ハーディー・ワインベルグの法則が成り立つとき、$A$の頻度を$p$、$a$の頻度を$q$($p+q=1$)として、遺伝子型の頻度は$AA:Aa:aa=p^2:2pq:q^2$です。$aa$の頻度から$q$を出します。
📌 このページの使い方
- 過去問集をお持ちの方:本番と同じ時間(理科2科目で90分、生物は約45分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
- お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
- 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を45分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜36)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 答えはTMPSが独立に導いたもので、計算・場合分けの欄はスクリプトで検算しています(公式の解答は参照していません)。用語の知識と、図の読み取りに依存する欄には「要確認」を付けています。
⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)
LINEで誤りを連絡3分で分かる 2025年度の金沢医科大の生物
- ✅ 全3大問・解答番号は1〜36。2026年度(54欄)より欄が少なく、1欄あたりの「重さ」が増えています。数字をマークする欄、解答群から1つ選ぶ欄、「すべて選べ」「2つ選べ」の欄が混ざります。理科は2科目で90分なので、生物には約45分(TMPSの目安)です。
- ✅ 第1問は7問の小問集合。ハーディー・ワインベルグの計算、小胞体、膜輸送、光合成のエネルギー、ホルモンと内分泌腺の位置、社会性昆虫、生存曲線から卵の数を求める計算。計算2問((1)(7))は確実に取るのが前提です。
- ✅ 第2問は遺伝情報の発現。ラクトースオペロン、クロマチンと転写因子、選択的スプライシングの塩基数、フレームシフトの組合せ、コドンの置換確率。(3)(4)(5)は手を動かして決める問題です。
- ✅ 第3問は植物の花芽形成。短日植物、フロリゲンの通り道と正体、気孔の開口、そして接ぎ木実験の表を読む考察問題。表1と表2を「単独なら咲くか」と並べて読めるかが勝負です。
- ✅ 差がつくのは「計算・表の読み取り」と「すべて選べ」。知識問題は先に取り、計算・表の問題に時間をかけます。
45分の立ち回りマップ
本番は理科2科目で90分。科目ごとの配分は決まっていないので、生物は約45分をTMPSの目安にします。時間配分はTMPSの目安です。
本番の答え一覧(採点用)
解説を読む前の採点用です。計算・場合分けで決まる欄はスクリプトで独立に確かめています(結果は下の注記)。
第1問(解答番号 1〜16)
第2問(17〜26)
第3問(27〜36)
※ 検算:1(1)のハーディー・ワインベルグ、1(7)の卵の数、2(3)の選択的スプライシングの塩基数、2(4)のフレームシフト(1塩基の欠失と挿入の組合せ)、2(5)のコドンの置換確率、3(5)の接ぎ木実験(表1・表2を再現できるモデルの判定)を、スクリプトで確かめました。
採点したら → 30秒の得点診断へ第1問 小問集合(1)〜(7) ── 計算2問は確実に、知識は先に取る
ハーディー・ワインベルグ、小胞体、膜輸送、光合成のエネルギー、ホルモンと内分泌腺、社会性昆虫、生存曲線の7問です。(1)(7)は計算、(2)〜(6)は知識です。
(1)ハーディー・ワインベルグの計算(解答番号1・2)
ハーディー・ワインベルグの法則が成り立つ集団で、300個体のうち27個体が劣性ホモ($aa$)だったとき、$A$の遺伝子頻度を求める。
- 解答番号1・2:対立遺伝子$A$の遺伝子頻度(小数第1位まで、○.○の形)
よって1・2は0・7です(確認:$AA$は$0.49\times300=147$個体、$Aa$は$0.42\times300=126$個体、$aa$は27個体で、合計300個体)。
(2)小胞体の働き(解答番号3)
5つの細胞小器官の働き(ゴルジ体・小胞体・葉緑体・リソソーム・核)のうち、小胞体の働きを選ぶ。
- 解答番号3:①〜⑤から、小胞体の働きとして最も適切なものを選ぶ
