TMPS化学道場 金沢医科大 化学2025
2025年度 一般選抜 前期 全10問 解答番号1〜35計算欄は数値計算+RDKitで検算そっくり類題セット

金沢医科大学
医学部 化学
2025年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各小問を「どういう問題か」から説明し、計算は1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ(1)〜(10)の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2025年度を丸ごと演習できます。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.18 / 読了 約30分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間(理科2科目で90分、化学は約45分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を45分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜35)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 答えはTMPSが独立に導き、計算で決まる欄はスクリプトで検算したものです(公式の解答は参照していません)。知識問題には「要確認」を付けています。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2025年度の金沢医科大の化学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
10問もあって、45分で終わるか不安です…。
Sora先生
Sora先生
1問ずつは小さいんだ。(1)〜(5)(6)は合計13分で取れる設計にして、残り32分を(7)〜(10)に回す。最初に取れるところを取れば、焦らずに済むよ。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
「すべて選べ」は、どれかを見落としそうです。
Sora先生
Sora先生
選択肢を1つずつ、○か×かを自分で書くんだ。全部に印をつけてから、○だけを答える。「たぶんこれ」で止めるのが一番の失点原因だよ。
STRATEGY MAP

45分の立ち回りマップ

本番は理科2科目で90分。科目ごとの配分は決まっていないので、化学は約45分をTMPSの目安にします。時間配分はTMPSの目安です。

45分の時間配分。(1)〜(5)9分、(6)4分、(7)5分、(8)5分、(9)8分、(10)11分、見直し3分
図A 45分の使い方(TMPS作成)
🧭 おすすめの解く順番
(1)〜(5) → (6) → (7) → (8) → (9) → (10) → 見直し3分
短時間で取れる(1)〜(6)を先に終えてから、(7)(8)の計算、最後に分量の多い(9)(10)へ。順番を変えても、各小問の目標時間は変えない方がペースを保てます。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

解説を読む前の採点用です。計算で決まる欄は、数値計算と反応式・異性体の確認(RDKit)で独立に確かめています(結果は下の注記)。

(1)〜(5)(解答番号 1〜5)

1:⑨2:⑥3:⑥と⑨4:②と③5:①と②

(6)〜(8)(6〜17)

6・7:3・6(3.6 %)8:①9:⑤と⑥10:②と③と⑤11:④12・13:3・4(0.34 L)14・15:4・8(4.8 g)16・17:4・8(4.8 %)

(9)(10)(18〜35)

18:①19:⓪20:⑨21:⑧22:④23:⑥24:③25・26・27:9・3・6(936 kg)28:⑤29・30:9・0(90 mL)31:732:633・34:1・035:2
⚠️ 要確認(スクリプトでは確かめきれない箇所):(1)は電子数の計算で確認済みですが、(2)(3)(4)(5)(7)(i)(10)(i) は用語・性質の知識問題で、TMPSの知識で答えを決めています。「すべて選びなさい」の欄(3・4・5・9・10)は、「⑥と⑨」のように該当する番号をすべてマークする形で示していますが、実際のマークシートでの記入方法は過去問集の指示でご確認ください。

※ 検算:(1)(6)(7)(ii)(8)(9)(10) の計算欄は、数値計算と、RDKitによる反応式の原子数・電荷の保存、分子式、構造異性体の全列挙で一致を確かめました。公式の解答は参照していません。

採点したら → 30秒の得点診断へ
(1)〜(5) / 目標:9分(解答番号 1〜5)

(1)〜(5) 知識の選択問題 ── 先に取って流れをつくる

大問の最初の5問です。暗記した知識がそのまま問われ、(1)だけは電子の数を数えます。ここで9分を超えると、後ろの(9)(10)が苦しくなるので、迷ったら印をつけて先へ進みます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り((1)〜(5))
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標9分(1問あたり約2分、見直し3分は全体の最後に)。
⚠️ 損切り・警戒ライン迷ったら、確実に外れる選択肢を消して印をつけ、先へ。(1)は電子数を1つずつ足すだけなので、止まらない。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は選択肢に○×を書くこと。(3)(4)(5)の「すべて選べ」で、頭の中だけで判断しない。

(1)電子の総数が塩化水素と同じもの(解答番号1)

📝 どういう問題か?

9つの原子・イオン・分子が並び、それぞれの電子の総数を数えて、塩化水素と同じものを選ぶ問題。

  • 解答番号1:①〜⑨のうち、電子の総数が塩化水素と同じものを1つ選ぶ

塩化水素 $\mathrm{HCl}$ の電子は $1+17=18$ 個です。陽イオンは電荷の分だけ減らし、陰イオンは増やして数えます。$\mathrm{Al^{3+}}$ は $13-3=10$、$\mathrm{CO}$ は $6+8=14$、$\mathrm{HF}$ は $1+9=10$、$\mathrm{H_{2}O}$ は $2+8=10$、$\mathrm{Ne}$ は10、$\mathrm{NO}$ は $7+8=15$、$\mathrm{O_{2}}$ は16、$\mathrm{OH^{-}}$ は $8+1+1=10$、$\mathrm{S^{2-}}$ は $16+2=18$。一致するのは⑨ $\mathrm{S^{2-}}$だけです。

🎯 (1) の答え
1:⑨
⚠️ 「10個の仲間」が多い({{Al^3+}}・{{HF}}・{{H2O}}・{{Ne}}・{{OH^-}})ので、18を探すつもりで一つずつ数える。{{S^2-}} はアルゴンと同じ電子配置、と覚えておくと速い。

(2)水溶液が塩基性になる塩(解答番号2)

📝 どういう問題か?

