塩化水素 $\mathrm{HCl}$ の電子は $1+17=18$ 個です。陽イオンは電荷の分だけ減らし、陰イオンは増やして数えます。$\mathrm{Al^{3+}}$ は $13-3=10$、$\mathrm{CO}$ は $6+8=14$、$\mathrm{HF}$ は $1+9=10$、$\mathrm{H_{2}O}$ は $2+8=10$、$\mathrm{Ne}$ は10、$\mathrm{NO}$ は $7+8=15$、$\mathrm{O_{2}}$ は16、$\mathrm{OH^{-}}$ は $8+1+1=10$、$\mathrm{S^{2-}}$ は $16+2=18$。一致するのは⑨ $\mathrm{S^{2-}}$だけです。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間(理科2科目で90分、化学は約45分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を45分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜35)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 答えはTMPSが独立に導き、計算で決まる欄はスクリプトで検算したものです(公式の解答は参照していません)。知識問題には「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2025年度の金沢医科大の化学
- ✅ 大問は1つで、(1)〜(10)の小問集合。解答番号は1〜35。数字を1桁ずつマークする欄と、①〜⑨⓪から選ぶ欄が混ざります。理科は2科目で90分なので、化学には約45分(TMPSの目安)です。
- ✅ (1)〜(5)は知識の選択問題。電子の総数、塩の液性、結晶の種類、アンモニアと塩化アンモニウム、鉄の性質。考え込まず、1問あたり2分以内で。
- ✅ (6)〜(8)は理論の計算。水酸化バリウムを使った逆滴定、炭化水素の性質とカーバイドの計算、アミノ酸の電離平衡。式を立てれば、あとは割り算です。
- ✅ (9)(10)は工業化学と有機。アンモニアソーダ法の物質の選択と必要な食塩の量、エステルの加水分解から出発して化合物A・B・Cを決める問題。(9)(10)で解答欄の半分(18〜35)が決まるので合計19分をかけます。
- ✅ 差がつくのは「すべて選べ」と桁の合わせ方。(3)(4)(5)(7)(i)は選択肢を1つでも落とすと0点。(6)(7)(ii)(8)は有効数字と桁の位置まで答えの形に合わせます。
45分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で90分。科目ごとの配分は決まっていないので、化学は約45分をTMPSの目安にします。時間配分はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算で決まる欄は、数値計算と反応式・異性体の確認(RDKit)で独立に確かめています(結果は下の注記)。
(1)〜(5)(解答番号 1〜5)
(6)〜(8)(6〜17)
(9)(10)(18〜35)
※ 検算:(1)(6)(7)(ii)(8)(9)(10) の計算欄は、数値計算と、RDKitによる反応式の原子数・電荷の保存、分子式、構造異性体の全列挙で一致を確かめました。公式の解答は参照していません。
採点したら → 30秒の得点診断へ(1)〜(5) 知識の選択問題 ── 先に取って流れをつくる
大問の最初の5問です。暗記した知識がそのまま問われ、(1)だけは電子の数を数えます。ここで9分を超えると、後ろの(9)(10)が苦しくなるので、迷ったら印をつけて先へ進みます。
(1)電子の総数が塩化水素と同じもの(解答番号1)
9つの原子・イオン・分子が並び、それぞれの電子の総数を数えて、塩化水素と同じものを選ぶ問題。
- 解答番号1:①〜⑨のうち、電子の総数が塩化水素と同じものを1つ選ぶ
(2)水溶液が塩基性になる塩(解答番号2)
9つの塩の水溶液の液性を判断して、塩基性のものを1つ選ぶ問題。
- 解答番号2:①〜⑨のうち、水溶液が塩基性を示す塩を1つ選ぶ
