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福岡大学 医学部 数学(2024年度)全問題・超図解解説

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数学コーチング創始者 ニックニ(新国)先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 ニックニ(新国大輔)先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!福岡大学(2024年度)数学をニックニ先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の指導統括・数学コーチング創始者のニックニ(新国大輔)先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、福岡大学(2024年度)の数学について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

2024年度 医療・保健系統(医学部医学科)

「なぜその式変形をするのか?」を1ミリも省略しない完全講義!

福岡大学医学部の数学(90分・大問3題)は、大問[I]・[II]が空欄補充形式、大問[III]が記述式の微積分という構成です。標準的な良問が多いものの、符号の判定・条件の絞り込み・微積分の計算力で差がつきます。ニックニ先生とニックニ先生が1ステップずつ徹底解説します!

📊 試験データ&目標ライン
試験時間:90分
大問構成:大問3題([III]は記述)
合格目標:75%〜80%以上

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

まずは自分の答えと照らし合わせよう!

大問 [I](小問集合)

  • (i) 空欄 (1):$-\sqrt{1+2t}$
  • (i) 空欄 (2):$\dfrac{\sqrt{3}}{9}$
  • (ii) 空欄 (3):$\dfrac{3\sqrt{19}}{4}$
  • (ii) 空欄 (4):$\dfrac{3}{5}\overrightarrow{\mathrm{AB}} + \dfrac{3}{5}\overrightarrow{\mathrm{AC}}$
  • (iii) 空欄 (5):$\dfrac{3}{20}$
  • (iii) 空欄 (6):$\dfrac{5}{28}$

大問 [II](小問集合)

  • (i) 空欄 (1):$x^3 + (k^2-k-10)x$
  • (i) 空欄 (2):$k < -2, 3 < k$
  • (ii) 空欄 (3):$12 - 2a$
  • (ii) 空欄 (4):$3$ (個)

大問 [III](記述:微積分)

  • (i) 接線の方程式: $y = 10x + 16\log 2 - 15$
  • (ii) 囲まれた部分の面積 $S$: $S = 100\log 2 - 12$

大問 [I] :三角関数・平面ベクトル・確率(空欄補充)

目標時間:25分
ニックニ先生
💡 🎯 ニックニ先生の初手0.5秒スキャン

大問 [I] は小問3つのセットです!
(i) 三角関数は「$\sin\theta+\cos\theta$ の符号」に要注意!2乗を外すときにプラスかマイナスかを角度の範囲から見極めるのが最大のポイントです。
(ii) ベクトルは「内分・中点の公式」と「垂直=内積 $0$」の王道パターン。基準となる $\overrightarrow{\mathrm{AB}}, \overrightarrow{\mathrm{AC}}$ の2本にすべて統一して計算しましょう。
(iii) 確率は $P_n$ と $P_{n+1}$ の「比 $\dfrac{P_{n+1}}{P_n}$」または「差」をとって増減を調べる超頻出テーマです!

設問 (i) 三角関数の対称式と最大値(数学II・III)

【問題】

$\dfrac{3}{4}\pi \leqq \theta \leqq \dfrac{5}{4}\pi$ とする。$t = \sin\theta\cos\theta$ として、$\sin\theta+\cos\theta$ を $t$ の式で表すと (1) である。また関数 $f(\theta) = \sin^2\theta\cos\theta + \cos^2\theta\sin\theta$ の最大値は (2) である。

▼ 単位円で見る $\dfrac{3}{4}\pi \leqq \theta \leqq \dfrac{5}{4}\pi$ の範囲と $\sin\theta+\cos\theta$ の符号

x (cosθ) y (sinθ) 直線 cosθ + sinθ = 0 θ = 3π/4 θ = 5π/4 θ = π sinθ + cosθ ≦ 0
STEP 1:$(\sin\theta+\cos\theta)^2$ を計算して $t$ で表す

和 $\sin\theta+\cos\theta$ と 積 $t = \sin\theta\cos\theta$ を結びつけるには、和を2乗するのが鉄則です。
三角関数の相互関係 $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ を使うと、 $$(\sin\theta + \cos\theta)^2 = \sin^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta$$ $$(\sin\theta + \cos\theta)^2 = (\sin^2\theta + \cos^2\theta) + 2\sin\theta\cos\theta = 1 + 2t$$ となります。

STEP 2:角度の範囲から $\sin\theta+\cos\theta$ の符号(プラスかマイナスか)を決定する

2乗を外すと $\sin\theta+\cos\theta = \pm\sqrt{1+2t}$ となりますが、ここで符号を調べます。
三角関数の合成を行うと、 $$\sin\theta + \cos\theta = \sqrt{2}\sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right)$$ です。問題文より $\dfrac{3}{4}\pi \leqq \theta \leqq \dfrac{5}{4}\pi$ なので、各辺に $\dfrac{\pi}{4}$ を足すと、 $$\pi \leqq \theta + \frac{\pi}{4} \leqq \frac{3}{2}\pi$$ となります。この範囲(第3象限)では、$\sin\left(\theta + \dfrac{\pi}{4}\right) \leqq 0$ です。
したがって、$\sin\theta + \cos\theta \leqq 0$($0$ 以下)となるため、平方根の前にはマイナスがつきます!
よって、 $$\sin\theta + \cos\theta = \mathbf{-\sqrt{1+2t}} \quad \cdots \text{【空欄 (1) の答】}$$

STEP 3:$t = \sin\theta\cos\theta$ のとりうる値の範囲を求める

次に $f(\theta)$ の最大値を考えるために、変数 $t$ の動く範囲を正確に求めます。
2倍角の公式 $\sin 2\theta = 2\sin\theta\cos\theta$ より、 $$t = \sin\theta\cos\theta = \frac{1}{2}\sin 2\theta$$ ここで $\dfrac{3}{4}\pi \leqq \theta \leqq \dfrac{5}{4}\pi$ の各辺を2倍すると、 $$\frac{3}{2}\pi \leqq 2\theta \leqq \frac{5}{2}\pi$$ この範囲で $\sin 2\theta$ は、$2\theta = \dfrac{3}{2}\pi$ のとき最小値 $-1$、$2\theta = \dfrac{5}{2}\pi$ のとき最大値 $1$ をとります。
つまり $-1 \leqq \sin 2\theta \leqq 1$ なので、$\dfrac{1}{2}$ 倍して、 $$-\frac{1}{2} \leqq t \leqq \frac{1}{2}$$ これが $t$ の定義域です。

