TMPS物理道場 金沢医科大(AO・推薦)物理 2025(令和8年度)
令和8年度(2025年秋実施)基礎学力テスト 総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜 全3大問 途中式つき

金沢医科大学 医学部(AO・推薦)物理
2025年実施(令和8年度)解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

各小問を「どういう問題か」から説明し、途中式を1行も飛ばさずに解説。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.21 / 読了 約20分

📌 このページの使い方

  1. 問題用紙をお持ちの方:基礎学力テスト本番を想定して目標17分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」と自作図解を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 復習と定着:解説の思考プロセスや立ち回りマップをインプットした上で、目標17分を意識して解き直し、初見時と同じスピードで再現できるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。問題の設定や問われている内容は、TMPSの言葉と自作図解で説明しています。設問番号(問1・問2、(1)〜(4))および解答欄の表記(糸1〜糸3、A〜G、電力・変換効率)は、本番の解答用紙との対応を示すためのものです。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 金沢医科大(AO・推薦)基礎学力テストの物理

Yuiちゃん
Yuiちゃん
物理基礎の力学とエネルギーの問題だから解きやすそうに見えますけど、4科目80分しかない中で焦ると、滑車の張力や $\mathrm{kW}$ の単位換算でうっかりミスをしそうです…。
Sora先生
Sora先生
そこが一番のポイントだよ!金沢医科の推薦物理は、難しい微積や複雑な回路は出ない代わりに、「天井から吊るした糸1には糸2の張力が2本分かかる」「板Bと物体Cの間の力はC単独の運動方程式で出す」「$\mathrm{W}$ を $\mathrm{kW}$ に直す」といった基本の急所を正確に通り抜けられるかで満点と失点がはっきり分かれるんだ。まずは17分の立ち回りマップから確認していこう!
STRATEGY MAP

基礎学力テスト80分の中の「物理17分」立ち回りマップ

時間はTMPSの目安です(4科目80分のうち、英語15分・数学25分・理科2科目35分・見直し5分、物理1科目に17分を使う想定)。

🧭 おすすめの解く順番(計17分:残り2分は単位・文字指定の検算)
大問2(語群選択:3分)→ 大問1(滑車と運動方程式:7分)→ 大問3(水力発電の数値計算:5分)→ 単位 $\mathrm{kW}$・有効数字2桁・文字指定の見直し(2分)
まず大問2の知識問題(A〜G)を3分で埋めてリズムを作り、続けて大問1の力学、最後に大問3の数値計算を落ち着いて処理するのが最も安定します。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

表記は本番の解答用紙に対応しています。先に解いてから開いてください。

大問 1 の答え(問1・問2)

問1(糸1, 2, 3にはたらく張力の大きさ)

糸1: $8mg$ 糸2: $4mg$ 糸3: $3mg$

問2(糸3を切ったあとの運動方程式・加速度・張力・接触力)

(1) $ma=T-mg$ (2) $4ma=4mg-T$ (3) $a$: $\dfrac{3}{5}g$ (3) $T$: $\dfrac{8}{5}mg$ (4) $\dfrac{6}{5}mg$
大問 2 の答え(A〜G:知識問題・要確認)

日本のエネルギー資源別年間発電量と発電方式(解答群から選択・要確認)

A: 化石 B: 火力 C: 原子力 D: 再生可能 E: 太陽光 F: 水力 G: 風力
大問 3 の答え(電力・変換効率)

水力発電所の発電電力 $P\,[\mathrm{kW}]$ と変換効率 $e$(有効数字2桁)

電力: $3.7\times10^5\ \mathrm{kW}$ 変換効率: $0.81\ (81\%)$

※ 計算問題(大問1・大問3)はすべて数式・数値スクリプトで検算済み(ALL OK)であり、大学公表の解答用紙とも照合済みです。大問2は知識問題のため「要確認」と明記したうえで統計値と物理的特徴の根拠を示しています。

採点したら → 30秒の得点診断へ
PART 1 / 目標:完答(7分)

