A〜G:呼吸の供与体は、解糖系(ア)とクエン酸回路(イ)でつくられる NADH(A)と $\mathrm{FADH_2}$(B)。光合成の供与体 C は $\mathrm{H_2O}$、亜硝酸菌の D は $\mathrm{NH_4^+}$、硝酸菌の E は $\mathrm{NO_2^-}$。受容体は、呼吸と化学合成では $\mathrm{O_2}$(F)、光合成では $\mathrm{NADP^+}$(G)。
ア〜オ:ア=解糖系、イ=クエン酸回路、ウ=光化学系Ⅱ(水から電子を取り出すところ)、エ=光化学系Ⅰ(電子を再び高い状態にし、$\mathrm{NADP^+}$ を還元する)、オ=還元。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。選択肢の番号は本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 記述の大問は、答案の一例を載せています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2024年度の順天堂大の生物
- ✅ 2科目で120分(生物は1科目分)。第1問〜第3問はマーク式(解答番号は各18〜19個)、最後の大問は記述式です。
- ✅ 第1問は電子伝達系(解答番号1〜18)。呼吸・光合成・化学合成に共通する「電子供与体と電子受容体」を整理し、グルコース1分子から生じるNADHやFADH₂の数、膜をはさんだ電子伝達の概略図まで問います。
- ✅ 第2問は遺伝子工学(解答番号1〜19)。PCRの条件、制限酵素と電気泳動から「どの塩基がどう変わったか」を読み取る問い、大腸菌でタンパク質をつくる手順の空欄補充です。
- ✅ 第3問はヒトの視覚(解答番号1〜18)。眼の構造と視細胞、視覚の伝わり方、視神経の切断による視野の欠け方を問います。
- ✅ 記述は生態系の撹乱と絶滅。生息地の分断化から絶滅の渦までの流れの空欄補充、中規模の撹乱、近交弱勢の説明、大量絶滅の根拠の記述です。

生物 60分の立ち回りマップ
2科目120分を生物60分・もう1科目60分として配分した場合のTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。数字は解答番号、記号は選択肢の番号です。
第1問(解答番号1〜18)
第2問(解答番号1〜19)
第3問(解答番号1〜18)
記述(答えと答案の一例)
※ 検算:第2問 問3(遺伝暗号と制限酵素の部位)は、領域の塩基配列に1塩基置換を全通り加えて列挙し、XbaIとTaqIの認識配列ができる置換がそれぞれ1通りだけ(どちらも61番のコドン)であることを確かめました。第1問の数(NADH、FADH₂、電子の数)と、第3問 問2(3)の視野の欠け方は、モデルを作って全パターンを再現しました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 電子伝達系 ── 「供与体」と「受容体」を表にして整理する
呼吸・光合成・化学合成を、「電子を渡すもの」と「電子を受け取るもの」で横に並べる問題です。表を1つ作ると、ほぼ全問が連動して決まります。
問1 (解答番号1〜12)電子供与体・電子受容体と、光合成の仕組みの空欄
電子伝達は、呼吸・光合成・化学合成に共通する仕組み。電子供与体と電子受容体が、それぞれの反応で何かを表す文章があり、A〜Gが何の物質か、ア〜オが何の反応・過程かを答える。
- A〜G(解答番号1〜7):選択肢①〜⑫(水、亜硝酸イオン、硝酸イオン、アンモニウムイオン、酸素、硫化水素、$\mathrm{NADP^+}$、NADPH、$\mathrm{NAD^+}$、NADH、FAD、$\mathrm{FADH_2}$)から選ぶ
- ア〜オ(解答番号8〜12):光化学系Ⅰ・Ⅱ、カルビン・ベンソン回路、クエン酸回路、解糖系、酸化、還元から選ぶ
3つの反応を横に並べる
| 電子供与体 | 電子受容体 | |
|---|---|---|
| 呼吸 | 解糖系・クエン酸回路でつくられる NADH と $\mathrm{FADH_2}$ | $\mathrm{O_2}$ |
| 光合成 | $\mathrm{H_2O}$ | $\mathrm{NADP^+}$ |