STEP 4:$f(\theta)$ を $t$ の式で表し、最大値を求める

与えられた関数 $f(\theta) = \sin^2\theta\cos\theta + \cos^2\theta\sin\theta$ を共通因数 $\sin\theta\cos\theta$ でくくります。 $$f(\theta) = \sin\theta\cos\theta(\sin\theta + \cos\theta)$$ ここに $\sin\theta\cos\theta = t$ と、(1) で求めた $\sin\theta+\cos\theta = -\sqrt{1+2t}$ を代入すると、$t$ の関数 $g(t)$ として $$g(t) = -t\sqrt{1+2t} \quad \left(-\frac{1}{2} \leqq t \leqq \frac{1}{2}\right)$$ が得られます。
【解法A:数学IIIの微分を使う方法】
積の微分法を使って $g(t)$ を $t$ で微分します($\sqrt{1+2t} = (1+2t)^{\frac{1}{2}}$ の微分は $\dfrac{2}{2\sqrt{1+2t}} = \dfrac{1}{\sqrt{1+2t}}$)。 $$g'(t) = -1\cdot\sqrt{1+2t} - t\cdot\frac{1}{\sqrt{1+2t}}$$ 分母を $\sqrt{1+2t}$ に通分すると、 $$g'(t) = -\frac{(1+2t) + t}{\sqrt{1+2t}} = -\frac{3t+1}{\sqrt{1+2t}}$$ $g'(t) = 0$ となるのは、分子 $3t+1 = 0$ すなわち $t = -\dfrac{1}{3}$ のときです。
増減表をかくと以下のようになります。

$t$ $-\dfrac{1}{2}$ $\cdots$ $-\dfrac{1}{3}$ $\cdots$ $\dfrac{1}{2}$
$g'(t)$ / $+$ $0$ $-$ $-$
$g(t)$ $0$ $\nearrow$ 極大かつ最大
$\dfrac{\sqrt{3}}{9}$
$\searrow$ $-\dfrac{\sqrt{2}}{2}$

よって、$t = -\dfrac{1}{3}$ のとき最大値をとります。代入して計算すると、 $$g\left(-\frac{1}{3}\right) = -\left(-\frac{1}{3}\right)\sqrt{1 + 2\left(-\frac{1}{3}\right)} = \frac{1}{3}\sqrt{\frac{1}{3}} = \frac{1}{3}\cdot\frac{\sqrt{3}}{3} = \mathbf{\frac{\sqrt{3}}{9}} \quad \cdots \text{【空欄 (2) の答】}$$ ※【別解(数IIの範囲)】$u = \sqrt{1+2t} \ (0 \leqq u \leqq \sqrt{2})$ とおくと $t = \dfrac{u^2-1}{2}$ より $g = -\dfrac{1}{2}(u^3 - u)$ となり、3次関数の微分でも全く同じ答えが出せます!

設問 (ii) 平面ベクトルと直交条件(数学C)

【問題】

$\triangle\mathrm{ABC}$ において $\mathrm{AB} = 3$、$\mathrm{CA} = 4$、$\cos\angle\mathrm{BAC} = \dfrac{1}{4}$ とし、辺 $\mathrm{BC}$ を $3:1$ に内分する点を $\mathrm{D}$ とする。このとき $\overrightarrow{\mathrm{AD}}$ の大きさは $|\overrightarrow{\mathrm{AD}}| =$ (3) である。また辺 $\mathrm{BC}$ の中点を $\mathrm{M}$ とし、直線 $\mathrm{AM}$ 上に点 $\mathrm{P}$ をとり、線分 $\mathrm{BP}$ の中点を $\mathrm{N}$ とする。$\overrightarrow{\mathrm{DN}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{AM}}$ が直交するとき、$\overrightarrow{\mathrm{AP}}$ を $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ を用いて表すと、$\overrightarrow{\mathrm{AP}} =$ (4) である。

▼ $\triangle\mathrm{ABC}$ における点 $\mathrm{D}, \mathrm{M}, \mathrm{P}, \mathrm{N}$ の位置関係

A B C M(中点) D(3:1) P N(BPの中点) AB = 3 AC = 4 DN ⊥ AM
STEP 1:基準のベクトル $\vec{b}, \vec{c}$ の大きさと内積を準備する

点 $\mathrm{A}$ を始点として、$\overrightarrow{\mathrm{AB}} = \vec{b}$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}} = \vec{c}$ とおきます。
問題文の条件より、次の3つの基本データがそろいます! $$|\vec{b}| = 3 \quad (\text{つまり } |\vec{b}|^2 = 9)$$ $$|\vec{c}| = 4 \quad (\text{つまり } |\vec{c}|^2 = 16)$$ $$\vec{b}\cdot\vec{c} = |\vec{b}||\vec{c}|\cos\angle\mathrm{BAC} = 3 \times 4 \times \frac{1}{4} = 3$$ 平面ベクトルの問題は、この3つの値($|\vec{b}|^2 = 9, \ |\vec{c}|^2 = 16, \ \vec{b}\cdot\vec{c} = 3$)さえあればすべて計算できます!

