TMPS医学館 2025入試徹底解剖 Sora先生 & ニックニ先生

藤田医科大学 医学部 物理(2025年度)全問題・超図解解説

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理系担当 Sora先生
赤本キラー!途中式・図解100%網羅 Sora先生 ✕ ニックニ先生 徹底解説

「これより〜となる」の省略はゼロ!藤田医科大学(2025年度)物理をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系担当Sora(ソラ)先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、藤田医科大学(2025年度)の物理について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

まずは自分の答えと照らし合わせよう!

第1問:剛体のつりあいと転倒条件 解説へ ↓

  • 問1: $Mg + m_1 g \cos\theta_1 + m_2 g \cos\theta_2$
  • 問2: $m_2 g \sin\theta_2 - m_1 g \sin\theta_1$
  • 問3: $m_1 g (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$
  • 問4: $m_{\mathrm{th}} = \dfrac{M d + 2 m_1 (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)}{2 H \sin\theta_2}$

第2問:ニュートンリングと凹凸レンズ 解説へ ↓

  • 問1: $d = \dfrac{x^2}{2R}$
  • 問2: $x = \sqrt{\left(m - \dfrac{1}{2}\right) R \lambda}$
  • 問3: 暗い(光路差 $0$ で反射による位相のずれが $\pi$ のため)
  • 問4: 明環の半径が小さくなり(中心O側へ移動し)、間隔が狭くなる。(※かつ明暗の条件が逆転し $x=\sqrt{\frac{mR\lambda}{n_1}}$ の位置に明環が移る)
  • 問5: $d' = \dfrac{x^2}{2} \left(\dfrac{1}{R} - \dfrac{1}{R_0}\right)$ (または $\dfrac{(R_0 - R)x^2}{2 R R_0}$)
  • 問6: $\dfrac{2 L^2}{2 L^2 + R_0 \lambda} < \dfrac{R}{R_0} \leqq \dfrac{2 L^2}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda}$ ...ではなく大小関係に注意:
    正しくは $\dfrac{2 L^2}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda} \leqq \dfrac{R}{R_0} < \dfrac{2 L^2}{2 L^2 + R_0 \lambda}$
  • 問7: $3.0 \times 10^{-4}\text{ m}$ (または $0.30\text{ mm}$)

第3問:荷電粒子の加速と磁場中の円運動 解説へ ↓

  • 問1: $\sqrt{2 m e V}$
  • 問2: $d \sqrt{\dfrac{2 m}{e V}}$
  • 問3: $B_1 = \dfrac{2}{L} \sqrt{\dfrac{2 m V}{e}}$ 、向き:$z$ 軸の正の向き(紙面裏から表向き)
  • 問4: $x$ 成分:$\dfrac{2 \sqrt{3} e V}{L}$ 、 $y$ 成分:$-\dfrac{2 e V}{L}$
  • 問5: $\dfrac{\pi L}{2} \sqrt{\dfrac{m}{2 e V}}$
  • 問6: $\dfrac{e V}{d} \Delta t$
  • 問7: $\dfrac{2 e V (\Delta t)^2}{\pi d L} T$

第4問:2球の落下と空中衝突(すっとびボール) 解説へ ↓

  • 問1: $\sqrt{\dfrac{2 H}{g}}$
  • 問2: $e \sqrt{2 g H}$
  • 問3: $h$
  • 問4: $\dfrac{h}{e \sqrt{2 g H}}$
  • 問5: $h - \dfrac{h^2}{4 e^2 H}$
  • 問6: $\dfrac{1}{2} \sqrt{\dfrac{h}{H}} < e \leqq 1$
  • 問7: 小球P:$\sqrt{2 g H} \left(1 + \dfrac{h}{2 e H}\right)$ 、小球Q:$\left|e \sqrt{2 g H} - \dfrac{h}{e}\sqrt{\dfrac{g}{2H}}\right| = \sqrt{2 g H} \left|e - \dfrac{h}{2 e H}\right|$
  • 問8: 小球P:$\dfrac{(1+e)M e + (e - e^2)m \text{ ...ではなく向きの整理後:}}{\dots}$
    正しくは 小球P:$\left|\dfrac{M(1+e+e^2) - m}{M + m}\right| \sqrt{2 g H}$ 、小球Q:$\left|\dfrac{(M - m e)e - m(1+e)}{M + m}\right|\sqrt{2 g H}$
  • 問9: $Y_{\max} = \left\{ \dfrac{M(1 + e + e^2) - m}{M + m} \right\}^2 H$
  • 問10: $Y_{\max} = \left(\dfrac{3x - 1}{x + 1}\right)^2 H$ のグラフ($x=0$ で $H$、$x=\frac{1}{3}$ で $0$、$x=1$ で $H$、$x=3$ で $4H$ を通る曲線)
第1問

力学:剛体(直方体)のつりあいと転倒条件

Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

第1問はウォームアップにぴったりの「剛体のつりあい」だよ!
最大の注意点はたった1つ、「角度 $\theta_1, \theta_2$ が『鉛直方向』となす角として定義されていること」!いつものクセで「水平が $\cos$、鉛直が $\sin$」とやってしまうと問1から全滅しちゃうから、必ず図に直角三角形を描いて分解しようね。目標解答時間は12分!ここを満点で通過すると一気に合格が近づくよ!

【問題設定の確認】

両端に軽くてなめらかな滑車がついた水平であらい台の上に、幅が $d$ で高さが $H$ の密度が一様な直方体ABCD(質量 $M$)を置く。点Aにひも1をつけ、滑車1にかけて質量 $m_1$ のおもり1を鉛直につり下げる。同様に、点Bにひも2をつけ、滑車2にかけて質量 $m_2$($m_2 > m_1$)のおもり2を鉛直につり下げる。
ひも1、ひも2が鉛直方向となす角度を各々 $\theta_1, \theta_2$($\theta_2 > \theta_1$)、重力加速度の大きさを $g$ とする。台と直方体の間の摩擦は十分に大きい。

【図解】直方体ABCDにはたらくすべての力と角度の分解

あらい水平な台(固定) 滑車2 滑車1 B A C D d H おもり2 (m₂) おもり1 (m₁) T₂ = m₂g m₂g sinθ₂ m₂g cosθ₂ θ₂ T₁ = m₁g m₁g sinθ₁ m₁g cosθ₁ θ₁ Mg N 摩擦力 f
問1 全体を静止させてから静かに手をはなすと直方体は台の上で静止した。直方体が台から受ける垂直抗力の大きさを求めよ。

Step 12本のひもの張力 $T_1, T_2$ を求める

おもり1(質量 $m_1$)とおもり2(質量 $m_2$)はそれぞれ空中で静止しているので、各おもりにはたらく「上向きの張力」と「下向きの重力」がつりあっています。
ひも1の張力の大きさを $T_1$、ひも2の張力の大きさを $T_2$ とすると、 $$T_1 = m_1 g, \quad T_2 = m_2 g$$ となります。

Step 2張力を水平方向と鉛直方向に分解する(★最重要!)

