操作ごとに「何の差を使うか」を確かめます。
分留は沸点の差、再結晶は温度による溶解度の差、昇華法は固体が直接気体になる性質、抽出は2つの混ざらない溶媒への溶解度の差を使います。いずれも①〜④の説明は正しいです。
⑤のクロマトグラフィーは、ろ紙やシリカゲルに「吸着されやすさ」の差(と溶媒への溶けやすさ)で、成分ごとに移動の速さが違うことを使います。浸透圧の差ではありません。浸透圧は半透膜を通した溶媒の移動に関する量です。→ 誤りは⑤だけで、オ。
問題文は掲載できませんが、
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各小問を「どういう問題か」から説明し、計算は式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ4問題の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2024年度を丸ごと演習できます。
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※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。設問番号(問1〜)と選択肢の記号(ア〜)は、本番の解答用紙との対応を示すために赤本どおりにしています。※ 知識で決まる問題(文の正誤・用語・高分子の分類など)、グラフの読み取りが答えを左右する問題、答えの書き方に幅がある記述は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」「解答例」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡本番は理科2科目で120分。化学は60分を目安にします。時間はTMPSの目安です。
解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、構造決定は異性体を列挙して確かめています(結果は下の注記)。記述式(問題III・IV)は、図・構造式を言葉で書いてあります。
問題I(問1〜8)
問題I(問9〜15)
問題II(問16〜20)
問題III(記述式)
問題IV(記述式)
※ 検算:計算問題はpythonで有効数字・単位まで再計算し、問題IVは分子式C₄H₁₀Oの構造異性体7種を全て列挙して条件で絞り込み、すべて一致しました(verify_twmu-2024-chemistry_honban.py:ALL OK)。正誤の文は「真偽はTMPSの判断、選択肢への対応づけだけを機械で確認」です。答えは赤本の公開解答を見ずに、問題文から自力で導いています。
採点したら → 30秒の得点診断へ15問の独立した小問です。「誤りを含むものをすべて選ぶ」形式は、①〜⑤の文の組合せをア〜シの12個の記号から選びます。1問あたり1〜2分が目安です。
混合物を分けるときの操作の名前と、その原理の組合せを確かめる知識問題。
操作ごとに「何の差を使うか」を確かめます。
分留は沸点の差、再結晶は温度による溶解度の差、昇華法は固体が直接気体になる性質、抽出は2つの混ざらない溶媒への溶解度の差を使います。いずれも①〜④の説明は正しいです。
⑤のクロマトグラフィーは、ろ紙やシリカゲルに「吸着されやすさ」の差(と溶媒への溶けやすさ)で、成分ごとに移動の速さが違うことを使います。浸透圧の差ではありません。浸透圧は半透膜を通した溶媒の移動に関する量です。→ 誤りは⑤だけで、オ。
原子量が「同位体の相対質量の存在比による平均」であることを使う計算問題。
中性子が2個多い同位体は、質量数も2大きくなります。相対質量は質量数にほぼ等しいので、もう一方の相対質量は $78.9+2=80.9$ とします。原子量は存在比で平均します。
「80.9と79.9」の組合せは表の1列目(ア)です。原子量は「質量が大きい方に偏った平均」ではなく、ほぼ半々なので2つの相対質量の間(約80)に来ます。
結合の極性と分子の極性を区別できるかを問う知識問題。
①電気陰性度の差が大きい2原子間の共有結合は極性をもつ(正)。③極性の大きい分子は極性の大きい溶媒に溶けやすい(「似たものは似たものに溶ける」。正)。④極性分子は、分子量が同程度の無極性分子より融点・沸点が高い傾向がある(分子間力が強いので。正)。
②の二酸化炭素は、C=O結合は電気陰性度の差があるので極性をもちますが、分子は直線形で、2つの結合の極性が打ち消し合って分子全体としては無極性です。「C=O結合は極性をもたない」は誤り。
