TMPS化学道場 東京女子医科大 化学2024
2024年度 一般選抜(第1次) 全4問題 計算つき計算・構造を全てスクリプトで検算そっくり類題セット

東京女子医科大学
医学部 化学
2024年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各小問を「どういう問題か」から説明し、計算は式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ4問題の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2024年度を丸ごと演習できます。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.25 / 読了 約45分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目で120分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。設問番号(問1〜)と選択肢の記号(ア〜)は、本番の解答用紙との対応を示すために赤本どおりにしています。※ 知識で決まる問題(文の正誤・用語・高分子の分類など)、グラフの読み取りが答えを左右する問題、答えの書き方に幅がある記述は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」「解答例」を付けています。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2024年度の東京女子医科大の化学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
誤りを含むものを選ぶ問題が多くて、迷いそうです…。
Sora先生
Sora先生
文ごとに○✕を先に付けるのがコツだよ。たとえば問1は、⑤の「浸透圧」だけが怪しい。確信の持てる文から決めて、組合せの記号は最後に探そう。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
計算問題は何から手を付ければいいですか?
Sora先生
Sora先生
問12・13・8のように式が一本道のものを先に。問7と問10はグラフを読む問題だから、読み取った値を余白に書き出してから計算に入ると安全だよ。
STRATEGY MAP

60分の立ち回りマップ

本番は理科2科目で120分。化学は60分を目安にします。時間はTMPSの目安です。

60分の時間配分。問題I 24分、問題II 8分、問題III 14分、問題IV 14分
図A 60分の使い方(TMPS作成)
🧭 おすすめの解く順番
問題I(計算の小問 → 正誤の文)→ 問題II → 問題III → 問題IV(見直しは各問題の最後の1〜2分)
記述式の2つは、先に「確実に書ける小問」(IIIの問1・4・5・6、IVの問2・4)を拾ってから、推理が要る部分(IVの問1)に戻ると安全です。理科2科目の合計で時間を調整できます。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、構造決定は異性体を列挙して確かめています(結果は下の注記)。記述式(問題III・IV)は、図・構造式を言葉で書いてあります。

問題I(問1〜8)

問1:オ問2:ア問3:ケ問4:ア問5:ク問6:エ問7:イ(要確認)問8:エ

問題I(問9〜15)

問9:コ問10:イ(要確認)問11:エ問12:エ問13:ウ問14:ク問15:サ

問題II(問16〜20)

問16:ア問17:カ(要確認)問18:シ問19:オ問20:コ

問題III(記述式)

問1:あ=質量モル濃度,い=モル凝固点降下,う=過冷却問2:G問3:ウ問4:$\mathrm{H_{2}O(液){=}H_{2}O(固)}$+6.0 kJ問5:40.0 kJ問6:0.360 g

問題IV(記述式)

問1:A=テレフタル酸とフェノールと2-ブタノールのエステル,D=2-ブタノール,E=2,4,6-トリブロモフェノール問2:B=フェノール,F=ピクリン酸,H=2-ブタノン問3:$n$ HOOC-C₆H₄-COOH + $n$ HOCH₂CH₂OH → PET + $2n$ H₂O問4:6
⚠️ 要確認(スクリプトでは確かめられない箇所):問題Iの正誤の文(問1・3・5・9・15)の真偽、問7・問10のグラフの読み取り値(問10の②は30℃の飽和蒸気圧の読み方で1.77〜1.83 gの幅があり、選択肢ではイが最も近い)、問題IIの高分子の分類(問17のビニロンの扱いは解釈が分かれる)、問題IIIの凝固点の読み取り(G)と記述の言いまわし、問題IVの構造式の書き方。知識や書き方の約束で決めているため、断定せずに「要確認」としています。

※ 検算:計算問題はpythonで有効数字・単位まで再計算し、問題IVは分子式C₄H₁₀Oの構造異性体7種を全て列挙して条件で絞り込み、すべて一致しました(verify_twmu-2024-chemistry_honban.py:ALL OK)。正誤の文は「真偽はTMPSの判断、選択肢への対応づけだけを機械で確認」です。答えは赤本の公開解答を見ずに、問題文から自力で導いています。

採点したら → 30秒の得点診断へ
問題I / 目標:24分(問1〜問15、マーク式)

問題I 小問集合 ── 誤りを見抜き、計算は一本道で

15問の独立した小問です。「誤りを含むものをすべて選ぶ」形式は、①〜⑤の文の組合せをア〜シの12個の記号から選びます。1問あたり1〜2分が目安です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(問題I)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標24分(計算6問で12分、正誤の文・知識の10問で12分)。計算の小問(問2・7・8・10・12・13)は必ず取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン正誤の文は1問1分。①〜⑤のうち確信の持てる文で組合せを絞り、それでも迷えば先へ。問10のようにグラフの読み取りに幅がある問題に深追いしない。
💡 初手の思考トリガー「誤りを含むものを選ぶ」のか「正しいもの」を選ぶのかを丸で囲む。計算は何の量を何の単位で出すかを先に書く(問8は水酸化物イオンの物質量、問10は $P/T$ の比、問12は必要な熱量)。

問1物質の分離・精製の操作(誤りを含む文・記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

混合物を分けるときの操作の名前と、その原理の組合せを確かめる知識問題。

  • 問1:分留・再結晶・昇華法・抽出・クロマトグラフィーの説明5つ(①〜⑤)から、誤りを含むものをすべて選び、組合せの記号(ア〜シ)で答える

操作ごとに「何の差を使うか」を確かめます。

分留は沸点の差、再結晶は温度による溶解度の差、昇華法は固体が直接気体になる性質、抽出は2つの混ざらない溶媒への溶解度の差を使います。いずれも①〜④の説明は正しいです。

⑤のクロマトグラフィーは、ろ紙やシリカゲルに「吸着されやすさ」の差(と溶媒への溶けやすさ)で、成分ごとに移動の速さが違うことを使います。浸透圧の差ではありません。浸透圧は半透膜を通した溶媒の移動に関する量です。→ 誤りは⑤だけで、オ。

🎯 問1の答え
問1:オ
⚠️ 用語(分留・昇華・抽出など)の取り違えは、原理の語(沸点・溶解度・吸着)と結びつけて覚えると防げます。 要確認

問2同位体の相対質量と原子量(記号ア〜ケ)

📝 どういう問題か?

原子量が「同位体の相対質量の存在比による平均」であることを使う計算問題。

  • 問2:元素Xに2種類の同位体(片方は相対質量78.9で存在比50.7%、もう片方は中性子が2個多く存在比49.3%)があるとき、もう一方の同位体の相対質量と元素Xの原子量の組合せを、9列の表(ア〜ケ)から選ぶ

中性子が2個多い同位体は、質量数も2大きくなります。相対質量は質量数にほぼ等しいので、もう一方の相対質量は $78.9+2=80.9$ とします。原子量は存在比で平均します。

$$78.9\times\frac{50.7}{100}+80.9\times\frac{49.3}{100}=40.00+39.88=79.88\ \approx\ 79.9$$

「80.9と79.9」の組合せは表の1列目(ア)です。原子量は「質量が大きい方に偏った平均」ではなく、ほぼ半々なので2つの相対質量の間(約80)に来ます。

🎯 問2の答え
問2:ア
⚠️ 相対質量の欄を「81」と見て選ばないこと。中性子が2個多い=質量数が2大きい。相対質量は質量数にほぼ等しく、80.9です。

問3結合と分子の性質(誤りを含む文・記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

結合の極性と分子の極性を区別できるかを問う知識問題。

  • 問3:極性・電気陰性度・分子間力・水素結合に関する5つの文から、誤りを含むものをすべて選ぶ(ア〜シ)

①電気陰性度の差が大きい2原子間の共有結合は極性をもつ(正)。③極性の大きい分子は極性の大きい溶媒に溶けやすい(「似たものは似たものに溶ける」。正)。④極性分子は、分子量が同程度の無極性分子より融点・沸点が高い傾向がある(分子間力が強いので。正)。

②の二酸化炭素は、C=O結合は電気陰性度の差があるので極性をもちますが、分子は直線形で、2つの結合の極性が打ち消し合って分子全体としては無極性です。「C=O結合は極性をもたない」は誤り。

⑤の水素結合は、水素原子が電気陰性度の大きいF・O・Nに結合しているときにだけ生じます。水素より電気陰性度の小さい原子(Na、Cなど)と結合した水素は、水素結合をつくりません。→ 誤りは②と⑤で、ケ。

🎯 問3の答え
問3:ケ
⚠️ 「結合の極性」と「分子の極性」を分けて考えるのが定番の罠です。$\mathrm{CO_{2}}$ と $\mathrm{CH_{4}}$ は、結合に極性があっても分子は無極性。 要確認

問410電子イオンの半径の順(記号ア〜カ)

📝 どういう問題か?

同じ電子配置のイオンでは、原子番号が大きいほど半径が小さくなることを使う。

  • 問4:$\mathrm{Na^{+}}$、$\mathrm{F^{-}}$、$\mathrm{Mg^{2+}}$、$\mathrm{O^{2-}}$、$\mathrm{Al^{3+}}$ を、イオン半径の大きい順に並べた正しい順序を、6つの並び(ア〜カ)から選ぶ
O²⁻、F⁻、Na⁺、Mg²⁺、Al³⁺のイオン半径。原子番号が大きいほど小さい
図B 10電子イオンの半径(TMPS作成)

5つのイオンはどれもネオンと同じ電子10個です。電子の数が同じなら、原子核の正電荷(原子番号)が大きいほど電子を強く引きつけて、半径が小さくなります。原子番号は O(8)<F(9)<Na(11)<Mg(12)<Al(13)。したがって半径は逆の順で

$$\mathrm{O^{2-}>F^{-}>Na^{+}>Mg^{2+}>Al^{3+}}$$

→ ア。

🎯 問4の答え
問4:ア
Yuiちゃん
Yuiちゃん
Na⁺は陽イオンだから小さい、と考えて順番が決められませんでした。
Sora先生
Sora先生
陽イオン・陰イオンという分類より、「電子が何個で、核の電荷はいくつか」を見よう。電子10個で核の電荷が一番小さいO²⁻が最大、一番大きいAl³⁺が最小だよ。

問5ダイヤモンドと黒鉛の共通点(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

炭素の同素体の性質の違いと共通点を整理する知識問題。

  • 問5:ダイヤモンドと黒鉛に共通する性質を、5つの記述(結晶の種類・電気の通りやすさ・硬さ・構造・水への溶けにくさ)から、すべて選ぶ(ア〜シ)

①共有結合の結晶:どちらも(共通)。②電気を通す:黒鉛だけ(炭素の4個の価電子のうち1個が層の中を動ける)。③非常に硬い:ダイヤモンドだけ。④網目状の平面構造:黒鉛だけ(層状)。⑤水に溶けにくい:どちらも(共通)。

→ 共通は①と⑤で、ク。

🎯 問5の答え
問5:ク
⚠️ 黒鉛は「軟らかい・電気を通す・層状」、ダイヤモンドは「非常に硬い・電気を通さない・立体の網目」とセットで覚えます。 要確認

問6銅と希硝酸から出る気体と捕集法(記号ア〜ケ)

📝 どういう問題か?