弱酸と強塩基からできた塩は、弱酸の陰イオンが水と反応して塩基性になります。炭酸ナトリウム $\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$ は炭酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強塩基)の塩なので⑥です。強酸と強塩基の塩($\mathrm{NaCl}$・$\mathrm{NaNO_{3}}$)は中性、強酸と弱塩基の塩($\mathrm{(NH_{4})_{2}SO_{4}}$)は酸性です。
(3)イオン結晶でないもの(解答番号3)
9つの物質の結晶の種類(イオン結晶・共有結合結晶・分子結晶など)を判断し、イオン結晶でないものをすべて選ぶ問題。
- 解答番号3:①〜⑨のうち、結晶がイオン結晶でないものをすべて選ぶ
イオン結晶は金属元素と非金属元素(または $\mathrm{NH_{4}^{+}}$)のイオンからできます。選択肢にある塩・酸化物・フッ化物のうち、二酸化ケイ素 $\mathrm{SiO_{2}}$(⑥)は共有結合結晶、ヨウ素 $\mathrm{I_{2}}$(⑨)は分子結晶です。硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、フッ化カルシウムなどはイオン結晶です。したがって⑥と⑨。
(4)アンモニアと塩化アンモニウム(解答番号4)
塩化アンモニウムの結晶の電気伝導性、塩化物イオンの電子配置、アンモニアの分子の形、アンモニウムイオンのN−H結合、N−H結合の電荷の偏りについて、正誤を判断する問題。
- 解答番号4:①〜⑤の記述のうち、正しいものをすべて選ぶ
1つずつ○×を付けます。
① 塩化アンモニウムの結晶は電気を通さない(イオンが動けない):×。 ② 塩化物イオン $\mathrm{Cl^{-}}$ の電子は18個でアルゴン型:○。 ③ アンモニアは三角錐形の極性分子:○。 ④ $\mathrm{NH_{4}^{+}}$ の4本のN−H結合のうち1本は配位結合だが、できてしまえば4本とも区別できない:×。 ⑤ 電気陰性度はNがHより大きいので、N原子はわずかに負:×。
正しいのは②と③です。
(5)鉄の性質(解答番号5)
鉄のイオン化傾向、硫化水素との反応、製鉄、チオシアン酸カリウムとの反応、ヘキサシアニド鉄(II)酸カリウムとの反応について、下線部の正誤を判断する問題。
- 解答番号5:①〜⑤の記述のうち、下線部が誤っているものをすべて選ぶ
① 鉄は亜鉛よりイオン化傾向が小さい($\mathrm{Zn}$ > $\mathrm{Fe}$)ので、「大きい」は誤り。 ② 酸性の水溶液では $\mathrm{Fe^{2+}}$ に硫化水素を通じても $\mathrm{FeS}$ は沈殿しない(中性〜塩基性で黒色沈殿)ので誤り。③ 鉄鉱石をコークス由来の一酸化炭素で還元して鉄を得る:正しい。 ④ $\mathrm{Fe^{3+}}$ にチオシアン酸カリウムで血赤色:正しい。 ⑤ $\mathrm{Fe^{3+}}$ にヘキサシアニド鉄(II)酸カリウムで濃青色沈殿(ベルリン青):正しい。
誤りは①と②です。
(1)〜(5):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1) | 電子の総数 | 原子番号の和 − 電荷。S²⁻はAr型で18 |
| (2) | 塩の液性 | 弱酸+強塩基 → 塩基性(Na₂CO₃) |
| (3) | 結晶の種類 | SiO₂は共有結合結晶、I₂は分子結晶 |
| (4) | NH₃とNH₄Cl | 結晶は不導体、NH₄⁺の4本は等価、Nはδ− |
| (5) | 鉄の性質 | Fe < Zn。FeSは酸性で沈殿しない |
🩺【自己診断】(1)〜(5)で手が止まった人への処方箋
- (1)電子数が合わない → 陽イオンは電荷の分だけ引き、陰イオンは足す
- (2)液性で迷う → もとの酸と塩基の強さを書く。弱酸+強塩基だけが塩基性
- (3)(4)性質が曖昧 → 結晶の種類・電子配置・分子の形を、物質ごとに1行でまとめた表を作る
- (5)金属の性質が混ざる → イオン化傾向の順と、硫化物の沈殿条件を1枚にまとめる
(6)〜(8) 滴定・炭化水素・電離平衡 ── 式を立てれば計算だけ
(6)は水酸化バリウムを使った逆滴定、(7)は炭化水素の性質とカーバイドの計算、(8)はアミノ酸の電離平衡です。どれも1本の式に落とせば、あとは割り算です。
(6)気体中の二酸化炭素の割合:逆滴定(解答番号6・7)
1.0 Lの気体を0.020 mol/Lの水酸化バリウム水溶液100 mLに通して二酸化炭素を吸収させ、沈殿を除いたろ液の一部を塩酸で滴定した結果から、気体中の二酸化炭素の割合を求める。