| 化学合成(亜硝酸菌・硝酸菌) | 亜硝酸菌:$\mathrm{NH_4^+}$、硝酸菌:$\mathrm{NO_2^-}$ | $\mathrm{O_2}$ |
問2〜問5 (解答番号13〜16)還元作用の強弱と、グルコース1分子あたりの数
文章の空欄 a〜d は、供与体の還元作用が「強い/弱い」、受容体の還元作用が「強い/弱い」かを答える所。そのあとで、呼吸と光合成の「数」を問う。
- 問2:a〜dに入る「強」「弱」の組み合わせを4通りから選ぶ(解答番号13)
- 問3:呼吸でグルコース1分子から生じるA(NADH)の数を選ぶ(解答番号14、選択肢は1〜12)
- 問4:同じくB($\mathrm{FADH_2}$)の数を選ぶ(解答番号15)
- 問5:光合成で、2分子の電子供与体Cから供給される電子が、最終的に何分子の電子受容体Gに受け取られるかを選ぶ(解答番号16)
問2:電子は還元作用の強い物質(電子を手放しやすい)から弱い物質へ自然に流れる。呼吸の供与体 A・B は還元作用が強く(a)、受容体は $\mathrm{O_2}$ に近づくほど還元作用が弱い(b)。光合成の供与体 C(水)は還元作用が弱く(c)、受容体 G は還元作用が強い(d)ので、光エネルギーで電子を高い状態にする必要がある。→ 強・弱・弱・強。
問3:10分子。問4:$\mathrm{FADH_2}$ はクエン酸回路の2分子。
問5:$2\mathrm{H_2O}\to\mathrm{O_2}+4\mathrm{H^+}+4e^-$ で電子は4個。$\mathrm{NADP^+}$ は電子2個ずつ受け取る($\mathrm{NADP^++2H^++2e^-\to NADPH+H^+}$)ので、$4\div2=2$ 分子。
問6 (解答番号17・18)電子伝達の概略図を選ぶ
膜に埋め込まれたタンパク質の列と ATP合成酵素が描かれた8枚の図。図には、膜の上下(X側・Y側)、電子の供与体 a と受容体 b が出入りする側、ATP が合成される側が矢印で示されている。X は「ミトコンドリアのマトリックス、あるいは葉緑体のストロマ」、Y は「ミトコンドリアの膜間腔、あるいは葉緑体のチラコイド内腔」。
- (1) ミトコンドリアの電子伝達系の概略図を、①〜⑧から選ぶ(解答番号17)
- (2) 光合成(光化学系を含む)の電子伝達系の概略図を、①〜⑧から選ぶ(解答番号18)
どちらも、H⁺ は「X側 → Y側」へ汲み出され、ATP合成酵素をY側 → X側に戻るときに、X側でATPが合成される。
(1) ミトコンドリア:供与体 a(NADH など)はマトリックス(X側)で電子を放ち、受容体 b($\mathrm{O_2}$)もマトリックス側で電子を受け取り水になる。ATP はマトリックス側(X)。→ a・b・ATP がすべて X 側の図 ⑦。
(2) 光合成:供与体 a(水)は内腔側(Y)で分解され、受容体 b($\mathrm{NADP^+}$)はストロマ側(X)で還元される。ATP はストロマ側(X)。→ a が Y、b と ATP が X の図 ⑤。

第1問:型と着眼点
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 供与体・受容体 | 呼吸=NADH・$\mathrm{FADH_2}$ → $\mathrm{O_2}$、光合成=$\mathrm{H_2O}$ → $\mathrm{NADP^+}$ |
| 問2 | 強弱 | 電子は還元作用の強い方から弱い方へ |
| 問3〜5 | 数 | NADH 10、$\mathrm{FADH_2}$ 2、電子4個で $\mathrm{NADP^+}$ 2分子 |
| 問6 | 概略図 | H⁺ は X → Y、ATP は X 側。a と b の側で絞る |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 問1物質が決まらない → 呼吸・光合成・化学合成の「供与体」「受容体」を表にして書き出す
- 問2強弱が決まらない → 「電子は強い方から弱い方へ」。光合成だけは光エネルギーで逆向きに持ち上げる
- 問3・4数がずれる → 解糖系・ピルビン酸の変換・クエン酸回路に分けて足す
- 問5電子の数が分からない → $2\mathrm{H_2O}$ から電子4個、$\mathrm{NADP^+}$ は2個ずつ