⑤の水素結合は、水素原子が電気陰性度の大きいF・O・Nに結合しているときにだけ生じます。水素より電気陰性度の小さい原子(Na、Cなど)と結合した水素は、水素結合をつくりません。→ 誤りは②と⑤で、ケ。
同じ電子配置のイオンでは、原子番号が大きいほど半径が小さくなることを使う。
5つのイオンはどれもネオンと同じ電子10個です。電子の数が同じなら、原子核の正電荷(原子番号)が大きいほど電子を強く引きつけて、半径が小さくなります。原子番号は O(8)<F(9)<Na(11)<Mg(12)<Al(13)。したがって半径は逆の順で
→ ア。
炭素の同素体の性質の違いと共通点を整理する知識問題。
①共有結合の結晶:どちらも(共通)。②電気を通す:黒鉛だけ(炭素の4個の価電子のうち1個が層の中を動ける)。③非常に硬い:ダイヤモンドだけ。④網目状の平面構造:黒鉛だけ(層状)。⑤水に溶けにくい:どちらも(共通)。
→ 共通は①と⑤で、ク。
金属と酸の反応で出る気体と、その気体の溶けやすさ・空気との重さの関係を結びつける問題。
希硝酸と銅からは一酸化窒素 NOが出ます(濃硝酸なら二酸化窒素 $\mathrm{NO_{2}}$)。一酸化窒素は水に溶けにくいので水上置換で集めます。空気中に出すとただちに酸化されて $\mathrm{NO_{2}}$(赤褐色)になり、空気と混ざってしまうので、空気を使う方法(上方置換・下方置換)は使えません。→ 一酸化窒素・水上置換でエ。
「温度が上がると溶けにくくなる」「圧力が2倍になると溶ける量が2倍になる」の2つ(ヘンリーの法則)を同時に考える問題。
グラフから、1.013×10⁵ Pa・水1 Lあたりの溶解度(×10⁻² L、0℃・1.013×10⁵ Paの体積で表した値)を読みます。酸素は0℃で5.00、60℃で2.00。水素は0℃で2.00、60℃でおよそ1.6です。
① はじめに溶けていた量(水2.00 L):酸素 $5.00\times10^{-2}\times2.00=0.100$ L、水素 $2.00\times10^{-2}\times2.00=0.0400$ L。
② 60℃・2.026×10⁵ Paで溶けられる量:圧力が2倍なので溶解度も2倍。酸素 $2.00\times10^{-2}\times2.00\times2=0.0800$ L、水素 $1.6\times10^{-2}\times2.00\times2=0.064$ L。
③ 差が発生した気体:水素は 0.064 > 0.0400 なので、溶けられる量のほうが多く、気体は出ません(0)。酸素は $0.100-0.0800=0.0200$ L が出ます。物質量は
→ 水素0、酸素0.893でイ。
「最小になる点=中和点」と読み替えて、酸と塩基の物質量を合わせる滴定の計算。
注意書きのとおり、伝導性は $\mathrm{H+}$ と $\mathrm{OH{-}}$ でほぼ決まります。$\mathrm{OH{-}}$ が中和で減ると伝導性が下がり、中和が終わったあと $\mathrm{H+}$ が増えると再び上がるので、最小になるのは中和点です。シュウ酸 $\mathrm{H_{2}C_{2}O_{4}}$ は2価の酸なので、
表で $a\times b=30.0$ になるのは、$a=0.30$ mol/L、$b=100$ mL(エ)だけです(ウは15.0、オは90.0)。
酸化数を使った酸化剤・還元剤の判断を、文ごとに確かめる知識問題。
①反応の前後で、酸化数の増加分と減少分は等しい(電子のやりとりなので)ので、酸化数の合計は同じ(正)。②典型元素の酸化数の上限は最外殻電子の数(例:Clは+7、Sは+6)で、これを超えない(正)。⑤電池は酸化還元反応で電気を取り出す(正)。
③は誤り:とりうる最低の酸化数の原子(例:$\mathrm{H_{2}S}$ のS、−2)は、それ以上電子を受け取れないので還元されません。酸化されやすい側です。
④は誤り:ハロゲン単体は、酸化力の強い順に F₂>Cl₂>Br₂>I₂。$\mathrm{F_{2}}$ は $\mathrm{Cl{-}}$ を酸化しますが、$\mathrm{Cl_{2}}$ は $\mathrm{F{-}}$ を酸化できません。「どの組合せでも電子の授受が起こる」とはいえません。→ 誤りは③と④で、コ。
体積一定で温度を下げる問題。「水滴ができ始める温度=その温度での水蒸気圧が飽和蒸気圧に等しい」ことが出発点。
