Aの長さを$\ell$とします。まずAだけに注目し、Aの下端のまわりのモーメントを考えます。Aの下端にはたらく床からの力は、モーメントの腕が0なので式に出てきません。接点でBから受ける力のうち、Aに沿う成分(摩擦力)も、Aの直線上なので腕が0。残るのは、Aに垂直な成分$N$と重さ$W$だけです。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ50分(理科2科目で100分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を50分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜29)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 図の読み取りなど、スクリプトでは確かめきれない箇所は「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2025年度の北里大の物理
- ✅ 全3大問・解答番号は1〜29。すべて空欄に入る式や値を「解答群」から選ぶマーク式です。理科は2科目で100分なので、物理には約50分です。
- ✅ 第1問は5問の小問集合(解答番号1〜14)。棒のつりあい・人工衛星・コンデンサーの仕事・ドップラー効果のうなり・気体の混合と、力学・電磁気・波動・熱が並びます。
- ✅ 第2問は台車の上のばね振り子(15〜22)。台車の加速度を「慣性力」に直し、つりあいの位置を中心とした単振動で考えます。加速・等速・減速と場面が変わるたびに「つりあいの位置」が動くのが主題です。
- ✅ 第3問は荷電粒子の加速・偏向・磁場中の円運動(23〜29)。極板で加速し、別の極板で曲げ、最後に磁場で円弧を描かせてスクリーンに当てる、一続きの問題です。
- ✅ 全問が「式を先に作ってから、解答群から選ぶ」形。選択肢を見て答えを推測するのではなく、先に自分で式を出して照らし合わせましょう。似た形の式が並ぶので、係数の違いで判断します。


50分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で100分。物理は50分を目安にします。時間はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。解答番号1〜29の全29個を、数式処理と数値シミュレーションの両方で独立に確かめています(結果は下の注記)。
第1問(解答番号 1〜14)
第2問(15〜22)
第3問(23〜29)
※ 検算:29問について、数式処理(sympy)と数値シミュレーション(力のつりあいの6元連立方程式、人工衛星と台車のばね振り子の運動方程式の数値積分、コンデンサーのエネルギー、気体の混合、荷電粒子の運動の数値積分、波面の追跡など)を実行し、全選択肢のうち一致するのが正解の1つだけであることを確かめました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 小問集合 ── 式を先に作ってから選ぶ
力学(つりあい・人工衛星)・電磁気・波動・熱の5つの独立した小問です。1問あたり3〜4分が目安。答えの形が分数と根号なので、選択肢と照らす前に自分の式を最後まで出しましょう。
問12本の棒を組み合わせたつりあい(解答番号1〜3)
あらい水平面の上で、重さ$W$の長い棒Aと、長さがAの半分で重さ$2W$の棒Bが、Bの先端がAの中点に接する形で、どちらも水平面と$60^\circ$で静止している。接点の力と、床からの力を求める問題。
- 解答番号1:BがAから受ける垂直抗力の大きさが何×$W$かを選ぶ(共通の16通り)
- 解答番号2:BがAから受ける摩擦力の大きさが何×$W$かを選ぶ(同じ解答群)
- 解答番号3:Aが水平面から受ける摩擦力の大きさが何×$W$かを選ぶ(同じ解答群)
解答番号1は$\dfrac12$の⑦要確認。つぎにBだけに注目し、Bの下端のまわりのモーメントを考えます。接点はBの先端で、Bの長さは$\dfrac{\ell}{2}$。Bの重さ$2W$は、Bの中央にはたらきます。AがBに及ぼす力は、垂直抗力$N$(右下向き)と摩擦力$f$(Aに沿って右上向き)です。
(腕の長さ:Bの先端はBの下端から見て左へ$\dfrac{\ell}{4}$、上へ$\dfrac{\sqrt3\ell}{4}$の位置。Bの重さ$2W$は、中央なので下端から水平に$\dfrac{\ell}{8}$の位置にはたらきます。)$N=\dfrac{W}{2}$を入れると$f=\dfrac{W}{2\sqrt3}=\dfrac{\sqrt3}{6}W$で、解答番号2は③要確認。
最後にA全体の水平方向のつりあいです。Aが接点でBから受ける力は、$N$と$f$の反作用で、その水平成分の合計が、床からの摩擦力とつりあいます。
解答番号3は⑧要確認。(検算:A、B全体の鉛直方向の床の垂直抗力は合計$3W$、水平方向の床の摩擦力は大きさが等しく向きが逆になります。数値の連立方程式でもこれを確かめました。)
問2人工衛星の角速度と周期(解答番号4・5)
地表の重力加速度$g$と半径$R$だけが与えられ、万有引力定数や天体の質量は与えられない。「$GM=gR^2$」で書き換えてから円運動の式を立てる定番問題。
- 解答番号4:半径$R$の球形の天体の表面から高さ$h$を回る人工衛星の角速度を選ぶ(12通り)
- 解答番号5:その周期を選ぶ(12通り)
天体の質量を$M$とします。表面での重力は$mg=\dfrac{GMm}{R^2}$なので、$GM=gR^2$。軌道半径は$R+h$で、円運動の運動方程式は次のとおりです。
問3コンデンサーの極板を動かす仕事と誘電体を入れる仕事(解答番号6〜8)