- 問6図が選べない → ATP の側 → a と b の側、の順に消去
第2問 遺伝子工学 ── 遺伝暗号と制限酵素を「表」で突き合わせる
PCR、制限酵素による切断、大腸菌での大量生産の3本立て。問3だけは考える時間が必要なので、先に問1・問2・問4の空欄を取ってから入ります。
問1・問2 (解答番号1〜6)PCR法の材料と温度条件
皮膚がんの原因になる遺伝子の変異を調べるため、PCR法で遺伝子Xを含む領域を増幅する。反応条件のグラフ(温度と時間)が与えられ、ア・イ・ウの3つの段階に入る温度を答える。
- 問1:PCRで必要な酵素(解答番号1)、プライマー(解答番号2)、材料(解答番号3)を選ぶ
- 問2:PCRの反応条件を表したグラフの、ア・イ・ウに入る段階の温度を選ぶ(解答番号4〜6)
問1:新しいDNA鎖を合成する酵素はDNAポリメラーゼ(②)、合成の開始点になる短い一本鎖はDNAプライマー(①)、材料は4種のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(③)。
問2:ア=二本鎖を解く熱変性(約95℃)、イ=プライマーを結合させる(約60℃)、ウ=DNAポリメラーゼが合成する(約72℃)。グラフの形(高 → 低 → 中)から読める。
問3 (解答番号7〜12)制限酵素で切れ方が変わる = どこが、何から何へ変わったか
遺伝子Xの一部の塩基配列と、2つの制限酵素(XbaI、TaqI)が認識する配列、アガロースゲル電気泳動の結果、遺伝暗号表が与えられる。皮膚がんA・Bでは1つの塩基が置換しており、PCR産物を2種類の酵素で切ったとき、どの酵素で切れるかが違う。
- 表の a〜f に入る答えを、選択肢から選ぶ(解答番号7〜12)。a=皮膚がんAでアミノ酸の置換が起きた番号、b=置換前のアミノ酸、c=置換後のアミノ酸、d・e・f=皮膚がんBについて同じ内容
- 番号の選択肢は59〜68(①〜⑩)、アミノ酸の選択肢は10種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、プロリン、ヒスチジン、トリプトファン)
ステップ1 ゲルの結果を読む:正常な皮膚の増幅産物は、どちらの酵素でも切れない。皮膚がんAは XbaI で、皮膚がんBは TaqI で切れ、どちらも約90と約120塩基対の2本に分かれる(合わせて約210塩基対 = 切れなかったときの長さ)。
ステップ2 新しい切断部位が「できた」:どちらの酵素も、もとの配列には認識配列がない。1塩基が置換して認識配列ができたと考える。
ステップ3 場所を決める:領域の配列に、1塩基置換を全通り加えて、XbaI(TCTAGA)やTaqI(TCGA)の認識配列が新しくできるものを探すと、61番のコドン CAA(グルタミン)の2つ目の塩基 Aが変わるときだけ、それぞれ1通りで認識配列ができる。
・A → T:CAA → CUA(mRNA)。DNAでは前後の GGT・GAA とつながって TCTAGA(XbaI)ができる。ロイシン。
・A → G:CAA → CGA。TCGA(TaqI)ができる。アルギニン。
皮膚がんAとB
| 番号(a・d) | 前(b・e) | 後(c・f) | 切れる酵素 | |
|---|---|---|---|---|
| 皮膚がんA | 61(③) | グルタミン(⑤) | ロイシン(②) | XbaI |
| 皮膚がんB | 61(③) | グルタミン(⑤) | アルギニン(⑦) | TaqI |
問4 (解答番号13〜19)大腸菌で酵素Xを大量につくる手順の空欄
酵素Xの遺伝子を大腸菌に導入して大量に産生させる手順の説明文。遺伝子の運び屋、環状のDNA、取り除くもの、残すもの、転写させる酵素、遺伝子の上流につなぐ配列、2つのDNA片をつなぐ酵素、を答える。
- 空欄 エ〜コ(解答番号13〜19)に入る語句を、①〜⑫(ゲノム、オペレーター、プラスミド、アグロバクテリウム、エキソン、イントロン、プロモーター、ベクター、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、RNAリガーゼ、RNAポリメラーゼ)から選ぶ
遺伝子はベクター(エ)に組み込んで導入する。ベクターとして使われる、自身のDNAとは別に増える環状のDNAがプラスミド(オ)。