上の図を見てください。角度 $\theta_1, \theta_2$ は「鉛直方向(縦の辺BC、AD)」となす角です!
したがって、直角三角形の三角比より、各張力の成分は次のようになります。

  • 点Aにはたらく張力 $T_1$:右向きに $T_1 \sin\theta_1 = m_1 g \sin\theta_1$、下向きに $T_1 \cos\theta_1 = m_1 g \cos\theta_1$
  • 点Bにはたらく張力 $T_2$:左向きに $T_2 \sin\theta_2 = m_2 g \sin\theta_2$、下向きに $T_2 \cos\theta_2 = m_2 g \cos\theta_2$

Step 3直方体にはたらく鉛直方向の力のつりあい

直方体が台から受ける鉛直上向きの垂直抗力の大きさを $N$ とすると、直方体を下向きに押す力は「直方体自身の重力 $Mg$」と「2本のひもが斜め下に引く力の鉛直成分 $m_1 g \cos\theta_1, m_2 g \cos\theta_2$」の合計3つです。
鉛直方向の力のつりあい(上向きの力の和 = 下向きの力の和)より、 $$N = Mg + m_1 g \cos\theta_1 + m_2 g \cos\theta_2$$

【問1の解答】 $Mg + m_1 g \cos\theta_1 + m_2 g \cos\theta_2$ (または $(M + m_1 \cos\theta_1 + m_2 \cos\theta_2)g$)
問2 直方体が台から受ける静止摩擦力の大きさを求めよ。

Step 1左右どちらのひもが強く引いているか(大小関係)を確認する

問題文の条件より、$m_2 > m_1$ かつ $\theta_2 > \theta_1$(いずれも鋭角 $0 < \theta_1 < \theta_2 < 90^\circ$)です。
$0 < \theta_1 < \theta_2 < 90^\circ$ のとき $\sin\theta_2 > \sin\theta_1 > 0$ であり、さらに $m_2 > m_1 > 0$ ですから、2つの正の数の積を比べると確実に $$m_2 g \sin\theta_2 > m_1 g \sin\theta_1$$ が成り立ちます。つまり、ひもが引く水平成分は左向き($m_2 g \sin\theta_2$)の方が右向き($m_1 g \sin\theta_1$)より大きいため、直方体は左へすべろうとします。

Step 2水平方向の力のつりあい

これを妨げるため、台から直方体には右向きに静止摩擦力 $f$($f > 0$)がはたらきます。
水平方向の力のつりあい(右向きの力の和 = 左向きの力の和)より、 $$f + m_1 g \sin\theta_1 = m_2 g \sin\theta_2$$ $$f = m_2 g \sin\theta_2 - m_1 g \sin\theta_1$$ 問われているのは「大きさ(正の値)」なので、必ず大きい方の $m_2 g \sin\theta_2$ から小さい方の $m_1 g \sin\theta_1$ を引いた形で答えます。

【問2の解答】 $m_2 g \sin\theta_2 - m_1 g \sin\theta_1$ (または $(m_2 \sin\theta_2 - m_1 \sin\theta_1)g$)
問3 直方体に対して、ひも1が与える点Cのまわりの力のモーメントの大きさを求めよ。

Step 1力を水平・鉛直に分解して「うでの長さ」を掛け合わせる

斜めの力 $T_1 = m_1 g$ のまま点Cからの垂線の長さを求めるよりも、点Aにはたらく力を「水平成分」と「鉛直成分」に分解して、それぞれの作用線までの距離(うでの長さ)を掛けるのが一番確実でミスがありません!

👨‍🏫 ニックニ先生の「モーメント計算」鉄則メモ

点C(左下のかど)を回転軸(原点)としたとき、点A(右上のかど)は右に $d$、上に $H$ だけ離れた位置にあります。
・点Aで右向きにはたらく力 $m_1 g \sin\theta_1$:作用線は高さ $H$ の水平線なので、点Cからのうでの長さは $H$(時計回り)。
・点Aで下向きにはたらく力 $m_1 g \cos\theta_1$:作用線は点Cから右に $d$ 離れた鉛直線ADなので、点Cからのうでの長さは $d$(これも時計回り!)。

Step 22つの成分のモーメントを足し合わせる

右向きの成分 $m_1 g \sin\theta_1$ も、下向きの成分 $m_1 g \cos\theta_1$ も、どちらも点Cのまわりに直方体を同じ向き(時計回り)に回そうとします。
よって、ひも1が点Cのまわりに与える力のモーメントの大きさ $M_1$ は、2つのモーメントの和となり、 $$M_1 = (m_1 g \sin\theta_1) \times H + (m_1 g \cos\theta_1) \times d = m_1 g (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$$

【問3の解答】 $m_1 g (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$
問4 おもり2をより質量の大きなおもり3に付け替えてから静かに手をはなしたところ、おもり3の質量が $m_{\mathrm{th}}$ より大きいとき、台に対してすべることなく直方体が左側(滑車2側)に倒れた。また、おもり3の質量が $m_{\mathrm{th}}$ より小さいとき、直方体は倒れなかった。$m_{\mathrm{th}}$ を求めよ。

Step 1「左側に倒れる直前(限界状態)」で何が起きているか?

直方体が左側(滑車2側)にゴロンと倒れ始めるとき、直方体の底面CDは左下のかど「点C」だけを支点として台に接し、他の部分は台から浮き上がろうとします。
したがって、倒れるか倒れないかの境界である質量 $m_{\mathrm{th}}$ のときには、台から受ける垂直抗力 $N$ と静止摩擦力 $f$ の作用点がすべて「点C」に集中します!

Step 2点Cのまわりの力のモーメントのつりあいを立てる

点Cを回転の中心にとると、作用点が点Cにある以下3つの力はすべて「うでの長さが $0$」となり、モーメントが $0$ になります!

  • 垂直抗力 $N$(点Cにはたらくのでモーメント $0$)
  • 静止摩擦力 $f$(点Cにはたらくのでモーメント $0$)
  • ひも2の張力の鉛直下向き成分 $m_{\mathrm{th}} g \cos\theta_2$(点Bにはたらくが、作用線が直線BC上で点Cを貫くのでうでの長さが $0$!)

残る力で、点Cのまわりに反時計回り(左側に倒す向き)のモーメントをつくるのは、点Bにはたらくひも2の張力の水平左向き成分 $m_{\mathrm{th}} g \sin\theta_2$(うでの長さ $H$)だけです。
一方、点Cのまわりに時計回り(倒れるのを防ぐ向き)のモーメントをつくるのは、次の2つです。

  1. 直方体の重力 $Mg$:密度が一様なので重心は真ん中にあり、点Cから水平に $\dfrac{d}{2}$ 離れているため、モーメントは $Mg \times \dfrac{d}{2}$
  2. ひも1の張力によるモーメント:問3で求めた $m_1 g (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$

Step 3つりあいの式を $m_{\mathrm{th}}$ について解く

左側に倒れる限界(おもり3の質量が $m_{\mathrm{th}}$ のとき)において、点Cのまわりのモーメントのつりあい(反時計回り = 時計回り)を立てると、 $$(m_{\mathrm{th}} g \sin\theta_2) \cdot H = Mg \cdot \frac{d}{2} + m_1 g (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$$ 両辺を $g$ で割り、さらに両辺を $2$ 倍して分数を払うと、 $$2 m_{\mathrm{th}} H \sin\theta_2 = M d + 2 m_1 (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)$$ よって、両辺を $2 H \sin\theta_2$ で割れば $m_{\mathrm{th}}$ が求まります! $$m_{\mathrm{th}} = \frac{M d + 2 m_1 (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)}{2 H \sin\theta_2}$$

【問4の解答】 $m_{\mathrm{th}} = \dfrac{M d + 2 m_1 (H \sin\theta_1 + d \cos\theta_1)}{2 H \sin\theta_2}$
第2問

波動(光波):ニュートンリングと平凹レンズ上の干渉

Sora先生
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第2問は定番の「ニュートンリング」!前半(問1〜問4)は教科書の基本そのままだけど、問4の「屈折率 $n_1 > n$ の液体で満たす」というひっかけには要注意!レンズより屈折率が大きい液体を入れると、反射の位相条件がどう変わるか丁寧にチェックしよう。
後半(問5〜問7)は下のガラス板を「球面半径 $R_0$ の凹レンズ」に変えた応用問題だけど、「空気層の厚さ $d' = d_{\text{凸}} - d_{\text{凹}}$(引き算するだけ!)」と気づけば一瞬で解けるよ!目標は15分!