金属と酸の反応で出る気体と、その気体の溶けやすさ・空気との重さの関係を結びつける問題。

  • 問6:銅を希硝酸に溶かしたときに発生する気体の名称と、その捕集法の組合せを、9通りの表(ア〜ケ)から選ぶ
$$3\mathrm{Cu}+8\mathrm{HNO_3}\ \to\ 3\mathrm{Cu(NO_3)_2}+2\mathrm{NO}\uparrow+4\mathrm{H_2O}$$

希硝酸と銅からは一酸化窒素 NOが出ます(濃硝酸なら二酸化窒素 $\mathrm{NO_{2}}$)。一酸化窒素は水に溶けにくいので水上置換で集めます。空気中に出すとただちに酸化されて $\mathrm{NO_{2}}$(赤褐色)になり、空気と混ざってしまうので、空気を使う方法(上方置換・下方置換)は使えません。→ 一酸化窒素・水上置換でエ。

🎯 問6の答え
問6:エ
⚠️ 希硝酸はNO、濃硝酸はNO₂。捕集法は「水に溶けるか・空気と反応するか」で決めます。 要確認

問7水に溶ける気体が逃げる量(グラフの読み取り・記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

「温度が上がると溶けにくくなる」「圧力が2倍になると溶ける量が2倍になる」の2つ(ヘンリーの法則)を同時に考える問題。

  • 問7:水素と酸素の水への溶解度を温度ごとに示したグラフがある。水2.00 Lを0℃・1.013×10⁵ Paで気体と接触させて溶解度まで溶かし、その後60℃・2.026×10⁵ Paに変えたとき、水から発生する水素と酸素の物質量の組合せを、12通りの表(ア〜シ)から選ぶ
グラフの読み取り値。酸素:0℃で5.00、60℃で2.00。水素:0℃で2.00、60℃で1.6
図C グラフの読み取り値(TMPS作成)

グラフから、1.013×10⁵ Pa・水1 Lあたりの溶解度(×10⁻² L、0℃・1.013×10⁵ Paの体積で表した値)を読みます。酸素は0℃で5.00、60℃で2.00。水素は0℃で2.00、60℃でおよそ1.6です。

① はじめに溶けていた量(水2.00 L):酸素 $5.00\times10^{-2}\times2.00=0.100$ L、水素 $2.00\times10^{-2}\times2.00=0.0400$ L。

② 60℃・2.026×10⁵ Paで溶けられる量:圧力が2倍なので溶解度も2倍。酸素 $2.00\times10^{-2}\times2.00\times2=0.0800$ L、水素 $1.6\times10^{-2}\times2.00\times2=0.064$ L。

③ 差が発生した気体:水素は 0.064 > 0.0400 なので、溶けられる量のほうが多く、気体は出ません(0)。酸素は $0.100-0.0800=0.0200$ L が出ます。物質量は

$$\frac{0.0200}{22.4}=8.93\times10^{-4}\ \mathrm{mol}=0.893\times10^{-3}\ \mathrm{mol}$$

→ 水素0、酸素0.893でイ。

🎯 問7の答え
問7:イ
⚠️ グラフの読み取りが前提の問題です。水素の60℃の値(1.6付近)が多少ずれても、「水素は溶けられる量のほうが多い」という結論は変わりません。酸素の60℃を2.00と読むことが決め手です。 要確認

問8電気伝導性が最小になる滴下量(記号ア〜ク)

📝 どういう問題か?

「最小になる点=中和点」と読み替えて、酸と塩基の物質量を合わせる滴定の計算。

  • 問8:1.86 gの酸化ナトリウムを水に溶かして100 mLにした水溶液に、シュウ酸水溶液(濃度a mol/L)を滴下して電気の通りやすさを測る。加えていくと伝導性が小さくなり、b mLで最小になった。aとbの組合せを8通りの表(ア〜ク)から選ぶ
$$\mathrm{Na_2O+H_2O\ \to\ 2NaOH}\qquad \dfrac{1.86}{62.0}=0.0300\ \mathrm{mol}\ \to\ \mathrm{NaOH}\ 0.0600\ \mathrm{mol}$$

注意書きのとおり、伝導性は $\mathrm{H+}$ と $\mathrm{OH{-}}$ でほぼ決まります。$\mathrm{OH{-}}$ が中和で減ると伝導性が下がり、中和が終わったあと $\mathrm{H+}$ が増えると再び上がるので、最小になるのは中和点です。シュウ酸 $\mathrm{H_{2}C_{2}O_{4}}$ は2価の酸なので、

$$2\times a\times\frac{b}{1000}=0.0600\ \Rightarrow\ a\times b=30.0$$

表で $a\times b=30.0$ になるのは、$a=0.30$ mol/L、$b=100$ mL(エ)だけです(ウは15.0、オは90.0)。

🎯 問8の答え
問8:エ
⚠️ 酸化ナトリウムが水に溶けると水酸化ナトリウム2 molになること、シュウ酸が2価であること。この2つの2を落とさなければ一本道です。

問9酸化還元の記述(誤りを含む文・記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

酸化数を使った酸化剤・還元剤の判断を、文ごとに確かめる知識問題。

  • 問9:酸化数の保存・酸化数と最外殻電子・還元されやすさ・ハロゲンの反応・電池に関する5つの文から、誤りを含むものをすべて選ぶ(ア〜シ)

①反応の前後で、酸化数の増加分と減少分は等しい(電子のやりとりなので)ので、酸化数の合計は同じ(正)。②典型元素の酸化数の上限は最外殻電子の数(例:Clは+7、Sは+6)で、これを超えない(正)。⑤電池は酸化還元反応で電気を取り出す(正)。

③は誤り:とりうる最低の酸化数の原子(例:$\mathrm{H_{2}S}$ のS、−2)は、それ以上電子を受け取れないので還元されません。酸化されやすい側です。

④は誤り:ハロゲン単体は、酸化力の強い順に F₂>Cl₂>Br₂>I₂。$\mathrm{F_{2}}$ は $\mathrm{Cl{-}}$ を酸化しますが、$\mathrm{Cl_{2}}$ は $\mathrm{F{-}}$ を酸化できません。「どの組合せでも電子の授受が起こる」とはいえません。→ 誤りは③と④で、コ。

🎯 問9の答え
問9:コ
⚠️ 「どの組合せでも」「必ず」のような断定の語は、例外を1つ探すと決まります(④はCl₂とF⁻)。 要確認

問10水蒸気と窒素を冷やしたときの凝縮量(グラフの読み取り・記号ア〜ケ)

📝 どういう問題か?

体積一定で温度を下げる問題。「水滴ができ始める温度=その温度での水蒸気圧が飽和蒸気圧に等しい」ことが出発点。

  • 問10:容積8.30 Lの密閉容器に、110℃で水蒸気と窒素の混合気体を入れて冷却したところ、75℃で水滴ができ始めた。① 110℃での水蒸気の分圧と② 30℃まで冷やしたときに凝縮する水の質量の組合せを、9通りの表(ア〜ケ)から選ぶ(水の飽和蒸気圧曲線のグラフを使う)
水の飽和蒸気圧曲線。75℃で約0.40×10⁵ Pa、30℃で約0.04〜0.05×10⁵ Pa
図D 飽和蒸気圧の読み取り(TMPS作成)

① 分圧:75℃で水滴ができ始めたので、75℃(348 K)の水蒸気圧が飽和蒸気圧、グラフから約 $0.40\times10^{5}$ Pa。体積一定なので、水蒸気の分圧は絶対温度に比例します。110℃(383 K)では

$$0.40\times10^{5}\times\frac{383}{348}=4.40\times10^{4}\ \mathrm{Pa}$$

② 凝縮量:水の全量は $n=\dfrac{PV}{RT}=\dfrac{4.0\times10^{4}\times8.30}{8.3\times10^{3}\times348}=0.115$ mol(2.07 g)。30℃で気体として残る分は、グラフの読み取り値(約 $0.04\sim0.05\times10^{5}$ Pa)から $\dfrac{P\times8.30}{8.3\times10^{3}\times303}$。$P=5\times10^{3}$ Paなら $0.0165$ mol(0.30 g)なので、凝縮した水は $2.07-0.30=1.77$ g。$P=4\times10^{3}$ Paなら1.83 g。

→ ①が $4.40\times10^{4}$ Pa、②が1.77 g(1.77〜1.83)に最も近いイ。選択肢は1.65・1.77・2.07の3つだけなので、1.77〜1.83 gの幅があっても、イを選べます。

🎯 問10の答え
問10:イ
⚠️ グラフから読む値(75℃で0.40、30℃で0.04〜0.05)に依存する問題で、答えの幅が出ます。「窒素の量は凝縮に関係しない」点に気づけば、窒素の情報は計算に使わなくてよいと分かります。 要確認

問11ナトリウムとその化合物(誤りを含む文を1つ・記号ア〜カ)

📝 どういう問題か?

ナトリウムとその化合物の性質・用途を確かめる知識問題。

  • 問11:ナトリウムの単体・水酸化物・炭酸塩・炭酸水素塩に関する6つの記述(ア〜カ)のうち、誤りを含むものを1つ選ぶ

ア:単体は空気や水と反応するので石油中に保存(正)。イ:単体は塩化ナトリウムの溶融塩電解でつくる(正)。ウ:水酸化ナトリウムは空気中の $\mathrm{CO_{2}}$ を吸って炭酸ナトリウムになる(正)。オ:炭酸ナトリウムはガラスの原料(正)。カ:炭酸水素ナトリウムはベーキングパウダー(正)。

エ:水酸化ナトリウムの固体は、空気中の水分を吸って溶ける潮解性を示します。風解性は、結晶水を失って粉になる性質(例:炭酸ナトリウム十水和物)で、水酸化ナトリウムの性質ではありません。→ 誤りはエ。

🎯 問11の答え
問11:エ
⚠️ 潮解(吸湿して溶ける)と風解(結晶水を失う)の取り違え。 要確認

問12アルミニウムの燃焼熱で金を融解(記号ア〜オ)

📝 どういう問題か?

