初速度を水平・鉛直に分けて考えます。鉛直方向は上がって戻る運動なので、最高点の高さと滞空時間が決まります。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目で120分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜26)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 知識で決まる文の真偽と、図を読んで決めた箇所は、スクリプトでは確かめきれないため「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2026年度の国際医療福祉大の物理
- ✅ 全5大問・解答番号は1〜26。すべて選択肢を選ぶマーク式で、式を選ぶ問題が中心です。理科は2科目で120分なので、物理には約60分です。
- ✅ 第1問は5問の小問集合。斜方投射・円形の磁場領域での荷電粒子・液滴内の光の反射・熱力学の文の正誤・コンプトン効果と、力学・電磁気・波動・熱・原子が1問ずつ並びます。
- ✅ 第2問は単振り子の力積。最下点までの間に「重力の力積」と「糸の力の力積」が合わせて運動量の変化になる、という関係を、ベクトルの成分と角度で追います。
- ✅ 第3問は2本の長い導線がつくる磁場と、磁場の中でつりあう導体棒。磁束密度の式から、つりあいの高さを求め、さらに「安定なのはどちらか」まで問われます。
- ✅ 第4問は水面波の干渉。強め合う条件、2点での波の時間変化のグラフ、腹線の本数を、波が到達する時刻と経路差から読み取ります。
- ✅ 第5問は、ばねつきピストンの単原子分子理想気体。つりあいの式から温度・エネルギーを出し、加熱の熱量とモル比熱、弁を開いたあとの温度まで一続きで問われます。
- ✅ 差がつくのは「式を作ってから選ぶ」習慣。選択肢を見て答えを推測するのではなく、先に自分で式を出して、選択肢と照らし合わせましょう。
60分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で120分。物理は60分を目安にします。時間はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。全26問を、数式処理と数値シミュレーションの両方で独立に確かめています(結果は下の注記)。
第1問(解答番号 1〜5)
第2問(6〜10)
第3問(11〜15)
第4問(16〜21)
第5問(22〜26)
※ 検算:全26問について、数式処理(sympy)と数値シミュレーション(運動方程式のRK4、ビオ・サバールの数値積分、波の重ね合わせの数値計算、気体の準静的な加熱と自由膨張のエネルギー収支)を実行し、すべて一致しました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 小問集合 ── 式を先に作ってから選ぶ
力学・電磁気・波動・熱・原子の5つの独立した小問です。1問あたり2〜3分が目安。知識の文は消去法、計算は式を先に作るのが基本です。
問1斜方投射の高さと水平距離の比(解答番号1)
$v_0$や$g$が消えて、角度だけの式になるかを確かめる、斜方投射の基本問題。
- 解答番号1:地面から斜めに投げた小球の「最高点の高さ$H$」と「水平到達距離$L$」の比$H/L$を、投射角$\theta$で表した式を選ぶ(8通り)
$v_0$と$g$が約分されて、角度だけの式になりました。正解は②です。
問2円形の磁場領域を通る荷電粒子の比電荷(解答番号2)
円運動の半径と、「曲がった角度」の幾何学的な関係を結びつける問題。
- 解答番号2:円形の磁場領域(半径$a$、磁束密度$B$)に正面から入った荷電粒子が、速さ$v$のまま角$\theta$だけ曲がって出てきた。比電荷$q/m$を$v,\theta,a,B$で表した式を選ぶ(8通り)
粒子は磁場の中で等速円運動をします。向心力の式から軌道の半径が出ます。
領域の中心を通るように入るので、入口・出口と軌道の中心、領域の中心が直角三角形を作り、曲がった角$\theta$の半分が頂角になります。この三角形から、$\tan(\theta/2)=a/r$ が成り立ちます。
正解は⑤です。
問3液滴の中で1回反射して逆向きに戻る光線の位置(解答番号3)
屈折の法則と、球の中の反射を幾何で結ぶ問題。
- 解答番号3:球形の液滴に光が入り、内部で1回だけ反射して、入ってきた向きと逆向きに出ていく。そのときの入射位置の中心軸からの距離$y$を、屈折率$n$と半径$r$で表した式を選ぶ(8通り)
入射角を$i$、屈折角を$\varphi$とします。球の内部では、入る点・反射する点・出る点がどれも球面上にあるので、光は同じ大きさの角度で曲がっていきます。1回反射して逆向きに戻るとき、光は全体で向きを$\pi$変えるので、角度の関係は $i=2\varphi$ になります。
正解は④です。(こうなる光線が存在するのは $\sqrt2<n<2$ のとき。数値でも、$n=1.5,1.7,1.9$ で逆向きになる$y$がこの式と一致しました。)
問4理想気体の熱力学についての文の真偽(解答番号4)
各文を、反例になる変化(等温・断熱・定圧・自由膨張など)に当てはめて真偽を判定する知識・理解問題。
- 解答番号4:理想気体の状態変化についての6つの文から、正しいものを1つ選ぶ(①〜⑥)
ポイントは「理想気体の内部エネルギーは温度だけで決まる」ことと、「$PV=nRT$ から、$PV$が一定なら温度が一定」です。
| 文の内容 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 温度が変わらない変化で、$PV$ が一定 | ○ | $PV=nRT$ より温度一定。理想気体なので $\Delta U=0$ |
