常温・常圧で気体の単体は、$\mathrm{H_{2}}$、$\mathrm{N_{2}}$、$\mathrm{O_{2}}$、$\mathrm{F_{2}}$、$\mathrm{Cl_{2}}$、貴ガス(He・Ne・Ar…)、$\mathrm{O_{3}}$です。8つの選択肢では塩素(①)とヘリウム(⑥)だけです。臭素$\mathrm{Br_{2}}$と水銀$\mathrm{Hg}$は液体、ヨウ素$\mathrm{I_{2}}$・カリウム・ナトリウム・リチウムは固体です。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間(理科2科目で90分、化学は約45分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を45分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜44)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 答えはTMPSが独立に導き、計算で決まる欄はスクリプトで検算したものです(公式の解答は参照していません)。知識問題には「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の金沢医科大の化学
- ✅ 大問は1つで、(1)〜(8)の小問集合。解答番号は1〜44。数字を1桁ずつマークする欄と、①〜⑨⓪から選ぶ欄が混ざります。理科は2科目で90分なので、化学には約45分(TMPSの目安)です。
- ✅ (1)(2)は知識の選択問題。単体の状態と、薬品の取り扱い。考え込まず、1問あたり1分以内で。
- ✅ (3)〜(5)は無機・理論の計算。酸化マンガン(IV)と濃塩酸の気体の体積、ダニエル電池の電気量と質量変化、オストワルト法の物質量の追跡。反応式の係数を立てれば、あとは割り算です。
- ✅ (6)〜(8)は有機・高分子。エチレン・アセチレンの記述、C₈H₁₀の4異性体とポリエチレンテレフタラートの縮合重合、デンプンとセルロース。(7)(8)は計算欄が多く、合計19分をかける山場です。
- ✅ 差がつくのは「すべて選べ」と「重合の水の質量」。(1)(6)(8)(iii)は選択肢を1つでも落とすと0点。(7)(ii)は重合度を使って水の量を数える問題です。
45分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で90分。科目ごとの配分は決まっていないので、化学は約45分をTMPSの目安にします。時間配分はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算で決まる欄は、数値計算と反応式・異性体の確認(RDKit)で独立に確かめています(結果は下の注記)。
(1)〜(3)(解答番号 1〜5)
(4)(5)(6〜21)
(6)〜(8)(22〜44)
※ 検算:(3)(4)(ii)(5)(iii)(7)(ii)(8)(iv) の計算欄は、数値計算と、RDKitによる反応式の原子数・電荷の保存、分子式・分子量、異性体の酸化生成物の確認で一致を確かめました。公式の解答は参照していません。
採点したら → 30秒の得点診断へ(1)〜(3) 知識と気体の計算 ── 先に取って流れをつくる
大問の最初の3問です。(1)(2)は暗記した知識がそのまま問われ、(3)は反応式の係数だけで答えが出る計算。ここで9分を超えると、後ろの(7)(8)が苦しくなるので、迷ったら印をつけて先へ進みます。
(1)単体が常温・常圧で気体の元素(解答番号1)
8つの元素(塩素・臭素・水銀・カリウム・ナトリウム・ヘリウム・ヨウ素・リチウム)が並び、単体の状態を判断して、当てはまるものをすべて選ぶ問題。
- 解答番号1:①〜⑧のうち、単体が常温・常圧で気体の元素をすべて選ぶ
(2)薬品の取り扱いで誤っているもの(解答番号2)
濃硝酸の保存、ナトリウムの保存、においの嗅ぎ方、ジエチルエーテルと火気、濃硫酸の薄め方、の5つの取り扱いを判断する問題。
- 解答番号2:①〜⑤の記述のうち、誤っているものを1つ選ぶ