静電エネルギー$U$をもつ平行板コンデンサーの極板をゆっくり引き離し、さらに極板と同じ面積で厚さ$d_2$の誘電体を、すき間なく挿入する。外力がした仕事を、エネルギーの変化から求める問題。
- 解答番号6:極板の間隔を$d_1$から$d_2$に広げる間に、極板に加えている力がした仕事が$U$の何倍かを選ぶ(共通の16通り)
- 解答番号7:誘電体を挿入する間にした仕事を「[7]×[8]×$U$」と書いたときの[7]を選ぶ(6と同じ解答群)
- 解答番号8:同じく[8]を、比誘電率$\varepsilon_r$で表した式から選ぶ(8通り)
「電源から切り離してある」ので、極板の電気量$Q$は一定です。このとき静電エネルギーは$U=\dfrac{Q^2}{2C}=\dfrac{Q^2d}{2\varepsilon_0S}$なので、間隔$d$に比例します。間隔が$d_1\to d_2$になると、エネルギーは$U\to\dfrac{d_2}{d_1}U$。ゆっくり動かすので、外力の仕事はエネルギーの変化に等しくなります。要確認
つぎに、厚さ$d_2$の誘電体を全面に入れると、極板の間は誘電体で満たされ、電気容量が$\varepsilon_r$倍になります。電気量は変わらないので、エネルギーは$\dfrac{1}{\varepsilon_r}$倍。仕事は、挿入前のエネルギー$\dfrac{d_2}{d_1}U$を使って次のようになります。
解答番号7は$\dfrac{d_2}{d_1}$の⑤、8は$\dfrac{1-\varepsilon_r}{\varepsilon_r}$の⑥です。$\varepsilon_r>1$なので$W_2<0$、つまり誘電体は引きこまれ、外力は負の仕事をします。
問4ドップラー効果と直接音・反射音のうなり(解答番号9〜12)
静止した観測者Oが、音源Sから直接届く音と、壁で反射して届く音の両方を同時に聞く。音源が壁に向かって動いている状況で、うなりの回数を求め、速さを変えたあとの1回目の変化を調べる問題。
- 解答番号9・10:音源Sが壁に向かって速さ$v$で動いているときに、Oが1秒間に聞くうなりの回数を「[9]×[10]」の形で表す。[9]は係数(13通り)、[10]は$Vvf$を含む分数式(10通り)
- 解答番号11・12:Sが点pを通過した直後に速さを$\dfrac{v}{2}$に変えたとき、1回目に変化したときのうなりの振動数を「[11]×[12]」の形で表す
音の速さを$V$、音源の振動数を$f$とします。音源は壁に向かって動き、観測者Oから遠ざかっています。まず、Oに直接届く音は、音源が遠ざかるので振動数が下がります。壁は静止していて、壁には音源が近づくので、壁が受けて反射する音の振動数は上がります。反射音は静止した壁から出るため、Oに届く振動数は壁が受けた値のままです。
解答番号9は$2$の⑦、10は$\dfrac{Vvf}{(V+v)(V-v)}$の②です。
つぎに、Sが点pを通った直後に速さを$\dfrac{v}{2}$に変えます。点pはOと壁の間にあり、pで出た音は、直接Oへ向かう音のほうが、壁をまわってくる音より先に届きます。だから「1回目の変化」は、直接音の振動数が変わるときです。このとき反射音はまだ変化前の値のままです。
解答番号11は$3$の⑩、12は$\dfrac{Vvf}{(V-v)(2V+v)}$の⑥です。数値でも、音の山の到着時刻を1つずつ追って振動数を測り、公式と一致することを確かめました。
問52つの断熱容器の気体を混ぜる(解答番号13・14)
断熱容器AとBを、コックのついた細い管でつなぎ、コックを開いて単原子分子理想気体を混ぜる。混合後に温度が$2T$になったことから、混合前のBの温度と、混合後の圧力を求める問題。
- 解答番号13:混合後の圧力が$P$の何倍かを選ぶ(9通り)
- 解答番号14:混合前のBの気体の温度が$T$の何倍かを選ぶ(同じ解答群)
断熱容器で外と熱のやりとりがなく、仕事もしないので、混合の前後で内部エネルギーの和が保存します。単原子分子理想気体では$U=\dfrac32nRT=\dfrac32PV$。混合前のBの温度を$T_B$とすると、物質量は$n_AR=\dfrac{PV}{T}$、$n_BR=\dfrac{2P\cdot2V}{T_B}$です。
混合後は、物質量の合計が$n_A+n_B$、体積が$3V$、温度が$2T$です。

第1問:5問の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 2本の棒のつりあい | Aは下端まわり、Bは下端まわりの2回のモーメント |
| 問2 | 人工衛星 | $GM=gR^2$、軌道半径は$R+h$ |
| 問3 | コンデンサー | 切り離し=$Q$一定。$U\propto d$、誘電体は$1/\varepsilon_r$倍 |
| 問4 | うなり | 直接音と反射音を別々に求め、差を取る。先に変わるのは直接音 |
| 問5 | 気体の混合 | 内部エネルギーと物質量の合計が保存 |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- 問1式が立たない → 下端のまわりのモーメントを、A、Bの順に1本ずつ。接点の力はAに垂直な成分とAに沿う成分に分ける
- 問2式が選べない → $GM=gR^2$ を先に書き、軌道半径に$R+h$を入れる
- 問3仕事が合わない → 電気量一定で、エネルギーを$Q^2/(2C)$で書く。仕事=エネルギーの変化
- 問4うなりが出ない → 直接音と反射音の振動数を別の行に。1回目の変化は直接音
- 問5圧力が合わない → エネルギー保存で$T_B$を出してから、$nR$の合計を使う
第2問 台車の上のばね振り子 ── 慣性力とつりあいの位置
台車が加速・等速・減速と動くあいだ、台車の中のAはばねの単振動をします。台車が加速している間は「慣性力」を足して、つりあいの位置を中心に考えるのが鉄則です。