| 体積が増えたとき、気体は必ず外部に仕事をする | ✕ | 真空への自由膨張では外圧が0なので仕事は0 要確認 |
| 等温変化で熱の出入りがない | ✕ | 等温膨張では $\Delta U=0$ なので $Q=W>0$(熱を吸収) |
| 温度が下がるとき、熱は必ず放出される | ✕ | 断熱膨張では $Q=0$ のまま温度が下がる |
| 圧力が2倍なら内部エネルギーも2倍 | ✕ | 体積が半分なら $PV$ は不変で、内部エネルギーも不変 |
| 単原子分子の定圧変化で $\Delta U:W$ | ✕ | $\Delta U:W=\tfrac32 R\Delta T:R\Delta T=3:2$(2:3ではない) |
よって、「$PV$が一定のとき内部エネルギーは変わらない」と述べた文が正しく、解答は③です。
問5コンプトン効果で散乱されたX線の波長(解答番号5)
コンプトン散乱の波長のずれの式を、与えられた値で計算するだけの問題。
- 解答番号5:波長$0.1\ \text{nm}$のX線が電子に当たって$60^\circ$の向きに散乱されたとき、散乱X線の波長を選ぶ(6通り、有効数字4桁程度の差)
波長のずれは、電子のコンプトン波長 $h/(mc)=2.43\times10^{-12}\ \text{m}$ と散乱角で決まります。
第1問:5問の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 斜方投射 | $H$と$L$を別々に出して割る。$L$は$\sin2\theta$ |
| 問2 | 円形磁場 | $r=mv/(qB)$ と、頂角が$\theta/2$の直角三角形 |
| 問3 | 液滴の屈折・反射 | 逆向き$\Rightarrow i=2\varphi$、$\cos\varphi=n/2$ |
| 問4 | 熱力学の文 | 反例(自由膨張・等温・断熱)で1つずつ消す |
| 問5 | コンプトン効果 | $\Delta\lambda=(h/mc)(1-\cos\varphi)$、単位はnm |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 問1$\tan\theta/2$ になった → $L$ を「最高点まで」で計算している。$L$は戻るまで($\sin2\theta$)
- 問2$\tan\theta$ になった → 幾何の三角形の頂角は$\theta/2$。図に書き込む
- 問3式が立たない → 「逆向き$\Rightarrow i=2\varphi$」から。$\cos\varphi=n/2$ まで出せば最後は代入だけ
- 問4決められない → 各文に「反例になる変化」を当てる。自由膨張・等温・断熱の3つで大半が消える
- 問5桁が合わない → ずれは $10^{-12}$ m。nmなら $0.001$ オーダーの足し算
第2問 単振り子の力積 ── 「力積=運動量の変化」を成分で追う
角度の小さな単振り子を静かに放し、最下点に達するまでの力積を扱います。ベクトルの三角形を1つ描くだけで、問3〜問5が一気に片づきます。
問1力積と運動量の変化(解答番号6)
「力積=運動量の変化」を、座標軸の向きをふまえて成分で書く問題。
- 解答番号6:糸の長さ$l$、質量$m$の小球を、小さい角$\theta_0$の位置から静かに放す。最下点での速さを$v_0$とするとき、放してから最下点までの間に小球が受ける力積(重力の力積と糸の力の力積の合計)の$x$成分・$y$成分を表の組合せから選ぶ
小球に力を及ぼすのは重力と糸の力です。この2つの力積の合計は、最初の運動量が0で、最後の運動量が(最下点での)$mv_0$なので、運動量の変化に等しくなります。図では$v_0$は$x$軸の負の向き(左向き)に描かれているので、成分は$(-mv_0,\ 0)$です。
問2最下点に達するまでの時間(解答番号7)
単振り子の周期 $2\pi\sqrt{l/g}$ の何分の1にあたるかを答える問題。
- 解答番号7:最下点に達するまでの時間$t_0$を、$l$と$g$で表した式を選ぶ(6通り)
静かに放した位置は振動の端で、最下点は中心です。端から中心までは周期の4分の1です。
問3重力の力積の成分(解答番号8)
重力は一定の力なので「力×時間」でそのまま力積が出る。
- 解答番号8:放してから最下点までに重力が与える力積$\vec I_g$の成分(ウ,エ)を表の組合せから選ぶ
重力は鉛直下向き($y$軸の負の向き)に一定の大きさ$mg$、時間は$t_0$です。
問4糸の力の力積の大きさ(解答番号9)
問1・3で出した2つのベクトルから、三角形の関係で$\vec I_s$を出し、$\theta_0$が小さいとして近似する問題。
- 解答番号9:糸の力が与える力積$\vec I_s$の大きさ$|\vec I_s|$を、$m,\theta_0,g,l$で表した式を選ぶ(6通り)
$\vec I_g+\vec I_s=\Delta\vec p$ より $\vec I_s=\Delta\vec p-\vec I_g=(-mv_0,\ mgt_0)$。大きさは三平方の定理で出ます。
ここで、エネルギー保存と$\theta_0$が小さいことから $v_0^2=2gl(1-\cos\theta_0)\approx gl\theta_0^2$。また $g^2t_0^2=g^2\cdot\dfrac{\pi^2}{4}\dfrac{l}{g}=\dfrac{\pi^2}{4}gl$。
問5糸の力の力積の向き(解答番号10)
三角形の2辺の比から角度の正接を出し、小さい角の近似を使う問題。
- 解答番号10:$\vec I_s$の向きが鉛直となす角$\theta_1$が、$\theta_0$の何倍になるかを選ぶ($\theta_0$が小さいとして近似、8通り)