① 分圧:75℃で水滴ができ始めたので、75℃(348 K)の水蒸気圧が飽和蒸気圧、グラフから約 $0.40\times10^{5}$ Pa。体積一定なので、水蒸気の分圧は絶対温度に比例します。110℃(383 K)では
② 凝縮量:水の全量は $n=\dfrac{PV}{RT}=\dfrac{4.0\times10^{4}\times8.30}{8.3\times10^{3}\times348}=0.115$ mol(2.07 g)。30℃で気体として残る分は、グラフの読み取り値(約 $0.04\sim0.05\times10^{5}$ Pa)から $\dfrac{P\times8.30}{8.3\times10^{3}\times303}$。$P=5\times10^{3}$ Paなら $0.0165$ mol(0.30 g)なので、凝縮した水は $2.07-0.30=1.77$ g。$P=4\times10^{3}$ Paなら1.83 g。
→ ①が $4.40\times10^{4}$ Pa、②が1.77 g(1.77〜1.83)に最も近いイ。選択肢は1.65・1.77・2.07の3つだけなので、1.77〜1.83 gの幅があっても、イを選べます。
ナトリウムとその化合物の性質・用途を確かめる知識問題。
ア:単体は空気や水と反応するので石油中に保存(正)。イ:単体は塩化ナトリウムの溶融塩電解でつくる(正)。ウ:水酸化ナトリウムは空気中の $\mathrm{CO_{2}}$ を吸って炭酸ナトリウムになる(正)。オ:炭酸ナトリウムはガラスの原料(正)。カ:炭酸水素ナトリウムはベーキングパウダー(正)。
エ:水酸化ナトリウムの固体は、空気中の水分を吸って溶ける潮解性を示します。風解性は、結晶水を失って粉になる性質(例:炭酸ナトリウム十水和物)で、水酸化ナトリウムの性質ではありません。→ 誤りはエ。
熱化学方程式の係数から、アルミニウム1 gあたりの発熱量を出し、必要な熱量と結びつける。
金に必要な熱量は、温度上昇と融解の2つを足します。
熱化学方程式の係数は物質量なので、4 mol($4\times27.0=108$ g)のAlで3300 kJ。必要なAlは
→ エ。
平衡のとき「正反応の速さ=逆反応の速さ」から、速度定数の比と平衡定数を結びつける。
→ $k_1$:$k_2$=8:3でウ。
複塩の名称と、アルミニウムイオンの沈殿反応の知識を組み合わせる問題。
① 名称:硫酸アルミニウムカリウム十二水和物 $\mathrm{AlK(SO_{4})_{2}·12H_{2}O}$ はミョウバン(正八面体の結晶)。アルミナは酸化アルミニウム、重曹は炭酸水素ナトリウムです。
② 実験:aは誤り(水酸化アルミニウムは両性で、過剰の水酸化ナトリウム水溶液には溶ける。白色沈殿が生成し続けるのではない)。bは正しい(アンモニア水で白色の $\mathrm{Al(OH)_{3}}$ が沈殿し、過剰でも溶けない)。cは誤り(Al³⁺は硫化水素を通じても沈殿しない。硫化物の黒色沈殿は Cu²⁺ や Pb²⁺ など)。
→ ミョウバンとbでク。
暗所での反応は「付加反応」だけが起こる、という区別を問う知識問題。
暗所で臭素 $\mathrm{Br_{2}}$ と反応するのは、炭素間の二重結合・三重結合に付加する、エチレン $\mathrm{C_{2}H_{4}}$ とアセチレン $\mathrm{C_{2}H_{2}}$ です。エタン・シクロヘキサンのような飽和炭化水素は、光があると置換反応をしますが、暗所では反応しません。ベンゼンも、鉄粉などの触媒がなければ暗所では反応しません。→ ③と④でサ。
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1・3・9・11 | 誤りを含む文 | 確信の持てる文から○✕。断定語(必ず・どれも)は例外を探す |
| 問2 | 同位体 | 相対質量=78.9+2,原子量=存在比で平均 |
| 問4 | 10電子イオン | 原子番号が大きいほど半径が小さい |
| 問5・6・14・15 | 性質・捕集・沈殿・付加 | 同素体の差、NOは水上置換、Al³⁺の3点、暗所は付加 |
| 問7 | 溶解度グラフ | 温度↑で溶解度↓、圧力2倍で溶解量2倍。差が発生量 |
| 問8 | 中和滴定の伝導度 | 最小=中和点。Na₂O→2NaOH、シュウ酸は2価 |
| 問10 | 飽和蒸気圧 | 体積一定で $P\propto T$。水滴ができ始める点が飽和 |
| 問12・13 | 熱量・平衡 | 4 molで3300 kJ/$k_1/k_2=K$(係数の指数) |