- 解答番号6・7:気体中の二酸化炭素の体積の割合(%、□.□)
水酸化バリウムのうち、二酸化炭素と反応しなかった分が、ろ液に残っています。それを塩酸で数えるのが逆滴定です。
はじめの $\mathrm{OH^{-}}$ は $0.020\times0.100\times2=4.0\times10^{-3}$ mol。ろ液 $10$ mL の滴定で使った $\mathrm{H^{+}}$ は $0.010\times0.0080=8.0\times10^{-5}$ mol。ろ液は全体($100$ mL)の $\dfrac{1}{10}$ なので、全体に残っている $\mathrm{OH^{-}}$ は $8.0\times10^{-4}$ mol です。
反応した $\mathrm{OH^{-}}$ は $4.0\times10^{-3}-8.0\times10^{-4}=3.2\times10^{-3}$ mol。二酸化炭素はその半分です。
6・7は 3・6 です。
(7)炭化水素の性質とカーバイドの計算(解答番号8〜15)
4つの炭化水素に当てはまる性質(構造・結合・状態・臭素水との反応)を選び、続いて純度96%の炭化カルシウム1.0 gから出るアセチレンの体積と、それに付加する臭素の質量を求める。
- 解答番号8〜11:メタン・エチレン・アセチレン・ヘキサンのそれぞれに当てはまる性質を、①〜⑥からすべて選ぶ
- 解答番号12・13:発生するアセチレンの体積(標準状態、0.□□ L)
- 解答番号14・15:付加する臭素の質量(□.□ g)
メタンは正四面体(①)。エチレンは二重結合をもち、臭素水を脱色し(⑤)、全原子が同一平面上(⑥)。アセチレンは三重結合(②)で全原子が一直線上(③)、臭素水も脱色(⑤)。アセチレンの⑥は「直線構造は平面とみなさない」と指定されているので入れません。ヘキサンは25℃で液体(④)です。
(ii)は、$\mathrm{CaC_{2}}$ の式量が $40+12\times2=64$ なので、純度96%の1.0 gは
アセチレンも $0.015$ mol で、$0.015\times22.4=0.336\to0.34$ L。12・13は 3・4。
アセチレンの三重結合には臭素が2分子付加して $\mathrm{C_{2}H_{2}Br_{4}}$ ができます(二重結合なら1分子)。
14・15は 4・8 です。
(8)アミノ酸の電離平衡(解答番号16・17)
陽イオン・双性イオン・陰イオンの3つの形の間に2段階の電離平衡がある。電離定数と水素イオン濃度から、双性イオンの割合を求める。
- 解答番号16・17:pH 1.0で双性イオンとして存在するアミノ酸の割合(%、□.□)
pH $=1.0$ より $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-1}$ mol/L。電離定数の式から、3つの形の比が出ます。
陰イオンはほとんど無視できるので、$[\mathrm{A^+}]=1$ としたとき $[\mathrm{A^\pm}]=0.050$ です。
16・17は 4・8 です。
(6)〜(8):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (6) | 逆滴定 | 残りのOH⁻ = 滴定量 × 倍率。CO₂ 1 mol = OH⁻ 2 mol |
| (7)(i) | 炭化水素の性質 | 構造・結合・状態・臭素水との反応を表にする |
| (7)(ii) | カーバイド | CaC₂ → C₂H₂(1:1)。臭素は C₂H₂の2倍 |
| (8) | 2段階の電離平衡 | 比 = K/[H⁺]。陽イオンを1として全体で割る |
🩺【自己診断】(6)〜(8)で手が止まった人への処方箋
- (6)桁がずれる → ろ液の倍率(全体÷はかり取った量)を最初に書く
- (7)(i)選びすぎる → 「直線は平面とみなさない」など、問題の指定を先に線で囲む
- (7)(ii)臭素の量が合わない → 三重結合は2分子付加、Br₂ は160
- (8)割合が出ない → 3つの形の比を書き、全体を分母に置く
(9)(10) アンモニアソーダ法と有機 ── 山場の19分
(9)はアンモニアソーダ法の物質の選択と、炭酸ナトリウム848 kgに必要な食塩の量、(10)はエステルAの加水分解から化合物A・B・Cを決める有機の問題です。(9)(10)で解答欄の半分(18〜35)が決まります。