小胞体は、リボソームで合成されたタンパク質を取り込み、他の細胞小器官へ輸送する(②)。ほかの選択肢は、①ゴルジ体(分泌小胞をつくる)、③葉緑体(チラコイド)、④リソソーム(分解酵素)、⑤核(DNAをもちmRNAを合成)の説明です。
(3)膜輸送と輸送タンパク質(解答番号4)
アミノ酸の透過、チャネルと担体、ポンプ、水の透過、選択的透過性の5つの記述から、正しいものを2つ選ぶ。
- 解答番号4:①〜⑤から、生体膜を介した物質輸送を担う輸送タンパク質に関する記述として適切なものを2つ選ぶ
①アミノ酸は脂質二重層を自由には通れず、輸送タンパク質が必要。②担体(輸送体)も受動輸送(促進拡散)に関わる。③ポンプは濃度勾配に逆らって輸送できる(能動輸送)。④水の透過性はアクアポリンという輸送タンパク質で高められる。⑤選択的透過性は、能動輸送・受動輸送のどちらにも見られる生体膜の性質。
よって③と④です。
(4)光合成における光エネルギー(解答番号5)
ルビスコ、光化学系、ATPとNADPH、$\mathrm{H^+}$の輸送、RuBPなどを使った5つの説明から、正しいものを選ぶ。
- 解答番号5:①〜⑤から、光合成における光エネルギーの使われ方の説明として最も適切なものを選ぶ
光エネルギーを吸収するのは光合成色素(光化学系)で、ルビスコやRuBPではありません(①⑤は誤り)。光化学系で生産されたATPとNADPHが、カルビン回路でのRuBPの再生産に使われます(②)。③水の分解でCO₂固定の活性化エネルギーが小さくなるわけではなく、④H⁺が輸送されるのはATP合成と連動した現象で、RuBPの濃縮とは関係しません。
(5)ホルモンと内分泌腺の位置(解答番号6〜10)
人体を3つの区間に分けた図1に対して、5つのホルモンの分泌器官の位置を答える。
- 解答番号6〜10:グルカゴン、チロキシン、バソプレシン、パラトルモン、成長ホルモンを分泌する内分泌腺が、図1の人体のどの部分(①頭部、②首〜胸、③腹部)にあるかを選ぶ(同じ選択肢を複数回選んでもよい)
各ホルモンをつくる器官に直して、位置を決めます。
第1問(5)
| ホルモン | 分泌する器官 | 位置 |
|---|---|---|
| グルカゴン(6) | すい臓のランゲルハンス島 | ③ 腹部 |
| チロキシン(7) | 甲状腺 | ② 首〜胸 |
| バソプレシン(8) | 脳下垂体後葉 | ① 頭部 |
| パラトルモン(9) | 副甲状腺 | ② 首〜胸 |
| 成長ホルモン(10) | 脳下垂体前葉 | ① 頭部 |
(6)社会性昆虫(解答番号11〜13)
シロアリなどの社会性昆虫が形成する集団、それを構成する個体の名前、哺乳類・鳥類の共同繁殖との対比。
- 解答番号11〜13:①〜⑦(コロニー、テリトリー、ハレム、フェロモン、ヘルパー、ワーカー、生態的地位)から、文中の3つの空欄に当てはまる語を選ぶ
社会性昆虫の集団はコロニー(①)。女王と多数のワーカー(⑥)で構成され、ワーカーは多くの場合、一生を通して生殖能力をもちません。哺乳類や鳥類の共同繁殖で、自分では繁殖せず親の子育てを手伝う個体はヘルパー(⑤)です。
(7)生存曲線から必要な卵の数(解答番号14〜16)
生存個体数(対数目盛)と相対年齢の関係を示す生存曲線が与えられ、「相対年齢10で卵を産む」「雌雄は同数」という条件から、必要な卵の数を推定する。
- 解答番号14〜16:個体群の個体数が維持されるために、雌1個体あたりが最低限産む必要のある卵の数(3桁。1個のような場合は001)
図から、生まれた(卵の)1000個体のうち、相対年齢10まで生き残るのは約10個体です。つまり、生き残る割合は$\dfrac{10}{1000}=\dfrac{1}{100}$。
個体群の個体数が維持されるためには、雌1個体が、次世代で繁殖年齢に達する個体を2個体(雌1・雄1)残さなければなりません。雌1個体が産む卵の数を$x$とすると、
14〜16は2・0・0です。
第1問:型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1) | 計算 | $aa$の頻度$=q^2$ → $q$ → $p=1-q$ |
| (2)〜(4) | 知識 | 小胞体/ポンプとアクアポリン/ATPとNADPH |
| (5)(6) | 知識 | 内分泌腺の位置/コロニー・ワーカー・ヘルパー |
| (7) | 計算+グラフ | 生き残る割合を読み、2個体を残す式を立てる |
🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋
- (1)$p$と$q$が混ざる → 「何の頻度を聞かれているか」に下線を引き、$q^2$から$q$、$1-q$の順に書く
- (3)2つに絞れない → 5つの選択肢に○×を付け、×の理由を一言書く
- (7)卵の数が合わない → 「繁殖年齢に達する個体を雌雄で2個体」の式から作り直す
第2問 遺伝情報の発現 ── (3)(4)(5)は手を動かして決める
ラクトースオペロン、クロマチンと基本転写因子、選択的スプライシング、フレームシフト、コドンの置換確率です。(1)(2)は知識、(3)(4)(5)は手を動かす問題です。
(1)転写調節の語の穴埋め(解答番号17〜20)
「ラクトースを利用する複数の遺伝子がまとめて調節を受ける、その遺伝子のまとまり」「DNAが巻きつくタンパク質」「プロモーターにRNAポリメラーゼとともに結合するもの」「スプライシングが起こる場所」を答える。
- 解答番号17〜20:①〜⓪(オペロン、クロマチン、ヌクレオチド、ヒストン、リソソーム、リプレッサー、リボソーム、核外、核内、基本転写因子)から、4つの空欄に当てはまる語を選ぶ
機能的に関連する遺伝子のまとまりはオペロン(①)。真核生物のDNAはヒストン(④)に巻きついてヌクレオソームをつくります。プロモーターには、RNAポリメラーゼと基本転写因子(⓪)が結合して転写が始まります。スプライシングは核内(⑨)で起こり、成熟したmRNAが核外に出ます。
(2)ラクトースオペロンの調節(解答番号21)
リプレッサー、ラクトース代謝産物、オペレーター、プロモーター、RNAポリメラーゼを使った6つの記述から選ぶ。
- 解答番号21:①〜⑥から、ラクトースを利用する遺伝子の転写を調節するしくみとして最も適切なものを選ぶ
ラクトースオペロンでは、ラクトースがないとき、リプレッサーがオペレーターに結合してRNAポリメラーゼの進行を妨げ、転写が止まります。ラクトースがあるとき、ラクトース代謝産物がリプレッサーに結合してリプレッサーの形を変え、オペレーターに結合できなくなるので、転写が始まります(③)。
①②のように、リプレッサーの合成量が変わるわけではありません。リプレッサーは常につくられていて、働けるかどうかが変わります。④は逆(トリプトファンオペロンの調節で見られる形)です。
(3)選択的スプライシングで生じうるmRNAの塩基数(解答番号22)
4つのエキソン(1〜4)とイントロンを含むmRNA前駆体で、エキソン1・2・3・4はそれぞれ300、350、125、150塩基。mRNAにはエキソン1と4が常に含まれ、イントロンはすべて除かれる。
- 解答番号22:①〜⓪(425、450、475、500、575、625、650、775、800、925)から、生成されうるmRNAの塩基数をすべて選ぶ
エキソン1と4は常に含まれるので、まず$300+150=450$塩基。そこに、エキソン2(350)と3(125)をそれぞれ含めるかどうかで、$2\times2=4$通りになります。
選択肢で対応するのは、450(②)、575(⑤)、800(⑨)、925(⓪)。②⑤⑨⓪です。
(4)フレームシフトと突然変異の組合せ(解答番号23)
遺伝子Aからは300個のアミノ酸のタンパク質が合成される。突然変異した遺伝子A′のタンパク質A′も300個のアミノ酸だが、63番目〜153番目のアミノ酸配列のみがAと異なる。
- 解答番号23:①〜⑥から、遺伝子Aに起こった突然変異として最も適切なものを選ぶ
「長さは同じ300個、異なるのは63〜153番目だけ」から、変異の起こり方を絞ります。
1塩基の欠失だけ(①)、1塩基の挿入だけ(①)が起こると、そこから後ろの読み枠がずれたままなので、63番目から最後までアミノ酸がほとんど変わり、長さも変わります。3塩基の欠失・挿入(⑤⑥)では、読み枠は保たれるので、63番目で1個増減(欠失なら299個、挿入なら301個)するだけで、153番目で元に戻ることはありません。③・④のように、同じ向きの1塩基の変異が3か所で起こると、正味$\pm3$塩基なので、やはり299個か301個になります。
1塩基の欠失が63番目付近、1塩基の挿入が153番目付近で起こると、欠失から挿入までの区間(63〜153番目)だけ読み枠がずれ、挿入より後ろでは読み枠が元に戻ります。全体の塩基数は変わらないので、長さは300個のままです(②)。
(5)コドンの置換確率(解答番号24〜26)
アラニンのコドンはGCA、GCC、GCG、GCUの4種類。GCCの1塩基が置換されるすべての場合のうち、アラニン以外になる割合を求める。
