ダイヤモンド:1個の炭素原子が、隣の4個の炭素原子と共有結合し、まわりの4個は正四面体形に並びます。結合がすべて強いので、熱はよく伝えますが、価電子は全部結合に使われて動けないので電気は導きません。黒鉛:1個の炭素が3個の炭素と結合した平面(正六角形の網目)が重なった構造で、1個の価電子が余って動けるため電気をよく導きます。層と層の間にはファンデルワールス力しかはたらかないので、間隔は C-C 結合の長さ(約0.14 nm)より長い(約0.34 nm)。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目120分の半分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各大問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図表は掲載していません。解答欄の番号(1〜26)と、解答群の番号(①〜)は、本番の問題と対応しています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2025年度の東北医科薬科大の化学
- ✅ 全4大問・全26欄。すべて「解答群から選ぶ」形式。理科は2科目で120分。化学は1科目あたり60分を想定します。
- ✅ Ⅰは構造と結合、Ⅱは電離平衡と溶解度積、Ⅲはアルミニウム、Ⅳは油脂。理論・無機・有機が1題ずつ並ぶ、教科書のど真ん中の構成です。
- ✅ 知識の欄が約半分。「組合せ表」と「正しいものを2つ選ぶ」形式が多く、1つでも知らないと選べないのではなく、確実に分かる1つで選択肢を絞るのが基本です。
- ✅ 計算は「近似」と「有効数字の桁」で差がつく。電離度の $1-\alpha\fallingdotseq1$、溶解度積の「[Cl$^-$] が 20 倍」など、問題文に書かれた条件をそのまま式にします。
- ✅ 選択肢の値は近い。解答群の数値は1.2、1.8、2.6…のように細かく刻まれているので、途中の四捨五入を早まらないことが大切です。

60分の立ち回りマップ(化学に使う分)
本番は理科2科目で120分。ここでは化学に60分を使う想定で、解く順番と「捨てどころ」をセットで覚えておきましょう。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。「欄の番号:解答群の番号」の形で書いています。計算欄(13欄)は数値を独立に再計算して、解答群からちょうど1つに決まることを確かめました。知識欄(13欄)は教科書の事実から導き、組合せ表や記述の正誤に当てはめて1つに決まることを確かめています。
Ⅰ 共有結合と結晶(問1:1、問2:2、問3:3、問4:4、問5:5、問6・7:6〜7)
Ⅱ 電離平衡と溶解度積(問1:8、問2:9、問3:10、問4:11、問5:12、問6:13)
Ⅲ アルミニウム(問1:14、問2:15、問3:16、問4:17、問5:18、問6:19)
Ⅳ 油脂(問1:20、問2:21、問3:22、問4:23、問5:24、問6・7:25〜26)
※ 解答群の番号は、問題冊子の選択肢の並びをTMPSが読み取ったものです。手元の問題の選択肢と、解説に書いた答えの中身(数値・語句)が一致することを確かめてください。
採点したら → 30秒の得点診断へ大問Ⅰ ダイヤモンドと黒鉛 ── 結合の種類と構造を整理する
前半はダイヤモンドと黒鉛(共有結合の結晶)の穴埋め、後半は物質の分類や分子の形の正誤問題、最後は結晶格子の計算です。全部が教科書の基本なので、ここで落とすと差がつきます。
共有結合の結晶(ダイヤモンド・黒鉛)の文章を読んで穴埋めする問1・2のあと、問3〜5は「選択肢の正誤」、問6・7はドライアイスの結晶格子の計算です。
- 1:ダイヤモンドについての穴埋め4つ(結合する炭素原子の数・形・熱の伝導・電気の伝導)の組合せ
- 2:ダイヤモンドと NaCl の融点の比較、黒鉛の結合数・層間にはたらく力・層間の距離の組合せ
- 3:炭素まわりの記述(NaCl の電気伝導・14族の元素・石英・フラーレンと黒鉛・グラフェン)から正しい2つを選ぶ
- 4:配位結合によって生じるものをすべて選ぶ(H$_3$O$^+$・H$_2$O$_2$・K$_3$[Fe(CN)$_6$]・CH$_3$COOH)
- 5:分子の形と極性の記述(NH$_3$・H$_2$O・CH$_4$・SO$_2$・CS$_2$)から正しい2つを選ぶ
- 6・7:ドライアイス(CO$_2$ の分子結晶)を面心立方格子として見て、単位格子あたりの分子数と、一辺 0.56 nm のときの分子間の最短距離
問1・問2ダイヤモンドと黒鉛(欄1・2)
融点は、ダイヤモンド(共有結合の結晶)の方が NaCl(イオン結晶、801℃)より高い。
問3炭素まわりの記述(欄3)
選択肢を1つずつ確かめます。b(炭素の同族元素には Si のほか Sn や Pb がある)は正しい。d(フラーレンと黒鉛は同素体で、どちらも1個の炭素が3個の炭素と結合している)も正しい。a:イオン結晶は固体のままでは電気を導かない(融解・溶解すると導く)ので誤り。c:石英(SiO$_2$)は Si と O が結合した結晶で、Si-Si 結合の繰り返しではないので誤り。e:黒鉛の一層だけの薄膜は「グラフェン」で、グラファイト(黒鉛)ではないので誤り。
問4配位結合によって生じるもの(欄4)
H$_3$O$^+$:H$_2$O の非共有電子対が H$^+$ に提供されてできる(配位結合)。K$_3$[Fe(CN)$_6$]:Fe$^{3+}$ に CN$^-$ が6個配位した錯イオン [Fe(CN)$_6$]$^{3-}$ をもつ。H$_2$O$_2$ と CH$_3$COOH は、共有結合だけでできている。
