TMPS数学作戦室 慶應医学部 数学2026
2026年度 一般選抜 全大問 途中式つき 論述の答案例 そっくり類題セット

慶應義塾大学 医学部 数学
2026年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各小問を「どういう問題か」から説明し、途中式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ4大問の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、慶應2026を丸ごと演習できます。

ニックニ先生
監修:ニックニ(新国)先生 / 更新:2026.10.16 / 読了 約30分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ100分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を100分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。問題の設定や問われている内容は、TMPSの言葉で説明しています。解答欄の記号【あ】などは、本番の解答欄との対応を示すためのものです。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2026年度の慶應数学

Yuiちゃん
Yuiちゃん(生徒役)
慶應の数学って難問だらけのイメージで怖いです…。どこから手をつければいいんですか?
Sora先生
Sora先生
見た目は仰々しいけど、前半3題は誘導に乗れば解ける良問だよ。怖いのは難しさより「計算の長さ」なんだ。
ニックニ先生
ニックニ先生
慶應は「解ける問題を、時間内に、ミスなく」の勝負。だから解説の前に、100分の使い方を決めておこう。
STRATEGY MAP

100分の立ち回りマップ

時間はTMPSの目安です。解く順番と「捨てどころ」をセットで覚えておきましょう。

🧭 おすすめの解く順番
I → II → III → IVの(3)まで → 全体の見直し → 時間が残ればIVの(4)
最後の極限に10分使うより、前半の計算ミスを1つ見つける方が得点になります。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

記号は本番の解答欄に対応しています。先に解いてから開いてください。

大問I の答え

(1)

【あ】 $\frac{\sqrt{2}}{4}$【い】 $\frac{\pi}{4}$【う】 $\frac{\pi^2-8}{16}$

(2)

【え】 $-1-2\sqrt{3}$【お】 $-2$【か】 $-1$【き】 $0$【く】 $-1+2\sqrt{3}$【け】 $3$

(3)

【こ】 $b+1$【さ】 $\frac{1}{b}-1$【し】 $b^2+\frac{1}{b^2}+4$【す】 $\sqrt{6}$
大問II の答え
【あ】 $\frac{3}{5}$【い】 $\frac{2}{5}$【う】 $\frac{5}{6}$【え】 $\left(\frac{3}{5}\right)^n$【お】 $\frac{12}{7}$【か】 $\frac{5}{6}$【き】 $\frac{3}{5}$ 【く】 $\frac{2}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}-\left(\frac{3}{5}\right)^{n-1}\right\}$ 【け】 $6\left(\frac{5}{6}\right)^n$【こ】 $7$【さ】 $\frac{5}{6}$【し】 $-12$【す】 $\frac{25}{36}$【せ】 $5$【そ】 $\frac{3}{5}$ 【た】 $\frac{2}{49}$【ち】 $2$【つ】 $-6$【て】 $\frac{5}{6}$【と】 $5$【な】 $\frac{3}{5}$
大問III の答え
【あ】 $7$【い】 $\frac{2}{7}$【う】 $a^2-2$【え】 $a^3-3a$【お】 $1$【か】 $-2$【き】 $-1$【く】 $\frac{4}{7}$【け】 $\frac{6}{7}$ 【こ】 $1$【さ】 $15$【し】 $|b|$【す】 $a$【せ】 $|c|$(5) 存在しない 【そ】 $\sqrt{a^2+a+1}$【た】 $-1$ 【ち】 $2$【つ】 $48$
大問IV の答え
【あ】 $4$【い】 $2$【う】 $3+\sqrt{5}$【え】 $\frac{5\sqrt{5}-11}{2}$【お】 $\frac{1+\sqrt{5}}{2}$ 【か】 $-25$【き】 $13$【く】 $5$【け】 $7$【こ】 $-3$【さ】 $\frac{27}{8}$ 【し】 $9-2a$【す】 $27-8a$【せ】 $27-8a$【そ】 $\frac{4\sqrt{2}}{3}$【た】 $-\frac{8\sqrt{2}}{3}$【ち】 $\frac{16}{27}$
採点したら → 30秒の得点診断へ
PART I / 目標:完答(20分)

大問I 小問集合 ── 定義どおりに計算しない

独立した3つの小問。確率・不等式・空間ベクトルから1題ずつ。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問I)
⏱ 目標時間 & 死守ライン 目標20分。(1)(2)は落とすと慶應医学部では即致命傷になる絶対死守枠。(3)も標準的で全問完答を狙いたい。
⚠️ 損切り・警戒ライン (3)空間ベクトルで未知数の設定が煩雑になり、分数計算で沼にハマりそうなら一旦保留。ただし各大問の中では最も素直。
💡 初手の思考トリガー (1)分散は定義の積分ではなく $V(Y)=E(Y^2)-\{E(Y)\}^2$(2乗の平均-平均の2乗)を使う。直接展開して積分すると時間が溶ける!

(1)連続型確率変数の確率・期待値・分散

📝 どういう問題か?

確率密度関数が与えられた「連続型確率変数」の基本計算の問題。

  • 問題文では、まず一般の連続型確率変数について、期待値は「$x$ × 密度」の積分、分散は「$(x-\text{期待値})^2$ × 密度」の積分で定義される、と説明がある。
  • そのうえで、$0$ 以上 $\dfrac{\pi}{2}$ 以下の値をとる確率変数 $Y$ の確率密度関数が $\sin 2y$ と与えられる。
  • 答えるのは3つ:$Y$ が $\dfrac{\pi}{4}$ 以上 $\dfrac{3}{8}\pi$ 以下になる確率【あ】、期待値 $E(Y)$【い】、分散 $V(Y)$【う】。いずれも値を空欄に入れる。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
分散の定義どおりに $(y-m)^2$ を展開して積分すると、すごく大変そうです…
ニックニ先生
ニックニ先生
そこで乗り換え!$V(Y)=E(Y^2)-\{E(Y)\}^2$。問題文が定義を書いてくれていても、計算は速い方の公式でやっていいんだ。
STEP 1 確率【あ】

確率は密度関数を区間で積分するだけ。

$$P\left(\frac{\pi}{4}\leqq Y\leqq\frac{3}{8}\pi\right)=\int_{\pi/4}^{3\pi/8}\sin 2y\,dy=\left[-\frac{1}{2}\cos 2y\right]_{\pi/4}^{3\pi/8}=-\frac{1}{2}\left(-\frac{\sqrt2}{2}-0\right)=\frac{\sqrt{2}}{4}$$
STEP 2 期待値【い】

部分積分。$\sin 2y$ を積分すると $-\frac{1}{2}\cos 2y$ になることに注意。

$$E(Y)=\int_0^{\pi/2}y\sin 2y\,dy=\left[-\frac{y}{2}\cos 2y\right]_0^{\pi/2}+\frac{1}{2}\int_0^{\pi/2}\cos 2y\,dy=\frac{\pi}{4}+0=\frac{\pi}{4}$$

検算:$\sin 2y$ のグラフは $y=\frac{\pi}{4}$ で左右対称なので、平均が真ん中の $\frac{\pi}{4}$ になるのは当然。グラフの対称性で答えを予想してから計算するとミスに気づけます。

STEP 3 分散【う】

部分積分を2回。2回目は STEP 2 と同じ形が出てくるので再利用。

$$E(Y^2)=\int_0^{\pi/2}y^2\sin 2y\,dy=\left[-\frac{y^2}{2}\cos 2y+\frac{y}{2}\sin 2y+\frac{1}{4}\cos 2y\right]_0^{\pi/2}=\left(\frac{\pi^2}{8}-\frac{1}{4}\right)-\frac{1}{4}=\frac{\pi^2}{8}-\frac{1}{2}$$
$$V(Y)=E(Y^2)-\{E(Y)\}^2=\frac{\pi^2}{8}-\frac{1}{2}-\frac{\pi^2}{16}=\frac{\pi^2-8}{16}$$
🎯 (1) の答え
【あ】 $\frac{\sqrt{2}}{4}$【い】 $\frac{\pi}{4}$【う】 $\frac{\pi^2-8}{16}$

(2)2つの区間が共通部分をもつ条件

📝 どういう問題か?

