倍率は $\dfrac{b}{a}$ です(物体が像の20倍の大きさ ⇒ 倍率は $\dfrac1{20}$)。$b=2.1$ cm を使うと
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間(理科2科目で90分、物理は約45分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を45分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜52)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 答えはTMPSが独立に導き、スクリプトで検算したものです(公式の解答は参照していません)。図の読み取りに関わる箇所には「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の金沢医科大の物理
- ✅ 全3大問・解答番号は1〜52。ほとんどが「数字を1桁ずつマークする」形式で、一部だけ解答群から式を選びます。理科は2科目で90分なので、物理には約45分(TMPSの目安)です。
- ✅ 第1問は凸レンズと凹レンズの結像。スクリーンまでの距離が固定された装置で、物体の位置を動かして鮮明な像をつくります。「像は常に凸レンズから$a_1$の位置にある物体から出たように見える」という一点に気づけるかが勝負です。
- ✅ 第2問はコンデンサーとコイルの回路。直流電源で充電したあとの電気振動で、振動の周期・電流の最大値、さらにコンデンサーを直列にしたときの電流の最大値と電圧まで、エネルギーと電荷の保存で一続きに解きます。
- ✅ 第3問は熱機関のサイクル。断熱変化2つと定圧変化2つのサイクルで、温度比・熱量・仕事を圧力比$P$の式で表し、最後に熱効率$1-P^{-2/5}$を導きます。指数を分数で答える欄が多く、計算ミスが命取りになります。
- ✅ 差がつくのは「指数と分数の処理」と「近似の使い分け」。どの大問も前半の式は短く、後半で式を組み合わせる形です。前半を落とさないことが先です。
45分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で90分。科目ごとの配分は決まっていないので、物理は約45分をTMPSの目安にします。時間配分はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。全52個の解答欄を、数式処理と数値計算の両方で独立に確かめています(結果は下の注記)。
第1問(解答番号 1〜12)
第2問(13〜30)
第3問(31〜52)
※ 検算:全52個の解答欄について、数式処理(sympy)と数値計算(光線追跡によるレンズの結像の数値解、LC回路の微分方程式のDOP853による数値積分、熱機関サイクルの状態量の追跡)の両方で一致を確認しました。公式の解答は参照していません。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 レンズによる結像 ── 「像はL₁から$a_1$の位置の物体から出たように見える」
焦点距離の分からない凸レンズと、スクリーンまでの距離が固定された装置です。スクリーンまでの距離$b$が固定なので、鮮明な像ができる条件は「L₁に入る光が、L₁から$a_1$の位置の点から出たように見えること」の1つだけ。ここに気づけば、凹レンズを足しても式が1本ずつ増えるだけです。
1〜4最初の結像:$a_1$と$f_1$(解答番号1〜4)
凸レンズL₁とスクリーンを置き、スクリーンまでの距離$b$を固定したまま物体を動かす。像の大きさが物体の$\dfrac{1}{20}$になる位置で、物体の位置と焦点距離を求める基本問題。
- 解答番号1・2:物体Aの位置$a_1$(cm、2桁の整数)
- 解答番号3・4:凸レンズL₁の焦点距離$f_1$(cm、小数第1位まで)
5〜7凹レンズL₂を入れる:A₂の位置と$a_2$の式(解答番号5〜7)
L₁の左に距離$d$離して凹レンズL₂を置く。スクリーン上に再び鮮明な像ができるときの物体位置$a_2$を、$a_1,d,f_2$の式で表す。
- 解答番号5:A₂(L₂による物体Aの虚像)とL₂の距離(解答群から選択)
- 解答番号6・7:$a_2=a_1-\dfrac{(6)^2}{(7)}$ の分子の中身と分母(解答群から選択)