問1加速する台車の中の単振動の振幅とエネルギー(解答番号15・16)
台車の壁に、ばね定数$k$のばねKで質量$m$の小物体Aをつないで静止させ、台車を一定の加速度$a$で動かし始める。台車の中の人から見たAの運動を問う問題。
- 解答番号15:Aの振幅を選ぶ(15通り)
- 解答番号16:ばねKがもっとも縮んだときにKにたくわえられている弾性エネルギーを選ぶ(15通り)
台車の中の人から見ると、Aには加速度と逆向きの慣性力$ma$がはたらきます。この慣性力は、ばねを縮める向きです。つりあいの位置は、ばねが$\dfrac{ma}{k}$だけ縮んだ位置です。Aは、ばねが自然の長さの位置から静かに運動を始めるので、その位置が振動の端で、振幅はつりあいの位置までの距離です。
いちばん縮んだときは、つりあいの位置から振幅ぶんさらに縮んだ位置なので、縮みは$\dfrac{2ma}{k}$。弾性エネルギーは次のとおりです。
問2加速をやめるまでの時間(解答番号17)
台車の加速している時間を、Aの単振動の周期から読み取る問題。
- 解答番号17:Kが2回目にもっとも縮んだ瞬間に台車が加速をやめるとき、台車が加速している時間を選ぶ(14通り)
Aは自然の長さの位置(端)から出発します。1回目にいちばん縮むのは半周期後、2回目は1周期半($\dfrac32$周期)後。周期は$2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}$です。
問3加速をやめたあとの振幅と最大の速さ(解答番号18・19)
加速をやめると慣性力が消え、つりあいの位置が自然の長さの位置に戻る。そのときのAの状態から、新しい振幅を求める問題。
- 解答番号18:台車が一定の速度になったあとのAの振幅が、[15]の何倍かを選ぶ(18通り)
- 解答番号19:そのときのAの速さの最大値を選ぶ(14通り)
加速をやめた瞬間のAは、いちばん縮んだ位置(自然の長さから$\dfrac{2ma}{k}$縮んだ位置)で、台車に対して止まっています。慣性力がなくなると、つりあいの位置は自然の長さの位置になるので、この位置が新しい端です。
問4台車が減速するときのばね振り子(解答番号20・21)
台車が一定の速度になってからAが1周期ぶん振動し、直後に台車が一定の加速度で減速して静止する。減速中の振幅から減速の大きさを求め、静止後の振幅も求める問題。
- 解答番号20:台車が減速している間、Aが[15]の4倍の振幅で単振動し続けたとき、台車の加速度の大きさが$a$の何倍かを選ぶ(18通り)
- 解答番号21:台車が静止したあとも単振動を続けるAの振幅が、[15]の何倍かを選ぶ(同じ解答群)
1周期ぶん振動した直後のAは、加速をやめた瞬間と同じ状態:いちばん縮んだ位置(縮み$\dfrac{2ma}{k}$)で、台車に対して止まっています。台車が減速(加速度の大きさ$a_2$)すると、慣性力$ma_2$がばねを伸ばす向きにはたらき、つりあいの位置は自然の長さから$\dfrac{ma_2}{k}$だけ伸びた位置に移ります。
Aは速さ0なので、振幅はつりあいの位置までの距離です。縮み側の$\dfrac{2ma}{k}$から、伸び側の$\dfrac{ma_2}{k}$までなので、次のとおりです。
つぎに、台車が静止するまでの時間を求めます。台車の速さは$a\times3\pi\sqrt{\dfrac mk}$で、これを$2a$で減速するので、時間は$\dfrac{3\pi}{2}\sqrt{\dfrac mk}$。周期の$\dfrac34$にあたります。減速中のAは、つりあいの位置(伸び$\dfrac{2ma}{k}$)のまわりを、端(縮み側の$\dfrac{4ma}{k}$)から$\dfrac34$周期ぶん進みます。$\dfrac34$周期後は、つりあいの位置を通過するところで、そのときの速さは最大です。
台車が静止すると、つりあいの位置は自然の長さに戻ります。新しい振幅は、「自然の長さからの位置」と「速さ÷$\omega$」の2乗和の平方根です。
問5台車が動いた距離(解答番号22)
台車の運動を、加速、等速、減速の3段階に分けて、速度と時間から距離を足し合わせる問題。
- 解答番号22:問2の$T$を使って、台車が最初の加速を始めてから静止するまでに動いた距離が$aT^2$の何倍かを選ぶ(13通り)
台車の運動は3段階です。加速:時間$T$、距離$\dfrac12aT^2$、このときの速さは$aT$。等速:Aが1周期($2\pi\sqrt{\dfrac mk}=\dfrac23T$)ぶん振動する間なので、距離は$aT\times\dfrac23T$。減速:加速度$2a$、初速$aT$、時間$\dfrac T2$なので、距離は$\dfrac{(aT)^2}{2\cdot2a}=\dfrac14aT^2$。

第2問:台車の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 加速中の単振動 | 慣性力$ma$でつりあいの位置が$ma/k$ずれる。振幅=そこまでの距離 |
| 問2 | 時間 | 端から出発。2回目の最大の縮みは$\tfrac32$周期後 |
| 問3 | 加速をやめる | つりあいの位置が自然の長さに戻る。端の位置から振幅が決まる |
| 問4 | 減速 | 慣性力の向きに注意。減速時間は周期の$\tfrac34$。振幅は「位置」と「速さ÷$\omega$」の2乗和 |
| 問5 | 3段階の距離 | 加速+等速+減速を足す。時間は$T$で表す |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- 問1振幅が出ない → 慣性力$ma$を足して、つりあいの位置($ma/k$)を先に出す。最初の位置が端なら、振幅はそこまでの距離