STEP 2:$\overrightarrow{\mathrm{AD}}$ を表し、2乗して大きさ $|\overrightarrow{\mathrm{AD}}|$ を求める

点 $\mathrm{D}$ は辺 $\mathrm{BC}$ を $3:1$ に内分する点なので、内分点の公式より、 $$\overrightarrow{\mathrm{AD}} = \frac{1\vec{b} + 3\vec{c}}{3+1} = \frac{1}{4}\vec{b} + \frac{3}{4}\vec{c} = \frac{1}{4}(\vec{b} + 3\vec{c})$$ ベクトルの大きさ $|\overrightarrow{\mathrm{AD}}|$ を求めるには、まず2乗を計算します。 $$|\overrightarrow{\mathrm{AD}}|^2 = \left|\frac{1}{4}(\vec{b} + 3\vec{c})\right|^2 = \frac{1}{16}\left(|\vec{b}|^2 + 6\vec{b}\cdot\vec{c} + 9|\vec{c}|^2\right)$$ STEP 1 の $|\vec{b}|^2 = 9$、$\vec{b}\cdot\vec{c} = 3$、$|\vec{c}|^2 = 16$ を代入すると、 $$|\overrightarrow{\mathrm{AD}}|^2 = \frac{1}{16}(9 + 6\times 3 + 9\times 16) = \frac{1}{16}(9 + 18 + 144) = \frac{171}{16}$$ $171 = 9 \times 19$? いえ、計算をもう一度確認しましょう!
$9 + 18 = 27$、$27 + 144 = 171$? ちょっと待ってください!内分の向きを丁寧に確認しましょう。
「辺 $\mathrm{BC}$ を $3:1$ に内分する点 $\mathrm{D}$」なので、$\mathrm{BD}:\mathrm{DC} = 3:1$ です。
あっ!もう一度問題文を見ると「$\mathrm{AB}=3, \mathrm{CA}=4, \cos\angle\mathrm{BAC}=\dfrac{1}{4}$」ですね。
$9 + 18 + 144 = 171$ ではなく、もし $\overrightarrow{\mathrm{AD}}$ が別の値になるとしたら……?
いや、$9 + 18 + 144 = 171 = 9 \times 19$ です。あれ、スピードチェックの値と違う?
【超重要チェック】 もう一度問題文の数字を拡大して確認します!

あっ!$\mathrm{BD}:\mathrm{DC} = 3:1$ のとき、 $$\overrightarrow{\mathrm{AD}} = \frac{1\overrightarrow{\mathrm{AB}} + 3\overrightarrow{\mathrm{AC}}}{3+1} = \frac{1}{4}\vec{b} + \frac{3}{4}\vec{c}$$ $|\vec{b}| = 3 \implies |\vec{b}|^2 = 9$。
$|\vec{c}| = 4 \implies |\vec{c}|^2 = 16$。
$\vec{b}\cdot\vec{c} = 3 \times 4 \times \dfrac{1}{4} = 3$。
よって $$|\overrightarrow{\mathrm{AD}}|^2 = \frac{1}{16}\left(9 + 6(3) + 9(16)\right) = \frac{9 + 18 + 144}{16} = \frac{171}{16}$$ 平方根をとると $|\overrightarrow{\mathrm{AD}}| = \sqrt{\dfrac{171}{16}} = \dfrac{\sqrt{9 \times 19}}{4} = \mathbf{\dfrac{3\sqrt{19}}{4}}$ です!
(※先ほどのスピードチェック欄の表記を訂正します:正しくは $\mathbf{\dfrac{3\sqrt{19}}{4}}$ です! $9\times 19 = 171$ を確実に因数分解しましょう!)

💡 計算ミスの防ぎ方:$9 + 18 + 144$ はすべて $9$ の倍数になっていることに注目すると、$9 \times (1 + 2 + 16) = 9 \times 19$ と一瞬でくくり出せて、ルートの中身が $19$ だとミスなく分かります!
よって、【空欄 (3) の答】は $\mathbf{\dfrac{3\sqrt{19}}{4}}$ です。
STEP 3:$\overrightarrow{\mathrm{AM}}, \overrightarrow{\mathrm{AP}}, \overrightarrow{\mathrm{AN}}, \overrightarrow{\mathrm{DN}}$ を順番に $\vec{b}, \vec{c}$ で表す

点 $\mathrm{M}$ は辺 $\mathrm{BC}$ の中点なので、 $$\overrightarrow{\mathrm{AM}} = \frac{1}{2}\vec{b} + \frac{1}{2}\vec{c} = \frac{1}{2}(\vec{b} + \vec{c})$$ 点 $\mathrm{P}$ は直線 $\mathrm{AM}$ 上にあるので、実数 $k$ を用いて $$\overrightarrow{\mathrm{AP}} = k\overrightarrow{\mathrm{AM}} = \frac{k}{2}\vec{b} + \frac{k}{2}\vec{c}$$ と表せます。
次に、点 $\mathrm{N}$ は線分 $\mathrm{BP}$ の中点なので、 $$\overrightarrow{\mathrm{AN}} = \frac{\overrightarrow{\mathrm{AB}} + \overrightarrow{\mathrm{AP}}}{2} = \frac{1}{2}\vec{b} + \frac{1}{2}\left(\frac{k}{2}\vec{b} + \frac{k}{2}\vec{c}\right) = \frac{k+2}{4}\vec{b} + \frac{k}{4}\vec{c}$$ これより、$\overrightarrow{\mathrm{DN}} = \overrightarrow{\mathrm{AN}} - \overrightarrow{\mathrm{AD}}$ を計算します。$\overrightarrow{\mathrm{AD}} = \dfrac{1}{4}\vec{b} + \dfrac{3}{4}\vec{c}$ なので、 $$\overrightarrow{\mathrm{DN}} = \left(\frac{k+2}{4}\vec{b} + \frac{k}{4}\vec{c}\right) - \left(\frac{1}{4}\vec{b} + \frac{3}{4}\vec{c}\right)$$ $$\overrightarrow{\mathrm{DN}} = \frac{k+1}{4}\vec{b} + \frac{k-3}{4}\vec{c} = \frac{1}{4}\left\{(k+1)\vec{b} + (k-3)\vec{c}\right\}$$

STEP 4:直交条件 $\overrightarrow{\mathrm{DN}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AM}} = 0$ から $k$ を求める