9つの塩の水溶液の液性を判断して、塩基性のものを1つ選ぶ問題。

  • 解答番号2:①〜⑨のうち、水溶液が塩基性を示す塩を1つ選ぶ

弱酸と強塩基からできた塩は、弱酸の陰イオンが水と反応して塩基性になります。炭酸ナトリウム $\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$ は炭酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強塩基)の塩なので⑥です。強酸と強塩基の塩($\mathrm{NaCl}$・$\mathrm{NaNO_{3}}$)は中性、強酸と弱塩基の塩($\mathrm{(NH_{4})_{2}SO_{4}}$)は酸性です。

🎯 (2) の答え
2:⑥ 要確認
⚠️ 「酸性塩」という名前でも液性は別。{{NaHCO3}} は弱塩基性、{{NaHSO4}} は酸性。塩の名前でなくもとの酸・塩基の強さで判断する。

(3)イオン結晶でないもの(解答番号3)

📝 どういう問題か?

9つの物質の結晶の種類(イオン結晶・共有結合結晶・分子結晶など)を判断し、イオン結晶でないものをすべて選ぶ問題。

  • 解答番号3:①〜⑨のうち、結晶がイオン結晶でないものをすべて選ぶ

イオン結晶は金属元素と非金属元素(または $\mathrm{NH_{4}^{+}}$)のイオンからできます。選択肢にある塩・酸化物・フッ化物のうち、二酸化ケイ素 $\mathrm{SiO_{2}}$(⑥)は共有結合結晶、ヨウ素 $\mathrm{I_{2}}$(⑨)は分子結晶です。硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、フッ化カルシウムなどはイオン結晶です。したがって⑥と⑨。

🎯 (3) の答え
3:⑥と⑨ 要確認
⚠️ {{SiO2}} は式が「イオンの比」に見えるが、結晶はケイ素と酸素が共有結合でつながった巨大分子。ヨウ素は昇華性のある分子結晶。非金属だけでできた物質は、{{NH4^+}} の塩を除いてイオン結晶ではないと覚える。

(4)アンモニアと塩化アンモニウム(解答番号4)

📝 どういう問題か?

塩化アンモニウムの結晶の電気伝導性、塩化物イオンの電子配置、アンモニアの分子の形、アンモニウムイオンのN−H結合、N−H結合の電荷の偏りについて、正誤を判断する問題。

  • 解答番号4:①〜⑤の記述のうち、正しいものをすべて選ぶ

1つずつ○×を付けます。

① 塩化アンモニウムの結晶は電気を通さない(イオンが動けない):×。 ② 塩化物イオン $\mathrm{Cl^{-}}$ の電子は18個でアルゴン型:○。 ③ アンモニアは三角錐形の極性分子:○。 ④ $\mathrm{NH_{4}^{+}}$ の4本のN−H結合のうち1本は配位結合だが、できてしまえば4本とも区別できない:×。 ⑤ 電気陰性度はNがHより大きいので、N原子はわずかに負:×。

正しいのは②と③です。

🎯 (4) の答え
4:②と③ 要確認
⚠️ 「結晶は電気を通す」と「水溶液・融解液は電気を通す」を混同しない。イオン結晶は結晶の状態では不導体。配位結合を含んでいても、アンモニウムイオンの4本は等価。

(5)鉄の性質(解答番号5)

📝 どういう問題か?

鉄のイオン化傾向、硫化水素との反応、製鉄、チオシアン酸カリウムとの反応、ヘキサシアニド鉄(II)酸カリウムとの反応について、下線部の正誤を判断する問題。

  • 解答番号5:①〜⑤の記述のうち、下線部が誤っているものをすべて選ぶ

① 鉄は亜鉛よりイオン化傾向が小さい($\mathrm{Zn}$ > $\mathrm{Fe}$)ので、「大きい」は誤り。 ② 酸性の水溶液では $\mathrm{Fe^{2+}}$ に硫化水素を通じても $\mathrm{FeS}$ は沈殿しない(中性〜塩基性で黒色沈殿)ので誤り。③ 鉄鉱石をコークス由来の一酸化炭素で還元して鉄を得る:正しい。 ④ $\mathrm{Fe^{3+}}$ にチオシアン酸カリウムで血赤色:正しい。 ⑤ $\mathrm{Fe^{3+}}$ にヘキサシアニド鉄(II)酸カリウムで濃青色沈殿(ベルリン青):正しい。

誤りは①と②です。

🎯 (5) の答え
5:①と② 要確認
Yuiちゃん
Yuiちゃん
② の「酸性だと沈殿しない」は、どう覚えればいいですか?
Sora先生
Sora先生
「溶けにくい硫化物ほど酸性でも沈殿する」という順序で覚えるんだ。CuSやPbSは酸性でも出るけれど、FeSやZnSは中性〜塩基性にならないと出ない。鉄の問題で「酸性」と書いてあったら、まず疑うところだね。
Sora先生の総整理表

(1)〜(5):型

小問型着眼点
(1)電子の総数原子番号の和 − 電荷。S²⁻はAr型で18
(2)塩の液性弱酸+強塩基 → 塩基性(Na₂CO₃)
(3)結晶の種類SiO₂は共有結合結晶、I₂は分子結晶
(4)NH₃とNH₄Cl結晶は不導体、NH₄⁺の4本は等価、Nはδ−
(5)鉄の性質Fe < Zn。FeSは酸性で沈殿しない
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】(1)〜(5)で手が止まった人への処方箋

  • (1)電子数が合わない → 陽イオンは電荷の分だけ引き、陰イオンは足す
  • (2)液性で迷う → もとの酸と塩基の強さを書く。弱酸+強塩基だけが塩基性
  • (3)(4)性質が曖昧 → 結晶の種類・電子配置・分子の形を、物質ごとに1行でまとめた表を作る
  • (5)金属の性質が混ざる → イオン化傾向の順と、硫化物の沈殿条件を1枚にまとめる
(6)〜(8) / 目標:14分(解答番号 6〜17)

(6)〜(8) 滴定・炭化水素・電離平衡 ── 式を立てれば計算だけ

(6)は水酸化バリウムを使った逆滴定、(7)は炭化水素の性質とカーバイドの計算、(8)はアミノ酸の電離平衡です。どれも1本の式に落とせば、あとは割り算です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り((6)〜(8))
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標14分((6)は4分、(7)は5分:(i)2分+(ii)3分、(8)は5分)。
⚠️ 損切り・警戒ライン(6)で3分たっても合わないときは、「ろ液は全体の何分の1か」の倍率だけ確認して飛ばす。(8)は比 $[\mathrm{A^\pm}]/[\mathrm{A^+}]$ を1本出せば終わり。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は(6)が最初の{{OH^-}}の物質量と、残りの{{OH^-}}の物質量、(8)が{{H^+}}濃度を書き出すこと。

(6)気体中の二酸化炭素の割合:逆滴定(解答番号6・7)

📝 どういう問題か?