- 問2時間が合わない → 端から出発する単振動で、何回目の最大の縮みかを数える(1回目は半周期後)
- 問3振幅が合わない → 加速をやめた瞬間の位置と速さを書き、つりあいの位置(自然の長さ)からの距離で振幅を決める
- 問4減速の大きさが出ない → 慣性力の向きを図で確認。縮み側と伸び側の距離を足す
- 問5距離が合わない → 3段階に分け、各段階の時間を$T$で表す
第3問 荷電粒子の加速・偏向・磁場中の円運動
極板ABで加速し、極板CDで曲げ、スクリーンSに当てる一続きの問題です。後半は、CD間に磁場をかけて円弧を描かせます。問1〜3・6は式の形で決まるので先に取れます。
問1AB間での力(解答番号23)
正の電気量$q$、質量$m$の小球Pが、間隔$d_1$の平行板AB間の一様な電場の中にある。電場の強さ$V_1/d_1$から、力を求める基本問題。
- 解答番号23:PがAB間にあるとき、Pにはたらく力の大きさを選ぶ(18通り)
問2Bの穴を出た直後の速さ(解答番号24)
静止から電位差$V_1$で加速された小球の速さを、仕事とエネルギーから求める問題。
- 解答番号24:PがBの穴を飛び出した直後の速さを選ぶ(12通り)
問3CD間での加速度(解答番号25)
CD間の電場の強さは$V_2/d_2$。運動方程式から加速度を出す問題。
- 解答番号25:PがCD間にあるとき、Pに生じている加速度の大きさを選ぶ(16通り)
問4CD間を通り抜けるための$V_2$の最大値(解答番号26)
一辺$a$のCD間(間隔$d_2$)を、中心線に沿って入ったPが、極板にぶつからずに出るための条件。「$z$方向は等速、$y$方向は等加速度」の合成運動で考える問題。
- 解答番号26:PがCD間を通り抜けるための$V_2$の最大値が、$V_1$の何倍かを選ぶ(14通り)
CD間を通る時間は$t=\dfrac av$($a$はCDの一辺、$v$は問2の速さ)。$y$方向に動く距離が、中心線から極板までの距離$\dfrac{d_2}{2}$以下であることが、通り抜ける条件です。
問5スクリーンに当たる点の$y$座標(解答番号27)
CD間を出たあとは、等速直線運動でSに到達する。出口でのずれと向きから、スクリーン上の位置を求める問題。
- 解答番号27:問4の[26]を$n$とおき、$V_2=nV_1$のとき、Pが到達したS上の点の$y$座標を、$n$と$\ell$を用いて表した式を選ぶ(16通り)
CD間を出た直後の$y$方向のずれ$y_1$と、進む向きの傾き$\tan\theta$は、次のとおりです($n$は$V_2=nV_1$の比)。
出口からスクリーンまで$z$方向の距離は$\ell-\dfrac a2$なので、スクリーン上のずれは次のようになります。
途中の$a^2$の項は打ち消し合います。軌跡を後ろへ延長すると、CD間の中央を通るからです。ここで$n=\dfrac{2d_2^2}{a^2}$を使って$\dfrac{a}{d_2}=\sqrt{\dfrac2n}$を代入します。
問6磁場中の円弧の半径(解答番号28)
CD間の電位差は0にして、$y$軸に平行な磁場だけをかける。粒子は$xz$平面内の円弧を描く。円運動の半径を、速さから出す問題。
- 解答番号28:CD間に磁束密度$B$の磁場をかけ、$V_1$で加速した粒子P$^{\prime}$が描く円弧の半径を選ぶ(8通り)
磁場からの力$qvB$が向心力になります。速さは問2の$v=\sqrt{\dfrac{2qV_1}{m}}$(磁場は仕事をしないので変わりません)。
問7スクリーンに当たる点の$x$座標(解答番号29)
円弧の端の点r($x$座標が$\dfrac a2$)の位置から、円の半径と進む向きを幾何で決め、等速直線運動でSまで延長する問題。
- 解答番号29:P$^{\prime}$が点rでCD間を抜け、Sに到達したとき、S上の点の$x$座標を選ぶ(14通り)
図7から、点rはCの右上の角($x=\dfrac a2$、$z$方向の終端の辺の上)と読みます要確認。入り口の$x=0$から$z$方向に$a$進んだ点で$x=\dfrac a2$なので、円の中心を$x=r$に置くと、次の関係が成り立ちます。
点rを出てからSまでの$z$方向の距離は、$\ell-\dfrac a2$(点rは中央のpからS側に$\dfrac a2$)です。到達点の$x$座標は次のようになります。
第3問:荷電粒子の型
| 問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| 問1 | 一様な電場 | 力$=qV_1/d_1$ |
| 問2 | 加速 | 仕事とエネルギー:$\tfrac12mv^2=qV_1$ |
| 問3 | 偏向の加速度 | $a=qV_2/(md_2)$ |
| 問4 | 通り抜ける条件 | $z$方向は等速、$y$方向は等加速度。中心線から極板まで$d_2/2$ |
| 問5 | スクリーン上のずれ | 軌跡の延長線はCD間の中央を通る |
| 問6 | 磁場中の円運動 | $r=mv/(qB)$。磁場は仕事をしない |
| 問7 | 円弧の幾何 | 半径と角度を三平方の定理で。出口の傾き$\tan\theta$で直進 |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- 問1〜3式が選べない → 電場$E=V/d$、力$qE$、加速度$qE/m$を順に書く
- 問4条件が合わない → 通る時間$t=a/v$と、$y$方向の等加速度運動の式を書く。中心線から極板までは$d_2/2$
- 問5式が重い → 出口の位置と傾きから、延長線がCD間の中央を通ることを使う
- 問6半径が出ない → 向心力=磁場の力$qvB$、速さは問2の$v$
- 問7幾何が決まらない → 入り口と点rの座標から、円の中心と半径を三平方の定理で。出口の傾きを求めてSまで直進