スクリーンまでの距離$b$が変わらないので、L₁に入る光はL₁から$a_1$の位置から出たように見えなければなりません。それがL₂による虚像A₂です。L₂はL₁より$d$だけ左にあるので、
凹レンズL₂の結像:物体距離 $a_2-d$、虚像距離 $a_1-d$ のとき、凹レンズの式は $\dfrac1{a_2-d}-\dfrac1{a_1-d}=-\dfrac1{f_2}$。これを $a_2$ について整理します。
分子は $(a_1-d)^2$ なので6は③、分母は $a_1-d-f_2$ なので7は⑧です。($f_2>a_1-d$ のとき分母は負になるので、$a_2>a_1$、つまり物体はL₁から遠ざかります。)
8〜10$d=0$のとき:$f_2$の値と、平行光線を集める凹レンズ(解答番号8〜10)
2つのレンズを重ねたとき($d=0$)の$a_2$と$f_2$の関係、そして物体を無限遠に置いたときにスクリーン上に像をつくる条件。
- 解答番号8・9:$a_2=5a_1$になるときの$f_2$を$f_2=\dfrac{8}{9}\times a_1$の形で(8・9は1桁の数字)
- 解答番号10:平行光線が光軸とスクリーンの交点に集まるようにするための凹レンズの焦点距離(解答群から選択)
$d=0$ を代入すると、$a_2=a_1-\dfrac{a_1^2}{a_1-f_2}=\dfrac{a_1f_2}{f_2-a_1}$ です。$a_2=5a_1$ とおいて
よって8は5、9は4です。次に、平行光線を凹レンズ(焦点距離$f^{\prime}$)に入れると、光はレンズから左へ$f^{\prime}$の位置の点から出たように広がります。L₁がこの光をスクリーン上の光軸との交点に集めるには、その点がL₁から$a_1$の位置にあればよいので、
解答群で $a_1$ にあたるのは②です。
11・12凸レンズL₃に取り替える:$a_3$(解答番号11・12)
2つの凸レンズを重ねたときの結像。物体を$a_1$の位置から近づけると像が鮮明になる位置を求める。
- 解答番号11・12:$d=0$でL₂の代わりに焦点距離105 cmの凸レンズL₃を置いたときの、鮮明な像ができる物体位置$a_3$(cm、2桁の整数)
$d=0$ なので、L₁とL₃は重なった1つの凸レンズとして扱えます。焦点距離の逆数は足し算になります。
$a_3=30$ cm。$a_1=42$ cm より小さいので、「$a_1$の位置から近づけて」という条件とも合います。
第1問:レンズの型
| 欄 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 1〜4 | 凸レンズの結像 | 倍率$=b/a$。$\dfrac1a+\dfrac1b=\dfrac1f$ |
| 5〜7 | 凹レンズ+凸レンズ | $b$固定 ⇒ A₂はL₁から$a_1$。凹レンズの式 $\dfrac1{a_2-d}-\dfrac1{a_1-d}=-\dfrac1{f_2}$ |
| 8〜10 | $d=0$の代入 | $a_2=\dfrac{a_1f_2}{f_2-a_1}$。平行光線は$f^{\prime}=a_1$ |
| 11・12 | レンズの重ね合わせ | $\dfrac1a=\dfrac1{a_1}+\dfrac1{f_3}$ で逆数を足す |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 1〜4倍率が逆になる → 倍率は 像÷物 $=b/a$。物体が像の20倍なら $b/a=1/20$
- 5〜7式が立たない → 「$b$固定 ⇒ L₁に入る光は$a_1$の位置の点から出たよう」と書く。凹レンズの式は虚像距離を使って立てる
- 8〜1010が決まらない → 平行光線は凹レンズで「焦点の位置から出たように」広がる。それがL₁から$a_1$の位置になるように
- 11・12合成の式が不安 → $d=0$ ならレンズは重ねて足し算。$\dfrac1{f_1}-\dfrac1b=\dfrac1{a_1}$ を使うと速い
第2問 コンデンサーとコイルの回路 ── 充電の電気量が、そのまま振動のエネルギー
直流電源・抵抗・コンデンサー・コイルとスイッチ2つの回路です。S₁を閉じる(充電)→ S₁を開いてS₂を閉じる(LC振動)という2段階を、「電気量とエネルギーの保存」だけで追います。
13〜18S₁を閉じた直後と、十分時間がたったあと(解答番号13〜18)