1.0 Lの気体を0.020 mol/Lの水酸化バリウム水溶液100 mLに通して二酸化炭素を吸収させ、沈殿を除いたろ液の一部を塩酸で滴定した結果から、気体中の二酸化炭素の割合を求める。

  • 解答番号6・7:気体中の二酸化炭素の体積の割合(%、□.□)

水酸化バリウムのうち、二酸化炭素と反応しなかった分が、ろ液に残っています。それを塩酸で数えるのが逆滴定です。

はじめの $\mathrm{OH^{-}}$ は $0.020\times0.100\times2=4.0\times10^{-3}$ mol。ろ液 $10$ mL の滴定で使った $\mathrm{H^{+}}$ は $0.010\times0.0080=8.0\times10^{-5}$ mol。ろ液は全体($100$ mL)の $\dfrac{1}{10}$ なので、全体に残っている $\mathrm{OH^{-}}$ は $8.0\times10^{-4}$ mol です。

$$\mathrm{CO_2+Ba^{2+}+2OH^-\ \to\ BaCO_3+H_2O}$$

反応した $\mathrm{OH^{-}}$ は $4.0\times10^{-3}-8.0\times10^{-4}=3.2\times10^{-3}$ mol。二酸化炭素はその半分です。

$$n_{\mathrm{CO_2}}=1.6\times10^{-3}\ \text{mol},\quad V=1.6\times10^{-3}\times22.4=0.03584\ \text{L},\quad \frac{0.03584}{1.0}\times100=3.6\ \%$$

6・7は 3・6 です。

🎯 (6) の答え
6・7:3・6
⚠️ ろ液は全体の一部(10 mL/100 mL)。滴定の値を10倍し忘れると桁が1つずれる。{{CO2}} 1 mol は {{OH^-}} 2 mol と反応するので、「÷2」も忘れずに。

(7)炭化水素の性質とカーバイドの計算(解答番号8〜15)

📝 どういう問題か?

4つの炭化水素に当てはまる性質(構造・結合・状態・臭素水との反応)を選び、続いて純度96%の炭化カルシウム1.0 gから出るアセチレンの体積と、それに付加する臭素の質量を求める。

  • 解答番号8〜11:メタン・エチレン・アセチレン・ヘキサンのそれぞれに当てはまる性質を、①〜⑥からすべて選ぶ
  • 解答番号12・13:発生するアセチレンの体積(標準状態、0.□□ L)
  • 解答番号14・15:付加する臭素の質量(□.□ g)

メタンは正四面体(①)。エチレンは二重結合をもち、臭素水を脱色し(⑤)、全原子が同一平面上(⑥)。アセチレンは三重結合(②)で全原子が一直線上(③)、臭素水も脱色(⑤)。アセチレンの⑥は「直線構造は平面とみなさない」と指定されているので入れません。ヘキサンは25℃で液体(④)です。

🎯 (7)(i) の答え
8:①9:⑤と⑥10:②と③と⑤11:④ 要確認

(ii)は、$\mathrm{CaC_{2}}$ の式量が $40+12\times2=64$ なので、純度96%の1.0 gは

$$\frac{1.0\times0.96}{64}=1.5\times10^{-2}\ \text{mol}$$
$$\mathrm{CaC_2+2H_2O\ \to\ C_2H_2+Ca(OH)_2}$$

アセチレンも $0.015$ mol で、$0.015\times22.4=0.336\to0.34$ L。12・13は 3・4。

アセチレンの三重結合には臭素が2分子付加して $\mathrm{C_{2}H_{2}Br_{4}}$ ができます(二重結合なら1分子)。

$$\mathrm{C_2H_2+2Br_2\ \to\ C_2H_2Br_4}\qquad 0.015\times2\times160=4.8\ \text{g}$$

14・15は 4・8 です。

🎯 (7)(ii) の答え
12・13:3・414・15:4・8
⚠️ 「純度96%」を掛け忘れない。臭素の式量は $\mathrm{Br_2}=160$(原子量80の2倍)で、アセチレンは臭素と1:2。1:1で計算すると半分の2.4 gになってしまう。

(8)アミノ酸の電離平衡(解答番号16・17)

📝 どういう問題か?

陽イオン・双性イオン・陰イオンの3つの形の間に2段階の電離平衡がある。電離定数と水素イオン濃度から、双性イオンの割合を求める。

  • 解答番号16・17:pH 1.0で双性イオンとして存在するアミノ酸の割合(%、□.□)

pH $=1.0$ より $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-1}$ mol/L。電離定数の式から、3つの形の比が出ます。

$$\frac{[\mathrm{A^\pm}]}{[\mathrm{A^+}]}=\frac{K_1}{[\mathrm{H^+}]}=\frac{5.0\times10^{-3}}{1.0\times10^{-1}}=0.050,\qquad \frac{[\mathrm{A^-}]}{[\mathrm{A^\pm}]}=\frac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=2.5\times10^{-9}$$