合成高分子について書かれた文章の空欄(1〜5)を選ぶ問16と、下線部に関する問17〜20(ナイロン66)の5問です。全部が基本知識なので、8分で取り切る問題です。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の違い、イオン交換樹脂のしくみを確かめる知識問題。
合成樹脂には、熱硬化性樹脂(1)と熱可塑性樹脂(2)があります。前者は網目状構造(3)で、加熱しても軟らかくならず、後者は鎖状構造(4)であることが多く、軟化点をもちます。
イオン交換樹脂は、樹脂の酸性または塩基性の基のイオンが、水溶液中の同符号(5)の別のイオンと入れ替わる樹脂です(陽イオン交換樹脂なら、樹脂の $\mathrm{H+}$ と水溶液の $\mathrm{Na+}$ などの陽イオンが入れ替わる)。
→ 熱硬化性・熱可塑性・網目状構造・鎖状構造・同符号でア。
付加重合・開環重合では質量が保存され、縮合重合では水などの小分子が出ていくので質量が減る、という区別を使う問題。
フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドの付加縮合で水がとれるので、ポリマーの質量はモノマーの合計より小さくなります(同じではない)。
ポリエチレン・ブタジエンゴムは付加重合、ナイロン6は ε-カプロラクタムの開環重合で、小さな分子はとれず、質量は保存されます。
ビニロンは、酢酸ビニルを重合し、けん化してポリビニルアルコールにしたあと、ホルムアルデヒドでアセタール化してつくります。重合そのものは付加重合ですが、そのあとの反応(けん化・アセタール化)で質量が変わるため、「モノマーの合計と同じではない」と判断して、①と②(カ)とするのが自然です。
合成繊維の特徴と、他の繊維との取り違えを避ける知識問題。
①強度・耐熱性に優れ、防弾チョッキなどに使われるのはアラミド繊維(ケブラーなど)で、ナイロン66ではありません。②綿に似た吸湿性・③羊毛に似た保温性は、それぞれ別の繊維の説明です。
④ナイロン66は絹に似た触感で、ストッキングなどに使われます(正)。⑤ナイロン66は1935年に、アメリカ人のカロザースによって初めて発明されました(正)。→ ④と⑤でシ。
2つの原料(ジアミンとジカルボン酸)の炭素数と、アミド結合の向きを確かめる問題。
ナイロン66は、ヘキサメチレンジアミン $\mathrm{H_{2}N{-}(CH_{2})_{6}{-}NH_{2}}$(炭素6個)とアジピン酸 $\mathrm{HOOC{-}(CH_{2})_{4}{-}COOH}$(炭素6個、COOHを除くと4個)の縮合重合でできます。名前の「66」は、2つの原料の炭素数がどちらも6であることを表します。
繰り返し単位は $\mathrm{{-}NH{-}(CH_{2})_{6}{-}NH{-}CO{-}(CH_{2})_{4}{-}CO{-}}$。N側の鎖が(CH₂)₆で、C=Oにはさまれた鎖が(CH₂)₄になっている構造式が正しく、結合はアミド結合(エステルではない)です。→ オ。
繰り返し単位の式量から重合度 $n$ を出し、1つの結合ごとに水がとれることを使う計算。
繰り返し単位 $\mathrm{C_{12}H_{22}N_2O_2}$ の式量は $12\times12.0+22\times1.00+2\times14.0+2\times16.0=226$。
ジアミン1分子とジカルボン酸1分子が結びつくと、アミド結合が2個でき、水が2分子とれます。繰り返し単位1個ごとに水2分子なので、1 molのナイロン66あたり $2n=212$ mol。→ コ。
(エの106は、水を1分子($n$)と数えた値です。)
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問16 | 空欄補充 | 熱硬化性=網目状、熱可塑性=鎖状、イオン交換は同符号 |
| 問17 | 質量保存 | 縮合・付加縮合は水が出る(質量が減る)。付加・開環は保存 |
| 問18 | 性質の正誤 | ナイロン66=絹に似る・ストッキング・1935年カロザース |
| 問19 | 構造式 | 原料の炭素数「6と4」。アミド結合 |
| 問20 | 重合度 | 226 → $n=106$ → 水 $2n=212$ |
水と希薄水溶液の冷却曲線(温度の時間変化)の図を読み、語句・凝固点の点・記述の正誤・熱化学方程式・熱量・塩化カルシウムの質量を答えます。前半は用語と図の読み取り、後半は計算です。
凝固点降下の用語を問う。