直流電源とコンデンサーを抵抗でつないで充電する基本問題。閉じた直後と、十分時間がたったあとの2つの状態を比べる。
- 解答番号13・14:S₁を閉じた直後に流れる電流(0.□□ A)
- 解答番号15・16:C₁に蓄えられる電気量(μC、2桁)
- 解答番号17・18:C₁の静電エネルギー(μJ、2桁)
閉じた直後、C₁には電荷がないので、C₁の電圧は0。電源の電圧$5.0$ Vがそっくり抵抗にかかります。十分時間がたつと電流は0になり、抵抗の電圧も0なので、C₁の電圧が$5.0$ Vになります。
19〜23S₁を開いてS₂を閉じる:LC振動の$L$と最大電流(解答番号19〜23)
C₁とLだけの回路に角周波数$1250$ rad/sの電気振動が起きた。このときの$L$と、電流の最大値を求める。
- 解答番号19・20:コイルの自己インダクタンス(0.□□ H)
- 解答番号21・22・23:Lを流れる電流の最大値(□.□×10⁻□ A)
電流が最大になるのは、コンデンサーの電荷が0になる瞬間です。このとき、はじめのエネルギー$U$がすべてコイルのエネルギーになります。
別解:電気量が$Q\cos\omega t$で変わる振動なので、電流の最大値は $Q\omega=1.6\times10^{-5}\times1250=2.0\times10^{-2}$ A。2通りで一致を確かめられます。
24〜30C₂を直列に入れる:最大電流と、そのときの電圧(解答番号24〜30)
回路を元に戻し、Lに直列にC₂($1.8\ \mu$F)をつなぐ。C₁を$5.0$ Vで充電したあとS₁を開いてS₂を閉じる。C₂は最初電荷がなく、電気振動が起きたあとの電流の最大値と電圧を求める。
- 解答番号24・25・26:C₁・C₂・Lの回路で、Lを流れる電流の最大値(□.□×10⁻□ A)
- 解答番号27・28/29・30:電流が最大のときの、C₁とC₂にかかる電圧の大きさ(V、□.□)
C₁の電気量$Q=16\ \mu$Cが、C₂とLを含む回路に流れ出します。電流が最大になるのは、コイルにかかる電圧が0になる瞬間、つまりC₁の電圧とC₂の電圧が打ち消し合うときです(電流の向きから見て、C₁の電圧は電流を流そうとし、C₂の電圧は電流を止めようとします)。流れた電気量を$x$とすると、
電圧は2つとも3.2 V(27・28と29・30はどちらも3・2)です。次に電流の最大値を、エネルギー保存で出します。
C₂が入ると、振動のエネルギーの一部がC₂に残るので、電流の最大値は$2.0\times10^{-2}$ A から$1.2\times10^{-2}$ A に小さくなります。
第2問:回路の型
| 欄 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 13〜18 | RC充電 | 直後:$I=E/R$、十分後:$V_C=E$、$Q=CE$、$U=\tfrac12CE^2$ |
| 19〜23 | LC振動 | $\omega=1/\sqrt{LC}$、$I_{\max}=\sqrt{2U/L}=Q\omega$ |
| 24〜30 | C₁→C₂とLへ | 電流最大 ⇔ $q_1/C_1=q_2/C_2$。エネルギー保存で$I_{\max}$ |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 13〜18直後の電流が出ない → 直後は電圧0のコンデンサー(導線と同じ)。$E=IR$ だけ
- 19〜23$L$が出ない → $\omega=1/\sqrt{LC}$ を $L=1/(\omega^2C)$ に変形して代入するだけ
- 19〜23$I_{\max}$が出ない → はじめのエネルギー$U$が全部コイルへ。$\tfrac12LI^2=U$
- 24〜30式が立たない → 電流最大 ⇔ コイルの電圧0 ⇔ $q_1/C_1=q_2/C_2$。動いた電気量を$x$とおく
第3問 熱機関のサイクル ── 温度比を$P$で表せば、あとは連鎖
単原子分子理想気体1 molが、断熱変化2つと定圧変化2つで一巡するサイクルです。圧力比$P=p_2/p_1$だけで、温度・熱量・仕事・熱効率がすべて決まります。
(1)温度比と指数$a,b,c$(解答番号31〜35)
1→2は断熱圧縮、2→3は定圧膨張、3→4は断熱膨張、4→1は定圧圧縮。状態1と3の体積は等しい。温度の比を、圧力比$P$の指数で表す。