熱化学方程式の係数から、アルミニウム1 gあたりの発熱量を出し、必要な熱量と結びつける。

  • 問12:4Al+3O₂=2Al₂O₃+3300 kJ。この燃焼で出る熱がすべて使われるとして、24℃の金100 gを融かすのに必要なアルミニウムの質量を、5つの値(ア〜オ)から選ぶ(金の融点1064℃、比熱0.130 J/(g·K)、融解熱65.0 J/g)

金に必要な熱量は、温度上昇と融解の2つを足します。

$$100\times0.130\times(1064-24)+100\times65.0=13520+6500=20020\ \mathrm{J}=20.0\ \mathrm{kJ}$$

熱化学方程式の係数は物質量なので、4 mol($4\times27.0=108$ g)のAlで3300 kJ。必要なAlは

$$\frac{20.02}{3300}\times108=0.655\ \mathrm{g}$$

→ エ。

🎯 問12の答え
問12:エ
⚠️ 「4 molで3300 kJ」であって、1 molあたりではありません。108 gを使うところで間違えやすいです。

問13平衡定数と速度定数の比(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

平衡のとき「正反応の速さ=逆反応の速さ」から、速度定数の比と平衡定数を結びつける。

  • 問13:A+B⇄2C の可逆反応が [A]:[B]:[C]=2:3:4 で平衡に達している。正反応・逆反応の速度定数の比 k₁:k₂を12通り(ア〜シ)から選ぶ
$$v_1=k_1[\mathrm{A}][\mathrm{B}],\quad v_2=k_2[\mathrm{C}]^2,\quad v_1=v_2\ \Rightarrow\ \frac{k_1}{k_2}=\frac{[\mathrm{C}]^2}{[\mathrm{A}][\mathrm{B}]}=K=\frac{4^2}{2\times3}=\frac{8}{3}$$

→ $k_1$:$k_2$=8:3でウ。

🎯 問13の答え
問13:ウ
⚠️ 逆反応の速さは $[\mathrm{C}]^2$(係数の2乗)。$[\mathrm{C}]$ のままにすると 4/6=2/3 となり、キを選んでしまいます。

問14ミョウバンの結晶と実験の結果(記号ア〜ケ)

📝 どういう問題か?

複塩の名称と、アルミニウムイオンの沈殿反応の知識を組み合わせる問題。

  • 問14:硫酸アルミニウムと硫酸カリウムの濃い混合水溶液を冷やして得た無色透明の正八面体の結晶Aについて、①Aの名称、②Aの水溶液での実験a〜c(水酸化ナトリウム過剰・アンモニア水・硫化水素)の結果のうち、正しい記述の組合せを9通りの表(ア〜ケ)から選ぶ

① 名称:硫酸アルミニウムカリウム十二水和物 $\mathrm{AlK(SO_{4})_{2}·12H_{2}O}$ はミョウバン(正八面体の結晶)。アルミナは酸化アルミニウム、重曹は炭酸水素ナトリウムです。

② 実験:aは誤り(水酸化アルミニウムは両性で、過剰の水酸化ナトリウム水溶液には溶ける。白色沈殿が生成し続けるのではない)。bは正しい(アンモニア水で白色の $\mathrm{Al(OH)_{3}}$ が沈殿し、過剰でも溶けない)。cは誤り(Al³⁺は硫化水素を通じても沈殿しない。硫化物の黒色沈殿は Cu²⁺ や Pb²⁺ など)。

→ ミョウバンとbでク。

🎯 問14の答え
問14:ク
⚠️ Al³⁺は「両性(過剰のNaOHに溶ける)」「アンモニア水では溶けない」「硫化水素で沈殿しない」の3点セットで覚えます。 要確認

問15臭素の赤褐色が消える化合物(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

暗所での反応は「付加反応」だけが起こる、という区別を問う知識問題。

  • 問15:ベンゼン・エタン・エチレン・アセチレン・シクロヘキサンのうち、暗所で臭素と反応して臭素の赤褐色が消えるものをすべて選ぶ(ア〜シ)

暗所で臭素 $\mathrm{Br_{2}}$ と反応するのは、炭素間の二重結合・三重結合に付加する、エチレン $\mathrm{C_{2}H_{4}}$ とアセチレン $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ です。エタン・シクロヘキサンのような飽和炭化水素は、光があると置換反応をしますが、暗所では反応しません。ベンゼンも、鉄粉などの触媒がなければ暗所では反応しません。→ ③と④でサ。

🎯 問15の答え
問15:サ
⚠️ 「暗所=付加」「光=置換」と覚えます(アルカンは光で置換、アルケンは暗所で付加)。 要確認
Sora先生の総整理表

問題I:15問の型

問型着眼点
問1・3・9・11誤りを含む文確信の持てる文から○✕。断定語(必ず・どれも)は例外を探す
問2同位体相対質量=78.9+2,原子量=存在比で平均
問410電子イオン原子番号が大きいほど半径が小さい
問5・6・14・15性質・捕集・沈殿・付加同素体の差、NOは水上置換、Al³⁺の3点、暗所は付加
問7溶解度グラフ温度↑で溶解度↓、圧力2倍で溶解量2倍。差が発生量
問8中和滴定の伝導度最小=中和点。Na₂O→2NaOH、シュウ酸は2価
問10飽和蒸気圧体積一定で $P\propto T$。水滴ができ始める点が飽和
問12・13熱量・平衡4 molで3300 kJ/$k_1/k_2=K$(係数の指数)
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】問題Iで手が止まった人への処方箋

  • 問1・3・9○✕が決まらない → 確信の持てる2文で組合せを絞り、残りは消去法で
  • 問7水素0・酸素0.893 と出ない → 圧力2倍を溶解量2倍にしたか、水の体積2.00 Lをかけたか
  • 問8答えが2倍・半分になる → Na₂O 1 molで NaOH 2 mol、シュウ酸は2価
  • 問10①が合わない → 体積一定なので圧力は絶対温度(K)に比例。383/348
  • 問12答えが4倍・1/4 → 4 molで3300 kJ。Al 108 gを基準に
問題II / 目標:8分(問16〜問20、マーク式)

問題II 高分子化合物 ── 分類の語句と、ナイロン66の計算

合成高分子について書かれた文章の空欄(1〜5)を選ぶ問16と、下線部に関する問17〜20(ナイロン66)の5問です。全部が基本知識なので、8分で取り切る問題です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(問題II)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標8分(問16に2分、問17〜19に1分ずつ、問20に2分、見直し1分)。5問すべて取りに行く。
⚠️ 損切り・警戒ライン問17でビニロンの扱いに迷っても深追いしない(分かる範囲で確実なフェノール樹脂を含む組合せを選ぶ)。問19は式量ではなく、(CH₂)の数「6と4」だけで決まる。
💡 初手の思考トリガー問16は熱硬化性=網目状(加熱しても軟らかくならない)、熱可塑性=鎖状(軟らかくなる)のセットで決める。問20は、繰り返し単位の式量 → 重合度 → 水の物質量の順に。

問16合成樹脂・イオン交換樹脂の文章の空欄(記号ア〜ク)

📝 どういう問題か?

熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の違い、イオン交換樹脂のしくみを確かめる知識問題。

  • 問16:文中の空欄1〜5(合成樹脂の2種類の名称(1・2)、それぞれの構造(3・4)、イオン交換樹脂で入れ替わるイオンの電荷(5))に入る語句の組合せを、8通りの表(ア〜ク)から選ぶ

合成樹脂には、熱硬化性樹脂(1)と熱可塑性樹脂(2)があります。前者は網目状構造(3)で、加熱しても軟らかくならず、後者は鎖状構造(4)であることが多く、軟化点をもちます。

イオン交換樹脂は、樹脂の酸性または塩基性の基のイオンが、水溶液中の同符号(5)の別のイオンと入れ替わる樹脂です(陽イオン交換樹脂なら、樹脂の $\mathrm{H+}$ と水溶液の $\mathrm{Na+}$ などの陽イオンが入れ替わる)。

→ 熱硬化性・熱可塑性・網目状構造・鎖状構造・同符号でア。

🎯 問16の答え
問16:ア
⚠️ 1と2の順(硬化→可塑)、3と4の順(網目→鎖)を入れ替えただけの選択肢が並びます。「硬化=網目」と対で覚えてください。 要確認

問17質量が保存されない重合(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

付加重合・開環重合では質量が保存され、縮合重合では水などの小分子が出ていくので質量が減る、という区別を使う問題。

  • 問17:ビニロン・フェノール樹脂・ポリエチレン・ナイロン6・ブタジエンゴムのうち、重合したモノマーの質量の合計と、できたポリマーの質量が同じでないものをすべて選ぶ(ア〜シ)

フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドの付加縮合で水がとれるので、ポリマーの質量はモノマーの合計より小さくなります(同じではない)。

ポリエチレン・ブタジエンゴムは付加重合、ナイロン6は ε-カプロラクタムの開環重合で、小さな分子はとれず、質量は保存されます。

ビニロンは、酢酸ビニルを重合し、けん化してポリビニルアルコールにしたあと、ホルムアルデヒドでアセタール化してつくります。重合そのものは付加重合ですが、そのあとの反応(けん化・アセタール化)で質量が変わるため、「モノマーの合計と同じではない」と判断して、①と②(カ)とするのが自然です。

🎯 問17の答え
問17:カ
⚠️ ビニロンの扱いは解釈が分かれます。モノマーを酢酸ビニルと見るか、ビニルアルコールと見るかで変わるため、「②のみ(イ)」と考える見方もあり得ます。出題の意図(二段階の反応で質量が変わる)から、①と②を選ぶのが自然と判断しました。 要確認

問18ナイロン66に関する記述(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

合成繊維の特徴と、他の繊維との取り違えを避ける知識問題。

  • 問18:ナイロン66についての5つの記述(防弾チョッキに使う・綿に似た吸湿性・羊毛に似た保温性・絹に似た触感・1935年の発明)から、正しいものをすべて選ぶ(ア〜シ)

①強度・耐熱性に優れ、防弾チョッキなどに使われるのはアラミド繊維(ケブラーなど)で、ナイロン66ではありません。②綿に似た吸湿性・③羊毛に似た保温性は、それぞれ別の繊維の説明です。

④ナイロン66は絹に似た触感で、ストッキングなどに使われます(正)。⑤ナイロン66は1935年に、アメリカ人のカロザースによって初めて発明されました(正)。→ ④と⑤でシ。

🎯 問18の答え
問18:シ
⚠️ 合成繊維(ナイロン・アラミド・ポリエステル・アクリル)の特徴の取り違えが罠です。 要確認

問19ナイロン66の構造式(記号ア〜ク)

📝 どういう問題か?

2つの原料(ジアミンとジカルボン酸)の炭素数と、アミド結合の向きを確かめる問題。

  • 問19:ナイロン66の構造式を、8つの構造式(ア〜ク)から選ぶ
ナイロン66の繰り返し単位
ナイロン66の繰り返し単位(TMPS作成)

ナイロン66は、ヘキサメチレンジアミン $\mathrm{H_{2}N{-}(CH_{2})_{6}{-}NH_{2}}$(炭素6個)とアジピン酸 $\mathrm{HOOC{-}(CH_{2})_{4}{-}COOH}$(炭素6個、COOHを除くと4個)の縮合重合でできます。名前の「66」は、2つの原料の炭素数がどちらも6であることを表します。

繰り返し単位は $\mathrm{{-}NH{-}(CH_{2})_{6}{-}NH{-}CO{-}(CH_{2})_{4}{-}CO{-}}$。N側の鎖が(CH₂)₆で、C=Oにはさまれた鎖が(CH₂)₄になっている構造式が正しく、結合はアミド結合(エステルではない)です。→ オ。

🎯 問19の答え
問19:オ
⚠️ (CH₂)の数の組合せは「6と4」。ナイロン46(4と4)、ナイロン48(4と6)など、数字だけを入れ替えた選択肢が並びます。 要確認

問20ナイロン66の重合度と水の物質量(記号ア〜シ)

📝 どういう問題か?