問5分子の形と極性(欄5)
a NH$_3$:電子対4組(共有3+非共有1)の反発で、結合角 106.7° の三角錐形(正)。b H$_2$O:電子対4組で結合角 104.5° の折れ線形(正)。c CH$_4$ の結合角は 109.5° の正四面体形(「120.0°」は誤り)。d SO$_2$ は折れ線形の極性分子(直線形の無極性分子ではない)。e CS$_2$ は CO$_2$ と同じ直線形の無極性分子(折れ線形の極性分子ではない)。

問6・問7ドライアイスの結晶格子(欄6・7)
ドライアイスは CO$_2$ 分子を1つの粒子と見て、面心立方格子のように並びます。単位格子に含まれる粒子の数は、頂点が $8\times\dfrac18$、面の中心が $6\times\dfrac12$。
面心立方格子では、最も近い粒子どうしは面の対角線の上で、頂点の粒子と面の中心の粒子が向かい合っています。距離は対角線の半分。
大問Ⅰ:小問の型と着眼点
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・2 | 共有結合の結晶 | ダイヤモンド:4本・正四面体・電気×。黒鉛:3本・層間はファンデルワールス力 |
| 問3・5 | 記述の正誤 | 確実な誤りから消す。数値入りは数値まで確かめる |
| 問4 | 配位結合 | 非共有電子対の提供:H$_3$O$^+$・NH$_4^+$・錯イオン |
| 問6・7 | 結晶格子 | 面心立方:粒子4個、最短距離=$\sqrt2a/2$。体心立方:粒子2個、最短距離=$\sqrt3a/2$ |
🩺【自己診断】大問Ⅰで手が止まった人への処方箋
- 問1・2黒鉛とダイヤモンドの数字が入れ替わる → ダイヤモンド4本・黒鉛3本。黒鉛の「余った1個の電子」が電気を運ぶ
- 問3・5正誤で迷う → 数値・元素名・形の「どれか1つでも違えば誤り」で、確実な誤りから消去
- 問4配位結合が分からない → 非共有電子対を相手に貸している結合を探す(錯イオン・H$_3$O$^+$)
- 問6・7距離が合わない → 面心立方の最短距離は面の対角線の半分($\sqrt2a/2$)
大問Ⅱ 水・アンモニア・フェノール・塩化銀 ── 平衡定数で計算する
水のイオン積と塩化銀の溶解度積の説明文のあと、6つの小問で電離度と濃度の計算が続きます。式 $K=c\alpha^2$ と $K_{sp}=[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]$ の2本で全部解けます。
水の電離平衡($K_w=1.0\times10^{-14}$)と AgCl の溶解平衡($K_{sp}=1.8\times10^{-10}$)を説明する文章のあと、電離度と濃度を求める計算問題が6問続きます。
- 8:水の電離(中和の逆反応)が吸熱・発熱のどちらか、成り立つ原理、温度が上がるとイオン積がどうなるか、の組合せ
- 9:25℃の純水の電離度(水の密度 1.0 g/cm$^3$ から水のモル濃度を出す)
- 10:pH 11 のアンモニア水(電離度 $2.0\times10^{-2}$)のモル濃度
- 11:$5.0\times10^{-2}$ mol/L のフェノール水溶液の電離度($K_a=1.3\times10^{-10}$ mol/L)
- 12:$2.0\times10^{-5}$ mol/L の AgNO$_3$ 1.0 L と NaCl 1.0 L を混合したあとの状態(沈殿の有無と [Ag$^+$])
- 13:AgCl の沈殿が生じていて [Cl$^-$] が [Ag$^+$] の20倍のときの [Ag$^+$]
問1水の電離と温度(欄8)
中和反応 H$^+$ + OH$^-$ → H$_2$O は発熱。その逆反応の水の電離は吸熱です。温度を上げると、熱を吸収する向き(電離する向き)に平衡が移動する——これはルシャトリエの原理です。電離が進むので $K_w$ は大きくなります(25℃で $1.0\times10^{-14}$、100℃で約 $5\times10^{-13}$)。
問2純水の電離度(欄9)
電離度は「電離した H$_2$O の割合」。純水では $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-7}$ mol/L が電離した量。水の密度 1.0 g/cm$^3$ から、1 L は 1000 g で $\mathrm{H_2O}=18.0$ なので
問3アンモニア水のモル濃度(欄10)
pH 11 なので $[\mathrm{H^+}]=10^{-11}$。$K_w=1.0\times10^{-14}$ から
NH$_3$ は電離度 $\alpha$ で電離し、$[\mathrm{OH^-}]=c\alpha$ なので
問4フェノール水溶液の電離度(欄11)
弱酸の電離では $K_a=\dfrac{c\alpha\cdot c\alpha}{c(1-\alpha)}\fallingdotseq c\alpha^2$。$K_a$ が非常に小さいので $1-\alpha\fallingdotseq1$ と近似できます。
問5混合したあとの状態(欄12)
2つの水溶液を1.0 Lずつ混ぜると全量が2.0 Lになり、濃度はそれぞれ半分。
積が $K_{sp}$ より小さいので、AgCl は沈殿せず、[Ag$^+$] は $1.0\times10^{-5}$ mol/L のまま。
問6[Cl$^-$] が20倍のときの [Ag$^+$](欄13)
沈殿が生じている、つまり溶解平衡にあるので、$K_{sp}=[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]$ がそのまま成り立ちます。$[\mathrm{Cl^-}]=20[\mathrm{Ag^+}]$ を代入して