文字 $a$ を含む2つの閉区間が「重なる」ための $a$ の条件を求める問題。

  • 実数 $a$ に対して、区間 $A$ は $3(a+1)$ 以上 $3(a+2)$ 以下、区間 $B$ は $a^3-4a$ 以上 $a^3-4a+2(a-1)^2+1$ 以下の実数全体。
  • $A$ と $B$ の両方に入る数が少なくとも1つある(共通部分が空でない)ための、$a$ についての必要十分条件を求める。
  • 答えは「3つの区間を『または』でつないだ形」になり、その6つの端点【え】〜【け】を、区間の小さい順に答える。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
「Aが左にある」「Bが左にある」って場合分けしてたら、こんがらがりました…
Sora先生
Sora先生
場合分けは不要!重ならないのは「どちらかが完全に右にある」ときだけ。その否定をとると、「互いの左端が、相手の右端以下」の2本の不等式になるよ。

まず $B$ の右端を整理しておく。

$$a^3-4a+2(a-1)^2+1=a^3+2a^2-8a+3$$
条件① Bの左端 ≦ Aの右端
$$a^3-4a\leqq 3a+6\iff a^3-7a-6\leqq0\iff(a+1)(a+2)(a-3)\leqq0$$

3次式の符号を数直線で見て、$a\leqq-2$ または $-1\leqq a\leqq3$。

条件② Aの左端 ≦ Bの右端
$$3a+3\leqq a^3+2a^2-8a+3\iff a(a^2+2a-11)\geqq0$$

$a^2+2a-11=0$ の解は $a=-1\pm2\sqrt3$ なので、$-1-2\sqrt3\leqq a\leqq0$ または $a\geqq-1+2\sqrt3$。

①と②を重ねる

$-1-2\sqrt3\approx-4.46$、$-1+2\sqrt3\approx2.46$ を数直線に並べると、共通部分は3つの区間。

$$-1-2\sqrt3\leqq a\leqq-2,\qquad -1\leqq a\leqq0,\qquad -1+2\sqrt3\leqq a\leqq3$$
🎯 (2) の答え
【え】 $-1-2\sqrt{3}$【お】 $-2$【か】 $-1$【き】 $0$【く】 $-1+2\sqrt{3}$【け】 $3$

(3)空間の平行四辺形の面積の最小値

📝 どういう問題か?

座標空間の平行四辺形の頂点・面積と、その最小値を求める問題。

  • $b$ は $0$ でない実数。原点 $O$、点 $P(0,1,-1)$、点 $R\left(1,b,\frac{1}{b}\right)$ と、成分の一部が未知の点 $Q(1,c,d)$ を頂点とする平行四辺形 $OPQR$ がある。
  • 答えるのは3つ:$Q$ の成分 $c,\ d$ を $b$ の式で表したもの【こ】【さ】、面積 $S(b)$ を「$\sqrt{\ \ }$ の中に $b$ の式」の形で書いたときの中身【し】、$b$ を $0$ 以外の実数で動かしたときの面積の最小値【す】。
STEP 1 頂点Q【こ】【さ】

平行四辺形 $OPQR$ では $\overrightarrow{OQ}=\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{OR}$。

$$\overrightarrow{OQ}=(0,1,-1)+\left(1,b,\frac{1}{b}\right)=\left(1,\ b+1,\ \frac{1}{b}-1\right)$$
STEP 2 面積【し】

外積より速いのが、$S^2=|\vec p|^2|\vec r|^2-(\vec p\cdot\vec r)^2$。

$$|\overrightarrow{OP}|^2=2,\quad |\overrightarrow{OR}|^2=1+b^2+\frac{1}{b^2},\quad \overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OR}=b-\frac{1}{b}$$
$$S^2=2\left(b^2+\frac{1}{b^2}+1\right)-\left(b^2-2+\frac{1}{b^2}\right)=b^2+\frac{1}{b^2}+4$$
STEP 3 最小値【す】

相加平均・相乗平均の関係より $b^2+\dfrac{1}{b^2}\geqq2$(等号は $b=\pm1$)。よって $S^2\geqq6$。

🎯 (3) の答え
【こ】 $b+1$【さ】 $\frac{1}{b}-1$【し】 $b^2+\frac{1}{b^2}+4$【す】 $\sqrt{6}$
⚠️ 大問Iの罠:完答目標の大問ほど、1つのミスが致命傷。20分のうち最後の2分は検算に固定しよう。(1)は対称性、(2)は区間の端の値を代入、(3)は $b=1$ を代入して面積を直接計算、が速い検算です。
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】大問Iで手が止まった人への処方箋

  • (1)で止まった 新課程「連続型確率変数」の準備不足。定義式(期待値・分散の積分公式)さえ頭に入っていれば基本問題です。青チャート等の例題レベルを今すぐ詰め直しましょう。
  • (2)でミスした 「共通部分をもつ」条件の立て方、または3次不等式の処理が不安定。「互いの左端が相手の右端以下」の2本に言い換え、因数分解した3次式の符号は数直線に書いてから重ねる。端点の値($-2$、$0$、$3$ など)を代入して検算する習慣も効きます。
  • (3)で計算崩壊 未知数の置きすぎ、または幾何的対称性の見落とし。空間ベクトルは立式前にフリーハンドで図を描き、正射影や対称性を見抜いてから計算に入るのがTMPS流の鉄則です。
PART II / 目標:得点源(25分)

大問II 確率漸化式 ── 「一方通行の状態遷移」を見抜く

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問II)
⏱ 目標時間 & 死守ライン 目標25分。(1)の漸化式・一般項・「初めて0個」の確率【あ】〜【く】は、絶対に落とせない中核の得点源。
⚠️ 損切り・警戒ライン (2)の分散や(3)の和の計算がもつれたら一旦保留。大問IIIの(1)〜(4)を先に取りに行く判断を。
💡 初手の思考トリガー 「玉の動き」ではなく「赤玉の個数が取り得る値(状態)」を書き出す。赤玉は4個または2個にしかならない(一方通行遷移)と見抜けば1変数の漸化式に帰着!
📝 どういう問題か?

袋から玉を取り出す操作をくり返す「確率漸化式」の問題。

  • 袋には最初、赤玉4個と白玉2個。1回の操作では玉を2個同時に取り出し、2個とも赤玉なら、その2個は袋に戻さない。それ以外(赤と白、白2個)なら2個とも袋に戻す。
  • 操作を $n$ 回行ったあとの赤玉の個数を考え、赤玉が4個である確率を $p_n$、2個である確率を $q_n$ とおく。
  • 設問は3つ。(1) $p_n,\ q_n$ が満たす漸化式の係数、一般項、そして $n$ 回目の操作で初めて赤玉が0個になる確率。(2) 赤玉の個数で値が決まる確率変数 $X_n$ の期待値と分散。(3) 「初めて赤玉が0個になった回」で得点が決まるゲームの、得点の期待値。
  • 空欄【え】【く】【け】には $n$ の式、それ以外の空欄には数を入れる。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
戻す・戻さないのルールで頭がパンクしそうです…
Sora先生
Sora先生
赤玉は「2個減る」か「そのまま」しかない。だから状態は 4個 → 2個 → 0個 の一方通行。逆戻りがないから、漸化式は上から順に解けるんだ。
ニックニ先生
ニックニ先生
最初の1分で、矢印に確率を書いた遷移図を描く。これが後半の期待値・分散・ゲームまで、全部の土台になるよ。
STEP 0 遷移図を作る

赤4・白2のとき:2個とも赤の確率は $\dfrac{{}_4C_2}{{}_6C_2}=\dfrac{6}{15}=\dfrac{2}{5}$、そのままの確率は $\dfrac{3}{5}$。

赤2・白2のとき:2個とも赤の確率は $\dfrac{{}_2C_2}{{}_4C_2}=\dfrac{1}{6}$、そのままの確率は $\dfrac{5}{6}$。

赤0のとき:以後ずっと赤0(吸収状態)。

$$\boxed{4個}\ \xrightarrow{\ 2/5\ }\ \boxed{2個}\ \xrightarrow{\ 1/6\ }\ \boxed{0個}\qquad(\text{とどまる確率はそれぞれ } 3/5,\ 5/6)$$

(1)漸化式と一般項【あ】〜【き】

📝 何を答えるか

$p_{n+1}$ を $p_n$ の定数倍で、$q_{n+1}$ を $p_n$ と $q_n$ の1次式で表したときの係数【あ】【い】【う】。さらに一般項として $p_n$【え】と、$q_n$ を「定数 ×{(ある数)$^n$ −(ある数)$^n$}」の形で表したときの定数【お】と2つの数【か】【き】(大きい方が【か】)。

$$p_{n+1}=\frac{3}{5}p_n,\qquad q_{n+1}=\frac{2}{5}p_n+\frac{5}{6}q_n$$

初期状態は赤4個なので $p_0=1,\ q_0=0$。よって $p_n=\left(\dfrac{3}{5}\right)^n$。

$q_n$ は、$q_n=K\left(\frac{3}{5}\right)^n$ の形の特殊解を探すのが最速。

$$K\cdot\frac{3}{5}=\frac{2}{5}+\frac{5}{6}K\iff K\left(\frac{3}{5}-\frac{5}{6}\right)=\frac{2}{5}\iff K=-\frac{12}{7}$$