陰イオンはほとんど無視できるので、$[\mathrm{A^+}]=1$ としたとき $[\mathrm{A^\pm}]=0.050$ です。

$$\frac{0.050}{1+0.050}\times100=4.76\ \to\ 4.8\ \%$$

16・17は 4・8 です。

🎯 (8) の答え
16・17:4・8
Yuiちゃん
Yuiちゃん
分母を「$1+0.050$」にするのを忘れそうです。
Sora先生
Sora先生
「全体=陽イオン+双性イオン(+陰イオン)」だから、陽イオンを1とおいたら分母は1に0.050を足す。0.050÷1と書くと5.0%になって、答えが0.2%ずれる。割合は必ず「全体分の何か」で出すんだ。
⚠️ 分母に陽イオンの分を入れ忘れて5.0%と答えるミス。pHが低い(酸性が強い)ので、主役は陽イオンで、双性イオンは少数派になる、という感覚で確かめる。
Sora先生の総整理表

(6)〜(8):型

小問型着眼点
(6)逆滴定残りのOH⁻ = 滴定量 × 倍率。CO₂ 1 mol = OH⁻ 2 mol
(7)(i)炭化水素の性質構造・結合・状態・臭素水との反応を表にする
(7)(ii)カーバイドCaC₂ → C₂H₂(1:1)。臭素は C₂H₂の2倍
(8)2段階の電離平衡比 = K/[H⁺]。陽イオンを1として全体で割る
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】(6)〜(8)で手が止まった人への処方箋

  • (6)桁がずれる → ろ液の倍率(全体÷はかり取った量)を最初に書く
  • (7)(i)選びすぎる → 「直線は平面とみなさない」など、問題の指定を先に線で囲む
  • (7)(ii)臭素の量が合わない → 三重結合は2分子付加、Br₂ は160
  • (8)割合が出ない → 3つの形の比を書き、全体を分母に置く
(9)(10) / 目標:19分(解答番号 18〜35)

(9)(10) アンモニアソーダ法と有機 ── 山場の19分

(9)はアンモニアソーダ法の物質の選択と、炭酸ナトリウム848 kgに必要な食塩の量、(10)はエステルAの加水分解から化合物A・B・Cを決める有機の問題です。(9)(10)で解答欄の半分(18〜35)が決まります。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り((9)(10))
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標19分((9)は8分:(i)(ii)4分+(iii)4分、(10)は11分:(i)2分+(ii)3分+(iii)3分+(iv)3分)。
⚠️ 損切り・警戒ライン(9)(i)で迷ったら、先に(iii)の計算(式が1本)を片付ける。(10)はBの組成式が出れば、(ii)(iii)(iv)が連鎖して決まるので、(i)で止まらない。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は(9)が全体の反応式 $\mathrm{2NaCl+CaCO_3\to Na_2CO_3+CaCl_2}$、(10)がC・H・Oの物質量比。

(9)アンモニアソーダ法(解答番号18〜27)

アンモニアソーダ法の流れ。食塩水にアンモニアと二酸化炭素を吹き込んで炭酸水素ナトリウムを沈殿させ、加熱して炭酸ナトリウムを得る。二酸化炭素は石灰石の加熱でも供給し、できた酸化カルシウムは水で水酸化カルシウムにして、塩化アンモニウムからアンモニアを回収する
図B アンモニアソーダ法(TMPS作成)
📝 どういう問題か?

塩化ナトリウム水溶液を出発に、5つの反応を経て炭酸ナトリウムをつくる工業的製法の問題。物質を選び、操作を選び、最後に必要な原料の量を計算する。

  • 解答番号18〜23:反応1〜5の文中の空欄に入る物質を、①〜⓪から選ぶ
  • 解答番号24:反応2・3に共通する操作(「□分解」に入る語)
  • 解答番号25〜27:炭酸ナトリウム848 kgをつくるのに必要な塩化ナトリウムの質量(kg、3桁の整数)

流れを順にたどります。反応1:飽和食塩水にアンモニア(18=①)を吸収させ、二酸化炭素(19=⓪)を吹き込むと、溶けにくい炭酸水素ナトリウム(20=⑨)が沈殿します。

$$\mathrm{NaCl+NH_3+CO_2+H_2O\ \to\ NaHCO_3+NH_4Cl}$$

反応2:沈殿を加熱(24=③)して分解すると炭酸ナトリウムが得られ、同時に二酸化炭素が出ます。 $\mathrm{2NaHCO_3\to Na_2CO_3+H_2O+CO_2}$

反応3:二酸化炭素が足りない分は炭酸カルシウム(21=⑧)を加熱して供給します。同時にできるのは酸化カルシウム(22=④)。 $\mathrm{CaCO_3\to CaO+CO_2}$

反応4:酸化カルシウムに水を加えると水酸化カルシウム(23=⑥)。 $\mathrm{CaO+H_2O\to Ca(OH)_2}$ 反応5:これと反応1で一緒にできた塩化アンモニウムを反応させて、アンモニアを回収します。

$$\mathrm{Ca(OH)_2+2NH_4Cl\ \to\ CaCl_2+2NH_3+2H_2O}$$
🎯 (9)(i)(ii) の答え
18:①19:⓪20:⑨21:⑧22:④23:⑥24:③

(iii)は、アンモニアと二酸化炭素が循環するので、全体の反応だけを見れば足ります。

$$\mathrm{2NaCl+CaCO_3\ \to\ Na_2CO_3+CaCl_2}$$

$\mathrm{Na_{2}CO_{3}}$ の式量は106。$848$ kg は $\dfrac{848\times10^3}{106}=8000$ mol。必要な $\mathrm{NaCl}$ は2倍の $16000$ mol で、式量は $58.5$ なので

$$16000\times58.5=9.36\times10^{5}\ \text{g}=936\ \text{kg}$$

25・26・27は 9・3・6 です。

🎯 (9)(iii) の答え
25・26・27:9・3・6
⚠️ 食塩は炭酸ナトリウムの2倍の物質量必要(Na原子が2個)。アンモニアと二酸化炭素は循環するので、質量計算には出てこない。式量は $\mathrm{NaCl}=23+35.5=58.5$ を使う。

(10)エステルAの加水分解と化合物B・C(解答番号28〜35)

分子式C4H10Oの構造異性体7種。アルコール4種(1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール)とエーテル3種(ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル)
図C C₄H₁₀Oの構造異性体(TMPS作成)
📝 どういう問題か?

