問1:はなした瞬間の力。点Aで静止しているので速さは0。半径方向(円の中心Oへ向かう向き)の力のつりあいから、垂直抗力 $N$ は重力の半径方向の成分だけで決まります。接線方向の力は、重力の接線成分です。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:物理60分の配分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各大問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。図はTMPSが作成した解説用の図です。本番は理科2科目で120分・200点で、このページでは物理に60分を使う想定で時間配分を示しています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の慈恵医大の物理
- ✅ 全2大問・各8問、理科2科目で120分。答えは文字式(記述式)で、「導出過程も示すこと」とある問いが多いのが特徴です。選択肢はありません。
- ✅ 第1問は半円筒の中の小球。問1〜3は力と微小振動(最後は半円筒を加速させる)、問4〜6は2つの小球の衝突、問7・8は小さい半円筒の内面での円運動。力学の「円運動・エネルギー保存・衝突」が一本につながる構成です。
- ✅ 第2問は電磁誘導。レール上の導体棒に、おもりがついて動く。前半はコンデンサー、後半はコイルに替えて、最後は単振動になります。「速度と加速度の関係」と「電流の定義」に気づけるかが勝負です。
- ✅ 差がつくのは、問3・問7・問8(第1問)と問2・問4・問8(第2問)。慣性力の扱い、垂直抗力の式、「離れずに最高点まで」の条件、$\Delta v$ と $\Delta Q$ を結ぶ式変形、単振動の中心と振幅の読み取りです。
- ✅ 記述式なので、部分点が取れます。法則の名前と式の立て方を書くだけでも点になります。解けない小問で止まらず、次の小問に進みましょう。


物理60分の立ち回りマップ
時間はTMPSの目安です。本番は理科2科目で120分なので、物理に60分を使う想定で配分しています。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。すべての答えを、数式処理と数値シミュレーションで独立に確かめています(結果は下の注記)。
第1問(半円筒の中の小球と衝突)
第2問(電磁誘導)
※ 検算:第1問は、運動方程式をRK4(4次のルンゲ=クッタ法)で数値積分して、問1〜4と問7(垂直抗力)、問2・3の周期を確認し、問8の範囲は二分法で境界が $\cos\theta_B=1/6$ になることまで確認しました。第2問は、導体棒と回路の連立方程式を数値積分して、$I=BDx/L$ と加速度の式がすべての時刻で成り立つこと、単振動の角振動数・振幅が一致することを確認しました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 半円筒の中の小球 ── 「力 → 微小振動 → 衝突 → 円運動」の一本道
なめらかな半円筒の内面を動く小球の問題です。円運動の運動方程式と力学的エネルギー保存の2本だけで、8問すべてがつながります。
水平な床に固定した、半径 $R$ のなめらかな半円筒の内面を、質量 $m$ の小球が動く。まず小球を静かにはなしたときの力と微小振動の周期を調べ、半円筒を水平に加速させた場合に拡張する。次に、右半分の内面に半径 $r$($r<R/2$)の小さい半円筒をつなぎ、大きい円筒の点Bから静かにはなした質量 $M$ の小球1が、最下点Pに置いた質量 $m$ の小球2に衝突(反発係数 $e$)する。衝突後、小球2は小さい円筒の内面を上がる。
- 問1:はなした瞬間の、垂直抗力の大きさと、接線方向の力の大きさ(文字式)
- 問2:最下点付近の微小振動の周期(導出過程つき)
- 問3:半円筒を水平に一定の加速度 $\alpha$ で動かしたときの周期(導出過程つき)
- 問4:衝突直前の小球1の速さ $V_0$
- 問5:衝突直後の小球1・2の速度 $V_P,\ v_P$(右向き正)
- 問6:衝突で失われた力学的エネルギーの大きさ $\Delta E$
- 問7:小球2が点Cで受ける垂直抗力(導出過程つき)
- 問8:離れずに最高点Qまで届くための $\cos\theta_B$ の範囲(解答欄は $0\leqq\cos\theta_B\leqq\square$)
問2:最下点付近の微小振動。最下点Pから測った角を $\varphi$ とすると、小球の接線方向の運動方程式は、弧の長さ $R\varphi$ の加速度を使って