大問1 定滑車と3物体の力学 ── 「一体で見る目」と「Cだけ切り出す目」を使い分ける

天井から吊るされた定滑車・3本の糸・3つの物体(物体A、板B、物体C)についての力のつり合い(問1)と、糸3を切断したあとの運動方程式・接触力(問2)。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問1)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標7分。問1(3か所)を2分、問2(1)〜(4)(5か所)を5分で完答する王道の得点源。
⚠️ 損切り・警戒ライン問2(4)の「物体Cが板Bを押す力」を、静止時と同じ $3mg$ と早合点しないこと!加速度 $a$ で下降中は見かけの重力が軽くなる。
💡 初手の思考トリガー定滑車と糸の質量は0なので、糸1の張力は常に「糸2の張力の2倍」。まず右側の「板B+物体C(合計質量 $4m$)」から決める!

問1静止しているときの糸1・糸2・糸3の張力

📝 どういう問題か?

天井から定滑車を吊るし、3本の糸で3つの物体を静止させたときの各糸の張力を求める問題。

  • 天井から糸1でつるされた定滑車に糸2をかけ、その左端には質量 $m$ の物体Aを、右端には質量 $m$ の板Bをつるす。
  • 物体Aと地面の間を糸3で結び、板Bの上に質量 $3m$ の物体Cを置いて全体が静止している。糸は伸び縮みせずたるまないものとし、滑車はなめらかに回り、糸と滑車の質量は無視できる。重力加速度の大きさは $g$。
  • 答えるのは、糸1、糸2、糸3にはたらく張力の大きさ($m,\ g$ を用いて表す)。
【図1】大問1の設定:問1(静止時の力のつり合い)と 問2(糸3切断後の運動)(TMPS作成) ① 問1:静止時(力のつり合い) 天井 糸1 (T₁=8mg) 糸2 (T₂=4mg) A(m) 糸3 (T₃=3mg) 地面 C (3m) 板B (m) ➔ 計4m ② 問2:糸3を切断後(加速度 a・張力 T) A (m) T mg ↑ 加速度 a ma = T - mg 物体C (3m) 垂直抗力 N 3mg ↓ a 3ma = 3mg - N ➔ N = (6/5)mg
(TMPS作成)左:問1の静止時の張力関係 / 右:問2の物体Aと物体C単独の運動方程式
Yuiちゃん
Yuiちゃん
糸1、糸2、糸3のどこから順番に求めれば一番スムーズですか?
Sora先生
Sora先生
まずは余計な糸がつながっていない右側の「板B+物体C」から見るのが鉄則だよ!ここは合計質量 $m+3m=4m$ を糸2の1本だけで支えているから、糸2 $\to$ 物体Aで糸3 $\to$ 定滑車で糸1 の順に芋づる式で決まるよ。
STEP 1 右側の「板B+物体C」のつり合いから糸2の張力 $T_2$ を出す

糸1、糸2、糸3にはたらく張力の大きさをそれぞれ $T_1,\ T_2,\ T_3$ とおく。右側では質量 $m$ の板Bの上に質量 $3m$ の物体Cが乗って静止しているので、合わせた質量 $4m$ の物体にはたらく鉛直方向の力のつり合いより

$$T_2=(m+3m)g=4mg\quad\cdots\text{(糸2)}$$
STEP 2 左側の物体Aのつり合いから糸3の張力 $T_3$ を出す

質量 $m$ の物体Aには、鉛直上向きに糸2の張力 $T_2=4mg$、鉛直下向きに重力 $mg$ と糸3の張力 $T_3$ がはたらいている。力のつり合いより

$$T_2=mg+T_3\quad\Longrightarrow\quad T_3=T_2-mg=4mg-mg=3mg\quad\cdots\text{(糸3)}$$
STEP 3 定滑車のつり合いから糸1の張力 $T_1$ を出す

質量が無視できる定滑車には、鉛直上向きに糸1の張力 $T_1$、鉛直下向きに左右2本分の糸2の張力 $2T_2$ がはたらいている。よって

$$T_1=2T_2=2\times 4mg=8mg\quad\cdots\text{(糸1)}$$
🎯 問1 の答え
糸1: $8mg$糸2: $4mg$糸3: $3mg$

問2糸3を切ったあとの運動方程式・加速度・張力・接触力

📝 どういう問題か?