大問Ⅱ:小問の型と着眼点
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 平衡移動 | 中和は発熱。吸熱反応は温度を上げると進む。$K_w$ は大きくなる |
| 問2 | 水の電離度 | $\alpha=[\mathrm{H^+}]/[\mathrm{H_2O}]$。水は 1000÷18.0=55.6 mol/L |
| 問3 | 塩基の濃度 | pH → $[\mathrm{OH^-}]=K_w/[\mathrm{H^+}]$。$c=[\mathrm{OH^-}]/\alpha$ |
| 問4 | 弱酸の電離度 | $\alpha=\sqrt{K_a/c}$。指数を偶数にそろえる |
| 問5 | 沈殿の有無 | 混合で濃度が半分。積と $K_{sp}$ を比べる |
| 問6 | 溶解平衡 | 積=$K_{sp}$。比の条件を代入して2次方程式 |
🩺【自己診断】大問Ⅱで手が止まった人への処方箋
- 問2分母が分からない → 水 1 L=1000 g。モル濃度は 1000÷18.0
- 問3桁が合わない → 塩基は $[\mathrm{OH^-}]$ から。$K_w=[\mathrm{H^+}][\mathrm{OH^-}]$ で変換
- 問4平方根が出せない → $\sqrt{26}$ の形に書き換える
- 問5沈殿の判定ができない → 混合後の濃度(体積2倍で半分)で積を作り $K_{sp}$ と比べる
大問Ⅲ アルミニウム ── 製法・ミョウバン・テルミット法
アルミニウムの製造(溶融塩電解)とテルミット法、ミョウバンの文章の穴埋めが前半。後半は電気量とテルミット反応の計算です。
Al の製法と化合物の文章を読んで穴埋めする問1〜3、記述の正誤を選ぶ問4、電気量とテルミット反応の計算の問5・6という並びです。
- 14:アルミニウムの結晶構造、原料鉱石、純粋なアルミニウムが得られる電極、の組合せ
- 15:Al と Fe$_2$O$_3$ の粉末を混ぜて点火し、鉄を取り出す方法の名前
- 16:ミョウバンをつくる1価の金属イオンの硫酸塩と、結晶の形の組合せ
- 17:アルミニウムとその化合物の記述(単体・酸化物・水酸化物・アルミナ・ルビーとサファイア)から、誤っている2つを選ぶ
- 18:1.35 kg の Al を得るのに最低限必要な電気量
- 19:3.60 kg の Fe$_2$O$_3$ と 1.35 kg の Al を完全に反応させたときに得られる Fe の質量
問1〜問3穴埋め(欄14〜16)
結晶構造:Al は面心立方格子。鉱石:ボーキサイトから純粋な Al$_2$O$_3$(アルミナ)をつくり、氷晶石に溶かして溶融塩電解します。電極:Al$^{3+}$ は還元されるので、純粋な Al は陰極に析出します。テルミット法:Al と酸化鉄(III) の粉末に点火して、融解した鉄を得る方法。ミョウバン:Al$_2$(SO$_4$)$_3$ と、1価の金属イオンの硫酸塩である K$_2$SO$_4$ からなる複塩で、結晶は正八面体(AlK(SO$_4$)$_2\cdot$12H$_2$O)。
問4誤っている記述(欄17)
a Al の単体は酸にも強塩基にも反応して溶ける(両性金属):正。b Al$_2$O$_3$ は酸にも強塩基にも溶ける(両性酸化物):正。c Al(OH)$_3$ は酸・強塩基に溶けるが、アンモニア水には溶けない(過剰のアンモニア水を加えても溶けない):正。d 「Al の表面に電気分解で緻密な酸化被膜を人工的につけた製品」はアルマイトであって、アルミナではない:誤り。e ルビーやサファイアは Al$_2$O$_3$ の結晶だが、結晶は化学的に安定で酸にも強塩基にも容易には反応しない:誤り。
問5電気量(欄18)
Al 1.35 kg は $\dfrac{1350}{27.0}=50.0$ mol。Al$^{3+}$ + 3e$^-$ → Al より、必要な電子は 3倍の 150 mol。
問6テルミット反応の過不足(欄19)
反応式は $2\mathrm{Al}+\mathrm{Fe_2O_3}\to\mathrm{Al_2O_3}+2\mathrm{Fe}$。物質量を求めて、どちらが足りないかを調べます。
Fe$_2$O$_3$ 22.5 mol とちょうど反応する Al は $22.5\times2=45.0$ mol で、50.0 mol より少ない。よって Al が余り、Fe$_2$O$_3$ が不足(これが反応の量を決める)。

大問Ⅲ:小問の型と着眼点
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 製法 | 面心立方・ボーキサイト・陰極(Al$^{3+}$ は還元) |
| 問2 | 反応の名前 | Al + 酸化鉄(III) → テルミット法 |
| 問3 | 複塩 | ミョウバン=Al$_2$(SO$_4$)$_3$ と K$_2$SO$_4$、正八面体 |
| 問4 | 記述の正誤 | アルマイト/アルミナの区別、コランダムは反応しにくい |
| 問5 | 電気量 | 物質量×価数×F。Al は3価 |
| 問6 | 過不足 | 係数で割って小さい方から計算 |
🩺【自己診断】大問Ⅲで手が止まった人への処方箋
- 問1〜3穴埋めが出てこない → 「Al:ボーキサイト→アルミナ→氷晶石で溶融塩電解」の流れを1行で書く
- 問4両性の記述が分からない → Al・Al$_2$O$_3$・Al(OH)$_3$ は酸にも強塩基にも溶ける。アンモニア水に溶けないのは Al(OH)$_3$
- 問5電気量が合わない → 物質量 50.0 mol × 3価 × $9.65\times10^4$