$\ddot{\varphi}=-\dfrac gR\varphi$ は単振動の式で、角振動数 $\omega=\sqrt{g/R}$ なので
問3:半円筒を水平に加速度 $\alpha$ で動かす。半円筒といっしょに動く立場で考えると、小球には重力 $mg$(下向き)に加えて、加速度と逆向きに大きさ $m\alpha$ の慣性力がはたらきます。つまり「見かけの重力」は、鉛直下向きの $mg$ と水平な $m\alpha$ の合力で、大きさは $m\sqrt{g^2+\alpha^2}$ です。
最下点から測った角 $\varphi$ での接線方向の式は、慣性力の成分も入れて
$\psi=\varphi+\delta$ とおくと $R\ddot\psi=-g_{\text{見かけ}}\sin\psi$ で、問2と同じ形です。小さい振動では $\sin\psi\fallingdotseq\psi$ として、$g$ を $g_{\text{見かけ}}=\sqrt{g^2+\alpha^2}$ に置き換えるだけで済みます。振動の中心は鉛直ではなく、傾いた「見かけの重力の向き」の位置になります。

問4:衝突直前の速さ。点Bから最下点Pまで、垂直抗力は運動の向きに仕事をしないので、力学的エネルギーが保存します。Bの高さは、Pより $R(1-\cos\theta_B)$ だけ上です。
問5:衝突直後の速度。水平方向の運動量保存と、反発係数の式の2本を立てます(右向きを正)。
2式から、$V_P=v_P-eV_0$ として運動量保存に代入します。
問6:失われた力学的エネルギー。衝突の前後の運動エネルギーの差です。式の整理は「換算質量」を使うと楽になります。
(確認:$e=1$ のとき $\Delta E=0$、$e=0$ のとき最大になります。数値を代入して、直接計算した値と一致することも確かめました。)
問7:点Cでの垂直抗力。角 $\theta_C$ は最下点Pから測った角です。Cの高さは $r(1-\cos\theta_C)$。力学的エネルギー保存で、Cでの速さ $v_C$ を出します。
Cでの半径方向(O’向き)の運動方程式は、垂直抗力 $N$ がO’向き、重力の成分 $mg\cos\theta_C$ が外向きなので
問8:離れずに最高点Qまで。$\theta_C=\pi$(最高点Q)では $\cos\theta_C=-1$ で、
$N$ は $\cos\theta_C$ が小さいほど小さくなるので、面から離れないための条件は、最高点Qで $N_Q\geqq0$ だけで十分です。$v_P^2\geqq5gr$。
$M=2m,\ e=0.5$ を問5の式に入れると $v_P=\dfrac{1.5\cdot2m}{3m}V_0=V_0$。$R=3r$ より、問4から $V_0^2=2g\cdot3r(1-\cos\theta_B)=6gr(1-\cos\theta_B)$。条件に代入して
さらに、小球1ははなす位置Bが半円筒の上端(Oと同じ高さ)より低いので $\theta_B\leqq90^{\circ}$、すなわち $\cos\theta_B\geqq0$。

第1問:半円筒の運動の型
| 小問 | 使う法則 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 半径方向のつりあい | $v=0$ なので $N=mg\cos\theta_A$ |
| 問2・3 | 接線方向の運動方程式+$\sin\theta\fallingdotseq\theta$ | $g\to\sqrt{g^2+\alpha^2}$(見かけの重力) |
| 問4 | 力学的エネルギー保存 | 高さは $R(1-\cos\theta_B)$ |
| 問5・6 | 運動量保存+反発係数 | 右向きを正。$\Delta E\propto(1-e^2)$ |
| 問7 | 保存則+半径方向の式 | $N=\dfrac{mv_P^2}{r}-2mg+3mg\cos\theta_C$ |
| 問8 | 最高点で $N\geqq0$ | $v_P^2\geqq5gr$、さらに $\cos\theta_B\geqq0$ |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 問1〜3力が分からない → 小球の位置に重力・垂直抗力を描き、重力を接線方向と半径方向に分解する
- 問3慣性力が分からない → 「半円筒に乗って見ると、重力の向きと大きさが変わる」と言い換える
- 問5・6符号が合わない → 向きを最初に決める。運動量保存と反発係数の2式を連立する