- 解答番号31・32:$a$($T_2/T_1=P^a$)、33:$b$($T_3/T_1=P^b$)、34・35:$c$($T_4/T_1=P^c$)
1→2は断熱変化なので、$Tp^{-2/5}$が一定。
状態3の体積は状態1と等しく、状態3の圧力は$p_2$です。$pV=RT$ より、
3→4も断熱で、4の圧力は$p_1$です。
(2)過程2→3の吸収熱量$Q_{23}$(解答番号36〜39)
定圧膨張のとき気体が吸収する熱量を、$RT_1$との比で表す。
- 解答番号36・37:係数($Q_{23}/(RT_1)=\dfrac{36}{37}\times(P-P^d)$)
- 解答番号38・39:指数$d$
定圧変化の熱量は、定圧モル比熱を使って $Q=C_p\Delta T$。ここで $C_p=\dfrac52R$ です。
(3)過程3→4の仕事$W_{34}$(解答番号40〜43)
断熱膨張のとき気体が外部にする仕事を、$RT_1$との比で表す。
- 解答番号40・41:係数($W_{34}/(RT_1)=\dfrac{40}{41}\times(P-P^f)$)
- 解答番号42・43:指数$f$
断熱変化では熱の出入りがないので、仕事は内部エネルギーの減少に等しくなります($W=-\Delta U$)。定積モル比熱は $C_v=\dfrac32R$。
(4)過程4→1の放熱量$Q_{41}$(解答番号44〜47)
定圧圧縮のとき気体が外部に放出する熱量を、$RT_1$との比で表す。
- 解答番号44・45:係数($Q_{41}/(RT_1)=\dfrac{44}{45}\times(P^g-1)$)
- 解答番号46・47:指数$g$
(5)断熱変化の$TV^h$(解答番号48・49)
$Tp^{-2/5}=$一定という関係を、$T$と$V$の関係に書き直す。
- 解答番号48・49:指数$h$($TV^h=$一定、分数)
$pV=RT$ より $p=\dfrac{RT}{V}$。これを$Tp^{-2/5}$に代入します。
両辺を$\dfrac53$乗して、$h=\dfrac23$ です。単原子分子の断熱変化 $TV^{\gamma-1}$($\gamma=\dfrac53$)の $\gamma-1=\dfrac23$ とも一致します。
(6)熱効率(解答番号50〜52)
サイクルの熱効率を、まず$Q_{23},Q_{41}$の式で、次に$P$だけの式で表す。
- 解答番号50:熱効率$e$を$Q_{23},Q_{41}$で表した$e=1-\boxed{50}$の中身(解答群から選択、7通り)
- 解答番号51・52:$e=1-P^i$ の指数$i$($i=-\dfrac{51}{52}$)
熱効率は「した正味の仕事 ÷ 吸収した熱」。吸収した熱が$Q_{23}$、放出した熱が$Q_{41}$なので、正味の仕事は $Q_{23}-Q_{41}$ です。
(2)と(4)の結果を使うと、共通因子が約分されます。
数値で確かめると、$P=3$ のとき $e=1-3^{-0.4}\approx0.356$。断熱圧縮の温度上昇が大きいほど($P$が大きいほど)効率が高くなります。
第3問:熱機関サイクルの型
| 欄 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1) | 温度比 | 断熱:$Tp^{-2/5}$一定。体積が同じ ⇒ $T\propto p$ |
| (2)(4) | 定圧の熱 | $Q=C_p\Delta T$、$C_p=\tfrac52R$ |
| (3) | 断熱の仕事 | $W=C_v(T_3-T_4)$、$C_v=\tfrac32R$ |
| (5) | $TV^h$ | $p=RT/V$ を代入。$h=\gamma-1=2/3$ |
| (6) | 熱効率 | $e=1-Q_{41}/Q_{23}=1-P^{-2/5}$。共通因子でくくる |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- (1)指数が出ない → 「断熱は$Tp^{-2/5}$一定」「状態1と3は体積が同じ」の2つだけを使う
- (2)〜(4)係数を取り違える → 定圧の熱は$\tfrac52R$、断熱の仕事は$\tfrac32R$(内部エネルギーの減少)
- (5)$h$が出ない → $p=RT/V$ を代入して $T^{3/5}V^{2/5}$ を作り、$\tfrac53$乗