一般解 $q_n=C\left(\frac{5}{6}\right)^n-\frac{12}{7}\left(\frac{3}{5}\right)^n$ に $q_0=0$ を入れて $C=\frac{12}{7}$。

$$q_n=\frac{12}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^n-\left(\frac{3}{5}\right)^n\right\}$$

検算:$q_1=\frac{12}{7}\cdot\frac{7}{30}=\frac{2}{5}$。1回目で赤2個になる確率 $\frac{2}{5}$ と一致。

(1)続き:初めて赤0個になる確率【く】

📝 何を答えるか

操作を $n$ 回行い終えたとき、その $n$ 回目で初めて袋の赤玉が0個になる確率を、$n$ の式で答える。

「$n$ 回目で初めて0個」⇔「$n-1$ 回後に赤2個」かつ「$n$ 回目に赤2個を引く」。

$$\frac{1}{6}q_{n-1}=\frac{1}{6}\cdot\frac{12}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}-\left(\frac{3}{5}\right)^{n-1}\right\}=\frac{2}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}-\left(\frac{3}{5}\right)^{n-1}\right\}$$

$n=1$ を代入すると $0$。1回では0個になれないことと一致。

(2)期待値と分散【け】〜【そ】

📝 何を答えるか

$n$ 回後の赤玉が4個なら $6$、2個なら $\frac{7}{2}$、0個なら $0$ という値をとる確率変数 $X_n$ の期待値【け】と、分散を「$3\times${3つの等比数列の項の和}」の形で表したときの係数と公比【こ】〜【そ】(公比は大きい順)。

$$E(X_n)=6p_n+\frac{7}{2}q_n=6\left(\frac{3}{5}\right)^n+6\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^n-\left(\frac{3}{5}\right)^n\right\}=6\left(\frac{5}{6}\right)^n$$

$\left(\frac{3}{5}\right)^n$ の項がきれいに消えるのは、出題者が用意した「当たりのサイン」。

$$E(X_n^2)=36p_n+\frac{49}{4}q_n=36\left(\frac{3}{5}\right)^n+21\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^n-\left(\frac{3}{5}\right)^n\right\}=21\left(\frac{5}{6}\right)^n+15\left(\frac{3}{5}\right)^n$$
$$V(X_n)=21\left(\frac{5}{6}\right)^n-36\left(\frac{25}{36}\right)^n+15\left(\frac{3}{5}\right)^n=3\left\{7\left(\frac{5}{6}\right)^n-12\left(\frac{25}{36}\right)^n+5\left(\frac{3}{5}\right)^n\right\}$$

(3)ゲームの得点の期待値【た】〜【な】

📝 何を答えるか

操作を $N$ 回行う。$n$ 回目($1\leqq n\leqq N$)で初めて赤玉が0個になったら $2^{N-n}$ 点、$N$ 回終わっても赤玉が残っていれば0点。この得点の期待値を「定数 ×{3つの等比数列の項の和}」の形で表したときの定数と係数・公比【た】〜【な】(公比は大きい順)。

$$E=\sum_{n=1}^{N}2^{N-n}\cdot\frac{2}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}-\left(\frac{3}{5}\right)^{n-1}\right\}$$

公比 $r$ の部分を一般に計算しておくと速い:

$$\sum_{n=1}^{N}2^{N-n}r^{n-1}=2^{N-1}\sum_{n=1}^{N}\left(\frac{r}{2}\right)^{n-1}=\frac{2^N-r^N}{2-r}$$

$r=\frac{5}{6}$ なら $\frac{6}{7}\left(2^N-\left(\frac{5}{6}\right)^N\right)$、$r=\frac{3}{5}$ なら $\frac{5}{7}\left(2^N-\left(\frac{3}{5}\right)^N\right)$。差をとって $\frac{2}{7}$ をかけると

$$E=\frac{2}{49}\left\{2^N-6\left(\frac{5}{6}\right)^N+5\left(\frac{3}{5}\right)^N\right\}$$

検算:$N=1$ では期待値は0のはず。代入すると $\frac{2}{49}(2-5+3)=0$ で一致。

🎯 大問II の答え
【あ】 $\frac{3}{5}$【い】 $\frac{2}{5}$【う】 $\frac{5}{6}$【え】 $\left(\frac{3}{5}\right)^n$【お】 $\frac{12}{7}$【か】 $\frac{5}{6}$【き】 $\frac{3}{5}$ 【く】 $\frac{2}{7}\left\{\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}-\left(\frac{3}{5}\right)^{n-1}\right\}$ 【け】 $6\left(\frac{5}{6}\right)^n$【こ】 $7$【さ】 $\frac{5}{6}$【し】 $-12$【す】 $\frac{25}{36}$【せ】 $5$【そ】 $\frac{3}{5}$ 【た】 $\frac{2}{49}$【ち】 $2$【つ】 $-6$【て】 $\frac{5}{6}$【と】 $5$【な】 $\frac{3}{5}$
⚠️ 大問IIの罠:(3)の「初めて0個になった回」を「その時点で0個」と取り違えると全滅します。0個は吸収状態なので、「その時点で0個」の確率は「初めて0個」の確率の累積。この違いを1行メモしてから式を立てよう。
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】大問IIで手が止まった人への処方箋

  • 漸化式が立たない 頭の中だけで確率を追おうとしてメモリがパンクしています。余白に「状態遷移図(丸と矢印)」を描き、$n \to n+1$ で何が起きるかを必ず可視化しましょう。
  • (1)の計算ミス 母数 $_6C_2=15$ を用いた確率の計算精度不足。$n=1$ を代入して具体値と一致するか、その場で「セルフ検算」する習慣があれば必ず防げます。
  • 一般項が出せない 特性方程式を用いた典型漸化式の定着不足。医学部受験では等比数列型・階差数列型への帰着は1秒で手が勝手に動くレベルまで反復練習が必要です。
PART III / 合否の分かれ目(30分)

大問III 1の7乗根 ── 近似値でなく「式」で決着をつける

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問III)
⏱ 目標時間 & 死守ライン 目標30分。(1)〜(4)の代数計算・不等式評価は確実に拾う。(6)は公式で【た】$=-1$ まではすぐ出る。【そ】を $a$ で表す一手が勝負。
⚠️ 損切り・警戒ライン (5)の三角形成立論述で「電卓的近似計算(小数計算)」に走るのは慶應の罠!式で示せないなら(6)へ即座に逃げること。
💡 初手の思考トリガー (1) $z^7-1=0 \implies z^6+\dots+1=0$ を見たら即座に両辺を $z^3$ で割り、$z+1/z=a$ の相反方程式に帰着させる。医学部頻出の超定石!
📝 どういう問題か?

1の7乗根から作った $2\cos$ の値を、3次方程式・不等式・複素数平面の3方向から調べる問題。設問は(1)〜(7)。

  • $i$ を虚数単位、$z=\cos\frac{2}{7}\pi+i\sin\frac{2}{7}\pi$ とし、$a=z+\frac{1}{z}$ とおく。
  • (1)〜(4):$a$ が満たす3次方程式を作り、他の2解 $b,\ c$ を求め、$a$ の大きさを $\sqrt{\ \ }$ の不等式で評価し、$a,\ |b|,\ |c|$ を小さい順に並べる。
  • (5):$a,\ |b|,\ |c|$ を3辺の長さとする三角形が存在するかを、理由とともに論述する。
  • (6):複素数平面上で原点 $O$ と2点 $A(z^3)$、$B(iz)$ を考え、直線 $OA$ に関して $B$ と対称な点 $\gamma$ を「(実数)$\times z^3$ +(実数)$\times iz$」の形で表す。係数【そ】【た】は、$a$ を用いて答える。
  • (7):$w=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}$ として、$d=1,2,\dots,2026$ における $|z^d+w^d|$ の最大値と、最大値をとる $d$ の個数を答える。

(1)3次方程式【あ】〜【け】

📝 何を答えるか

$z^r=1$ となる最小の自然数 $r$【あ】、$a=2\cos(\text{【い】}\pi)$ の【い】、$z^2+\frac{1}{z^2}$ と $z^3+\frac{1}{z^3}$ を $a$ で表した式【う】【え】、$a$ が満たす3次方程式 $x^3+(\ )x^2+(\ )x+(\ )=0$ の係数【お】【か】【き】、他の2解を $2\cos(\ \ \pi)$ の形で表したときの中身【く】【け】(小さい順)。