- 問7式が立たない → ①エネルギー保存で速さ ②半径方向の運動方程式、の順に2段で書く
- 問8範囲が出ない → 最高点で $N=0$ の条件を式にして、$V_0$ から $\theta_B$ に戻す。下限も確認
第2問 レール上の導体棒 ── コンデンサーでは等加速度、コイルでは単振動
同じ装置で、コンデンサーをコイルに替えるだけで運動が変わります。「速度 → 起電力 → 電流 → 力」の連鎖を、小問ごとに一つずつたどるのが型です。
鉛直上向きを $+z$ とし、水平面内の2本のレール(間隔 $D$)に、$+z$ 向きの一様な磁場(磁束密度 $B$)がかかっている。レールの端にコンデンサー(電気容量 $C$)がつながれ、質量 $m$ の導体棒がレールにまたがって置かれている。導体棒は軽い糸と滑車を通じて、質量 $M$ のおもりにつながれ、手をはなすと運動を始める。次に、コンデンサーを自己インダクタンス $L$ のコイルに替えて、同じ実験をする。
- 問1:コンデンサーの $-y$ 側の極板の電荷 $Q$($B,D,C,v$ で表す)
- 問2:導体棒を流れる誘導電流 $I$($B,D,C,a$ で表す。導出過程つき)
- 問3:電流が磁場から受ける力 $F$($B,D,C,a$ で表す)
- 問4:導体棒の加速度 $a$($m,M,g,B,D,C$ で表す。導出過程つき)
- 問5:電流の時間変化率 $\dfrac{\Delta I}{\Delta t}$($B,D,L,v$ で表す)
- 問6:位置 $x$ のときの電流 $I$(導出過程つき)
- 問7:位置 $x$ のときの加速度 $a$(導出過程つき)
- 問8:単振動の角振動数 $\omega$ と振幅 $A$(導出過程つき)
問1:電荷 $Q$。速度 $v$ の導体棒には、磁場を横切る長さ $D$ の分だけ起電力 $vBD$ が生じます。抵抗がないので、コンデンサーの電圧は常にこの起電力に等しくなります。
向きは外積で確かめます。正電荷にはたらくローレンツ力は $\vec v\times\vec B$ の向き。$\vec v=(v,0,0)$,$\vec B=(0,0,B)$ なので $\vec v\times\vec B=(0,-vB,0)$ で、$-y$ 向き。電流は $-y$ 向きに流れ、$-y$ 側の極板が正に帯電します(問題文の「電流は $-y$ 方向を正」とも合います)。
問2:電流 $I$。微小時間 $\Delta t$ に速度が $\Delta v$ 増えると、$Q=CBDv$ から電気量は $\Delta Q=CBD\Delta v$ だけ増えます。電流は単位時間あたりに運ばれる電気量です。
問3:力 $F$。磁場の中の電流が受ける力は $IBD$。
問4:加速度 $a$。導体棒とおもりを一体として、全体の運動方程式を立てます。糸の張力は内力なので、おもりにはたらく重力 $Mg$ が駆動力、磁場からの力 $F$ が抵抗力です。
時間によらない一定の値なので、棒は等加速度運動をします。

問5:コイルに替えて。コイルは抵抗がないので、導体棒の起電力 $vBD$ と、コイルの自己誘導起電力 $L\dfrac{\Delta I}{\Delta t}$ がつりあいます。
問6:位置 $x$ のときの電流。$v=\dfrac{\Delta x}{\Delta t}$ を問5に代入すると $\dfrac{\Delta I}{\Delta t}=\dfrac{BD}{L}\dfrac{\Delta x}{\Delta t}$、すなわち $\Delta I=\dfrac{BD}{L}\Delta x$。$x=0$ で $I=0$ だったので、足し合わせて
問7:加速度 $a$。問4と同じく、棒とおもりを一体にして運動方程式を立てます。磁場からの力は $IBD=\dfrac{B^2D^2}{L}x$。
問8:単振動。$x$ の1次式で、$a=-\omega^2(x-x_0)$ の形に整理します。
これは単振動の式で、
手をはなした $x=0$ は速さが0の位置、つまり振動の端なので、中心までの距離がそのまま振幅になります。

第2問:誘導起電力の連鎖の型
| 小問 | やること | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 起電力 $vBD$ = コンデンサーの電圧 | $Q=CBDv$。向きは外積 |
| 問2・3 | $I=\Delta Q/\Delta t$、$F=IBD$ | $I\propto a$($v$ ではない) |