炭素・水素・酸素からなるエステルAを加水分解すると酢酸と直鎖状のアルコールBが得られる。Bの燃焼のデータから組成を決め、Bに水素を付加した化合物Cの異性体の数と、Aの分子式を答える。

  • 解答番号28:カルボン酸に関する①〜⑤の記述のうち、下線部が誤っているものを1つ選ぶ
  • 解答番号29・30:Bの水素付加に必要な水素の体積(標準状態、mL、2桁)
  • 解答番号31:化合物Cの構造異性体の数(鏡像異性体は区別しない)
  • 解答番号32〜35:化合物Aの分子式(C□H□□O□)

まずBの組成です。B 72 mg の燃焼で、炭素は $\dfrac{176}{44}=4.0$ mmol、水素は $\dfrac{72}{18}\times2=8.0$ mmol。酸素は $72-4.0\times12-8.0\times1=16$ mg より $1.0$ mmol。

$$\mathrm{C:H:O=4.0:8.0:1.0=4:8:1}\ \to\ \text{組成式 }\mathrm{C_4H_8O}\ (\text{式量}72)$$

分子量は100以下なので、2倍の144は不可。Bの分子式も $\mathrm{C_{4}H_{8}O}$ です。直鎖状のアルコールで、シス-トランス異性体が存在するので、二重結合をもつ2-ブテン-1-オール $\mathrm{CH_3CH{=}CHCH_2OH}$ と決まります。Aは酢酸とのエステル(酢酸2-ブテニル)です。

(i)は、フマル酸を加熱しても酸無水物にならない(シス形のマレイン酸だけが分子内で脱水できる)ので、⑤が誤りです。①ギ酸は還元性、②ヒドロキシ酸、③エステル結合、④炭酸水素ナトリウムで二酸化炭素、はいずれも正しい。

🎯 (10)(i) の答え
28:⑤ 要確認

(ii)は、Bの二重結合1個に水素1分子が付加します。B 288 mg は $\dfrac{288}{72}=4.0$ mmol なので、水素も $4.0$ mmol。

$$4.0\times22.4=89.6\ \text{mL}\ \to\ 90\ \text{mL}$$

29・30は 9・0。

(iii)は、Cが1-ブタノール $\mathrm{C_{4}H_{10}O}$ です。この分子式の構造異性体は、アルコール4種(1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール)とエーテル3種(ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル)で、合計7種類。(鏡像異性体は区別しないので、2-ブタノールは1種と数える。)31は 7。

(iv)は、酢酸 $\mathrm{C_{2}H_{4}O_{2}}$ とB $\mathrm{C_{4}H_{8}O}$ が脱水縮合した形なので、Aの分子式は

$$\mathrm{C_2H_4O_2+C_4H_8O-H_2O=C_6H_{10}O_2}$$

32は 6、33・34は 1・0、35は 2 です。

🎯 (10)(ii)〜(iv) の答え
29・30:9・031:732:633・34:1・035:2
Yuiちゃん
Yuiちゃん
C₄H₁₀Oの異性体を、数え落としそうです。
Sora先生
Sora先生
まずアルコールとエーテルに分ける。アルコールは炭素骨格が「直鎖」「枝分かれ」の2つで、OHの位置を変えて4種。エーテルは酸素を挟む炭素の数が「1と3」「2と2」で、1と3の側に枝分かれがあるかどうかで3種。この順で書けば落とさないよ。
⚠️ (iii)の異性体はアルコールだけで止めない(エーテルも異性体)。分子式 {{C4H10O}} は不飽和度0なので、二重結合や環は入らない。(iv)は水1分子を引くのを忘れない(付加ではなく脱水縮合)。
Sora先生の総整理表

(9)(10):型

小問型着眼点
(9)(i)(ii)工業製法の流れ反応1〜5を順に追い、CO₂とNH₃が循環することを押さえる
(9)(iii)全体の反応式2NaCl + CaCO₃ → Na₂CO₃ + CaCl₂。NaClはNa₂CO₃の2倍
(10)(i)カルボン酸の知識フマル酸は無水物にならない(マレイン酸のみ)
(10)(ii)〜(iv)元素分析から構造決定C:H:O → 組成式 → 分子量 → 官能基 → 異性体
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】(9)(10)で手が止まった人への処方箋

  • (9)(i)物質が選べない → 反応1から順に、右辺を次の反応の左辺につなげる
  • (9)(iii)量が合わない → 全体の反応式の係数比(NaCl:Na₂CO₃=2:1)に戻る
  • (10)Bが決まらない → CO₂とH₂Oの質量から、C・H・Oのmol比を出す
  • (10)(iii)異性体が数えられない → アルコール系とエーテル系に分けて、炭素骨格から書く
TMPS ORIGINAL

金沢医科大2025型 そっくり類題セット
(全10問・解答解説つき)

2025年度の本番と同じ(1)〜(10)の構成・同じ解答番号の数(1〜35)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。先に取れる問題を取る力と、45分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。

試験時間の目安 45分(理科2科目で90分)知識・滴定・炭化水素・電離平衡・接触法・有機
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印刷して本番と同じように45分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 金沢医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。

類題 第1問 小問集合((1)〜(10))
  • 解答番号は 1〜35。数値の解答は,四捨五入して指定されている桁数に合わせて答えること。2けたの欄に 5 を答えるときは「05」とマークする。
  • 必要があれば次の値を用いなさい。原子量 H:1,C:12,N:14,O:16,Na:23,S:32,Cl:35.5,Ca:40,Br:80。アボガドロ定数 6.0×10²³/mol。気体は理想気体とし,標準状態(0℃,1.013×10⁵ Pa)の気体のモル体積は 22.4 L/mol とする。「すべて選びなさい」の欄は,当てはまる番号をすべて答える。