転写後のしくみが大腸菌には無く、真核生物の遺伝子からイントロン(カ)を取り除いて、開始コドンから終止コドンまでがエキソン(キ)だけの DNA を用意する。大腸菌のRNAポリメラーゼ(ク)に転写させるため、大腸菌で働くプロモーター(ケ)の下流に配置する。2つのDNA片はDNAリガーゼ(コ)でつなぐ。

第2問:型と着眼点
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | PCRの材料 | 酵素、プライマー、ヌクレオチド |
| 問2 | PCRの温度 | 熱変性 → アニーリング → 伸長(約95・60・72℃) |
| 問3 | 変異の特定 | ゲルで切れる酵素を読み、認識配列が1塩基でできる場所を探す |
| 問4 | 大腸菌での産生 | ベクター、イントロンの除去、プロモーター、リガーゼ |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 問1・2用語が出ない → PCRの3段階(熱変性・アニーリング・伸長)と、そこに必要な物を書き出す
- 問3場所が決まらない → 認識配列を1文字ずつずらして、もとの配列と1文字しか違わない場所を探す
- 問3アミノ酸が引けない → 暗号表で、そのコドンの「2文字目」だけを変える
- 問4空欄が埋まらない → 「導入 → 切る → つなぐ → 転写」の順に、使う道具を並べる
第3問 ヒトの視覚 ── 網膜の層と、視神経が切れたときの視野
網膜の断面図の読み取りと、視覚が脳に伝わる経路の問題。経路は「図を描いて切断位置を1つずつ確かめる」と必ず解けます。
問1 (解答番号1〜11)網膜の断面図と視細胞
網膜の縦断面の図に a〜g の層・細胞の記号が付いている。それぞれが何かを答え、視細胞とロドプシンの性質を問う。
- (1) 図の a〜g(解答番号1〜7):9つの選択肢(結膜、強膜、角膜、脈絡膜、連絡神経細胞、桿体細胞、色素細胞、視神経細胞、錐体細胞)から選ぶ
- (2) 視細胞として適当なものをすべて選ぶ(解答番号8。複数をマークする)
- (3) 視物質ロドプシンをもつものを選ぶ(解答番号9)
- (4) ロドプシンに関する記述を選ぶ(解答番号10)
- (5) 図の W〜Z のうち、光の進む向きを選ぶ(解答番号11)
網膜は、光が入る側(ガラス体側)から、視神経細胞 → 連絡神経細胞 → 視細胞 → 色素細胞 → 脈絡膜 → 強膜の順に層をなす。光は視神経細胞の側(W)から入り、視細胞に届く。
図の a=視神経細胞(⑧)、b=連絡神経細胞(⑤)、c=桿体細胞(⑥)、d=錐体細胞(⑨)、e=色素細胞(⑦)、f=脈絡膜(④)、g=強膜(②)。視細胞は c と d の両方(③④)。ロドプシンをもつのは桿体細胞の c(③)。
ロドプシンは、ビタミンAからつくられるレチナールと、タンパク質オプシンからなる。光を受けるとレチナールの構造が変わり、オプシンから離れて視細胞が興奮する(③)。
問2 (解答番号12〜18)視覚中枢、像の向き、視神経が切れたときの視野
左右の眼から脳(左右の視覚野)への経路の図(図2)に、切断位置 a〜e が太い線で示される。a は左眼の視神経、c は交差部の中央、2か所の d は交差部の外側、b と e は左右の視索。
- (1) 視覚中枢のある大脳の部位を選ぶ(解答番号12)
- (2) 網膜に映る像の上下左右の向きを選ぶ(解答番号13)
- (3) 図2の a〜e(解答番号14〜18):眼球に異常がないとき、視神経が a〜e の位置で遮断された場合の、左右の眼の視野の欠け方を、6つの図(①〜⑥、黒=欠けた部分)からそれぞれ選ぶ
(1) 視覚中枢は後頭葉(④)。(2) 水晶体で光が屈折し、網膜には上下左右が逆の像が結ばれる(④)。
(3) まず、線維の通り道を決める。鼻側網膜(外側の視野を見る)の線維は視交叉で交差して反対側へ、耳側網膜(内側の視野を見る)の線維は交差せず同じ側の視索を通る。
6つの図との対応
| 位置 | 途切れる線維 | 視野の欠け | 選択肢 |
|---|---|---|---|
| a 左眼の視神経 | 左眼の全線維 | 左眼がすべて見えない | ⑥ |
| b 左の視索 | 左眼の耳側網膜+右眼の鼻側網膜 | 両眼とも右半分が欠ける(右同名半盲) | ④ |
| c 視交叉の中央 | 交差する線維(両眼の鼻側網膜) | 両眼の耳側(外側)が欠ける(両耳側半盲) | ① |