北里大2025型 そっくり類題セット
(全3大問・解答解説つき)
2025年度の本番と同じ3大問・同じ解答番号の数(1〜29)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。式を先に作ってから解答群を選ぶ力と、50分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように50分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 北里大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 特に指示のない限り,重力加速度の大きさを $g$ とし,空気抵抗・摩擦・糸の質量は無視してよい。
- 解答はすべて,各解答群の選択肢の番号(①〜)を選ぶマーク形式を想定している。解答番号は 1〜29。
つぎの問い(問1〜問5)の空欄 に入る適語を解答群から選択せよ。(解答番号 1〜14)
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合 の答えと解説
- Bの先端の接点はAの下端から $\dfrac{2}{3}$ の位置,Bの長さもAの $\dfrac{2}{3}$ で,どちらも水平面と $45^\circ$ なので,A,B,水平面は二等辺三角形をつくる。接点でBがAから受ける力を,Aに垂直な成分 $N$ と,Aに沿う成分 $f$ に分ける。
- Bのつりあい(Bの下端のまわりのモーメント):Bの重さ $W$ は下端から水平に $\dfrac{1}{2}\ell_B\cos45^\circ$ の位置,$N$ はBの先端にはたらく。三角形の辺の関係を使って整理すると,$N=\dfrac{3\sqrt{2}}{4}W$ → 1は⑧。
- 同じモーメントの式の,Aに沿う成分から $f=\dfrac{\sqrt{2}}{4}W$ → 2は③。
- Aのつりあい:水平方向では,接点での力の水平成分と,床の摩擦力(水平面から受ける摩擦力)がつりあう。接点でAがBから受ける力は $N$ と $f$ の反作用なので,水平成分は $\dfrac{3\sqrt{2}}{4}W\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}+\dfrac{\sqrt{2}}{4}W\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}=W$。よって床の摩擦力は $W$ → 3は⑨。(鉛直方向の確認:Aが床から受ける垂直抗力 $\dfrac{3}{2}W$ と,Bが床から受ける垂直抗力 $\dfrac{3}{2}W$ の合計が全体の重さ $3W$ に一致する。)
- 天体の質量を $M$,万有引力定数を $G$ とすると,表面での重力は $\dfrac{GMm}{R^2}=mg$ なので $GM=gR^2$。
- 高さ $h$ の円軌道(軌道半径 $R+h$)の運動方程式:$m\dfrac{v^2}{R+h}=\dfrac{GMm}{(R+h)^2}$ より $v=\sqrt{\dfrac{GM}{R+h}}=\sqrt{\dfrac{gR^2}{R+h}}$ → 4は③。
- 周期は $T=\dfrac{2\pi(R+h)}{v}=2\pi\sqrt{\dfrac{(R+h)^3}{gR^2}}$ → 5は①。
- 電源から切り離してあるので,極板上の電気量 $Q$ は一定。静電エネルギーは $U=\dfrac{Q^2d}{2\varepsilon_0S}$ なので,間隔 $d$ に比例する。間隔が $d_1\to d_2$ になると,エネルギーは $U\to\dfrac{d_2}{d_1}U$。外力のした仕事は,エネルギーの変化に等しく $\left(\dfrac{d_2}{d_1}-1\right)U=\dfrac{d_2-d_1}{d_1}U$(近づけると負の仕事=極板が引きあう力に引かれる)→ 6は⑧。
- つぎに,厚さ $\dfrac{d_2}{2}$ の誘電体が全面を満たすと,極板間は「真空の層 $\dfrac{d_2}{2}$」と「誘電体の層 $\dfrac{d_2}{2}$」の直列。$Q$ 一定なので,エネルギーは「$\dfrac{Q^2}{2\varepsilon_0S}\times$(実効的な厚さ)」に比例し,実効的な厚さは $\dfrac{d_2}{2}+\dfrac{d_2}{2\varepsilon_r}=\dfrac{d_2}{2}\cdot\dfrac{\varepsilon_r+1}{\varepsilon_r}$。
- 挿入前の実効的な厚さは $d_2$ なので,エネルギーは $\dfrac{\varepsilon_r+1}{2\varepsilon_r}$ 倍。仕事は $\dfrac{d_2}{d_1}U\left(\dfrac{\varepsilon_r+1}{2\varepsilon_r}-1\right)=\dfrac{d_2}{d_1}\cdot\dfrac{1-\varepsilon_r}{2\varepsilon_r}U$ → 7は③,8は④。
- Sは壁から遠ざかり,Oに近づいている。Oに直接届く音の振動数は $f_1=\dfrac{V}{V-v}f$。壁に届く音は,音源が遠ざかるので $\dfrac{V}{V+v}f$ で,壁は静止しているので,反射してOに届く音も $f_2=\dfrac{V}{V+v}f$。
- うなりの回数は $f_1-f_2=Vf\left(\dfrac{1}{V-v}-\dfrac{1}{V+v}\right)=2\times\dfrac{Vvf}{(V+v)(V-v)}$ → 9は④,10は②。