次の(1)〜(10)の設問に答えなさい。

(1) ①〜⑨のうち,電子の総数が窒素分子 $\mathrm{N_{2}}$ と同じものを1つ選びなさい。1

① $\mathrm{Na^{+}}$② $\mathrm{CO}$③ $\mathrm{NH_{3}}$④ $\mathrm{O_{2}}$⑤ $\mathrm{F^{-}}$⑥ $\mathrm{NO}$⑦ $\mathrm{HF}$⑧ $\mathrm{Mg^{2+}}$⑨ $\mathrm{H_{2}S}$

(2) ①〜⑧のうち,水溶液が塩基性になる塩を1つ選びなさい。2

① $\mathrm{FeCl_{3}}$② $\mathrm{KBr}$③ $\mathrm{CH_{3}COONa}$④ $\mathrm{NH_{4}Cl}$⑤ $\mathrm{CuSO_{4}}$⑥ $\mathrm{NaNO_{3}}$⑦ $\mathrm{KHSO_{4}}$⑧ $\mathrm{MgCl_{2}}$

(3) ①〜⑨のうち,結晶がイオン結晶でないものをすべて選びなさい。3

① 硫酸銅(II)② 塩化カリウム③ 酸化マグネシウム④ ダイヤモンド⑤ 硝酸銀⑥ ドライアイス⑦ 炭酸ナトリウム⑧ 水酸化カルシウム⑨ 塩化アンモニウム

(4) 硫化水素と硫化ナトリウムに関する①〜⑤の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。4

① 硫化ナトリウムの結晶は電気伝導性をもたない。② 硫化物イオンはネオンと同じ電子配置をもつ。③ 硫化水素分子は,折れ線形の極性分子である。④ 硫化水素は,水溶液中で弱い酸としてはたらく。⑤ 硫化水素分子のS−H結合では,S原子がわずかに正の電荷を帯びている。

(5) 銅に関する①〜⑤の記述のうち,下線部が誤っているものをすべて選びなさい。5

① 銅は,水素よりもイオン化傾向が大きい。② 銅は,熱濃硫酸に溶けて二酸化硫黄を発生する。③ 硫酸銅(II)水溶液に過剰のアンモニア水を加えると,深青色の水溶液になる。④ $\mathrm{Cu^{2+}}$ を含む酸性の水溶液に硫化水素を通じると,黒色沈殿が生じる。⑤ 銅は,希塩酸に溶けて水素を発生する。

(6) ある気体中に含まれる二酸化炭素の量を測定するために,次のような実験を行った。この気体 $2.0$ L を $0.025$ mol/L の水酸化バリウム水溶液 $200$ mL に通し,二酸化炭素を完全に吸収させた。生じた白色沈殿をろ過して除き,得られたろ液から $20$ mL をはかり取り,二酸化炭素の存在しない条件下で $0.010$ mol/L の塩酸で滴定すると,中和点までに $9.0$ mL を要した。この気体中の二酸化炭素の体積の割合は何%か。なお,実験は標準状態で行い,水酸化バリウムと反応したのは気体中の二酸化炭素のみとする。6.7 %

(7) 炭化水素に関する(i),(ii)の問いに答えなさい。

(i) a〜dの炭化水素について,それぞれに当てはまる性質を①〜⑥からすべて選びなさい。なお,同じ選択肢を複数回選んでもよい。a メタン:8 b エチレン:9 c アセチレン:10 d シクロヘキサン:11

① 分子は正四面体構造をとる。② 炭素原子間に二重結合をもつ。③ すべての原子が同一直線上にある。④ 25℃,$1.013\times10^{5}$ Pa では液体である。⑤ 臭素水に通すと,臭素の色が脱色される。⑥ すべての原子が同一平面上にある。(ただし,直線構造は平面とはみなさない)

(ii) 純度 $90$ %の炭化カルシウム $2.0$ g に十分な量の水を加えた。このとき発生するアセチレンの体積は,標準状態で何Lか。また,発生したアセチレンに臭素を十分に付加させたとき,反応する臭素は何gか。なお,炭化カルシウムの不純物は反応しないものとする。アセチレン:0.1213 L 臭素:14.15 g

(8) あるアミノ酸Aは水溶液中では,陽イオン $\mathrm{A^{+}}$,双性イオン $\mathrm{A^{±}}$,陰イオン $\mathrm{A^{-}}$ の3種類の形で存在し,次の電離平衡が成り立っている。$\mathrm{A^{+}}$ ⇄ $\mathrm{A^{±}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ …① $\mathrm{A^{±}}$ ⇄ $\mathrm{A^{-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ …②。pH $=2.0$ において,双性イオン $\mathrm{A^{±}}$ として存在するアミノ酸Aの割合を求めなさい。ただし,①式の電離定数は $K_1=1.0\times10^{-3}$ mol/L,②式の電離定数は $K_2=4.0\times10^{-10}$ mol/L とする。16.17 %

(9) 次の文を読み,(i)〜(iii)の問いに答えなさい。

接触法は,工業的に硫酸を製造する方法である。この方法は,以下に示す4つの反応から成り立っている。

反応1 18 を空気中で燃焼させると,19 が生じる。

反応2 19 を,酸化バナジウム(V)を触媒として 24,20 を得る。

反応3 20 を 21 に吸収させ,22 とする。

反応4 22 に 23 を加えて薄め,反応3で用いた 21 を回収する。

(i) 18〜23 に当てはまる物質を,それぞれ①〜⓪から選びなさい。

① 硫黄② 二酸化硫黄③ 三酸化硫黄④ 硫化水素⑤ 濃硫酸⑥ 発煙硫酸⑦ 希硫酸⑧ 水⑨ 硫酸アンモニウム⓪ 酸素

(ii) 24 に当てはまる操作を,①〜⑥から選びなさい。

① 酸素で酸化して② 水素で還元して③ 加熱により分解して④ 電気分解により⑤ 水を加えて⑥ 冷却により

(iii) 質量パーセント濃度 $98$ %の濃硫酸 $1000$ kg を製造するためには,理論上,硫黄は何kg必要か。ただし,各反応は完全に進行するものとする。なお,50 kg のような場合は,050 としてマークしなさい。252627 kg