- 解答番号24・25・26:アラニンのコドンGCCのうち1塩基が他の塩基に置換されたとき、アラニン以外を指定する確率(○○.○%、小数第2位を四捨五入)
GCCの1塩基置換は、3か所×(置換先3通り)=9通り。このうちアラニンのままなのは、3文字目を置換した場合(GCA、GCG、GCU)の3通りだけです。1・2文字目の置換は、すべてアラニン以外になります。
24〜26は6・6・7です。
第2問:型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1)(2) | 知識 | オペロン・ヒストン・基本転写因子・核内/リプレッサーが働けるかどうか |
| (3) | 場合分け | エキソン2・3を含める/含めないの$2\times2=4$通り |
| (4) | 場合分け | 長さ同じ+異なる区間 → 欠失と挿入が1か所ずつ |
| (5) | 数え上げ | 置換9通りのうち、3文字目の3通り以外 |
🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋
- (3)塩基数が決まらない → 常に含まれる部分の合計を書き、残りの含め方を4通りに分ける
- (4)選択肢が絞れない → 「長さ」と「異なる区間」の2つを別々に選択肢へ当てはめる
- (5)確率が合わない → 9通りを表に書き、アラニンのままの数を数える
第3問 植物の花芽形成 ── (5)の表は「単独なら咲くか」と並べて読む
短日植物、フロリゲンの通り道と正体、気孔の開口、接ぎ木実験の5問です。(1)〜(4)は知識、(5)は表を2枚つなげて考察を選ぶ問題です。
(1)短日植物(解答番号27)
「連続暗期が一定時間よりも長い条件で、花芽形成が促進される代表的な植物」の例を答える。
- 解答番号27:①〜⑨(アサガオ、エンドウ、カーネーション、キク、キュウリ、コムギ、トウモロコシ、トマト、ホウレンソウ)から、短日植物を2つ選ぶ
連続暗期が一定以上に長くなって花芽をつくるのは短日植物です。選択肢ではアサガオ(①)とキク(④)。エンドウ・カーネーション・コムギ・ホウレンソウは長日植物、キュウリ・トウモロコシ・トマトは日長に関係なく花芽をつける中性植物です。
(2)フロリゲンの合成部位と通り道(解答番号28〜30)
オナモミの実験から、明暗の周期は□で感じ、□で合成された物質が□を通り、□に移動して花芽形成を誘導する、という流れを答える。
- 解答番号28〜30:①〜⑨(花弁、形成層、茎頂、根端、師部、葉、胚軸、胚乳、木部)から、「光刺激を受けて物質が合成される場所」「その物質が通る組織」「移動して花芽形成を誘導する先」を選ぶ
明暗の周期は葉(⑥)で感じ、葉でつくられたフロリゲンは師部(⑤)を通って、茎頂(③)に移動して花芽形成を誘導します。
(3)フロリゲンの正体(解答番号31・32)
長日植物のシロイヌナズナ、短日植物のイネで、フロリゲンの正体とされるタンパク質を答える。
- 解答番号31・32:①〜⑨(BMP、Dfd、FD、FT、GFP、GID1、Hd3a、PIN、Shh)から、長日植物のシロイヌナズナと短日植物のイネのフロリゲンの正体を選ぶ
シロイヌナズナのフロリゲンはFTタンパク質(④)、イネのフロリゲンはHd3aタンパク質(⑦)です。FDは、茎頂でFTと複合体をつくり、花芽形成に関わる遺伝子の発現を促すタンパク質です。
(4)気孔の開口(解答番号33〜35)
孔辺細胞が光を感じて気孔を開く過程の文章の空欄を埋める。
- 解答番号33〜35:①〜⑧(クリプトクロム、フィトクロム、フォトトロピン、青、赤、遠赤、下降、上昇)から、気孔の開口に有効な光の色、光受容体、孔辺細胞内の浸透圧の変化を選ぶ
気孔の開口には青(④)色光が有効で、光受容体はフォトトロピン(③)。孔辺細胞が青色光を感知すると、イオンが細胞内に流入し、細胞内の浸透圧が上昇(⑧)して吸水し、孔辺細胞が膨らんで気孔が開きます。
(5)接ぎ木実験の考察(解答番号36)
植物X、Y、Zと、低温処理したZについて、表1で日長ごとの花芽形成を調べ、表2でさまざまな組合せで接ぎ木したときの台木・接ぎ穂の花芽形成を調べる。フロリゲンの移動と合成についての考察を選ぶ。
- 解答番号36:①〜⑥から、実験結果から導かれる考察として最も適切なものを選ぶ
表1から、各植物の「単独の結果」を読みます。Xは12時間以上で咲く(長日植物)、Yは14時間以下で咲く(短日植物)、Zは単独ではどの日長でも咲かず、低温処理をしたZ(低温)は10時間以上で咲く。