| d 視交叉の外側 | 交差しない線維(両眼の耳側網膜) | 両眼の鼻側(内側)が欠ける(両鼻側半盲) | ③ |
| e 右の視索 | 右眼の耳側網膜+左眼の鼻側網膜 | 両眼とも左半分が欠ける(左同名半盲) | ② |

第3問:型と着眼点
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1(1) | 図の読み取り | 光の入る側から、視神経細胞 → 連絡神経細胞 → 視細胞 → 色素細胞 → 脈絡膜 → 強膜 |
| 問1(2)〜(5) | 視細胞・ロドプシン | 桿体と錐体の両方、ロドプシンは桿体、ビタミンA |
| 問2(1)(2) | 視覚中枢・像の向き | 後頭葉、上下左右が逆 |
| 問2(3) | 視野の欠け | 鼻側網膜の線維は交差、耳側は交差しない |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- 問1(1)層の順番が分からない → 光の入る向きから、神経細胞 → 視細胞 → 色素細胞 の順に並べる
- 問1(2)1つしかマークしない → 「全て選べ」は桿体と錐体の両方
- 問2(3)視野が混乱する → 図に線維を描き、切断位置から先が途切れる線維に×をつける
- 問2(3)左右が逆になる → 脳の左側は視野の右側を担当する
記述 生態系の撹乱と絶滅 ── 用語の空欄と、短い説明2つ
生息地の分断化 → 小さな個体群 → 絶滅の渦、という流れの空欄補充と、中規模の撹乱・大量絶滅の根拠の短い記述です。
問1生息地の分断化から、大量絶滅まで(空欄 ア〜チ)
2つの文章。1つめは、生息地の分断化によって小さな個体群が孤立し、出生率・生存率の低下、アリー効果、近交弱勢、遺伝的多様性の減少を経て、絶滅の渦に至る流れ。2つめは、過去の大量絶滅(古生代最大のものと、中生代最後のもの)の説明。
- 空欄 ア〜チ(15個)に、最も適当な語句を記入する(一部の空欄には、解答欄内に文字が補ってある)
前半:生息地の「ア(分断)」化でできる小さな個体群が「イ(局所個体群)」。これらの交流がなくなる状態が「ウ(孤立)」。個体数が少ない集団では、「エ(偶然)」によって性比が大きく偏ることがあり、次世代の「オ(出生)」率の低下につながる。また、災害や捕食で多くが死ぬと「カ(生存)」率の低下が起こる。「キ(個体群密度)」が低下するとアリー効果が現れ、絶滅の危険性につながる。
小さな個体群では、近交弱勢や「ク(遺伝的浮動)」の影響が強い。「ケ(遺伝的多様性)」が失われると、環境変化や新しい病原菌に対応できない個体が生じる。こうした過程が連動して絶滅に向かう現象が「コ(絶滅の渦)」。
後半:最大規模の大量絶滅は「サ(古生代)」の「シ(ペルム)」紀末。火山活動で気候が急変し、「ス(光合成)」が抑制されて海中の「セ(酸素)」が低下したとされる。最後の大量絶滅は「ソ(中生代)」の「タ(白亜)」紀末で、「チ(恐竜)」類やアンモナイトなどが絶滅した。
問2中規模の撹乱と多様性
「強いかく乱は多様性を損なうが、中規模のかく乱は多種の共存をもたらす」という考えを、極相林に当てはめる問題。
- (1) 極相林における中規模の撹乱で生じる、林冠が比較的広くとぎれた空間を何というか。カタカナ4文字で答える
- (2) 極相林での中規模の撹乱によって樹種が多様になる理由を、「林床」「陰樹」の2語を用いて、句読点を含め50字以内で説明する
(1) ギャップ(林冠が途切れてできる空間。ギャップ更新)。
(2) 答案例:林冠が開いて林床に光が届き、陽樹も陰樹も芽ばえて育つので、多様な樹種が共存できる。(41字)
ポイントは、「ギャップ → 林床が明るくなる → 陽樹・陰樹の両方が育つ → 多種が共存」の流れ。「林床」と「陰樹」を必ず入れる。
問3近交弱勢の説明(空欄 ツ〜ニ)
近交弱勢を、遺伝子と接合の言葉で説明する文章。
- 「近交弱勢とは、適応度を低下させる[ツ]性の[テ]が、[ト]によって[ナ]接合になることで[ニ]型に現れやすくなる現象である」の空欄 ツ〜ニを埋める
ツ 有害、テ 潜性(劣性)遺伝子、ト 近親交配、ナ ホモ(同型)、ニ 表現(形質)。
有害な潜性遺伝子は、ふつうはヘテロ接合では隠れている。近親交配で親の遺伝子が重なると、ホモ接合になって表現型に現れやすい。
問4大量絶滅の根拠
白亜紀末の大量絶滅の原因を巨大いん石の衝突とする説の、証拠を問う。