(9)アンモニアソーダ法(解答番号18〜27)
塩化ナトリウム水溶液を出発に、5つの反応を経て炭酸ナトリウムをつくる工業的製法の問題。物質を選び、操作を選び、最後に必要な原料の量を計算する。
- 解答番号18〜23:反応1〜5の文中の空欄に入る物質を、①〜⓪から選ぶ
- 解答番号24:反応2・3に共通する操作(「□分解」に入る語)
- 解答番号25〜27:炭酸ナトリウム848 kgをつくるのに必要な塩化ナトリウムの質量(kg、3桁の整数)
流れを順にたどります。反応1:飽和食塩水にアンモニア(18=①)を吸収させ、二酸化炭素(19=⓪)を吹き込むと、溶けにくい炭酸水素ナトリウム(20=⑨)が沈殿します。
反応2:沈殿を加熱(24=③)して分解すると炭酸ナトリウムが得られ、同時に二酸化炭素が出ます。 $\mathrm{2NaHCO_3\to Na_2CO_3+H_2O+CO_2}$
反応3:二酸化炭素が足りない分は炭酸カルシウム(21=⑧)を加熱して供給します。同時にできるのは酸化カルシウム(22=④)。 $\mathrm{CaCO_3\to CaO+CO_2}$
反応4:酸化カルシウムに水を加えると水酸化カルシウム(23=⑥)。 $\mathrm{CaO+H_2O\to Ca(OH)_2}$ 反応5:これと反応1で一緒にできた塩化アンモニウムを反応させて、アンモニアを回収します。
(iii)は、アンモニアと二酸化炭素が循環するので、全体の反応だけを見れば足ります。
$\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$ の式量は106。$848$ kg は $\dfrac{848\times10^3}{106}=8000$ mol。必要な $\mathrm{NaCl}$ は2倍の $16000$ mol で、式量は $58.5$ なので
25・26・27は 9・3・6 です。
(10)エステルAの加水分解と化合物B・C(解答番号28〜35)
炭素・水素・酸素からなるエステルAを加水分解すると酢酸と直鎖状のアルコールBが得られる。Bの燃焼のデータから組成を決め、Bに水素を付加した化合物Cの異性体の数と、Aの分子式を答える。
- 解答番号28:カルボン酸に関する①〜⑤の記述のうち、下線部が誤っているものを1つ選ぶ
- 解答番号29・30:Bの水素付加に必要な水素の体積(標準状態、mL、2桁)
- 解答番号31:化合物Cの構造異性体の数(鏡像異性体は区別しない)
- 解答番号32〜35:化合物Aの分子式(C□H□□O□)
まずBの組成です。B 72 mg の燃焼で、炭素は $\dfrac{176}{44}=4.0$ mmol、水素は $\dfrac{72}{18}\times2=8.0$ mmol。酸素は $72-4.0\times12-8.0\times1=16$ mg より $1.0$ mmol。
分子量は100以下なので、2倍の144は不可。Bの分子式も $\mathrm{C_{4}H_{8}O}$ です。直鎖状のアルコールで、シス-トランス異性体が存在するので、二重結合をもつ2-ブテン-1-オール $\mathrm{CH_3CH{=}CHCH_2OH}$ と決まります。Aは酢酸とのエステル(酢酸2-ブテニル)です。
(i)は、フマル酸を加熱しても酸無水物にならない(シス形のマレイン酸だけが分子内で脱水できる)ので、⑤が誤りです。①ギ酸は還元性、②ヒドロキシ酸、③エステル結合、④炭酸水素ナトリウムで二酸化炭素、はいずれも正しい。
(ii)は、Bの二重結合1個に水素1分子が付加します。B 288 mg は $\dfrac{288}{72}=4.0$ mmol なので、水素も $4.0$ mmol。
29・30は 9・0。
(iii)は、Cが1-ブタノール $\mathrm{C_{4}H_{10}O}$ です。この分子式の構造異性体は、アルコール4種(1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール)とエーテル3種(ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル)で、合計7種類。(鏡像異性体は区別しないので、2-ブタノールは1種と数える。)31は 7。
(iv)は、酢酸 $\mathrm{C_{2}H_{4}O_{2}}$ とB $\mathrm{C_{4}H_{8}O}$ が脱水縮合した形なので、Aの分子式は
32は 6、33・34は 1・0、35は 2 です。