表2で、「単独では咲かないはずの側が咲いている」行に注目します。図Eの黄色の行です。
・X(台木)−Y(接ぎ穂)、10時間:単独ではXは咲かないのに、Xが咲いた → Yから接ぎ穂 → 台木へ。
・X(台木)−Y(接ぎ穂)、15時間:単独ではYは咲かないのに、Yが咲いた → 台木 → 接ぎ穂へ。
・X(台木)−Z(接ぎ穂)、12時間:低温処理をしていないZが咲いた → Xから台木 → 接ぎ穂へ。Zは低温処理なしでも咲く。
・Y(台木)−Z(接ぎ穂)、10時間:同様に、Yからフロリゲンを受け取ったZが咲いた。
つまり、フロリゲンは台木から接ぎ穂にも、接ぎ穂から台木にも移動する。受け取った側は、種類・低温処理・日長に関係なく花芽を形成する。これを述べているのは⑥です。
①②は一方向だけを述べていて誤り。③異なる植物種(XとY)の間でも作用している。④接ぎ穂のYも、台木のXも、フロリゲンを合成している。⑤ZにフロリゲンがとどけばZは低温処理なしで咲く(X−Zの12時間)。
第3問:型
| 小問 | 型 | 着眼点 |
|---|---|---|
| (1) | 知識 | 連続暗期が長い=短日植物(アサガオ・キク) |
| (2)(3) | 知識 | 葉 → 師部 → 茎頂/FT(シロイヌナズナ)・Hd3a(イネ) |
| (4) | 知識 | 青色光・フォトトロピン・浸透圧の上昇 |
| (5) | 表の読み取り | 「単独で咲かない側が咲いた行」だけがフロリゲンの移動の証拠 |
🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋
- (1)短日・長日が混ざる → 暗期の長さで言い換える(短日植物は暗期が長いと咲く)
- (4)光受容体が混ざる → フィトクロム=赤・遠赤、フォトトロピン・クリプトクロム=青、と対応させて覚える
- (5)考察が選べない → 表2の各行に「単独の結果」を書き足し、咲いた理由を3つに分ける
金沢医科大2025型 そっくり類題セット
(全3大問・解答解説つき)
2025年度の本番と同じ3大問・同じ解答番号の数(1〜36)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。計算と表の読み取りで場合分けする力と、45分の立ち回りを確かめられます。入試問題ではありません。
印刷して本番と同じように45分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 金沢医科大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。
- 解答番号は 1〜36。設問に特別な指示のないものは,解答群の中から適したものを1つ選ぶ。複数の選択肢を選ぶように指示がある場合は,それに従い,同一の解答欄に複数マークする。
- 数字をマークする欄で,たとえば 1 を答えるときは「001」のように,欄の数に合わせて上の位を 0 で埋める。解答群の番号の「⓪」は 0 を表す。
次の(1)〜(7)の設問に答えなさい。
(1) ハーディー・ワインベルグの法則が成り立つ動物集団Yでは,常染色体上のある遺伝子座において対立遺伝子 $A$ と $a$ の2種類が存在する。集団Yの400個体を調べたところ,64個体が遺伝子型 $aa$ であった。この集団における対立遺伝子 $A$ の遺伝子頻度は 1.2 である。1 と 2 に適する数字をマークしなさい。
(2) ゴルジ体の働きに関する記述として最も適切なものを選びなさい。3
(3) 生体膜を介した物質輸送に関する記述として適切なものを2つ選びなさい。4
(4) 好気呼吸におけるATP合成の説明として最も適切なものを選びなさい。5
(5) 以下の各ホルモンを分泌する内分泌腺を,①〜⑥からそれぞれ最も適切なものを選びなさい。なお,同じ選択肢を複数回選んでもよい。
グルカゴン:6 パラトルモン:7 糖質コルチコイド:8 バソプレシン:9 成長ホルモン:10
(6) 動物の社会に関する次の文章中の 11〜13 に当てはまる語をそれぞれ選びなさい。
「ミツバチは,1匹の女王と多数のワーカーからなるコロニーをつくる。ワーカーは自分では繁殖せず,女王の産んだ卵から育つ幼虫の世話をする。このように,自分の適応度を下げて他個体の適応度を高める行動を 11 という。この行動は,血縁個体が残す自分と共通の遺伝子の数まで含めて考える 12 によって説明される。また,えさ場から戻ったワーカーは,巣板の上で 13 を行って,えさ場の方向と距離を仲間に伝える。」
