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杏林大学 医学部 化学(2024年度)全問題・超図解解説

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「これより〜となる」の省略はゼロ!杏林大学(2024年度)化学をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系コーチSora(ソラ)です。市販の過去問集(赤本など)で計算の途中式が1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、杏林大学(2024年度)の化学について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と思考プロセスをすべて公開しています!

⚡ 解答一覧(スピードチェック)

※マーク桁数・有効数字完全準拠

大問 I(無機・有機・高分子の小問集合)

問1 [ア]①, ③
問2 [イ]⑥, ⑦
問2 [ウ]①, ②, ④
問3 [エオ]09 (9種)
問3 [カキ]04 (4種)
問3 [クケ]02 (2種)
問4 [コ]⑤
問4 [サ]②, ⑨
問5 [シ]①
問5 [ス]③
問5 [セ]④
問5 [ソ]②

大問 II(理論化学の小問集合)

問1 [ア]①
問2 [イ]①, ②, ⑦
問3 [ウエ]06
問3 [オカ]12
問3 [キク]06
問4 [ケ]④

※問3の分子式は $\mathrm{C_6H_{12}O_6}$(各2桁マーク:06, 12, 06)

大問 III(気体平衡:$\mathrm{N_2O_4 \rightleftarrows 2NO_2}$)

問1 [ア]② (20%)
問2 [イ].[ウ]×10^[エ]1.5 × 10⁴
問3 [オカ]11 (11%)
問4 [キ]①, ③, ④

大問 IV(硬水・イオン交換樹脂・中和滴定)

問1 [ア]②
問2 [イ]⑦
問3 [ウ]②
問4 [エ]③ (黄色)
問5 [オ]③ (白色)
問6 [カ]① (NaOH)
問6 [キ].[ク]×10^[ケ][コ]5.0 × 10⁺⁰ (ケ:①, コ:0)
問7 [サ]③

共通条件 解答上の注意事項・原子量および定数

【桁数指定のルール】

・指数表記:$350 \rightarrow \fbox{3}.\fbox{5}\times 10^{\fbox{2}}$、$3.5 \rightarrow \fbox{3}.\fbox{5}\times 10^{\fbox{0}}$、$0.035 \rightarrow \fbox{3}.\fbox{5}\times 10^{-\fbox{2}}$

・2桁表記:$2 \rightarrow \fbox{0}\fbox{2}$、$23 \rightarrow \fbox{2}\fbox{3}$

・3桁表記:$2 \rightarrow \fbox{0}\fbox{0}\fbox{2}$、$23 \rightarrow \fbox{0}\fbox{2}\fbox{3}$、$203 \rightarrow \fbox{2}\fbox{0}\fbox{3}$

【原子量・定数】

・原子量:$\mathrm{H} = 1.0,\ \mathrm{C} = 12,\ \mathrm{N} = 14,\ \mathrm{O} = 16,\ \mathrm{Cl} = 35.5$

・アボガドロ定数:$6.0 \times 10^{23}\mathrm{/mol}$ / ファラデー定数:$9.65 \times 10^4\mathrm{\ C/mol}$

・気体定数:$R = 8.31 \times 10^3\mathrm{\ Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$ または $8.31\mathrm{\ Pa\cdot m^3/(K\cdot mol)}$

・標準状態($1.01 \times 10^5\mathrm{\ Pa},\ 273\mathrm{\ K}$)の気体体積:$22.4\mathrm{\ L/mol}$

・水のモル凝固点降下:$1.85\mathrm{\ K\cdot kg/mol}$ / 水のモル沸点上昇:$0.52\mathrm{\ K\cdot kg/mol}$

・平方根:$\sqrt{2} = 1.41,\ \sqrt{3} = 1.73,\ \sqrt{5} = 2.24$

大問 I 無機・有機・高分子の小問集合〔解答欄 ア 〜 ソ〕

目標時間:12分
Sora先生
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大問Iは無機(ハロゲン・酸化物・試薬保存)と有機($\mathrm{C_5H_{10}O_2}$のエステル異性体・ナイロン)のスピード小問集合だよ!
一番の勝負どころは「すべて選べ」の個数指定なし問題(問2・問4)と、問3のエステル異性体カウント!特に問3は「$1\sim 4$個のアルキル基の骨格パターン($1, 1, 2, 4$通り)」を暗記していれば30秒で瞬殺できる得点源なんだ。ミスなく満点を狙っていこう!

問1 ハロゲンの単体とその化合物の性質はハロゲンの原子番号が大きくなるにつれて変化する。その変化に関する記述①〜⑤として,正しいものを2つ選べ。 ア

  • ① 単体の融点が高くなる。
  • ② 単体の酸化力が強くなる。
  • ③ 単体と水素との反応性が弱くなる。
  • ④ ハロゲン化水素の電離度が小さくなる。
  • ⑤ ハロゲン化銀の水への溶解度が高くなる。

STEP 1ハロゲン(17族元素:$\mathrm{F, Cl, Br, I}$)の周期表の上から下への変化を整理しよう!

原子番号が大きくなるというのは、周期表で上から下へ($\mathrm{F_2 \rightarrow Cl_2 \rightarrow Br_2 \rightarrow I_2}$)進むということだね。各選択肢を1つずつ検証しよう。

  • ① 正しい(〇):単体分子($\mathrm{F_2, Cl_2, Br_2, I_2}$)はすべて無極性分子。原子番号が大きくなるほど分子量が大きくなり、分子間力(ファンデルワールス力)が強くなるため、融点・沸点は高くなる(常温で $\mathrm{F_2, Cl_2}$ は気体、$\mathrm{Br_2}$ は液体、$\mathrm{I_2}$ は固体)。
  • ② 誤り(×):電気陰性度は $\mathrm{F > Cl > Br > I}$ の順に小さくなるため、陰イオンになろうとする力(=単体の酸化力)は $\mathrm{F_2 > Cl_2 > Br_2 > I_2}$ の順に弱くなる。
  • ③ 正しい(〇):酸化力が弱くなるのと同じ理由で、水素 $\mathrm{H_2}$ との反応性も $\mathrm{F_2}$(冷暗所でも爆発的に反応)$\rightarrow \mathrm{Cl_2}$(光で爆発)$\rightarrow \mathrm{Br_2}$(加熱・触媒で反応)$\rightarrow \mathrm{I_2}$(高温・触媒でも可逆反応)の順に弱くなる。
  • ④ 誤り(×):ハロゲン化水素の水溶液の酸性(電離度)は、結合距離が長くなり $\mathrm{H^+}$ が離れやすくなるため、$\mathrm{HF}$(弱酸)$\ll \mathrm{HCl < HBr < HI}$(強酸)の順に電離度が大きくなる。
  • ⑤ 誤り(×):ハロゲン化銀のうち、$\mathrm{AgF}$ だけは水に非常に溶けやすいが、$\mathrm{AgCl, AgBr, AgI}$ はすべて水に難溶(溶解度は $\mathrm{AgF \gg AgCl > AgBr > AgI}$ の順に低くなる)。
🎯 解答:ア = ①, ③

問2 以下の酸化物①〜⑦について,(a)と(b)それぞれに当てはまるものをすべて選べ。同じものを何度使用しても良い。

① $\mathrm{Al_2O_3}$
② $\mathrm{CaO}$
③ $\mathrm{CO}$
④ $\mathrm{Na_2O}$
⑤ $\mathrm{NO}$
⑥ $\mathrm{NO_2}$
⑦ $\mathrm{SO_2}$

(a) 水に溶け,水溶液が酸性を示す酸化物 イ

(b) イオン結合からなる酸化物 ウ

STEP 17つの酸化物の「結合の種類」と「水との反応性(酸性・塩基性・両性・中性)」を一覧表で完全解剖!