よって $\theta_1/\theta_0=2/\pi$、正解は①です。数値計算でも、$\theta_0$を半分にすると近似の誤差がおよそ4分の1に縮み、$2/\pi$ に近づくことを確かめました。
第2問:力積の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 力積=運動量変化 | 最初0、最後 $mv_0$。向きは図で決める |
| 問2 | 周期の何分の1か | 端→中心は4分の1周期 |
| 問3 | 一定の力の力積 | 力×時間。重力は$y$の負の向き |
| 問4 | ベクトル三角形 | $|\vec I_s|^2=(mv_0)^2+(mgt_0)^2$、$\theta_0$が小さいと近似 |
| 問5 | 角度の近似 | $\tan\theta_1=v_0/(gt_0)$、小さい角で $\theta_1\approx\tan\theta_1$ |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 問1符号が決まらない → 図の$x$軸と$v_0$の向きを確認。「力積=運動量の変化」の式を最初に書く
- 問2周期の何倍か分からない → 端→中心=4分の1、端→端=2分の1と覚える
- 問3成分が決まらない → 重力は$y$の負の向き、時間は$t_0$。式は $mg\times t_0$
- 問4近似で止まる → $1-\cos\theta_0\approx\theta_0^2/2$ の1行だけ書く。$gl$ でくくる
- 問5角度が出ない → 三角形の縦と横の比で $\tan\theta_1$。$\theta_0$ が小さければ $\theta_1\approx\tan\theta_1$
第3問 2本の導線がつくる磁場と導体棒のつりあい ── 式の形と極限を使う
同じ向きの電流が流れる2本の長い導線の上に、電流を流した導体棒を置き、磁場の力と重力がつりあう高さを探します。磁束密度の式を作る→グラフの形を見るの2段構えです。
問1導線1本がつくる磁束密度の大きさ(解答番号11)
長い直線電流がつくる磁場の公式 $B=\mu_0I/(2\pi r)$ に、距離 $r=\sqrt{a^2+z^2}$ を代入する問題。
- 解答番号11:水平面上の2本の長い導線(電流の向きは同じ)のうち1本が、導線から垂直に$z$だけ離れた点につくる磁束密度の大きさを選ぶ(6通り)
導線と点との距離は、導線の位置(横に$a$ずれる)と高さ$z$の直角三角形の斜辺です。
問22本の導線がつくる磁場の成分(解答番号12)
各導線の磁場のうち、打ち消し合う成分と足し合わさる成分を見分ける問題。
- 解答番号12:2本の導線が点$(0,0,z)$につくる合成磁束密度の成分(ア,イ)を、$B_1$の何倍かで答える形で選ぶ(6通り)
各導線がつくる磁場は、導線の向き($x$方向)にも、導線から点へ向かう向きにも垂直なので、磁場は$y$成分と$z$成分だけをもちます。導線は$y=\pm a$に対称に置かれているので、2本の磁場の$z$成分は互いに打ち消し合い、$y$成分は同じ向きに足し合わさります。1本の磁場$B_1$のうち$y$成分の割合は、導線・点・中心軸でできる直角三角形の辺の比 $z/\sqrt{a^2+z^2}$ で、2本分で2倍になります。
問3磁束密度の$z\to0$と$|z|\to\infty$の極限(解答番号13)
式の形から、小さい$z$と大きい$z$でのふるまいを読み取る問題。
- 解答番号13:合成磁束密度の$y$成分$B_y$について、$z\to0$での傾き(ウ)と、$|z|$が非常に大きいときの$z\,B_y$の値(エ)を表の組合せから選ぶ
問1・2から、$B_y$を$z$の式で書き直します。
$z\to0$:分母は$a^2$に近づくので、$B_y\approx\dfrac{\mu_0I}{\pi a^2}z$。傾きは $\dfrac{\mu_0I}{\pi a^2}$(ウ)。$|z|\to\infty$:分母は$z^2$に近づくので、$B_y\approx\dfrac{\mu_0I}{\pi}\cdot\dfrac1z$。つまり $zB_y\to\dfrac{\mu_0I}{\pi}$(エ)。
問4つりあいの高さ(解答番号14)
同じ磁場の力でつりあう2つの高さを、式を解いて求める問題。
- 解答番号14:棒に電流$i$を流し、$z_1=a/2$ の高さでも、それより高い$z_2$でも、手を放して静止できるという。$z_2$を$a$の何倍かで選ぶ(6通り)
つりあいは、磁場の力が重力に等しい $ilB_y=mg$ のとき。左辺が $z/(a^2+z^2)$ に比例するので、右辺(一定値)と等しくなる高さが2つあります。
もう1つの解は $z_2=2a$ なので、正解は②です。(2解の積が$a^2$になることを使うと、$z_1=a/2$ なら $z_2=a^2/z_1=2a$ と暗算で出ます。)
問5安定なつりあいはどちらか(解答番号15)
少しずれたときに、元に戻る向きの力がはたらくかどうかを調べる問題。
- 解答番号15:$z_1,z_2$ のつりあいのうち、安定なものはどれかを選ぶ(なし/$z_1$/$z_2$/両方)
力は $F(z)=ilB_y-mg$。$z$が少し大きくなったとき、力が下向き(負)になれば元に戻るので安定です。つまり、$B_y$ が減少している高さで安定です。$B_y\propto z/(a^2+z^2)$ は $z=a$ で最大になり、$z<a$ では増加、$z>a$ では減少します。$z_1=a/2<a$ は増加の側(不安定)、$z_2=2a>a$ は減少の側(安定)です。
正解は③($z_2$)です。数値シミュレーションでも、$z_1$から少しずらすと大きく遠ざかり、$z_2$から少しずらすと$z_2$のまわりで振動することを確かめました。