- 問6答えが大きすぎる → 過不足の判定をしていない。係数で割って比べる
大問Ⅳ 油脂 ── 構成と、けん化価・ヨウ素価
油脂の構造の穴埋め、記述の正誤、高級脂肪酸の融点、そして水素付加・ヨウ素価・けん化価の3つの計算が並びます。問6と問7は同じ油脂について連続で問われます。
油脂の基本構造の穴埋めから始まり、後半の3問が「物質量と分子量」を組み立てる計算です。ヨウ素価とけん化価の定義は問題文に書いてあります。
- 20:油脂を構成するアルコール、結合の名前、そのアルコールの分子量の組合せ
- 21:油脂・硬化油・オリーブ油・けん化価・不飽和脂肪酸の記述から、正しい2つを選ぶ
- 22:パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸のうち最も融点の高いもの
- 23:リノール酸とオレイン酸(物質量比 2:1)でできた油脂 $5.00\times10^{-1}$ mol に水素を付加させるときの H$_2$ の体積(標準状態)
- 24:オレイン酸だけ、リノール酸だけ、リノレン酸とオレイン酸(1:2)でできた3つの油脂のヨウ素価を小さい順に並べる
- 25・26:けん化価 192、ヨウ素価 203 の油脂の平均分子量と、1分子中の C=C 結合の平均の数
問1油脂の構造(欄20)
油脂は、グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)と高級脂肪酸がエステル結合した化合物で、物質量比は グリセリン:高級脂肪酸=1:3。グリセリン C$_3$H$_5$(OH)$_3$ の分子量は
問2記述の正誤(欄21)
b:マーガリンの原料の硬化油は、植物性の油脂(液体)に水素を付加(還元)してつくる。正。c:オリーブ油の高級脂肪酸のうちオレイン酸が最も多い。正。a:油脂はグリセリン(3価のアルコール)のエステルで、「3価のカルボン酸」ではない。誤。d:けん化価は「油脂 1 g をけん化する KOH の mg」なので、分子量が小さいほど(同じ質量の中に分子が多い)けん化価は大きくなる。つまり逆で誤。e:天然の不飽和脂肪酸の C=C はシス形。誤。
問3融点が最も高い高級脂肪酸(欄22)
同じ炭素数なら、C=C が多いほど融点が低くなります。C=C をもたない飽和脂肪酸で、炭素数の多いステアリン酸(C$_{17}$H$_{35}$COOH、約70℃)が最も融点が高い。パルミチン酸(約63℃)もあるが、炭素数が1つ少ないので低い。
問4水素の付加(欄23)
リノール酸(C=C 2個)とオレイン酸(C=C 1個)が 2:1なので、油脂1分子(脂肪酸3個)あたりの C=C の数は
C=C 1個に H$_2$ が 1分子付加するので、油脂 $5.00\times10^{-1}$ mol に必要な H$_2$ は $0.500\times5=2.50$ mol。
問5ヨウ素価の順序(欄24)
ヨウ素価は「油脂 100 g に付加する I$_2$ の質量」。C=C 1個に I$_2$ 1分子が付加するので、
油脂の分子量は、グリセリン 92 + 脂肪酸3個の分子量の和 − $3\times18$。
| 油脂 | C=C の数 | 分子量 | ヨウ素価 |
|---|---|---|---|
| a オレイン酸のみ | 3 | 884 | 約86 |
| b リノール酸のみ | 6 | 878 | 約174 |
| c リノレン酸1:オレイン酸2 | 5 | 880 | 約144 |
問6・問7けん化価とヨウ素価から(欄25・26)
欄25(平均分子量):油脂 1 mol は KOH 3 mol とけん化します(3価のエステル)。油脂の平均分子量を $M$ とすると、油脂 1 g は $\dfrac1M$ mol、必要な KOH は $\dfrac3M$ mol。これがけん化価 192 mg なので
欄26(C=C の数):油脂 100 g の物質量は $\dfrac{100}{875}$ mol。ヨウ素価 203 は付加する I$_2$ が 203 g、つまり $\dfrac{203}{254}=0.799$ mol。C=C の数は、これを油脂の物質量で割って

大問Ⅳ:小問の型と着眼点
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 油脂の構造 | グリセリン(分子量92)+高級脂肪酸3個のエステル |
| 問2 | 記述の正誤 | 硬化油は水素付加、天然はシス形、けん化価は分子量と反比例 |
| 問3 | 融点 | 飽和で炭素数が多いほど高い |
| 問4 | 水素付加 | C=C の数(1分子あたり)× 物質量 × 22.4 |
| 問5 | ヨウ素価 | $\dfrac{(\text{C=C 数})\times254}{M}\times100$ |
| 問6・7 | けん化価・ヨウ素価 | M=3×56.0×$10^3$÷けん化価。C=C 数=ヨウ素価÷254×M÷100 |
🩺【自己診断】大問Ⅳで手が止まった人への処方箋
- 問1アルコールが出てこない → 油脂=グリセリン+脂肪酸3個。グリセリンは 92
- 問4H$_2$ の量が合わない → 1分子あたりの C=C の数(比で加重平均)を先に出す
- 問5順序が決まらない → C=C の数の大小で決まる。分子量はほぼ同じ
- 問6・7桁が合わない → KOH の質量は mg。$56.0\times10^3$ を忘れない
東北医科薬科大2025型 そっくり類題セット
(全4大問・26欄・解答解説つき)