濃硝酸は光で分解するので褐色びんに保存します(①正しい)。においは手であおいで嗅ぎます(③正しい)。ジエチルエーテルは引火しやすいので火気厳禁(④正しい)。濃硫酸を薄めるときは、水に濃硫酸を少しずつ加えます(⑤正しい)。ナトリウムはエタノールと反応して水素を出す($\mathrm{2Na}$ + $\mathrm{2C_{2}H_{5}OH}$ → $\mathrm{2C_{2}H_{5}ONa}$ + $\mathrm{H_{2}}$)ので、石油(灯油)中に保存します。したがって②が誤りです。
(3)酸化マンガン(IV)と濃塩酸(解答番号3〜5)
酸化マンガン(IV)1.74 gがすべて濃塩酸と反応したときに発生する気体の体積を求める。「無極性分子の気体」は塩素{{Cl2}}のこと。
- 解答番号3・4・5:発生する無極性分子の気体の体積(標準状態、L、小数第2位まで)
濃塩酸と酸化マンガン(IV)から塩素を発生させる反応です。
$\mathrm{MnO_{2}}$ の式量は $55+16\times2=87$。物質量は $\dfrac{1.74}{87}=0.0200$ mol で、係数比が1:1なので塩素も $0.0200$ mol です。
3・4・5は 0・4・5 です。
(1)〜(3):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1) | 単体の状態 | 気体:H₂ N₂ O₂ F₂ Cl₂・貴ガス/液体:Br₂ Hg |
| (2) | 薬品の取り扱い | Naは石油中、Pは水中(黄リン)、濃硝酸は褐色びん |
| (3) | 気体発生の計算 | 反応式の係数比 → 物質量 → ×22.4 L/mol |
🩺【自己診断】(1)〜(3)で手が止まった人への処方箋
- (1)気体と液体で迷う → 液体の単体は臭素と水銀の2つだけ、と覚える
- (2)保存法が出てこない → Na・K・Liは石油中、黄リンは水中、濃硝酸・過酸化水素は褐色びん
- (3)係数が分からない → 酸化マンガン(IV)+濃塩酸は 1:4、気体の塩素は1 mol
(4)(5) 電池とオストワルト法 ── 反応式の係数が、そのまま答え
(4)はダニエル電池の語の選択と、電気量から質量変化を出す計算。(5)はオストワルト法の気体の同定と、アンモニアから硝酸が何kgできるかの計算です。
(4)ダニエル電池:語の選択と質量変化(解答番号6〜15)
亜鉛板を硫酸亜鉛水溶液、銅板を硫酸銅(II)水溶液に浸して素焼き板で仕切った電池を放電する。まず語を選び、次に0.10 Aを193秒流したときの亜鉛板と銅板の質量変化を有効数字2桁で求める。
- 解答番号6・7:負極活物質と正極活物質(語を選ぶ)
- 解答番号8・9:放電したときの負極・正極の質量の変化(増加/減少)
- 解答番号10〜12:亜鉛板の質量変化(□.□×10⁻□ g)
- 解答番号13〜15:銅板の質量変化(□.□×10⁻□ g)
負極では亜鉛が電子を出して溶け、正極では銅(II)イオンが電子を受け取って銅が析出します。
負極活物質は亜鉛(①)、正極活物質は銅(II)イオン(⑦)。負極の質量は減少(③)、正極の質量は増加(④)します。
流れた電気量は $0.10\times193=19.3$ C、電子は $\dfrac{19.3}{9.65\times10^4}=2.0\times10^{-4}$ mol です。電子2 molあたり亜鉛1 molが溶け、銅1 molが析出するので、
10・11・12は 6・5・3、13・14・15は 6・4・3 です。
(5)オストワルト法:気体の同定と硝酸の量(解答番号16〜21)
アンモニアと空気を白金網で反応させ、生じた気体Aを酸素と反応させて気体B、Bを水と反応させて硝酸(と気体A)をつくる。気体の名前、色と捕集法、そして硝酸の量を答える。
- 解答番号16・17:気体A・気体Bを①〜⑨から選ぶ
- 解答番号18・19:気体A・Bそれぞれの色と捕集法の組み合わせ
- 解答番号20・21:アンモニア3.4 kgをすべて硝酸にしたとき得られる60%硝酸の質量(kg、2桁の整数)
気体Aは一酸化窒素NO(②)、気体Bは二酸化窒素$\mathrm{NO_{2}}$(⑥)です。NOは無色で水に溶けにくいので水上置換(③)、$\mathrm{NO_{2}}$は赤褐色で水に溶け空気より重いので下方置換(⑤)で集めます。
(iii)は、NOが回収されて何度も反応するので、アンモニア中の窒素はすべて硝酸になります。3式をまとめると