- 点pはOに近いので,pで出た音は,壁を回る音より先にOに届く。つまり1回目の変化は「直接音の振動数が変わる」こと。速さ $\dfrac{3v}{2}$ の直接音は $\dfrac{Vf}{V-3v/2}=\dfrac{2Vf}{2V-3v}$,反射音は(まだ変化前の)$\dfrac{Vf}{V+v}$。
- うなりは $\dfrac{2Vf}{2V-3v}-\dfrac{Vf}{V+v}=Vf\cdot\dfrac{2(V+v)-(2V-3v)}{(2V-3v)(V+v)}=5\times\dfrac{Vvf}{(V+v)(2V-3v)}$ → 11は⑩,12は⑤。
- 断熱で外との仕事もないので,混合の前後で内部エネルギーの和が保存する。単原子分子では $U=\dfrac{3}{2}nRT=\dfrac{3}{2}PV$。混合前のBの温度を $T_B$,物質量を $n_A,n_B$ とすると $n_AR=\dfrac{PV}{T}$,$n_BR=\dfrac{3P\cdot2V}{T_B}=\dfrac{6PV}{T_B}$。
- エネルギー保存:$PV+6PV=\left(\dfrac{PV}{T}+\dfrac{6PV}{T_B}\right)\cdot2T$ より $7=2+\dfrac{12T}{T_B}$,$T_B=\dfrac{12}{5}T$ → 14は⑫。
- 混合後は,物質量の合計 $n_A+n_B$,体積 $3V$,温度 $2T$。$nR=\dfrac{PV}{T}+\dfrac{6PV}{T_B}=\dfrac{PV}{T}\left(1+\dfrac{5}{2}\right)=\dfrac{7PV}{2T}$ なので,圧力は $\dfrac{nR\cdot2T}{3V}=\dfrac{7}{3}P$ → 13は⑦。
つぎの問い(問1〜問5)の空所 に入る適語を解答群から選択せよ。(解答番号 15〜22)
図のように,なめらかな床をもつ台車の鉛直な壁に,ばね定数 $k$ [N/m] の軽いばねKの一端を固定し,Kの他端には質量 $m$ [kg] の小物体Aを取り付けた。Kが自然の長さの状態でAを静止させたまま,台車を水平面上に静かに置いた。つぎに,台車を壁のある向きに一定の大きさ $a$ [m/s$^2$] の加速度で動かしたところ,Aは台車の中で単振動を始めた。ただし,KとAと台車は水平方向にのみ運動するものとし,Aは台車の壁とは衝突しないものとする。また,Aの運動は台車の中の人が観測するものとする。
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第2問 台車の上のばね振り子 の答えと解説
- 台車の中の人から見ると,Aにはたらく慣性力 $ma$ が,ばねの伸びる向きにはたらく。つりあいの位置は,自然の長さから $\dfrac{ma}{k}$ だけ伸びた位置。Aは自然の長さの位置から静かに運動を始めるので,その位置が振動の端であり,振幅は つりあいの位置までの距離 $\dfrac{ma}{k}$ → 15は②。
- 角振動数は $\omega=\sqrt{\dfrac{k}{m}}$。速さの最大値は $\omega\times$振幅 $=\sqrt{\dfrac{k}{m}}\cdot\dfrac{ma}{k}=a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ → 16は③。
- 台車の中でのAの運動は,つりあいの位置を中心にした単振動。自然の長さの位置(振動の端)から出発して,はじめてつりあいの位置(中心)を通るのは,周期 $2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ の $\dfrac{1}{4}$ 後。
- よって $t=\dfrac{1}{4}\cdot2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}=\dfrac{\pi}{2}\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ → 17は③。
- 台車が加速をやめた瞬間のAは,つりあいの位置(自然の長さから $\dfrac{ma}{k}$ 伸びた位置)を,台車に対して速さ $a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$(問1の最大値)で通過している。
- 加速をやめると慣性力が消え,つりあいの位置は自然の長さの位置に戻る。Aは「自然の長さから $\dfrac{ma}{k}$ 伸びた位置を,速さ $a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ で通る」ところから,改めて自然の長さを中心に単振動する。
- 振幅を $A'$ とすると,エネルギー保存より $\dfrac{1}{2}kA'^2=\dfrac{1}{2}k\left(\dfrac{ma}{k}\right)^2+\dfrac{1}{2}m\cdot a^2\dfrac{m}{k}=k\left(\dfrac{ma}{k}\right)^2$ なので $A'=\sqrt{2}\,\dfrac{ma}{k}$ → 18は⑥。速さの最大値は $\sqrt{\dfrac{k}{m}}A'=\sqrt{2}\,a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$ → 19は⑤。
- 1周期分の振動をした直後のAの状態は,加速をやめたときと同じ:自然の長さから $\dfrac{ma}{k}$ だけ伸びた位置,台車に対する速さ $a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$(伸びる向き)。