(7) 図は,有性生殖を行うある動物の個体群の生存曲線を示している。この動物が相対年齢20で卵を産み,個体群に雌雄が同数存在すると仮定すると,この個体群の個体数が維持されるためには,雌1個体あたり最低 141516 個の卵を産む必要があると推定される。14〜16 に適する数字をマークしなさい。ただし,卵の状態も個体とみなす。なお,解答が1個のような場合は,001 個としてマークしなさい。
▶ 第1問 の答えと解説を見る
第1問 小問集合((1)〜(7)) の答えと解説
- $aa$ の頻度は $q^2=\dfrac{64}{400}=0.16$ なので,$a$ の頻度は $q=0.4$。$A$ の頻度は $p=1-q=0.6$。
- ゴルジ体は,小胞体から運ばれたタンパク質に糖鎖をつけるなどの修飾をして,分泌小胞をつくる。①はリソソーム,③はミトコンドリア,④は核小体,⑤は中心体・紡錘体の働き。
- ①ナトリウムポンプは能動輸送で,3個のNa⁺を出し2個のK⁺を入れる。③アクアポリンは水を通すチャネルで,水は浸透圧の差に従って移動する(受動輸送)。
- ②グルコースは極性が大きく,脂質二重層を自由には通れない(輸送体が必要)。④濃度勾配に逆らって運べるのはポンプ(能動輸送)で,チャネルは受動輸送。⑤受動輸送はATPを使わない。
- ATPの大部分は電子伝達系で合成される。電子の受け渡しのエネルギーでH⁺がマトリックスから膜間腔へ運ばれ,その濃度勾配でATP合成酵素が回る(化学浸透)。①④電子伝達系は内膜(真核生物),酸素に電子を渡すのも電子伝達系の最後。③クエン酸回路のATPは少量で,大部分は電子伝達系。
- グルカゴン:すい臓のランゲルハンス島A細胞(⑥)。パラトルモン:副甲状腺(④)。糖質コルチコイド:副腎皮質(⑤)。バソプレシン:脳下垂体後葉(②)。成長ホルモン:脳下垂体前葉(①)。
- 自分の適応度を下げて他個体を助ける行動は利他行動(①)。血縁個体を通じて残る共通の遺伝子まで含めて考えた適応度は包括適応度(⑥)。ミツバチが巣板の上で行い,えさ場の方向と距離を伝えるのは8の字ダンス(④)。
- 図から,相対年齢20まで生き残る個体は1000個体中5個体。生き残る割合は $\dfrac{5}{1000}=\dfrac{1}{200}$。
- 雌雄同数なので,次世代で繁殖年齢に達する個体は雌雄あわせて2個体必要。雌1個体が産む卵の数を $x$ とすると,$x\times\dfrac{1}{200}=2$ より $x=400$ 個。
遺伝情報の発現に関する次の文章を読み,(1)〜(5)の設問に答えなさい。
タンパク質の遺伝情報は,遺伝子としてDNAに書き込まれている。遺伝子発現の調節においては,転写の段階での調節が重要である。原核生物である大腸菌では,機能的に関連のある遺伝子が隣接して存在し,まとめて転写の調節を受けることがある。例えば,トリプトファンを合成するために必要な複数の遺伝子は,まとめて転写の調節を受ける。このような遺伝子のまとまりを 17 という。真核生物ではDNAが 18 に巻きついて,ヌクレオソームとよばれる構造を形成する。このDNAが折りたたまれた構造がゆるめられ,プロモーターに 19 とRNAポリメラーゼが結合することで転写が開始される。多くの場合,転写によって合成されたRNAの塩基配列の一部は 20 においてスプライシングにより取り除かれる。遺伝子に突然変異が起こると,それを転写したmRNAの塩基配列も変化し,合成されたタンパク質のアミノ酸配列が変化することがある。
(1) 17〜20 に当てはまる語をそれぞれ選びなさい。
(2) 下線部のうち,トリプトファンを合成する遺伝子の転写を調節するしくみに関する記述として最も適切なものを選びなさい。21
(3) スプライシングに関連して,あるmRNA前駆体は4つのエキソン(1〜4)とその間のイントロンを含んでいる。エキソン1,2,3,4の塩基数はそれぞれ 240,180,95,160 である。このmRNA前駆体から選択的スプライシングによって生成されうるmRNAの塩基数をすべて選びなさい。ただし,mRNAにはエキソン1と4が常に含まれ,エキソン2と3は,それぞれ独立に,含まれる場合と含まれない場合がある。イントロンはすべて除去されるものとし,スプライシング以外の転写後修飾は考慮しないものとする。22