$\mathrm{NH_{3}}$ $3.4$ kg は $\dfrac{3400}{17}=200$ mol。$\mathrm{HNO_{3}}$ も200 mol で、質量は $200\times63=12600$ g $=12.6$ kg。これが60%なので、
20・21は 2・1 です。
(4)(5):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (4) | 電池の質量変化 | 電子 $=It/F$。電子2 molでZn・Cu各1 mol。Znは減少・Cuは増加 |
| (5)(i)(ii) | 気体の同定 | NOは無色・水上、NO₂は赤褐色・下方 |
| (5)(iii) | 通算式 | NH₃ 1 mol → HNO₃ 1 mol。濃度は÷0.60 |
🩺【自己診断】(4)(5)で手が止まった人への処方箋
- (4)質量が合わない → 電子の物質量を先に出し、「電子2 mol=金属1 mol」で割る
- (4)増減の向きが逆 → 負極(酸化)は溶ける=減少、正極(還元)は析出=増加
- (5)気体が分からない → 800℃・白金網で生じるのはNO。空気に触れて赤褐色になるのがNO₂
- (5)硝酸の量が出ない → 通算式 $\mathrm{NH_3+2O_2\to HNO_3+H_2O}$ を書き、物質量を1:1で結ぶ
(6)〜(8) 有機・高分子 ── 山場は(7)と(8)の19分
(6)はエチレンとアセチレンの正誤判定、(7)はC₈H₁₀の4異性体とポリエチレンテレフタラートの縮合重合、(8)はデンプンとセルロースです。(7)(8)で解答欄の半分以上(23〜44)が決まります。
(6)エチレン・アセチレンの記述(解答番号22)
アセチレンと水、エチレンと塩化水素、エチレンと臭素、カーバイドと水、アセチレンと水素の反応について、生成物と量関係の正誤を判断する問題。
- 解答番号22:①〜⑤の記述のうち正しいものをすべて選ぶ
1つずつ○×を付けます。
① アセチレン+水 → アセトアルデヒド(酢酸ではない):×。 ② エチレン+塩化水素 → 塩化エチル(塩化ビニルはアセチレン+塩化水素):×。 ③ エチレン+臭素 → 1,2-ジブロモエタン:○。 ④ カーバイド$\mathrm{CaC_{2}}$+水 → アセチレン+水酸化カルシウム:○。 ⑤ アセチレン1 mol+水素2 mol → エタン(エチレンは水素1 molのとき):×。
正しいのは③と④です。
(7)C₈H₁₀の4異性体とPETの縮合重合(解答番号23〜33)
分子式C₈H₁₀の芳香族炭化水素4種A〜Dについて、酸化生成物から構造を決める。さらに、83 gのテレフタル酸と31 gのエチレングリコールを縮合重合させて分子量25000のポリエチレンテレフタラートをつくる。
- 解答番号23〜27:A・B・C・E・Fを①〜⑧から選ぶ(A〜Dは構造異性体、Eは酸化生成物、Fは加熱で得られる化合物)
- 解答番号28・29:重合反応で生成した水の質量(g、2桁の整数)
- 解答番号30〜33:ポリエチレンテレフタラート0.50 gに含まれるエステル結合の数(□.□×10□□ 個)
側鎖をすべて−COOHに変える酸化です。Aは1本の側鎖で安息香酸になるのでエチルベンゼン(②)。B・C・Dは2つのメチル基をもつキシレンで、酸化生成物がEとテレフタル酸とイソフタル酸。テレフタル酸が得られるCは$p$-キシレン(⑧)、イソフタル酸が得られるDは$m$-キシレン、残るBが$o$-キシレン(⑦)です。Bの酸化生成物E はフタル酸(⑤)、加熱すると脱水して無水フタル酸(①)になり、これがFです(アルキド樹脂の原料)。
(ii)は水の量です。テレフタル酸(分子量166)は $83\div166=0.50$ mol、エチレングリコール(62)は $31\div62=0.50$ mol で、ちょうど等モルです。PETの繰り返し単位$\mathrm{C_{10}H_{8}O_{4}}$は192、重合度は $n=\dfrac{25000-18}{192}\approx130$ です。高分子1分子には、エステル結合が($2n-1$)個あり、結合1個につき水1分子が出ます。
(質量保存でも確かめられます:原料 $83+31=114$ g から高分子 $114-18=96$ g ができる。)28・29は 1・8 です。
(b)は、エステル結合が繰り返し単位あたりほぼ2個と考えて、
30・31・32・33は 3・1・2・1 です。
(8)デンプンとセルロース(解答番号34〜44)