2025年度の本番と同じ4大問・同じ26欄の形式(解答群から選ぶ)で、物質と数値を変えたTMPSオリジナル問題です。「結晶と結合」と「電離平衡・溶解度積」、「金属(Cu)の電解精錬」、「油脂のけん化価・ヨウ素価」の練習に使ってください。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 東北医科薬科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
必要ならば,つぎの数値を用いなさい。原子量:H=1.00,C=12.0,O=16.0,Cl=35.5,K=39.0,Cu=63.5,Ag=108,I=127。ファラデー定数:$F=9.65\times10^{4}$ C/mol。なお,気体はすべて理想気体であるものとし,0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa(標準状態)におけるモル体積は 22.4 L/mol とする。
つぎの文章を読んで,以下の問いに答えよ。
塩化ナトリウム NaCl の結晶は,Na$^{+}$ と Cl$^{-}$ がクーロン力で結びついたイオン結晶である。結晶中の Na$^{+}$ は,隣接する ア 個の Cl$^{-}$ に囲まれており,単位格子中に含まれる Na$^{+}$ の数は イ 個である。固体の NaCl は電気を ウ,融解した NaCl は電気を エ。また,NaCl の融点は,二酸化ケイ素 SiO$_2$ の融点よりも オ。SiO$_2$ の結晶では,Si 原子が隣接する カ 個の O 原子と共有結合しており,Si 原子のまわりの O 原子は キ の頂点の位置に配置している。Si-O 結合の長さは,Si-Si 結合の長さよりも ク。
| ア | イ | ウ | エ | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 4 | 2 | 導く | 導かない |
| ② | 4 | 4 | 導かない | 導く |
| ③ | 6 | 2 | 導かない | 導く |
| ④ | 6 | 4 | 導く | 導かない |
| ⑤ | 6 | 4 | 導かない | 導かない |
| ⑥ | 6 | 8 | 導かない | 導く |
| ⑦ | 6 | 4 | 導かない | 導く |
| ⑧ | 8 | 4 | 導かない | 導く |
| ⑨ | 8 | 8 | 導く | 導かない |
| ⑩ | 8 | 4 | 導く | 導く |
| オ | カ | キ | ク | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 高い | 2 | 正四面体形 | 短い |
| ② | 高い | 4 | 正四面体形 | 長い |
| ③ | 高い | 4 | 正八面体形 | 短い |
| ④ | 高い | 4 | 正四面体形 | 短い |
| ⑤ | 低い | 2 | 正四面体形 | 長い |
| ⑥ | 低い | 2 | 正八面体形 | 短い |
| ⑦ | 低い | 4 | 正八面体形 | 長い |
| ⑧ | 低い | 4 | 正八面体形 | 短い |
| ⑨ | 低い | 4 | 正四面体形 | 長い |
| ⑩ | 低い | 4 | 正四面体形 | 短い |
- a金属の結晶が電気をよく導くのは,自由電子が結晶中を移動できるからである。
- bダイヤモンドは電気をよく導く。
- cケイ素 Si の結晶は,ダイヤモンドと同様に,隣接する4個の Si 原子と共有結合してできている。
- dアルゴン原子の間にはたらく引力は,共有結合である。
- eヨウ素 I$_2$ の結晶は共有結合の結晶であり,昇華しにくい。
- aH$_2$O
- bCH$_4$
- cNH$_3$
- dHF
- a二酸化炭素 CO$_2$ は,折れ線形の極性分子である。
- b水 H$_2$O は,折れ線形の極性分子である。
- cメタン CH$_4$ は,平面正方形の無極性分子である。
- dアンモニア NH$_3$ は,三角錐形の極性分子である。
- e二酸化硫黄 SO$_2$ は,直線形の無極性分子である。
問6 単位格子あたりの Na 原子の数はいくつか。その番号を 6 にマークしなさい。
▶ 【I】 の答えと解説を見る
【I】 の答えと解説
- 1.⑦ NaCl型の結晶では,Na$^+$ は6個の Cl$^-$ に囲まれる(配位数6)。単位格子には Cl$^-$ が頂点と面心で $8\times\frac18+6\times\frac12=4$ 個,Na$^+$ が辺の中点と中心で $12\times\frac14+1=4$ 個ふくまれ,$\text{Na}^+$ は4個。固体はイオンが動けないので電気を導かず,融解するとイオンが動けるので導く。
- 2.⑩ NaCl の融点は約801℃,SiO$_2$ は約1700℃で,共有結合の結晶の方が高いので NaCl の融点は「低い」。SiO$_2$ では Si が4個の O と結合し,正四面体形の SiO$_4$ が連なる。O 原子は Si 原子より小さいので,Si-O 結合は Si-Si 結合より「短い」。
- 3.② 正しいのは a と c。b:ダイヤモンドは自由電子がなく電気を導かない。d:希ガスの原子間にはファンデルワールス力しかはたらかない。e:ヨウ素の結晶は分子結晶で,昇華しやすい。
- 4.⑨ 水素結合がはたらくのは,N,O,F に結合した H をもつ H$_2$O,NH$_3$,HF(a,c,d)。CH$_4$ には水素結合がない。
- 5.⑥ 正しいのは b と d。a:CO$_2$ は直線形の無極性分子。c:CH$_4$ は正四面体形。e:SO$_2$ は折れ線形の極性分子。
- 6.② 体心立方格子の原子の数は,頂点 $8\times\frac18=1$ 個と中心 1 個で 2 個。