繰り返し単位の式量から重合度 $n$ を出し、1つの結合ごとに水がとれることを使う計算。

  • 問20:平均分子量2.40×10⁴のナイロン66を合成したとき、1 molのナイロン66あたり生成する水の物質量を、12個の値(ア〜シ)から最も近いものを選ぶ(末端の構造は無視)

繰り返し単位 $\mathrm{C_{12}H_{22}N_2O_2}$ の式量は $12\times12.0+22\times1.00+2\times14.0+2\times16.0=226$。

$$n=\frac{2.40\times10^{4}}{226}=106.2$$

ジアミン1分子とジカルボン酸1分子が結びつくと、アミド結合が2個でき、水が2分子とれます。繰り返し単位1個ごとに水2分子なので、1 molのナイロン66あたり $2n=212$ mol。→ コ。

(エの106は、水を1分子($n$)と数えた値です。)

🎯 問20の答え
問20:コ
⚠️ 1つの繰り返し単位から水が2分子とれます(ジアミンとジカルボン酸の2つの官能基ぶん)。n と書いたまま 106 を選ぶのが定番のミス。
Sora先生の総整理表

問題II:5問の型

問型着眼点
問16空欄補充熱硬化性=網目状、熱可塑性=鎖状、イオン交換は同符号
問17質量保存縮合・付加縮合は水が出る(質量が減る)。付加・開環は保存
問18性質の正誤ナイロン66=絹に似る・ストッキング・1935年カロザース
問19構造式原料の炭素数「6と4」。アミド結合
問20重合度226 → $n=106$ → 水 $2n=212$
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】問題IIで手が止まった人への処方箋

  • 問163と4が決まらない → 「加熱しても軟らかくならない=網目状」を先に決める
  • 問17ナイロン6で迷う → 開環重合は小分子がとれない。質量は保存される
  • 問19どれも似て見える → (CH₂)の数を、N側とC=O側で数える
  • 問20答えが半分になる → 水は繰り返し単位あたり2分子($2n$)
問題III / 目標:14分(問1〜問6、記述式)

問題III 凝固点降下と冷却曲線 ── 溶質粒子の数を数える

水と希薄水溶液の冷却曲線(温度の時間変化)の図を読み、語句・凝固点の点・記述の正誤・熱化学方程式・熱量・塩化カルシウムの質量を答えます。前半は用語と図の読み取り、後半は計算です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(問題III)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標14分(問1〜3で6分、問4・5で3分、問6で4分、見直し1分)。問1・4・5・6は式と語句なので確実に取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問2・3で図の読み取りに迷ったら、先に問4〜6の計算を済ませてから戻る。
💡 初手の思考トリガー問6の最初の一手は「溶けた粒子の総物質量」。塩化カルシウムは {{CaCl2}} → {{Ca^2+}}+2{{Cl^-}} で1つの式量から3個の粒子ができるので、$\Delta t=K_f\times m$ の $m$ は塩化カルシウムの3倍。
水と希薄水溶液の冷却曲線。水は点A〜F、希薄水溶液は点G〜K。点Cと点Iが過冷却の最低点。
図E 冷却曲線の見方(TMPS作成)

問1文中の空欄(あ)(い)(う)に入る語句

📝 どういう問題か?

凝固点降下の用語を問う。

  • 問1:凝固点降下度が溶液の(あ)に比例し、その比例定数(い)は溶媒だけで決まること、図の点Cや点Iのような状態(う)にあてはまる語句を書く

凝固点降下度 $\Delta t$ は、溶質の種類によらず、溶液の質量モル濃度(溶媒1 kgあたりの溶質粒子の物質量)に比例します。

$$\Delta t=K_f\times m$$

比例定数 $K_f$(水で $1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$)をモル凝固点降下といいます。凝固点より低い温度になっても固体ができず液体のままでいる点C・Iの状態は過冷却です。

🎯 問1の答え
(あ)質量モル濃度(い)モル凝固点降下(う)過冷却
⚠️ (あ)は「モル濃度」ではなく質量モル濃度(mol/kg)。体積でなく質量を使う点が書き分けのポイントです。

問2希薄水溶液の凝固点とみなす点

📝 どういう問題か?

過冷却がある場合の凝固点の決め方(グラフの外挿)を問う。

  • 問2:図の希薄水溶液の冷却曲線から、凝固点と見なされるべき点を図中の記号で答える

点Cや点Iで過冷却が起こると、凝固が始まった点Jの温度は、本来の凝固点よりもやや低く出ます(過冷却が解消するときの熱で温度が上がるため)。そこで、J→Kの直線部分を、時間をさかのぼる向きに延長し、はじめの冷却曲線との交点を、凝固点と見なします。図ではこの延長線(点線)が冷却曲線と交わる点がGです。

(Hは、Jと同じ温度の点を、はじめの冷却曲線に移したもので、凝固点ではありません。)

🎯 問2の答え
問2:G
⚠️ 「点Jを凝固点と読む」のは過冷却を無視した読みです。純水(A〜F)では、E〜Fの水平部分が凝固点にあたりますが、水溶液は濃度が時間とともに変わるため、直線を延長して決めます。 要確認

問3冷却曲線に関する3つの記述の正誤(記号ア〜ク)

📝 どういう問題か?

冷却曲線の各区間で何が起きているかを、説明の言葉で確かめる問題。

  • 問3:①E—F間で温度が変わらない理由、②J—K間で温度が下がり続ける理由、③I—J間で温度が上昇する理由、の3つの説明の正誤の組合せを8通り(ア〜ク)から選ぶ

①正:E—Fでは水が凝固して凝固熱を出し、外へ逃げる熱とつりあうので温度は一定です。

②誤:J—Kで温度が下がり続けるのは、凝固が進むと残った溶液の濃度が大きくなり、凝固点降下度が大きく(凝固点が低く)なるためです。説明には「凝固点降下度が小さくなった」とあるので誤りです。

③正:I—Jの温度上昇は、過冷却から固体ができ始めると、凝固熱が一気に放出されるためです。

→ ①正・②誤・③正でウ。

🎯 問3の答え
問3:ウ
⚠️ ②は「濃度が大きくなる → 凝固点降下度は大きくなる」。大きい・小さいの1語だけを入れ替えた罠です。 要確認

問4液体の水が氷になるときの熱化学方程式

📝 どういう問題か?

2つのエネルギー図を、ヘスの法則でつなぐ問題。

  • 問4:水の蒸発熱(41.0 kJ/mol)と昇華熱(47.0 kJ/mol)から、液体の水が氷になる熱化学方程式を書く

液体の水が気体になるには 41.0 kJ/mol を吸収、氷が気体になるには 47.0 kJ/mol を吸収します。「氷→気体」は「氷→液体→気体」と同じなので

$$\text{(氷→液体)}+\text{(液体→気体)}=\text{(氷→気体)}\ \Rightarrow\ \text{融解熱}=47.0-41.0=6.0\ \mathrm{kJ/mol}$$

氷になるとき、同じ6.0 kJを放出するので、熱化学方程式は

$$\mathrm{H_2O(液)=H_2O(固)+6.0\ kJ}$$
🎯 問4の答え
{{H2O(液)=H2O(固)}}+6.0 kJ
⚠️ 熱化学方程式は右辺に発熱量を書く(発熱は+)。「−6.0 kJ」と書かないように。

問5水120 gを氷にするとき放出される熱量

📝 どういう問題か?

問4の6.0 kJ/molを物質量にかける計算。

  • 問5:0℃の液体の水120 gをすべて0℃の氷にするとき放出する熱量[kJ]を有効数字3桁で求める(問4の結果を使ってよい)
$$\frac{120}{18.0}\times6.0=6.667\times6.0=40.0\ \mathrm{kJ}$$
🎯 問5の答え
問5:40.0 kJ

問6凝固点降下度から求める塩化カルシウムの質量

📝 どういう問題か?

凝固点降下の式に、電離で増える粒子の数を考えて当てはめる計算。

  • 問6:溶質は塩化カルシウム(無水塩)。水120 gに溶かした希薄水溶液の凝固点降下度が0.150 Kであるとき、溶けた塩化カルシウムの質量を有効数字3桁で求める(完全に電離しているとする)

塩化カルシウムは $\mathrm{CaCl_2\to Ca^{2+}+2Cl^{-}}$ と電離して、1 molから3 molの粒子ができます。溶質粒子の質量モル濃度 $m$ は

$$m=\frac{\Delta t}{K_f}=\frac{0.150}{1.85}=0.0811\ \mathrm{mol/kg}$$

水120 g=0.120 kgに含まれる粒子は $0.0811\times0.120=9.73\times10^{-3}$ mol。これが $\mathrm{CaCl_2}$ の3倍なので、$\mathrm{CaCl_2}$ は $3.24\times10^{-3}$ mol。式量 $40.0+2\times35.5=111.0$ をかけて

$$3.243\times10^{-3}\times111.0=0.360\ \mathrm{g}$$
🎯 問6の答え
問6:0.360 g
⚠️ 3で割る(電離で粒子が3倍になる)のを忘れると 1.08 g になります。非電解質(グルコースなど)なら1倍、$\mathrm{NaCl}$ なら2倍、$\mathrm{CaCl_{2}}$ なら3倍。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
問6は、どうして3で割るのですか?
Sora先生
Sora先生
凝固点降下は「溶けている粒子の数」で決まる。$\mathrm{CaCl_{2}}$ 1個がイオンに分かれると3個になるから、粒子の合計が0.0811 mol/kgなら、$\mathrm{CaCl_{2}}$ はその3分の1だよ。
Sora先生の総整理表

問題III:6問の型

問型着眼点
問1語句質量モル濃度・モル凝固点降下・過冷却
問2図の読み取りJ→Kの直線を延長して、はじめの冷却曲線との交点G
問3正誤の説明濃度が大きくなる→凝固点降下度は大きくなる
問4熱化学方程式融解熱=昇華熱−蒸発熱=6.0 kJ/mol。右辺に+6.0
問5熱量120/18.0 mol × 6.0 = 40.0 kJ
問6凝固点降下の計算粒子の総量 0.0811 mol/kg ÷ 3(電離)× 0.120 kg × 111.0
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】問題IIIで手が止まった人への処方箋

  • 問2JかGか迷う → 過冷却があるので、J→Kの直線を延長して交わる点
  • 問3②が決まらない → 凝固が進むと溶液は濃くなる。濃い→Δtは大きい
  • 問4符号が分からない → 氷になる=熱を出す。右辺に+
  • 問6答えが3倍になる → 粒子3個ぶんで割る(0.0811 ÷ 3)
問題IV / 目標:14分(問1〜問4、記述式)

問題IV 芳香族エステルA ── 加水分解でB・C・Dに分けて決める

分子式C₁₈H₁₈O₄の芳香族化合物Aを加水分解して得られる3つの化合物B・C・Dについて、臭素水・混酸・p-キシレンの酸化・エチレングリコールとの縮合・フェーリング液の6つの手がかりから構造を決めます。手がかりを1つずつ当てはめるのが基本です。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(問題IV)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標14分(問1に8分、問2に2分、問3に2分、問4に2分)。問2・3・4は構造が決まれば確実に取れる。
⚠️ 損切り・警戒ライン問1でAの構造が決まらなくても、先にB・C・D・Eを書いて部分点を拾う。問4は異性体の数え方(アルコール4+エーテル3)だけで取れる。
💡 初手の思考トリガー最初の一手はB・C・Dの3つを決めること。B=「臭素水で $\mathrm{C_6H_3Br_3O}$」→ フェノール。C=「p-キシレンの酸化」→ テレフタル酸。D=残り $\mathrm{C_4H_{10}O}$。
AからB・C・Dへの加水分解と、B・C・Dの反応のまとめ
図F A〜Hの関係(TMPS作成)

問1化合物A・D・Eの構造式

📝 どういう問題か?