$z$ は1の7乗根で $z\neq1$ なので、$z^r=1$ となる最小の自然数は $7$。また $a=z+\overline{z}=2\cos\frac{2}{7}\pi$。

$$z^2+\frac{1}{z^2}=\left(z+\frac{1}{z}\right)^2-2=a^2-2,\qquad z^3+\frac{1}{z^3}=\left(z+\frac{1}{z}\right)^3-3\left(z+\frac{1}{z}\right)=a^3-3a$$

$1+z+z^2+\cdots+z^6=0$ の両辺を $z^3$ で割ると

$$\left(z^3+\frac{1}{z^3}\right)+\left(z^2+\frac{1}{z^2}\right)+\left(z+\frac{1}{z}\right)+1=0\iff a^3+a^2-2a-1=0$$

$z^2,\ z^3$ も同じ方程式を満たす1の7乗根なので、$2\cos\frac{4}{7}\pi$、$2\cos\frac{6}{7}\pi$ も解。これが $b,\ c$。

(2)(3)$a$ の大きさの評価【こ】【さ】

📝 何を答えるか

$\sqrt{m}\lt a\lt\sqrt{m+1}$ を満たす自然数 $m$【こ】と、$\sqrt{\frac{n}{10}}\lt a\lt\sqrt{\frac{n+1}{10}}$ を満たす自然数 $n$【さ】。

近似値を書くだけでは根拠にならない。$g(x)=x^3+x^2-2x-1$ の符号の変化で挟むのが正攻法。

$$g(1)=-1\lt0,\qquad g(\sqrt2)=2\sqrt2+2-2\sqrt2-1=1\gt0$$

正の解は $a$ だけなので、$1\lt a\lt\sqrt2$。よって $m=1$。次に $g(x)=x(x^2-2)+x^2-1$ と変形して

$$g(\sqrt{1.5})=0.5-0.5\sqrt{1.5}\lt0,\qquad g(\sqrt{1.6})=0.6-0.4\sqrt{1.6}\gt0\ \ (\because\ 1.5^2=2.25\gt1.6)$$

よって $\sqrt{\frac{15}{10}}\lt a\lt\sqrt{\frac{16}{10}}$ で、$n=15$。

(4)大小関係【し】〜【せ】

$|b|=-2\cos\frac{4}{7}\pi=2\cos\frac{3}{7}\pi$、$|c|=-2\cos\frac{6}{7}\pi=2\cos\frac{1}{7}\pi$。$\cos$ は $0$ から $\frac{\pi}{2}$ で減少するので

$$\frac{\pi}{7}\lt\frac{2\pi}{7}\lt\frac{3\pi}{7}\ \Longrightarrow\ |c|\gt a\gt|b|$$

(5)三角形は存在するか(論述)

Yuiちゃん
Yuiちゃん
近似値で $a+|b|\approx1.69$、$|c|\approx1.80$ だから存在しない…でいいですか?
ニックニ先生
ニックニ先生
結論は合ってる。でも論述で近似値だけだと減点されやすい。解と係数の関係で、比べる式を「$|b|$ と $\frac12$ の大小」まで単純にしてから、(2)と同じ符号の議論で決着をつけよう。
最大辺は $|c|$ なので、三角形が存在する条件は $|c|\lt a+|b|$ である。
解と係数の関係より $a+b+c=-1$。$b\lt0,\ c\lt0$ より $a-|b|-|c|=-1$、すなわち $|c|=a-|b|+1$。
よって $|c|\lt a+|b|\iff 1\lt2|b|\iff|b|\gt\dfrac{1}{2}$。
ここで $g\left(-\dfrac{1}{2}\right)=\dfrac{1}{8}\gt0$、$g(0)=-1\lt0$ より、$g(x)=0$ は $-\dfrac12\lt x\lt0$ に解をもつ。$g(-1)=1\gt0$、$g(-2)=-1\lt0$ より $c$ は $-2\lt c\lt-1$ にあるから、$-\dfrac12$ と $0$ の間の解は $b$ である。よって $|b|\lt\dfrac{1}{2}$。
したがって $|c|\gt a+|b|$ となり、三角形は存在しない。

(6)直線に関する対称点【そ】【た】

📝 何を答えるか

直線 $OA$(原点と $A(z^3)$ を通る直線)に関して $B(iz)$ と対称な点 $\gamma$ を、$\gamma=\text{【そ】}\,z^3+\text{【た】}\,iz$ と表したときの実数【そ】【た】。【そ】は $a$ の式で答える。

公式:$|A|=1$ のとき、原点と $A$ を通る直線に関する点 $B$ の対称点は

$$\gamma=2\,\mathrm{Re}\!\left(B\overline{A}\right)A-B$$

「$B$ の直線への正射影の2倍から $B$ を引く」という意味で、$A$ と $B$ の係数がそのまま読める。$A=z^3$、$B=iz$ として

$$B\overline{A}=iz\cdot z^{-3}=e^{i\left(\frac{\pi}{2}-\frac{4\pi}{7}\right)}=e^{-i\frac{\pi}{14}}\ \Longrightarrow\ \gamma=2\cos\frac{\pi}{14}\cdot z^3-iz$$

よって【た】$=-1$。残るは$2\cos\dfrac{\pi}{14}$ を $a$ で表すこと。これが(6)の本当の関門。2乗して半角の公式を使うと

$$\left(2\cos\frac{\pi}{14}\right)^2=2+2\cos\frac{\pi}{7}=2-2\cos\frac{6\pi}{7}=2-c$$

ここで $c=2\cos\dfrac{6}{7}\pi=z^3+\dfrac{1}{z^3}=a^3-3a$((1)の【え】)。さらに(1)の3次方程式から $a^3=-a^2+2a+1$ なので

$$2-c=2-(a^3-3a)=2-(-a^2+2a+1)+3a=a^2+a+1$$

$2\cos\dfrac{\pi}{14}\gt0$ だから

$$\gamma=\sqrt{a^2+a+1}\;z^3-iz\qquad\left(\text{【そ】}=\sqrt{a^2+a+1},\ \ \text{【た】}=-1\right)$$

検算:$a\approx1.247$ で $\sqrt{a^2+a+1}\approx1.9499$、$2\cos\frac{\pi}{14}\approx1.9499$ で一致。また $|A|=1$ のとき対称点は $A^2\overline{B}=z^6\cdot(-i)z^{-1}=-iz^5$ とも書け、$|\gamma|=1$ になることも確かめられる。$\sqrt{2+3a-a^3}$ のままでも値は同じだが、次数を下げた形で答えるのが自然。

(7)2026年の周期【ち】【つ】

$|z^d|=|w^d|=1$ なので $|z^d+w^d|\leqq2$ で、等号は $z^d=w^d$ のとき。

$$z^d=w^d\iff \frac{2\pi d}{7}-\frac{\pi d}{3}=-\frac{\pi d}{21}\ \text{が}\ 2\pi\ \text{の整数倍}\iff d\ \text{は}\ 42\ \text{の倍数}$$

$42\times48=2016\leqq2026\lt2058=42\times49$ より、該当する $d$ は $48$ 個。

🎯 大問III の答え
【あ】 $7$【い】 $\frac{2}{7}$【う】 $a^2-2$【え】 $a^3-3a$【お】 $1$【か】 $-2$【き】 $-1$【く】 $\frac{4}{7}$【け】 $\frac{6}{7}$ 【こ】 $1$【さ】 $15$【し】 $|b|$【す】 $a$【せ】 $|c|$(5) 存在しない【そ】 $\sqrt{a^2+a+1}$【た】 $-1$【ち】 $2$【つ】 $48$
⚠️ 大問IIIの罠:(2)(3)(5)は、電卓のない試験場で近似値に頼ると時間もかかり、根拠も弱い。3次方程式 $g(x)=0$ を手に入れたら、以降の評価は「$g$ の符号の変化」で統一するのが最短ルートです。

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🩺【自己診断】大問IIIで手が止まった人への処方箋

  • (1)で気づかない 「1の $n$ 乗根と対称式」の定石パターンのストック不足。難問に見えても手口は決まっています。相反方程式の解法パターンを網羅しておきましょう。
  • (5)で時間を浪費 慶應の「近似値の罠」にハマっています。電卓のない試験場で小数の近似計算に頼るのは悪手。「関数の符号変化で厳密に示す」論理的思考力を身につけましょう。
  • (6)が白紙 直線の対称移動の複素数公式 $\gamma = 2\,\mathrm{Re}(B\overline{A})A - B$ の整理不足。正射影の幾何イメージを持てば形はすぐ出ます。係数 $2\cos\frac{\pi}{14}$ を $a$ で表す所は「2乗して半角」→「(1)の3次方程式で次数下げ」の流れを覚えておきましょう。
PART IV / (3)まで死守(25分)

大問IV 分数関数と極限 ── 「捨てる勇気」も実力

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問IV)
⏱ 目標時間 & 死守ライン 目標25分。(1)(接する条件)、(2)(極値と積分計算)、(3)(極値をもつ条件)までを死守。(3)まで取れば合格ライン到達。
⚠️ 損切り・時間泥棒! (4)の極限は慶應特有の「時間泥棒」。ここを解くくらいなら大問I・IIの見直しをして計算ミスを1個拾う方が合格に近づきます。堂々と撤退が正解。
💡 初手の思考トリガー (1)は曲線が $x$ 軸に接する条件 $\iff f(x)=0$ かつ $f'(x)=0$。通分した分子の2次方程式の判別式 $D=0$ に素早く帰着させる。
📝 どういう問題か?