凝固点降下度 $\Delta t$ は、溶質の種類によらず、溶液の質量モル濃度(溶媒1 kgあたりの溶質粒子の物質量)に比例します。
比例定数 $K_f$(水で $1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$)をモル凝固点降下といいます。凝固点より低い温度になっても固体ができず液体のままでいる点C・Iの状態は過冷却です。
過冷却がある場合の凝固点の決め方(グラフの外挿)を問う。
点Cや点Iで過冷却が起こると、凝固が始まった点Jの温度は、本来の凝固点よりもやや低く出ます(過冷却が解消するときの熱で温度が上がるため)。そこで、J→Kの直線部分を、時間をさかのぼる向きに延長し、はじめの冷却曲線との交点を、凝固点と見なします。図ではこの延長線(点線)が冷却曲線と交わる点がGです。
(Hは、Jと同じ温度の点を、はじめの冷却曲線に移したもので、凝固点ではありません。)
冷却曲線の各区間で何が起きているかを、説明の言葉で確かめる問題。
①正:E—Fでは水が凝固して凝固熱を出し、外へ逃げる熱とつりあうので温度は一定です。
②誤:J—Kで温度が下がり続けるのは、凝固が進むと残った溶液の濃度が大きくなり、凝固点降下度が大きく(凝固点が低く)なるためです。説明には「凝固点降下度が小さくなった」とあるので誤りです。
③正:I—Jの温度上昇は、過冷却から固体ができ始めると、凝固熱が一気に放出されるためです。
→ ①正・②誤・③正でウ。
2つのエネルギー図を、ヘスの法則でつなぐ問題。
液体の水が気体になるには 41.0 kJ/mol を吸収、氷が気体になるには 47.0 kJ/mol を吸収します。「氷→気体」は「氷→液体→気体」と同じなので
氷になるとき、同じ6.0 kJを放出するので、熱化学方程式は
問4の6.0 kJ/molを物質量にかける計算。
凝固点降下の式に、電離で増える粒子の数を考えて当てはめる計算。
塩化カルシウムは $\mathrm{CaCl_2\to Ca^{2+}+2Cl^{-}}$ と電離して、1 molから3 molの粒子ができます。溶質粒子の質量モル濃度 $m$ は
水120 g=0.120 kgに含まれる粒子は $0.0811\times0.120=9.73\times10^{-3}$ mol。これが $\mathrm{CaCl_2}$ の3倍なので、$\mathrm{CaCl_2}$ は $3.24\times10^{-3}$ mol。式量 $40.0+2\times35.5=111.0$ をかけて
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 語句 | 質量モル濃度・モル凝固点降下・過冷却 |
| 問2 | 図の読み取り | J→Kの直線を延長して、はじめの冷却曲線との交点G |
| 問3 | 正誤の説明 | 濃度が大きくなる→凝固点降下度は大きくなる |
| 問4 | 熱化学方程式 | 融解熱=昇華熱−蒸発熱=6.0 kJ/mol。右辺に+6.0 |
| 問5 | 熱量 | 120/18.0 mol × 6.0 = 40.0 kJ |
| 問6 | 凝固点降下の計算 | 粒子の総量 0.0811 mol/kg ÷ 3(電離)× 0.120 kg × 111.0 |
分子式C₁₈H₁₈O₄の芳香族化合物Aを加水分解して得られる3つの化合物B・C・Dについて、臭素水・混酸・p-キシレンの酸化・エチレングリコールとの縮合・フェーリング液の6つの手がかりから構造を決めます。手がかりを1つずつ当てはめるのが基本です。
加水分解 → B・C・Dの決定 → 結合の順番(エステル)を考える問題。
手順1(加水分解):1 molのAからB・C・Dが1 molずつ。エステルが2か所あり、水が2分子加わる。
手順2(B・E):Bは臭素水で $\mathrm{C_6H_3Br_3O}$(Eの分子式)になる。フェノールの水素3個(ヒドロキシ基のオルト位2つとパラ位)が臭素に置換されると $\mathrm{C_6H_3Br_3O}$ になるので、B=フェノール $\mathrm{C_6H_5OH}$($\mathrm{C_6H_6O}$)、E=2,4,6-トリブロモフェノール。濃硝酸と濃硫酸(混酸)で爆薬の原料になるFはピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)で、これもBがフェノールと分かる手がかり。
手順3(C):Cは p-キシレンを酸化して得られ、エチレングリコールと縮合重合してPETになるので、C=テレフタル酸 $\mathrm{C_8H_6O_4}$。