加水分解 → B・C・Dの決定 → 結合の順番(エステル)を考える問題。

  • 問1:実験の記述から、A・D・Eの構造式を、例(ベンゼン環に置換基がついた化合物の構造式)にならって書く

手順1(加水分解):1 molのAからB・C・Dが1 molずつ。エステルが2か所あり、水が2分子加わる。

$$\mathrm{C_{18}H_{18}O_4+2H_2O\ \to\ C_{18}H_{22}O_6}=\mathrm{B+C+D}$$

手順2(B・E):Bは臭素水で $\mathrm{C_6H_3Br_3O}$(Eの分子式)になる。フェノールの水素3個(ヒドロキシ基のオルト位2つとパラ位)が臭素に置換されると $\mathrm{C_6H_3Br_3O}$ になるので、B=フェノール $\mathrm{C_6H_5OH}$($\mathrm{C_6H_6O}$)、E=2,4,6-トリブロモフェノール。濃硝酸と濃硫酸(混酸)で爆薬の原料になるFはピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)で、これもBがフェノールと分かる手がかり。

手順3(C):Cは p-キシレンを酸化して得られ、エチレングリコールと縮合重合してPETになるので、C=テレフタル酸 $\mathrm{C_8H_6O_4}$。

手順4(D):D=$\mathrm{C_{18}H_{22}O_6-C_6H_6O-C_8H_6O_4=C_4H_{10}O}$(ブタノール類)。Dをおだやかに酸化して得たHがフェーリング液を還元しないので、Hはアルデヒドでなくケトン、つまりDは第二級アルコール。$\mathrm{C_4H_{10}O}$ の第二級アルコールは2-ブタノール $\mathrm{CH_3CH(OH)CH_2CH_3}$ だけです。

手順5(A):テレフタル酸の2つのカルボキシ基の一方がフェノールと、もう一方が2-ブタノールとエステルになっているのがA(フェニル2-ブチルテレフタラート)。

A テレフタル酸フェニル2-ブチル
A テレフタル酸フェニル2-ブチル
D 2-ブタノール
D 2-ブタノール
E 2,4,6-トリブロモフェノール
E 2,4,6-トリブロモフェノール
🎯 問1の答え
A:テレフタル酸のフェニルエステル・2-ブチルエステルD:2-ブタノールE:2,4,6-トリブロモフェノール
⚠️ Aの書き方(エステルの向き)は、ベンゼン環の1位と4位に $\mathrm{{-}COO{-}C_{6}H_{5}}$ と $\mathrm{{-}COO{-}CH(CH_{3})CH_{2}CH_{3}}$ をつけた形です。構造式の書き方(例にならう)は答案例です。 要確認

問2化合物B・F・Hの名称

📝 どういう問題か?

決めた構造に、正しい名称をつける問題。

  • 問2:B・F・Hの名称を書く

B=フェノール。F=ピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)。H=2-ブタノン(エチルメチルケトン)。

B フェノール
B フェノール
F ピクリン酸
F ピクリン酸
H 2-ブタノン
H 2-ブタノン
🎯 問2の答え
B:フェノールF:ピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)H:2-ブタノン(エチルメチルケトン)

問3下線部の反応式(PETの合成)

📝 どういう問題か?

縮合重合の反応式を、水の分子数 $2n$ まで含めて書く問題。

  • 問3:Cとエチレングリコールの縮合重合による高分子Gの合成を、重合度nを使った反応式で書く(重合度は十分に大きく、末端は無視)

テレフタル酸とエチレングリコールが、エステル結合で交互につながります。繰り返し単位1個ごとに、水が2分子とれます($2n$ 個)。

$$n\,\mathrm{HOOC{-}C_6H_4{-}COOH}+n\,\mathrm{HO{-}CH_2CH_2{-}OH}\ \to\ \left[\mathrm{{-}OC{-}C_6H_4{-}CO{-}O{-}CH_2CH_2{-}O{-}}\right]_n+2n\,\mathrm{H_2O}$$

原子数の保存は検算済みです(繰り返し単位 $\mathrm{C_{10}H_8O_4}$)。答案では、$\mathrm{C_6H_4}$ をベンゼン環(1位と4位)で書きます。

PETの繰り返し単位
G(PET)の繰り返し単位(TMPS作成)
🎯 問3の答え
$n$ テレフタル酸+$n$ エチレングリコール → PET+$2n$ {{H2O}}
⚠️ 水の係数は $2n$($n$ や $2n-1$ ではない)。末端を無視するので $2n$ と書きます。

問4Dの構造異性体の数

📝 どういう問題か?

分子式 $\mathrm{C_4H_{10}O}$ の異性体を、アルコールとエーテルに分けて数え上げる問題。

  • 問4:Dの構造異性体の数を、Dを除いて数える

分子式 $\mathrm{C_4H_{10}O}$ は、不飽和度が0なので、環も二重結合もない構造です。

アルコール(4種):1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール。

エーテル(3種):ジエチルエーテル$\mathrm{CH_{3}CH_{2}{-}O{-}CH_{2}CH_{3}}$、メチルプロピルエーテル$\mathrm{CH_{3}{-}O{-}CH_{2}CH_{2}CH_{3}}$、イソプロピルメチルエーテル$\mathrm{CH_{3}{-}O{-}CH(CH_{3})_{2}}$。

合計7種からDを除いて6種です(pythonで炭素4個・酸素1個の木構造を全て列挙して、7種であることを確かめました)。

🎯 問4の答え
問4:6
⚠️ 鏡像異性体(2-ブタノールには存在)は「構造異性体」としては数えません。7種のうち2-ブタノールがD、残りが6。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
2-ブタノールは第二級だと、どうして分かるのですか?
Sora先生
Sora先生
ヒドロキシ基がついた炭素に、他の炭素が2個ついているから。そういうアルコールを酸化すると、ケトンができる。フェーリング液を還元しないのはケトンだから、Dは第二級と決まるよ。
Sora先生の総整理表

問題IV:構造決定の流れ

問型着眼点
問1構造決定Aの加水分解 → B(フェノール)・C(テレフタル酸)・D(第二級=2-ブタノール)
問2名称B=フェノール、F=ピクリン酸、H=2-ブタノン
問3縮合重合の反応式n+n → PET+$2n$ H₂O
問4異性体の数え上げC₄H₁₀O:アルコール4+エーテル3=7 → Dを除いて6
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】問題IVで手が止まった人への処方箋

  • 問1B・C・Dが決まらない → 臭素水(C₆H₃Br₃O)→フェノール、p-キシレンの酸化→テレフタル酸、残りがC₄H₁₀O
  • 問1Dがブタノールの何か迷う → ケトン(フェーリング液を還元しない)=第二級=2-ブタノール
  • 問3水の係数が合わない → 繰り返し単位1個ごとに水2分子($2n$)
  • 問4数が合わない → アルコール4+エーテル3=7。鏡像異性体は別に数えない
TMPS ORIGINAL

東京女子医科大2024型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)

2024年度の本番と同じ4大問・同じ小問数(問題I 15問、問題II 5問、問題III 6問、問題IV 4問)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。誤りを見抜く知識と、条件を順に当てはめて決める力の練習に使ってください。入試問題ではありません。TMPS医学館のオリジナルです。

試験時間の目安 60分(理科2科目で120分)小問集合・高分子・凝固点降下・構造決定
📄 本番形式の問題冊子PDFをダウンロード(全10ページ)

印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 東京女子医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。

類題 問題I 小問集合
  • 必要であれば,次の原子量および数値を用いよ。
  • 原子量:H=1.00,C=12.0,N=14.0,O=16.0,Na=23.0,Mg=24.0,S=32.0,Cl=35.5,K=39.0,Ca=40.0
  • 気体定数:$R=8.3\times10^{3}\ \mathrm{Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$,標準状態(0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa)の気体のモル体積:22.4 L/mol
  • 気体を扱う計算では,すべて理想気体として考えよ。
  • 問題I・IIは選択肢のア〜から選ぶマーク式,問題III・IVは記述式である。