- (6)$e$が簡単にならない → $P-P^{2/5}=P^{2/5}(P^{3/5}-1)$ と、くくって約分
金沢医科大2026型 そっくり類題セット
(全3大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ3大問・同じ解答番号の数(1〜52)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。式を先に作る力と、45分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように45分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 金沢医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 解答欄 1〜52 には,問題の指示に従って数字(0〜9)をマークする。分数形で答える場合は,それ以上約分できない形(既約分数)で答える。
- 数値を計算した結果は,指示のある問題では有効数字2桁で答える。選択肢を選ぶ解答欄は,解答群の番号①〜⑨から選ぶ。
以下の文章中の解答欄 1〜4,8,9,11,12 に当てはまる数字をマークしなさい。数値を計算した結果は有効数字2桁として解答すること。解答欄 5〜7,10 は解答群から選択しなさい。
焦点距離$f_1$($f_1>0$)の凸レンズL$_1$を光軸上に置く。図1のように,L$_1$の左側の光軸上に点光源Aを,右側の光軸上に光軸と垂直なスクリーンを置く。L$_1$からスクリーンまでの距離$b$は$3.0$ cm に固定されている。Aを光軸に沿って動かし,L$_1$からAまでの距離$a$($a>0$)を変えたところ,$a=a_1$のときにスクリーン上にAの鮮明な実像A$_1$ができた。このとき,スクリーン上の像A$_1$の大きさはAの大きさの$\dfrac{1}{9}$であったとすると,$a_1=$ 12 cm,$f_1=$ 3.4 cm である。
次に,図2のようにL$_1$から左側に距離$d$($d>0$)離れた位置に,焦点距離$f_2$($f_2>0$)の凹レンズL$_2$を光軸に垂直に置く。Aを光軸に沿って動かしたところ,$a=a_2$のときにスクリーン上に鮮明な実像ができた。このとき,Aから出た光は,L$_2$によってできるAの虚像A$_2$から出たかのようにしてL$_1$に入る。したがって,A$_2$とL$_2$の距離は 5 であり,$a_2$は次の式で表される。
L$_1$とL$_2$の間隔が十分小さいときは,$d=0$とみなしてよい。以降は$d=0$として考える。$a_2$が$a_1$の3倍になるのは,$f_2=\dfrac{\boxed{\text{8}}}{\boxed{\text{9}}}\times a_1$ のときである。また,Aの代わりに左から光軸に平行な光線を入射し,光が光軸とスクリーンの交点に集まるようにするには,L$_2$を焦点距離が 10 の凹レンズに取り替えればよい。
次に,図2のL$_2$の代わりに焦点距離$54$ cm の凸レンズL$_3$を光軸に垂直に置く。Aを$a=a_1$の位置から光軸に沿ってL$_3$に近づけると,$a=a_3$のときにスクリーン上に鮮明な実像ができた。このとき,$a_3=$ 1112 cm である。
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 レンズによる結像 の答えと解説
- 像の大きさが物体の$\dfrac19$なので倍率は $\dfrac{b}{a_1}=\dfrac19$。よって $a_1=9b=9\times3.0=27$ cm。
- レンズの式 $\dfrac1{a_1}+\dfrac1b=\dfrac1{f_1}$ より $\dfrac1{f_1}=\dfrac1{27}+\dfrac13=\dfrac{10}{27}$,$f_1=2.7$ cm。
- L$_1$は$b$が固定なので,L$_1$に入る光は「L$_1$から$a_1$の位置の物体」から出たように見える必要がある。これがA$_2$で,L$_2$からの距離は $a_1-d$ → ②。
- 凹レンズL$_2$の式:物体距離 $a_2-d$,虚像距離 $a_1-d$ として $\dfrac1{a_2-d}-\dfrac1{a_1-d}=-\dfrac1{f_2}$。これを $a_2$ について解くと $a_2=a_1+\dfrac{(a_1-d)^2}{f_2-(a_1-d)}=a_1-\dfrac{(a_1-d)^2}{a_1-d-f_2}$。