デンプン(可溶性のアミロース、不溶性のアミロペクチン)とセルロースの構造・酵素分解・性質を、穴埋めと正誤で問い、最後にトリアセチルセルロースの部分加水分解を計算させる。
- 解答番号34〜39:文章中の空欄に入る語を①〜⓪から選ぶ(6つ)
- 解答番号40・41:グルコースの1位と何位が結合するか(直鎖のa、枝分かれのb)
- 解答番号42:デンプンとセルロースの両方に共通するものをすべて選ぶ
- 解答番号43・44:トリアセチルセルロース864 gを加水分解した生成物754 gで、ヒドロキシ基の何%がアセチル化されているか(2桁)
デンプンはα-グルコース(⑨)が縮合重合した多糖で、温水に溶けるアミロース(①)と溶けないアミロペクチン(②)に分かれます。アミロースは1位と4位が結合した直鎖状(a=4)、アミロペクチンはこの他に1位と6位が結合した枝分かれをもちます(b=6)。アミラーゼで分解すると二糖類のマルトース(⑦)が生じます。セルロースはβ-グルコース(⓪)が縮合した多糖で、セルラーゼで分解するとセロビオース(⑤)が生じます。
(iii)は5つの記述に○×を付けます。① 還元性を示さない(デンプン・セルロースとも):○。② 一般式$\mathrm{Cm(H_{2}O)n}$の炭水化物:○。③ レーヨンの原料:セルロースだけ:×。④ 植物の細胞壁や木材パルプの主成分:セルロースだけ:×。⑤ ヨウ素ヨウ化カリウムで青紫色:デンプンだけ:×。共通するのは①と②です。
(iv)は質量の差から、外れたアセチル基の数を数えます。トリアセチルセルロースの繰り返し単位$\mathrm{C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}}$は288なので、$864\div288=3.0$ mol。1つのアセチル基が外れる(−OCOCH₃ → −OH)ごとに質量が $43-1=42$ 減ります。
43・44は 7・1 です。
(6)〜(8):型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (6) | 反応の正誤 | アセチレン+水→アセトアルデヒド、エチレン+HCl→塩化エチル |
| (7)(i) | 酸化生成物から構造 | 側鎖はすべて−COOH。ベンゼン環の置換位置で異性体を決める |
| (7)(ii) | 縮合重合の水 | 水の量=原料の質量−高分子の質量(≒1 mol/単位) |
| (8)(i)〜(iii) | 糖類の語・性質 | α/β、1,4と1,6、マルトースとセロビオース |
| (8)(iv) | 部分加水分解 | 質量差÷42 = 外れたアセチル基の数 |
🩺【自己診断】(6)〜(8)で手が止まった人への処方箋
- (6)正誤で迷う → 反応する物質の組み合わせを書いて、生成物を比べる
- (7)(i)構造が決まらない → 4異性体の酸化生成物(安息香酸・フタル酸・テレフタル酸・イソフタル酸)を図D の形で覚える
- (7)(ii)水が出ない → 縮合1回で水1分子。原料の合計−高分子の質量でも出せる
- (8)語が出ない → 「デンプン=α、枝分かれあり/セルロース=β、枝なし」から逆算
- (8)(iv)割合が出ない → 1つ外れるごとに質量が42減る、を使って「外れた数」を数える
金沢医科大2026型 そっくり類題セット
(全8問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ(1)〜(8)の構成・同じ解答番号の数(1〜44)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。先に取れる問題を取る力と、45分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように45分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 金沢医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 解答番号は 1〜44。数値の解答は,四捨五入して指定されている桁数に合わせて答えること。2けたの欄に 5 を答えるときは「05」とマークする。