次の各問いに答えよ。問1〜問15は,選択肢の記号(ア〜)を選んで答える。

問1 物質の分離・精製に関する次の記述①〜⑤のうち,誤りを含むものをすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① 液体と固体の混合物を,ろ紙などを用いて分離する操作をろ過という。
② 温度による溶解度の差を利用して,固体物質から純粋な結晶を得る操作を再結晶という。
③ 溶媒に対する溶解度の差を利用して,混合物から特定の物質を溶媒に溶かし出す操作を昇華法という。
④ ろ紙などに対する吸着力や溶解度の差による移動速度の違いを利用して,混合物を分離する操作をクロマトグラフィーという。
⑤ 固体が液体を経ずに直接気体になる変化を,凝華という。
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と③ク ②と④ケ ③と⑤コ ④と⑤サ ③と④シ ②と⑤
問2 元素Xの原子には2種類の同位体が存在する。同位体のひとつは $^{63}$X(相対質量62.9)である。もうひとつは $^{63}$X よりも中性子を2個多くもつ。それぞれの存在比が69.2%ならびに30.8%であるとき,$^{63}$X ではない方の同位体の相対質量ならびに元素Xの原子量の組合せとして最も適切なものはどれか。次のア〜ケから選べ。
アイウエオカキクケ
$^{63}$X ではない方の同位体の相対質量64.964.964.965.965.965.966.966.966.9
元素Xの原子量63.063.564.063.063.564.063.063.564.0
問3 化学結合と分子の性質に関する次の記述①〜⑤のうち,誤りを含むものをすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① 水分子は折れ線形で,極性分子である。
② ヨウ素分子 $\mathrm{I_{2}}$ は二原子分子であり,極性分子である。
③ 塩化水素分子では,共有電子対が塩素原子の側に偏っている。
④ メタンの沸点は,分子量が近いアンモニアの沸点よりも高い。
⑤ 水素結合は,電気陰性度の大きい原子(F,O,N)に結合した水素原子と,ほかの分子の非共有電子対との間に生じる。
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と⑤キ ②と③ク ②と④ケ ②と⑤コ ③と④サ ③と⑤シ ④と⑤
問4 $\mathrm{S^{2-}}$,$\mathrm{Cl^{-}}$,$\mathrm{K^{+}}$,$\mathrm{Ca^{2+}}$,$\mathrm{Sc^{3+}}$ のイオン半径を大きい順に並べた順序として正しいものはどれか。解答はア〜カから選べ。
ア $\mathrm{S^{2-}}$>$\mathrm{Cl^{-}}$>$\mathrm{K^{+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{Sc^{3+}}$イ $\mathrm{Cl^{-}}$>$\mathrm{S^{2-}}$>$\mathrm{K^{+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{Sc^{3+}}$ウ $\mathrm{S^{2-}}$>$\mathrm{Cl^{-}}$>$\mathrm{Sc^{3+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{K^{+}}$エ $\mathrm{Cl^{-}}$>$\mathrm{S^{2-}}$>$\mathrm{Sc^{3+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{K^{+}}$オ $\mathrm{Sc^{3+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{K^{+}}$>$\mathrm{Cl^{-}}$>$\mathrm{S^{2-}}$カ $\mathrm{Sc^{3+}}$>$\mathrm{Ca^{2+}}$>$\mathrm{K^{+}}$>$\mathrm{S^{2-}}$>$\mathrm{Cl^{-}}$
問5 赤リンと黄リン(白リン)に共通する性質を①〜⑤からすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① 燃焼させると,十酸化四リン $\mathrm{P_{4}O_{10}}$ になる。
② 空気中で自然発火するので,水中に保存する。
③ 二硫化炭素によく溶ける。
④ 猛毒である。
⑤ 水に溶けにくい。
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と⑤ク ②と③ケ ③と④コ ④と⑤サ ①と③シ ②と⑤
問6 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱したときに発生する気体の名称と,その捕集法の組合せとして最も適切なものはどれか。解答はア〜ケから選べ。
気体の名称捕集法
ア水素水上置換
イ水素上方置換
ウ水素下方置換
エアンモニア水上置換
オアンモニア上方置換
カアンモニア下方置換
キ二酸化炭素水上置換
ク二酸化炭素上方置換
ケ二酸化炭素下方置換
問7 下図は気体Xと気体Yの溶解度(各気体を $1.013\times10^{5}$ Pa の圧力で水1 Lに接触させたときに水に溶解する各気体の量を,0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa の下での体積として表したもの)と温度[℃]の関係のグラフである。
容積を変えることのできる容器に水1.50 Lと気体Xを入れ,容器内を0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa に保ち,Xを溶解度まで溶解させた。その後,容器内の温度と圧力を40℃,$3.039\times10^{5}$ Pa にし,十分時間を経過させた。このとき,水から気体が発生した場合はそれを回収した。気体Yについても同じ実験を行い,水から気体が発生した場合はそれを回収した。水から発生した気体Yと気体Xの物質量の組合せとして最も適切なものをア〜シから選べ。ただし,水の体積変化はないものとし,水の蒸気圧は無視できるものとする。
気体XとYの溶解度と温度の関係のグラフ。Xは0℃で6.00から40℃で1.80、Yは0℃で2.00から40℃で1.30
図 気体XとYの溶解度(TMPS作成)
Y[$\times10^{-3}$ mol]X[$\times10^{-3}$ mol]
ア00.201
イ00.402
ウ00.804
エ01.21
オ0.2010.201
カ0.2010.402
キ0.2010.804
ク0.2011.21
ケ0.4020.201
コ0.4020.402
サ0.4020.804
シ0.4021.21
問8 下記の文章中の空欄 a と b に入る数値として正しい組合せをア〜クから選べ。
4.70 gの酸化カリウムを水に溶解して250 mLの水溶液を作製した。この水溶液の電気の通りやすさを測定しながら,a mol/Lの希硫酸を滴下していった。希硫酸を加えていくと電気伝導性が小さくなっていき,b mL添加した時点で最小になった。
※電解質のうち,$\mathrm{H^{+}}$ や $\mathrm{OH^{-}}$ は溶液中での移動速度が大きく,他のイオンに比べて電気伝導性への寄与が圧倒的に大きい。このため水溶液の電気伝導性の大きさはほぼこの2つのイオンで決まると考えることができる。
アイウエオカキク
a[mol/L]0.250.250.500.500.501.01.00.40
b[mL]10030050.0100200100200100
問9 次の記述①〜⑤のうち,誤りを含むものをすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① 酸化剤は,相手の物質から電子を奪う(電子を受け取る)物質である。
② 反応の前後で酸化数が変化する原子がなければ,その反応は酸化還元反応ではない。
③ 過酸化水素は,酸化剤としても還元剤としてもはたらく。
④ とりうる最高の酸化数をもつ原子は,酸化されやすい。
⑤ イオン化傾向の大きい金属の単体ほど,酸化されにくい。
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と③ク ②と③ケ ③と④コ ③と⑤サ ④と⑤シ ②と④
問10 右図は水の飽和蒸気圧曲線のグラフである。容積8.30 Lの容積変化のない密閉容器を用意し,水蒸気と窒素からなる温度90℃の混合気体で満たしたのち,容器を密閉した。容器全体をゆっくりと冷却したところ,60℃で容器内に水滴ができ始めた。
① 下線部において,水蒸気の分圧は何Paか。
② 容器全体を40℃まで冷却したとき,容器内で凝縮する水は何gか。
①,②の答えの組合せとして最も適切なものをア〜ケから選べ。ただし,気体は蒸気圧により凝縮する点以外は理想気体とみなし,蒸気の過飽和はないものとする。
水の飽和蒸気圧曲線。60℃で約0.20×10^5 Pa、40℃で約0.07×10^5 Pa
図 水の飽和蒸気圧曲線(TMPS作成)
① [Pa]② [g]
ア$2.00\times10^{4}$0.40
イ$2.00\times10^{4}$0.68
ウ$2.00\times10^{4}$1.08
エ$2.18\times10^{4}$0.40
オ$2.18\times10^{4}$0.68
カ$2.18\times10^{4}$1.08
キ$2.40\times10^{4}$0.40
ク$2.40\times10^{4}$0.68
ケ$2.40\times10^{4}$1.08
問11 カルシウムに関する次のア〜カの記述のうち,誤りを含むものを1つ選べ。
ア 単体は,常温の水と反応して水素を発生する。
イ 炎色反応は,橙赤色を示す。
ウ 水酸化物の水溶液は,強い塩基性を示す。
エ 炭酸塩は,水によく溶ける。
オ 硫酸塩は,水に溶けにくい。
カ 酸化物は,水と反応して多量の熱を発生する。
問12 マグネシウムの燃焼の熱化学方程式は,$\mathrm{2Mg+O_2=2MgO+1200\ kJ}$ である。マグネシウムの粉末を完全に燃焼させたときに発生する熱を利用して,20℃の鉄100 gをすべて融解させたい。マグネシウムの燃焼で発生した熱量がすべて鉄の温度上昇および融解に使われたとすると,少なくとも何gのマグネシウム粉末が必要か。最も近い値をア〜オから選べ。
ただし,鉄の融点は1540℃,固体の鉄の比熱は $0.450\ \mathrm{J/(g\cdot K)}$,1 gの鉄を融解させるのに必要な熱量は270 J/gとする。
ア 1.91イ 3.82ウ 6.36エ 7.63オ 9.54
問13 化合物A,B,C,Dが関わる可逆反応は反応式 $\mathrm{A+B\rightleftarrows C+D}$ で表すことができ,[A]:[B]:[C]:[D]=2:3:4:5 のとき平衡に達する。この化学反応の平衡定数は,正反応と逆反応の反応速度定数の比と一致する。正反応および逆反応の反応速度定数をそれぞれ $k_1$ および $k_2$ とするとき,$k_1$:$k_2$ の比として正しいのはどれか。解答はア〜シから選べ。
ア 15:4イ 10:3ウ 9:4エ 5:2オ 4:3カ 3:2キ 2:3ク 3:4ケ 3:10コ 4:15サ 2:5シ 3:5
問14 硫酸銅(II)の濃い水溶液を冷却すると,青色の結晶Aが得られた。以下の①,②の答えの組合せとして正しいものをア〜ケから選べ。
① Aの名称は何か。
② 結晶Aを水に溶かして得られた水溶液を用いて,以下の実験a〜cを行った。実験の結果を正しく記述しているものを1つ選べ。
a 水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加えると,いったん生じた青白色の沈殿が溶けた。
b アンモニア水を過剰に加えると,いったん生じた青白色の沈殿が溶けて深青色の溶液になった。
c 硫化水素を通じると,黄色の沈殿が生成した。
①②
ア胆ばんa
イ胆ばんb
ウ胆ばんc
エ緑ばんa
オ緑ばんb
カ緑ばんc
キ石こうa
ク石こうb
ケ石こうc
問15 次の①〜⑤の化合物のうち,銀鏡反応を示すものをすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① ギ酸 ② 酢酸 ③ アセトアルデヒド ④ アセトン ⑤ エタノール
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と③ク ②と④ケ ③と④コ ③と⑤サ ④と⑤シ ②と⑤
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問題I 小問集合 の答えと解説