- 7.④ 体心立方格子で最も近い原子は,立方体の対角線上の中心原子と頂点原子。対角線の長さは $\sqrt3\times0.43\fallingdotseq0.744$ nm で,その半分が原子間距離なので $0.744\div2\fallingdotseq0.37$ nm。
つぎの文章を読んで,以下の問いに答えよ。
酢酸 CH$_3$COOH は水溶液中で式(1)のように電離して平衡状態になる。
$\mathrm{CH_3COOH}\rightleftarrows\mathrm{CH_3COO^-}+\mathrm{H^+}$ ……式(1)
このとき,$K_a=\dfrac{[\mathrm{CH_3COO^-}][\mathrm{H^+}]}{[\mathrm{CH_3COOH}]}$ ……式(2) は温度が変わらなければ一定で,25℃では $K_a=1.8\times10^{-5}$ mol/L である。酢酸の電離は吸熱反応であり,その逆の反応は ア 反応である。酢酸水溶液を水で薄めると電離度は イ なる。これは ウ の原理で説明できる。また,温度が高くなると $K_a$ は エ なる。
難溶性塩の塩化銀 AgCl は,水中で式(3)のような溶解平衡が成り立つ。25℃での塩化銀の溶解度積は $K_{sp}=[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]=1.8\times10^{-10}$ (mol/L)$^2$ ……式(4) である。
| ア | イ | ウ | エ | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 吸熱 | 大きく | ルシャトリエ | 小さく |
| ② | 発熱 | 小さく | ルシャトリエ | 大きく |
| ③ | 発熱 | 大きく | ドルトン | 大きく |
| ④ | 吸熱 | 大きく | ルシャトリエ | 大きく |
| ⑤ | 吸熱 | 小さく | ルシャトリエ | 小さく |
| ⑥ | 発熱 | 大きく | ルシャトリエ | 大きく |
| ⑦ | 発熱 | 小さく | ドルトン | 小さく |
| ⑧ | 吸熱 | 大きく | ドルトン | 大きく |
| ⑨ | 吸熱 | 小さく | アボガドロ | 大きく |
| ⑩ | 発熱 | 大きく | アボガドロ | 小さく |
- ① AgCl の沈殿は生じず,水溶液中の [Ag$^+$] は $2.0\times10^{-5}$ mol/L である。
- ② AgCl の沈殿は生じず,水溶液中の [Ag$^+$] は $4.0\times10^{-5}$ mol/L である。
- ③ AgCl の沈殿は生じず,水溶液中の [Ag$^+$] は $8.0\times10^{-5}$ mol/L である。
- ④ AgCl の沈殿は生じず,水溶液中の [Ag$^+$] は $1.3\times10^{-5}$ mol/L である。
- ⑤ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中に Ag$^+$ は存在しない。
- ⑥ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中の [Ag$^+$] は $1.0\times10^{-5}$ mol/L である。
- ⑦ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中の [Ag$^+$] は $1.3\times10^{-5}$ mol/L である。
- ⑧ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中の [Ag$^+$] は $1.8\times10^{-5}$ mol/L である。
- ⑨ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中の [Ag$^+$] は $2.0\times10^{-5}$ mol/L である。
- ⑩ AgCl の沈殿が生じ,上澄みの水溶液中の [Ag$^+$] は $4.0\times10^{-5}$ mol/L である。
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【II】 の答えと解説
- 8.⑥ 電離(吸熱)の逆反応は発熱。薄めると,粒子の数が増える向き(電離)に平衡が移動して電離度は大きくなり,これは平衡移動の原理=ルシャトリエの原理。吸熱反応なので温度が高いほど電離が進み,$K_a$ は大きくなる。
- 9.⑦ $K_a=c\alpha^2$($1-\alpha\fallingdotseq1$)より $\alpha=\sqrt{K_a/c}=\sqrt{1.8\times10^{-5}/(2.0\times10^{-2})}=\sqrt{9.0\times10^{-4}}=3.0\times10^{-2}$。
- 10.⑧ pH 3.0 より $[\mathrm{H^+}]=1.0\times10^{-3}$ mol/L。$[\mathrm{H^+}]=c\alpha$ なので $c=\dfrac{1.0\times10^{-3}}{4.0\times10^{-2}}=2.5\times10^{-2}$ mol/L。
- 11.⑥ $\alpha=\sqrt{K_b/c}=\sqrt{1.8\times10^{-5}/(2.0\times10^{-1})}=\sqrt{9.0\times10^{-5}}=3\sqrt{10}\times10^{-3}\fallingdotseq9.5\times10^{-3}$。