手順4(D):D=$\mathrm{C_{18}H_{22}O_6-C_6H_6O-C_8H_6O_4=C_4H_{10}O}$(ブタノール類)。Dをおだやかに酸化して得たHがフェーリング液を還元しないので、Hはアルデヒドでなくケトン、つまりDは第二級アルコール。$\mathrm{C_4H_{10}O}$ の第二級アルコールは2-ブタノール $\mathrm{CH_3CH(OH)CH_2CH_3}$ だけです。
手順5(A):テレフタル酸の2つのカルボキシ基の一方がフェノールと、もう一方が2-ブタノールとエステルになっているのがA(フェニル2-ブチルテレフタラート)。
決めた構造に、正しい名称をつける問題。
B=フェノール。F=ピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)。H=2-ブタノン(エチルメチルケトン)。
縮合重合の反応式を、水の分子数 $2n$ まで含めて書く問題。
テレフタル酸とエチレングリコールが、エステル結合で交互につながります。繰り返し単位1個ごとに、水が2分子とれます($2n$ 個)。
原子数の保存は検算済みです(繰り返し単位 $\mathrm{C_{10}H_8O_4}$)。答案では、$\mathrm{C_6H_4}$ をベンゼン環(1位と4位)で書きます。
分子式 $\mathrm{C_4H_{10}O}$ の異性体を、アルコールとエーテルに分けて数え上げる問題。
分子式 $\mathrm{C_4H_{10}O}$ は、不飽和度が0なので、環も二重結合もない構造です。
アルコール(4種):1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール。
エーテル(3種):ジエチルエーテル$\mathrm{CH_{3}CH_{2}{-}O{-}CH_{2}CH_{3}}$、メチルプロピルエーテル$\mathrm{CH_{3}{-}O{-}CH_{2}CH_{2}CH_{3}}$、イソプロピルメチルエーテル$\mathrm{CH_{3}{-}O{-}CH(CH_{3})_{2}}$。
合計7種からDを除いて6種です(pythonで炭素4個・酸素1個の木構造を全て列挙して、7種であることを確かめました)。
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 構造決定 | Aの加水分解 → B(フェノール)・C(テレフタル酸)・D(第二級=2-ブタノール) |
| 問2 | 名称 | B=フェノール、F=ピクリン酸、H=2-ブタノン |
| 問3 | 縮合重合の反応式 | n+n → PET+$2n$ H₂O |
| 問4 | 異性体の数え上げ | C₄H₁₀O:アルコール4+エーテル3=7 → Dを除いて6 |
2024年度の本番と同じ4大問・同じ小問数(問題I 15問、問題II 5問、問題III 6問、問題IV 4問)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。誤りを見抜く知識と、条件を順に当てはめて決める力の練習に使ってください。入試問題ではありません。TMPS医学館のオリジナルです。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 東京女子医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
次の各問いに答えよ。問1〜問15は,選択肢の記号(ア〜)を選んで答える。
| ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ | ク | ケ | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $^{63}$X ではない方の同位体の相対質量 | 64.9 | 64.9 | 64.9 | 65.9 | 65.9 | 65.9 | 66.9 | 66.9 | 66.9 |
| 元素Xの原子量 | 63.0 | 63.5 | 64.0 | 63.0 | 63.5 | 64.0 | 63.0 | 63.5 | 64.0 |
| 気体の名称 | 捕集法 | |
|---|---|---|
| ア | 水素 | 水上置換 |
| イ | 水素 | 上方置換 |
| ウ | 水素 | 下方置換 |
| エ | アンモニア | 水上置換 |
| オ | アンモニア | 上方置換 |