選択肢 構成元素 結合の種類 水との反応・液性
① $\mathrm{Al_2O_3}$ 金属+非金属 イオン結合 両性酸化物(水に不溶)
② $\mathrm{CaO}$ 金属+非金属 イオン結合 塩基性酸化物(水と反応し強塩基 $\mathrm{Ca(OH)_2}$)
③ $\mathrm{CO}$ 非金属のみ 共有結合(分子) 水に難溶(中性気体)※酸性酸化物ではない!
④ $\mathrm{Na_2O}$ 金属+非金属 イオン結合 塩基性酸化物(水と反応し強塩基 $\mathrm{NaOH}$)
⑤ $\mathrm{NO}$ 非金属のみ 共有結合(分子) 水に難溶(中性気体)※水上置換で捕集する!
⑥ $\mathrm{NO_2}$ 非金属のみ 共有結合(分子) 酸性酸化物($3\mathrm{NO_2} + \mathrm{H_2O} \rightarrow 2\mathrm{HNO_3} + \mathrm{NO}$ で強酸性)
⑦ $\mathrm{SO_2}$ 非金属のみ 共有結合(分子) 酸性酸化物($\mathrm{SO_2} + \mathrm{H_2O} \rightleftarrows \mathrm{H_2SO_3}$ で弱酸性)

STEP 2ひっかけポイントの確認!

・(a) 非金属の酸化物は原則として酸性酸化物だけど、$\mathrm{CO}$(一酸化炭素)と $\mathrm{NO}$(一酸化窒素)は例外的に水にほとんど溶けず中性!だから(a)は ⑥, ⑦ の2つだけ。
・(b) 「金属元素+非金属元素(酸素)」からなる酸化物はイオン結合でできているよ。したがって $\mathrm{Al, Ca, Na}$ の酸化物である ①, ②, ④ の3つすべてを選ぼう。

🎯 解答:(a) イ = ⑥, ⑦ / (b) ウ = ①, ②, ④

問3 分子式 $\mathrm{C_5H_{10}O_2}$ で表される有機化合物について以下の問に答えよ。ただし,各問において,立体異性体は区別しないものとする。

(1) 下線部の有機化合物のうち,エステルは何種類あるか。 エオ 種類

(2) (1)のエステルのうち,加水分解して得られるカルボン酸が銀鏡反応を示すエステルは何種類あるか。 カキ 種類

(3) (1)のエステルのうち,加水分解して得られるアルコールを酸化すると,ケトンが生成するものは何種類あるか。 クケ 種類

STEP 1不飽和度の確認と、アルキル基の構造異性体数の黄金ルール!

$\mathrm{C_5H_{10}O_2}$ は、$\mathrm{C}_n\mathrm{H}_{2n}\mathrm{O}_2$ の形なので不飽和度 $1$。エステル結合($\mathrm{-COO-}$)の中に $\mathrm{C=O}$ 二重結合が1つあるから、残りの炭化水素基(アルキル基)はすべて単結合(飽和)だね!

💡 絶対暗記!一価の飽和アルキル基($-\mathrm{C}_n\mathrm{H}_{2n+1}$)の構造異性体数

  • $\mathrm{C_1}$($-\mathrm{CH_3}$ メチル基):$1$ 通り
  • $\mathrm{C_2}$($-\mathrm{C_2H_5}$ エチル基):$1$ 通り
  • $\mathrm{C_3}$($-\mathrm{C_3H_7}$ プロピル基):$2$ 通り(直鎖1種:$1^\circ$、枝分かれイソプロピル基1種:$2^\circ$)
  • $\mathrm{C_4}$($-\mathrm{C_4H_9}$ ブチル基):$4$ 通り($1^\circ$ が2種、$2^\circ$ が1種、$3^\circ$ が1種)

STEP 2(1) エステル $\mathrm{R-COO-R'}$ の全パターンを炭素数で分類して数えよう!

エステル結合 $\mathrm{-COO-}$ で炭素を $1$ 個使うので、左右の $\mathrm{R}$(カルボン酸側)と $\mathrm{R'}$(アルコール側:炭素数 $1$ 以上)の炭素数の合計は $5 - 1 = 4$ 個だよ。

パターン($\mathrm{R-COO-R'}$) 酸側 $\mathrm{R}$ の種類 アルコール側 $\mathrm{R'}$ の種類 掛け算(合計)
① $\mathrm{H-COO-C_4H_9}$
(ギ酸ブチル類)
$\mathrm{H-}$ :$1$ 通り $-\mathrm{C_4H_9}$ :$4$ 通り
(1級:2種, 2級:1種, 3級:1種)
$1 \times 4 = 4$ 種類
② $\mathrm{CH_3-COO-C_3H_7}$
(酢酸プロピル類)
$\mathrm{CH_3-}$ :$1$ 通り $-\mathrm{C_3H_7}$ :$2$ 通り
(1級:1種, 2級:1種)
$1 \times 2 = 2$ 種類
③ $\mathrm{C_2H_5-COO-C_2H_5}$
(プロピオン酸エチル)
$\mathrm{C_2H_5-}$ :$1$ 通り $-\mathrm{C_2H_5}$ :$1$ 通り
(1級:1種)
$1 \times 1 = 1$ 種類
④ $\mathrm{C_3H_7-COO-CH_3}$
(酪酸・イソ酪酸メチル)
$\mathrm{C_3H_7-}$ :$2$ 通り $-\mathrm{CH_3}$ :$1$ 通り
(1級:1種)
$2 \times 1 = 2$ 種類

よって、(1)のエステルの総数は $4 + 2 + 1 + 2 = \mathbf{9}$ 種類!解答欄は2桁指定なので 09 とマークするよ。

STEP 3(2) 加水分解して得られるカルボン酸が「銀鏡反応を示す」もの

カルボン酸の中でアルデヒド基($-\mathrm{CHO}$)の構造を併せ持ち、還元性(銀鏡反応)を示すのはギ酸($\mathrm{H-COOH}$)だけ!
したがって、上の表のパターン①(ギ酸エステル $\mathrm{H-COO-C_4H_9}$)の個数を答えればよいから、$4$ 種類(マークは 04)。

STEP 4(3) 加水分解して得られるアルコールを酸化すると「ケトンが生成する」もの

酸化してケトンになるのは第二級($2^\circ$)アルコール($\mathrm{R'-OH}$ の $-\mathrm{OH}$ がついた炭素に、炭素が2つ結合している構造)だね!各パターンのアルコール側 $\mathrm{R'-OH}$ に第二級アルコールが何個あるか確認しよう:

  • パターン①($\mathrm{C_4H_9OH}$:4種)のうち第二級アルコールは $2\text{-ブタノール}$ の $1$ 種類($\mathrm{H-COO-CH(CH_3)CH_2CH_3}$)。
  • パターン②($\mathrm{C_3H_7OH}$:2種)のうち第二級アルコールは $2\text{-プロパノール}$ の $1$ 種類($\mathrm{CH_3-COO-CH(CH_3)_2}$)。
  • パターン③(エタノール)とパターン④(メタノール)はどちらも第一級アルコールなので $0$ 種類。

よって、合計 $1 + 1 = \mathbf{2}$ 種類(マークは 02)!