地面と結んでいた糸3を切断し、物体Aが鉛直上向きに、板Bと物体Cが一体となって鉛直下向きに動き出したときの運動を解く問題。

  • 物体Aの加速度の大きさを $a$、糸2の張力の大きさを $T$ とする(板Bと物体Cも糸2でつながれているため、鉛直下向きに同じ加速度の大きさ $a$ で動く)。
  • (1) 物体Aについて運動方程式を立てる。
  • (2) 板Bと物体Cを一体とみなして、運動方程式を立てる。
  • (3) $a$ と $T$ を $m,\ g$ の中から必要な文字を用いてそれぞれ表す。
  • (4) 物体Cが板Bを押す力の大きさを $m,\ g$ を用いて表す。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
(4)の「物体Cが板Bを押す力」はどうやって求めればいいんですか?(2)ではBとCを一体にしてしまったので、間の力が式に出てきません…。
Sora先生
Sora先生
いいところに気づいたね!2つの物体を一体とみなすと「内力」である垂直抗力は消えるから、(4)では物体C(質量 $3m$)だけを単独で取り出して運動方程式を立てるんだ。板Bが物体Cを押し返す垂直抗力を $N$ とおけば、作用・反作用の法則から、その $N$ がそのまま「CがBを押す力」になるよ!
(1) 物体Aの運動方程式

物体A(質量 $m$)は鉛直上向きに加速度 $a$ で運動する。鉛直上向きを正とすると、上向きに張力 $T$、下向きに重力 $mg$ がはたらくので

$$ma=T-mg$$
(2) 板Bと物体Cを一体とみなした運動方程式

板B(質量 $m$)と物体C(質量 $3m$)を合わせた一体(質量 $4m$)は、鉛直下向きに加速度 $a$ で運動する。鉛直下向きを正とすると、下向きに重力 $4mg$、上向きに張力 $T$ がはたらくので

$$4ma=4mg-T$$
(3) 加速度 $a$ と張力 $T$ の導出

(1)式と(2)式の両辺をそのまま足し合わせると $T$ が消去できる。

$$ma+4ma=(T-mg)+(4mg-T)\quad\Longrightarrow\quad 5ma=3mg\quad\Longrightarrow\quad a=\frac{3}{5}g$$

これを(1)式に代入して $T$ を求める。

$$T=m(g+a)=m\left(g+\frac{3}{5}g\right)=\frac{8}{5}mg$$

検算:$a$ には質量 $m$ が入らず $g$ だけの式になり、$T$ は静止時の $4mg$ より小さくなる($\dfrac{8}{5}mg=1.6mg$)。

(4) 物体Cが板Bを押す力の大きさ

板Bが物体Cを鉛直上向きに支える垂直抗力の大きさを $N$ とすると、作用・反作用の法則より、物体Cが板Bを鉛直下向きに押す力の大きさも $N$ に等しい。

物体C(質量 $3m$)のみに注目し、鉛直下向きを正として運動方程式を立てると

$$3ma=3mg-N$$

ここに $a=\dfrac{3}{5}g$ を代入して $N$ について解くと

$$N=3m(g-a)=3m\left(g-\frac{3}{5}g\right)=3m\cdot\frac{2}{5}g=\frac{6}{5}mg$$
🎯 問2 の答え
(1) $ma=T-mg$(2) $4ma=4mg-T$(3) $a$: $\dfrac{3}{5}g$(3) $T$: $\dfrac{8}{5}mg$(4) $\dfrac{6}{5}mg$
⚠️ 大問1の罠:問2(2)で「板Bと物体Cを一体とみなす」ときに左辺を $3ma$ や $ma$ にしてしまうミス、また問2(3)の加速度 $a$ の答えに不要な $m$ を残してしまうミスに注意。さらに問2(4)は「下向きに加速度 $a=\dfrac{3}{5}g$ で加速中のエレベーター内の体重計」と同じ現象なので、見かけの重力加速度が $g-a=\dfrac{2}{5}g$ になり、$3m\times\dfrac{2}{5}g=\dfrac{6}{5}mg$ と一瞬で検算できます。
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】大問1で手が止まった人への処方箋