問1
ケ
  1. ①②④は正しい。③は誤り(溶解度の差で溶かし出す操作は抽出。昇華法は,固体が直接気体になる性質を利用して分離する操作)。⑤は誤り(固体が直接気体になる変化は昇華。凝華は気体が直接固体になる変化)。→ ③と⑤でケ。
問2
イ
  1. もうひとつの同位体の相対質量は,$62.9+2.0=64.9$。原子量は存在比を使った平均で,$62.9\times0.692+64.9\times0.308=43.5+20.0=63.5$。→ 64.9と63.5でイ。
問3
ク
  1. ①③⑤は正しい。②は誤り(同じ原子どうしの結合は電気陰性度が等しく,偏りがないので無極性分子)。④は誤り(アンモニアは水素結合をつくるので,メタンより沸点が高い)。→ ②と④でク。
問4
ア
  1. 5つのイオンはどれもアルゴンと同じ電子配置(電子18個)。電子配置が同じなら,原子番号(核の正電荷)が大きいほど電子が強く引かれて半径が小さい。原子番号は S(16),Cl(17),K(19),Ca(20),Sc(21) なので,半径は $\mathrm{S^{2-}>Cl^{-}>K^{+}>Ca^{2+}>Sc^{3+}}$。→ア。
問5
キ
  1. ①は共通(どちらも燃えて十酸化四リンになる)。②③④は黄リンだけの性質(赤リンは自然発火せず,二硫化炭素に溶けず,毒性も小さい)。⑤は共通(どちらも水に溶けにくい)。→ ①と⑤でキ。
問6
オ
  1. $\mathrm{2NH_{4}Cl+Ca(OH)_{2}}$ → $\mathrm{CaCl_{2}+2H_{2}O+2NH_{3}}$。アンモニアは水に非常によく溶けるので水上置換は不可。空気(平均分子量29)より軽い(17)ので,上方置換で集める。→オ。
問7
イ
  1. グラフの読み取り:Xは0℃で6.00,40℃で1.80(いずれも $\times10^{-2}$ L/水1 L)。Yは0℃で2.00,40℃で1.30。
  2. ヘンリーの法則より,溶ける量は圧力に比例する。40℃,$3.039\times10^{5}$ Pa(3倍)では,Xは $1.80\times3=5.40$,Yは $1.30\times3=3.90$($\times10^{-2}$ L/水1 L)まで溶ける。
  3. Y:3.90 > はじめに溶けていた2.00 なので,さらに溶けるだけで気体は発生しない(0)。X:はじめ6.00 > 5.40 なので,$(6.00-5.40)\times10^{-2}\times1.50=9.0\times10^{-3}$ L が発生する。物質量は $\dfrac{9.0\times10^{-3}}{22.4}=0.402\times10^{-3}$ mol。→ Yが0,Xが0.402でイ。
問8
エ
  1. $\mathrm{K_2O+H_2O\to2KOH}$。$\mathrm{K_2O}=94.0$ なので $\dfrac{4.70}{94.0}=0.0500$ mol,KOHは $0.100$ mol。
  2. 電気伝導性が最小になるのは中和点($\mathrm{H^{+}}$ も $\mathrm{OH^{-}}$ もほぼなくなる)。硫酸は2価なので $2\times a\times\dfrac{b}{1000}=0.100$,つまり $a\times b=50.0$。→ $a=0.50$,$b=100$ でエ。
問9
サ
  1. ①②③は正しい。④は誤り(最高の酸化数をもつ原子は,これ以上酸化されない。還元されやすい側)。⑤は誤り(イオン化傾向が大きいほど電子を放して陽イオンになりやすい,つまり酸化されやすい)。→ ④と⑤でサ。
問10
オ
  1. グラフの読み取り:60℃の飽和蒸気圧は $0.20\times10^{5}$ Pa,40℃は $0.07\times10^{5}$ Pa。
  2. ① 体積一定なので,水蒸気の分圧は絶対温度に比例する。60℃(333 K)で $0.20\times10^{5}$ Pa になるので,90℃(363 K)では $0.20\times10^{5}\times\dfrac{363}{333}=2.18\times10^{4}$ Pa。
  3. ② 水の全量は $n=\dfrac{PV}{RT}=\dfrac{2.0\times10^{4}\times8.30}{8.3\times10^{3}\times333}=0.0601$ mol(1.08 g)。40℃で気体として残るのは $\dfrac{7.0\times10^{3}\times8.30}{8.3\times10^{3}\times313}=0.0224$ mol(0.40 g)。凝縮した水は $1.08-0.40=0.68$ g。
  4. → ①が $2.18\times10^{4}$ Pa,②が0.68 gでオ。
問11
エ
  1. エが誤り。炭酸カルシウム(石灰石・大理石の主成分)は水にほとんど溶けない。アは正しい($\mathrm{Ca+2H_2O\to Ca(OH)_2+H_2}$)。イ・ウ・オ・カも正しい(酸化カルシウム=生石灰は水と反応して水酸化カルシウムになり発熱する)。→エ。
問12
イ
  1. 鉄に必要な熱:温度上昇 $100\times0.450\times(1540-20)=6.84\times10^{4}$ J,融解 $100\times270=2.70\times10^{4}$ J。合計 $9.54\times10^{4}$ J = 95.4 kJ。
  2. $2\mathrm{Mg}$(48.0 g)で1200 kJ なので,$\dfrac{95.4}{1200}\times48.0=3.82$ g。→イ。
問13
イ
  1. 平衡では正反応と逆反応の速さが等しい。$v_1=k_1[\mathrm{A}][\mathrm{B}]$,$v_2=k_2[\mathrm{C}][\mathrm{D}]$ で $v_1=v_2$ なので,$\dfrac{k_1}{k_2}=\dfrac{[\mathrm{C}][\mathrm{D}]}{[\mathrm{A}][\mathrm{B}]}=\dfrac{4\times5}{2\times3}=\dfrac{10}{3}$。→ $k_1$:$k_2$=10:3でイ。
問14
イ
  1. 青色の結晶は硫酸銅(II)五水和物 $\mathrm{CuSO_{4}·5H_{2}O}$(胆ばん)。緑ばんは硫酸鉄(II)七水和物,石こうは硫酸カルシウム二水和物。
  2. aは誤り(水酸化銅(II)は過剰の水酸化ナトリウム水溶液には溶けない)。bは正しい(テトラアンミン銅(II)イオンができて深青色)。cは誤り(硫化銅(II)は黒色)。→ 胆ばんとbでイ。
問15
キ
  1. 銀鏡反応($\mathrm{Ag+}$ を還元して銀を析出させる反応)は,ホルミル基(アルデヒド基)をもつ物質が示す。ギ酸 $\mathrm{HCOOH}$ はカルボキシ基とホルミル基の両方をもつので示す。アセトアルデヒドも示す。酢酸・アセトン・エタノールは示さない。→ ①と③でキ。
類題 問題II 高分子化合物

次の文を読み,以下の問いに答えよ。問16〜問20は,選択肢の記号(ア〜)を選んで答える。

高分子化合物のうち,合成高分子は,モノマーのつながり方によって分類される。エチレンのように二重結合をもつモノマーが,二重結合を開きながら次々とつながる反応を 1 重合といい,できるポリエチレンは,加熱すると軟らかくなる 2 樹脂である。

これに対して,ジカルボン酸とジオールのように,2つの官能基をもつモノマーが,水などの小さな分子をとれながらつながる反応を 3 重合という。(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)は,テレフタル酸とエチレングリコールの 3 重合でつくられる。PETは分子鎖が 4 構造で,主鎖に 5 結合をもち,繊維や飲料容器に用いられる。

問16 文中の 1〜5 に入る適切な語句の組合せとして正しいものはどれか。
12345
ア縮合熱硬化性付加網目状アミド
イ縮合熱硬化性付加鎖状エステル
ウ付加熱可塑性縮合鎖状エステル
エ付加熱可塑性縮合網目状アミド
オ付加熱硬化性縮合網目状エステル
カ縮合熱可塑性付加鎖状アミド
キ付加熱可塑性縮合鎖状アミド
ク縮合熱可塑性付加網目状エステル
問17 下線(a)について,重合したモノマーの質量の合計と,重合されてできたポリマーの質量とが同じではない高分子化合物を①〜⑤からすべて選べ。解答はア〜シから選べ。ただし,ポリマーの重合度は十分に大きく,その末端の構造は無視できるものとする。
① ポリ塩化ビニル ② ナイロン66 ③ ポリスチレン ④ PET ⑤ ナイロン6
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と⑤ク ②と③ケ ②と④コ ③と⑤サ ④と⑤シ ③と④
問18 下線(a)について,PETに関する記述として正しいものをすべて選べ。解答はア〜シから選べ。
① 衣料用のポリエステル繊維や,飲料のボトルに使用される。
② 吸湿性が非常に大きく,綿よりも水を吸いやすい。
③ ナイロンと同じように,主鎖にアミド結合をもつ。
④ 1935年にアメリカ人によって初めて発明された。
⑤ テレフタル酸とエチレングリコールからつくられる。
ア ①のみイ ②のみウ ③のみエ ④のみオ ⑤のみカ ①と②キ ①と③ク ①と⑤ケ ②と③コ ②と⑤サ ③と④シ ④と⑤
問19 下線(a)について,PETの構造式として正しいものはどれか。解答はア〜クから選べ。
PETの構造式の候補ア〜ク。ベンゼン環の位置や炭素鎖、結合の種類が異なる8つの繰り返し単位
図 構造式の候補(TMPS作成)
問20 下線(a)について,平均分子量が $2.88\times10^{4}$ のPETを合成したとき,生成する水は1 molのPETあたり何molか。ただし,PETの末端の構造は無視できるものとする。最も近い値をア〜シから選べ。
ア 144イ 150ウ 156エ 192オ 288カ 294キ 300ク 306ケ 312コ 384サ 576シ 600
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問題II 高分子化合物 の答えと解説

問16
ウ
  1. エチレンのC=Cが開いてつながるのは付加重合,できるポリエチレンは加熱で軟化する熱可塑性樹脂。水がとれてつながるのは縮合重合。PETは鎖状構造で,カルボン酸とアルコールが結合したエステル結合をもつ。→ 付加・熱可塑性・縮合・鎖状・エステルでウ。
問17
ケ
  1. 縮合重合では水などの小さな分子がとれるので,ポリマーの質量はモノマーの質量の合計より小さくなる。ナイロン66(アジピン酸+ヘキサメチレンジアミン)とPET(テレフタル酸+エチレングリコール)が該当する。
  2. ポリ塩化ビニル・ポリスチレンは付加重合,ナイロン6は ε-カプロラクタムの開環重合で,小さな分子はとれず,質量の合計は変わらない。→ ②と④でケ。
問18
ク
  1. ①は正しい。②は誤り(PETは吸湿性が低く,乾きやすい)。③は誤り(主鎖にあるのはエステル結合)。④は誤り(1935年にアメリカ人によって発明されたのはナイロン66)。⑤は正しい。→ ①と⑤でク。
問19
オ
  1. PETの繰り返し単位は,テレフタル酸(ベンゼン環の1位と4位に $\mathrm{{-}COOH}$)とエチレングリコール(炭素2個)が,エステル結合でつながった形。ベンゼン環が対位(p位)で,炭素2個の $\mathrm{{-}CH_{2}CH_{2}{-}}$ をはさむものが正しい。他の図は,オルト位やメタ位のもの,炭素3個のもの,アミド結合のもの,ベンゼン環のないもの,ヒドロキシ酸1種類からなるものなど。→ オ。
問20
キ
  1. 繰り返し単位 $\mathrm{C_{10}H_8O_4}$ の式量は $10\times12.0+8\times1.00+4\times16.0=192$。重合度 $n=\dfrac{2.88\times10^{4}}{192}=150$。
  2. 1つの繰り返し単位ができるごとに,テレフタル酸とエチレングリコールから水2分子がとれる。$2n=300$ mol。→ キ。
類題 問題III 凝固点降下と冷却曲線

次の文を読み,以下の問いに答えよ。解答は,記述式で答えよ。

ベンゼンと,溶質Xを含む希薄ベンゼン溶液(以下,希薄溶液と略す)の冷却曲線をそれぞれ測定したところ,図のような結果が得られた。希薄溶液の凝固点降下度 $\Delta t$ は0.307 Kであった。

一般に,溶液の凝固点 $t_1$[K]は純粋な溶媒の凝固点 $t_0$[K]よりも低くなる。これは溶媒の凝固が溶質によって妨げられるためである。低濃度の溶液では,$(t_0-t_1)$ は溶液の( あ )に比例し,その比例定数は( い )とよばれる。( い )は溶質の種類によらず溶媒のみに依存し,ベンゼンの場合は $5.12\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$ である。また,それぞれの冷却曲線において点Rや点Xのように,凝固点より低い温度になっても固体が現れない状態は( う )とよばれる。