| 問4 | 棒とおもりを一体にして運動方程式 | $(m+M)a=Mg-CB^2D^2a$ |
| 問5・6 | $L\Delta I/\Delta t=BDv$ を足し合わせる | $I=BDx/L$($x=0$ で $I=0$) |
| 問7 | 運動方程式に $F=BD\cdot I$ を入れる | $x$ の1次式 → 単振動 |
| 問8 | $a=-\omega^2(x-x_0)$ の形に整理 | 中心は $a=0$ の点、振幅は端までの距離 |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 問1起電力の式が出ない → 「棒が磁場を横切る」と言い換えて $vBD$。コンデンサーの電圧に等しい
- 問2電流が $a$ で表せない → $Q=CBDv$ を時間で微分する($\Delta Q/\Delta t$)
- 問4運動方程式が合わない → 棒だけでなく、おもりも含めて $(m+M)a$。糸の張力は内力
- 問6$I$ が $x$ で表せない → $\Delta I=\frac{BD}{L}\Delta x$ を足し合わせ、$x=0$ で $I=0$
- 問8$\omega$ や $A$ が出ない → 問7を $a=-\omega^2(x-x_0)$ の形に変形し、手をはなした位置が端であることを使う
慈恵医大2026型 そっくり類題セット
(全2大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ2大問・各8問・同じ型で、設定と数値を変えたTMPSオリジナル問題です。円運動とエネルギー保存、衝突と最高点の条件、誘導起電力の連鎖、コンデンサーとコイルの違いを一通り練習できます。
印刷して、本番と同じように60分で解けます(本番は理科2科目で120分)。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 東京慈恵会医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 特に指示のない限り,重力加速度の大きさを $g$ とし,小球の大きさ・空気抵抗・摩擦・糸の質量は無視してよい。
- 「導出過程も示すこと」とある問いは,答えだけでなく,用いた法則と式の変形を答案に書くこと。
次の文を読み,問1〜問8に答えよ。
図1のように,なめらかな内面をもつ半径 $R$ の半円筒が水平な床に固定されている。半円筒の中心軸に垂直な鉛直面内を,質量 $m$ の小球が運動する。この鉛直面内での半円筒の中心軸の位置を O,最下点を P とする。
次に,図2のように,半径 $R$ の半円筒を水平な床に固定し,その最下点 P で,半径 $r\ \left(<\dfrac R2\right)$ の半円筒の左半分の内面がなめらかにつながるようにもう一つ固定した。二つの半円筒の中心軸は平行で,小さい半円筒の中心軸の位置を O’,最高点を Q とする。図2の点 B で質量 $M$ の小球1を静かにはなし,最下点 P に静止していた質量 $m$ の小球2に衝突させる。この衝突の反発係数を $e$ とし,小球1と小球2は同じ鉛直面内で運動するものとする。小球1の衝突後の運動は考えなくてよい。
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 半円筒の中の小球と衝突 の答えと解説
- 小球は半径 $R$ の円運動をしているので,円の中心 O の向きの運動方程式を立てる。垂直抗力 $N_{\rm A}$ は O 向き,重力は O から遠ざかる向きに $mg\cos\theta_{\rm A}$ の成分をもつ。
- $m\dfrac{v_1^{2}}{R}=N_{\rm A}-mg\cos\theta_{\rm A}$ より $N_{\rm A}=mg\cos\theta_{\rm A}+\dfrac{mv_1^{2}}{R}$。
- 静かにはなした場合($v_1=0$)は $mg\cos\theta_{\rm A}$ になる。速さの項が加わるぶんだけ大きくなる。
- 面はなめらかで,垂直抗力は運動の向きに仕事をしないので,力学的エネルギーが保存する。A は P より $R(1-\cos\theta_{\rm A})$ だけ高い。
- $\dfrac12mv_1^{2}+mgR(1-\cos\theta_{\rm A})=\dfrac12mv_{\rm P}^{2}$ より $v_{\rm P}=\sqrt{v_1^{2}+2gR(1-\cos\theta_{\rm A})}$。