(9)(10):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (9)(i)(ii) | 工業製法の流れ | 反応1〜5を順に追い、CO₂とNH₃が循環することを押さえる |
| (9)(iii) | 全体の反応式 | 2NaCl + CaCO₃ → Na₂CO₃ + CaCl₂。NaClはNa₂CO₃の2倍 |
| (10)(i) | カルボン酸の知識 | フマル酸は無水物にならない(マレイン酸のみ) |
| (10)(ii)〜(iv) | 元素分析から構造決定 | C:H:O → 組成式 → 分子量 → 官能基 → 異性体 |
🩺【自己診断】(9)(10)で手が止まった人への処方箋
- (9)(i)物質が選べない → 反応1から順に、右辺を次の反応の左辺につなげる
- (9)(iii)量が合わない → 全体の反応式の係数比(NaCl:Na₂CO₃=2:1)に戻る
- (10)Bが決まらない → CO₂とH₂Oの質量から、C・H・Oのmol比を出す
- (10)(iii)異性体が数えられない → アルコール系とエーテル系に分けて、炭素骨格から書く
金沢医科大2025型 そっくり類題セット
(全10問・解答解説つき)
2025年度の本番と同じ(1)〜(10)の構成・同じ解答番号の数(1〜35)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。先に取れる問題を取る力と、45分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように45分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 金沢医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 解答番号は 1〜35。数値の解答は,四捨五入して指定されている桁数に合わせて答えること。2けたの欄に 5 を答えるときは「05」とマークする。
- 必要があれば次の値を用いなさい。原子量 H:1,C:12,N:14,O:16,Na:23,S:32,Cl:35.5,Ca:40,Br:80。アボガドロ定数 6.0×10²³/mol。気体は理想気体とし,標準状態(0℃,1.013×10⁵ Pa)の気体のモル体積は 22.4 L/mol とする。「すべて選びなさい」の欄は,当てはまる番号をすべて答える。
次の(1)〜(10)の設問に答えなさい。
(1) ①〜⑨のうち,電子の総数が窒素分子 $\mathrm{N_{2}}$ と同じものを1つ選びなさい。1
(2) ①〜⑧のうち,水溶液が塩基性になる塩を1つ選びなさい。2
(3) ①〜⑨のうち,結晶がイオン結晶でないものをすべて選びなさい。3
(4) 硫化水素と硫化ナトリウムに関する①〜⑤の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。4
(5) 銅に関する①〜⑤の記述のうち,下線部が誤っているものをすべて選びなさい。5
(6) ある気体中に含まれる二酸化炭素の量を測定するために,次のような実験を行った。この気体 $2.0$ L を $0.025$ mol/L の水酸化バリウム水溶液 $200$ mL に通し,二酸化炭素を完全に吸収させた。生じた白色沈殿をろ過して除き,得られたろ液から $20$ mL をはかり取り,二酸化炭素の存在しない条件下で $0.010$ mol/L の塩酸で滴定すると,中和点までに $9.0$ mL を要した。この気体中の二酸化炭素の体積の割合は何%か。なお,実験は標準状態で行い,水酸化バリウムと反応したのは気体中の二酸化炭素のみとする。6.7 %
(7) 炭化水素に関する(i),(ii)の問いに答えなさい。
(i) a〜dの炭化水素について,それぞれに当てはまる性質を①〜⑥からすべて選びなさい。なお,同じ選択肢を複数回選んでもよい。a メタン:8 b エチレン:9 c アセチレン:10 d シクロヘキサン:11
(ii) 純度 $90$ %の炭化カルシウム $2.0$ g に十分な量の水を加えた。このとき発生するアセチレンの体積は,標準状態で何Lか。また,発生したアセチレンに臭素を十分に付加させたとき,反応する臭素は何gか。なお,炭化カルシウムの不純物は反応しないものとする。アセチレン:0.1213 L 臭素:14.15 g