【前半(問1〜問4)の問題設定】

図1のように、平面ガラスの上に球面半径が $R$ の平凸レンズの凸面を下にして置く。上方からレンズの平面に垂直に波長 $\lambda$ の単色光をあて、上方から観測する。接点をOとし、中心軸から距離 $x$ の点Pでの空気層の厚さを $d$ とする。平面ガラスとレンズの屈折率は共に $n$ であり、空気の屈折率を $1$ とする。$d$ は $R$ に比べて十分に小さいとし、近似式 $(1+a)^k \fallingdotseq 1 + ka$($|a| \ll 1$)を用いてよい。

【図1】平凸レンズと平面ガラス(問1〜問4)

中心軸 (球心 C) 平面ガラス (屈折率 n) R x R - d O P d

【図2】平凸レンズ(半径 R)と平凹レンズ(半径 R₀)

中心軸 平凹レンズ (半径 R₀, 屈折率 n) 平凸レンズ (半径 R) O x d' L
問1 距離 $d$ を $R$ と $x$ を用いて表せ。

Step 1三平方の定理を立てる

図1の赤い直角三角形(斜辺が球面半径 $R$、底辺が $x$、縦の辺が $R - d$)に注目します。三平方の定理より、 $$R^2 = x^2 + (R - d)^2$$

Step 2近似を用いて $d$ を求める(2通りの方法どちらもOK!)

【方法A:展開して $d^2 \fallingdotseq 0$ とする方法】
右辺を展開すると $R^2 = x^2 + R^2 - 2Rd + d^2$ となり、両辺の $R^2$ を消去して整理すると、 $$2Rd - d^2 = x^2 \quad \Longleftrightarrow \quad 2Rd \left(1 - \frac{d}{2R}\right) = x^2$$ ここで条件「$d$ は $R$ に比べて十分に小さい($d \ll R$)」より $\dfrac{d}{2R}$ は $1$ に比べて無視できる(すなわち $d^2 \fallingdotseq 0$)ので、$2Rd \fallingdotseq x^2$ より $d = \dfrac{x^2}{2R}$ となります。
【方法B:問題文の近似式 $(1+a)^k \fallingdotseq 1+ka$ を使う方法】
$(R - d)^2 = R^2 - x^2$ の両辺の正の平方根をとると、 $$R - d = \sqrt{R^2 - x^2} = R \left(1 - \frac{x^2}{R^2}\right)^{\frac{1}{2}}$$ ここで $a = -\dfrac{x^2}{R^2}, \ k = \dfrac{1}{2}$ として近似式 $(1+a)^k \fallingdotseq 1+ka$ を適用すると、 $$R - d \fallingdotseq R \left(1 - \frac{x^2}{2R^2}\right) = R - \frac{x^2}{2R} \quad \therefore \ d = \frac{x^2}{2R}$$

【問1の解答】 $d = \dfrac{x^2}{2R}$
問2 点Pに中心から $m$ 番目の明環ができるとき、$x$ を $R, \lambda, m$ を用いて表せ。ただし、$m = 1, 2, 3, \cdots$ である。

Step 12つの反射光の「光路差」と「反射による位相のずれ」を確認する

上方から観測するとき、干渉する2つの光は次の通りです。

  • 光①(平凸レンズの下面で反射する光):屈折率 $n$(大)のレンズから屈折率 $1$(小)の空気へ向かう境界面での反射なので、自由端反射(位相は変化しない:$0$)。
  • 光②(平面ガラスの上面で反射する光):屈折率 $1$(小)の空気から屈折率 $n$(大)の平面ガラスへ向かう境界面での反射なので、固定端反射(位相が $\pi$ ずれる=半波長 $\dfrac{\lambda}{2}$ ずれる)。

Step 2強めあいの条件(明環の条件)を立てて $x$ を求める

空気層(屈折率 $1$、厚さ $d$)を往復する光路差は $2 \times 1 \times d = 2d$ です。
片方の反射だけで位相が $\pi$ ずれているため、強めあって明環となる条件は「光路差 $2d$ が半波長 $\dfrac{\lambda}{2}$ の奇数倍」になるときです。ここで、中心から $1$ 番目($m=1$)の明環が最も内側の $2d = \dfrac{1}{2}\lambda$ に対応するため、自然数 $m = 1, 2, 3, \cdots$ を用いて、 $$2d = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda$$ ここに問1の結果 $d = \dfrac{x^2}{2R}$ を代入すると、 $$2 \cdot \frac{x^2}{2R} = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda \quad \Longleftrightarrow \quad \frac{x^2}{R} = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda$$ $x > 0$ より、両辺に $R$ を掛けて正の平方根をとると、 $$x = \sqrt{\left(m - \frac{1}{2}\right) R \lambda}$$

【問2の解答】 $x = \sqrt{\left(m - \dfrac{1}{2}\right) R \lambda}$ (または $\sqrt{\dfrac{(2m-1)R\lambda}{2}}$)
問3 点Oの近くは明るいか暗いか。解答欄の選択肢の正しいものを○で囲め。

接点O($x = 0$)の近くでは空気層の厚さが $d \fallingdotseq 0$ なので、往復の光路差も $2d \fallingdotseq 0$ です。
しかし、問2で確認した通り、レンズ下面での反射(位相のずれ $0$)と平面ガラス上面での反射(位相のずれ $\pi$)で反射による位相がちょうど逆位相($\pi$ ずれ)になっているため、2つの反射光は打ち消しあい、点Oの近くは暗い(暗斑になる)と分かります。

【問3の解答】 暗い
問4 平面ガラスとレンズの間を屈折率 $n_1$($n_1 > n$)の透明な液体で満たすと明環の位置はどのように変化するか簡単に述べよ。

Step 1【超重要!】屈折率の大小関係 $n_1 > n$ による反射の位相変化をチェック

ガラスとレンズの屈折率はともに $n$ であり、間を満たす液体の屈折率は $n_1 > n$(ガラスよりも屈折率が大きい!)です。すると2つの境界面での反射がどうなるか見てみましょう。

  • レンズ下面での反射:屈折率 $n$(小)のレンズから屈折率 $n_1$(大)の液体へ向かう反射になるため、固定端反射(位相が $\pi$ ずれる)に変わります!
  • 平面ガラス上面での反射:屈折率 $n_1$(大)の液体から屈折率 $n$(小)の平面ガラスへ向かう反射になるため、自由端反射(位相は変化しない:$0$)に変わります!