- 12.⑦ 混合後は [Ag$^+$]=[Cl$^-$]=$2.0\times10^{-5}$ mol/L で,積は $4.0\times10^{-10}$ > $K_{sp}=1.8\times10^{-10}$ なので沈殿する。Ag$^+$ と Cl$^-$ は同じ物質量ずつ減るので,上澄みでも [Ag$^+$]=[Cl$^-$]。よって $[\mathrm{Ag^+}]=\sqrt{K_{sp}}=\sqrt{1.8\times10^{-10}}=1.34\times10^{-5}\fallingdotseq1.3\times10^{-5}$ mol/L。
- 13.④ 沈殿が生じているので $K_{sp}=[\mathrm{Ag^+}][\mathrm{Cl^-}]=50[\mathrm{Ag^+}]^2=1.8\times10^{-10}$。$[\mathrm{Ag^+}]^2=3.6\times10^{-12}$ より $[\mathrm{Ag^+}]=1.90\times10^{-6}$ mol/L。
つぎの文章を読んで,以下の問いに答えよ。
銅 Cu は,元素の周期表において11族に属する金属元素で,その結晶構造は ア をとっている。銅は鉱石の イ から得られた粗銅を電解精錬して純銅にする。この電解精錬において純銅は ウ に析出する。粗銅に含まれる金や銀などは,陽極の下に エ として沈殿する。硫酸銅(II) 五水和物 CuSO$_4\cdot$5H$_2$O の結晶は オ 色で,加熱すると結晶水を失って カ 色の粉末になる。
| ア | イ | ウ | |
|---|---|---|---|
| ① | 体心立方格子 | 黄銅鉱 | 陽極 |
| ② | 面心立方格子 | 赤鉄鉱 | 陰極 |
| ③ | 六方最密構造 | ボーキサイト | 陰極 |
| ④ | 面心立方格子 | 黄銅鉱 | 陽極 |
| ⑤ | 体心立方格子 | 赤鉄鉱 | 陰極 |
| ⑥ | 六方最密構造 | 黄銅鉱 | 陰極 |
| ⑦ | 面心立方格子 | ボーキサイト | 陽極 |
| ⑧ | 面心立方格子 | 黄銅鉱 | 陰極 |
| ⑨ | 六方最密構造 | 赤鉄鉱 | 陽極 |
- ① 鉱滓
- ② 水ガラス
- ③ アマルガム
- ④ 陽極泥
- ⑤ ブリキ
- ⑥ トタン
| オ | カ | |
|---|---|---|
| ① | 赤 | 白 |
| ② | 青 | 黒 |
| ③ | 緑 | 黄 |
| ④ | 青 | 黄 |
| ⑤ | 赤 | 黒 |
| ⑥ | 緑 | 白 |
| ⑦ | 青 | 白 |
| ⑧ | 赤 | 黄 |
| ⑨ | 緑 | 黒 |
- a銅は,塩酸や希硫酸には溶けないが,熱濃硫酸や硝酸には溶ける。
- b水酸化銅(II) は,過剰のアンモニア水に溶けて深青色の溶液になる。
- c銅は,金属の中で最も電気をよく導く。
- d銅(II) イオンを含む酸性水溶液に硫化水素を通じると,黒色の CuS が沈殿する。
- e青銅は,銅と亜鉛の合金である。
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【III】 の答えと解説
- 14.⑧ 銅は面心立方格子。原料は黄銅鉱 CuFeS$_2$。電解精錬では,粗銅を陽極,純銅を陰極にして,陰極に純銅が析出する。
- 15.④ 電解精錬で,銅よりイオン化傾向が小さい金・銀などは陽極の下に沈殿し,これを陽極泥という。
- 16.⑦ 硫酸銅(II) 五水和物は青色の結晶。加熱すると結晶水を失い,白色の無水物(CuSO$_4$)になる。
- 17.⑨ 誤りは c と e。c:電気伝導性が最も大きい金属は銀。e:銅と亜鉛の合金は黄銅(真ちゅう)で,青銅は銅とスズの合金。
- 18.⑤ 6.35 kg $=6350$ g $\div63.5=100$ mol。Cu$^{2+}$+2e$^-$→Cu より,電子は 200 mol。$200\times9.65\times10^{4}=1.93\times10^{7}$ C。
- 19.④ CuO の式量は 79.5 なので 7950 g は 100 mol,C は $360\div12.0=30$ mol。CuO 100 mol とちょうど反応する C は 50 mol なので,C が不足(C が反応を決める)。C 30 mol から Cu は $2\times30=60$ mol,質量は $60\times63.5=3810$ g $=3.81$ kg。
つぎの文章を読んで,以下の問いに答えよ。
油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,ア 反応が起こり,グリセリンと高級脂肪酸のナトリウム塩が生じる。この塩は イ とよばれ,水に溶かすと ウ を示す。油脂は一般に混合物で,その分子量や C=C 結合の数は一定ではない。そこで,これらの値を推定するのに,つぎのヨウ素価やけん化価が利用される。また高級脂肪酸には,パルミチン酸 C$_{15}$H$_{31}$COOH(分子量:256),ステアリン酸 C$_{17}$H$_{35}$COOH(分子量:284),オレイン酸 C$_{17}$H$_{33}$COOH(分子量:282),リノール酸 C$_{17}$H$_{31}$COOH(分子量:280),リノレン酸 C$_{17}$H$_{29}$COOH(分子量:278)などがある。
・ヨウ素価:油脂 100 g に付加することのできるヨウ素 I$_2$ の質量〔g〕の数値 ・けん化価:油脂 1 g を完全にけん化するのに必要な水酸化カリウム KOH の質量〔mg〕の数値
| ア | イ | ウ | |
|---|---|---|---|
| ① | エステル化 | セッケン | 弱酸性 |
| ② | けん化 | 合成洗剤 | 中性 |
| ③ | けん化 | セッケン | 弱酸性 |
| ④ | 付加 | セッケン | 弱塩基性 |