ベンゼン(上)と希薄溶液(下)の冷却曲線。点P〜UとV〜Z
図 ベンゼンと希薄溶液の冷却曲線(TMPS作成)
問1 文中の( あ ),( い ),( う )にあてはまる語句を書け。
問2 希薄溶液の凝固点と見なされるべき点を図中の記号で答えよ。
問3 次の①〜③の記述の正誤の組合せとして正しいものをア〜クから選べ。
① T-U間で温度変化が見られなかったのは,凝固で発生する熱と,外へ逃げる熱がつりあったからである。
② Y-Z間で温度が一定にならず徐々に下がり続けるのは,溶媒が徐々に凝固して溶液の濃度が大きくなり,凝固点降下度が大きくなったためである。
③ X-Y間で温度が上昇しているのは,冷却がいったん止まって,外部から熱が加わるからである。
アイウエオカキク
①正正正正誤誤誤誤
②正正誤誤正正誤誤
③正誤正誤正誤正誤
問4 ベンゼンの蒸発熱と昇華熱はそれぞれ33.9 kJ/mol,43.8 kJ/molである。液体のベンゼンが固体になる際の熱化学方程式を示せ。
問5 液体のベンゼン156 gをすべて固体にするときに放出される熱量[kJ]を有効数字3桁で求めよ。問4の結果を用いてよい。
問6 溶質Xは安息香酸 $\mathrm{C_{6}H_{5}COOH}$(分子量122)であった。安息香酸1.22 gをベンゼン100 gに溶解した溶液の凝固点降下度が上の値であったとする。安息香酸は,溶液中で一部が2分子ずつ集まって二量体をつくり,二量体は1個の溶質粒子としてふるまう。安息香酸の分子のうち,二量体をつくっているものは何%か。有効数字2桁で求めよ。ただし,二量体以外の変化は無視できるものとする。
▶ 問題III の答えと解説を見る

問題III 凝固点降下と冷却曲線 の答えと解説

問1
あ:質量モル濃度い:モル凝固点降下う:過冷却
  1. 凝固点降下度は,溶質の種類によらず,溶液の質量モル濃度(溶媒1 kgあたりの溶質粒子の物質量)に比例する($\Delta t=K_f\,m$)。比例定数 $K_f$ をモル凝固点降下という。
  2. 凝固点より低い温度でも固体が現れない状態を過冷却という。
問2
点V
  1. 過冷却がなければ,凝固が始まった点Yから先は,溶液の温度は直線的に下がる。そこで,Y→Zの直線を時間をさかのぼる向きに延長し,はじめの冷却曲線とぶつかる点Vを凝固点と見なす(点Wではない)。
問3
イ
  1. ①は正しい(凝固熱と放熱がつりあうので,純粋な溶媒では温度が一定)。②は正しい(溶媒が凝固すると残った溶液は濃くなり,凝固点降下度が大きくなるので,凝固点がしだいに下がる)。
  2. ③は誤り(X-Y間の温度上昇は,過冷却の状態から固体ができ始め,凝固熱が一気に放出されるため。外部から熱が入るのではない)。→ ①正,②正,③誤でイ。
問4
$\mathrm{C_{6}H_{6}(液){=}C_{6}H_{6}(固)}$+9.9 kJ
  1. $\mathrm{C_{6}H_{6}(液){=}C_{6}H_{6}(気)}$$-33.9\ \mathrm{kJ}$,$\mathrm{C_{6}H_{6}(固){=}C_{6}H_{6}(気)}$$-43.8\ \mathrm{kJ}$ より,固体になるときには $43.8-33.9=9.9$ kJ を放出する。
  2. $\mathrm{C_6H_6(液)=C_6H_6(固)+9.9\ kJ}$
問5
19.8 kJ
  1. ベンゼン $\mathrm{C_{6}H_{6}}$ の分子量は $6\times12.0+6\times1.00=78.0$。$\dfrac{156}{78.0}=2.00$ mol なので,$2.00\times9.9=19.8$ kJ。
問6
80 %
  1. 安息香酸は $\dfrac{1.22}{122}=0.0100$ mol。そのうち割合 $\alpha$ が二量体になっているとすると,溶質粒子の物質量は $0.0100\times(1-\alpha)+0.0100\times\dfrac{\alpha}{2}=0.0100\left(1-\dfrac{\alpha}{2}\right)$ mol。
  2. 質量モル濃度は $\dfrac{0.0100(1-\alpha/2)}{0.100\ \mathrm{kg}}=0.100\left(1-\dfrac{\alpha}{2}\right)$ mol/kg。$\Delta t=K_f m$ より,$0.307=5.12\times0.100\left(1-\dfrac{\alpha}{2}\right)$,$1-\dfrac{\alpha}{2}=0.600$,$\alpha=0.80$。→ 80%。
類題 問題IV 芳香族化合物の構造決定

次の文を読み,以下の問いに答えよ。解答は,記述式で答えよ。

化合物Aは分子式 $\mathrm{C_{19}H_{20}O_{4}}$ の芳香族化合物である。次のような実験を行った。

1 molの化合物Aを完全に加水分解すると,化合物B,C,Dがそれぞれ1 molずつ得られた。化合物B,C,Dはそれぞれ単体のナトリウムと反応し,水素を発生した。

化合物Bに塩化鉄(III)水溶液を加えると,紫色に呈色した。化合物Bに十分な量の臭素水を反応させると,分子式 $\mathrm{C_{6}H_{3}Br_{3}O}$ である化合物Eが得られた。

化合物Cは o-キシレンを酸化することによっても得られる。化合物Cを加熱すると,分子内で脱水して,酸無水物Gが得られた。

化合物Dには,構造異性体が複数存在する。化合物Dには鏡像異性体(光学異性体)が存在しない。化合物Dをおだやかに酸化すると,化合物Hが得られた。化合物Hはフェーリング液を還元しなかった。

問1 化合物A,D,Eの構造式を例にならって書け。
構造式の書き方の例。ベンゼン環にヒドロキシ基とエステルがついた化合物
例(TMPS作成)
問2 化合物B,G,Hの名称を書け。
問3 下線部の反応式を書け。ただし,化合物Cは構造式で示すこと。
問4 化合物Dの構造異性体の数は,Dを除いていくつあるか。ただし,鏡像異性体は区別しないものとする。
▶ 問題IV の答えと解説を見る

問題IV 芳香族化合物の構造決定 の答えと解説

問1
A〜Eの構造式(下の図)
A フタル酸フェニル3-ペンチル
A フタル酸フェニル3-ペンチル
D 3-ペンタノール
D 3-ペンタノール
E 2,4,6-トリブロモフェノール
E 2,4,6-トリブロモフェノール
  1. ①より,AはB,C,Dが1つずつエステル結合でつながった化合物。$\mathrm{C_{19}H_{20}O_4}$ に水2分子を加えると $\mathrm{C_{19}H_{24}O_6}$。
  2. ②より,Bはフェノール類で,臭素水と反応して $\mathrm{C_{6}H_{3}Br_{3}O}$(トリブロモ体)になるので,B=フェノール $\mathrm{C_{6}H_{5}OH}$,E=2,4,6-トリブロモフェノール。
  3. ③より,C=フタル酸(o-キシレンの酸化生成物)$\mathrm{C_{8}H_{6}O_{4}}$。したがってDは $\mathrm{C_{19}H_{24}O_{6}}$-$\mathrm{C_{6}H_{6}O}$-$\mathrm{C_{8}H_{6}O_{4}}$=$\mathrm{C_{5}H_{12}O}$。
  4. ④より,Hはフェーリング液を還元しないので,ケトン。したがってDは第二級アルコール。$\mathrm{C_{5}H_{12}O}$ の第二級アルコールは2-ペンタノール,3-ペンタノール,3-メチル-2-ブタノールの3つ。このうち鏡像異性体がないのは,不斉炭素原子をもたない3-ペンタノールだけ。→ D=3-ペンタノール,H=3-ペンタノン。
  5. A=フタル酸のフェニルエステル・3-ペンチルエステル(フタル酸フェニル3-ペンチル)。
問2
B:フェノールG:無水フタル酸H:3-ペンタノン(ジエチルケトン)
  1. B=フェノール,G=無水フタル酸(フタル酸が分子内で脱水した酸無水物),H=3-ペンタノン(ジエチルケトン)。
問3
C → G+$\mathrm{H_{2}O}$
フタル酸の分子内脱水
フタル酸の分子内脱水
  1. フタル酸のオルト位にある2つのカルボキシ基から水1分子がとれて,五員環の酸無水物(無水フタル酸)になる。
  2. $\mathrm{C_{6}H_{4}(COOH)_{2}}$ → $\mathrm{C_{6}H_{4}(CO)_{2}O}$ + $\mathrm{H_{2}O}$(原子数の保存:炭素8・水素6・酸素4 = 炭素8・水素4・酸素3 + 水素2・酸素1)。
問4
13
  1. $\mathrm{C_{5}H_{12}O}$ の構造異性体は,アルコール8種(第一級4,第二級3,第三級1)とエーテル6種の,合わせて14種。
  2. Dを除くと $14-1=13$。

※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・設定を変えて作っています(例:問題IIIは凝固点降下を、ベンゼン中で二量体をつくる安息香酸に、問題IVはフェノール・フタル酸・3-ペンタノールのエステルに、問題IIはポリエチレンテレフタラートに変えています)。計算は数値で、構造は異性体の列挙でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる設問・構造式の書き方は「要確認/解答例」の扱いです。

CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

問題I(小問集合・15問)
問題II(高分子・5問)
問題III(凝固点降下)
問題IV(芳香族・構造決定)
FOR PARENTS

保護者の方へ:東京女子医科大の化学で知っておきたい3つのこと

① 小問集合で落とさない
問題Iは15問の小問集合で、理論・無機・有機にまたがります。「誤りを含むものを選ぶ」形式が多く、教科書の基本事項を、断定の語や用語の取り違えに気づける精度で押さえる準備が得点に直結します。
② 計算は「一本道」で、記述は「順に絞る」
滴定や気体の計算は式を立てれば答えが出ます。有機の構造決定は、条件を1つずつ当てはめて候補を絞ります。どちらも手順を型にして練習することが効きます。
③ 秋からは「答案を見てもらう」
理科2科目で120分という配分は、独学では直しにくい部分です。どこで時間を失ったか、第三者の目で見ると最短で伸びます。
FAQ

よくある質問

Q. 東京女子医科大学 医学部の化学2024年度は、どの順番で解くのがよいですか?

TMPSのおすすめは、問題I(小問集合15問)を24分、問題II(高分子化合物)を8分、問題III(凝固点降下と冷却曲線)を14分、問題IV(芳香族化合物の構造決定)を14分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。問題Iは計算の小問を先に取り、迷う正誤の文は消去法で先へ進みます。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・答える記号や形式をTMPSの言葉で説明しています。

Q. 計算の答えは、どうやって確かめていますか?

本番の計算問題は、pythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定は条件に合う異性体を全部列挙して、独立に確かめています。ただし、用語や性質の真偽(正誤の文・高分子の分類・グラフの読み取りなど)はスクリプトでは確かめられないので、ページ内に「要確認」と明記しています。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2024年度と同じ4つの大問・同じ問題数(問1〜20のマーク式と、記述式の問題III・IV)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。

Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?

公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

安心安全・継続更新システム

問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。

受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。

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