- 必要があれば次の値を用いなさい。原子量 H:1.0,C:12,N:14,O:16,S:32,Cu:64,Pb:207。アボガドロ定数 6.0×10²³/mol,ファラデー定数 9.65×10⁴ C/mol。気体は理想気体とし,標準状態(0℃,1.013×10⁵ Pa)の気体のモル体積は 22.4 L/mol とする。
次の(1)〜(8)の設問に答えなさい。
(1) 単体が常温・常圧で気体である元素を,①〜⑧からすべて選びなさい。1
(2) 実験室での化学物質の取り扱いに関する①〜⑤の記述のうち,誤っているものを1つ選びなさい。2
(3) 亜鉛 $3.25$ g がすべて希塩酸と反応したときに発生する水素の体積は,標準状態で何Lか。3.45 L
(4) 次の文章を読み,(i),(ii)の問いに答えなさい。
鉛蓄電池は図のように,鉛板と酸化鉛(IV)板を希硫酸に浸した電池である。この電池の負極活物質は 6 であり,正極活物質は 7 である。鉛蓄電池を放電したとき,負極の質量は 8 し,正極の質量は 9 する。
(i) 6〜9 に当てはまる最も適切な語を,それぞれ①〜⑧から選びなさい。
(ii) 図に示した鉛蓄電池を放電し,$0.10$ A の一定電流を $1930$ 秒間流した。負極板と正極板の質量変化はそれぞれ何gか。有効数字2桁で答えなさい。ただし,放電で生じる反応は,両極とも硫酸鉛(II)が極板に付着する変化のみであり,反応に関わる電子はすべて導線を通るものとする。
負極板:10.11×10$^{-\boxed{\text{12}}}$ g 正極板:13.14×10$^{-\boxed{\text{15}}}$ g
(5) 次の文章を読み,(i)〜(iii)の問いに答えなさい。
銅に希硝酸を加えると,気体Aが発生する。気体Aは,空気に触れると酸素と反応して気体Bになる。
(i) 気体Aと気体Bを,それぞれ①〜⑨から選びなさい。A:16 B:17
(ii) 気体Aと気体Bについて,それぞれの色と実験室での捕集法の正しい組み合わせを,①〜⑨から選びなさい。A:18 B:19
(iii) 銅 $9.6$ g がすべて希硝酸と反応するのに必要な硝酸は何gか。希硝酸の質量パーセント濃度を $63$ %とし,反応で消費される硝酸だけを考えて,整数で答えなさい。2021 g
(6) エタノールに関する記述として正しいものを,①〜⑤からすべて選びなさい。22
(7) 次の文章を読み,(i),(ii)の問いに答えなさい。
分子式 $\mathrm{C_{8}H_{10}}$ で表される芳香族炭化水素には,4種類の構造異性体A〜Dが存在する。Aを過マンガン酸カリウム水溶液で酸化すると,安息香酸が生じる。B,C,Dのベンゼン環の水素原子1個を塩素原子に置き換えた化合物には,それぞれ,2種類,1種類,3種類の構造異性体が存在する。Dを酸化するとEが,Cを酸化するとFが得られる。Fはポリエステルの原料に使われる。
(i) A,B,C,E,Fを,それぞれ①〜⑧から選びなさい。A:23 B:24 C:25 E:26 F:27
(ii) $41.5$ g のテレフタル酸と $22.5$ g の1,4-ブタンジオール($\mathrm{HOCH_{2}CH_{2}CH_{2}CH_{2}OH}$)の縮合重合において,重合に伴う脱水反応を完全に行い,分子量 $22000$ のポリブチレンテレフタラートが得られたとする。(a),(b)の問いに答えなさい。
(a) 重合反応で生成した水は何gか。整数で答えなさい。2829 g
(b) 生成したポリブチレンテレフタラート $0.50$ g に含まれるエステル結合の数を有効数字2桁で答えなさい。30.31×10$^{\boxed{\text{32}}\boxed{\text{33}}}$ 個
(8) 次の文章を読み,(i)〜(iv)の問いに答えなさい。
スクロースは,34 の1位と 35 の b 位のヒドロキシ基が脱水縮合した二糖類で,還元性を示さない。スクロースを希硫酸で加水分解すると,34 と 35 の等量混合物である 36 が生じる。牛乳に含まれる二糖類は 37 である。デンプンに酵素アミラーゼを作用させると二糖類の 38 が生じ,38 は,2分子の α-グルコースが1位と a 位のヒドロキシ基で縮合した構造をもつ。セルロースに酵素セルラーゼを作用させると,二糖類の 39 が生じる。
(i) 34〜39 に当てはまる語を,それぞれ①〜⓪から選びなさい。
(ii) a と b に当てはまる数字を,それぞれマークしなさい。a:40 b:41