(8) あるアミノ酸Aは水溶液中では,陽イオン $\mathrm{A^{+}}$,双性イオン $\mathrm{A^{±}}$,陰イオン $\mathrm{A^{-}}$ の3種類の形で存在し,次の電離平衡が成り立っている。$\mathrm{A^{+}}$ ⇄ $\mathrm{A^{±}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ …① $\mathrm{A^{±}}$ ⇄ $\mathrm{A^{-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ …②。pH $=2.0$ において,双性イオン $\mathrm{A^{±}}$ として存在するアミノ酸Aの割合を求めなさい。ただし,①式の電離定数は $K_1=1.0\times10^{-3}$ mol/L,②式の電離定数は $K_2=4.0\times10^{-10}$ mol/L とする。16.17 %
(9) 次の文を読み,(i)〜(iii)の問いに答えなさい。
接触法は,工業的に硫酸を製造する方法である。この方法は,以下に示す4つの反応から成り立っている。
反応1 18 を空気中で燃焼させると,19 が生じる。
反応2 19 を,酸化バナジウム(V)を触媒として 24,20 を得る。
反応3 20 を 21 に吸収させ,22 とする。
反応4 22 に 23 を加えて薄め,反応3で用いた 21 を回収する。
(i) 18〜23 に当てはまる物質を,それぞれ①〜⓪から選びなさい。
(ii) 24 に当てはまる操作を,①〜⑥から選びなさい。
(iii) 質量パーセント濃度 $98$ %の濃硫酸 $1000$ kg を製造するためには,理論上,硫黄は何kg必要か。ただし,各反応は完全に進行するものとする。なお,50 kg のような場合は,050 としてマークしなさい。252627 kg
(10) 次の文を読み,(i)〜(iv)の問いに答えなさい。
炭素と水素と酸素のみで構成される化合物Aを加水分解すると,酪酸(ブタン酸)と,分子量100以下の直鎖状のアルコールBが得られた。$58$ mg のアルコールBを完全に燃焼させると,$132$ mg の $\mathrm{CO_{2}}$ と $54$ mg の $\mathrm{H_{2}O}$ が生成した。アルコールBに白金を触媒として水素を反応させると化合物Cが生成した。
(i) カルボン酸に関する①〜⑤の記述のうち,下線部が誤っているものを1つ選びなさい。28
(ii) 下線部の反応に関して,$116$ mg のアルコールBを完全に反応させるのに必要な水素の体積は,標準状態で何mLか。なお,5 mL のような場合は,05 としてマークしなさい。2930 mL
(iii) 化合物Cの構造異性体は,化合物Cを含めて何種類あるか。ただし,鏡像異性体は区別しないものとする。31 種類
(iv) 化合物Aの分子式を答えなさい。なお,$\mathrm{H_5}$ のような場合は,05 としてマークしなさい。$\mathrm{C}$32$\mathrm{H}$3334$\mathrm{O}$35
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合((1)〜(10)) の答えと解説
- $\mathrm{N_{2}}$ の電子数は $7\times2=14$。①$\mathrm{Na^{+}}$ 10,②$\mathrm{CO}$ $6+8=14$,③$\mathrm{NH_{3}}$ 10,④$\mathrm{O_{2}}$ 16,⑤$\mathrm{F^{-}}$ 10,⑥$\mathrm{NO}$ 15,⑦$\mathrm{HF}$ 10,⑧$\mathrm{Mg^{2+}}$ 10,⑨$\mathrm{H_{2}S}$ 18。一致するのは②だけ。
- 弱酸と強塩基からできた塩が塩基性。③ $\mathrm{CH_{3}COONa}$ は酢酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強塩基)の塩で,酢酸イオンが加水分解して塩基性。①$\mathrm{FeCl_{3}}$,④$\mathrm{NH_{4}Cl}$,⑤$\mathrm{CuSO_{4}}$,⑧$\mathrm{MgCl_{2}}$ は弱塩基と強酸の塩で酸性,⑦$\mathrm{KHSO_{4}}$ は強酸性,②$\mathrm{KBr}$,⑥$\mathrm{NaNO_{3}}$ は中性。