なんと、「上が固定端・下が自由端」に入れ替わるため、「片方だけ位相が $\pi$ ずれる」という合計の位相差は空気のときと全く同じ(明暗は逆転しない!)なのです!ここが $n < n_{\text{液}} < n_{\text{ガラス}}$ の問題との最大の違いです。

Step 2液体中の波長と光路差から明環の位置 $x'$ を求める

屈折率 $n_1$($n_1 > n > 1$)の液体中では、光の波長が $\lambda' = \dfrac{\lambda}{n_1}$ に短くなります(あるいは光路差が $2 n_1 d$ になります)。
したがって、中心から $m$ 番目の明環の条件式は、 $$2 n_1 d = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda \quad \Longleftrightarrow \quad x' = \sqrt{\left(m - \frac{1}{2}\right) \frac{R \lambda}{n_1}} = \frac{1}{\sqrt{n_1}} x$$ となります。$n_1 > 1$ より $\dfrac{1}{\sqrt{n_1}} < 1$ ですから、各明環の半径は元の $\dfrac{1}{\sqrt{n_1}}$ 倍に小さくなり(中心Oに向かって内側に移動し)、明環どうしの間隔も狭くなります。

【問4の解答】 明環の半径が(元の $\dfrac{1}{\sqrt{n_1}}$ 倍に)小さくなり、中心(点O)に近づく(明環の間隔が狭くなる)。

【後半(問5〜問7)の問題設定】

平面ガラスの代わりに、球面半径 $R_0$ の平凹レンズを凹面を上にして水平におき、その上に球面半径 $R$($R < R_0$)の平凸レンズの凸面を下にしてのせる(図2)。互いの中心軸は一致し、接点を点Oとする。
上方から波長 $\lambda$ の単色光をあてて観測したところ、点Oから距離 $L$ より内側に明環が1つだけ現れ、中心から2番目の明環は観測されなかった。

問5 中心軸から距離 $x$ の位置での、空気の層の中心軸に平行な向きの厚さ $d'$ を $R, R_0, x$ を用いて表せ。

Step 1点Oを通る水平面を基準にして「引き算」するだけ!

図2を見てください。接点Oを通る水平面(元の平面ガラスの上面と同じ高さの面)を基準にすると、中心軸から距離 $x$ の位置において、

  • 上の平凸レンズ(球面半径 $R$)の凸面が、基準水平面から浮き上がっている高さ $d_{\text{凸}}$ は、問1より $d_{\text{凸}} = \dfrac{x^2}{2R}$
  • 下の平凹レンズ(球面半径 $R_0$)の凹面が、基準水平面から浮き上がっている高さ $d_{\text{凹}}$ は、全く同じ式で $R$ を $R_0$ に変えた $d_{\text{凹}} = \dfrac{x^2}{2R_0}$

ここで $R < R_0$ より $\dfrac{1}{R} > \dfrac{1}{R_0}$ なので、上の凸面の方が急カーブで高く浮き上がっています($d_{\text{凸}} > d_{\text{凹}}$)。
したがって、2つのレンズの間の空気層の厚さ $d'$ は、この2つの高さの差 $d_{\text{凸}} - d_{\text{凹}}$ です! $$d' = d_{\text{凸}} - d_{\text{凹}} = \frac{x^2}{2R} - \frac{x^2}{2R_0} = \frac{x^2}{2}\left(\frac{1}{R} - \frac{1}{R_0}\right)$$

【問5の解答】 $d' = \dfrac{x^2}{2}\left(\dfrac{1}{R} - \dfrac{1}{R_0}\right)$ (または $\dfrac{(R_0 - R)x^2}{2 R R_0}$)
問6 観測された明環の本数から半径 $R$ と $R_0$ の比 $\dfrac{R}{R_0}$ の範囲を求め、$R_0, \lambda, L$ を用いて表せ。

Step 1図2での $m$ 番目の明環の半径 $x_m$ を求める

図2における明環の強めあいの条件は、問2の $d$ を $d'$ に置き換えた $2 d' = \left(m - \dfrac{1}{2}\right)\lambda$ です。
問5の $d'$ を代入すると、 $$2 \cdot \frac{x_m^2}{2}\left(\frac{1}{R} - \frac{1}{R_0}\right) = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda \quad \Longleftrightarrow \quad x_m^2 \left(\frac{1}{R} - \frac{1}{R_0}\right) = \left(m - \frac{1}{2}\right)\lambda$$ ここで求めたいのは比 $\dfrac{R}{R_0}$ ですから、左辺の括弧の中を $\dfrac{1}{R_0}$ でくくっておくと計算がとてもラクになります!
ただし $\dfrac{R}{R_0}$ が1箇所だけに現れるように、両辺に $R$ を掛けて $\dfrac{R}{R_0}$ の形をつくりましょう。 $$x_m^2 \left(1 - \frac{R}{R_0}\right) = \left(m - \frac{1}{2}\right) R \lambda$$ あれ、これだと右辺に $R$ が残ってしまいますね!問題文には「$R_0, \lambda, L$ を用いて表せ($R$ は使えない!)」とあります。そこで、$\dfrac{1}{R} - \dfrac{1}{R_0}$ をまず計算してから逆数をとる方針で進めましょう!

Step 2「距離 $L$ より内側に明環が1つだけ現れる」条件を不等式にする

「点Oから距離 $L$ より内側に1番目($m=1$)の明環が現れ、2番目($m=2$)の明環は観測されなかった」ということは、1番目の明環の半径 $x_1$ と2番目の明環の半径 $x_2$ が、 $$x_1 < L \leqq x_2 \quad \Longleftrightarrow \quad x_1^2 < L^2 \leqq x_2^2$$ を満たすということです(※「距離 $L$ より内側」= $x < L$ なので、$x_2 = L$ のときは「$L$ より内側」には入らず観測されないため $L \leqq x_2$ となります)。

Step 3不等式を $\dfrac{R}{R_0}$ について解く

$x_m^2 \left(\dfrac{R_0 - R}{R R_0}\right) = \left(m - \dfrac{1}{2}\right)\lambda$ より、 $$x_1^2 = \frac{\frac{1}{2}\lambda}{\frac{R_0 - R}{R R_0}}, \quad x_2^2 = \frac{\frac{3}{2}\lambda}{\frac{R_0 - R}{R R_0}}$$ これを $x_1^2 < L^2 \leqq x_2^2$ に代入し、全辺に正の値 $\dfrac{R_0 - R}{R R_0}$ を掛けて $L^2$ で割ると、 $$\frac{\lambda}{2 L^2} < \frac{R_0 - R}{R R_0} \leqq \frac{3 \lambda}{2 L^2}$$ 真ん中の項は $\dfrac{R_0 - R}{R R_0} = \dfrac{1}{R} - \dfrac{1}{R_0}$ ですから、全辺に $R_0$ を掛けると、 $$\frac{R_0 \lambda}{2 L^2} < \frac{R_0}{R} - 1 \leqq \frac{3 R_0 \lambda}{2 L^2}$$ 全辺に $1$ を足して通分すると、 $$1 + \frac{R_0 \lambda}{2 L^2} < \frac{R_0}{R} \leqq 1 + \frac{3 R_0 \lambda}{2 L^2} \quad \Longleftrightarrow \quad \frac{2 L^2 + R_0 \lambda}{2 L^2} < \frac{R_0}{R} \leqq \frac{2 L^2 + 3 R_0 \lambda}{2 L^2}$$ 全辺が正なので、逆数をとると不等号の向きが逆転し、求める $\dfrac{R}{R_0}$ の範囲が得られます! $$\frac{2 L^2}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda} \leqq \frac{R}{R_0} < \frac{2 L^2}{2 L^2 + R_0 \lambda}$$

【問6の解答】 $\dfrac{2 L^2}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda} \leqq \dfrac{R}{R_0} < \dfrac{2 L^2}{2 L^2 + R_0 \lambda}$
問7 $R_0 = 1.0\text{ m}$、$L = 5.0\text{ cm}$、$\lambda = 500\text{ nm}$ として $\Delta R = |R_0 - R|$ の範囲の上限値を有効数字2桁で求めよ。

Step 1$\Delta R = R_0 - R$ の上限値を与える式をつくる

$R < R_0$ より $\Delta R = |R_0 - R| = R_0 - R$ です。
問6の最後の一歩手前の式: $$1 - \frac{2 L^2}{2 L^2 + R_0 \lambda} < 1 - \frac{R}{R_0} \leqq 1 - \frac{2 L^2}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda}$$ より、真ん中の項は $1 - \dfrac{R}{R_0} = \dfrac{R_0 - R}{R_0} = \dfrac{\Delta R}{R_0}$ ですから、その上限値(最大値)は右辺から決まり、 $$\frac{\Delta R}{R_0} \leqq \frac{3 R_0 \lambda}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda} \quad \Longleftrightarrow \quad \Delta R \leqq \frac{3 R_0^2 \lambda}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda}$$ (※あるいは $R \fallingdotseq R_0$ の近似のもとでは $\dfrac{\Delta R}{R_0^2} \fallingdotseq \dfrac{R_0 - R}{R R_0} \leqq \dfrac{3\lambda}{2L^2}$ より $\Delta R \leqq \dfrac{3 R_0^2 \lambda}{2 L^2}$ としても有効数字2桁では全く同じ値になります!)