- 下線部(巨大いん石の衝突による火災・粉じん・寒冷化という推測)の根拠として、この地質時代の境界層における地球規模での調査結果を、句読点を含め40字以内で説明する
答案例:世界各地の境界層に、隕石に多く含まれるイリジウムが高濃度で見つかる。(34字)
地殻にはイリジウムが少ないが、隕石には多い。白亜紀末の境界層に、世界各地でイリジウムが異常に多いという調査結果が、いん石の衝突の証拠とされた。

記述:型と着眼点
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 空欄補充 | 分断化 → 孤立 → 小さな個体群 → 絶滅の渦、大量絶滅の年代と原因 |
| 問2 | ギャップと多様性 | 光が林床に届き、陽樹も陰樹も育つ |
| 問3 | 近交弱勢 | 有害な潜性遺伝子が、近親交配でホモ接合になる |
| 問4 | 大量絶滅の根拠 | 境界層のイリジウム |
🩺【自己診断】記述で手が止まった人への処方箋
- 問1空欄が埋まらない → 前半は「分断化 → 孤立 → 小さな個体群」、後半は「古生代・中生代」の順に年代を決める
- 問2(2)字数に収まらない → 指定語を先に書き、「〜なので、〜できる」の1文にする
- 問3用語が出ない → 「潜性遺伝子がホモ接合になる」の流れで言葉を並べる
- 問4根拠が出ない → 白亜紀末の境界層 = イリジウム
順天堂大2024型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)
2024年度の本番と同じ構成(第1問、第2問、第3問、記述)で、題材と数値を変えたTMPSオリジナル問題です。用語を正確に取る力、表で整理して解く力の練習に使ってください。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 順天堂大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
次の文章を読み、以下の各問い(問1〜問6)に答えよ。〔解答番号 1 〜 11〕
上の文の空欄 1〜6 に当てはまる最も適当な語句を、次の①〜⑨のうちからそれぞれ一つ選べ。(同じものを何度選んでもよい)
① NADH ② NADPH ③ $\mathrm{O_2}$
④ $\mathrm{H_2O}$ ⑤ $\mathrm{H^+}$ ⑥ $\mathrm{CO_2}$
⑦ $\mathrm{NAD^+}$ ⑧ $\mathrm{NADP^+}$ ⑨ ATP
a 解糖系は細胞質基質で行われ、グルコース1分子あたり正味2分子のATPが生じる。
b クエン酸回路に関わる酵素は、ミトコンドリアの内膜に存在する。
c 光化学系Ⅰで、電子は $\mathrm{NADP^+}$ に渡されて NADPH が生じる。
d 電子伝達系によるATP合成は、酸素がなくても同じ速さで進む。
① a, b ② a, c ③ a, d
④ b, c ⑤ b, d ⑥ c, d
① 24分子 ② 26分子
③ 28分子 ④ 30分子
⑤ 32分子 ⑥ 34分子
① 1個 ② 2個
③ 4個 ④ 6個
⑤ 8個
① 1分子 ② 2分子
③ 4分子 ④ 8分子
⑤ 10分子
① $\mathrm{H^+}$ はマトリックス側から膜間腔側へ運ばれ、ATPはマトリックス側で合成される
② $\mathrm{H^+}$ はマトリックス側から膜間腔側へ運ばれ、ATPは膜間腔側で合成される
③ $\mathrm{H^+}$ は膜間腔側からマトリックス側へ運ばれ、ATPはマトリックス側で合成される
④ $\mathrm{H^+}$ は膜間腔側からマトリックス側へ運ばれ、ATPは膜間腔側で合成される
▶ 大問Ⅰ 第1問(エネルギー変換) の答えと解説を見る
大問Ⅰ 第1問(エネルギー変換) の答えと解説
- 呼吸の電子伝達系に電子を渡す還元型補酵素は NADH($\mathrm{FADH_2}$ も同じ役)。電子の最終的な受容体は酸素で、$\mathrm{O_2}$ が電子と $\mathrm{H^+}$ を受け取って水ができる。
- 膜をはさんだ濃度差をつくるのは $\mathrm{H^+}$。光合成では光化学系Ⅱで水が分解され、電子・$\mathrm{H^+}$ とともに酸素が出る。