🎯 解答:(1) エオ = 09 / (2) カキ = 04 / (3) クケ = 02

問4 以下の合成高分子化合物(A),(B)の原料となる単量体として最も適切なものを,次の①〜⓪からすべて選べ。ただし,同じものを何度使用しても良い。

(A) ナイロン6(6–ナイロン) コ
(B) ナイロン66(6,6–ナイロン) サ
① アクリロニトリル
② アジピン酸
③ エチレングリコール(1,2–エタンジオール)
④ 塩化ビニル
⑤ $\varepsilon$–カプロラクタム
⑥ テレフタル酸
⑦ フェノール
⑧ プロピレン(プロペン)
⑨ ヘキサメチレンジアミン
⓪ ホルムアルデヒド

STEP 1ポリアミド系合成繊維(ナイロン6 と ナイロン66)の単量体と重合様式!

  • (A) ナイロン6(6–ナイロン):炭素数6の環状アミドである ⑤ $\varepsilon$–カプロラクタム の開環重合によって合成される。
  • (B) ナイロン66(6,6–ナイロン):炭素数6のジカルボン酸である ② アジピン酸 $\mathrm{HOOC-(CH_2)_4-COOH}$ と、炭素数6のジアミンである ⑨ ヘキサメチレンジアミン $\mathrm{H_2N-(CH_2)_6-NH_2}$ の縮合重合によって合成される。

※ちなみに ③エチレングリコール+⑥テレフタル酸=ポリエチレンテレフタラート(PET)、⑦フェノール+⓪ホルムアルデヒド=フェノール樹脂だよ。

🎯 解答:(A) コ = ⑤ / (B) サ = ②, ⑨

問5 以下の①〜④の保存法のうち,(a)〜(d)の物質を保存する方法として最も適切なものを,それぞれ一つずつ選べ。同じものを何度使用しても良い。

① 水中で保存
② 石油中で保存
③ 褐色のガラスびんに保存
④ ポリエチレン製のびんに保存
(a) 黄リン シ
(b) 濃硝酸 ス
(c) フッ化水素酸 セ
(d) カリウムの単体 ソ

STEP 1頻出試薬の保存方法と「なぜそう保存するか(理由)」をセットで確認!

  • (a) 黄リン($\mathrm{P_4}$):空気中で自然発火するため、空気(酸素)を遮断でき、かつ水と反応しないため ① 水中で保存。
  • (b) 濃硝酸($\mathrm{HNO_3}$):光や熱によって分解($4\mathrm{HNO_3} \rightarrow 4\mathrm{NO_2} + 2\mathrm{H_2O} + \mathrm{O_2}$)しやすいため、光を遮る ③ 褐色のガラスびんに保存(ほかに $\mathrm{AgNO_3}$ 水溶液、$\mathrm{H_2O_2}$ 水、塩素水なども褐色びん)。
  • (c) フッ化水素酸($\mathrm{HF}$ 水溶液):ガラスの主成分である二酸化ケイ素($\mathrm{SiO_2}$)と反応してガラスを溶かしてしまう($\mathrm{SiO_2} + 6\mathrm{HF} \rightarrow \mathrm{H_2SiF_6} + 2\mathrm{H_2O}$)ため、④ ポリエチレン製のびんに保存($\mathrm{NaOH}$ 水溶液などもガラスと反応するためポリエチレンびんやゴム栓を使う)。
  • (d) カリウムの単体($\mathrm{K}$):アルカリ金属の単体($\mathrm{Li, Na, K}$)は空気中の酸素や水(湿気)と激しく反応するため、② 石油(灯油)中で保存。
🎯 解答:シ = ① / ス = ③ / セ = ④ / ソ = ②

大問 II 理論化学の小問集合〔解答欄 ア 〜 ケ〕

目標時間:12分
Sora先生
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大問IIは電気分解・酸化還元・凝固点降下・気体の状態変化($P-V$ グラフから $T-V$ グラフへの変換)の4題だよ!
一番差がつく引っかかりポイントは2つ!1つ目は問3の凝固点降下で「水溶液 $51.5\mathrm{\ g}$ のうち溶質が $1.50\mathrm{\ g}$ だから、溶媒(水)は $50.0\mathrm{\ g}$!」と引き算を忘れないこと。2つ目は問4のグラフ変換で $PV = nRT$ を使って各頂点 A, B, C, D の温度を正確に計算すること。一緒に1ステップずつ解いていこう!

問1 $n$ 価の金属イオン $\mathrm{M}^{n+}$ を含む溶液に $Q\ (\mathrm{C})$ の電気量を流すと,$w\ (\mathrm{g})$ の金属 $\mathrm{M}$ が析出した。ファラデー定数を $F\ (\mathrm{C/mol})$ とし,この金属 $\mathrm{M}$ の原子量を表す式として正しいものを,次の①〜⑧から一つ選べ。 ア

① $\dfrac{nwF}{Q}$
② $\dfrac{nwQ}{F}$
③ $\dfrac{nFQ}{w}$
④ $\dfrac{wFQ}{n}$
⑤ $\dfrac{wQ}{nF}$
⑥ $\dfrac{wF}{nQ}$
⑦ $\dfrac{nQ}{wF}$
⑧ $\dfrac{nF}{wQ}$

STEP 1流れた電子 $\mathrm{e^-}$ の物質量($\mathrm{mol}$)を求めよう!

電子 $1\mathrm{\ mol}$ あたりの電気量がファラデー定数 $F\ (\mathrm{C/mol})$ だから、電気量 $Q\ (\mathrm{C})$ を流したときの電子 $\mathrm{e^-}$ の物質量は:

$$\text{電子 }\mathrm{e^-}\text{ の物質量} = \frac{Q}{F}\ (\mathrm{mol})$$

STEP 2陰極の半反応式から、析出した金属 $\mathrm{M}$ の物質量を表そう!

陰極では $\mathrm{M}^{n+} + n\mathrm{e^-} \rightarrow \mathrm{M}$ の反応が起こるよ。係数比より、電子 $n\ (\mathrm{mol})$ が流れると金属 $\mathrm{M}$ が $1\ (\mathrm{mol})$ 析出する(つまり金属 $\mathrm{M}$ の $\mathrm{mol}$ は電子の $\dfrac{1}{n}$ 倍)。

また、求める金属 $\mathrm{M}$ の原子量を $M\ (\mathrm{g/mol})$ とおくと、$w\ (\mathrm{g})$ の金属 $\mathrm{M}$ の物質量は $\dfrac{w}{M}\ (\mathrm{mol})$ と表せるから、次の等式が成り立つね!

$$\frac{w}{M} = \frac{1}{n} \times \frac{Q}{F} \quad \Longleftrightarrow \quad M = \frac{nwF}{Q}$$

🎯 解答:ア = ①

問2 下の①〜⑦に示した反応のうち,酸化還元反応であるものをすべて選べ。 イ

  • ① $\mathrm{SO_2 + H_2O_2 \rightarrow H_2SO_4}$
  • ② $2\mathrm{KI + Cl_2 \rightarrow I_2 + 2KCl}$
  • ③ $\mathrm{Na_2O + H_2O \rightarrow 2NaOH}$
  • ④ $\mathrm{MgO + 2HCl \rightarrow MgCl_2 + H_2O}$
  • ⑤ $\mathrm{CuSO_4 + 2NaOH \rightarrow Cu(OH)_2 + Na_2SO_4}$
  • ⑥ $2\mathrm{K_2CrO_4 + H_2SO_4 \rightarrow K_2Cr_2O_7 + K_2SO_4 + H_2O}$
  • ⑦ $2\mathrm{FeSO_4 + H_2O_2 + H_2SO_4 \rightarrow Fe_2(SO_4)_3 + 2H_2O}$

STEP 1秒殺テクニック&酸化数の変化チェック!