Step 2単位をすべて $\text{m}$(メートル)に揃えて数値計算する

  • $R_0 = 1.0\text{ m}$
  • $L = 5.0\text{ cm} = 5.0 \times 10^{-2}\text{ m} \implies 2 L^2 = 2 \times (5.0 \times 10^{-2})^2 = 2 \times 25 \times 10^{-4} = 5.0 \times 10^{-3}\text{ m}^2$
  • $\lambda = 500\text{ nm} = 500 \times 10^{-9}\text{ m} = 5.0 \times 10^{-7}\text{ m} \implies 3 R_0 \lambda = 3 \times 1.0 \times 5.0 \times 10^{-7} = 1.5 \times 10^{-6}\text{ m}^2$

ここで分母の $2 L^2 = 5.0 \times 10^{-3}$ に対して $3 R_0 \lambda = 1.5 \times 10^{-6}$ は $1000$ 分の $1$ 以下なので無視でき、 $$\Delta R_{\text{上限}} = \frac{3 R_0^2 \lambda}{2 L^2 + 3 R_0 \lambda} \fallingdotseq \frac{3 \times 1.0^2 \times 5.0 \times 10^{-7}}{5.0 \times 10^{-3}} = \frac{1.5 \times 10^{-6}}{5.0 \times 10^{-3}} = 3.0 \times 10^{-4}\text{ m}$$

【問7の解答】 $3.0 \times 10^{-4}\text{ m}$ (または $0.30\text{ mm}$)
第3問

電磁気:荷電粒子の電場による加速と磁場中の運動(質量分析器)

Sora先生
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第3問の[A]は超王道の「電場で加速 $\to$ 磁場で半円を描いて検出」だけど、問4の「$x = 0.25L$ でのローレンツ力の成分」で手が止まった受験生が続出したよ!円軌道の中心が $\left(\dfrac{L}{2}, 0\right)$ だから、$x = \dfrac{L}{4}$ は中心から左に $\dfrac{L}{4}$(=半径の半分!)の位置。つまり$30^\circ, 60^\circ, 90^\circ$ の直角三角形が隠れているんだ!
さらに後半[B]は「スイッチを $\Delta t$ だけ閉じて途中から等速で進入させる」という面白い設定。「力積と運動量」を使えば1行で突破できるよ!目標は16分!

【[A](問1〜問5)の問題設定】

極板間の距離が $d$ の平行平板極板があり、起電力 $V$ の電源とスイッチがつながれている。極板Iの穴の位置を原点 $(0, 0)$ とし、右向きに $x$ 軸、上向きに $y$ 軸、紙面奥から手前に向かう向きに $z$ 軸をとる。$y > 0$ の領域に一様な磁場(磁束密度の大きさ $B$)がかけられている。
$y = -d$ にある極板IIの穴から電荷 $e$($e > 0$)、質量 $m$ の荷電粒子を初速度 $0$ で放出する。スイッチを閉じたまま $B$ を $0$ から徐々に大きくしていくと、$B = B_1$ の時に初めて点 $(L, 0)$ の検出器で荷電粒子が検出された。

【図解】磁場領域(y > 0)での半円軌道と x = 0.25L でのローレンツ力の向き

磁場 B₁ (z軸正:手前向き ⊙) x y 極板 I 極板 II 距離 d O(0,0) 中心 C (0.5L, 0) 検出器 (L, 0) x = 0.25L 0.25L (= r/2) r = 0.5L 60° 30° 点P 向心力 F
問1 $y > 0$ の領域に進入する瞬間の荷電粒子の運動量の大きさを $e, m, V$ を用いて表せ。

Step 1エネルギー保存則(仕事と運動エネルギーの関係)を立てる

極板II($y = -d$)から極板I($y = 0$)まで、電荷 $e$ の荷電粒子は電位差 $V$ で加速されます。
$y > 0$ の領域に進入する瞬間の速さを $v_0$ とすると、初速度が $0$ であることから、電場がした仕事 $eV$ がそのまま運動エネルギーになるため、 $$\frac{1}{2} m v_0^2 = e V \quad \Longleftrightarrow \quad v_0 = \sqrt{\frac{2 e V}{m}}$$

Step 2運動量の大きさ $p = m v_0$ を求める

求める運動量の大きさ $p$ は、 $$p = m v_0 = m \sqrt{\frac{2 e V}{m}} = \sqrt{2 m e V}$$

【問1の解答】 $\sqrt{2 m e V}$
問2 荷電粒子が極板IIから極板Iに達するまでにかかる時間を $d, e, m, V$ を用いて表せ。

Step 1極板間の等加速度直線運動から時間を求める(平均の速さを使うと1秒!)

極板間には一様な電場 $E = \dfrac{V}{d}$ がかかっており、荷電粒子は一定の加速度 $a = \dfrac{e E}{m} = \dfrac{e V}{m d}$ で等加速度直線運動をします。
初速度 $0$ から速さ $v_0 = \sqrt{\dfrac{2 e V}{m}}$ まで一定の割合で加速して距離 $d$ を進むので、平均の速さ $\bar{v} = \dfrac{0 + v_0}{2} = \dfrac{v_0}{2}$ を使えば、かかる時間 $t_0$ は一瞬で求まります! $$d = \frac{v_0}{2} t_0 \quad \Longleftrightarrow \quad t_0 = \frac{2 d}{v_0} = \frac{2 d}{\sqrt{\frac{2 e V}{m}}} = d \sqrt{\frac{2 m}{e V}}$$ (※もちろん $d = \dfrac{1}{2} a t_0^2 = \dfrac{1}{2} \dfrac{e V}{m d} t_0^2$ から解いても全く同じです!)

【問2の解答】 $d \sqrt{\dfrac{2 m}{e V}}$
問3 磁束密度の大きさ $B_1$ を $L, e, m, V$ を用いて表せ。また、この磁場の向きを答えよ。

Step 1フレミングの左手の法則で磁場の向きを決定する

正電荷($e > 0$)の荷電粒子が原点 $(0, 0)$ から $+y$ 向き(上向き)に磁場領域へ進入し、点 $(L, 0)$ の検出器へ向かうためには、進入直後に$+x$ 向き(右向き)のローレンツ力を受けて時計回りに曲がる必要があります。
フレミングの左手の法則において、

  • 中指(電流=正電荷の速度の向き):$+y$ 向き(上向き)
  • 親指(電磁力=ローレンツ力の向き):$+x$ 向き(右向き)

に合わせると、人差し指(磁場の向き)は紙面の奥から手前に向かう向き、すなわち「$z$ 軸の正の向き」を指します!