パラメータ $a$ を含む分数関数のグラフを調べ、最後は「極値が生まれる瞬間」の極限を求める問題。

  • $a$ は正の実数で、$x\gt1$ の範囲で $f(x)=\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{a}{x^2}$ を考える。
  • (1):曲線 $y=f(x)$ が $x$ 軸に接するときの $a$ と接点の $x$ 座標。
  • (2):(1)の $a$ のときの極大点と極大値、曲線と「極大値の高さの横線」とのもう1つの交点、それらで囲まれた部分の面積(「分数+$\log$」の指定の形で答える)。
  • (3):$f(x)$ が極値をもつための $a$ の条件(「$a\gt$ ある値」の形)。
  • (4):$a$ が(3)の境目の値 $\alpha$ に上から近づくとき、極大点 $g(a)$、もう1つの交点 $h(a)$、囲まれた面積 $S(a)$ がどんな速さで変化するかを表す3つの極限値と、その準備として $g(a)-3$ が満たす3次方程式の係数。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
最後の極限、式が長すぎて見ただけで固まりました…
ニックニ先生
ニックニ先生
それで正解。(1)〜(3)は増減表で取れるから絶対に落とさない。(4)は「解けたら上乗せ、解けなくても合格点」と割り切るのが合格者の立ち回りだよ。

(1)$x$ 軸に接する条件【あ】【い】

$$f(x)=0\iff x^2-a(x-1)=0\iff x^2-ax+a=0$$

接する ⇔ 重解。判別式 $a^2-4a=0$ と $a\gt0$ より $a=4$、接点は $x=\frac{a}{2}=2$($x\gt1$ を満たす)。

(2)極大値と面積【う】〜【こ】

$a=4$ のとき、通分して分子を因数分解する。

$$f'(x)=-\frac{1}{(x-1)^2}+\frac{8}{x^3}=\frac{8(x-1)^2-x^3}{x^3(x-1)^2}=-\frac{(x-2)(x^2-6x+4)}{x^3(x-1)^2}$$

$x^2-6x+4=0$ の解は $3\pm\sqrt5$。$3-\sqrt5\lt1$ は範囲外。増減は $x=2$ で極小($x$ 軸に接する点)、$x=3+\sqrt5$ で極大。

$$c=f(3+\sqrt5)=\frac{1}{2+\sqrt5}-\frac{4}{14+6\sqrt5}=(\sqrt5-2)-\frac{7-3\sqrt5}{2}=\frac{5\sqrt5-11}{2}$$

$f(x)=c$ のもう1つの解は「解と係数の関係」で一瞬。分母を払うと $cx^3-(c+1)x^2+4x-4=0$ で、$x=3+\sqrt5$ が重解。3つの解の積は $\frac{4}{c}$ なので

$$x=\frac{4/c}{(3+\sqrt5)^2}=\frac{22+10\sqrt5}{14+6\sqrt5}=\frac{(11+5\sqrt5)(7-3\sqrt5)}{4}=\frac{1+\sqrt5}{2}$$

面積は、$f$ の原始関数 $\log(x-1)+\frac{4}{x}$ を使う。積分区間の幅は $(3+\sqrt5)-\frac{1+\sqrt5}{2}=\frac{5+\sqrt5}{2}$。

$$S=c\cdot\frac{5+\sqrt5}{2}-\left[\log(x-1)+\frac{4}{x}\right]_{\frac{1+\sqrt5}{2}}^{3+\sqrt5}$$
$$c\cdot\frac{5+\sqrt5}{2}=\frac{7\sqrt5-15}{2},\qquad \left[\ \cdots\ \right]=\log\frac{7+3\sqrt5}{2}+5-3\sqrt5$$
$$S=\frac{-25+13\sqrt5}{2}-\log\frac{7+3\sqrt5}{2}=\frac{-25+13\sqrt5}{2}+\log\frac{7-3\sqrt5}{2}$$

最後は $\frac{7+3\sqrt5}{2}\cdot\frac{7-3\sqrt5}{2}=1$ を使って指定の形に合わせる。面積は約 $0.11$ で、グラフの見た目とも整合的。

(3)極値をもつ条件【さ】

コツは定数 $a$ を分離すること。

$$f'(x)=0\iff 2a=\frac{x^3}{(x-1)^2}=:\varphi(x),\qquad \varphi'(x)=\frac{x^2(x-3)}{(x-1)^3}$$

$\varphi$ は $x=3$ で最小値 $\frac{27}{4}$。横線 $y=2a$ が $\varphi$ のグラフと2点で交われば $f'$ の符号が変わるので、条件は $2a\gt\frac{27}{4}$、つまり $a\gt\frac{27}{8}$。等号のときは $f'\leqq0$ のままで極値なし。

(4)境目での極限【し】〜【ち】

$f'(x)=0\iff x^3=2a(x-1)^2$。$x=3+t$ とおいて展開すると

$$t^3+(9-2a)t^2+(27-8a)t+(27-8a)=0$$

これで【し】【す】【せ】は取れる。ここまでは必ず取りたい。

🚀 上位層向け:残りの極限の考え方
$\varepsilon=a-\frac{27}{8}$ とおくと $27-8a=-8\varepsilon$、$9-2a=\frac{9}{4}-2\varepsilon$。$\varepsilon\to+0$ のとき $t$ も $0$ に近づき、主要な項だけ残すと
$$\frac{9}{4}t^2-8\varepsilon\approx0\ \Longrightarrow\ t\approx\pm\frac{4\sqrt2}{3}\sqrt\varepsilon$$
極大点は大きい方の解なので $\displaystyle\lim\frac{g(a)-3}{\sqrt{a-\alpha}}=\frac{4\sqrt2}{3}$。

$x=3$ の近くで $x^3(x-1)^2\approx108$ なので、$k=\frac{4\sqrt2}{3}\sqrt\varepsilon$ として
$$f'(3+t)\approx\frac{1}{48}(k^2-t^2)\ \Longrightarrow\ f(3+t)-f(3+k)\approx-\frac{1}{144}(t-k)^2(t+2k)$$
$f$ は極値の近くで3次関数のようにふるまい、もう1つの交点は $t=-2k$。よって $\displaystyle\lim\frac{h(a)-3}{\sqrt{a-\alpha}}=-\frac{8\sqrt2}{3}$。

面積は $\displaystyle S\approx\frac{1}{144}\int_{-2k}^{k}(t-k)^2(t+2k)\,dt=\frac{1}{144}\cdot\frac{(3k)^4}{12}=\frac{3k^4}{64}$、$k^4=\frac{1024}{81}\varepsilon^2$ を入れて
$$\lim_{a\to\alpha+0}\frac{S(a)}{(a-\alpha)^2}=\frac{3}{64}\cdot\frac{1024}{81}=\frac{16}{27}$$
※ 空欄補充なので主要項の比較で答えが出せます。記述式なら誤差の評価が必要です。
🎯 大問IV の答え
【あ】 $4$【い】 $2$【う】 $3+\sqrt5$【え】 $\frac{5\sqrt5-11}{2}$【お】 $\frac{1+\sqrt5}{2}$【か】 $-25$【き】 $13$【く】 $5$【け】 $7$【こ】 $-3$ 【さ】 $\frac{27}{8}$【し】 $9-2a$【す】 $27-8a$【せ】 $27-8a$【そ】 $\frac{4\sqrt2}{3}$【た】 $-\frac{8\sqrt2}{3}$【ち】 $\frac{16}{27}$
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🩺【自己診断】大問IVで手が止まった人への処方箋