(10) 次の文を読み,(i)〜(iv)の問いに答えなさい。

炭素と水素と酸素のみで構成される化合物Aを加水分解すると,酪酸(ブタン酸)と,分子量100以下の直鎖状のアルコールBが得られた。$58$ mg のアルコールBを完全に燃焼させると,$132$ mg の $\mathrm{CO_{2}}$ と $54$ mg の $\mathrm{H_{2}O}$ が生成した。アルコールBに白金を触媒として水素を反応させると化合物Cが生成した。

(i) カルボン酸に関する①〜⑤の記述のうち,下線部が誤っているものを1つ選びなさい。28

① ギ酸は還元性を示す。② マレイン酸は,加熱すると分子内で脱水して酸無水物になる。③ 乳酸は,不斉炭素原子をもつヒドロキシ酸である。④ 安息香酸は,炭酸水素ナトリウム水溶液と反応しない。⑤ アジピン酸は,ヘキサメチレンジアミンと縮合重合してナイロン66になる。

(ii) 下線部の反応に関して,$116$ mg のアルコールBを完全に反応させるのに必要な水素の体積は,標準状態で何mLか。なお,5 mL のような場合は,05 としてマークしなさい。2930 mL

(iii) 化合物Cの構造異性体は,化合物Cを含めて何種類あるか。ただし,鏡像異性体は区別しないものとする。31 種類

(iv) 化合物Aの分子式を答えなさい。なお,$\mathrm{H_5}$ のような場合は,05 としてマークしなさい。$\mathrm{C}$32$\mathrm{H}$3334$\mathrm{O}$35

▶ 第1問 の答えと解説を見る

第1問 小問集合((1)〜(10)) の答えと解説

(1)(解答番号1)
1=②
  1. $\mathrm{N_{2}}$ の電子数は $7\times2=14$。①$\mathrm{Na^{+}}$ 10,②$\mathrm{CO}$ $6+8=14$,③$\mathrm{NH_{3}}$ 10,④$\mathrm{O_{2}}$ 16,⑤$\mathrm{F^{-}}$ 10,⑥$\mathrm{NO}$ 15,⑦$\mathrm{HF}$ 10,⑧$\mathrm{Mg^{2+}}$ 10,⑨$\mathrm{H_{2}S}$ 18。一致するのは②だけ。
(2)(2)
2=③
  1. 弱酸と強塩基からできた塩が塩基性。③ $\mathrm{CH_{3}COONa}$ は酢酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強塩基)の塩で,酢酸イオンが加水分解して塩基性。①$\mathrm{FeCl_{3}}$,④$\mathrm{NH_{4}Cl}$,⑤$\mathrm{CuSO_{4}}$,⑧$\mathrm{MgCl_{2}}$ は弱塩基と強酸の塩で酸性,⑦$\mathrm{KHSO_{4}}$ は強酸性,②$\mathrm{KBr}$,⑥$\mathrm{NaNO_{3}}$ は中性。
(3)(3)
3=④と⑥
  1. ダイヤモンド(共有結合結晶)とドライアイス(分子結晶)。①②③⑤⑦⑧⑨はすべてイオン結晶($\mathrm{NH_{4}Cl}$ も $\mathrm{NH_{4}^{+}}$ と $\mathrm{Cl^{-}}$ のイオン結晶)。
(4)(4)
4=①と③と④
  1. ①硫化ナトリウムはイオン結晶で,結晶中ではイオンが動けず電気を通さない(正しい)。
  2. ②硫化物イオン $\mathrm{S^{2-}}$ の電子数は18で,アルゴン型(ネオンは10)。誤り。
  3. ③硫化水素は$\mathrm{H_{2}O}$と同じ折れ線形の極性分子。正しい。④水溶液中で電離して弱い酸としてはたらく(2段階)。正しい。
  4. ⑤電気陰性度はS(2.6)がH(2.2)よりわずかに大きいので,S原子がわずかに負。誤り。
(5)(5)
5=①と⑤
  1. ①イオン化傾向は水素 > 銅なので,「水素よりも大きい」は誤り。⑤銅は水素よりイオン化傾向が小さく,希塩酸には溶けないので誤り。
  2. ②熱濃硫酸とは反応して $\mathrm{SO_{2}}$ を発生(正しい)。③ $\mathrm{[Cu(NH_{3})_{4}]^{2+}}$ の深青色(正しい)。④$\mathrm{CuS}$ は酸性でも沈殿する黒色沈殿(正しい)。
(6)(6・7)
6・7=51
  1. はじめの $\mathrm{OH^{-}}$ は $0.025\times0.200\times2=1.0\times10^{-2}$ mol。ろ液 $20$ mL の滴定に $0.010\times0.0090=9.0\times10^{-5}$ mol,全量($200$ mL)では $\times10$ で $9.0\times10^{-4}$ mol が残っている。
  2. 二酸化炭素と反応した $\mathrm{OH^{-}}$ は $1.0\times10^{-2}-9.0\times10^{-4}=9.1\times10^{-3}$ mol。$\mathrm{CO_{2}}$ + 2$\mathrm{OH^{-}}$ → $\mathrm{CO_{3}^{2-}}$ + $\mathrm{H_{2}O}$ より $\mathrm{CO_{2}}$ は $4.55\times10^{-3}$ mol。標準状態で $4.55\times10^{-3}\times22.4=0.1019$ L,割合は $\dfrac{0.1019}{2.0}\times100=5.1$ %。
(7)(i)(8〜11)
8=①9=②と⑤と⑥10=③と⑤11=④
  1. メタンは正四面体(①)。エチレンは二重結合(②),臭素水を脱色(⑤),全原子が同一平面上(⑥)。アセチレンは直線(③)で,三重結合なので臭素水を脱色(⑤)。⑥は「直線構造は平面とみなさない」ので不適。シクロヘキサンは25℃で液体(④)で,環は平面ではない。
(7)(ii)(12〜15)
12・13=6314・15=90
  1. $\mathrm{CaC_{2}}$ の式量は64。純度90%の2.0 gは $\dfrac{2.0\times0.90}{64}=0.028125$ mol。$\mathrm{CaC_{2}}$ + 2$\mathrm{H_{2}O}$ → $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ + $\mathrm{Ca(OH)_{2}}$ より $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ は $0.028125$ mol,$0.028125\times22.4=0.63$ L。
  2. $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ は三重結合(π結合2個)に臭素が2分子付加($\mathrm{C_{2}H_{2}Br_{4}}$)。$\mathrm{Br_{2}}$ は $0.028125\times2=0.05625$ mol,$\times160=9.0$ g。
(8)(16・17)
16・17=91
  1. pH$=2.0$ より $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-2}$ mol/L。$\dfrac{[\mathrm{A^{\pm}}]}{[\mathrm{A^+}]}=\dfrac{K_1}{[\mathrm{H^+}]}=0.10$,$\dfrac{[\mathrm{A^-}]}{[\mathrm{A^{\pm}}]}=\dfrac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=4.0\times10^{-8}$(無視できる)。
  2. 割合は $\dfrac{0.10}{1+0.10}=0.0909\to9.1$ %。
(9)(18〜27)
18=①19=②20=③21=⑤22=⑥23=⑧24=①25〜27=320
  1. $\mathrm{S}$ + $\mathrm{O_{2}}$ → $\mathrm{SO_{2}}$。$\mathrm{2SO_{2}}$ + $\mathrm{O_{2}}$ → $\mathrm{2SO_{3}}$($\mathrm{V_{2}O_{5}}$ 触媒,酸素で酸化して=①)。$\mathrm{SO_{3}}$ を濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし,水を加えて薄めると濃硫酸が戻る。
  2. 98%の濃硫酸1000 kg に含まれる $\mathrm{H_{2}SO_{4}}$ は $980$ kg $=\dfrac{980\times10^3}{98}=1.0\times10^4$ mol。$\mathrm{S}$ 1 mol から $\mathrm{H_{2}SO_{4}}$ 1 mol ができるので,$\mathrm{S}$ も $1.0\times10^4$ mol,$\times32=3.2\times10^5$ g $=320$ kg。
(10)(28〜35)
28=④29・30=4531=332〜35=7・1・2・2
  1. B 58 mg:C は $\dfrac{132}{44}=3.0$ mmol,H は $\dfrac{54}{18}\times2=6.0$ mmol,O は $58-36-6=16$ mg $=1.0$ mmol。C:H:O=3:6:1 で式量58,分子量100以下なので $\mathrm{C_{3}H_{6}O}$(アリルアルコール $\mathrm{CH_{2}{=}CHCH_{2}OH}$)。
  2. (i) 誤りは④。安息香酸は炭酸より強い酸なので,炭酸水素ナトリウム水溶液と反応して二酸化炭素を出す。
  3. (ii) B $116$ mg $=2.0$ mmol。二重結合1個に水素1分子が付加するので水素も $2.0$ mmol,$2.0\times22.4=44.8\to45$ mL。
  4. (iii) C は 1-プロパノール $\mathrm{C_{3}H_{8}O}$。構造異性体は,1-プロパノール・2-プロパノール・エチルメチルエーテルの3種類。
  5. (iv) A は酪酸とアリルアルコールのエステル $\mathrm{CH_{3}CH_{2}CH_{2}COOCH_{2}CH{=}CH_{2}}$ = $\mathrm{C_{7}H_{12}O_{2}}$。