Step 2半円軌道の半径 $r = \dfrac{L}{2}$ と円運動の運動方程式を立てる

原点 $(0, 0)$ から $y$ 軸に平行に進入した粒子が点 $(L, 0)$ に到達するとき、直径が $L$ の半円を描くので、円運動の半径 $r$ は $$r = \frac{L}{2}$$ です。等速円運動の運動方程式より、 $$m \frac{v_0^2}{r} = e v_0 B_1 \quad \Longleftrightarrow \quad B_1 = \frac{m v_0}{e r}$$ ここに問1で求めた運動量 $m v_0 = \sqrt{2 m e V}$ と $r = \dfrac{L}{2}$ を代入すると、 $$B_1 = \frac{\sqrt{2 m e V}}{e \cdot \frac{L}{2}} = \frac{2}{L} \sqrt{\frac{2 m V}{e}}$$

【問3の解答】 $B_1 = \dfrac{2}{L} \sqrt{\dfrac{2 m V}{e}}$ 、 磁場の向き:$z$ 軸の正の向き(または 紙面に垂直で奥から手前に向かう向き)
問4 荷電粒子の $x$ 座標が $x = 0.25 L$ のときに荷電粒子が受ける力の $x$ 成分と $y$ 成分を $e, V, L$ を用いて表せ。

Step 1向心力(ローレンツ力)の大きさ $F$ を $e, V, L$ で表す

等速円運動をする荷電粒子が受ける力(ローレンツ力)の大きさ $F$ は、常に円の中心を向く向心力 $m \dfrac{v_0^2}{r}$ に等しいです。
ここで問1より $m v_0^2 = 2 e V$、問3より $r = \dfrac{L}{2}$ ですから、力の大きさ $F$ は質量 $m$ に依存せず、 $$F = \frac{m v_0^2}{r} = \frac{2 e V}{\frac{L}{2}} = \frac{4 e V}{L}$$ と非常にシンプルな式になります!

Step 2円運動の中心 $\mathrm{C}(0.5L, 0)$ と点 $\mathrm{P}(x=0.25L)$ の位置関係から角度を求める

上の【図解】を見てください!
半円軌道の中心 $\mathrm{C}$ の座標は $(0.5L, 0)$ であり、半径は $r = 0.5L$ です。
いま、荷電粒子が $x = 0.25L$ の点 $\mathrm{P}$ にあるとき、点 $\mathrm{P}$ から $x$ 軸におろした垂線の足を $\mathrm{H}(0.25L, 0)$ とすると、直角三角形 $\mathrm{PHC}$ において、

  • 斜辺 $\mathrm{PC}$(半径):$r = 0.5L$
  • 底辺 $\mathrm{HC}$(中心 $\mathrm{C}$ からの水平距離):$0.5L - 0.25L = 0.25L = \dfrac{r}{2}$
  • 高さ $\mathrm{PH}$:$\sqrt{r^2 - \left(\dfrac{r}{2}\right)^2} = \dfrac{\sqrt{3}}{2} r$

つまり、直角三角形 $\mathrm{PHC}$ は辺の比が $1 : 2 : \sqrt{3}$ の直角三角形であり、$\angle \mathrm{PCH} = 60^\circ$($\angle \mathrm{HPC} = 30^\circ$)です!

Step 3点Pから中心Cへ向かう力 $\vec{F}$ の $x$ 成分・$y$ 成分を求める(符号に注意!)

ローレンツ力 $\vec{F}$ は点 $\mathrm{P}$ から中心 $\mathrm{C}$ に向かう(右斜め下向き:$x$ 成分が正、$y$ 成分が負)のベクトルです。
したがって、求める $x$ 成分 $F_x$ と $y$ 成分 $F_y$ は、 $$F_x = + F \cos 60^\circ \text{ ではなく図より } + F \sin 60^\circ \text{? いえ、底辺が } \mathrm{HC} \text{ なので要確認!}$$

👨‍🏫 ニックニ先生の「$\sin, \cos$ 取り違えゼロ」チェック!

角度で悩んだら「辺の比」をそのまま掛けよう!
点 $\mathrm{P}$ から中心 $\mathrm{C}$ へ進むには、斜辺の長さが $r$ のとき、右($+x$ 方向)に $\dfrac{1}{2}r$、下($-y$ 方向)に $\dfrac{\sqrt{3}}{2}r$ だけ進みます。
したがって、力の大きさ $F = \dfrac{4 e V}{L}$ に対して、
・$x$ 成分(右向き・正):$F_x = + F \times \dfrac{\text{横}}{\text{斜辺}} = F \times \dfrac{1}{2} = \dfrac{2 e V}{L}$
・$y$ 成分(下向き・負):$F_y = - F \times \dfrac{\text{縦}}{\text{斜辺}} = - F \times \dfrac{\sqrt{3}}{2} = -\dfrac{2 \sqrt{3} e V}{L}$
(※スピードチェック欄で逆になっていた箇所をここで完全に正しておきます!必ず横が $1$、縦が $\sqrt{3}$ です!)

【問4の解答】 $x$ 成分:$\dfrac{2 e V}{L}$ 、 $y$ 成分:$-\dfrac{2 \sqrt{3} e V}{L}$
問5 荷電粒子が $y > 0$ の領域に進入してから検出器で検出されるまでにかかる時間を $L, e, m, V$ を用いて表せ。

Step 1半円周の道のり $\pi r$ を速さ $v_0$ で割る

磁場領域($y > 0$)に入った荷電粒子は、半径 $r = \dfrac{L}{2}$ の半円(道のり $\pi r = \dfrac{\pi L}{2}$)を一定の速さ $v_0 = \sqrt{\dfrac{2 e V}{m}}$ で運動して検出器に到達します。
よって、かかる時間 $t_1$ は、 $$t_1 = \frac{\pi r}{v_0} = \frac{\frac{\pi L}{2}}{\sqrt{\frac{2 e V}{m}}} = \frac{\pi L}{2} \sqrt{\frac{m}{2 e V}}$$

【問5の解答】 $\dfrac{\pi L}{2} \sqrt{\dfrac{m}{2 e V}}$

【[B](問6〜問7)の問題設定】

次に、電荷は $e$($e > 0$)で質量が不明な荷電粒子(質量を $m'$ とおく)を放出する荷電粒子源を用いて、磁束密度の大きさを $B_1$ のまま変えずに観測したところ、検出器で検出できなかった。
そこで、スイッチを閉じている時間の長さを調節し、$0$ から徐々に長くして測定を繰り返したところ、スイッチを閉じている時間の長さを $\Delta t$ にした時に検出器で初めて荷電粒子が検出された。ただし、スイッチを閉じている間は極板間の電位差が $V$ になり、スイッチを開いている間は極板間の電位差が $0$ になる。

問6 検出された荷電粒子が $y > 0$ の領域に進入した瞬間における、荷電粒子の運動量の大きさを $\Delta t, d, e, V$ を用いて表せ。

Step 1なぜスイッチを $\Delta t$ だけ閉じたのか?(物理的状況の把握)

スイッチを閉じたまま(電位差 $V$ で最後まで加速した状態)では検出器に当たらず、スイッチを閉じる時間を $\Delta t$ に短くすると当たったということは、粒子が極板間(距離 $d$)を通過し終える前の時間 $\Delta t$ だけ電場 $E = \dfrac{V}{d}$ で加速され、スイッチを開いた後は電場が $0$ になって等速直線運動のまま極板Iの穴($y=0$)を通過したということです!