- したがって6は $a_1-d$ → ②,7は $a_1-d-f_2$ → ⑥。
- $d=0$ で $a_2=\dfrac{a_1f_2}{f_2-a_1}$。$a_2=3a_1$ とおくと $f_2=3(f_2-a_1)$,$f_2=\dfrac32a_1$。
- 平行光線は凹レンズ$f'$を通ると,レンズから左へ$f'の位置にある点から出たように広がる。これをL$_1$がスクリーン上に集めるには,その点がL$_1$から$a_1$の位置にあればよい。よって $f'=a_1$ → ③。$
- L$_1$とL$_3$を重ねた合成レンズでは $\dfrac1a+\dfrac1b=\dfrac1{f_1}+\dfrac1{54}$。$\dfrac1{f_1}-\dfrac1b=\dfrac1{a_1}=\dfrac1{27}$ を使うと $\dfrac1{a_3}=\dfrac1{27}+\dfrac1{54}=\dfrac1{18}$,$a_3=18$ cm。
以下の文章中の解答欄 13〜30 に当てはまる数字をマークしなさい。数値を計算した結果は有効数字2桁として解答すること。
図3のように,端子電圧$4.0$ V の直流電源E,$50\ \Omega$ の抵抗R,電気容量$2.5\ \mu$F のコンデンサーC$_1$,コイルL,スイッチS$_1$,S$_2$をつないだ回路がある。最初,S$_1$,S$_2$は開いており,C$_1$には電荷がないものとする。S$_1$を閉じると抵抗に電流が流れる。閉じた直後の電流の大きさは $0.$1314 A であり,時間が経つにつれて徐々に減少する。十分時間が経ったあと,C$_1$に蓄えられている電気量と静電エネルギーはそれぞれ 1516 $\mu$C,1718 $\mu$J になる。
次に,S$_1$を開き,その後S$_2$を閉じると,C$_1$とLからなる回路に角周波数$1000$ rad/s の電気振動が生じた。このとき,Lの自己インダクタンスは $0.$1920 H である。また,Lに流れる電流の大きさの最大値は 21.22$\times10^{-\boxed{\text{23}}}$ A である。
回路を図3の状態に戻し,図4のように電気容量$1.5\ \mu$F のコンデンサーC$_2$をLと直列に接続する。最初,S$_1$,S$_2$は開いており,C$_1$,C$_2$には電荷がないものとする。S$_1$を閉じて十分時間が経った後,S$_1$を開き,その後S$_2$を閉じると,C$_1$,C$_2$,Lからなる回路に電気振動が生じた。Lに流れる電流の大きさの最大値は 24.25$\times10^{-\boxed{\text{26}}}$ A である。また,電流の大きさが最大になるとき,C$_1$,C$_2$にかかる電圧の絶対値はそれぞれ 27.28 V,29.30 V である。
▶ 第2問 の答えと解説を見る
第2問 コンデンサーとコイルの回路 の答えと解説
- 閉じた直後はC$_1$に電圧がないので,Rにかかる電圧がEに等しい。$I=\dfrac{4.0}{50}=0.080$ A。
- 十分時間後,C$_1$の電圧は$4.0$ V。$Q=CV=2.5\times10^{-6}\times4.0=1.0\times10^{-5}$ C $=10\ \mu$C,$U=\dfrac12CV^2=\dfrac12\times2.5\times10^{-6}\times16=2.0\times10^{-5}$ J $=20\ \mu$J。
- $\omega=\dfrac1{\sqrt{LC_1}}$ より $L=\dfrac1{\omega^2C_1}=\dfrac1{10^6\times2.5\times10^{-6}}=0.40$ H。
- 電流の最大値は $I_{\max}=Q\omega=1.0\times10^{-5}\times1000=1.0\times10^{-2}$ A。(エネルギー保存 $\dfrac12LI_{\max}^2=U$ でも同じ。)
- C$_1$の電気量$Q=10\ \mu$C が,C$_2$(はじめ0)とLの回路を流れる。電流が最大のときは $\dfrac{dI}{dt}=0$,つまりLの電圧が0で,$\dfrac{q_1}{C_1}=\dfrac{q_2}{C_2}$(両方の電圧が等しい)。