- 減速の加速度の大きさを $a_2$ とすると,台車の中では慣性力 $ma_2$ が,ばねを縮める向きにはたらき,つりあいの位置は自然の長さから $\dfrac{ma_2}{k}$ だけ縮んだ位置に移る。この位置を中心にみると,Aは「$\dfrac{ma+ma_2}{k}$ だけ離れた位置」で「速さ $a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$」をもつので,振幅 $A_2$ は $A_2^2=\left(\dfrac{ma+ma_2}{k}\right)^2+\left(\dfrac{ma}{k}\right)^2$(速さ÷$\omega$ が $\dfrac{ma}{k}$)。
- $A_2=\dfrac{\sqrt{13}}{2}\dfrac{ma}{k}$ なので $(a+a_2)^2+a^2=\dfrac{13}{4}a^2$,$a_2=\dfrac{1}{2}a$ → 20は②。
- 台車が静止するまでの時間は $t_2=\dfrac{a\cdot\frac{\pi}{2}\sqrt{m/k}}{a_2}=\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}$($\omega t_2=\pi$,減速中の振動の半周期)。半周期後は,つりあいの位置(縮んだ側 $\dfrac{ma}{2k}$)を中心に反対側へ移るので,自然の長さから $\dfrac{ma}{2k}+\dfrac{3ma}{2k}=\dfrac{2ma}{k}$ だけ縮んだ位置で,速さ $a\sqrt{\dfrac{m}{k}}$(縮む向き)。
- 台車が止まると,つりあいの位置が自然の長さに戻る。新しい振幅は $\sqrt{\left(\dfrac{2ma}{k}\right)^2+\left(\dfrac{ma}{k}\right)^2}=\sqrt{5}\,\dfrac{ma}{k}$ → 21は⑩。
- 台車の運動は3段階。(ⅰ)加速:時間 $T$,距離 $\dfrac{1}{2}aT^2$。このときの速さは $aT$。
- (ⅱ)等速:Aが1周期 $2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}=4T$ の振動をする間,距離は $aT\times4T=4aT^2$。
- (ⅲ)減速:加速度の大きさ $\dfrac{a}{2}$,初速 $aT$ なので,距離は $\dfrac{(aT)^2}{2\cdot a/2}=aT^2$(時間は $2T$)。
- 合計 $\left(\dfrac{1}{2}+4+1\right)aT^2=\dfrac{11}{2}aT^2$ → 22は⑪。
つぎの問い(問1〜問7)の空所 に入る適語を解答群から選択せよ。(解答番号 23〜29)
図のように,じゅうぶん広いスクリーンSの中央を原点Oとする $xyz$ 軸をとり,Sと $xy$ 平面が一致するように真空中で固定した。正方形の4枚の極板A,B,C,Dを用意する。A,Bは一辺 $b$ [m] で,$z$ 軸が中心を通るようにSと平行に固定し,間隔は $d_1$ [m] である。C,Dは一辺 $b$ [m],間隔は $d_2$ [m] で $xz$ 平面と平行に固定する。このとき,CとDの中心を通り極板と直交する線と $z$ 軸との交点を点pとし,点pと原点Oとの距離は $\ell$ [m] である。ただし,$z$ 軸は,極板Dから $\dfrac{d_2}{3}$ [m],極板Cから $\dfrac{2d_2}{3}$ [m] の位置を通る。質量 $m$ [kg],正の電気量 $q$ [C] の小球Pを,Aの中央で静止させ,Bの中央に小さな穴を開ける。AB間に電位差 $V_1$ [V] を与え,CはDより電位差 $V_2$ [V] だけ高くなるようにしたところ,Pは $z$ 軸上を運動し始め,Bの穴を抜けて飛び出した。ただし,AB間とCD間の電場は一様で極板間の外には存在しないものとし,重力の影響は考えない。
つぎに,CD間の電位差を0にし,CD間に大きさ $B$ [T] の一様な磁束密度の磁場を $y$ 軸に平行な向きに加えた。質量 $m$ [kg],正の電気量 $q$ [C] の小球 $\mathrm{P}'$ をAの中央で静止させ,AB間に電位差 $V_1$ [V] を加えたところ,$\mathrm{P}'$ はBの穴から飛び出した。その後,$\mathrm{P}'$ はCD間で図のような円弧を描き,CD間の $z$ 方向の終端の辺上で $x$ 座標が $\dfrac{b}{4}$ [m] となる点rでCD間を抜け,Sに到達した。ただし,図はCを $y$ 軸の正の側から見たものである。
▶ 第3問 の答えと解説を見る
第3問 荷電粒子の偏向 の答えと解説
- AB間の電場の強さは $E_1=\dfrac{V_1}{d_1}$。Pにはたらく力は $qE_1=\dfrac{qV_1}{d_1}$ なので,加速度の大きさは $\dfrac{qV_1}{md_1}$ → 23は②。
- 静止から等加速度運動で距離 $d_1$ 進むので,$d_1=\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{qV_1}{md_1}t^2$ より $t=d_1\sqrt{\dfrac{2m}{qV_1}}$ → 24は②。(Bの穴を出るときの速さは $v=\sqrt{\dfrac{2qV_1}{m}}$ で,以降の問いで使う。)
- CD間の電場の強さは $E_2=\dfrac{V_2}{d_2}$。力の大きさは $qE_2=\dfrac{qV_2}{d_2}$ → 25は②。(Cのほうが電位が高いので,力は正電荷をDのほうへ向ける。Dは $z$ 軸に近い極板。)