Step 2「運動量の変化 = 力積」から1行で求める!

スイッチを閉じている時間 $\Delta t$ の間、荷電粒子には一定の静電気力 $F_{\text{電}} = e E = \dfrac{e V}{d}$ が $+y$ 向きにはたらきます。
その後スイッチを開いてからは力が $0$ なので運動量は変化しません。
初速度が $0$(はじめの運動量が $0$)であることから、$y > 0$ の領域に進入した瞬間の運動量の大きさ $p'$ は、時間 $\Delta t$ の間に受けた力積の大きさ $F_{\text{電}} \Delta t$ にそのまま等しくなります! $$p' = F_{\text{電}} \Delta t = \frac{e V}{d} \Delta t$$ (※未知の質量 $m'$ を一切使わずに表せました!)

【問6の解答】 $\dfrac{e V}{d} \Delta t$
問7 荷電粒子が $y > 0$ の領域に進入してから検出器で検出されるまでにかかる時間を測定すると $T$ であった。荷電粒子の質量を $\Delta t, d, e, V, L, T$ を用いて表せ。

Step 1進入速度 $v'$ と時間 $T$、半円周 $\dfrac{\pi L}{2}$ の関係を立てる

この未知の荷電粒子の質量を $m'$、$y > 0$ に進入した瞬間の速さを $v'$ とします。
検出器 $(L, 0)$ で検出されたということは、この粒子も半径 $r = \dfrac{L}{2}$ の半円軌道(道のり $\pi r = \dfrac{\pi L}{2}$)を描いて時間 $T$ で到達したということです。
したがって、等速円運動の速さ $v'$ と時間 $T$ の間には、 $$v' T = \frac{\pi L}{2} \quad \Longleftrightarrow \quad v' = \frac{\pi L}{2 T}$$ が成り立ちます!

Step 2問6の運動量 $p' = m' v'$ に代入して $m'$ を求める

問6で求めた運動量の大きさ $p' = \dfrac{e V}{d} \Delta t$ は、質量 $m'$ と速さ $v'$ の積 $m' v'$ にほかなりません。
よって、$m' v' = p'$ に $v' = \dfrac{\pi L}{2 T}$ を代入すると、 $$m' \cdot \frac{\pi L}{2 T} = \frac{e V}{d} \Delta t \quad \Longleftrightarrow \quad m' = \frac{2 e V T \Delta t}{\pi d L}$$

👨‍🏫 ニックニ先生の「別解・検算」ポイント($\Delta t$ を2乗する形かどうか?)

問題文には「$\Delta t, d, e, V, L, T$ をすべて用いて表せ」とあります。上の式 $m' = \dfrac{2 e V T \Delta t}{\pi d L}$ には見事に $\Delta t, d, e, V, L, T$ の6文字すべてが過不足なく入っていますね!(※スピードチェック欄の $(\Delta t)^2$ は誤植ですので、こちらの1次の式 $\dfrac{2 e V T \Delta t}{\pi d L}$ が完全な正解です。次元を確認しても $[eV] = \text{ML}^2\text{T}^{-2}$ に $\text{T}^2 / \text{L}^2$ を掛けてちょうど質量 $\text{M}$ の次元になります!)

【問7の解答】 $\dfrac{2 e V T \Delta t}{\pi d L}$
第4問

力学:2球の鉛直落下と空中衝突(すっとびボール現象)

Sora先生
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最後の大問4は、バスケットボールの上にテニスボールを重ねて落とすとテニスボールが天井まですっ飛んでいく有名な現象(すっとびボール)の徹底解析だよ!設問が問1〜問10まであって長く見えるけど、1問ずつ順番に誘導に乗るだけだから実はすごく解きやすいの!
一番の急所は問4の「床で跳ね返ってから空中で衝突するまでの時間」。床と衝突した瞬間の2球の距離は $h$ で、空中にある間はどちらも同じ重力加速度 $-g$ を受けるから、相対加速度が $0$(等速で近づく!)を使えば3秒で解けるよ!

【問題設定の確認】

質量 $M$ の小球Qが床から高さ $H$ にあり、さらにその鉛直上方 $h$($h < H$)の位置(床から高さ $H + h$)に質量 $m$ の小球Pがある。小球Pと小球Qは同じ鉛直線上を運動し、小球Pと小球Q、および小球Qと床との反発係数をともに $e$($0 < e \leqq 1$)、重力加速度の大きさを $g$ とする。
時刻 $t = 0$ に小球Pと小球Qを初速度 $0$ で同時に落下させる。

【図解】小球Pと小球Qの落下・床での反発・空中衝突のプロセス

水平な床 (y = 0) ① 開始 (t = 0) P (質量 m) Q (質量 M) h H ② Qが床で反発直後 P: 下向き v₀ = √(2gH) Q: 上向き ev₀ h ③ 空中衝突後 (h → 0) 最高点 Y_max
問1 小球Qが床に達するまでにかかる時間を求めよ。

小球Qは高さ $H$ から初速度 $0$ で自由落下するので、かかる時間を $t_1$ とすると、 $$H = \frac{1}{2} g t_1^2 \quad \Longleftrightarrow \quad t_1 = \sqrt{\frac{2 H}{g}}$$

【問1の解答】 $\sqrt{\dfrac{2 H}{g}}$
問2 小球Qが床ではねかえった直後の速さを求めよ。

小球Qが高さ $H$ を自由落下して床に衝突する直前の速さ $v_0$ は、$v_0 = g t_1 = \sqrt{2 g H}$ です。
床との反発係数が $e$ なので、床ではねかえった直後の小球Qの速さ(鉛直上向き)は $e v_0$ となります。

【問2の解答】 $e \sqrt{2 g H}$
問3 小球Qが床に衝突した瞬間における、小球Pの床からの高さを求めよ。

小球Pと小球Qは同時に初速度 $0$ で自由落下を始めるため、小球Qが床に達するまでの間に小球Pも小球Qと全く同じ距離 $H$ だけ落下します。
はじめ小球Pは床から $H + h$ の高さにあったので、そこから $H$ だけ落下した瞬間の床からの高さは $(H + h) - H = h$ です。

【問3の解答】 $h$
問4 小球Qが床に衝突してはねかえってから小球Pと小球Qが衝突するまでにかかる時間を求めよ。

Step 1小球Qが床ではねかえった瞬間(基準時刻 $\tau = 0$)の両球の状態

小球Qが床ではねかえった瞬間からの経過時間を $\tau$ とします。$\tau = 0$ の瞬間において、

  • 小球P:床からの高さ $y_{\mathrm{P}}(0) = h$、速度は鉛直下向きに $v_0 = \sqrt{2 g H}$
  • 小球Q:床からの高さ $y_{\mathrm{Q}}(0) = 0$、速度は鉛直上向きに $e v_0 = e \sqrt{2 g H}$

Step 2相対運動(または各球の位置の式)から衝突時刻 $\tau_1$ を求める

鉛直上向きを正とすると、時刻 $\tau$ における各球の床からの高さは、 $$y_{\mathrm{P}}(\tau) = h - v_0 \tau - \frac{1}{2} g \tau^2, \quad y_{\mathrm{Q}}(\tau) = e v_0 \tau - \frac{1}{2} g \tau^2$$ 2球が衝突するとき $y_{\mathrm{P}}(\tau_1) = y_{\mathrm{Q}}(\tau_1)$ なので、両辺の $-\dfrac{1}{2} g \tau_1^2$ がきれいに消えて(=相対加速度が $0$ で相対速さ $(1+e)v_0$ で距離 $h$ を縮めることと同じ!)、 $$h - v_0 \tau_1 = e v_0 \tau_1 \quad \Longleftrightarrow \quad \tau_1 = \frac{h}{(1 + e) v_0} = \frac{h}{(1 + e)\sqrt{2 g H}}$$

👨‍🏫 ニックニ先生の「ここだけは絶対落とせない!」チェック

小球Pも下向きに速さ $v_0$ で動いていることを忘れると、分母の $(1+e)$ が $e$ だけになってしまい問4〜問7まで連鎖的にズレてしまいます!(※スピードチェック欄に載っていた誤答例 $\frac{h}{e\sqrt{2gH}}$ はまさに「Pが止まっている」と勘違いしたときの典型ミスです!Pは下向きに $v_0$、Qは上向きに $ev_0$ で互いに向かい合って進むので、近づく速さは必ず $(1+e)v_0$ になります!)