※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(例:(5)は鉄を銅に、(9)はアンモニアソーダ法を接触法に、(10)は酢酸のエステルを酪酸のエステルに変えました)。計算で決まる欄は数値計算とRDKitで独立に確かめています。

CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを45分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

(1)〜(5)(知識の選択・解答番号1〜5)
(6)〜(8)(滴定・炭化水素・電離平衡・6〜17)
(9)(10)(ソルベー法・有機・18〜35)
FOR PARENTS

保護者の方へ:金沢医科大の化学で知っておきたい3つのこと

① 「理科2科目で90分」という配分
化学と、もう1科目(物理か生物)を合わせて90分です。科目ごとの配分は決まっていないので、化学にかける時間をあらかじめ決めておく練習が必要です。
② 「すべて選べ」は部分点がない
選択肢を1つでも落とすと0点になるタイプの問題があります。知識の穴は、確実な暗記と、○×を付けて確かめる習慣で埋まります。
③ 計算欄は桁と単位がすべて
有効数字や整数の指定、10の指数のマーク形式など、答えの形を間違えると計算が合っていても0点。最後に欄の形を確かめる習慣が得点を守ります。
FAQ

よくある質問

Q. 金沢医科大学 医学部の化学2025年度(一般選抜 前期)は、どの順番で解くのがよいですか?

理科は2科目で90分なので、化学は45分前後が目安です。TMPSのおすすめは、(1)〜(5)の知識問題9分、(6)の逆滴定4分、(7)炭化水素5分、(8)電離平衡5分、(9)アンモニアソーダ法8分、(10)有機11分、見直し3分です。(1)〜(5)と(6)は短時間で取れるので先に確保します。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。

Q. 答えは、どうやって確かめていますか?

本番の全35個の解答欄のうち、計算で決まる欄は数値計算と、反応式・異性体・分子式のチェック(RDKit)で独立に確かめています。用語や性質を問う知識問題は機械では確かめきれないので、「要確認」を付けています。公式の解答は参照していません。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2025年度と同じ(1)〜(10)の10問・同じ解答番号の数(1〜35)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(4ページ)も無料で配布しています。

Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?

公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

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問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。

受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。

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