- 電荷の移動を$x$とすると $q_1=Q-x$,$q_2=x$。$\dfrac{Q-x}{2.5}=\dfrac{x}{1.5}$ より $x=\dfrac{1.5}{4.0}Q=3.75\ \mu$C,$q_1=6.25\ \mu$C。電圧は $\dfrac{6.25}{2.5}=\dfrac{3.75}{1.5}=2.5$ V(どちらも)。
- エネルギー保存:$\dfrac12LI^2=20-\left(\dfrac{6.25^2}{2\times2.5}+\dfrac{3.75^2}{2\times1.5}\right)=7.5\ \mu$J より $I^2=\dfrac{2\times7.5\times10^{-6}}{0.40}=3.75\times10^{-5}$,$I=6.1\times10^{-3}$ A。
$1$ mol の二原子分子理想気体の圧力$p$と体積$V$を,次の図に示すように,状態1→状態2→状態3→状態4→状態1→…と繰り返し変化させる熱機関のサイクルを考える。
気体は,過程1→2では断熱圧縮,過程2→3では一定の圧力$p_2$を保ちながら膨張,過程3→4では断熱膨張,過程4→1では一定の圧力$p_1$($p_1<p_2$)を保ちながら圧縮される。状態1と状態3の体積は等しい。ここで,状態1,2,3,4の温度を,それぞれ$T_1$,$T_2$,$T_3$,$T_4$とし,$p_1$と$p_2$の比を$P=\dfrac{p_2}{p_1}$と定義する。気体定数を$R$とすると,この気体の定積モル比熱は$\dfrac{5}{2}R$,定圧モル比熱は$\dfrac{7}{2}R$となる。
断熱変化では圧力$p$と温度$T$の間に,$Tp^{-\frac{2}{7}}=$一定 の関係が成り立つものとして,解答欄 31〜49,51,52 に当てはまる数字をマークしなさい。50 は解答群から選択しなさい。
(1) $T_2$,$T_3$,$T_4$と$T_1$の比 $\dfrac{T_2}{T_1}$,$\dfrac{T_3}{T_1}$,$\dfrac{T_4}{T_1}$ を,それぞれ$P$を用いて表すと,$\dfrac{T_2}{T_1}=P^{a}$,$\dfrac{T_3}{T_1}=P^{b}$,$\dfrac{T_4}{T_1}=P^{c}$ となる。ここで指数$a$,$b$,$c$は $a=\dfrac{\boxed{\text{31}}}{\boxed{\text{32}}}$,$b=$ 33,$c=\dfrac{\boxed{\text{34}}}{\boxed{\text{35}}}$ である。
(2) 過程2→3において,気体が外部から吸収した熱量$Q_{23}$($Q_{23}>0$)と$RT_1$の比 $\dfrac{Q_{23}}{RT_1}$ を,$P$を用いて表すと,$\dfrac{Q_{23}}{RT_1}=\dfrac{\boxed{\text{36}}}{\boxed{\text{37}}}\times(P-P^{d})$ となる。ここで指数$d$は $\dfrac{\boxed{\text{38}}}{\boxed{\text{39}}}$ である。
(3) 過程3→4において,気体が外部にした仕事$W_{34}$($W_{34}>0$)と$RT_1$の比 $\dfrac{W_{34}}{RT_1}$ を,$P$を用いて表すと,$\dfrac{W_{34}}{RT_1}=\dfrac{\boxed{\text{40}}}{\boxed{\text{41}}}\times(P-P^{f})$ となる。ここで指数$f$は $\dfrac{\boxed{\text{42}}}{\boxed{\text{43}}}$ である。
(4) 過程4→1において,気体が外部に放出した熱量$Q_{41}$($Q_{41}>0$)と$RT_1$の比 $\dfrac{Q_{41}}{RT_1}$ を,$P$を用いて表すと,$\dfrac{Q_{41}}{RT_1}=\dfrac{\boxed{\text{44}}}{\boxed{\text{45}}}\times(P^{g}-1)$ となる。ここで指数$g$は $\dfrac{\boxed{\text{46}}}{\boxed{\text{47}}}$ である。
(5) 断熱変化では,$TV^{h}=$一定 となる。ここで指数$h$は $\dfrac{\boxed{\text{48}}}{\boxed{\text{49}}}$ である。