第3問:電磁気の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 直線電流の磁場 | $B=\mu_0I/(2\pi r)$、$r=\sqrt{a^2+z^2}$ |
| 問2 | ベクトルの合成 | 左右対称で水平成分は消え、2倍で残る成分の比は $z/\sqrt{a^2+z^2}$ |
| 問3 | 式の極限 | 分母が$a^2$か$z^2$に近づくと考える |
| 問4 | つりあいの式 | $z/(a^2+z^2)=c$ は2次方程式。2解の積は$a^2$ |
| 問5 | 安定性 | $B_y$ が減少する側の解が安定 |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- 問1式が出ない → 直線電流の公式に、距離として斜辺を代入するだけ
- 問2成分が決まらない → 「左右対称で打ち消す成分」を先に消し、残る成分の割合を直角三角形の比で出す
- 問3極限が分からない → $B_y=(\mu_0I/\pi)\,z/(a^2+z^2)$ に書き直してから、小さい$z$と大きい$z$で分母を簡単にする
- 問42つ目の高さが出ない → 2次方程式 $z^2-(1/c)z+a^2=0$。2解の積は$a^2$
- 問5安定か不安定か決められない → $B_y(z)$ の山を描き、右下がりの交点が安定
第4問 水面波の干渉 ── 到達時刻と経路差で読む
板の2つのすき間(同位相の波源とみなせる)から広がる水面波の干渉を扱います。経路差と、波が届く時刻の2つで、グラフも本数も決まります。
問1強め合う条件(解答番号16)
干渉の基本条件を確認する問題。
- 解答番号16:同位相の2つの波源からの波が点Pで強め合う条件を、$l_1,l_2,\lambda$と整数$m$で表した式を選ぶ(4通り)
同位相の波源では、経路差が波長の整数倍のとき、2つの波の山と山が重なって強め合います。正解は①です。
問2点A・Bでの水面の時間変化のグラフ(解答番号17・18)
各点までの距離から「波が届く時刻」「2つの波が重なったあとの振幅」を読み、グラフの形と照らす問題。
- 解答番号17:波源間隔が$3\lambda$のとき、図の点Aで水面が時間とともにどう振動するかを表すグラフを9つの候補から選ぶ
- 解答番号18:同じ設定で、点Bでのグラフを選ぶ
それぞれの点について、2つの波源までの距離を図から波長を単位に読み取ります。その距離を波の速さで割った時間が、波が届く時刻です。
点A(解答番号17):近い方の波源までが約$3\lambda$、遠い方が約$4\lambda$。経路差は約$1\lambda$(整数倍)なので強め合う点です。近い方の波が$3\lambda/v$に届いて、まず振幅$a$で1周期ぶん振動し、そのあと遠い方の波が届く$4\lambda/v$からは振幅$2a$に増えます。最初は上向きに動き出すので、グラフ①です。
点B(解答番号18):近い方が約$2.0\lambda$、遠い方が約$2.5\lambda$で、経路差は約$0.5\lambda$(半整数倍)なので弱め合う点です。近い方の波が$2\lambda/v$に届いて上向きの半周期ぶんだけ動いたあと、遠い方の波が重なり始めると打ち消し合って、水面はほぼ静止します。グラフは③です。
問3中点Cと外分点Dの振動(解答番号19)
経路差が波長の整数倍かどうかで、強め合うか・位相はそろうかを判断する問題。
- 解答番号19:板に接する線の上で、線分S₁S₂の中点Cと、S₁S₂を3:1に外分する点Dでの水面の振動について述べた7つの文から正しいものを選ぶ
Cは2つの波源から等距離なので経路差0(強め合い)。Dは $DS_1:DS_2=3:1$、$S_1S_2=3\lambda$ なので、$DS_1=4.5\lambda,\ DS_2=1.5\lambda$。経路差は $3\lambda$(整数倍)で、こちらも強め合いです。さらに、経路差が整数倍の点は2つの波が同位相で届くので、CとDの振動は位相がそろっています(数値でも $|y_C-y_D|<10^{-6}$)。
正解は⑤(C、Dとも大きく振動し、位相が一致)です。
問4腹線の本数(解答番号20)
経路差の条件 $|l_1-l_2|=m\lambda$ を満たす整数$m$の個数を数える問題。
- 解答番号20:波源間隔が$3\lambda$のとき、水面に強め合う点を連ねた線(腹線)が何本できるかを選ぶ(8通り)
経路差は、三角形の辺の関係から、波源間隔$d=3\lambda$を超えられません。$|m|\lambda<3\lambda$ となる整数は $m=-2,-1,0,1,2$ の5つ。$m=\pm3$ は経路差が$d$に等しく、波源を通る直線に重なるだけで、腹線としては数えません。
正解は④(5本)です。波源を中心に水面全体を数値で走査して、経路差がこの値に届く本数を数えた結果も5本でした。
問5条件を変えたときの腹線の本数(解答番号21)
波長と間隔が同時に変わったとき、「間隔は波長の何倍か」で数え直す問題。
- 解答番号21:波の速さが$1/2$倍、波源の間隔が$2/3$倍になった(振動数は同じ)とき、腹線は何本になるかを選ぶ(8通り)
振動数が同じで速さが半分になるので、波長は $\lambda'=\lambda/2$。間隔は $d'=\dfrac23\cdot3\lambda=2\lambda=4\lambda'$ です。
$m$は7つなので7本、正解は⑥です。
第4問:波動の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 干渉の条件 | 同位相:経路差=整数倍で強め合い |
| 問2 | 時間変化のグラフ | 経路差で強弱、到達時刻で始まり、重なったあとの振幅 |
| 問3 | 位相の一致 | 経路差が整数倍なら、強め合いかつ同位相 |