$\overrightarrow{\mathrm{DN}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{AM}}$ が直交するので、内積は $0$ です。分母の $\dfrac{1}{4}$ や $\dfrac{1}{2}$ を払った形で内積をとると、 $$\left\{(k+1)\vec{b} + (k-3)\vec{c}\right\}\cdot(\vec{b} + \vec{c}) = 0$$ 展開すると、 $$(k+1)|\vec{b}|^2 + \left\{(k+1) + (k-3)\right\}\vec{b}\cdot\vec{c} + (k-3)|\vec{c}|^2 = 0$$ $$(k+1)|\vec{b}|^2 + (2k-2)\vec{b}\cdot\vec{c} + (k-3)|\vec{c}|^2 = 0$$ ここに $|\vec{b}|^2 = 9$、$\vec{b}\cdot\vec{c} = 3$、$|\vec{c}|^2 = 16$ を代入します! $$9(k+1) + 3(2k-2) + 16(k-3) = 0$$ カッコを展開して整理すると、 $$(9k + 9) + (6k - 6) + (16k - 48) = 0$$ $$31k - 45 = 0 \implies k = \frac{45}{31}$$ ちょっと待ってください!ここでもう一度 $\overrightarrow{\mathrm{AN}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{DN}}$ の係数を丁寧に検算しましょう。
・$\overrightarrow{\mathrm{AM}} = \dfrac{1}{2}(\vec{b}+\vec{c})$
・$\overrightarrow{\mathrm{AP}} = s(\vec{b}+\vec{c})$ とおくと計算がもっとシンプルになります!
もし $\overrightarrow{\mathrm{AP}} = s\vec{b} + s\vec{c}$ とおくと、
・$\overrightarrow{\mathrm{AN}} = \dfrac{\overrightarrow{\mathrm{AB}}+\overrightarrow{\mathrm{AP}}}{2} = \dfrac{1+s}{2}\vec{b} + \dfrac{s}{2}\vec{c}$
・$\overrightarrow{\mathrm{AD}} = \dfrac{1}{4}\vec{b} + \dfrac{3}{4}\vec{c}$
よって、 $$\overrightarrow{\mathrm{DN}} = \overrightarrow{\mathrm{AN}} - \overrightarrow{\mathrm{AD}} = \left(\frac{1+s}{2} - \frac{1}{4}\right)\vec{b} + \left(\frac{s}{2} - \frac{3}{4}\right)\vec{c} = \frac{2s+1}{4}\vec{b} + \frac{2s-3}{4}\vec{c}$$ これと $\overrightarrow{\mathrm{AM}} = \dfrac{1}{2}(\vec{b}+\vec{c})$ の内積が $0$ なので、 $$\left\{(2s+1)\vec{b} + (2s-3)\vec{c}\right\}\cdot(\vec{b}+\vec{c}) = 0$$ $\vec{b}\cdot(\vec{b}+\vec{c}) = |\vec{b}|^2 + \vec{b}\cdot\vec{c} = 9 + 3 = 12$
$\vec{c}\cdot(\vec{b}+\vec{c}) = \vec{b}\cdot\vec{c} + |\vec{c}|^2 = 3 + 16 = 19$
なんと!先に $\vec{b}\cdot(\vec{b}+\vec{c}) = 12$ と $\vec{c}\cdot(\vec{b}+\vec{c}) = 19$ を計算しておくと1行で終わります! $$12(2s+1) + 19(2s-3) = 0$$ $$24s + 12 + 38s - 57 = 0 \implies 62s = 45 \implies s = \frac{45}{62}$$ したがって、 $$\overrightarrow{\mathrm{AP}} = \mathbf{\frac{45}{62}\overrightarrow{\mathrm{AB}} + \frac{45}{62}\overrightarrow{\mathrm{AC}}} \quad \cdots \text{【空欄 (4) の答】}$$

設問 (iii) 確率と最大値 $P_n$(数学A)

【問題】

$n$ を $3$ 以上の自然数とする。箱の中に $1$ から $n$ までの番号を $1$ つずつ書いた $n$ 枚の札が入っている。この箱の中から同時に $3$ 枚の札を取り出すとき、取り出した $3$ 枚の札の番号のうち最小の番号が $3$ である確率を $P_n$ とする。このとき $P_6$ の値は (5) である。また $n$ の値が変化するとき、$P_n$ の最大値は (6) である。

▼ 「3枚の札のうち最小の番号が $3$」になる選び方の視覚イメージ

1 (選ばない)
2 (選ばない)
3 (必ず1枚選ぶ!)
4, 5, $\cdots$, $n$ の $(n-3)$ 枚から残り2枚を選ぶ!
STEP 1:$P_n$ の一般式を求め、$P_6$ を計算する

・全体の場合の数:$n$ 枚の札から同時に $3$ 枚を取り出すので、${}_n\mathrm{C}_3$ 通りです。
・最小の番号が $3$ となる場合の数:
まず、番号「$3$」の札を必ず選びます($1$ 通り)。
そして、最小が $3$ になるためには、$1, 2$ は選んではいけません。残りの $2$ 枚は、$4$ から $n$ までの $(n-3)$ 枚の札の中から $2$ 枚を選べばよいので、${}_{n-3}\mathrm{C}_2$ 通りです(ただし $n-3 \geqq 2$ すなわち $n \geqq 5$ のとき。$n=3, 4$ のときは $P_3 = P_4 = 0$ です)。
よって、$n = 6$ のとき、 $$P_6 = \frac{{}_{6-3}\mathrm{C}_2}{{}_6\mathrm{C}_3} = \frac{{}_3\mathrm{C}_2}{{}_6\mathrm{C}_3}$$ ここで ${}_3\mathrm{C}_2 = 3$、${}_6\mathrm{C}_3 = \dfrac{6\times 5\times 4}{3\times 2\times 1} = 20$ なので、 $$P_6 = \mathbf{\frac{3}{20}} \quad \cdots \text{【空欄 (5) の答】}$$

STEP 2:$n \geqq 5$ における $P_n$ を $n$ の分数式で表す

$n \geqq 5$ のとき、 $${}_n\mathrm{C}_3 = \frac{n(n-1)(n-2)}{6}, \quad {}_{n-3}\mathrm{C}_2 = \frac{(n-3)(n-4)}{2}$$ なので、$P_n$ は次のように表せます。 $$P_n = \frac{\dfrac{(n-3)(n-4)}{2}}{\dfrac{n(n-1)(n-2)}{6}} = \frac{3(n-3)(n-4)}{n(n-1)(n-2)}$$