- ダイヤモンド(共有結合結晶)とドライアイス(分子結晶)。①②③⑤⑦⑧⑨はすべてイオン結晶($\mathrm{NH_{4}Cl}$ も $\mathrm{NH_{4}^{+}}$ と $\mathrm{Cl^{-}}$ のイオン結晶)。
- ①硫化ナトリウムはイオン結晶で,結晶中ではイオンが動けず電気を通さない(正しい)。
- ②硫化物イオン $\mathrm{S^{2-}}$ の電子数は18で,アルゴン型(ネオンは10)。誤り。
- ③硫化水素は$\mathrm{H_{2}O}$と同じ折れ線形の極性分子。正しい。④水溶液中で電離して弱い酸としてはたらく(2段階)。正しい。
- ⑤電気陰性度はS(2.6)がH(2.2)よりわずかに大きいので,S原子がわずかに負。誤り。
- ①イオン化傾向は水素 > 銅なので,「水素よりも大きい」は誤り。⑤銅は水素よりイオン化傾向が小さく,希塩酸には溶けないので誤り。
- ②熱濃硫酸とは反応して $\mathrm{SO_{2}}$ を発生(正しい)。③ $\mathrm{[Cu(NH_{3})_{4}]^{2+}}$ の深青色(正しい)。④$\mathrm{CuS}$ は酸性でも沈殿する黒色沈殿(正しい)。
- はじめの $\mathrm{OH^{-}}$ は $0.025\times0.200\times2=1.0\times10^{-2}$ mol。ろ液 $20$ mL の滴定に $0.010\times0.0090=9.0\times10^{-5}$ mol,全量($200$ mL)では $\times10$ で $9.0\times10^{-4}$ mol が残っている。
- 二酸化炭素と反応した $\mathrm{OH^{-}}$ は $1.0\times10^{-2}-9.0\times10^{-4}=9.1\times10^{-3}$ mol。$\mathrm{CO_{2}}$ + 2$\mathrm{OH^{-}}$ → $\mathrm{CO_{3}^{2-}}$ + $\mathrm{H_{2}O}$ より $\mathrm{CO_{2}}$ は $4.55\times10^{-3}$ mol。標準状態で $4.55\times10^{-3}\times22.4=0.1019$ L,割合は $\dfrac{0.1019}{2.0}\times100=5.1$ %。
- メタンは正四面体(①)。エチレンは二重結合(②),臭素水を脱色(⑤),全原子が同一平面上(⑥)。アセチレンは直線(③)で,三重結合なので臭素水を脱色(⑤)。⑥は「直線構造は平面とみなさない」ので不適。シクロヘキサンは25℃で液体(④)で,環は平面ではない。
- $\mathrm{CaC_{2}}$ の式量は64。純度90%の2.0 gは $\dfrac{2.0\times0.90}{64}=0.028125$ mol。$\mathrm{CaC_{2}}$ + 2$\mathrm{H_{2}O}$ → $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ + $\mathrm{Ca(OH)_{2}}$ より $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ は $0.028125$ mol,$0.028125\times22.4=0.63$ L。
- $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ は三重結合(π結合2個)に臭素が2分子付加($\mathrm{C_{2}H_{2}Br_{4}}$)。$\mathrm{Br_{2}}$ は $0.028125\times2=0.05625$ mol,$\times160=9.0$ g。
- pH$=2.0$ より $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-2}$ mol/L。$\dfrac{[\mathrm{A^{\pm}}]}{[\mathrm{A^+}]}=\dfrac{K_1}{[\mathrm{H^+}]}=0.10$,$\dfrac{[\mathrm{A^-}]}{[\mathrm{A^{\pm}}]}=\dfrac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=4.0\times10^{-8}$(無視できる)。
- 割合は $\dfrac{0.10}{1+0.10}=0.0909\to9.1$ %。