  • 問1の糸1でミス 定滑車にはたらく力の図示不足。滑車を跨ぐ1本の糸(糸2)は左右両側で滑車を下向きに引くため、滑車を吊るす糸1の張力は必ず $2T_2$ になります。
  • 問2(1)(2)の符号ミス 運動の向き(正の向き)の設定曖昧。必ず「実際に動く向き(Aは上向き、B+Cは下向き)」をそれぞれの正の向きにとり、「(質量)× $a$ =(進行方向の力)−(逆向きの力)」の形で統一しましょう。
  • 問2(4)で止まった 接触面ではたらく垂直抗力の切り出し方。一体にした運動方程式からは内力 $N$ は出ません。「接触している片方の物体(糸がつながっていない物体C)だけを取り出して運動方程式を立てる」を合言葉にしましょう。
PART 2 / 目標:完答(3分)

大問2 日本の発電量とエネルギー資源の内訳 ── 2010年→2020年の推移と発電方式の特徴

資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとにした2010年度・2020年度の電源構成の推移と、各発電方式の長所・短所に関する空欄補充(A〜Gの7か所・要確認)。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問2)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標3分。計算ゼロの語群選択なので、試験開始直後にまずここを3分で完答して弾みをつけるのもおすすめ。
⚠️ 損切り・警戒ラインF(水力)とG(風力)の取り違えに注意!表の数値(800億kWh前後で安定=水力、40→90億kWh=風力)と文章の特徴の両方で照合する。
💡 初手の思考トリガー「2010年度は約4分の1(2882/11494)→2020年度に大幅減(388)」は原子力(C)、「35→791へ急増+光エネルギー」は太陽光(E)と即決!
📝 どういう問題か?

日本における2010年度と2020年度のエネルギー資源別年間発電量(単位:億kWh)の表と説明文の空欄(A)〜(G)に当てはまる語句を解答群から選ぶ問題(知識問題・要確認)。

  • 解答群(13語):水力,磁気力,風力,火力,弾性力,重力,放射能,原子力,核融合,鉱物,化石,太陽光,再生可能
  • (A)・(B):日本では石炭・石油・天然ガスなどの( A )燃料を用いた( B )発電の占める割合が最も多い。
  • (C):2010年度は( C )発電が全発電量の4分の1程度(合計 $11494$ のうち $2882$)を占めていたが、2020年度ではその割合は大きく減少している(合計 $9985$ のうち $388$)。
  • (D)・(E):代わって、( D )エネルギーによる発電量が増加傾向にある。特に、光エネルギーを用いた( E )発電による発電量は顕著な増加がみられる($35\to791$)。
  • (F)・(G):( D )エネルギーによる発電には、力学的エネルギーを電気エネルギーへ変換する( F )発電や( G )発電も挙げられる。( F )発電(表で $838\to784$)は、発電量を調整しやすく、汚染物質の排出が少ないが、発電施設の建設コストが高い。( G )発電(表で $40\to90$)は、資源の枯渇の心配がない反面、天候や季節に発電量が左右される、低周波騒音が発生するなどの問題がある。
【図2】大問2:統計データ(2010年度→2020年度)と発電方式(A〜G)の対応マップ(TMPS作成) 主力電源と2010→2020の激変 ・石油+石炭+天然ガス ➔ (A) 化石 燃料 / (B) 火力 発電 ・2010年に約1/4 → 2020年に急減 ➔ (C) 原子力 発電 (2882億kWh → 388億kWh) 急増する環境エネルギー ・枯渇せず繰り返し使える総称 ➔ (D) 再生可能 エネルギー ・光エネルギーを直接電気へ ➔ (E) 太陽光 発電 (35億kWh → 791億kWh へ20倍超!) 力学的エネルギーを使う2方式 ・出力調整しやすい・ダム建設費高 ➔ (F) 水力 発電(約800億kWh) ・天候に左右・低周波騒音問題 ➔ (G) 風力 発電(40→90億kWh) ※表の数値の大小でもFとGを検算!
(TMPS作成)大問2の空欄(A)〜(G)の判断根拠まとめ
STEP 1 (A)・(B)・(C)の決定