  • (1)(2)の微分で躓く 分数関数の微分と通分因数分解のスピード不足。数III微積は「計算方法を考える」のではなく「手が自動で動く」まで反復ドリルを重ねましょう。
  • (3)の条件で混乱 導関数 $f'(x)$ の符号変化の捉え方。分母が常に正なら、分子の増減・極値・交点に注目してグラフで視覚化する習慣が不足しています。
  • (4)に突っ込んで爆死 「捨て問を見極める戦略眼」が不足しています。医学部入試は満点勝負ではありません。取れる7割をミスなく揃えた者が受かります。「勇気ある撤退」を身につけましょう。
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慶應2026型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)

2026年度の本番と同じ4大問・同じ小問構成で、数値や設定を変えたTMPSオリジナル問題です。本番の出題イメージをつかみながら、初見の問題として100分で演習できます。

試験時間の目安 100分 空欄補充+論述
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印刷して本番と同じように100分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 慶應義塾大学の入試問題ではありません。問題文・解答はすべてTMPS医学館が作成したものです。

類題 I

以下の空欄に適する数または式を答えよ。

(1) 連続型確率変数 $X$ のとる値の範囲が $\alpha\leqq X\leqq\beta$ で、その確率密度関数が $f(x)$ であるとき、$X$ の期待値 $m=E(X)$ と分散 $V(X)$ は次の式で定義される。

$$m=E(X)=\int_{\alpha}^{\beta}x f(x)\,dx,\qquad V(X)=\int_{\alpha}^{\beta}(x-m)^2 f(x)\,dx$$

連続型確率変数 $Y$ は $0\leqq Y\leqq\dfrac{\pi}{2}$ の範囲の値をとり、その確率密度関数は $g(y)=\cos y$ である。このとき、$\dfrac{\pi}{6}\leqq Y\leqq\dfrac{\pi}{3}$ となる確率は【あ】、$Y$ の期待値は $E(Y)=$【い】、分散は $V(Y)=$【う】である。

(2) 実数 $a$ に対し、2つの閉区間 $A=[\,2(a+1),\ 2(a+2)\,]$、$B=[\,a^3-3a,\ a^3+2a^2-2a+2\,]$ を考える。$A$ と $B$ が共通の要素をもつための必要十分条件は

$$\text{【え】}\leqq a\leqq\text{【お】},\ \ \text{または}\ \ \text{【か】}\leqq a\leqq\text{【き】},\ \ \text{または}\ \ \text{【く】}\leqq a\leqq\text{【け】}$$

である。ただし【え】$\lt$【か】$\lt$【く】とする。

(3) $b$ を $0$ でない実数とする。座標空間の4点 $O(0,0,0)$、$P(1,1,0)$、$Q(c,d,1)$、$R\left(b,\dfrac{1}{b},1\right)$ を頂点とする平行四辺形 $OPQR$ について、$c=$【こ】、$d=$【さ】である。また平行四辺形の面積は $S(b)=\sqrt{\text{【し】}}$ と表され、$b$ が $0$ でない実数全体を動くときの $S(b)$ の最小値は【す】である。

類題I の解答・解説

(1) $\displaystyle\int_{\pi/6}^{\pi/3}\cos y\,dy=\sin\frac{\pi}{3}-\sin\frac{\pi}{6}=\frac{\sqrt3-1}{2}$。

$$E(Y)=\Big[y\sin y\Big]_0^{\pi/2}-\int_0^{\pi/2}\sin y\,dy=\frac{\pi}{2}-1$$

$\displaystyle\int_0^{\pi/2}y\sin y\,dy=\Big[-y\cos y\Big]_0^{\pi/2}+\int_0^{\pi/2}\cos y\,dy=1$ を再利用して

$$E(Y^2)=\Big[y^2\sin y\Big]_0^{\pi/2}-2\int_0^{\pi/2}y\sin y\,dy=\frac{\pi^2}{4}-2,\qquad V(Y)=\frac{\pi^2}{4}-2-\left(\frac{\pi}{2}-1\right)^2=\pi-3$$

(2) 条件は「$B$ の左端 ≦ $A$ の右端」かつ「$A$ の左端 ≦ $B$ の右端」。

$$a^3-3a\leqq2a+4\iff a^3-5a-4\leqq0\iff(a+1)(a^2-a-4)\leqq0$$

よって $a\leqq\frac{1-\sqrt{17}}{2}$ または $-1\leqq a\leqq\frac{1+\sqrt{17}}{2}$。

$$2a+2\leqq a^3+2a^2-2a+2\iff a^3+2a^2-4a\geqq0\iff a(a^2+2a-4)\geqq0$$

よって $-1-\sqrt5\leqq a\leqq0$ または $a\geqq-1+\sqrt5$。$-1-\sqrt5\approx-3.24$、$\frac{1-\sqrt{17}}{2}\approx-1.56$、$-1+\sqrt5\approx1.24$、$\frac{1+\sqrt{17}}{2}\approx2.56$ を並べて重ねる。

($B$ の幅は $2a^2+a+2\gt0$ なので、$B$ は常に区間として成り立つ。)

(3) $\overrightarrow{OQ}=\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{OR}=\left(b+1,\ \frac{1}{b}+1,\ 1\right)$。

$$S^2=2\left(b^2+\frac{1}{b^2}+1\right)-\left(b+\frac{1}{b}\right)^2=b^2+\frac{1}{b^2}\geqq2\quad(\text{等号は } b=\pm1)$$
🎯 類題I の答え
【あ】 $\frac{\sqrt3-1}{2}$【い】 $\frac{\pi}{2}-1$【う】 $\pi-3$ 【え】 $-1-\sqrt5$【お】 $\frac{1-\sqrt{17}}{2}$【か】 $-1$【き】 $0$【く】 $-1+\sqrt5$【け】 $\frac{1+\sqrt{17}}{2}$ 【こ】 $b+1$【さ】 $\frac{1}{b}+1$【し】 $b^2+\frac{1}{b^2}$【す】 $\sqrt2$
類題 II

袋の中に赤玉4個と白玉3個が入っている。この袋に対して次の操作を考える。

操作:袋から玉を2個同時に取り出す。2個とも赤玉であれば、その2個は袋に戻さない。そうでなければ、2個とも袋に戻す。

この操作を $n$ 回くり返した後に、袋の中の赤玉が4個である確率を $p_n$、2個である確率を $q_n$ とする($n=0,1,2,\dots$)。空欄【え】【く】【け】には $n$ の式、それ以外の空欄には数を答えよ。

  1. $p_{n+1}=\text{【あ】}\,p_n$、$q_{n+1}=\text{【い】}\,p_n+\text{【う】}\,q_n$ が成り立つ。また $p_n=\text{【え】}$、$q_n=\text{【お】}\left\{(\text{【か】})^n-(\text{【き】})^n\right\}$ である。ただし【か】$\gt$【き】とする。したがって、$n$ 回目の操作で初めて袋の中の赤玉が0個になる確率は【く】である。
  2. $n$ 回の操作後、赤玉が4個なら $20$、2個なら $13$、0個なら $0$ の値をとる確率変数を $X_n$ とする。$X_n$ の期待値は【け】であり、分散は $20\left\{\text{【こ】}(\text{【さ】})^n+\text{【し】}(\text{【す】})^n+\text{【せ】}(\text{【そ】})^n\right\}$ である。ただし【さ】$\gt$【す】$\gt$【そ】とする。
  3. 操作を $N$ 回行い、$n$ 回目($1\leqq n\leqq N$)の操作で初めて赤玉が0個になった場合に $2^{N-n}$ 点を得て、$N$ 回終了時に赤玉が残っていれば0点とするゲームを考える。このゲームの得点の期待値は $\text{【た】}\left\{(\text{【ち】})^N+\text{【つ】}(\text{【て】})^N+\text{【と】}(\text{【な】})^N\right\}$ である。ただし【ち】$\gt$【て】$\gt$【な】とする。
類題II の解答・解説

遷移確率:赤4・白3で2個とも赤 $=\dfrac{{}_4C_2}{{}_7C_2}=\dfrac{2}{7}$(とどまる $\frac{5}{7}$)。赤2・白3で2個とも赤 $=\dfrac{{}_2C_2}{{}_5C_2}=\dfrac{1}{10}$(とどまる $\frac{9}{10}$)。

(1) $p_{n+1}=\frac{5}{7}p_n$、$q_{n+1}=\frac{2}{7}p_n+\frac{9}{10}q_n$。$p_n=\left(\frac{5}{7}\right)^n$。特殊解 $K\left(\frac{5}{7}\right)^n$ は $\frac{5}{7}K=\frac{9}{10}K+\frac{2}{7}$ より $K=-\frac{20}{13}$。$q_0=0$ と合わせて

$$q_n=\frac{20}{13}\left\{\left(\frac{9}{10}\right)^n-\left(\frac{5}{7}\right)^n\right\}$$