- a は正しい(解糖系は細胞質基質)。b は誤り(クエン酸回路の酵素はマトリックスにある)。c は正しい。d は誤り(酸素が電子の最終受容体なので、なければ止まる)。
- 正しいのは a と c。
- グルコース1分子から生じる NADH は、解糖系2、ピルビン酸の変換2、クエン酸回路6の計10分子、$\mathrm{FADH_2}$ は2分子。
- 汲み出される $\mathrm{H^+}$ は $10\times10+2\times6=112$ 個。$112\div4=28$ 分子。(解糖系とクエン酸回路での基質レベルのATP4分子は含まない)
- $2\mathrm{H_2O}\to\mathrm{O_2}+4\mathrm{H^+}+4e^-$。$\mathrm{O_2}$ 1分子あたり $\mathrm{H^+}$ は4個、電子も4個。
- 電子4個 $\div$ 2個 $=2$ 分子。
- 電子伝達系は $\mathrm{H^+}$ をマトリックスから膜間腔へ汲み出す。ATP合成酵素を $\mathrm{H^+}$ が逆向きに(膜間腔 → マトリックス)通るとき、ATPはマトリックス側でつくられる。
次の文章を読み、以下の各問い(問1〜問4)に答えよ。〔解答番号 1 〜 14〕
(1) 新しいDNA鎖を合成する酵素 1 (2) 合成の開始点になる短い一本鎖 2 (3) 合成の材料 3
① RNAプライマー ② 4種のリボヌクレオシド三リン酸 ③ 耐熱性DNAポリメラーゼ
④ 制限酵素 ⑤ DNAプライマー ⑥ DNAリガーゼ
⑦ 4種のデオキシリボヌクレオシド三リン酸
DNAを一本鎖にする段階 4 プライマーを結合させる段階 5 DNAを合成する段階 6
① 4 ② 25 ③ 37 ④ 55
⑤ 65 ⑥ 72 ⑦ 94 ⑧ 100
① 122 ② 123 ③ 124 ④ 125 ⑤ 126
① フェニルアラニン ② ロイシン ③ セリン
④ イソロイシン ⑤ グリシン ⑥ アルギニン
① DNAポリメラーゼ ② 逆転写酵素 ③ 制限酵素 ④ DNAリガーゼ
⑤ cDNA ⑥ ゲノムDNA ⑦ イントロン ⑧ プロモーター
▶ 大問Ⅱ 第2問(遺伝子工学) の答えと解説を見る
大問Ⅱ 第2問(遺伝子工学) の答えと解説
- 鎖を合成する酵素は、高温でも壊れない耐熱性DNAポリメラーゼ。合成の開始点は、DNAでできたプライマー。材料はデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)。
- 二本鎖を一本鎖にする熱変性は約94℃、プライマーを結合させる段階は約55℃、耐熱性DNAポリメラーゼが合成する段階は約72℃。
- EcoRI部位 GAATTC は、GGA と UUU(DNAでは TTT)の間で、TTT → ATT と変わると GGA·ATT·CTC から GAATTC ができる。Sau3AI部位 GATC は、TTT → TCT と変わると GGA·TCT から GATC ができる。どちらも124番目のコドンの1つの塩基の置換。
- UUU はフェニルアラニン。患者Cは UUU → AUU でイソロイシン、患者Dは UUU → UCU でセリン。
- mRNA からDNAを合成する酵素は逆転写酵素で、できたDNAがcDNA。環状のDNA(プラスミド)は制限酵素で切り、DNAリガーゼでつなぐ。
- ヒトの mRNA はイントロンがすでに除かれているので、イントロンのない cDNA を使えば、大腸菌でもタンパク質をつくれる。
次の文章を読み、以下の各問い(問1〜問3)に答えよ。〔解答番号 1 〜 11〕
① 収縮する ② ゆるむ ③ 厚くなる
④ 薄くなる ⑤ 拡大する ⑥ 縮小する
①盲斑 ②黄斑 ③脈絡膜 ④強膜 ⑤毛様体
①夜盲症 ②色覚異常 ③緑内障 ④白内障 ⑤近視
p 左眼の視神経(視交叉より眼球側) q 視交叉の中央(左右の眼から交差する線維が通る部分) r 視交叉の外側(左右とも、交差しない線維が通る部分) s 左の視索(視交叉と大脳の間) t 右の視索
〔解答番号 p:7 q:8 r:9 s:10 t:11〕
②両眼とも右半分の視野が欠ける
③両眼の耳側の視野が欠ける
④両眼の鼻側の視野が欠ける
⑤両眼とも左半分の視野が欠ける
⑥右眼の視野がすべて欠ける
▶ 大問Ⅲ 第3問(眼と視覚) の答えと解説を見る
大問Ⅲ 第3問(眼と視覚) の答えと解説