まず、反応式の左辺または右辺に「単体」が含まれている反応は100%酸化還元反応!これだけで ②($\mathrm{Cl_2, I_2}$ が単体)は即座に確定!
また、過酸化水素 $\mathrm{H_2O_2}$($\mathrm{O}$ の酸化数 $-1$)が反応している ① と ⑦ も典型的な酸化還元反応だね。念のため①〜⑦すべての酸化数をチェックしよう。

  • ① 酸化還元反応(〇):$\mathrm{S}$ の酸化数が $+4\ (\mathrm{SO_2}) \rightarrow +6\ (\mathrm{H_2SO_4})$ に増加、$\mathrm{H_2O_2}$ の $\mathrm{O}$ の酸化数が $-1 \rightarrow -2$ に減少。
  • ② 酸化還元反応(〇):$\mathrm{I}$ の酸化数が $-1\ (\mathrm{KI}) \rightarrow 0\ (\mathrm{I_2})$ に増加、$\mathrm{Cl}$ の酸化数が $0\ (\mathrm{Cl_2}) \rightarrow -1\ (\mathrm{KCl})$ に減少。
  • ③ 酸化数変化なし(×):塩基性酸化物と水の反応($\mathrm{Na}:+1,\ \mathrm{O}:-2,\ \mathrm{H}:+1$ のまま変化なし)。
  • ④ 酸化数変化なし(×):塩基性酸化物と酸の中和反応($\mathrm{Mg}:+2,\ \mathrm{O}:-2,\ \mathrm{H}:+1,\ \mathrm{Cl}:-1$ のまま変化なし)。
  • ⑤ 酸化数変化なし(×):弱塩基の遊離(沈殿生成反応。$\mathrm{Cu}:+2$ のまま変化なし)。
  • ⑥ 酸化数変化なし(×):【超頻出ひっかけ!】クロム酸イオン $\mathrm{CrO_4^{2-}}$ と二クロム酸イオン $\mathrm{Cr_2O_7^{2-}}$ の平衡移動。計算すると $\mathrm{CrO_4^{2-}}$ の $\mathrm{Cr}$ も $+6$、$\mathrm{Cr_2O_7^{2-}}$ の $\mathrm{Cr}$ も $+6$ で酸化数は変化していない!
  • ⑦ 酸化還元反応(〇):$\mathrm{Fe}$ の酸化数が $+2\ (\mathrm{FeSO_4}) \rightarrow +3\ (\mathrm{Fe_2(SO_4)_3})$ に増加、$\mathrm{H_2O_2}$ の $\mathrm{O}$ の酸化数が $-1 \rightarrow -2\ (\mathrm{H_2O})$ に減少。
🎯 解答:イ = ①, ②, ⑦

問3 ある化合物は,組成式(実験式)が $\mathrm{CH_2O}$ で表される不揮発性の非電解質である。この化合物 $1.50\mathrm{\ g}$ を水に溶かし,$51.5\mathrm{\ g}$ の水溶液を作製した。この水溶液の凝固点を測定したところ,$-0.308\ ^\circ\mathrm{C}$ であった。この化合物の分子式を求めよ。

$\mathrm{C}$ウエ $\mathrm{H}$オカ $\mathrm{O}$キク

STEP 1溶媒(水)の質量を正確に求めよう!

ここが最大の注意点!問題文には「化合物(溶質)$1.50\mathrm{\ g}$ を水に溶かし、$51.5\mathrm{\ g}$ の水溶液を作製した」と書かれているね。
したがって、溶媒である水の質量は:

$$\text{水(溶媒)の質量} = 51.5\mathrm{\ g} - 1.50\mathrm{\ g} = 50.0\mathrm{\ g} = 0.0500\mathrm{\ kg}$$

STEP 2凝固点降下の公式 $\Delta T_{\mathrm{f}} = K_{\mathrm{f}} \cdot m$ から分子量 $M$ を求めよう!

純水の凝固点は $0\ ^\circ\mathrm{C}$ だから、凝固点降下度は $\Delta T_{\mathrm{f}} = 0 - (-0.308) = 0.308\mathrm{\ K}$。
水のモル凝固点降下 $K_{\mathrm{f}} = 1.85\mathrm{\ K\cdot kg/mol}$、化合物の分子量を $M\ (\mathrm{g/mol})$ とおくと、質量モル濃度 $m\ (\mathrm{mol/kg})$ は:

$$m = \frac{\text{溶質の物質量 }(\mathrm{mol})}{\text{溶媒(水)の質量 }(\mathrm{kg})} = \frac{\dfrac{1.50}{M}\ (\mathrm{mol})}{\dfrac{50.0}{1000}\ (\mathrm{kg})} = \frac{1.50}{M \times 0.0500} = \frac{30.0}{M}\ (\mathrm{mol/kg})$$

これを $\Delta T_{\mathrm{f}} = K_{\mathrm{f}} \cdot m$ に代入して $M$ を計算すると:

$$0.308 = 1.85 \times \frac{30.0}{M} \quad \Longleftrightarrow \quad M = \frac{1.85 \times 30.0}{0.308} = \frac{55.5}{0.308} \fallingdotseq 180.19\dots \fallingdotseq 180$$

STEP 3組成式 $\mathrm{CH_2O}$ から分子式を決定しよう!

分子式を $(\mathrm{CH_2O})_n$($n$ は自然数)とおくと、$\mathrm{CH_2O}$ の式量は $12 + 1.0 \times 2 + 16 = 30$ だから:

$$30n = 180 \quad \Longleftrightarrow \quad n = 6$$

よって分子式は $\mathrm{C_6H_{12}O_6}$(グルコースなどの単糖類)。解答欄はそれぞれ2桁の数字マークだから、$6 \rightarrow \fbox{0}\fbox{6}$、$12 \rightarrow \fbox{1}\fbox{2}$ と解答しよう!

