――7月末に開催された「夏期深夜特訓合宿」が無事に幕を閉じました。先生ご自身も深夜学習にずっと付き添われましたが、終えてみての手応えはいかがですか?
ニックニ先生:正直、私自身も本当に大変な5日間でしたね(笑)。今回の合宿は、朝7時半に朝食で起きなければならなかったのですが、人によっては深夜まで勉強を続けました。私も彼らの限界学習に付き合いましたが、生徒たちにとっては「地獄のような大変さ」だったと思います。しかし、ということは裏を返せば、普段の日常ではそこまで自分を追い込んだ過酷な勉強はやっていない(やれていない)ということです。日常の自分の限界を飛び越える経験こそが、この合宿の価値です。
もちろん、ただ苦しいだけではなく、途中で仮眠を取ったり、花火をしたり、海に行って潮風を浴びるといった気分転換も適宜挟んでいます。オンとオフの切り替えをしながらも、基本的にはその5日間、ずーっと「超高品質」で密度の高い勉強が続いていました。この極限状態をやり遂げること自体が、自分の殻を破る非日常の体験になるのです。私自身も大変だと思ったので、参加した生徒たちはもっと大変だったでしょう。しかし、このような苦しくも楽しい体験は、日常ではなかなか経験できるものではありません。
特に、深夜の静まる空気の中で、講師と一対一で限界まで頭を使い切るという体験は、普段の授業では絶対にできない深い悩み相談や、勉強の本質に迫る特別な対話の時間になります。この合宿に参加した生徒は、10年後、たとえ医師になって忙しく働いている時であっても、「あの夏の合宿の時、自分はあれだけやったんだ」と、この合宿のことだけは鮮明に覚えているはずです。それは人生において、いざという時の「頑張りの起点(ベースライン)」として、生涯機能し続けることになります。
――限界を突破した生徒たちが、今まさに受験の天王山である「8月」に突入しています。これから合格ラインを突破するために、具体的にどのような戦略を立てるべきでしょうか?
ニックニ先生:まず、8月末にある記述模試で「偏差値60」を一つの基準としてしっかり取りにいくこと。入試本番を想定した「点をもぎ取るための通過儀礼」として本気で挑む必要があります。そこで勝つために必要なのは、何よりも「情報戦」です。試験に「何が出るのか? 何が出ないのか?」。時間はタイムリミットに向けて限られており、もう無駄にする余地はありません。試験に出ない重箱の隅をつつくような勉強に時間をかけて、結局点数が取れなくていいのか?ということです。もちろん、目先の模試に出る内容だけを狭くやるのも危険です。全体を見据えた情報のマネジメント(バランス)こそが、勝負を分けます。
そしてもう一つ大事なのが、「基礎学力のバグ修正(デバッグ)」です。実は夏合宿で、私が取り組んだことのほぼ全てがこれでした。模試や過去問で点が伸び悩んでいる生徒は、応用ができないのではなく、ほぼ例外なく「知識の抜け」や「計算間違い」といった基礎レベルのバグ(弱点)だらけです。ここをデバッグしなければ、どれだけ勉強時間を増やしても点になりません。合宿では、この基礎のバグ出しと修復を、日常のざっくり10倍以上の密度でやり切りました。この「綺麗に整えられた基礎の土台」があって初めて、8月の情報戦が点数として結実します。
まもなく控えている8月末の「第2回全統記述模試」で確実に結果を出すための、偏差値60の壁を超えるための特訓講義をお届けします。まず、以下の典型問題に挑戦してみてください。減点されない完璧な記述答案を作成することができますか?
この問題、偏差値60未満の受験生は高確率で手が止まるか、あるいは減点の罠(バグ)に引っかかります。しかし、偏差値65以上の受験生であれば「またこのパターンか」とスラスラと完答するでしょう。この差を生むのは、受験数学が「情報戦」であることを理解しているかどうかにあります。この問題の本質と完璧な記述アプローチを以下に開示します。
ステップ①:定義域と導関数の計算
対数関数 $\log x$ を含むため、定義域は $x > 0$ であることを答案の最初に明記しなければなりません。この一言がないだけで記述試験では即座に部分点が失われます。
$f(x)$ を微分すると、積の微分公式 $(uv)' = u'v + uv'$ より、
ステップ②:極値を持つ条件の言い換え
$f(x)$ が極値を2個持つための必要十分条件は、導関数 $f'(x)$ の符号が変化する(正から負、または負から正)実数解が $x > 0$ の範囲に2個存在することです。すなわち、
ステップ③:定数分離法の実践
$a > 0$ より、両辺を $ax$ で割ることで、定数 $a$ を綺麗に分離させます。
ステップ④:極限値と増減の確認
$g(x) = \frac{\log x}{x}$ を微分すると、商の微分より、
このように、事前に「定義域の罠」「極限の極値変化」「定数分離法」を頭のOSにライブラリ化(ド定番の定着)していれば、本番で思考エネルギーを1ミリも無駄遣いすることなく完答できます。情報の海を本質で照らし、記述模試を支配しましょう。
WEBサイト上では、今回収録した「記述模試・偏差値60突破講義(数学Ⅲ極値条件の罠)」の完全版コラムをはじめ、ニックニ先生の理系コーチングメソッド、受験生の心理的ボトルネックを取り除く脳内デトックス法などを毎日発信しています。保護者様と生徒様を強固に繋ぎ、医学部合格へと最短で導く「合格の本質」をぜひWebサイトでご覧ください!
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