(4) 遺伝子Bからは180個のアミノ酸からなるタンパク質Bが合成される。遺伝子Bに突然変異が起こって生じた遺伝子B′から合成されるタンパク質B′は181個のアミノ酸からなり,72番目に1個のアミノ酸が余分に加わっている以外は,タンパク質Bとアミノ酸配列が同じである。遺伝子Bに起こった突然変異として最も適切なものを選びなさい。ただし,余分に加わったのは72番目のコドンの直前であるとする。23
(5) アミノ酸のアルギニンを指定する遺伝暗号(コドン)は,CGU,CGC,CGA,CGG,AGA,AGG の6種類である。CGG のうちの1塩基が他の塩基に置換した場合,アルギニン以外を指定するようになる確率は 2425.26 % である。小数点第2位を四捨五入して 24〜26 に適する数字をマークしなさい。なお,終止コドンを生じる置換は考えなくてよい(本問では生じない)。
▶ 第2問 の答えと解説を見る
第2問 遺伝情報の発現 の答えと解説
- 機能的に関連する遺伝子のまとまりはオペロン(①)。DNAはヒストンに巻きついてヌクレオソームをつくる(②)。プロモーターにはRNAポリメラーゼと基本転写因子が結合する(⑤)。スプライシングは核内で起こる(④)。
- トリプトファンオペロンでは,トリプトファンが豊富なときは,リプレッサーがトリプトファンと結合して活性型になり,オペレーターに結合して転写を止める(④)。トリプトファンが不足すると,リプレッサーは不活性型でオペレーターから離れ,転写が起こる。ラクトースオペロンと逆向きの調節である点に注意。
- エキソン1(240)と4(160)で合計400。エキソン2(180)・3(95)を含めるかどうかで4通り:
- 400(どちらも含まない)/$400+180=580$(2のみ)/$400+95=495$(3のみ)/$400+180+95=675$(両方)。選択肢では ① 400,③ 495,⑥ 580,⑧ 675。
- アミノ酸が1個だけ増え,他は同じ。コドンの途中ではなく直前に,連続する3塩基(1コドン分)が入れば,読み枠はそのままで,アミノ酸が1個増えるだけ(⑥)。1塩基の欠失・挿入は読み枠をずらし,以降のアミノ酸がすべて変わる。6塩基の欠失は2個減る。
- CGGの1塩基置換は,3か所×3通り=9通り。このうちアルギニンのままなのは,1文字目 C→A(AGG)と,3文字目の3通り(CGA・CGC・CGU)の4通り。
- アルギニン以外になるのは $9-4=5$ 通りなので,$\dfrac{5}{9}\times100=55.6\ \%$。
次の文章を読み,(1)〜(5)の設問に答えなさい。
多くの植物は,ある時点までは葉を茂らせて成長するが,ある特定の季節になると花を咲かせて種子をつくる。この花芽の形成は,日長の変化に応答して起こることが多い。一般に,植物が感知している日長の情報は,夜間すなわち連続した暗期の長さである。例えば,連続暗期が一定時間よりも短い条件で花芽形成が促進される代表的な植物には【ア】などがある。
オナモミを用いた実験から,植物は明暗の周期を 28 で感じ,光刺激を受けた 28 で合成された物質が 29 を通り,30 に移動して,花芽形成を誘導すると考えられている。この物質はフロリゲンと名づけられた。最近になって,短日植物のイネでは 31 タンパク質が,また長日植物のシロイヌナズナでは 32 タンパク質が,その正体であることが示された。
(1) 【ア】に当てはまる植物名を2つ選びなさい。27
(2) 28〜30 に当てはまる語をそれぞれ選びなさい。
(3) 31 と 32 に当てはまる語をそれぞれ選びなさい。
(4) 光は,花芽形成のほかに,種子の発芽にも関わる。レタスの種子について,以下の文章中の 33〜35 に当てはまる語をそれぞれ選びなさい。
「レタスの種子の発芽には 33 色光が有効であり,34 が光受容体として関わっている。光受容体が 33 色光を吸収すると,いくつかの反応を介して,種子の中でジベレリンの合成量が 35 し,発芽が促進される。」
(5) 下線部(フロリゲン)の移動について調べるため,種類の異なる植物P,Q,Rを用いて以下のような実験を行った。なお,1日の長さは24時間とし,表中の○は花芽が形成されたことを,×は花芽が形成されなかったことを示す。
【実験1】日長が花芽形成に与える影響を調べるため,植物P,Q,Rを22℃で,様々な日長で栽培した。その結果を表1に示す。
【実験2】22℃で花芽が形成されない日長で栽培した植物P,Q,Rを,様々な組合せで接ぎ木した。それらを任意の日長で栽培した際の花芽形成の結果を表2に示す。台木とは接ぎ木の際の土台になる植物体,接ぎ穂とは台木に接がれる植物体である。