| ⑤ | 縮合 | 合成洗剤 | 弱塩基性 |
| ⑥ | けん化 | 硬化油 | 弱塩基性 |
| ⑦ | エステル化 | セッケン | 弱塩基性 |
| ⑧ | けん化 | セッケン | 弱塩基性 |
| ⑨ | けん化 | 合成洗剤 | 弱塩基性 |
| ⑩ | 付加 | 硬化油 | 中性 |
- aセッケンは,水中で疎水基を内側に集めたミセルをつくる。
- bセッケンは,硬水中でもよく泡立つ。
- c合成洗剤の水溶液は,一般に中性を示す。
- dセッケンの水溶液は,酸性を示す。
- e油脂は,水によく溶ける。
- ① パルミチン酸 C$_{15}$H$_{31}$COOH
- ② ステアリン酸 C$_{17}$H$_{35}$COOH
- ③ オレイン酸 C$_{17}$H$_{33}$COOH
- ④ リノール酸 C$_{17}$H$_{31}$COOH
- ⑤ リノレン酸 C$_{17}$H$_{29}$COOH
a リノール酸のみで構成されている油脂 b オレイン酸のみで構成されている油脂 c ステアリン酸とリノール酸の2種類(物質量比 1:2)で構成されている油脂
- ① a < b < c
- ② a < c < b
- ③ b < a < c
- ④ b < c < a
- ⑤ c < a < b
- ⑥ c < b < a
問6 油脂 B の平均分子量はどれか。最も近い値を選び,その番号を 25 にマークしなさい。
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【IV】 の答えと解説
- 20.⑧ 油脂を NaOH でエステル結合を切る反応が「けん化」。生じる高級脂肪酸のナトリウム塩が「セッケン」で,弱酸(高級脂肪酸)と強塩基(NaOH)の塩なので水溶液は弱塩基性を示す。
- 21.② 正しいのは a と c。b:硬水の Ca$^{2+}$,Mg$^{2+}$ と水に不溶の塩をつくるので泡立ちが悪い。d:弱塩基性。e:油脂は水に溶けにくい。
- 22.⑤ 炭素数が同じなら,C=C 結合の数が多いほど融点が低い。C$_{17}$ の脂肪酸で C=C が最も多い(3個)リノレン酸が最も低い。
- 23.④ 1分子あたりの C=C 結合は,リノレン酸 1個×3+オレイン酸 2個×1=5個。$0.400\times5=2.00$ mol の H$_2$ が付加するので,$2.00\times22.4=44.8$ L。
- 24.④ ヨウ素価は $\dfrac{(\text{C=C の数})\times254}{\text{油脂の分子量}}\times100$。a:6個,分子量 878 → 約174。b:3個,884 → 約86。c:4個,882 → 約115。小さい順は b < c < a。
- 25.⑤ 油脂 1 mol は KOH 3 mol とけん化する。平均分子量を $M$ とすると $\dfrac{3\times56.0\times10^3}{M}=200$ より $M=840$。
- 26.④ 油脂 100 g は $\dfrac{100}{840}$ mol。付加する I$_2$ は $\dfrac{127}{254}=0.500$ mol。C=C の数は $0.500\div\dfrac{100}{840}=4.2$ で,最も近いのは 4。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、物質・数値・設定を変えて作っています。Ⅰは結晶を NaCl・SiO$_2$・Na に、Ⅱは酢酸とアンモニア・塩化銀の混合に、Ⅲはアルミニウムを銅に、Ⅳは油脂の高級脂肪酸の組合せを変えています。全欄は、スクリプトで確かめてあります。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:東北医科薬科大の化学で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 東北医科薬科大学 医学部の化学2025年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、知識で一気に取れる大問Ⅰ・Ⅲ・Ⅳを先に、計算が続く大問Ⅱを最後にする順番で、Ⅰ13分、Ⅲ14分、Ⅳ11分、Ⅱ17分、見直し5分(合計60分)です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。全26欄がすべて「解答群から選ぶ」形式です。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図表は掲載していませんが、各大問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答欄の番号との対応をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えの「①〜」は何に対応していますか?
問題冊子の各欄の解答群の番号です。解答群は印刷された順番どおりに読み取っています。解説では番号と一緒に、答えの中身(数値や語句)も書いているので、手元の問題で照らし合わせられます。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2025年度と同じ4大問・同じ欄の数(26欄)と形式で、物質・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全欄の答えと解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
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