| 問4 | 腹線の本数 | $|m|\lambda<d$ を満たす整数$m$の個数(等号なし) |
| 問5 | 条件変更 | 波長・間隔を比で計算し直して数える |
🩺【自己診断】第4問で手が止まった人への処方箋
- 問1同位相か逆位相かを確認 → 同位相は整数倍、逆位相は半整数倍
- 問2グラフが選べない → 先に強め合いか弱め合いかを決め、振幅が2倍になるかを見る。届く時刻も確認
- 問3位相がそろうか迷う → 経路差が整数倍かどうか。整数倍ならそろう
- 問4本数が合わない → $|m|\lambda<d$ の整数$m$の個数。$m=0$ は1本、$\pm m$ は2本ずつ
- 問5本数が合わない → 波長と間隔を比にして、間隔が新しい波長の何倍かを出す
第5問 ばねつきピストンの気体 ── エネルギーの配分を比で追う
シリンダー内の単原子分子理想気体が、ばねのついたピストンを押しながら変化します。温度$\propto L^2$という1つの関係で、ほぼ全問が解けます。
問1はじめの圧力と体積の関係(解答番号22)
ピストンの力のつりあいと、体積と長さの関係を使う問題。
- 解答番号22:ばねつきピストンで気体がつりあっているときの圧力$P_0$を、体積$V_0$、ばね定数$k$、断面積$S$で表した式を選ぶ(6通り)
問2ばねの弾性エネルギーと内部エネルギーの比(解答番号23)
単原子分子の内部エネルギー $\tfrac32nRT$ と、状態方程式を結びつける問題。
- 解答番号23:はじめの状態で、ばねの弾性エネルギーと気体の内部エネルギーの比(6通り)
正解は①($1/3$)です。この「$E_s:U=1:3$ のまま比が保たれる」という関係が、問4・問5で効いてきます。
問3温度の目盛の間隔(解答番号24)
$T$と$L$の関係式から、目盛の間隔が広がるか狭まるかを判断する問題。
- 解答番号24:ゆっくり加熱したときのピストン位置$L$の軸に、温度の目盛($T_0,2T_0,3T_0,\dots$)を打つとどうなるかを、4つの定規の図から選ぶ
ゆっくり変化させるので、各$L$でつりあいの式が成り立ち、$PS=kL$、$V=SL$、$PV=RT$ から $T=kL^2/R$。つまり $L\propto\sqrt T$ です。目盛 $T_0,2T_0,3T_0,4T_0$ の位置は、$L_0$を1として約 $1,\ 1.41,\ 1.73,\ 2$。間隔は $0.41,\ 0.32,\ 0.27$ とだんだん狭くなります。
問4加熱の熱量とモル比熱(解答番号25)
熱力学第1法則と、「気体がした仕事=ばねの弾性エネルギーの増加」を組み合わせる問題。
- 解答番号25:温度が$\Delta T$上がる間に気体が吸収する熱量$Q$について、(ア)式の形、(イ)$\Delta U$の何倍か、(ウ)モル比熱を、表の組合せから選ぶ(8通り)
熱力学第1法則から $Q=\Delta U+W$。気体がピストンにした仕事は、すべてばねの弾性エネルギーの増加になります。弾性エネルギーも内部エネルギーも温度に比例する(どちらも $L^2$ に比例する)ので、その増え方は問2の比のまま $1:3$ です。
よって、(ア)$\Delta U+W$、(イ)$4/3$、(ウ)$2R$ で③です。モル比熱が定容比熱$\frac32R$と定圧比熱$\frac52R$の間の値になっている、という見通しもチェックに使えます。
問5弁を開いたあとの温度(解答番号26)
断熱・仕事なしの全体でのエネルギー保存を使う問題。
- 解答番号26:気体を元の状態$L_0$に戻し、ピストンの弁を開く。気体は右の真空室にも広がり、ピストンはばねの力で左端まで押し戻されて静止した。このときの気体の温度を選ぶ(6通り)
装置全体は断熱で、外部に仕事もしません。気体の内部エネルギーとばねの弾性エネルギーの和が保存します。最後にばねは自然の長さなので、弾性エネルギーはすべて気体に渡っています。
正解は②です。数値シミュレーションでも、粘性のあるピストンの運動を解いて、ばねの弾性エネルギーが気体に渡った結果 $T_f=\frac43T_0$ になることを確かめました。
第5問:熱力学の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | つりあい | $P_0S=kL_0$、$V_0=SL_0$ |
| 問2 | エネルギーの比 | $E_s=\tfrac12kL_0^2$、$U=\tfrac32kL_0^2$ → $1:3$ |
| 問3 | 関係式から目盛 | $T\propto L^2$ → $L\propto\sqrt T$、右ほど狭い |
| 問4 | 熱量とモル比熱 | $Q=\Delta U+W$、$W=\Delta U/3$ → $2R$ |
| 問5 | エネルギー保存 | $U_f=U_0+E_{s0}=\tfrac43U_0$ |
🩺【自己診断】第5問で手が止まった人への処方箋
- 問1式が選べない → つりあい $P_0S=kL_0$ と $V_0=SL_0$ を書いて、$L_0$を消す
- 問2比が出ない → $U=\tfrac32RT_0$ を $kL_0^2$ で書き直す($RT_0=kL_0^2$)
- 問3目盛が決まらない → $T\propto L^2$ なら $L\propto\sqrt T$。$\sqrt1,\sqrt2,\sqrt3,\sqrt4$ の間隔を数える
- 問4表が選べない → $Q=\Delta U+W$(第1法則)、$W=\Delta U/3$(問2の比)。$\tfrac43\times\tfrac32=2$
- 問5温度が決まらない → 気体とばねの合計エネルギーが保存。ばねのエネルギーが全部気体へ
国際医療福祉大2026型 そっくり類題セット
(全5大問・解答解説つき)