| カ | アンモニア | 下方置換 |
| キ | 二酸化炭素 | 水上置換 |
| ク | 二酸化炭素 | 上方置換 |
| ケ | 二酸化炭素 | 下方置換 |
| Y[$\times10^{-3}$ mol] | X[$\times10^{-3}$ mol] | |
|---|---|---|
| ア | 0 | 0.201 |
| イ | 0 | 0.402 |
| ウ | 0 | 0.804 |
| エ | 0 | 1.21 |
| オ | 0.201 | 0.201 |
| カ | 0.201 | 0.402 |
| キ | 0.201 | 0.804 |
| ク | 0.201 | 1.21 |
| ケ | 0.402 | 0.201 |
| コ | 0.402 | 0.402 |
| サ | 0.402 | 0.804 |
| シ | 0.402 | 1.21 |
| ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ | ク | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a[mol/L] | 0.25 | 0.25 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 1.0 | 1.0 | 0.40 |
| b[mL] | 100 | 300 | 50.0 | 100 | 200 | 100 | 200 | 100 |
| ① [Pa] | ② [g] | |
|---|---|---|
| ア | $2.00\times10^{4}$ | 0.40 |
| イ | $2.00\times10^{4}$ | 0.68 |
| ウ | $2.00\times10^{4}$ | 1.08 |
| エ | $2.18\times10^{4}$ | 0.40 |
| オ | $2.18\times10^{4}$ | 0.68 |
| カ | $2.18\times10^{4}$ | 1.08 |
| キ | $2.40\times10^{4}$ | 0.40 |
| ク | $2.40\times10^{4}$ | 0.68 |
| ケ | $2.40\times10^{4}$ | 1.08 |
| ① | ② | |
|---|---|---|
| ア | 胆ばん | a |
| イ | 胆ばん | b |
| ウ | 胆ばん | c |
| エ | 緑ばん | a |
| オ | 緑ばん | b |
| カ | 緑ばん | c |
| キ | 石こう | a |
| ク | 石こう | b |
| ケ | 石こう | c |
問題I 小問集合 の答えと解説
次の文を読み,以下の問いに答えよ。問16〜問20は,選択肢の記号(ア〜)を選んで答える。
高分子化合物のうち,合成高分子は,モノマーのつながり方によって分類される。エチレンのように二重結合をもつモノマーが,二重結合を開きながら次々とつながる反応を 1 重合といい,できるポリエチレンは,加熱すると軟らかくなる 2 樹脂である。
これに対して,ジカルボン酸とジオールのように,2つの官能基をもつモノマーが,水などの小さな分子をとれながらつながる反応を 3 重合という。(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)は,テレフタル酸とエチレングリコールの 3 重合でつくられる。PETは分子鎖が 4 構造で,主鎖に 5 結合をもち,繊維や飲料容器に用いられる。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ア | 縮合 | 熱硬化性 | 付加 | 網目状 | アミド |
| イ | 縮合 | 熱硬化性 | 付加 | 鎖状 | エステル |
| ウ | 付加 | 熱可塑性 | 縮合 | 鎖状 | エステル |
| エ | 付加 | 熱可塑性 | 縮合 | 網目状 | アミド |
| オ | 付加 | 熱硬化性 | 縮合 | 網目状 | エステル |
| カ | 縮合 | 熱可塑性 | 付加 | 鎖状 | アミド |
| キ | 付加 | 熱可塑性 | 縮合 | 鎖状 | アミド |
| ク | 縮合 | 熱可塑性 | 付加 | 網目状 | エステル |
問題II 高分子化合物 の答えと解説
次の文を読み,以下の問いに答えよ。解答は,記述式で答えよ。