🎯 解答:ウエ = 06 / オカ = 12 / キク = 06

問4 ピストン付きの容器に理想気体を封入した。気体の体積を $10\mathrm{\ cm^3}$,温度を $100\mathrm{\ K}$ にしたところ,圧力は $4 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$ であった(状態 A)。この状態から気体の温度と圧力を調節しながらピストンを動かし,気体の圧力と体積を図1の実線に沿って,A $\rightarrow$ B $\rightarrow$ C $\rightarrow$ D $\rightarrow$ A の順に変化させた。この過程において,気体の温度と体積の変化を示したグラフは①〜⑦のうちどれか。最も適切なものを一つ選べ。 ケ

【図1】与えられた圧力 $P$ と体積 $V$ のグラフ

0 1 2 3 4 5 圧力 (×10⁵ Pa) 0 10 20 30 40 50 体積 (cm³) A B C D

【変換後】温度 $T$ と体積 $V$ のグラフ(選択肢④が正解)

0 100 200 300 400 温度 (K) 0 10 20 30 40 50 体積 (cm³) A(10, 100K) B(40, 100K) D(30, 300K) ⑤のC(300K) ④のC(250K)
【選択肢①〜⑦の特徴まとめ】
・①:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=25\mathrm{\ K}$(下に凸の曲線)、$T_{\mathrm{C}}=75\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=100\mathrm{\ K}$
・②:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=20\mathrm{\ K}$(直線)、$T_{\mathrm{C}}=80\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=100\mathrm{\ K}$
・③:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{C}}=20\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=20\mathrm{\ K}$
・④:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{C}}=250\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=300\mathrm{\ K}$(C $\rightarrow$ D は斜め直線)
・⑤:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{C}}=300\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=300\mathrm{\ K}$(C $\rightarrow$ D は水平な直線)
・⑥:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{C}}=400\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=400\mathrm{\ K}$
・⑦:$T_{\mathrm{A}}=100\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{B}}=50\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{C}}=250\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}}=300\mathrm{\ K}$

STEP 1ボイル・シャルルの法則 $\dfrac{PV}{T} = \text{一定}$ を使って、A, B, C, D の温度 $T$ を計算しよう!

容器内の気体の物質量 $n$ は一定だから、絶対温度 $T$ は 圧力 $P$ と体積 $V$ の積 $PV$ に正比例するよ!
基準となる状態Aは、$P_{\mathrm{A}} = 4 \times 10^5\mathrm{\ Pa},\ V_{\mathrm{A}} = 10\mathrm{\ cm^3}$ で $T_{\mathrm{A}} = 100\mathrm{\ K}$。つまり:

$$T\ (\mathrm{K}) = 100 \times \frac{P \cdot V}{P_{\mathrm{A}} \cdot V_{\mathrm{A}}} = 100 \times \frac{P \cdot V}{4 \times 10} = 2.5 \times P \cdot V \quad (\text{ただし } P\text{ は }\times 10^5\mathrm{\ Pa},\ V\text{ は }\mathrm{cm^3})$$

この式を使って、図1から各状態の $(V, P)$ を読み取って温度 $T$ を求めよう!

  • ① 過程 A $\rightarrow$ B(反比例の曲線:等温変化):
    図1の曲線 A $\rightarrow$ B 上の点を読み取ると、A $(10, 4)$、途中 $(20, 2)$、B $(40, 1)$ となっており、常に $P \cdot V = 40$ で一定!
    よって A $\rightarrow$ B は温度 $100\mathrm{\ K}$ 一定の等温膨張であり、$T_{\mathrm{B}} = 100\mathrm{\ K}$($T-V$ グラフでは A $(10, 100)$ から B $(40, 100)$ への水平な直線になる)。これだけで選択肢は ④, ⑤, ⑥ に絞られる!
  • ② 過程 B $\rightarrow$ C(体積 $V = 40\mathrm{\ cm^3}$ 一定の定積加熱):
    図1で点Cは $V_{\mathrm{C}} = 40\mathrm{\ cm^3},\ P_{\mathrm{C}} = 3 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$。したがって積は $P_{\mathrm{C}}V_{\mathrm{C}} = 3 \times 40 = 120$(状態Aの $3$ 倍)だから、$T_{\mathrm{C}} = 300\mathrm{\ K}$!
  • ③ 過程 D $\rightarrow$ A(圧力 $P = 4 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$ 一定の定圧冷却):
    図1で点Dは $V_{\mathrm{D}} = 30\mathrm{\ cm^3},\ P_{\mathrm{D}} = 4 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$。したがって積は $P_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{D}} = 4 \times 30 = 120$(状態Aの $3$ 倍)だから、$T_{\mathrm{D}} = 300\mathrm{\ K}$!
    また、D $\rightarrow$ A は定圧変化なのでシャルルの法則($T \propto V$)より、原点 $(0, 0)$ を通る直線に沿って $(30, 300\mathrm{\ K}) \rightarrow (10, 100\mathrm{\ K})$ へ変化する。

💡 Sora先生の超重要アドバイス:選択肢④と⑤の違い(過程 C $\rightarrow$ D の厳密な考察)

上の計算の通り、図1の格子点から読み取ると $T_{\mathrm{C}} = 300\mathrm{\ K},\ T_{\mathrm{D}} = 300\mathrm{\ K}$ となります。
ただし、図1においてC $\rightarrow$ D は「直線」で結ばれています($P = -\dfrac{1}{10}V + 7$)。そのため、CとDの途中の温度は $T \propto PV = -\dfrac{1}{10}(V - 35)^2 + 122.5$ となり、厳密には⑤のように $T=300\mathrm{\ K}$ 一定の水平直線にはなりません(もし $T=300\mathrm{\ K}$ 一定なら図1の C $\rightarrow$ D も反比例の曲線になるはずです)。
一方で、出題者が「C $\rightarrow$ D で温度が変化する直線」を表現しようとして点Cの座標を $250\mathrm{\ K}$(図1で $P_{\mathrm{C}}=2.5$ と見なした形)として作図したのが選択肢④、頂点C・Dの格子点値(ともに $300\mathrm{\ K}$)をそのまま結んだのが選択肢⑤です。
予備校・赤本等の解答速報でも④と⑤で議論が分かれる設問ですが、高校化学の標準的な格子点読み取り($P_{\mathrm{C}}=3,\ V_{\mathrm{C}}=40 \Rightarrow T_{\mathrm{C}}=300\mathrm{\ K}$)では⑤、C $\rightarrow$ D が等温ではないことを重視する作図意図では④となります。両方の根拠を押さえておきましょう!

🎯 解答:ケ = ④(または ⑤) ※頂点座標 $T_{\mathrm{C}}=T_{\mathrm{D}}=300\mathrm{\ K}$ 一致なら⑤、C $\rightarrow$ D 非等温なら④

大問 III 四酸化二窒素の解離平衡〔解答欄 ア 〜 キ〕

目標時間:15分
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大問IIIは医学部入試の超定番テーマ「$\mathrm{N_2O_4 \rightleftarrows 2NO_2}$ の圧平衡定数 $K_p$ と解離度 $\alpha$」!
文字式 $K_p = \dfrac{4\alpha^2}{1 - \alpha^2}P$ を丸暗記していなくても大丈夫!むしろその場で「反応前・変化量・平衡時」のモル表を書いて導出したほうが計算ミスを防げるよ。問3では問題文の冒頭にある「$\sqrt{5} = 2.24$」がピタッと使える気持ちいい計算になっているから、最後まで丁寧に解き切ろう!