2026年度の本番と同じ5大問・同じ解答番号の数(1〜26)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。式を先に作ってから選択肢を選ぶ力と、60分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 国際医療福祉大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 特に指示のない限り,重力加速度の大きさを $g$,気体定数を $R$ とし,空気抵抗・摩擦・ばねや糸の質量は無視してよい。
- 解答はすべて,選択肢の番号(①〜⑧)を選ぶマーク形式を想定している。
次の問1〜問5に答えよ。
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合 の答えと解説
- 最高点までの時間は $t=\dfrac{v_0\sin\theta}{g}$。高さは $H=\dfrac{v_0^2\sin^2\theta}{2g}$,水平距離は $X=v_0\cos\theta\cdot t=\dfrac{v_0^2\sin\theta\cos\theta}{g}$。
- $\dfrac{H}{X}=\dfrac{\sin\theta}{2\cos\theta}=\dfrac{1}{2}\tan\theta$ → ⑥。($v_0$ が消えて角度だけで決まる点がポイント。)
- 加速:$qV=\dfrac{1}{2}mv^2$ より $v^2=\dfrac{2qV}{m}$。円運動:$m\dfrac{v^2}{R}=qvB$ より $v=\dfrac{qBR}{m}$。
- 2式から $v$ を消すと $\dfrac{q^2B^2R^2}{m^2}=\dfrac{2qV}{m}$,よって $\dfrac{q}{m}=\dfrac{2V}{B^2R^2}$ → ⑤。
- 入射側の入射角$i_1$・屈折角$r_1$,出射側の屈折角$r_2$・出射角$i_2$ とすると,近似により $i_1=nr_1,\ i_2=nr_2$。
- 頂角について $r_1+r_2=\alpha$。振れ角は $\delta=(i_1-r_1)+(i_2-r_2)=(n-1)(r_1+r_2)=(n-1)\alpha$ → ④。
- 入射角によらず $(n-1)\alpha$ になる点も覚えておく。
- ⑤が正しい。仕事は $W=\int P\,dV$ なので,$\Delta V=0$ なら $W=0$。
- ①は反例として断熱圧縮($Q=0$ で温度上昇)。②は反例として等温膨張($\Delta U=0$ だが $Q>0$)。③は断熱変化では $PV^{\gamma}$ が一定で,$PV$ は一定でない。
- ④は定圧膨張で温度が上がる($PV=nRT$)ので内部エネルギーは増える。⑥は単原子分子の定積モル比熱は$\dfrac{3}{2}R$($\dfrac{5}{2}R$ は二原子分子)。
- 光子1個のエネルギーは $\dfrac{hc}{\lambda}=\dfrac{1.24\times10^{3}}{300}=4.13$ eV。
- 光電子の最大の運動エネルギーは $K=4.13-2.3=1.83$ eV。阻止電圧は $eV_0=K$ より $V_0\approx1.8$ V → ③。
次の文章を読み,問1〜問5に答えよ。
図のように,軽いばね(ばね定数$k$)の上端を天井に固定し,下端に質量$m$の小球をつける。水平右向きを$x$軸,鉛直上向きを$y$軸の正の向きとし,重力加速度の大きさを$g$とする。
小球を,ばねが自然の長さになる位置で静かに放したところ,小球は鉛直方向に単振動をした。放した時刻を$t=0$,小球が最初に最下点に達する時刻を$t_1$とする。
| ア | イ | |
|---|---|---|
| ① | $0$ | $mgt_1$ |
| ② | $0$ | $-\dfrac{mg}{t_1}$ |
| ③ | $0$ | $\dfrac{mg}{t_1}$ |
| ④ | $-mgt_1$ | $0$ |
| ⑤ | $mgt_1$ | $0$ |
| ⑥ | $0$ | $-mgt_1$ |
| ⑦ | $0$ | $-2mgt_1$ |
| ⑧ | $0$ | $-\dfrac{mgt_1}{2}$ |
▶ 第2問 の答えと解説を見る
第2問 ばね振り子 の答えと解説
- 単振動の周期は $T=2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}$。自然の長さの位置は振動の端(速さ0)なので,反対側の端である最下点まで半周期。
- $t_1=\dfrac{T}{2}=\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ → ②。
- 振動の中心はつりあいの位置で,ばねの伸びは $\dfrac{mg}{k}$。自然の長さの位置は中心から $\dfrac{mg}{k}$ だけ上の端。
- 反対側の端は中心から同じ $\dfrac{mg}{k}$ だけ下なので,最下点の伸びは $\dfrac{mg}{k}+\dfrac{mg}{k}=\dfrac{2mg}{k}$ → ④。
- 重力は一定の力 $(0,\,-mg)$ で,時間 $t_1$ だけはたらく。力積=力×時間なので $\vec{I}_g=(0,\,-mgt_1)$ → ⑥。
- 時刻0と$t_1$のどちらも小球は静止しているので,運動量の変化は0。したがって $\vec{I}_g+\vec{I}_s=\vec{0}$。
- $\vec{I}_s=-\vec{I}_g=(0,\,mgt_1)$ より $|\vec{I}_s|=mgt_1=\pi mg\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ → ③。