- 半円筒といっしょに動く観測者から見ると,小球には重力 $mg$ のほかに,加速度と逆向き(下向き)に慣性力 $m\alpha$ がはたらく。合わせて下向きに $m(g+\alpha)$ なので,見かけの重力加速度は $g+\alpha$。
- 最下点から測った角 $\varphi$ のとき,接線方向の運動方程式は $mR\ddot\varphi=-m(g+\alpha)\sin\varphi\fallingdotseq-m(g+\alpha)\varphi$。
- これは角振動数 $\omega=\sqrt{\dfrac{g+\alpha}{R}}$ の単振動なので,$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi\sqrt{\dfrac{R}{g+\alpha}}$。
- 静止時は $2\pi\sqrt{R/g}$。$\alpha=3g$ なら $2\pi\sqrt{R/(4g)}$ で,ちょうど $\dfrac12$ 倍。
- B から P まで力学的エネルギーが保存する。B は P より $R(1-\cos\theta_{\rm B})$ だけ高いので,$MgR(1-\cos\theta_{\rm B})=\dfrac12MV_0^{2}$。
- よって $V_0=\sqrt{2gR(1-\cos\theta_{\rm B})}$(質量 $M$ は消える)。
- 水平方向の運動量保存:$MV_0=MV+mv$ …①。反発係数の式:$e=-\dfrac{V-v}{V_0-0}$ すなわち $v-V=eV_0$ …②。
- ②を $V=v-eV_0$ として①に代入すると $MV_0=M(v-eV_0)+mv$ より $v=\dfrac{(1+e)M}{M+m}V_0$。
- これを②に戻して $V=v-eV_0=\dfrac{M-em}{M+m}V_0$。
- 問5より $V=0$ となるのは $M-em=0$ のとき。よって $\dfrac Mm=e$。
- このとき $v=\dfrac{(1+e)M}{M+m}V_0=\dfrac{(1+e)\,em}{(1+e)\,m}V_0=eV_0$。衝突後の運動エネルギーは $\dfrac12mv^{2}=\dfrac12me^{2}V_0^{2}$。
- 衝突前は $\dfrac12MV_0^{2}=\dfrac12emV_0^{2}$ なので,衝突後は衝突前の $e$ 倍。失われたのは $1-e$ 倍。
- C の P からの高さは $r(1+\cos\varphi)$。力学的エネルギー保存より,C での速さ $v_{\rm C}$ は $\dfrac12mv_{\rm C}^{2}=\dfrac12mv^{2}-mgr(1+\cos\varphi)$,すなわち $v_{\rm C}^{2}=v^{2}-2gr(1+\cos\varphi)$。
- C での O’ 向きの運動方程式:垂直抗力 $N$ は O’ 向き,重力の O’ 向きの成分は $mg\cos\varphi$。$m\dfrac{v_{\rm C}^{2}}{r}=N+mg\cos\varphi$。
- $N=\dfrac{mv_{\rm C}^{2}}{r}-mg\cos\varphi=\dfrac{mv^{2}}{r}-2mg(1+\cos\varphi)-mg\cos\varphi=\dfrac{mv^{2}}{r}-2mg-3mg\cos\varphi$。
- $\varphi=0$(最高点 Q)なら $N=\dfrac{mv^{2}}{r}-5mg$。$\varphi=\pi$(P)なら $N=\dfrac{mv^{2}}{r}+mg$ で,向きの見当がつく。
- 問7で $\varphi=0$ とすると,Q での垂直抗力は $N_{\rm Q}=\dfrac{mv^{2}}{r}-5mg$。垂直抗力は $\cos\varphi$ が大きいほど小さくなるので,面から離れないための条件は Q で $N_{\rm Q}\geqq0$,すなわち $v^{2}\geqq5gr$(Q に届く条件もこれと同じ)。
- 問5より $v=\dfrac{(1+e)M}{M+m}V_0=\dfrac{\frac32\cdot3m}{4m}V_0=\dfrac98V_0$。問4と $R=4r$ より $V_0^{2}=2g\cdot4r(1-\cos\theta_{\rm B})=8gr(1-\cos\theta_{\rm B})$。