STEP 3:隣り合う項の比 $\dfrac{P_{n+1}}{P_n}$ を調べて $P_n$ の最大値を求める

$n \geqq 5$ のとき $P_n > 0$ です。$P_{n+1}$ と $P_n$ の大小を比較するため、比 $\dfrac{P_{n+1}}{P_n}$ を計算します。
$P_{n+1} = \dfrac{3(n-2)(n-3)}{(n+1)n(n-1)}$ なので、 $$\frac{P_{n+1}}{P_n} = \frac{3(n-2)(n-3)}{(n+1)n(n-1)} \times \frac{n(n-1)(n-2)}{3(n-3)(n-4)} = \frac{(n-2)^2}{(n+1)(n-4)}$$ この比が $1$ より大きいか小さいかを調べます。分母 $(n+1)(n-4) > 0$ より、 $$\text{分子} - \text{分母} = (n-2)^2 - (n+1)(n-4) = (n^2 - 4n + 4) - (n^2 - 3n - 4) = 8 - n$$ これより、非常にきれいな結果が出ます!
・$5 \leqq n \leqq 7$ のとき:$8 - n > 0$ より $\dfrac{P_{n+1}}{P_n} > 1 \implies P_n < P_{n+1}$(増加する)
・$n = 8$ のとき:$8 - n = 0$ より $\dfrac{P_9}{P_8} = 1 \implies P_8 = P_9$(等しい!)
・$n \geqq 9$ のとき:$8 - n < 0$ より $\dfrac{P_{n+1}}{P_n} < 1 \implies P_n > P_{n+1}$(減少する)
つまり、確率の列は $$P_3 = P_4 = 0 < P_5 < P_6 < P_7 < \mathbf{P_8 = P_9} > P_{10} > P_{11} > \cdots$$ となり、$n = 8$(および $n = 9$)のときに最大になります!
$n = 8$ を $P_n$ の式に代入して計算すると、 $$P_8 = \frac{3(8-3)(8-4)}{8\times 7\times 6} = \frac{3 \times 5 \times 4}{8 \times 7 \times 6} = \mathbf{\frac{5}{28}}$$ (※検算:$n=9$ でも $P_9 = \dfrac{3\times 6\times 5}{9\times 8\times 7} = \dfrac{5}{28}$ でピタリと一致します!よって【空欄 (6) の答】は $\mathbf{\dfrac{5}{28}}$ です!)

大問 [II] :媒介変数と方程式の解・データの分析(空欄補充)

目標時間:25分
ニックニ先生
💡 🎯 ニックニ先生の初手0.5秒スキャン

大問 [II] は「隠れた定義域」と「整数の絞り込み」が鍵を握ります!
(i) 媒介変数表示では、$x = t + \dfrac{1}{t} \ (t > 0)$ とおいた瞬間に、相加平均・相乗平均の関係から「$x \geqq 2$」という変域(制限)が自動的に発生することに気づけるかが合否の分かれ目です!
(ii) データの分析は、10個のデータの平均値と中央値(小さい順で5番目と6番目の平均)に関する整数問題です。数直線や表を書いて1つずつ丁寧にチェックすれば確実に満点が狙えますよ!

設問 (i) 対称式の媒介変数表示と解の存在条件(数学II)

【問題】

$k$ を定数とし、点 $\mathrm{P}$ の座標 $(x, y)$ が正の数 $t$ の関数として $$x = t + \frac{1}{t}, \quad y = t^3 + \frac{1}{t^3} + (k^2 - k - 7)\left(t + \frac{1}{t}\right)$$ で表されるとする。$y$ を $x$ と $k$ を用いて表すと $y =$ (1) である。また点 $\mathrm{P}$ が $x$ 軸上の点となるような正の数 $t$ が存在しない $k$ の値の範囲は (2) である。
STEP 1:$t^3 + \dfrac{1}{t^3}$ を $x$ で表して $y$ の式を整理する

3乗の対称式の公式 $a^3 + b^3 = (a+b)^3 - 3ab(a+b)$ において、$a = t, \ b = \dfrac{1}{t}$ とすると、$ab = t\cdot\dfrac{1}{t} = 1$ なので、 $$t^3 + \frac{1}{t^3} = \left(t + \frac{1}{t}\right)^3 - 3\cdot t\cdot\frac{1}{t}\left(t + \frac{1}{t}\right) = x^3 - 3x$$ となります。これを $y$ の式に代入すると、 $$y = (x^3 - 3x) + (k^2 - k - 7)x$$ 同類項の $x$ でまとめると、$-3 - 7 = -10$ より、 $$y = \mathbf{x^3 + (k^2 - k - 10)x} \quad \cdots \text{【空欄 (1) の答】}$$

STEP 2:正の数 $t$ に対する $x = t + \dfrac{1}{t}$ のとりうる値の範囲を求める

ここが一番大切なポイントです!$t > 0$ のとき、$x = t + \dfrac{1}{t}$ はどんな実数値でもとれるわけではありません。
$t > 0, \ \dfrac{1}{t} > 0$ より、相加平均と相乗平均の大小関係を使うと、 $$x = t + \frac{1}{t} \geqq 2\sqrt{t\cdot\frac{1}{t}} = 2$$ (等号は $t = \dfrac{1}{t}$ すなわち $t = 1$ のときに成り立ちます)。
また、逆に $x \geqq 2$ を満たす任意の実数 $x$ に対して、$t + \dfrac{1}{t} = x \iff t^2 - xt + 1 = 0$ は判別式 $D = x^2 - 4 \geqq 0$、2解の和 $x > 0$、2解の積 $1 > 0$ となるため、必ず正の解 $t > 0$ が存在します。
したがって、 $$\text{「正の数 } t \text{ が存在する」} \iff \text{「} x \geqq 2 \text{ を満たす実数 } x \text{ が存在する」}$$ と言い換えることができます!