・石炭・石油・天然ガスは過去の生物の遺骸などからできた化石燃料(A:化石)であり、これを燃焼させてタービンを回すのが火力発電(B:火力)。2010年度・2020年度ともに全発電量の7〜8割を占めている。

・2010年度に全発電量(11494億kWh)の約4分の1(2882億kWh、約25.1%)を占め、東日本大震災後の2020年度に大きく減少(388億kWh、約3.9%)したのは原子力発電(C:原子力)。

STEP 2 (D)・(E)・(F)・(G)の決定

・太陽光・水力・風力・地熱・バイオマスなど、自然界に常に存在し枯渇しないエネルギー資源の総称は再生可能エネルギー(D:再生可能)。

・太陽電池によって「光エネルギー」を直接電気エネルギーに変換し、2010年度の35億kWhから2020年度の791億kWhへと飛躍的に増加したのは太陽光発電(E:太陽光)。

・力学的エネルギーを電気エネルギーに変換する2つのうち、「発電量を調整しやすく、汚染物質の排出が少ないが、ダムなどの建設コストが高く、年間800億kWh前後(838→784)で安定している」のは水力発電(F:水力)。

・「天候や季節(風の強さ)に発電量が左右され、風車による低周波騒音などの問題があり、発電量が40→90億kWhと推移している」のは風力発電(G:風力)。

🎯 大問2 の答え(要確認:知識問題)
A: 化石B: 火力C: 原子力D: 再生可能E: 太陽光F: 水力G: 風力
⚠️ 大問2の罠:解答欄には「(A)燃料」「(B)発電」のように後ろの語句(「燃料」「発電」「エネルギー」)が除かれた枠だけがあるため、解答群の語句(化石、火力、原子力、再生可能、太陽光、水力、風力)をそのまま正確に記入しましょう。「化石燃料」や「太陽光発電」と余分な文字まで書かないよう解答群の表記に合わせるのが鉄則です。
PART 3 / 目標:完答(5分)

大問3 水力発電の発電電力と変換効率 ── 1秒あたりの位置エネルギーと $\mathrm{kW}$ 換算

毎秒 $70\,\mathrm{m^3}$ の水が落差 $540\,\mathrm{m}$ を落下する水力発電所の理論電力 $P\,[\mathrm{kW}]$ と、実際の発電電力が $3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$ であるときの変換効率 $e$(有効数字2桁)。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問3)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標5分。使う公式は $P=\rho Vgh$ と $e=\dfrac{P_{\text{実}}}{P}$ の2本だけ。桁数のミスさえ防げば確実に満点が取れる。
⚠️ 最大の罠・警戒ライン$\mathrm{W}$(ワット)と $\mathrm{kW}$(キロワット)の取り違え!水の密度 $\rho=1.0\times10^3\,\mathrm{kg/m^3}$ の $10^3$ と、$\mathrm{kW}$ 換算の $10^{-3}$ がちょうど相殺することを知っておくと暗算レベルになる。
💡 初手の思考トリガー変換効率 $e$ を出すときは、丸めた $3.7\times10^5$ ではなく途中計算の $3.7044\times10^5$(または $3.0\div3.704\fallingdotseq0.81$)で割って丸め誤差を防ぐ!
📝 どういう問題か?