- 弾性エネルギーが最大なのは伸びが最大の最下点で,伸びは $\dfrac{2mg}{k}$(問2)。
- $U=\dfrac{1}{2}k\left(\dfrac{2mg}{k}\right)^2=\dfrac{2m^2g^2}{k}$ → ⑤。(エネルギー保存でも,高さの減少 $\dfrac{2mg}{k}$ に重力 $mg$ をかけた $\dfrac{2m^2g^2}{k}$ と一致。)
次の文章を読み,問1〜問5に答えよ。
図のように,水平面と角$\theta$をなす斜面上に,間隔$l$の2本の平行な導体レールを斜面に沿って置き,上端を抵抗値$R$の抵抗でつなぐ。空間全体には鉛直上向きで一様な磁束密度$B$の磁場がある。
レールと直交するように質量$m$の導体棒PQをのせて静かに放すと,棒は斜面に沿ってすべり降り,やがて一定の速さになった。重力加速度の大きさを$g$とし,棒とレールの間の摩擦,レールと棒の電気抵抗,回路の自己誘導は無視できるものとする。
▶ 第3問 の答えと解説を見る
第3問 電磁誘導 の答えと解説
- 磁場は鉛直。棒の速度(斜面に沿う向き)のうち,磁場に垂直な成分は水平成分 $v\cos\theta$。棒は水平なのでその向きと磁場・速度は互いに垂直になる。
- $V=B\,l\,(v\cos\theta)=Blv\cos\theta$ → ③。
- 電流は $I=\dfrac{Blv\cos\theta}{R}$。棒にはたらく力は,磁場(鉛直)と棒の両方に垂直な水平な向きで,大きさ $IBl=\dfrac{B^2l^2v\cos\theta}{R}$。
- この力の斜面方向の成分は $\cos\theta$ 倍なので $\dfrac{B^2l^2v\cos^2\theta}{R}$ → ⑥。
- 一定の速さでは斜面方向の力がつりあう。$mg\sin\theta=\dfrac{B^2l^2v_T\cos^2\theta}{R}$。
- よって $v_T=\dfrac{mgR\sin\theta}{B^2l^2\cos^2\theta}$ → ④。
- $P=\dfrac{V^2}{R}=\dfrac{(Blv_T\cos\theta)^2}{R}$ に問3の $v_T$ を入れる。
- 別解:一定の速さでは,重力が単位時間にする仕事 $mg\sin\theta\cdot v_T$ がすべてジュール熱になる。$P=mg\sin\theta\cdot\dfrac{mgR\sin\theta}{B^2l^2\cos^2\theta}=\dfrac{m^2g^2R\sin^2\theta}{B^2l^2\cos^2\theta}$ → ③。
- 磁場が斜面に垂直なら,棒の速度・棒・磁場が互いに垂直になるので,起電力は $Blv$,斜面に沿った力は $\dfrac{B^2l^2v}{R}$($\cos\theta$ が出ない)。
- つりあいより $v_T^{\prime}=\dfrac{mgR\sin\theta}{B^2l^2}$。問3との比は $\dfrac{v_T^{\prime}}{v_T}=\cos^2\theta=\dfrac{3}{4}$ → ③。
次の文章を読み,問1〜問6に答えよ。
水面上の2点S₁,S₂に波源があり,互いに逆位相で振動して,同じ波長$\lambda$,同じ振幅$a$の円形波を水面に送り出している。S₁S₂間の距離は$d=3.5\lambda$である。波の速さを$v$とし,波の減衰は無視できるものとする。
水面上の点Pから2つの波源までの距離を,それぞれ$l_1$,$l_2$とする。線分S₁S₂の中点を点Cとする。
▶ 第4問 の答えと解説を見る
第4問 逆位相の2波源 の答えと解説
- 同位相の波源なら経路差が$\lambda$の整数倍で強め合う。逆位相の波源では半波長ずれるので,強め合う条件は $|l_1-l_2|=\left(m+\dfrac{1}{2}\right)\lambda$ → ③。
- Cは2つの波源から等距離($l_1=l_2$)。2つの波は同じ時刻に同じ強さで届くが,波源が逆位相なので,Cでは常に逆向きに重なって打ち消し合う。
- 到達の瞬間から変位は0のまま,つまり静止し続ける → ④。
- 経路差は $l_1-l_2=2.0\lambda$(整数倍)。逆位相の波源では,経路差が整数倍の点は弱め合う(節)。
- 2つの波は逆位相で重なるので,振幅は $a-a=0$ → ①。(同位相の波源の直感で「強め合う」と答えると誤り。)
- 強め合う条件 $|l_1-l_2|=\left(m+\dfrac{1}{2}\right)\lambda$ で,経路差は三角形の辺の関係から $|l_1-l_2|\le d=3.5\lambda$。
- $m+\dfrac{1}{2}=0.5,\ 1.5,\ 2.5$ はそれぞれ左右に1本ずつで6本。$m+\dfrac{1}{2}=3.5$ は $d$ に等しく,S₁S₂の延長上の直線になるので数えない → 6本で④。
- 振動数が同じで速さが$\dfrac{2}{3}$倍なので,波長は $\lambda^{\prime}=\dfrac{2}{3}\lambda$。距離は $d=3.5\lambda=5.25\lambda^{\prime}$。
- $m+\dfrac{1}{2}<5.25$ を満たすのは $0.5,\ 1.5,\ 2.5,\ 3.5,\ 4.5$ の5つで,左右に1本ずつなので10本 → ⑤。
- 同位相なので強め合う条件は $|l_1-l_2|=m\lambda$($m$は整数)で,$|m|\lambda<d=3.5\lambda$。
- $m=-3,-2,-1,0,1,2,3$ の7本($m=0$ は垂直二等分線)。$m=\pm3.5$ は整数でないので延長上の直線は出てこない → ③。
次の文章を読み,問1〜問5に答えよ。