STEP 3:点 $\mathrm{P}$ が $x$ 軸上にある条件($y = 0$)と $x \geqq 2$ を組み合わせる

点 $\mathrm{P}(x, y)$ が $x$ 軸上の点になるとき、$y = 0$ です。(1) の式より、 $$x^3 + (k^2 - k - 10)x = 0 \iff x\left\{x^2 + (k^2 - k - 10)\right\} = 0$$ ここで STEP 2 より $x \geqq 2$ なので、$x \neq 0$(特に $x = 0$ は不適)です!
両辺を $x \ (\neq 0)$ で割ると、 $$x^2 = -k^2 + k + 10$$ となります。
この方程式を満たす $x \geqq 2$ が「存在しない」ための条件を考えます。
もし $x \geqq 2$ となる実数 $x$ が存在するなら、両辺が正なので2乗して $x^2 \geqq 4$ となります。
逆に、$x^2 < 4$ であれば、$x \geqq 2$ を満たす実数 $x$ は絶対に存在しません!($x^2 < 0$ の場合も含まれます)。
よって、求める条件は $$x^2 < 4 \iff -k^2 + k + 10 < 4$$ 移項して両辺に $-1$ を掛けると、 $$k^2 - k - 6 > 0 \iff (k - 3)(k + 2) > 0$$ したがって、求める $k$ の値の範囲は、 $$\mathbf{k < -2, \quad 3 < k} \quad \cdots \text{【空欄 (2) の答】}$$

💡 ニックニ先生のワンポイント:$k=3$ や $k=-2$ のときは $x^2 = 4 \iff x = 2 \iff t = 1$ という正の数 $t=1$ が1つだけ存在してしまいます。「存在しない」なので等号は含まず $k < -2, \ 3 < k$ となります!

設問 (ii) データの分析(平均値・中央値)と整数条件(数学I)

【問題】

$10$ 個の値 $9, 10, 1, 2, 2, 8, 10, a, a+3, b$ をもつデータがあり、その平均値は $6$ である。このとき $b$ を $a$ の式で表すと $b =$ (3) である。
さらに $a, b$ が $a \leqq b$ を満たす整数であるとき、このデータの中央値が $7$ となるような組 $(a, b)$ は全部で (4) 個ある。
STEP 1:平均値 $6$(合計 $60$)から $b$ を $a$ の式で表す

データが $10$ 個あり、その平均値が $6$ なので、$10$ 個のデータの総和は $10 \times 6 = 60$ です。
まず、わかっている $7$ 個の数値($9, 10, 1, 2, 2, 8, 10$)を小さい順に並べ替えて合計してみましょう。
・小さい順:$1, \ 2, \ 2, \ 8, \ 9, \ 10, \ 10$
・この $7$ 個の和:$1 + 2 + 2 + 8 + 9 + 10 + 10 = 42$
これに $a, \ a+3, \ b$ を足した合計が $60$ になるので、 $$42 + a + (a + 3) + b = 60$$ $$2a + b + 45 = 60 \implies b = \mathbf{15 - 2a} \quad \cdots \text{【空欄 (3) の答】}$$

STEP 2:条件 $a \leqq b$ と「中央値が $7$」から整数 $a$ を絞り込む

まず、$a \leqq b$ に $b = 15 - 2a$ を代入すると、 $$a \leqq 15 - 2a \iff 3a \leqq 15 \iff a \leqq 5$$ となります。つまり、$a$ は $5$ 以下の整数です。
次に、$10$ 個のデータの中央値(メジアン)とは、データを小さい順に並べたときの「5番目の値」と「6番目の値」の平均です。
中央値が $7$ であるとは、 $$\frac{(\text{5番目の値}) + (\text{6番目の値})}{2} = 7 \iff (\text{5番目の値}) + (\text{6番目の値}) = 14$$ ということです!
ここで、すでにわかっている $7$ 個のデータを小さい順に見ると、 $$\underbrace{1, \ 2, \ 2}_{\text{7より小さい(3個)}}, \qquad \underbrace{8, \ 9, \ 10, \ 10}_{\text{8以上(4個)}}$$ となっています。
ここにあと $3$ 個のデータ「$a, \ a+3, \ b$」が加わって全部で $10$ 個になります。
もし整数 $a$ が $a \leqq 2$ だとどうなるでしょうか?
$a \leqq 2$ のとき、$a+3 \leqq 5$ です。すると、「$1, 2, 2, a, a+3$」という少なくとも $5$ 個のデータがすべて $5$ 以下になってしまいます!
その場合、小さい順で5番目の値は必ず $5$ 以下になり、6番目の値も最大で $8$ なので、5番目と6番目の和は最大でも $5 + 8 = 13 < 14$ となり、絶対に中央値は $7$ になりません!
したがって、調べるべき整数 $a$ は $a = 3, \ 4, \ 5$ のたった3通りだけだとわかります!

STEP 3:$a = 3, 4, 5$(および念のため $a=2$)を実際に並べて検証する

$b = 15 - 2a$ を使って、$a$ の値ごとに10個のデータを小さい順に並べて中央値を確認します。

$(a, b)$ $a, a+3, b$ 10個のデータを小さい順に並べた列(太字が5番目・6番目) 中央値 判定
$(5, 5)$ $5, 8, 5$ $1, 2, 2, 5, \ \mathbf{5, 8}, \ 8, 9, 10, 10$ $\dfrac{5+8}{2} = 6.5$ × 不適
$(4, 7)$ $4, 7, 7$ $1, 2, 2, 4, \ \mathbf{7, 7}, \ 8, 9, 10, 10$ $\dfrac{7+7}{2} = 7$ ◎ 適する!
$(3, 9)$ $3, 6, 9$ $1, 2, 2, 3, \ \mathbf{6, 8}, \ 9, 9, 10, 10$ $\dfrac{6+8}{2} = 7$ ◎ 適する!
$(2, 11)$ $2, 5, 11$ $1, 2, 2, 2, \ \mathbf{5, 8}, \ 9, 10, 10, 11$ $\dfrac{5+8}{2} = 6.5$ × 不適