水力発電所で1秒あたりに落下する水の重力による位置エネルギーから、発電電力 $P\,[\mathrm{kW}]$ とエネルギー変換効率 $e$ を有効数字2桁で求める問題。

  • 毎秒 $70\,\mathrm{m^3}$ の水が、落差 $540\,\mathrm{m}$ を落下する水力発電所を考える。重力加速度は $g=9.8\,\mathrm{m/s^2}$、水の密度は $\rho=1.0\times10^3\,\mathrm{kg/m^3}$ とし、結果は有効数字2桁で答える。
  • 前半:水のもつ重力による位置エネルギーがすべて電気エネルギーに変換される場合に発電される電力 $P\,[\mathrm{kW}]$ を求める。
  • 後半:実際に発電される電力が $3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$ である場合、水のもつ位置エネルギーから電気エネルギーへの変換効率 $e$ を求める。
【図3】大問3:水力発電のエネルギー変換と「ρ=10³ と kW=10³ の相殺テクニック」(TMPS作成) ① 1秒間に落下する水の質量 m ・体積流量 V = 70 m³/s ・水の密度 ρ = 1.0 × 10³ kg/m³ m = ρV = 7.0 × 10⁴ kg/s (毎秒70トンの水が落下!) ② 理論電力 P [kW](落差 h=540m) ・仕事率 P = mgh [W = J/s] ・= 7.0×10⁴ × 9.8 × 540 ・= 3.7044×10⁸ W = 3.7044×10⁵ kW ➔ P = 3.7 × 10⁵ kW ③ 変換効率 e(実出力 3.0×10⁵ kW) ・e = (実際の電力) ÷ (理論電力 P) ・= (3.0 × 10⁵) ÷ (3.7044 × 10⁵) ・= 0.8098... ≒ 0.81 ➔ e = 0.81(または 81%)
(TMPS作成)大問3の計算ステップと単位換算のしくみ
Yuiちゃん
Yuiちゃん
位置エネルギーの公式 $U=mgh$ の $m$ には何を代入すればいいんですか?また、$\mathrm{kW}$ にするときに $10$ の何乗になるかいつも迷ってしまいます…。
Sora先生
Sora先生
電力(仕事率)は「1秒あたりのエネルギー($\mathrm{J/s}=\mathrm{W}$)」だから、1秒間に落下する水の体積 $V=70\,\mathrm{m^3}$ に密度 $\rho=1.0\times10^3\,\mathrm{kg/m^3}$ を掛けた $m=70\times10^3\,\mathrm{kg}$ を使うよ!しかも、$\mathrm{W}$ から $\mathrm{kW}$ に直すときに $10^3$ で割るから、「水の密度の $10^3$ と $\mathrm{kW}$ の $10^3$ が最初から約分されて消える」と覚えておくと、実は $P\,[\mathrm{kW}]=Vgh=70\times9.8\times540$ だけで一発で求まるんだ!
STEP 1 1秒間に落下する水の質量 $m$ と位置エネルギー

1秒あたりに落下する水の体積は $V=70\,\mathrm{m^3}$、水の密度は $\rho=1.0\times10^3\,\mathrm{kg/m^3}$ なので、1秒間に落下する水の質量 $m$ は

$$m=\rho V=1.0\times10^3\times70=7.0\times10^4\ \mathrm{kg}$$

この水が落差 $h=540\,\mathrm{m}$ を落下するときに失う重力による位置エネルギー(=1秒あたりに得られる理論上の電気エネルギー)は

$$P=mgh=7.0\times10^4\times9.8\times540=3.7044\times10^8\ \mathrm{J/s}\ (\mathrm{W})$$
STEP 2 $\mathrm{kW}$ への単位換算と有効数字2桁への丸め

$1\,\mathrm{kW}=10^3\,\mathrm{W}$ なので、$10^3$ で割って単位を $\mathrm{kW}$ に直すと

$$P=3.7044\times10^5\ \mathrm{kW}\ \fallingdotseq\ 3.7\times10^5\ \mathrm{kW}$$
STEP 3 変換効率 $e$ の計算

実際に発電される電力が $P_{\text{実}}=3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$ なので、変換効率 $e$ は

$$e=\frac{P_{\text{実}}}{P}=\frac{3.0\times10^5}{3.7044\times10^5}=\frac{3.0}{3.7044}\fallingdotseq0.8098\ \fallingdotseq\ 0.81\ (81\%)$$