- $v^{2}=\dfrac{81}{64}\cdot8gr(1-\cos\theta_{\rm B})=\dfrac{81}{8}gr(1-\cos\theta_{\rm B})\geqq5gr$ より $1-\cos\theta_{\rm B}\geqq\dfrac{40}{81}$,すなわち $\cos\theta_{\rm B}\leqq\dfrac{41}{81}$。
- 半円筒なので B は O と同じ高さ以下,$\theta_{\rm B}\leqq90^{\circ}$ より $\cos\theta_{\rm B}\geqq0$。したがって $0\leqq\cos\theta_{\rm B}\leqq\dfrac{41}{81}$。
次の文を読み,問1〜問8に答えよ。
図3のように,鉛直上向きを $+z$ 方向とする直交座標系をとる。磁束密度の大きさ $B$ の一様な磁場が $-z$ 方向(鉛直下向き)にかかっている空間に,電気抵抗が無視できる2本の金属レールが水平面内で $x$ 軸に平行に間隔 $D$ で固定されている。2本のレールの $-x$ 方向の端は,電気抵抗が無視できる導線で電気容量 $C$ のコンデンサーにつながれている。レールの上には,質量 $m$ の導体棒がレールに垂直に置かれており,この導体棒に $+x$ 方向の一定の大きさ $F$ の力を加え続ける。導体棒はレールから外れることなく,レールと平行になめらかに運動する。導体棒に流れる電流は $+y$ 方向を正とする。
レールは十分に長く,導体棒がレールの端に到達することはない。レールと導体棒の接点における電気抵抗,電流がつくる磁場の影響,および空気抵抗は無視できる。最初,導体棒を手で押さえて静止させた。このとき,コンデンサーに電荷は蓄えられていなかった。導体棒から静かに手をはなすと,導体棒は運動を始め,速度が $v$ になったときの加速度は $a$ であった。
次に,図4のように,図3のコンデンサーを自己インダクタンス $L$ の,電気抵抗が無視できるコイルで入れ替えた。最初,導体棒を手で押さえて静止させ,その位置を $x=0$ とする。このとき導体棒に電流は流れていなかった。導体棒から静かに手をはなすと,導体棒は運動を始めた。電流の正の向きは図3と同じとする。
▶ 第2問 の答えと解説を見る
第2問 電磁誘導 の答えと解説
- 導体棒は磁場を横切るので,誘導起電力 $V=vBD$ が生じる。レールとコンデンサーの抵抗は無視できるので,コンデンサーの電圧は常にこの起電力に等しく,$Q=CV=CBDv$。
- 向きは外積で確かめる。正の電荷にはたらくローレンツ力は $\vec v\times\vec B$ の向き。$\vec v=(v,0,0)$,$\vec B=(0,0,-B)$ なので $\vec v\times\vec B=(0,\ vB,\ 0)$ で,$+y$ 向き。棒の $+y$ 側の端が高電位になり,そちらにつながる極板が正に帯電する。
- 微小時間 $\Delta t$ に速度が $\Delta v$ 増えると,$a=\dfrac{\Delta v}{\Delta t}$。このとき電気量は $\Delta Q=CBD\,\Delta v$ だけ増える。
- 電流は単位時間あたりに運ばれる電気量なので $I=\dfrac{\Delta Q}{\Delta t}=CBD\dfrac{\Delta v}{\Delta t}=CBDa$。向きは $+y$ 向き(正)。
- 電流が磁場から受ける力は $F’=IBD$。問2の $I=CBDa$ を代入して $F’=CB^{2}D^{2}a$。
- 向きは $\vec I\times\vec B$:$+y$ 向きの電流と $-z$ 向きの磁場より $(0,1,0)\times(0,0,-1)=(-1,0,0)$ で $-x$ 向き。棒の運動を妨げる向き(レンツの法則と一致)。
- 導体棒には $+x$ 向きに $F$,$-x$ 向きに $F’=CB^{2}D^{2}a$ がはたらくので,運動方程式は $ma=F-CB^{2}D^{2}a$。
- これを $a$ について解いて $a=\dfrac{F}{m+CB^{2}D^{2}}$。時間によらない一定の値なので,導体棒は等加速度運動をする。
- コイルは抵抗がないので,コイルの自己誘導起電力の大きさと,導体棒の誘導起電力 $vBD$ がつりあう。コイルの起電力は $L\dfrac{\Delta I}{\Delta t}$。
- よって $L\dfrac{\Delta I}{\Delta t}=BDv$ より $\dfrac{\Delta I}{\Delta t}=\dfrac{BDv}{L}$。