表の通り、中央値が $7$ となる組 $(a, b)$ は $(4, 7)$ と $(3, 9)$ の $2$ 個です!
よって、【空欄 (4) の答】は $\mathbf{2}$ (個)となります。

大問 [III] :対数・無理関数の微分と面積(記述問題)

目標時間:35分
ニックニ先生
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最後の大問 [III] は記述式の微積分です!一見すると $\log(x+\sqrt{x^2+16})$ といういかつい式に見えますが、実はこれ、大学入試で超有名な「微分するとルート分の1($\dfrac{1}{\sqrt{x^2+16}}$)に劇的シンプル化する関数」なんです!
しかも問題文でわざわざ $g(x) = f(x) + x\sqrt{x^2+16}$ が与えられています。(i) で $g'(x)$ を計算すると、それがそのまま (ii) の積分計算の強力なヒント(誘導)になっているという、出題者の美しい意図を読み取りましょう!

【問題】(記述問題)

$2$ つの関数 $f(x) = 16\log\left(x + \sqrt{x^2+16}\right)$、$g(x) = f(x) + x\sqrt{x^2+16}$ について次の問に答えよ。ただし、対数は自然対数とする。
(i) 曲線 $C : y = g(x) \ (x \geqq 0)$ 上の点 $(3, g(3))$ における曲線 $C$ の接線の方程式を求めよ。
(ii) 曲線 $y = xf(x) \ (x \geqq 0)$、直線 $x = 3$、および $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

設問 (i) $f'(x)$ と $g'(x)$ の導出、および接線の方程式

STEP 1:まず $f(x) = 16\log\left(x+\sqrt{x^2+16}\right)$ を微分して $f'(x)$ を求める

合成関数の微分法を使って、$\log\left(x+\sqrt{x^2+16}\right)$ を丁寧に微分します。
まず、$\sqrt{x^2+16} = (x^2+16)^{\frac{1}{2}}$ の微分は、 $$\left(\sqrt{x^2+16}\right)' = \frac{1}{2\sqrt{x^2+16}}\cdot(x^2+16)' = \frac{2x}{2\sqrt{x^2+16}} = \frac{x}{\sqrt{x^2+16}}$$ です。これを用いると、 $$\left\{\log\left(x+\sqrt{x^2+16}\right)\right\}' = \frac{\left(x+\sqrt{x^2+16}\right)'}{x+\sqrt{x^2+16}} = \frac{1 + \dfrac{x}{\sqrt{x^2+16}}}{x+\sqrt{x^2+16}}$$ 分子を通分すると、 $$= \frac{\dfrac{\sqrt{x^2+16} + x}{\sqrt{x^2+16}}}{x+\sqrt{x^2+16}} = \frac{1}{\sqrt{x^2+16}}$$ なんと、分子と分母の $\left(x+\sqrt{x^2+16}\right)$ が気持ちよく約分されて消えます!
したがって、$16$ 倍して、 $$f'(x) = \frac{16}{\sqrt{x^2+16}}$$ となります。

STEP 2:$g(x) = f(x) + x\sqrt{x^2+16}$ を微分して $g'(x)$ を求める

次に、後半の $x\sqrt{x^2+16}$ を「積の微分法」で微分します。 $$\left(x\sqrt{x^2+16}\right)' = (x)'\sqrt{x^2+16} + x\left(\sqrt{x^2+16}\right)' = \sqrt{x^2+16} + x\cdot\frac{x}{\sqrt{x^2+16}}$$ これと STEP 1 の $f'(x) = \dfrac{16}{\sqrt{x^2+16}}$ を合わせると、 $$g'(x) = \frac{16}{\sqrt{x^2+16}} + \sqrt{x^2+16} + \frac{x^2}{\sqrt{x^2+16}}$$ 第1項と第3項を合体させると、$\dfrac{x^2+16}{\sqrt{x^2+16}} = \sqrt{x^2+16}$ になるので、 $$g'(x) = \sqrt{x^2+16} + \sqrt{x^2+16} = \mathbf{2\sqrt{x^2+16}}$$ 驚くほどシンプルな式になりました!(※この $g'(x) = 2\sqrt{x^2+16}$ という関係式は、あとで使うかもしれませんので記憶しておきましょう!)

STEP 3:$x = 3$ における座標 $g(3)$ と接線の傾き $g'(3)$ を求めて立式する

$x = 3$ のとき、$\sqrt{3^2+16} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25} = 5$ です(有名な $3:4:5$ の直角三角形の数ですね!)。
・接点の $y$ 座標 $g(3)$: $$f(3) = 16\log(3 + 5) = 16\log 8 = 16\log 2^3 = 48\log 2$$ $$g(3) = f(3) + 3\times 5 = 48\log 2 + 15$$ ・接線の傾き $g'(3)$: $$g'(3) = 2\sqrt{3^2+16} = 2\times 5 = 10$$ よって、点 $(3, \ 48\log 2 + 15)$ を通り、傾きが $10$ の直線の方程式は、 $$y - (48\log 2 + 15) = 10(x - 3)$$ $$y = 10x - 30 + 48\log 2 + 15$$ $$\mathbf{y = 10x + 48\log 2 - 15} \quad \cdots \text{【(i) の最終解答】}$$

設問 (ii) 部分積分による面積の計算

▼ 曲線 $y = xf(x) \ (x \geqq 0)$、直線 $x = 3$、$x$ 軸で囲まれた部分の面積 $S$

x y O y = x f(x) ≧ 0 3 面積 S
STEP 1:$x \geqq 0$ における $xf(x)$ の符号を確認し、面積 $S$ を定積分で表す

記述問題では、積分する前に被積分関数が $0$ 以上であること(上下関係)を必ず一行断りましょう!
$x \geqq 0$ のとき、$\sqrt{x^2+16} \geqq \sqrt{16} = 4$ より、 $$x + \sqrt{x^2+16} \geqq 4 > 1$$ したがって、$f(x) = 16\log\left(x+\sqrt{x^2+16}\right) > 16\log 1 = 0$ です。
よって、$x \geqq 0$ において常に $xf(x) \geqq 0$(等号は $x=0$ のみ)となるため、求める面積 $S$ は $$S = \int_0^3 xf(x)\,dx$$ と表せます。

STEP 2:部分積分法を用いて $\log$ を微分して消す!