無色の気体の四酸化二窒素 $\mathrm{N_2O_4}$ から赤褐色の気体である二酸化窒素 $\mathrm{NO_2}$ が生成する反応は吸熱反応である。また,$\mathrm{N_2O_4}$ と $\mathrm{NO_2}$ の間には $140\ ^\circ\mathrm{C}$ 以下で次のような平衡が成り立っている。

$\mathrm{N_2O_4 \rightleftarrows 2NO_2} \quad \cdots\cdots\text{式 A}$(吸熱反応)

$\mathrm{N_2O_4}$ をピストン付きの容器に $0.030\mathrm{\ mol}$ 入れ,$27\ ^\circ\mathrm{C}$ に保ち以下の操作を順に行った。

操作1.ピストンを動かして容積を $1.0\mathrm{\ L}$ に固定し,平衡状態に達するまで放置した。平衡時の混合気体の圧力は $9.0 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$ であった。

操作2.ピストンを動かして圧縮した後,ピストンを固定し新たな平衡に達するまで放置した。平衡時の混合気体の圧力は $3.0 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$ であった。

問1 操作1では始めに容器に入れた $\mathrm{N_2O_4}$ のうち何 $\%$ が解離し $\mathrm{NO_2}$ になったか。最も適切な数値を,次の①〜⑨から選べ。 ア $\%$

① 10
② 20
③ 30
④ 40
⑤ 50
⑥ 60
⑦ 70
⑧ 80
⑨ 90

STEP 1解離度 $\alpha$ を使って、平衡時の総物質量 $n_{\text{全}}$ を表そう!

初めの $\mathrm{N_2O_4}$ の物質量を $n_0 = 0.030\mathrm{\ mol}$、操作1における解離度を $\alpha$($0 < \alpha < 1$)とおいて、モル変化の表を作ろう。

状態 $\mathrm{N_2O_4}$ $\rightleftarrows$ $2\mathrm{NO_2}$ 合計物質量 $n_{\text{全}}$
反応前 (mol) $n_0$ $0$ $n_0\ (= 0.030)$
変化量 (mol) $-n_0\alpha$ $+2n_0\alpha$ $+n_0\alpha$
平衡時 (mol) $n_0(1-\alpha)$ $2n_0\alpha$ $n_0(1+\alpha)$

STEP 2気体の状態方程式 $P_1 V = n_{\text{全}} R T$ に数値を代入しよう!

操作1では、全圧 $P_1 = 9.0 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$、容積 $V = 1.0\mathrm{\ L}$、絶対温度 $T = 27 + 273 = 300\mathrm{\ K}$、気体定数 $R = 8.31 \times 10^3\mathrm{\ Pa\cdot L/(K\cdot mol)}$ だから:

$$9.0 \times 10^4 \times 1.0 = 0.030(1 + \alpha) \times 8.31 \times 10^3 \times 300$$

右辺の定数部分を計算すると、$0.030 \times 300 = 9.0$ だから、なんと両辺の $9.0$ がきれいに約分できるね!

$$9.0 \times 10^4 = 9.0 \times 8.31 \times 10^3 \times (1 + \alpha)$$ $$10 = 8.31(1 + \alpha) \quad \Longleftrightarrow \quad 1 + \alpha = \frac{10}{8.31} \fallingdotseq 1.203$$ $$\therefore\ \alpha \fallingdotseq 0.203 \quad \longrightarrow \quad \mathbf{20\%}$$

🎯 解答:ア = ②($20\%$)

問2 操作1において,圧平衡定数 $K_p$ はいくらか。始めに容器に入れた $\mathrm{N_2O_4}$ のうち ア $\%$ が解離したとし,有効数字2桁で答えよ。

$K_p =$ イ . ウ $\times 10$エ $\mathrm{Pa}$

STEP 1各気体の分圧を求めて、圧平衡定数 $K_p$ の式に代入しよう!

平衡時の総物質量は $n_0(1+\alpha)$ で、$\mathrm{N_2O_4}$ の物質量は $n_0(1-\alpha)$、$\mathrm{NO_2}$ の物質量は $2n_0\alpha$ だから、全圧を $P_1$ とするとそれぞれの分圧は「全圧 $\times$ モル分率」で表せるよ:

$$P(\mathrm{N_2O_4}) = \frac{1 - \alpha}{1 + \alpha}P_1, \qquad P(\mathrm{NO_2}) = \frac{2\alpha}{1 + \alpha}P_1$$

よって、反応 $\mathrm{N_2O_4 \rightleftarrows 2NO_2}$ の圧平衡定数 $K_p$ は:

$$K_p = \frac{\{P(\mathrm{NO_2})\}^2}{P(\mathrm{N_2O_4})} = \frac{\left(\dfrac{2\alpha}{1 + \alpha}P_1\right)^2}{\dfrac{1 - \alpha}{1 + \alpha}P_1} = \frac{4\alpha^2}{(1 + \alpha)(1 - \alpha)}P_1 = \frac{4\alpha^2}{1 - \alpha^2}P_1$$

STEP 2$\alpha = 0.20\ (20\%),\ P_1 = 9.0 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$ を代入して計算しよう!

$$K_p = \frac{4 \times (0.20)^2}{1 - (0.20)^2} \times 9.0 \times 10^4 = \frac{4 \times 0.040}{1 - 0.040} \times 9.0 \times 10^4$$ $$= \frac{0.16}{0.96} \times 9.0 \times 10^4 = \frac{1}{6} \times 9.0 \times 10^4 = 1.5 \times 10^4\ (\mathrm{Pa})$$

なんと $0.16 / 0.96 = 1/6$ と綺麗に約分できて、一切の端数なく $1.5 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$ が求まったね!

🎯 解答:イ = 1 / ウ = 5 / エ = 4($1.5 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$)

問3 操作2では始めに容器に入れた $\mathrm{N_2O_4}$ のうち何 $\%$ が解離し $\mathrm{NO_2}$ になったか。有効数字2桁で答えよ。

オカ $\%$

STEP 1温度一定なので圧平衡定数 $K_p$ は変化しない!

操作2でも温度は $27\ ^\circ\mathrm{C}\ (300\mathrm{\ K})$ に保たれているから、圧平衡定数 $K_p = 1.5 \times 10^4\mathrm{\ Pa}$ は操作1と同じ値のまま!
操作2での平衡時の全圧は $P_2 = 3.0 \times 10^5\mathrm{\ Pa}$ だから、操作2での解離度を $\alpha'$ とおくと:

$$K_p = \frac{4(\alpha')^2}{1 - (\alpha')^2}P_2 \quad \Longleftrightarrow \quad 1.5 \times 10^4 = \frac{4(\alpha')^2}{1 - (\alpha')^2} \times 3.0 \times 10^5$$

STEP 2$\alpha'$ についての方程式を解こう!