(iii) マルトース,ラクトース,スクロースの3つの二糖類に共通するものを,①〜⑤からすべて選びなさい。42
(iv) スクロース $17.1$ g を希硫酸で完全に加水分解し,生じた単糖をすべてフェーリング液と反応させた。単糖1 mol あたり酸化銅(I) $\mathrm{Cu_{2}O}$ が1 mol 生じるとして,生じる酸化銅(I)は何gか。ただし,$\mathrm{Cu_{2}O}$ の式量は 144 とし,整数で答えなさい。4344 g
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合((1)〜(8)) の答えと解説
- 常温・常圧で気体の単体は,水素・窒素・酸素・フッ素・塩素・貴ガスなど。ここでは窒素(①)とネオン(⑥)。臭素・水銀は液体,ルビジウム・カルシウム・ヨウ素・ガリウムは固体(ガリウムは約30℃で融けるが常温では固体)。
- 水酸化ナトリウム水溶液はガラスを侵し,共栓がびんに固着する。ゴム栓のポリ容器に保存する。③が誤り。黄リンは空気中で発火するので水中,過酸化水素水は光で分解するので褐色びん。
- $\mathrm{Zn}$ + 2$\mathrm{HCl}$ → $\mathrm{ZnCl_{2}}$ + $\mathrm{H_{2}}$。$\mathrm{Zn}$ $3.25$ g $=\dfrac{3.25}{65}=0.0500$ mol。水素も $0.0500$ mol なので $0.0500\times22.4=1.12$ L。
- 負極:$\mathrm{Pb}$ + $\mathrm{SO_{4}^{2-}}$ → $\mathrm{PbSO_{4}}$ + 2e⁻(負極活物質は鉛①)。正極:$\mathrm{PbO_{2}}$ + 4H⁺ + $\mathrm{SO_{4}^{2-}}$ + 2e⁻ → $\mathrm{PbSO_{4}}$ + 2$\mathrm{H_{2}O}$(正極活物質は酸化鉛(IV)②)。
- 両極とも硫酸鉛(II)が付着するので,どちらの極板も質量が増加する(8・9はともに⑥)。
- 流れた電気量 $0.10\times1930=193$ C,電子は $\dfrac{193}{9.65\times10^4}=2.0\times10^{-3}$ mol。
- 負極:Pb→PbSO₄で,電子2 molあたり $\mathrm{SO_{4}}$(96)だけ増える。$\dfrac{2.0\times10^{-3}}{2}\times96=9.6\times10^{-2}$ g。正極:PbO₂→PbSO₄で,電子2 molあたり $\mathrm{SO_{2}}$(64)だけ増える。$\dfrac{2.0\times10^{-3}}{2}\times64=6.4\times10^{-2}$ g。
- $\mathrm{3Cu}$ + $\mathrm{8HNO_{3}}$ → $\mathrm{3Cu(NO_{3})_{2}}$ + $\mathrm{2NO}$ + $\mathrm{4H_{2}O}$。気体Aは一酸化窒素(②)。$\mathrm{2NO}$ + $\mathrm{O_{2}}$ → $\mathrm{2NO_{2}}$ なので気体Bは二酸化窒素(⑥)。
- NOは無色で水に溶けにくい → 水上置換(③)。$\mathrm{NO_{2}}$ は赤褐色で水に溶け,空気より重い → 下方置換(⑤)。
- $\mathrm{Cu}$ $9.6$ g $=0.15$ mol。反応式の係数から $\mathrm{HNO_3}$ は $\dfrac{8}{3}\times0.15=0.40$ mol(質量 $0.40\times63=25.2$ g)。$63$%の希硝酸なら $\dfrac{25.2}{0.63}=40$ g。
- ①160〜170℃の脱水(分子内)→エチレン。②130〜140℃の脱水(分子間)→ジエチルエーテル。⑤ヨードホルム反応($\mathrm{CH_{3}CH(OH){-}}$ の構造をもつ)→黄色の$\mathrm{CHI_{3}}$。
- ③ナトリウムとの反応で出るのは水素(酸素ではない)。④エタノールの酸化は,アセトアルデヒド→酢酸(アセトンは2-プロパノールの酸化生成物)。
- 塩素1置換体の数:o-キシレン2,m-キシレン3,p-キシレン1,エチルベンゼン3(環のみ)。Aは酸化して安息香酸になるのでエチルベンゼン(②)。B=o-キシレン(③),C=p-キシレン(④),D=m-キシレン。
