類題 第Ⅱ問 配偶子形成と発生
動物の配偶子形成と発生に関する次の文を読み,以下の問いに答えなさい。
有性生殖をする動物では,(あ)卵と精子が受精 することで個体の発生が始まる。受精後,卵割が起こり,細胞数がある程度増えると,(い)胚の領域どうしの相互作用により細胞の分化が誘導 され,さまざまな組織や器官が形成される。ヒトでは,生殖細胞のもとになる細胞が早い時期に決まる。
問1.1 (あ)に関して,ヒトの卵の大きさ(直径約0.1 mm)よりもサイズが小さいものとして,適切なものだけをすべて含む選択肢を答えなさい。該当するものがない場合は「なし」を答えなさい。(解答番号 16)
A ヒトの精子(全長約0.06 mm)
B ニワトリの卵黄(直径約3 cm)
C ヒトの白血球(直径約0.01 mm)
D アフリカツメガエルの卵(直径約1 mm)
① A② B③ C④ D⑤ AB⑥ AC⑦ AD⑧ BC⑨ BD⑩ CD⑪ ABC⑫ ABD⑬ ACD⑭ BCD⑮ ABCD⑯ なし
問1.2 ヒトの卵形成過程についての記述として,適切なものだけをすべて含む選択肢を答えなさい。該当するものがない場合は「なし」を答えなさい。(解答番号 17)
A 卵原細胞は体細胞分裂で増える。
B 一次卵母細胞の減数分裂の第一分裂では,不均等な分裂が起こり極体ができる。
C 排卵されるのは,第二分裂中期で分裂が止まった二次卵母細胞である。
D 第一極体は受精後に必ず卵と融合する。
① A② B③ C④ D⑤ AB⑥ AC⑦ AD⑧ BC⑨ BD⑩ CD⑪ ABC⑫ ABD⑬ ACD⑭ BCD⑮ ABCD⑯ なし
問2 1番目 (あ)に関して,ウニの精子が卵に近づいてから受精に至る過程についての正しい記述を,次の選択肢から4つ選び,それらを起こる順に並べたとき,1番目に当てはまる最も適切なものを答えなさい。(解答番号 18)
① 先体突起が伸長し,精子と卵の細胞膜が融合する。② 先体が卵の細胞膜と融合し,先体から内容物が細胞質内に放出される。③ 先体から内容物がゼリー層で放出される。④ 表層粒の内容物が卵黄膜と細胞膜の間に放出される。⑤ 表層粒の内容物が卵黄膜とゼリー層の間に放出される。⑥ ゼリー層が硬化する。⑦ 卵黄膜が硬化する。
問2 3番目 上の4つの記述(問2の選択肢①〜⑦のうち正しいもの)を起こる順に並べたとき,3番目に当てはまる最も適切なものを答えなさい。(解答番号 19)
① ①② ②③ ③④ ④⑤ ⑤⑥ ⑥⑦ ⑦
問3.1 (い)に関して,アフリカツメガエルの胚についての記述として,適切なものだけをすべて含む選択肢を答えなさい。該当するものがない場合は「なし」を答えなさい。(解答番号 20)
A 原口は動物極側に形成される。
B 原腸は,原口から外胚葉の一部が陥入して形成される。
C 原腸形成が進むと,胞胚腔は縮小する。
D 神経管は外胚葉に由来する。
① A② B③ C④ D⑤ AB⑥ AC⑦ AD⑧ BC⑨ BD⑩ CD⑪ ABC⑫ ABD⑬ ACD⑭ BCD⑮ ABCD⑯ なし
4細胞期の胚では,上から見て割球が a,b,c,d の順に並ぶ(aとd,bとcはそれぞれ隣り合う)。この胚を分断面1もしくは分断面2で分割して,それぞれ発生させた。その結果,分断面1で分割した場合は,bcからは正常な胚が形成されたが,adからは腹側の構造のみをもつ異常な胚が形成された。一方,分断面2で分割した場合は,abおよびcdのどちらからも正常な胚が形成された。
問3.2(1) この結果から,受精時に精子が進入したと考えられる部位として最も適切なものを答えなさい。(解答番号 21)
① aとbにまたがる部位② aとdにまたがる部位③ bとcにまたがる部位④ cとdにまたがる部位⑤ 動物極側のabcdにまたがる部位⑥ 植物極側のabcdにまたがる部位
問3.2(2)1) 分断面1で分割したときに片方のみから正常な胚が形成された理由は,受精後に以下の現象が特定の部位で起きていたからである。以下の現象が起こった部位として,最も適切なものを答えなさい。同じ選択肢を複数回答えてもよい。1) 表層回転の後にディシェベルドが局在した。(解答番号 22)
① aとbにまたがる部位② aとdにまたがる部位③ bとcにまたがる部位④ cとdにまたがる部位⑤ 動物極側のabcdにまたがる部位⑥ 植物極側のabcdにまたがる部位
問3.2(2)2) 同じく,2) βカテニンが細胞質に蓄積した部位として最も適切なものを答えなさい。(解答番号 23)