ベンゼンと,溶質Xを含む希薄ベンゼン溶液(以下,希薄溶液と略す)の冷却曲線をそれぞれ測定したところ,図のような結果が得られた。希薄溶液の凝固点降下度 $\Delta t$ は0.307 Kであった。
一般に,溶液の凝固点 $t_1$[K]は純粋な溶媒の凝固点 $t_0$[K]よりも低くなる。これは溶媒の凝固が溶質によって妨げられるためである。低濃度の溶液では,$(t_0-t_1)$ は溶液の( あ )に比例し,その比例定数は( い )とよばれる。( い )は溶質の種類によらず溶媒のみに依存し,ベンゼンの場合は $5.12\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$ である。また,それぞれの冷却曲線において点Rや点Xのように,凝固点より低い温度になっても固体が現れない状態は( う )とよばれる。
| ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ | ク | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 | 正 | 誤 | 誤 | 誤 | 誤 |
| ② | 正 | 正 | 誤 | 誤 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 正 | 誤 | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
問題III 凝固点降下と冷却曲線 の答えと解説
次の文を読み,以下の問いに答えよ。解答は,記述式で答えよ。
化合物Aは分子式 $\mathrm{C_{19}H_{20}O_{4}}$ の芳香族化合物である。次のような実験を行った。
1 molの化合物Aを完全に加水分解すると,化合物B,C,Dがそれぞれ1 molずつ得られた。化合物B,C,Dはそれぞれ単体のナトリウムと反応し,水素を発生した。
化合物Bに塩化鉄(III)水溶液を加えると,紫色に呈色した。化合物Bに十分な量の臭素水を反応させると,分子式 $\mathrm{C_{6}H_{3}Br_{3}O}$ である化合物Eが得られた。
化合物Cは o-キシレンを酸化することによっても得られる。化合物Cを加熱すると,分子内で脱水して,酸無水物Gが得られた。
化合物Dには,構造異性体が複数存在する。化合物Dには鏡像異性体(光学異性体)が存在しない。化合物Dをおだやかに酸化すると,化合物Hが得られた。化合物Hはフェーリング液を還元しなかった。
問題IV 芳香族化合物の構造決定 の答えと解説
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・設定を変えて作っています(例:問題IIIは凝固点降下を、ベンゼン中で二量体をつくる安息香酸に、問題IVはフェノール・フタル酸・3-ペンタノールのエステルに、問題IIはポリエチレンテレフタラートに変えています)。計算は数値で、構造は異性体の列挙でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる設問・構造式の書き方は「要確認/解答例」の扱いです。
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
TMPSのおすすめは、問題I(小問集合15問)を24分、問題II(高分子化合物)を8分、問題III(凝固点降下と冷却曲線)を14分、問題IV(芳香族化合物の構造決定)を14分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。問題Iは計算の小問を先に取り、迷う正誤の文は消去法で先へ進みます。
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・答える記号や形式をTMPSの言葉で説明しています。
本番の計算問題は、pythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定は条件に合う異性体を全部列挙して、独立に確かめています。ただし、用語や性質の真偽(正誤の文・高分子の分類・グラフの読み取りなど)はスクリプトでは確かめられないので、ページ内に「要確認」と明記しています。
2024年度と同じ4つの大問・同じ問題数(問1〜20のマーク式と、記述式の問題III・IV)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。
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