(1)続き 「$n-1$ 回後に赤2個」かつ「$n$ 回目に赤2個を引く」なので $\dfrac{1}{10}q_{n-1}=\dfrac{2}{13}\left\{\left(\dfrac{9}{10}\right)^{n-1}-\left(\dfrac{5}{7}\right)^{n-1}\right\}$。

(2) $13\cdot\frac{20}{13}=20$ なので $\left(\frac{5}{7}\right)^n$ の項が消える。

$$E(X_n)=20p_n+13q_n=20\left(\frac{9}{10}\right)^n$$
$$E(X_n^2)=400p_n+169q_n=260\left(\frac{9}{10}\right)^n+140\left(\frac{5}{7}\right)^n$$
$$V(X_n)=260\left(\frac{9}{10}\right)^n-400\left(\frac{81}{100}\right)^n+140\left(\frac{5}{7}\right)^n=20\left\{13\left(\frac{9}{10}\right)^n-20\left(\frac{81}{100}\right)^n+7\left(\frac{5}{7}\right)^n\right\}$$

検算:$n=0$ では $X_0=20$ で確定なので分散0。$20(13-20+7)=0$ で一致。

(3) $\displaystyle\sum_{n=1}^{N}2^{N-n}r^{n-1}=\frac{2^N-r^N}{2-r}$ を使う。$r=\frac{9}{10}$ で係数 $\frac{10}{11}$、$r=\frac{5}{7}$ で係数 $\frac{7}{9}$。

$$E=\frac{2}{13}\left\{\frac{10}{11}\left(2^N-\left(\frac{9}{10}\right)^N\right)-\frac{7}{9}\left(2^N-\left(\frac{5}{7}\right)^N\right)\right\}=\frac{2}{99}\left\{2^N-\frac{90}{13}\left(\frac{9}{10}\right)^N+\frac{77}{13}\left(\frac{5}{7}\right)^N\right\}$$

($\frac{2}{13}\cdot\frac{10}{11}-\frac{2}{13}\cdot\frac{7}{9}=\frac{2}{13}\cdot\frac{13}{99}=\frac{2}{99}$ をくくり出して、$2^N$ の係数を1にそろえる。)

検算:$N=1$ で $0$、$N=2$ で $\frac{1}{35}$(2回連続で赤2個を引く確率 $\frac{2}{7}\cdot\frac{1}{10}$)と一致。

🎯 類題II の答え
【あ】 $\frac{5}{7}$【い】 $\frac{2}{7}$【う】 $\frac{9}{10}$【え】 $\left(\frac{5}{7}\right)^n$【お】 $\frac{20}{13}$【か】 $\frac{9}{10}$【き】 $\frac{5}{7}$ 【く】 $\frac{2}{13}\left\{\left(\frac{9}{10}\right)^{n-1}-\left(\frac{5}{7}\right)^{n-1}\right\}$ 【け】 $20\left(\frac{9}{10}\right)^n$【こ】 $13$【さ】 $\frac{9}{10}$【し】 $-20$【す】 $\frac{81}{100}$【せ】 $7$【そ】 $\frac{5}{7}$ 【た】 $\frac{2}{99}$【ち】 $2$【つ】 $-\frac{90}{13}$【て】 $\frac{9}{10}$【と】 $\frac{77}{13}$【な】 $\frac{5}{7}$
類題 III

$i$ を虚数単位とし、$z=\cos\dfrac{2}{9}\pi+i\sin\dfrac{2}{9}\pi$、$a=z+\dfrac{1}{z}$ とおく。

  1. $z^r=1$ を満たす最小の自然数 $r$ は【あ】であり、$a=2\cos(\text{【い】}\pi)$($0\lt\text{【い】}\lt1$)である。$z^2+\dfrac{1}{z^2}$ と $z^3+\dfrac{1}{z^3}$ を $a$ で表すとそれぞれ【う】、【え】である。$z^3$ の値に注目すると、$a$ は3次方程式 $x^3+\text{【お】}x^2+\text{【か】}x+\text{【き】}=0$ の解であり、この方程式の他の2解は $b=2\cos(\text{【く】}\pi)$、$c=2\cos(\text{【け】}\pi)$($0\lt\text{【く】}\lt\text{【け】}\lt1$)である。
  2. $\sqrt{m}\lt a\lt\sqrt{m+1}$ を満たす自然数 $m$ は【こ】である。
  3. $\sqrt{\dfrac{n}{10}}\lt a\lt\sqrt{\dfrac{n+1}{10}}$ を満たす自然数 $n$ は【さ】である。
  4. $a,\ |b|,\ |c|$ を小さい順に並べると【し】$\lt$【す】$\lt$【せ】である。
  5. 【論述】 $a,\ |b|,\ |c|$ を3辺の長さとする三角形は存在するか。理由とともに答えよ。
  6. 複素数平面上で、原点を $O$、点 $z^3$ を $A$、点 $z^6$ を $B$ とする。直線 $OA$ に関して点 $B$ と対称な点を表す複素数を $\gamma$ とする。$\gamma=\text{【そ】}z^3+\text{【た】}z^6$ を満たす実数【そ】【た】を求めよ。また $\gamma$ の値を求めよ。
  7. $w=\cos\dfrac{\pi}{3}+i\sin\dfrac{\pi}{3}$ とする。$1\leqq d\leqq2026$ を満たす整数 $d$ について、$|z^d+w^d|$ の最大値は【ち】であり、最大値をとる $d$ は【つ】個ある。
類題III の解答・解説

(1) $z$ は1の9乗根で、$z^r=1$ となる最小の $r$ は $9$。$a=2\cos\frac{2}{9}\pi$。$z^2+z^{-2}=a^2-2$、$z^3+z^{-3}=a^3-3a$。

ここで $z^3=\cos\frac{2}{3}\pi+i\sin\frac{2}{3}\pi$ なので $z^3+z^{-3}=2\cos\frac{2}{3}\pi=-1$。よって

$$a^3-3a=-1\iff a^3-3a+1=0$$

$z^2,\ z^4$ についても $(z^2)^3+(z^2)^{-3}=2\cos\frac{4}{3}\pi=-1$、$(z^4)^3+(z^4)^{-3}=2\cos\frac{8}{3}\pi=-1$ なので、$2\cos\frac{4}{9}\pi$、$2\cos\frac{8}{9}\pi$ も解。

(2) $h(x)=x^3-3x+1$ とする。$h(\sqrt2)=1-\sqrt2\lt0$、$h(\sqrt3)=1\gt0$。$x\gt1$ で $h'(x)=3x^2-3\gt0$ なので、1より大きい解は $a$ ただ1つ。よって $\sqrt2\lt a\lt\sqrt3$、$m=2$。

(3) $h(x)=x(x^2-3)+1$ と変形。

$$h(\sqrt{2.3})=1-0.7\sqrt{2.3}\lt0\ \ (0.49\times2.3=1.127\gt1),\qquad h(\sqrt{2.4})=1-0.6\sqrt{2.4}\gt0\ \ (0.36\times2.4=0.864\lt1)$$

よって $n=23$。

(4) $b=2\cos\frac{4}{9}\pi\gt0$、$|c|=-2\cos\frac{8}{9}\pi=2\cos\frac{1}{9}\pi$。$\frac{\pi}{9}\lt\frac{2\pi}{9}\lt\frac{4\pi}{9}$ と $\cos$ の減少より $|b|\lt a\lt|c|$。

最大辺は $|c|$ である。3次方程式 $x^3-3x+1=0$ の $x^2$ の係数は $0$ なので、解と係数の関係より $a+b+c=0$。
$b\gt0$、$c\lt0$ より $a+|b|-|c|=0$、すなわち $|c|=a+|b|$。
最大辺が他の2辺の和にちょうど等しいので三角形の成立条件 $|c|\lt a+|b|$ を満たさず、三角形は存在しない(3点が一直線上に並ぶ)。

本番は「わずかに足りない」、類題は「ちょうど等号」。どちらも近似値では判定しにくく、式で決着をつける力が問われる。

(6) $|A|=1$ なので $\gamma=2\,\mathrm{Re}(B\overline{A})A-B$。$B\overline{A}=z^6\cdot z^{-3}=z^3$ で、$\mathrm{Re}(z^3)=\cos\frac{2}{3}\pi=-\frac{1}{2}$。

$$\gamma=-z^3-z^6=-(z^3+z^6)=-\left(2\cos\frac{2}{3}\pi\right)=1$$

($z^3$ と $z^6=\overline{z^3}$ は共役なので和は実数 $-1$。図でも、偏角 $\frac{4}{3}\pi$ の点を偏角 $\frac{2}{3}\pi$ の直線で折り返すと偏角 $0$ の点 $1$ になる。)