- $\mathrm{S}$ + $\mathrm{O_{2}}$ → $\mathrm{SO_{2}}$。$\mathrm{2SO_{2}}$ + $\mathrm{O_{2}}$ → $\mathrm{2SO_{3}}$($\mathrm{V_{2}O_{5}}$ 触媒,酸素で酸化して=①)。$\mathrm{SO_{3}}$ を濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし,水を加えて薄めると濃硫酸が戻る。
- 98%の濃硫酸1000 kg に含まれる $\mathrm{H_{2}SO_{4}}$ は $980$ kg $=\dfrac{980\times10^3}{98}=1.0\times10^4$ mol。$\mathrm{S}$ 1 mol から $\mathrm{H_{2}SO_{4}}$ 1 mol ができるので,$\mathrm{S}$ も $1.0\times10^4$ mol,$\times32=3.2\times10^5$ g $=320$ kg。
- B 58 mg:C は $\dfrac{132}{44}=3.0$ mmol,H は $\dfrac{54}{18}\times2=6.0$ mmol,O は $58-36-6=16$ mg $=1.0$ mmol。C:H:O=3:6:1 で式量58,分子量100以下なので $\mathrm{C_{3}H_{6}O}$(アリルアルコール $\mathrm{CH_{2}{=}CHCH_{2}OH}$)。
- (i) 誤りは④。安息香酸は炭酸より強い酸なので,炭酸水素ナトリウム水溶液と反応して二酸化炭素を出す。
- (ii) B $116$ mg $=2.0$ mmol。二重結合1個に水素1分子が付加するので水素も $2.0$ mmol,$2.0\times22.4=44.8\to45$ mL。
- (iii) C は 1-プロパノール $\mathrm{C_{3}H_{8}O}$。構造異性体は,1-プロパノール・2-プロパノール・エチルメチルエーテルの3種類。
- (iv) A は酪酸とアリルアルコールのエステル $\mathrm{CH_{3}CH_{2}CH_{2}COOCH_{2}CH{=}CH_{2}}$ = $\mathrm{C_{7}H_{12}O_{2}}$。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(例:(5)は鉄を銅に、(9)はアンモニアソーダ法を接触法に、(10)は酢酸のエステルを酪酸のエステルに変えました)。計算で決まる欄は数値計算とRDKitで独立に確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを45分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:金沢医科大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 金沢医科大学 医学部の化学2025年度(一般選抜 前期)は、どの順番で解くのがよいですか?
理科は2科目で90分なので、化学は45分前後が目安です。TMPSのおすすめは、(1)〜(5)の知識問題9分、(6)の逆滴定4分、(7)炭化水素5分、(8)電離平衡5分、(9)アンモニアソーダ法8分、(10)有機11分、見直し3分です。(1)〜(5)と(6)は短時間で取れるので先に確保します。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全35個の解答欄のうち、計算で決まる欄は数値計算と、反応式・異性体・分子式のチェック(RDKit)で独立に確かめています。用語や性質を問う知識問題は機械では確かめきれないので、「要確認」を付けています。公式の解答は参照していません。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2025年度と同じ(1)〜(10)の10問・同じ解答番号の数(1〜35)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(4ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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