(6) 本サイクルの熱効率$e$は$Q_{23}$と$Q_{41}$を用いて $e=1-$ 50 で表せる。また,$P$を用いて表すと,$e=1-P^{i}$ となる。ここで指数$i$は $-\dfrac{\boxed{\text{51}}}{\boxed{\text{52}}}$ である。
▶ 第3問 の答えと解説を見る
第3問 熱機関のサイクル の答えと解説
- 1→2は断熱:$\dfrac{T_2}{T_1}=\left(\dfrac{p_2}{p_1}\right)^{2/7}=P^{2/7}$。
- 状態1と3は体積が等しいので,$pV=RT$ より $\dfrac{T_3}{T_1}=\dfrac{p_2}{p_1}=P$($b=1$)。
- 3→4は断熱:$T_4=T_3\left(\dfrac{p_1}{p_2}\right)^{2/7}=T_1P^{1-2/7}=T_1P^{5/7}$。
- 定圧変化の吸熱量 $Q_{23}=\dfrac72R(T_3-T_2)=\dfrac72RT_1(P-P^{2/7})$。
- 断熱変化では仕事=内部エネルギーの減少。$W_{34}=\dfrac52R(T_3-T_4)=\dfrac52RT_1(P-P^{5/7})$。
- 定圧圧縮の放熱量 $Q_{41}=\dfrac72R(T_4-T_1)=\dfrac72RT_1(P^{5/7}-1)$。
- $p=\dfrac{RT}{V}$ を $Tp^{-2/7}=$一定 に代入すると $T\left(\dfrac{RT}{V}\right)^{-2/7}\propto T^{5/7}V^{2/7}$。これが一定なので,両辺を$\dfrac75$乗して $TV^{2/5}=$一定。
- 吸収した熱が$Q_{23}$,放出した熱が$Q_{41}$なので $e=\dfrac{Q_{23}-Q_{41}}{Q_{23}}=1-\dfrac{Q_{41}}{Q_{23}}$ → ⑤。
- $\dfrac{Q_{41}}{Q_{23}}=\dfrac{P^{5/7}-1}{P-P^{2/7}}=\dfrac{P^{5/7}-1}{P^{2/7}(P^{5/7}-1)}=P^{-2/7}$。よって $e=1-P^{-2/7}$,$i=-\dfrac27$。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(例:第1問は倍率を9倍に、第2問はE=4.0 V・C₁=2.5μF・C₂=1.5μFに、第3問は単原子分子を二原子分子に変えました)。全52欄を数値計算と記号計算で独立に確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを45分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:金沢医科大の物理で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 金沢医科大学 医学部の物理2026年度(一般選抜 前期)は、どの順番で解くのがよいですか?
理科は2科目で90分なので、物理は45分前後が目安です。TMPSのおすすめは、第1問(レンズ)12分、第2問(コンデンサーとコイルの回路)15分、第3問(熱機関のサイクル)15分、見直し3分です。どの大問も前半の式は短く、数値だけで答えが出る欄が多いので、先に取れる欄を取ってから後半に進みます。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全52個の解答欄を、数式処理(sympy)と数値計算(レンズの結像の数値解、LC回路の微分方程式、熱機関サイクルの状態量の追跡)の両方で独立に確かめています。公式の解答は参照していません。図の読み取りに関わる箇所は「要確認」を付けています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ3大問・同じ解答番号の数(1〜52)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(6ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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