※ 丸めた後の $3.7\times10^5$ で計算しても $\dfrac{3.0}{3.7}=0.8108\dots\fallingdotseq0.81$ となり、有効数字2桁では同じ $0.81$($81\%$)になります。大学公表の解答用紙では「$0.81\ (81\%)$」と併記されているため、割合($0.81$)または百分率($81\%$)で答えればOKです。

🎯 大問3 の答え
電力: $3.7\times10^5\ \mathrm{kW}$変換効率: $0.81\ (81\%)$
⚠️ 大問3の罠:答えに単位 $\mathrm{kW}$ を書き忘れるミス、または $\mathrm{W}$ のまま $3.7\times10^8\,\mathrm{kW}$ と3桁大きく書いてしまうミスが最大の失点原因です。「後半の問題文に『実際に発電される電力が $3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$ である場合』と書いてあるから、理論電力 $P$ もそれより少し大きい $10^5\,\mathrm{kW}$ のオーダーになるはずだ!」と問題文の数値を使って桁数を逆算検算するクセをつけましょう!

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🩺【自己診断】大問2・大問3で手が止まった人への処方箋

  • 大問2で迷った 物理基礎の巻末テーマ「エネルギーとその利用」の盲点。様々な発電方式(火力・原子力・水力・太陽光・風力・地熱・バイオマス)のエネルギー変換の仕組みと長所・短所は、物理基礎の教科書終盤で10分で総復習できます。
  • 大問3で桁数ミス 単位換算と問題文からのオーダー検算の習慣化。後半の文に「実際は $3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$」とある時点で、100%変換時の電力 $P$ は必ず $3.0\times10^5\,\mathrm{kW}$ より少し大きい値になります。
CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問を17分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

大問1(定滑車と3物体の力学:問1・問2)
大問2(発電量とエネルギー資源の内訳:A〜G)
大問3(水力発電の電力 $P\,[\mathrm{kW}]$ と変換効率 $e$)
あなたの到達度(3大問を同じ重みとした目安)
100%

金沢医科大学の基礎学力テスト物理で満点を狙える素晴らしい到達度です!本番でも17分以内で物理を完答し、もう1科目の理科や数学に時間の余裕を作れるよう、過去問でもう一度タイムアタックしておきましょう。

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FOR PARENTS

保護者の方へ:金沢医科大(AO・推薦)の物理で知っておきたい3つのこと

① 物理基礎の「死角」がそのまま出る
大問1のような王道の力学だけでなく、大問2・3のように教科書の巻末にある「エネルギー資源・発電方式・変換効率」が丸ごと大問として出題されるのが大きな特徴です。
② 勝負は「17分でノーミス」の精度
4科目80分の試験では、物理にかけられる時間は約17分です。答えのみの記入形式だからこそ、単位換算($\mathrm{W}\to\mathrm{kW}$)や有効数字2桁の丸めミスを防ぐ検算習慣が合否を分けます。
③ 4科目トータルの時間配分を点検する
英語・数学・理科2科目のどの順番で解き、どこで時間を確保するかは受験生の得意科目によって異なります。本番前に一度プロの目で答案と時間配分を診断するのが最短ルートです。
FAQ

よくある質問

Q. 基礎学力テストでは、物理に何分かけるべきですか?

英語・数学・理科2科目の計4科目で80分のため、物理(全3大問)は17分(大問2に3分、大問1に7分、大問3に5分、見直し2分)で解き切る配分が理想です。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・元の図は掲載していませんが、各設問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を求めるか・答え方をTMPSの言葉と自作図解で説明しています。

Q. 大問3の水力発電で一番気をつけるべき点はどこですか?

位置エネルギー $mgh$ から求めた1秒あたりのエネルギーの単位は $\mathrm{W}$($\mathrm{J/s}$)ですが、解答欄は $\mathrm{kW}$($10^3\,\mathrm{W}$)で答える指定になっている点です。必ず $10^3$ で割って有効数字2桁($3.7\times10^5\,\mathrm{kW}$)で答えましょう。

Q. 解説に誤りを見つけたら?

公式LINE(https://lin.ee/rySzcDh)からお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

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