両辺を $1.5 \times 10^4$ で割ると、$\dfrac{3.0 \times 10^5}{1.5 \times 10^4} = 20$ だから:

$$1 = \frac{4(\alpha')^2}{1 - (\alpha')^2} \times 20 = \frac{80(\alpha')^2}{1 - (\alpha')^2}$$ $$1 - (\alpha')^2 = 80(\alpha')^2 \quad \Longleftrightarrow \quad 81(\alpha')^2 = 1$$

平方根をとると $\sqrt{81} = 9$ と整数で開けるね!(※もし $1-(\alpha')^2 \fallingdotseq 1$ と近似すると $\alpha' = \dfrac{1}{\sqrt{80}} = \dfrac{1}{4\sqrt{5}} = \dfrac{1}{4 \times 2.24} \fallingdotseq 0.1116 \rightarrow 11\%$ となり、どちらで計算しても有効数字2桁でピタリと同じ $11\%$ になるよ!)

$$\alpha' = \frac{1}{\sqrt{81}} = \frac{1}{9} \fallingdotseq 0.111\dots \quad \longrightarrow \quad \mathbf{11\%}$$

🎯 解答:オカ = 11($11\%$)

問4 操作2で平衡に達したのち,以下の①〜⑤の操作を各々行った。これらの操作のうち,平衡が式Aの右方向に移動するものを,すべて選べ。 キ

  • ① 全圧一定で温度を $50\ ^\circ\mathrm{C}$ にした。
  • ② 全圧一定で温度を $10\ ^\circ\mathrm{C}$ にした。
  • ③ 温度一定で容積を $2.0\mathrm{\ L}$ にした。
  • ④ 温度・全圧一定でアルゴンを加えた。
  • ⑤ 温度・容積一定でアルゴンを加えた。

STEP 1ルシャトリエの原理で、式A($\mathrm{N_2O_4 \rightleftarrows 2NO_2}$:吸熱反応)の平衡移動を判定しよう!

まず、式Aの右方向(正反応)の特徴を確認しよう:
・熱の出入り:問題文の冒頭に「$\mathrm{N_2O_4}$ から $\mathrm{NO_2}$ が生成する反応は吸熱反応」とあるから、温度を上げると右へ移動する!
・気体分子数の変化:左辺 $1$ 分子 $\rightarrow$ 右辺 $2$ 分子だから、右方向は気体の総分子数が増える方向(=減圧すると右へ移動)!

  • ① 右へ移動する(〇):元の温度 $27\ ^\circ\mathrm{C}$ から $50\ ^\circ\mathrm{C}$ へ加熱しているため、吸熱反応である右方向へ移動する。
  • ② 左へ移動する(×):$27\ ^\circ\mathrm{C}$ から $10\ ^\circ\mathrm{C}$ へ冷却しているため、発熱反応である左方向へ移動する。
  • ③ 右へ移動する(〇):操作1の容積 $1.0\mathrm{\ L}$ を操作2で圧縮している(容積は $1.0\mathrm{\ L}$ 未満)ところから、容積を $2.0\mathrm{\ L}$ に膨張(減圧)させているため、分子数が増える右方向へ移動する。
  • ④ 右へ移動する(〇):【超重要!】「温度・全圧一定」で希ガス(アルゴン $\mathrm{Ar}$)を加えると、ピストンが押し広げられて容器の体積 $V$ が増加し、反応気体($\mathrm{N_2O_4, NO_2}$)の分圧の和が減少する(減圧と同じ効果)。したがって、気体分子数が増える右方向へ移動する!
  • ⑤ 移動しない(×):【超重要!】「温度・容積一定」で希ガス($\mathrm{Ar}$)を加えても、容器の体積 $V$ が変わらないため、$\mathrm{N_2O_4}$ と $\mathrm{NO_2}$ のモル濃度(および分圧)は全く変化しない。したがって平衡は移動しない!
🎯 解答:キ = ①, ③, ④

大問 IV 硬水・イオン交換樹脂・中和滴定〔解答欄 ア 〜 サ〕

目標時間:15分
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最後の大問IVは「硬水とセッケン」「イオン交換樹脂の立体網目構造」「陽イオン交換樹脂を通した流出液の中和滴定」の総合問題だよ!
一番のポイントは、$\mathrm{NaCl}$ 水溶液を陽イオン交換樹脂に通すと「$\mathrm{Na^+}$ が樹脂に捕まり、代わりに同物質量の $\mathrm{H^+}$ が放出されて流出液Dは塩酸($\mathrm{HCl}$ 水溶液)になる!」という仕組みをイメージできるかどうか。さらに問6では「回収した $100\mathrm{\ mL}$ のうち $50\mathrm{\ mL}$ だけを滴定に使った(半分!)」という希釈・分取の比に気をつければ完璧だよ!

日本の地下水は,鉱物質を多く含む( A )であることが多い。( A )は,これに多く含まれる( B )が,( C )と不溶性の塩を形成してこの洗浄力を低下させたり,配管のパイプを詰まらせたりする原因となる。そのため,( A )を生活用水や工業用水として使用する場合は,あらかじめ鉱物質などの塩類をイオン交換樹脂などで除去することが望ましい。

イオン交換樹脂は,一般に $_1\underline{\text{スチレンに少量の }p\text{–ジビニルベンゼンを共重合させた高分子}}$に,酸性 $[-\mathrm{SO_3H}]$ または塩基性 $[-\mathrm{N^+(CH_3)_3OH^-}]$ の官能基が導入されたものである。陽イオン交換樹脂を用いて,以下の操作で,塩化ナトリウム水溶液から塩類の除去を試みた。

【操作】

塩類の除去に十分な量の陽イオン交換樹脂を,円筒状の管に詰めた。$_2\underline{\text{これに }0.10\mathrm{\ mol/L}\text{ の塩化ナトリウム水溶液 }10\mathrm{\ mL}\text{ を通した後,純水で完全に洗った}}$。下線部2の操作で管から流出したすべての流出液を集めて回収した。これを流出液Dとし,体積を計ると $100\mathrm{\ mL}$ であった。

【図解】陽イオン交換樹脂カラムで起きている反応と物質量の追跡

① 注入した水溶液 0.10 mol/L NaCl 10 mL Na⁺ : 1.0×10⁻³ mol Cl⁻ : 1.0×10⁻³ mol ② 陽イオン交換樹脂 R-SO₃H + Na⁺ ↓ イオン交換 R-SO₃Na + H⁺ 放出! ※Cl⁻ は素通りする +純水で洗って全量回収 ③ 流出液D (全100 mL) 正体は HCl 水溶液! H⁺ : 1.0×10⁻³ mol Cl⁻ : 1.0×10⁻³ mol (問6では50 mL=半分を使用)

問1 上の文章の空欄(A)〜(C)にあてはまる語の組合せとして正しいものを,次の①〜⑧から一つ選べ。 ア

選択肢 (A) (B) (C)
①硬水$\mathrm{Ca^{2+}}$合成洗剤
②硬水$\mathrm{Ca^{2+}}$セッケン
③硬水$\mathrm{Na^+}$合成洗剤
④硬水$\mathrm{Na^+}$セッケン
⑤軟水$\mathrm{Ca^{2+}}$合成洗剤
⑥軟水$\mathrm{Ca^{2+}}$セッケン
⑦軟水$\mathrm{Na^+}$合成洗剤
⑧軟水$\mathrm{Na^+}$セッケン

STEP 1硬水・軟水とセッケンの性質を確認しよう!

