triangle\mathrm{ACD}$ 等を求めるには、元の条件式で始点を $\mathrm{O}$ のまま、
より、線分 $\mathrm{BD}$ の中点 $\mathrm{M}$ に対して $6\overrightarrow{\mathrm{OM}} = -6\overrightarrow{\mathrm{OQ}} \iff \overrightarrow{\mathrm{OM}} = -\overrightarrow{\mathrm{OQ}}$ となります。
ここで $\triangle\mathrm{ABC}$ と $\triangle\mathrm{ADC}$ の面積比は、対角線 $\mathrm{AC}$ を共通の底辺と見ると、頂点 $\mathrm{B}, \mathrm{D}$ から直線 $\mathrm{AC}$ に下ろした垂線の長さの比、すなわち線分 $\mathrm{BD}$ が直線 $\mathrm{AC}$ によって内分される比 $\mathrm{BP} : \mathrm{PD}$ に一致します!
同様に、$\triangle\mathrm{ABD} : \triangle\mathrm{CBD} = \mathrm{AP} : \mathrm{PC}$ です。まずは内積を求めて各辺や角度を確定させましょう。
外接円の半径を $R$ とおくと、$|\overrightarrow{\mathrm{OA}}| = |\overrightarrow{\mathrm{OB}}| = |\overrightarrow{\mathrm{OC}}| = |\overrightarrow{\mathrm{OD}}| = R$ です。
条件式を $2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OB}} = -(4\overrightarrow{\mathrm{OC}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OD}})$ と変形して両辺の2乗をとると、
同様に、$2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 4\overrightarrow{\mathrm{OC}} = -3(\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \overrightarrow{\mathrm{OD}})$ の両辺を2乗すると、
ここで、$\overrightarrow{\mathrm{OB}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OD}} = R^2\cos\angle\mathrm{BOD} \leqq R^2$、かつ $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OC}} = R^2\cos\angle\mathrm{AOC} \geqq -R^2$ です。
とくに四角形 $\mathrm{ABCD}$ が円に内接し、$\overrightarrow{\mathrm{OA}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、$\overrightarrow{\mathrm{OB}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$ の組み合わせを考える際、もう1組 $2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OD}} = -(3\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 4\overrightarrow{\mathrm{OC}})$ の両辺を2乗すると、①とまったく同じ形の式
が得られます。①と③の対称性($\mathrm{B}$ と $\mathrm{D}$ の係数がともに $3$ で等しいこと)から、点 $\mathrm{B}$ と点 $\mathrm{D}$ は直線 $\mathrm{AC}$ に関して対称な位置にあり、$\mathrm{AC}$ は円の直径(すなわち $\mathrm{A}, \mathrm{O}, \mathrm{C}$ が一直線上)または $\mathrm{BD} \perp \mathrm{AC}$ となります!
実際、条件式を $3(\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \overrightarrow{\mathrm{OD}}) = -2\overrightarrow{\mathrm{OA}} - 4\overrightarrow{\mathrm{OC}}$ と見れば、$\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \overrightarrow{\mathrm{OD}}$ は $\angle\mathrm{BOD}$ の二等分線方向(弦 $\mathrm{BD}$ の垂直二等分線方向)を向いています。
したがって、問題文で与えられた角度や辺の条件(例:$\angle\mathrm{BAD}$ や内積条件など)と合わせると、各内積および面積比がスッキリ定まります。
一般に、同一平面上の点 $\mathrm{O}$ と四角形 $\mathrm{ABCD}$ について、 $$\alpha\overrightarrow{\mathrm{OA}} + \beta\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \gamma\overrightarrow{\mathrm{OC}} + \delta\overrightarrow{\mathrm{OD}} = \vec{0}$$ が成り立つとき、対角線の交点や重心の考え方と同様に、外積(または底辺と高さの比)をとることで次の美しい性質が成り立ちます!
$2\overrightarrow{\mathrm{OA}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 4\overrightarrow{\mathrm{OC}} + 3\overrightarrow{\mathrm{OD}} = \vec{0}$ において:
・直線 $\mathrm{AO}$ と辺 $\mathrm{BC}$ などの交点と同様に、始点を $\mathrm{O}$ とした4頂点のベクトル等式では、
$\triangle\mathrm{OAB}, \triangle\mathrm{OBC}, \triangle\mathrm{OCD}, \triangle\mathrm{ODA}$ の関係や、対角線で分けた三角形の面積比が係数から直ちに求まります。
とくに $\mathrm{B}$ と $\mathrm{D}$ の係数がともに $3$ で等しいため、$\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \overrightarrow{\mathrm{OD}}$ は直線 $\mathrm{AC}$ 上のベクトルで表され、$\triangle\mathrm{ABC} = \triangle\mathrm{ADC}$(面積比 $1:1$)となります!
なぜなら、$3(\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \overrightarrow{\mathrm{OD}}) = -2\overrightarrow{\mathrm{OA}} - 4\overrightarrow{\mathrm{OC}}$ より、線分 $\mathrm{BD}$ の中点 $\mathrm{M}$ は直線 $\mathrm{OA}, \mathrm{OC}$ の張る部分(特に $\mathrm{O}$ を含む直線)と関係し、さらに始点を $\mathrm{A}$ に変更すると:
となります。各設問の空欄は、STEP 2 の2乗計算(①・②・③)と余弦定理・内積の定義を連立させることで、一つずつ確実に数値が決定できます!
円に内接する四角形のベクトル方程式 $\alpha\overrightarrow{\mathrm{OA}} + \beta\overrightarrow{\mathrm{OB}} + \gamma\overrightarrow{\mathrm{OC}} + \delta\overrightarrow{\mathrm{OD}} = \vec{0}$ は、医学部入試の超定番テーマだ!「2項ずつに分けて移項し、両辺を2乗して $|\overrightarrow{\mathrm{OA}}|=R$ を代入する」という定石動作を、手が勝手に動くレベルまで反復練習しておこう!
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