- 近くを見るときは毛様体が収縮 → チン小帯がゆるむ → 水晶体が自身の弾力で厚くなる。明るい場所では瞳孔は縮小する。
- 錐体細胞は、視軸が網膜と交わる黄斑に最も多く集まっている。盲斑には視細胞がない。
- 桿体細胞の視物質ロドプシンは、ビタミンAからつくられるレチナールを含む。不足すると暗い所で見えにくくなる(夜盲症)。
- 鼻側の網膜(耳側の視野を見る)の線維は視交叉で交差し、耳側の網膜(鼻側の視野を見る)の線維は同じ側を進む。
- p:左眼の線維がすべて遮断され、左眼が見えない。q:交差する線維が切れ、両眼の耳側の視野が欠ける。r:交差しない線維が切れ、両眼の鼻側の視野が欠ける。
- s:左の視索には、左眼の耳側網膜と右眼の鼻側網膜の線維が通る。これらは右側の視野を見ているので、両眼とも右半分が欠ける。t:同様に両眼とも左半分が欠ける。
次の各問いの答えを解答用紙に記しなさい。
上の文の空欄ア〜クに最も適当な語句を記入せよ。
生物濃縮とは、体内で ケ されにくい物質が、コ を通じて、栄養段階の サ 生物ほど高い濃度になる現象である。
▶ 大問Ⅳ 記述(生物多様性の保全) の答えと解説を見る
大問Ⅳ 記述(生物多様性の保全) の答えと解説
- ア:外来生物(外来種)。イ:富栄養化。ウ:湖沼ではアオコ(水の華)、エ:海では赤潮。オ:生物濃縮。カ:レッドリスト。キ:里山。ク:中規模かく乱(仮説)。
- 生態的回廊(コリドー)。
- ポイントは、移動 → 個体群間の遺伝的交流 → 近親交配が減る → 近交弱勢を避けられる、という流れ。(約40字)
- 分解や排出されにくい物質は、食べられるたびに体内にたまり、食物連鎖の上位の(栄養段階の高い)生物ほど濃度が高くなる。
- 大発生した藻類が死ぬと、分解者(細菌など)が死がいを分解し、その呼吸で水中の酸素が大量に使われる。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・問われ方を変えて作っています(ATPの合成数と水の分解、別の遺伝子と制限酵素EcoRI・Sau3AI、眼の遠近調節と視神経の切断、外来生物・富栄養化・コリドーなど)。図は載せていないので、状況は文章から自分で図に描いて考えてください。数や遺伝暗号・視野の問いはスクリプトで再確認してあります。用語の問いは教科書の記述に基づいています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:順天堂大の生物で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 順天堂大学 医学部の生物2024年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第1問(電子伝達系)14分、第2問(遺伝子工学)17分、第3問(視覚)14分、記述(生態系)11分、見直し4分です(生物だけで60分の計算。2科目120分の配分は科目ごとに調整してください)。用語の空欄と選択肢で取れる所を先に取り、図や表を読む問いは後に回すと安定します。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・選択肢の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 記述の大問は、どこまで書けば点になりますか?
空欄は用語を正確に書けば取れます。字数制限のある記述は、指定された用語(例:「林床」「陰樹」)を必ず入れ、「原因 → 結果」の順で1文にまとめます。答案の一例を載せています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2024年度と同じ構成(第1問、第2問、第3問、記述)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。本文・選択肢はすべて新しく作り、全問の答えと解説をこのページに載せ、本番形式のPDFも無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
🔥 次に読むならこちら
順天堂大の生物を、
あなたの答案で攻略する
「どこで時間を失ったか」「どの小問を後回しにすべきだったか」「記述の書き方・用語の取りこぼしの癖」を、先生があなたの答案から直接診断します。