- PはCD間($z$ 方向の長さ $b$)を,速さ $v=\sqrt{\dfrac{2qV_1}{m}}$ で等速に進むので,通過時間は $t=\dfrac{b}{v}$。力は極板Dのほうへ向かい,加速度は $\dfrac{qV_2}{md_2}$。
- 通り抜けられる条件は,Dのほうへのずれが,$z$ 軸からDまでの距離 $\dfrac{d_2}{3}$ 以下であること:$\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{qV_2}{md_2}\cdot\dfrac{b^2}{v^2}\le\dfrac{d_2}{3}$。$v^2=\dfrac{2qV_1}{m}$ を入れると $\dfrac{V_2b^2}{4V_1d_2}\le\dfrac{d_2}{3}$。
- よって $V_2\le\dfrac{4d_2^2}{3b^2}V_1$ → 26は⑦。
- CD間を出た直後のずれ $y_1$ と,進む向きの傾き $\tan\theta=\dfrac{v_y}{v}$ は,$y_1=\dfrac{V_2b^2}{4V_1d_2}=\dfrac{nb^2}{4d_2}$,$\tan\theta=\dfrac{qV_2}{md_2}\cdot\dfrac{b}{v}\cdot\dfrac{1}{v}=\dfrac{nb}{2d_2}$。
- CD間を出てから,まっすぐSまでの距離は $\ell-\dfrac{b}{2}$。到達点のずれは $y=y_1+\left(\ell-\dfrac{b}{2}\right)\tan\theta=\dfrac{nb\ell}{2d_2}$(途中の $b^2$ の項は打ち消し合う:曲がる向きの延長線は,CD間の中央を通る)。
- ここで $n=\dfrac{4d_2^2}{3b^2}$ より $\dfrac{b}{d_2}=\dfrac{2}{\sqrt{3n}}$。したがって $y=\dfrac{n\ell}{2}\cdot\dfrac{2}{\sqrt{3n}}=\dfrac{\sqrt{3}}{3}\sqrt{n}\,\ell$ → 27は⑧。
- 磁場から受ける力の大きさは $qvB$。Bの穴を出た直後の速さは $v=\sqrt{\dfrac{2qV_1}{m}}$(AB間の仕事とエネルギー)で,磁場中の力は仕事をしないので速さは変わらない。よって $qB\sqrt{\dfrac{2qV_1}{m}}$ → 28は①。
- 円弧の半径を $R$ とする。入り口($x=0$)から $z$ 方向に $b$ 進んだ点rで $x=\dfrac{b}{4}$ なので,円の中心が $x=R$ にあることから $b^2+\left(R-\dfrac{b}{4}\right)^2=R^2$。これを解いて $R=\dfrac{17}{8}b$。
- rでの進む向きは $z$ 軸から $\theta$ だけ曲がっていて,$\sin\theta=\dfrac{b}{R}=\dfrac{8}{17}$,$\cos\theta=\dfrac{R-b/4}{R}=\dfrac{15}{17}$,$\tan\theta=\dfrac{8}{15}$。
- rを出てからSまでの $z$ 方向の距離は $\ell-\dfrac{b}{2}$(CD間の中央pからSまでが $\ell$,rはpより $\dfrac{b}{2}$ だけS側)。到達点の $x$ 座標は $\dfrac{b}{4}+\left(\ell-\dfrac{b}{2}\right)\cdot\dfrac{8}{15}=\dfrac{32\ell-b}{60}$ → 29は⑤。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・向きを変えて作っています(例:第1問は棒の角度と重さと接点の位置を、衛星は角速度から速さへ、コンデンサーは極板を近づけて厚さの半分の誘電体を入れる設定に、第2問は台車の加速をやめるタイミングと減速の大きさを、第3問は粒子を通す位置を極板の端から3分の1の位置にしました)。解答番号1〜29のすべてを、数値シミュレーションで独立に検算しています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを50分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:北里大の物理で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 北里大学 医学部の物理2025年度は、どの順番で解くのがよいですか?
TMPSのおすすめは、第1問の小問集合を20分、第2問(台車の上のばね振り子)を14分、第3問(荷電粒子の偏向)を16分の合計50分です。本番は理科2科目で100分なので、物理に50分を使う想定です。第1問は1問3〜4分で取り、図の読みや式の選び方に迷う問題は後回しにします。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の解答番号1〜29の全29個を、数式処理(sympy)と数値シミュレーション(力のつりあいの連立方程式、運動方程式の数値積分、波面の追跡など)の両方で独立に確かめています。図の読み取りなどスクリプトでは確かめきれない箇所は、ページ内に「要確認」と明記しています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2025年度と同じ3大問・解答番号1〜29の形で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(9ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
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