以上の結果から導かれる考察として最も適切なものを選びなさい。36
▶ 第3問 の答えと解説を見る
第3問 植物の花芽形成 の答えと解説
- 連続暗期が一定時間より短い条件で花芽をつくるのは長日植物。シロイヌナズナ・コムギ(①③)。アサガオ・イネ・キク・ダイズ・オナモミは短日植物,トマト・キュウリは日長に関係なく花をつける。
- 光刺激を受けるのは葉(⑥)。葉でつくられたフロリゲンは,師部(③)を通って茎頂(⑦)に運ばれ,花芽形成を誘導する。
- イネのフロリゲンはHd3aタンパク質(⑦),シロイヌナズナのフロリゲンはFTタンパク質(⑧)。
- 光発芽種子(レタス)の発芽には赤色光が有効で,光受容体はフィトクロム。赤色光を受けたフィトクロムが活性型になると,ジベレリンの合成量が上昇して発芽が促進される。遠赤色光を当てると不活性型に戻り,発芽は抑えられる。
- 表1:Pは長日(12時間以上)で,Qは短日(12時間以下)で咲き,Rはどの日長でも咲かない。表2:
- (P台木,Q接ぎ穂,10時間):Pは単独では咲かない日長だが,Q(接ぎ穂)が咲く日長なので,Pも咲く → 接ぎ穂からPへ移動。(P台木,Q接ぎ穂,14時間):Pは咲くが,Qは咲かない → 台木から接ぎ穂へは移動しない。
- (Q台木,P接ぎ穂,14時間):Q(台木)は単独では咲かない日長だが,接ぎ穂Pが咲くのでQも咲く。(R台木,P接ぎ穂,14時間)も同様に,Rも咲く。(P台木,R接ぎ穂,14時間):Pは咲くがRは咲かない。以上から,フロリゲンは接ぎ穂から台木にだけ移動する(③)。
- ①②は移動の向きが誤り。④異なる種のPとQの間でも作用している。⑤Rは接ぎ穂Pからフロリゲンが来ると咲く。⑥Pなどは自分で合成している。
※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・条件を変えて作っています(例:第2問はラクトースオペロンをトリプトファンオペロンに、第3問(5)は「接ぎ穂から台木へだけ」移動する実験に変えました)。計算・場合分けの欄は、スクリプトで独立に確かめています。
30秒 得点診断
本番の過去問、またはそっくり類題セットを45分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
保護者の方へ:金沢医科大の生物で知っておきたい3つのこと
よくある質問
Q. 金沢医科大学 医学部の生物2025年度(一般選抜 前期)は、どの順番で解くのがよいですか?
理科は2科目で90分なので、生物は45分前後が目安です。TMPSのおすすめは、第1問(小問集合7問)15分、第2問(遺伝情報の発現)14分、第3問(花芽形成)13分、見直し3分です。第3問の語の穴埋めと第1問の知識問題は短時間で取れるので先に確保し、計算・グラフ・実験表を読む問題にまとまった時間を残します。
Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。
Q. 答えは、どうやって確かめていますか?
本番の全36個の解答欄のうち、計算・場合分け・論理で決まる欄(ハーディー・ワインベルグ、卵の数、選択的スプライシングの塩基数、フレームシフト、コドンの置換確率、接ぎ木実験の考察)はスクリプトで独立に確かめています。用語や、図の読み取りに依存する欄は機械では確かめきれないので、「要確認」を付けています。
Q. そっくり類題セットとは何ですか?
2025年度と同じ3大問・同じ解答番号の数(1〜36)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDF(7ページ)も無料で配布しています。
Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?
公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。
問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。
受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。
🔥 次に読むならこちら
金沢医科大の生物を、
あなたの答案で攻略する
「どこで時間を失ったか」「どの小問を後回しにすべきだったか」「計算・表の読み取りのミスの癖」を、Sora先生があなたの答案から直接診断します。