- Dの酸化生成物E=イソフタル酸(⑥)。Cの酸化生成物F=テレフタル酸(⑦)(ポリブチレンテレフタラート,PETなどの原料)。
- テレフタル酸 $41.5\div166=0.250$ mol,1,4-ブタンジオール $22.5\div90=0.250$ mol(等モル)。繰り返し単位 $\mathrm{C_{12}H_{12}O_{4}}$=220,重合度 $n=\dfrac{22000-18}{220}\approx99.9$。
- (a) 高分子1分子あたり水 $(2n-1)$ 分子。鎖の数 $\dfrac{0.250}{n}$ mol なので水は $\dfrac{0.250}{n}(2n-1)\times18\approx8.95$ g → 9 g(質量保存でも $64.0-\dfrac{0.250}{n}\times22000\approx8.95$ g)。
- (b) エステル結合は繰り返し単位あたりほぼ2個。$\dfrac{0.50}{220}\times2\times6.0\times10^{23}\approx2.7\times10^{21}$ 個。
- スクロースは α-グルコースの1位と β-フルクトースの2位が結合(b=2)。加水分解でできる等量混合物は転化糖。牛乳の二糖類はラクトース,デンプンのアミラーゼ分解でできるのはマルトース(α-1,4結合,a=4),セルロースのセルラーゼ分解でできるのはセロビオース。
- 共通:②加水分解で単糖2分子,③分子式 $\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}$。スクロースは還元性を示さないので①④は誤り。⑤はデンプンの性質。
- スクロース $\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}$=342,$17.1\div342=0.0500$ mol。加水分解で単糖(グルコースとフルクトース)が計 $0.100$ mol,$\mathrm{Cu_{2}O}$ も $0.100$ mol なので $0.100\times144=14.4$ g → 14 g。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(例:(4)はダニエル電池を鉛蓄電池に、(5)はオストワルト法を銅と希硝酸に、(7)は異性体の決め方を塩素置換体の数に、(8)はデンプンとセルロースをスクロースなどの二糖類に変えました)。計算で決まる欄は数値計算とRDKitで独立に確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを45分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:金沢医科大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 金沢医科大学 医学部の化学2026年度(一般選抜 前期)は、どの順番で解くのがよいですか?
理科は2科目で90分なので、化学は45分前後が目安です。TMPSのおすすめは、(1)(2)の知識問題3分、(3)の気体の計算3分、(4)電池7分、(5)オストワルト法7分、(6)3分、(7)芳香族と高分子9分、(8)糖類10分、見直し3分です。(1)〜(3)と(6)は短時間で取れるので先に確保します。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全44個の解答欄のうち、計算で決まる欄は数値計算と、反応式・異性体・分子量のチェック(RDKit)で独立に確かめています。用語や性質を問う知識問題は機械では確かめきれないので、「要確認」を付けています。公式の解答は参照していません。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ(1)〜(8)の8問・同じ解答番号の数(1〜44)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(4ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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