① aとbにまたがる部位② aとdにまたがる部位③ bとcにまたがる部位④ cとdにまたがる部位⑤ 動物極側のabcdにまたがる部位⑥ 植物極側のabcdにまたがる部位
問4.1 アフリカツメガエルの胚では,腹側でBMPが外胚葉に作用して(ア)へ分化させる。一方,背側では原口背唇部から分泌されるコーディンやノギンが(イ)に結合してその作用を抑制するため,外胚葉は(ウ)になる。(ア)〜(ウ)に当てはまる語を左から順に並べたものとして,最も適切な組合せを答えなさい。(解答番号 24)
① 表皮,ノギン,表皮② 表皮,ノギン,神経③ 表皮,BMP,表皮④ 表皮,BMP,神経⑤ 神経,ノギン,表皮⑥ 神経,ノギン,神経⑦ 神経,BMP,表皮⑧ 神経,BMP,神経⑨ 脊索,ノギン,表皮⑩ 脊索,ノギン,神経⑪ 脊索,BMP,表皮⑫ 脊索,BMP,神経
問4.2 背側の中胚葉からできる脊索を,発生の過程で形成する生物として,適切なものだけをすべて含む選択肢を答えなさい。該当するものがない場合は「なし」を答えなさい。(解答番号 25)
A ナメクジウオ
B ウニ
C ホヤ(幼生)
D イソギンチャク
① A② B③ C④ D⑤ AB⑥ AC⑦ AD⑧ BC⑨ BD⑩ CD⑪ ABC⑫ ABD⑬ ACD⑭ BCD⑮ ABCD⑯ なし
マウス胚の領域Pと領域Q(Qをさらに,Pに近い領域Q1と,Pから遠い領域Q2に分ける)を取り出し,細胞系列Kの分化が起こるかを調べた。実験1はQのみ,実験2はQ1のみ,実験3はQ2のみを培養した。培養終了後に,K特異的な遺伝子の発現によってKの分化の有無を判定した。結果は次の表1のとおりである(Kが分化した場合は○,しなかった場合は×)。
表1 実験1〜3の結果(取り出した胚の発生時期):
実験1(Qのみ):1日目 ×,2日目 ×,3日目 ○ / 実験2(Q1のみ):1日目 ×,2日目 ×,3日目 ○ / 実験3(Q2のみ):1日目 ×,2日目 ×,3日目 ×
問5.1 実験1〜3の結果から考えられる,正常なマウスの体内におけるK前駆細胞の形成とKの分化についての記述として,最も適切な選択肢を答えなさい。(解答番号 26)
A K前駆細胞は,2日目のQにはすでに形成されている。
B K前駆細胞は,2日目のQにはまだ形成されていない。
C KはQ1よりもQ2から分化する。
D KはQ2よりもQ1から分化する。
E KはQ1とQ2のどちらからも同程度に分化する。
① AC② AD③ AE④ BC⑤ BD⑥ BE
実験4として,1日目と3日目の胚からPと,QもしくはQ2を分離し,次にそれぞれを表2に示す組合せで付着させて共培養を行った。その結果,Kの分化の有無は表2のようになった。
表2 実験4の結果:1日目のPのみ ×,3日目のPのみ ×,1日目のPと1日目のQ ○,1日目のPと1日目のQ2 ○,1日目のPと3日目のQ2 ○,3日目のPと1日目のQ2 ×,3日目のPと3日目のQ2 ×
問5.2(1) 実験1〜4の結果から考えられる,正常なマウスの体内におけるK前駆細胞の形成に対するPの役割についての記述の組合せとして,最も適切な選択肢を答えなさい。(解答番号 27)
A 促進的に働く。
B 抑制的に働く。
C 3日目ではPの作用は失われる。
D 3日目でもPの作用は維持されている。
E Q1はPに近く,Pの作用が十分にとどくため,K前駆細胞が形成されにくい。
F Q2はPから遠く,Pの作用が十分にとどかないため,K前駆細胞が形成されにくい。
① ACE② ACF③ ADE④ ADF⑤ BCE⑥ BCF⑦ BDE⑧ BDF
問5.2(2) Pの細胞に発現し細胞外へ分泌され,上記の作用をもつシグナル分子としてタンパク質Zが見つかった。タンパク質ZのKの分化に対する作用を検証する実験と,その実験から得られると予想される結果についての記述として,適切なものだけをすべて含む選択肢を答えなさい。(解答番号 28)
A 実験1の1日目のQの培養液中にタンパク質Zを添加すると,添加しなかった場合に比べ分化するKの数が増加する。
B 実験2の2日目のQ1の培養液中にタンパク質Zを添加すると,添加しなかった場合に比べ分化するKの数が減少する。
C タンパク質Zをコードする遺伝子をノックアウトしたマウス胚では,野生型に比べ分化するKの数が減少する。
D タンパク質Zの受容体をコードする遺伝子をノックアウトしたマウス胚では,野生型に比べ分化するKの数が増加する。
① A② B③ C④ D⑤ AB⑥ AC⑦ AD⑧ BC⑨ BD