(7) 等号は $z^d=w^d$ のとき。$\frac{2\pi d}{9}-\frac{\pi d}{3}=-\frac{\pi d}{9}$ が $2\pi$ の整数倍 ⇔ $d$ は $18$ の倍数。$18\times112=2016\leqq2026\lt2034$ より $112$ 個。

🎯 類題III の答え
【あ】 $9$【い】 $\frac{2}{9}$【う】 $a^2-2$【え】 $a^3-3a$【お】 $0$【か】 $-3$【き】 $1$【く】 $\frac{4}{9}$【け】 $\frac{8}{9}$ 【こ】 $2$【さ】 $23$【し】 $|b|$【す】 $a$【せ】 $|c|$(5) 存在しない 【そ】 $-1$【た】 $-1$$\gamma=1$【ち】 $2$【つ】 $112$
類題 IV

$a$ を正の実数とし、$x\gt1$ において関数 $f(x)=\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{a}{x^3}$ を考える。

  1. 曲線 $y=f(x)$ が $x$ 軸に接するとき、$a=$【あ】であり、接点の $x$ 座標は【い】である。
  2. $a=$【あ】とする。$f(x)$ は $x=$【う】で極大値【え】をとる。方程式 $f(x)=$【え】の解は $x=$【う】と $x=$【お】である。曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=$【え】で囲まれた部分の面積は $\dfrac{\text{【か】}+\text{【き】}\sqrt{\text{【く】}}}{16}+\log\dfrac{\text{【け】}+\text{【こ】}\sqrt{\text{【く】}}}{4}$ である。ただし【か】〜【こ】は整数とする。
  3. $f(x)$ が極値をもつための必要十分条件は $a\gt$【さ】である。
  4. $\alpha=$【さ】とする。$a\gt\alpha$ のとき、$f(x)$ が極大となる $x$ を $g(a)$、方程式 $f(x)=f(g(a))$ の $g(a)$ 以外の解を $h(a)$、曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=f(g(a))$ で囲まれた部分の面積を $S(a)$ とする。
    ・$t=g(a)-2$ は4次方程式 $t^4+8t^3+\text{【し】}t^2+\text{【す】}t+\text{【せ】}=0$ を満たす。
    ・$\displaystyle\lim_{a\to\alpha+0}\frac{g(a)-2}{\sqrt{a-\alpha}}=\text{【そ】}$、$\displaystyle\lim_{a\to\alpha+0}\frac{h(a)-2}{\sqrt{a-\alpha}}=\text{【た】}$、$\displaystyle\lim_{a\to\alpha+0}\frac{S(a)}{(a-\alpha)^2}=\text{【ち】}$ である。
類題IV の解答・解説

(1) $f'(x)=-\dfrac{1}{(x-1)^2}+\dfrac{3a}{x^4}$。接する ⇔ $f=0$ かつ $f'=0$:

$$x^3=a(x-1),\qquad x^4=3a(x-1)^2\ \Longrightarrow\ x^4=3x^3(x-1)\ \Longrightarrow\ x=\frac{3}{2},\ \ a=\frac{x^3}{x-1}=\frac{27}{4}$$

(2) $f'(x)=0\iff\dfrac{x^4}{(x-1)^2}=3a=\dfrac{81}{4}\iff\dfrac{x^2}{x-1}=\dfrac{9}{2}\iff2x^2-9x+9=0$ より $x=\frac{3}{2},\ 3$。$x=\frac32$ は接点(極小)なので極大は $x=3$、極大値 $f(3)=\frac{1}{2}-\frac{1}{4}=\frac{1}{4}$。

$f(x)=\frac{1}{4}$ を整理すると $x^4-5x^3+27x-27=0$。$x=3$ が重解なので $(x-3)^2(x^2+x-3)=0$。$x\gt1$ の解は $x=\frac{-1+\sqrt{13}}{2}$。

この解を $\beta$ とすると $\beta^2=3-\beta=\frac{7-\sqrt{13}}{2}$。原始関数 $\log(x-1)+\dfrac{27}{8x^2}$ を使って

$$S=\frac{1}{4}(3-\beta)-\left[\log(x-1)+\frac{27}{8x^2}\right]_{\beta}^{3}=\frac{7-\sqrt{13}}{8}-\left(\log2+\frac{3}{8}\right)+\log\frac{\sqrt{13}-3}{2}+\frac{3(7+\sqrt{13})}{16}$$
$$S=\frac{29+\sqrt{13}}{16}+\log\frac{\sqrt{13}-3}{4}\ \ (\approx0.15)$$

(3) $3a=\varphi(x)=\dfrac{x^4}{(x-1)^2}$ と分離。$\varphi'(x)=\dfrac{2x^3(x-2)}{(x-1)^3}$ より最小値 $\varphi(2)=16$。極値をもつ ⇔ $3a\gt16$ ⇔ $a\gt\frac{16}{3}$。

(4) $f'(x)=0\iff x^4=3a(x-1)^2$。$x=2+t$ を代入して展開:

$$t^4+8t^3+(24-3a)t^2+(32-6a)t+(16-3a)=0$$

$\varepsilon=a-\frac{16}{3}$ とおくと $24-3a=8-3\varepsilon$、$32-6a=-6\varepsilon$、$16-3a=-3\varepsilon$。主要項は $8t^2-3\varepsilon\approx0$ なので $t\approx\pm\sqrt{\frac{3\varepsilon}{8}}=\pm\frac{\sqrt6}{4}\sqrt\varepsilon$。極大点は大きい方。

$x=2$ の近くで $x^4(x-1)^2\approx16$ なので、$k=\frac{\sqrt6}{4}\sqrt\varepsilon$ として $f'(2+t)\approx\frac{1}{2}(k^2-t^2)$。これを積分して

$$f(2+t)-f(2+k)\approx-\frac{1}{6}(t-k)^2(t+2k)$$

もう1つの交点は $t=-2k$。面積は $\displaystyle S\approx\frac{1}{6}\cdot\frac{(3k)^4}{12}=\frac{9k^4}{8}=\frac{9}{8}\cdot\frac{9\varepsilon^2}{64}=\frac{81}{512}\varepsilon^2$。

本番と同じく、極値の近くで関数が3次関数のようにふるまうことが核心。違うのは境目の点(本番は $x=3$、類題は $x=2$)と係数だけ。

🎯 類題IV の答え
【あ】 $\frac{27}{4}$【い】 $\frac{3}{2}$【う】 $3$【え】 $\frac{1}{4}$【お】 $\frac{-1+\sqrt{13}}{2}$ 【か】 $29$【き】 $1$【く】 $13$【け】 $-3$【こ】 $1$ 【さ】 $\frac{16}{3}$【し】 $24-3a$【す】 $32-6a$【せ】 $16-3a$ 【そ】 $\frac{\sqrt6}{4}$【た】 $-\frac{\sqrt6}{2}$【ち】 $\frac{81}{512}$
CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを100分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

大問I(小問集合)
大問II(確率漸化式)
大問III(1の n 乗根)
大問IV(分数関数)
FOR PARENTS

保護者の方へ:慶應数学で知っておきたい3つのこと

① 差がつくのは「計算量」
奇抜なひらめきより、長い計算を時間内にミスなく終える力が問われます。
② 論述は「根拠の書き方」
答えが合っていても、近似値だけの説明は減点されやすい。答案の書き方は独学で直しにくい部分です。
③ 秋からは「答案を見てもらう」
時間配分や捨て問判断の癖は本人には見えにくいもの。第三者の目が最短ルートです。
FAQ

よくある質問

Q. 2026年度は、どの大問から解くべき?

TMPSのおすすめは I → II → III → IVの(3)まで → 見直し → IVの(4) の順です。小問集合の大問Iを確実に取り切り、最後の極限は時間が残ったときだけ挑戦します。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を求めるか・答え方をTMPSの言葉で説明しています。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2026年度と同じ4大問・同じ小問構成で、数値や設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の解答・解説をこのページに掲載しています。本番の出題イメージをつかみながら、初見の問題として演習できます。

Q. 独学で慶應医学部の数学に間に合いますか?

可能ですが、慶應は計算量と時間配分で差がつくため、自分の答案のどこで時間を失っているかを第三者に見てもらうと伸びが速くなります。TMPS医学館では無料の学習相談で答案の診断を行っています。

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