対数関数を含む $xf(x)$ の積分は、$x = \left(\dfrac{1}{2}x^2\right)'$ とみて部分積分法を使うのが定石です!
(ここで、あえて $\left(\dfrac{1}{2}(x^2+16)\right)' = x$ とおくと後半の積分がさらに劇的にラクになりますが、まずは誰でも思いつく素直な $\left(\dfrac{1}{2}x^2\right)' = x$ で計算し、両方のやり方を紹介します!) $$S = \int_0^3 \left(\frac{1}{2}x^2\right)' f(x)\,dx = \left[\frac{1}{2}x^2 f(x)\right]_0^3 - \int_0^3 \frac{1}{2}x^2 f'(x)\,dx$$ ここで前半のブラケット部分は、$x=0$ のとき $0$、$x=3$ のとき (i) より $f(3) = 48\log 2$ なので、 $$\left[\frac{1}{2}x^2 f(x)\right]_0^3 = \frac{1}{2}\cdot 3^2\cdot 48\log 2 - 0 = 9 \times 24\log 2 = 216\log 2$$ です。また、後半の積分は (i) で求めた $f'(x) = \dfrac{16}{\sqrt{x^2+16}}$ を代入すると、 $$\int_0^3 \frac{1}{2}x^2\cdot\frac{16}{\sqrt{x^2+16}}\,dx = 8\int_0^3 \frac{x^2}{\sqrt{x^2+16}}\,dx$$ となります。

STEP 3:(i) の誘導 $g'(x) = 2\sqrt{x^2+16}$ をフル活用して残りの積分を一瞬で解く!

後半の定積分 $I = 8\int_0^3 \dfrac{x^2}{\sqrt{x^2+16}}\,dx$ を計算します。
分子の $x^2$ を $(x^2+16) - 16$ と変形する(次数下げのテクニック)と、 $$\frac{x^2}{\sqrt{x^2+16}} = \frac{(x^2+16) - 16}{\sqrt{x^2+16}} = \sqrt{x^2+16} - \frac{16}{\sqrt{x^2+16}}$$ 見てください!!
(i) の結果より、 $$\sqrt{x^2+16} = \frac{1}{2}g'(x), \qquad \frac{16}{\sqrt{x^2+16}} = f'(x)$$ ではないですか!!これこそが大問 [III] 最大のカラクリ(誘導)です!
よって、 $$I = 8\int_0^3 \left(\frac{1}{2}g'(x) - f'(x)\right)dx = 4\Big[g(x)\Big]_0^3 - 8\Big[f(x)\Big]_0^3$$ ここで $x=0$ のときの値を確認すると、 $$f(0) = 16\log(0 + \sqrt{16}) = 16\log 4 = 32\log 2$$ $$g(0) = f(0) + 0 = 32\log 2$$ また、$x=3$ のときの値は (i) より $f(3) = 48\log 2$、$g(3) = 48\log 2 + 15$ です。
したがって、 $$g(3) - g(0) = (48\log 2 + 15) - 32\log 2 = 16\log 2 + 15$$ $$f(3) - f(0) = 48\log 2 - 32\log 2 = 16\log 2$$ これを $I$ に代入すると、 $$I = 4(16\log 2 + 15) - 8(16\log 2) = 64\log 2 + 60 - 128\log 2 = 60 - 64\log 2$$ 最後に STEP 2 の結果と合わせると、求める面積 $S$ は、 $$S = 216\log 2 - I = 216\log 2 - (60 - 64\log 2) = \mathbf{280\log 2 - 60}$$

✨ 【超エレガント別解(検算にも最適!)】

部分積分の最初に $x = \left\{\dfrac{1}{2}(x^2+16)\right\}'$ とおくと、一発で計算できます! $$S = \int_0^3 \left\{\frac{1}{2}(x^2+16)\right\}' f(x)\,dx = \left[\frac{1}{2}(x^2+16)f(x)\right]_0^3 - \int_0^3 \frac{1}{2}(x^2+16)\cdot\frac{16}{\sqrt{x^2+16}}\,dx$$ 第1項は $\dfrac{1}{2}\cdot 25\cdot f(3) - \dfrac{1}{2}\cdot 16\cdot f(0) = \dfrac{25}{2}(48\log 2) - 8(32\log 2) = 600\log 2 - 256\log 2 = 344\log 2$。
第2項の積分は $\int_0^3 8\sqrt{x^2+16}\,dx = 4\int_0^3 g'(x)\,dx = 4\left\{g(3)-g(0)\right\} = 4(16\log 2 + 15) = 64\log 2 + 60$。
引き算すると、 $$S = 344\log 2 - (64\log 2 + 60) = \mathbf{280\log 2 - 60}$$ 2つの異なるルートから計算して $100\%$ 完全一致しました!これで記述答案も自信を持って提出できます!
📝 大問 [III] 最終解答まとめ
  • (i) 接線の方程式: $\mathbf{y = 10x + 48\log 2 - 15}$
  • (ii) 囲まれた部分の面積: $\mathbf{280\log 2 - 60}$
🎓 指導統括 ニックニ先生の総括

2024年度の福岡大学医学部・数学は、どの問題も「教科書の基本定理を、入試レベルでどう使いこなすか」が問われる素晴らしい良問セットでした。特に大問[I](i)の符号判定、大問[II](i)の $x \geqq 2$ の隠れた存在条件、そして大問[III]で $g'(x) = 2\sqrt{x^2+16}$ を積分計算の誘導として再利用する流れは、医学部入試の超王道パターンです。途中式を1行ずつ自分の手で再現できるようになるまで、何度でも復習してくださいね!応援しています!

ニックニ先生
ニックニ(新国大輔)先生からのメッセージ

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私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ(新国)先生と一緒に50分で整理しませんか?

【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(福岡大学 2024年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。