図のように,断熱材でできた断面積$S$のシリンダーが水平に置かれ,なめらかに動く断熱材のピストンで左右の2室に仕切られている。左室Aには1 molの二原子分子理想気体が入っており,右室Bは真空である。ピストンとシリンダーの右端は,ばね定数$k$の軽いばねでつながれ,ばねは,ピストンがシリンダーの左端にあるとき($L=0$)に自然の長さになる。$L$は左端からピストンまでの距離である。気体定数を$R$とする。
はじめ,気体Aはピストンが$L=L_0$の位置でつりあって静止しており,温度は$T_0$であった。
| ア | イ | ウ | |
|---|---|---|---|
| ① | $\Delta U-W$ | $\dfrac{6}{5}$ | $3R$ |
| ② | $\Delta U-W$ | $\dfrac{6}{5}$ | $\dfrac{7}{2}R$ |
| ③ | $\Delta U-W$ | $6$ | $3R$ |
| ④ | $\Delta U-W$ | $6$ | $\dfrac{7}{2}R$ |
| ⑤ | $\Delta U+W$ | $\dfrac{6}{5}$ | $3R$ |
| ⑥ | $\Delta U+W$ | $\dfrac{6}{5}$ | $\dfrac{7}{2}R$ |
| ⑦ | $\Delta U+W$ | $6$ | $3R$ |
| ⑧ | $\Delta U+W$ | $6$ | $\dfrac{7}{2}R$ |
▶ 第5問 の答えと解説を見る
第5問 ばねとピストン の答えと解説
- つりあいより $P_0S=kL_0$。体積は $V_0=SL_0$ なので,状態方程式 $P_0V_0=RT_0$ に代入して
- $RT_0=\dfrac{kL_0}{S}\cdot SL_0=kL_0^2$,よって $T_0=\dfrac{kL_0^2}{R}$ → ④。
- $E_0=\dfrac{1}{2}kL_0^2$。二原子分子の内部エネルギーは $U_0=\dfrac{5}{2}RT_0=\dfrac{5}{2}kL_0^2$。
- 比は $\dfrac{E_0}{U_0}=\dfrac{1/2}{5/2}=\dfrac{1}{5}$ → ③。
- ゆっくり変化させるので,各$L$でつりあいが成り立つ。$PS=kL$,$V=SL$ より $PV=kL^2$。$PV=RT$ なので $T=\dfrac{kL^2}{R}$。
- $T$は$L$の2乗に比例するので,原点を通り下に凸の放物線 → ②。
- 熱力学第1法則より $Q=\Delta U+W$。気体がした仕事は,ばねの弾性エネルギーの増加に等しい。$E=\dfrac{1}{2}kL^2\propto T$,$U=\dfrac{5}{2}RT\propto T$ で,どちらも$T$に比例するので $W=\Delta E=\dfrac{1}{5}\Delta U$。
- よって $Q=\dfrac{6}{5}\Delta U=\dfrac{6}{5}\cdot\dfrac{5}{2}R\Delta T=3R\Delta T$。モル比熱は$3R$ → ⑤。
- 装置全体は断熱で,外部との仕事もない。気体の内部エネルギーとばねの弾性エネルギーの和が保存する。最後はばねが自然の長さなので弾性エネルギーは0。
- $\dfrac{5}{2}RT_f=\dfrac{5}{2}RT_0+\dfrac{1}{2}kL_0^2=\dfrac{5}{2}RT_0\left(1+\dfrac{1}{5}\right)$ より $T_f=\dfrac{6}{5}T_0$ → ②。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・向きを変えて作っています(例:第2問は単振り子を鉛直ばね振り子に、第3問は導線のつりあいを斜面上のレールに、第4問は同位相を逆位相の波源に変えました)。全26問を、数値シミュレーションで独立に検算しています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:国際医療福祉大の物理で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 国際医療福祉大学 医学部の物理2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第1問の小問集合を15分、第2問(単振り子の力積)を11分、第3問(電流がつくる磁場と導体棒のつりあい)を12分、第4問(水面波の干渉)を11分、第5問(ばねつきピストンの気体)を11分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、物理に60分を使う想定です。第1問の5問は1問2〜3分で取り、迷う知識問題は消去法で先へ進みます。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全26問を、数式処理(sympy)と数値シミュレーション(運動方程式・ビオ・サバールの法則・波の重ね合わせの数値計算)の両方で独立に確かめています。ただし、熱力学の文の真偽や、図を読んで決めた箇所(波の到達時刻・向きなど)はスクリプトだけでは確かめきれないので、ページ内に「要確認」と明記しています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2026年度と同じ5大問・同じ解答番号の数(1〜26)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(8ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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