- 問5より $\dfrac{\Delta I}{\Delta t}=\dfrac{BD}{L}v$。$v=\dfrac{\Delta x}{\Delta t}$ なので,$\Delta I=\dfrac{BD}{L}\Delta x$。
- $x=0$ のとき $I=0$ だったので,両辺を足し合わせて $I=\dfrac{BD}{L}x$。
- 導体棒には $+x$ 向きに $F$,電流 $I$ が磁場から受ける $-x$ 向きの力 $IBD$ がはたらく。
- $ma=F-IBD=F-\dfrac{B^{2}D^{2}}{L}x$ より $a=\dfrac1m\left(F-\dfrac{B^{2}D^{2}}{L}x\right)$。
- 問7を変形すると $a=-\dfrac{B^{2}D^{2}}{mL}\left(x-\dfrac{FL}{B^{2}D^{2}}\right)$。$a=-\omega^{2}(x-x_0)$ の形なので単振動で,$\omega^{2}=\dfrac{B^{2}D^{2}}{mL}$,$\omega=\dfrac{BD}{\sqrt{mL}}$。振動の中心は $x_0=\dfrac{FL}{B^{2}D^{2}}$(力がつりあう位置)。
- $x=0$ で静止(速さ0)の位置から始めたので,そこが端。中心までの距離がそのまま振幅で $A=x_0=\dfrac{FL}{B^{2}D^{2}}$。
- 速さが最大になるのは中心を通るとき。$v_{\max}=A\omega=\dfrac{FL}{B^{2}D^{2}}\cdot\dfrac{BD}{\sqrt{mL}}=\dfrac{F}{BD}\sqrt{\dfrac Lm}$。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、設定・数値・条件を変えて作っています(第1問は問1の初速、問3の加速の向きを水平から鉛直に、問6を「球1が静止する条件」に、問8を $M=3m,\ e=1/2,\ R=4r$ に変更。第2問はおもりを一定の力 $F$ に置き換え、コンデンサーの極板の向き・問8の最大の速さを加えています)。全問の答えは、運動方程式と回路方程式の数値積分・記号計算で確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:慈恵医大の物理で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 東京慈恵会医科大学 医学部の物理2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第1問(半円筒の中の小球と衝突)に30分、第2問(コンデンサーとコイルの電磁誘導)に30分の、物理60分の配分です。本番は理科2科目で120分なので、物理に60分を使う想定です。どちらも問1〜問3が土台の問題なので、最初の3問を落とさずに通過し、後半の問7・問8で粘る使い方が基本になります。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各大問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・答える文字の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 導出過程も書く問題は、どこまで書けばいいですか?
本番では問2・問3(第1問)、問7(第1問)、問2・問4・問6・問7・問8(第2問)などで「導出過程も示すこと」とされています。このページでは、用いた法則(運動方程式・力学的エネルギー保存など)→式の立て方→変形→答え、の順に省略せず書いています。答案では、この「法則の名前」と「式の立て方」を必ず1行ずつ書くのが目安です。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全16問を、数式処理(sympy)と数値シミュレーション(運動方程式のRK4による数値積分、コンデンサー・コイルの回路方程式の数値解法)の両方で独立に確かめています。図を読んで決めた向き(磁場や電流の向き)だけは、ページ内に確認した根拠を書いています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ2大問・各8問の構成(半円筒と衝突・電磁誘導)で、設定と数値を変えたTMPSオリジナル問題です。全16問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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