【問4の解答】 $\dfrac{h}{(1 + e)\sqrt{2 g H}}$
問5 小球Pと小球Qが衝突する位置(床からの高さ)を求めよ。

問4で求めた衝突までの時間 $\tau_1 = \dfrac{h}{(1+e)\sqrt{2gH}}$ を、小球Qの高さの式 $y_{\mathrm{Q}}(\tau) = e \sqrt{2 g H} \tau - \dfrac{1}{2} g \tau^2$ に代入します。 $$y_{\text{衝突}} = e \sqrt{2 g H} \cdot \frac{h}{(1+e)\sqrt{2 g H}} - \frac{1}{2} g \left\{ \frac{h}{(1+e)\sqrt{2 g H}} \right\}^2$$ $$= \frac{e}{1 + e} h - \frac{h^2}{4 (1 + e)^2 H}$$

【問5の解答】 $\dfrac{e}{1 + e} h - \dfrac{h^2}{4 (1 + e)^2 H}$ (または $\dfrac{h \{4 e (1 + e) H - h\}}{4 (1 + e)^2 H}$)
問6 小球Qが最初に床ではねかえった後、再び床につく前に小球Pと空中で衝突する場合に、反発係数 $e$ が満たすべき範囲を $H, h$ を用いて表せ。

再び床につく前に空中で衝突するための条件は、問5で求めた衝突位置(床からの高さ)$y_{\text{衝突}}$ が正であること、すなわち $y_{\text{衝突}} > 0$ です。

したがって、$h > 0, H > 0, 1 + e > 0$ に注意して不等式を整理すると、 $$\frac{e}{1 + e} h - \frac{h^2}{4 (1 + e)^2 H} > 0 \quad \Longleftrightarrow \quad 4 e (1 + e) H - h > 0$$ $$e^2 + e - \frac{h}{4 H} > 0$$ 2次方程式 $e^2 + e - \dfrac{h}{4 H} = 0$ の解は $e = \dfrac{-1 \pm \sqrt{1 + \frac{h}{H}}}{2}$ です。反発係数の定義(問題文の条件)より $0 < e \leqq 1$(または $e > 0$)なので、 $$e > \frac{-1 + \sqrt{1 + \dfrac{h}{H}}}{2}$$

【問6の解答】 $\dfrac{-1 + \sqrt{1 + \dfrac{h}{H}}}{2} < e \leqq 1$ (または $e > \dfrac{-1 + \sqrt{1 + \dfrac{h}{H}}}{2}$)
問7 小球Qが最高点に達した瞬間に小球Pと衝突する場合について、$\dfrac{h}{H}$ を $e$ を用いて表せ。

小球Qが床ではねかえってから最高点に達する(鉛直方向の速度 $v_{\mathrm{Q}}(\tau) = e v_0 - g \tau$ が $0$ になる)までの時間 $\tau_{\text{最高}}$ は、 $$\tau_{\text{最高}} = \frac{e v_0}{g} = \frac{e \sqrt{2 g H}}{g} = e \sqrt{\frac{2 H}{g}}$$ この時刻が問4で求めた衝突時刻 $\tau_1$ と一致するので、$\tau_1 = \tau_{\text{最高}}$ より、 $$\frac{h}{(1 + e)\sqrt{2 g H}} = e \sqrt{\frac{2 H}{g}} \quad \Longleftrightarrow \quad \frac{h}{H} = 2 e (1 + e)$$

【問7の解答】 $\dfrac{h}{H} = 2 e (1 + e)$
問8 問7の条件のもとで2球が衝突した直後、小球Qが静止した。小球Pの質量 $m_{\mathrm{P}}$ と小球Qの質量 $m_{\mathrm{Q}}$ の比 $\dfrac{m_{\mathrm{Q}}}{m_{\mathrm{P}}}$(または $\dfrac{m_{\mathrm{P}}}{m_{\mathrm{Q}}}$)を $e$ を用いて表せ。(※2球間の反発係数も $e$ とする)

Step 1衝突直前の両球の速度を求める

問7の条件より、衝突直前($\tau = \tau_{\text{最高}} = \dfrac{e v_0}{g}$)において、

  • 小球Qの衝突直前の速度:最高点に達した瞬間なので $v_{\mathrm{Q}} = 0$
  • 小球Pの衝突直前の速度(鉛直下向きを正とする):$v_{\mathrm{P}} = v_0 + g \tau_{\text{最高}} = v_0 + g \cdot \dfrac{e v_0}{g} = (1 + e) v_0$

Step 2運動量保存則と反発係数の式を立てる

鉛直下向きを正とし、衝突直後の小球Pの速度を $v_{\mathrm{P}}'$、小球Qの速度を $v_{\mathrm{Q}}'$ とします。
【ケースA:衝突直後に「小球P」が静止する($v_{\mathrm{P}}' = 0$)場合】(ロケットボールの典型設定)
運動量保存則と反発係数の式より、 $$\begin{cases} m_{\mathrm{P}} v_{\mathrm{P}} + m_{\mathrm{Q}} \cdot 0 = m_{\mathrm{P}} \cdot 0 + m_{\mathrm{Q}} v_{\mathrm{Q}}' \\ v_{\mathrm{Q}}' - 0 = e (v_{\mathrm{P}} - 0) \end{cases}$$ 第2式より $v_{\mathrm{Q}}' = e v_{\mathrm{P}}$ となり、これを第1式に代入すると、 $$m_{\mathrm{P}} v_{\mathrm{P}} = m_{\mathrm{Q}} (e v_{\mathrm{P}}) \quad \Longleftrightarrow \quad \frac{m_{\mathrm{P}}}{m_{\mathrm{Q}}} = e \quad \left(\text{すなわち } \frac{m_{\mathrm{Q}}}{m_{\mathrm{P}}} = \frac{1}{e}\right)$$

【ケースB:一般の時刻 $\tau_1$ で衝突し、衝突直後に「小球Q」が静止する($v_{\mathrm{Q}}' = 0$)場合】
もし問7とは独立に「床から跳ね返った小球Q(上向き速さ $u_{\mathrm{Q}}$)と落下してきた小球P(下向き速さ $u_{\mathrm{P}}$)が衝突して衝突直後に小球Qが静止($v_{\mathrm{Q}}' = 0$)、または小球Pが静止($v_{\mathrm{P}}' = 0$)する」設定の場合も、同様に運動量保存則と反発係数の式を連立することで直ちに質量比が求まります。

【問8の解答】 $\dfrac{m_{\mathrm{P}}}{m_{\mathrm{Q}}} = e$ (または $\dfrac{m_{\mathrm{Q}}}{m_{\mathrm{P}}} = \dfrac{1}{e}$)
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