・カルシウムイオン($\mathrm{Ca^{2+}}$)やマグネシウムイオン($\mathrm{Mg^{2+}}$)などの鉱物質を多く含む水を (A) 硬水(少ない水を軟水)という。
・硬水中に多く含まれる (B) $\mathrm{Ca^{2+}}$(や $\mathrm{Mg^{2+}}$)は、高級脂肪酸ナトリウムである (C) セッケン($\mathrm{R-COONa}$)と反応して水に不溶性の塩 $\{(\mathrm{R-COO})_2\mathrm{Ca}\}$ を形成し、泡立ちや洗浄力を低下させる(一方、合成洗剤は $\mathrm{Ca^{2+}}$ 塩が水に溶けるため硬水でも洗浄力が落ちにくい)。

🎯 解答:ア = ②

問2 下線部1(スチレンに少量の $p$–ジビニルベンゼンを共重合させた高分子)の構造として最も適切なものを,次の①〜⑦から一つ選べ。 イ

① ポリスチレン(直鎖状:$-\mathrm{CH_2-CH(C_6H_5)}-$)
② ポリプロピレン($-\mathrm{CH_2-CH(CH_3)}-$)
③ ポリ酢酸ビニル($-\mathrm{CH_2-CH(OCOCH_3)}-$)
④ ポリエチレンテレフタラート(PET)
⑤ ナイロン66(ポリアミド)
⑥ フェノール樹脂($-\mathrm{CH_2}-$ 架橋の三次元網目構造)
⑦ スチレンと $p$–ジビニルベンゼンの共重合体(ベンゼン環が上下の鎖を架橋した立体網目構造)

問3 下線部1の高分子化合物において,単量体同士の結合に用いられている置換基と,その重合反応の種類の組合せとして正しいものを,次の①〜⑨から一つ選べ。 ウ

① ビニル基 / 縮合重合
② ビニル基 / 付加重合
③ ビニル基 / 付加縮合
④ カルボキシ基とアミノ基 / 縮合重合
⑤ カルボキシ基とアミノ基 / 付加重合
⑥ カルボキシ基とアミノ基 / 付加縮合
⑦ カルボキシ基とヒドロキシ基 / 縮合重合
⑧ カルボキシ基とヒドロキシ基 / 付加重合
⑨ カルボキシ基とヒドロキシ基 / 付加縮合

STEP 1スチレンと $p$–ジビニルベンゼンの共重合を確認しよう!

・スチレン($\mathrm{C_6H_5-CH=CH_2}$)と $p$–ジビニルベンゼン($\mathrm{CH_2=CH-C_6H_4-CH=CH_2}$)はいずれもビニル基($-\mathrm{CH=CH_2}$)をもち、炭素・炭素二重結合が開いて次々に結合する付加重合(共重合)を行う。
・2個のビニル基をもつ $p$–ジビニルベンゼンがポリスチレンの直鎖同士を架橋するため、三次元網目状構造(⑦)の母体ができる。

🎯 解答:問2 イ = ⑦ / 問3 ウ = ②

問4 下線部2(強酸性陽イオン交換樹脂)に導入されている官能基として最も適切なものを,次の①〜⑥から一つ選べ。 エ

① ヒドロキシ基($-\mathrm{OH}$)
② カルボキシ基($-\mathrm{COOH}$)
③ アミノ基($-\mathrm{NH_2}$)
④ ニトロ基($-\mathrm{NO_2}$)
⑤ スルホ基($-\mathrm{SO_3H}$)
⑥ トリメチルアンモニウム基($-\mathrm{N^+(CH_3)_3}$)

STEP 1イオン交換樹脂の官能基を整理しよう!

・強酸性陽イオン交換樹脂には、強酸性の官能基であるスルホ基($-\mathrm{SO_3H}$)が導入されており、水溶液中で $\mathrm{-SO_3^- + H^+}$ に電離して溶液中の陽イオンと $\mathrm{H^+}$ を交換する(カルボキシ基は弱酸性陽イオン交換樹脂、トリメチルアンモニウム基は強塩基性陰イオン交換樹脂に用いられる)。

🎯 解答:エ = ⑤

問5 下線部3の「流出した水溶液」(試料水溶液 $100\text{ mL}$ を陽イオン交換樹脂に通し、蒸留水と合わせて全量を $200\text{ mL}$ にしたもの)の $\text{pH}$ として最も適切なものを,次の①〜⑧から一つ選べ。 オ

① $1.0$
② $1.3$
③ $1.7$
④ $2.0$
⑤ $2.3$
⑥ $2.7$
⑦ $3.0$
⑧ $3.3$

問6 下線部4について,流出した水溶液(全量 $200\text{ mL}$)から $50\text{ mL}$ を分取し,これを中和するのに要した $0.050\text{ mol/L}$ 水酸化ナトリウム水溶液の体積は何 $\text{mL}$ か。最も適切なものを,次の①〜⑧から一つ選べ。 カ

① $2.5$
② $5.0$
③ $10$
④ $15$
⑤ $20$
⑥ $25$
⑦ $30$
⑧ $40$

STEP 1イオン交換によって放出された $\mathrm{H^+}$ の物質量を求めよう!

試料水溶液 $100\text{ mL}$($0.100\text{ L}$)に含まれる陽イオンの物質量は:

  • $\mathrm{Na^+}$(1価):$5.0 \times 10^{-3}\text{ mol/L} \times 0.100\text{ L} = 5.0 \times 10^{-4}\text{ mol}$
  • $\mathrm{Ca^{2+}}$(2価):$5.0 \times 10^{-3}\text{ mol/L} \times 0.100\text{ L} = 5.0 \times 10^{-4}\text{ mol}$
  • $\mathrm{Cu^{2+}}$(2価):$2.5 \times 10^{-3}\text{ mol/L} \times 0.100\text{ L} = 2.5 \times 10^{-4}\text{ mol}$

1価の陽イオン $1\text{ mol}$ につき $\mathrm{H^+}$ が $1\text{ mol}$、2価の陽イオン $1\text{ mol}$ につき $\mathrm{H^+}$ が $2\text{ mol}$ 放出される(電気的中性の原理)ため、流出した全量 $200\text{ mL}$ 中の $\mathrm{H^+}$ の総物質量 $n(\mathrm{H^+})$ は:

$$n(\mathrm{H^+}) = 1 \times (5.0 \times 10^{-4}) + 2 \times (5.0 \times 10^{-4}) + 2 \times (2.5 \times 10^{-4}) = 2.0 \times 10^{-3}\text{ mol}$$

STEP 2問5:流出液(全量 $200\text{ mL}$)の $\text{pH}$ を求めよう!

全量 $200\text{ mL}$($0.200\text{ L}$)中に $\mathrm{H^+}$ が $2.0 \times 10^{-3}\text{ mol}$ 含まれるため、水素イオン濃度 $[\mathrm{H^+}]$ は:

$$[\mathrm{H^+}] = \frac{2.0 \times 10^{-3}\text{ mol}}{0.200\text{ L}} = 1.0 \times 10^{-2}\text{ mol/L} \implies \text{pH} = -\log_{10}(1.0 \times 10^{-2}) = \mathbf{2.0}$$

STEP 3問6:流出液 $50\text{ mL}$ の中和滴定を計算しよう!

流出液の水素イオン濃度は $[\mathrm{H^+}] = 1.0 \times 10^{-2}\text{ mol/L}$ である。ここから $50\text{ mL}$ を分取し、$0.050\text{ mol/L}$ の $\mathrm{NaOH}$ 水溶液 $V\text{ [mL]}$ で中和するので:

$$1.0 \times 10^{-2}\text{ mol/L} \times 50\text{ mL} = 0.050\text{ mol/L} \times V\text{ mL} \implies V = \mathbf{10\text{ mL}}$$
🎯 解答:問5 オ = ④($2.0$) / 問6 カ = ③($10\text{ mL}$)
Sora先生
Sora ✕ ニックニ(新国)先生からのメッセージ

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