TMPS化学道場 金沢医科大(AO・推薦)化学 2025(令和8年度)
令和8年度(2025年秋実施)基礎学力テスト 総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜 全2大問 途中式・電子式つき

金沢医科大学 医学部(AO・推薦)化学
2025年実施(令和8年度)解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

各設問を「どういう問題か」から説明し、アンモニウムイオンの電子式・逆滴定・酸化還元滴定の途中式を1行も飛ばさずに解説。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.21 / 読了 約20分

📌 このページの使い方

  1. 問題用紙をお持ちの方:基礎学力テスト本番を想定して目標18分で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」と自作図解を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 復習と定着:解説の思考プロセスや立ち回りマップをインプットした上で、目標18分を意識して解き直し、初見時と同じスピードで再現できるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文は掲載していません。問題の設定や問われている内容は、TMPSの言葉と自作図解で説明しています。設問番号(大問1(1)〜(4)、大問2(1)〜(5))および空欄記号(ア〜エ、A・B)は、実際の問題との対応を示すためのものです。計算問題(大問1(4)、大問2(2)〜(5))はすべてPythonスクリプトで検算済み(ALL OK)であり、知識・用語・電子式(大問1(1)〜(3)、大問2(1))には「要確認」と明記しています。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

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SUMMARY

3分で分かる 金沢医科大(AO・推薦)基礎学力テストの化学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
アンモニアの逆滴定も過マンガン酸カリウムの滴定も教科書で見たことがある定番問題ですけど、急いで解くと硫酸の2価を忘れたり、シュウ酸の式量を $90$ で計算してしまいそうです…!
Sora先生
Sora先生
まさにその2つが金沢医科の推薦化学で毎年一番多い失点パターンなんだ!定番問題だからこそ、出題者は「硫酸の価数 $2$」「シュウ酸二水和物の水 $2\mathrm{H_2O}$($+36$)」「酸化数の $+$ 符号」といううっかりミスの3大トラップを仕掛けてくるよ。18分でノーミス完答するための立ち回りから確認していこう!
STRATEGY MAP

基礎学力テスト80分の中の「化学18分」立ち回りマップ

時間はTMPSの目安です(4科目80分のうち、英語15分・数学25分・理科2科目35分・見直し5分、化学1科目に18分を使う想定)。

🧭 おすすめの解く順番(計18分:残り2分は有効数字2桁・符号チェック)
大問1 (1)〜(3)(3分)→ 大問1 (4) 逆滴定計算(5分)→ 大問2 (1)〜(3)(2分)→ 大問2 (4)(5) 滴定計算(6分)→ 有効数字2桁($0.090\,\mathrm{L},\ 0.63\,\mathrm{g},\ 0.032\,\mathrm{mol/L}$)・酸化数 $+7$ の見直し(2分)
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

計算問題はすべてPythonスクリプトで検算済み(ALL OK)、知識・用語・電子式は「要確認」と明記しています。先に解いてから開いてください。

大問 1 の答え((1)〜(4):アンモニアの構造・配位結合・逆滴定)

(1) 空欄ア〜エ / (2) アンモニウムイオンの電子式 / (3) 結合の名称(要確認)

(1) ア: 不対 (1) イ: 電気陰性度 (1) ウ: 極性 (1) エ: 三角錐 (3) 配位結合
(2) アンモニウムイオン $\mathrm{NH_4^+}$ の電子式(要確認): $$\left[\begin{array}{ccc} & \mathrm{H} & \\ \mathrm{H}\ \colon\!\!\! & \underset{\Large\ddot{\mathrm{H}}}{\overset{\Large\ddot{}}{\mathrm{N}}} & \!\!\!\colon\ \mathrm{H}\end{array}\right]^+$$ ※ 窒素原子 $\mathrm{N}$ の上下左右に4つの水素原子 $\mathrm{H}$ がそれぞれ共有電子対($\colon$ または $\cdot\cdot$)で結合し、全体をカギ括弧 $[\ ]$ で囲んで右上に $+$ を書く。

(4) 発生したアンモニアの標準状態での体積(有効数字2桁・検算済み)

(4) $0.090\ \mathrm{L}$(または $9.0\times10^{-2}\ \mathrm{L}$)
大問 2 の答え((1)〜(5):過マンガン酸カリウムとシュウ酸の酸化還元滴定)

(1) 空欄ア・ウ(要確認) / (2) 酸化数イ / (3) 係数A・B(検算済み)

(1) ア: 酸化剤 (1) ウ: 還元剤 (2) イ: $+7$ (3) A: $5$ (3) B: $2$

(4) はかりとったシュウ酸二水和物の質量 / (5) 過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度(有効数字2桁・検算済み)

(4) $0.63\ \mathrm{g}$ (5) $0.032\ \mathrm{mol/L}$(または $3.2\times10^{-2}\ \mathrm{mol/L}$)
採点したら → 30秒の得点診断へ
PART 1 / 目標:完答(8分)

大問1 アンモニアの分子構造・配位結合と逆滴定 ── 2価の硫酸に吸わせた $\mathrm{NH_3}$ の定量

アンモニア分子の極性と形、アンモニウムイオンの電子式・配位結合、および硫酸への吸収と水酸化ナトリウムによる逆滴定計算。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問1)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標8分。(1)〜(3)の知識・電子式を3分以内、(4)の逆滴定計算を5分以内で確実に完答する。
⚠️ 損切り・警戒ライン(4)で「有効数字2桁」の指定に対して $0.09\,\mathrm{L}$(有効数字1桁)と書いて減点されないこと!必ず末尾の $0$ をつけて $0.090\,\mathrm{L}$ と書く。
💡 初手の思考トリガー逆滴定は反応式を2本立てるより、「酸が出す $\mathrm{H^+}$ の総mol = 塩基($\mathrm{NH_3}$ + $\mathrm{NaOH}$)が受け取る $\mathrm{H^+}$ の総mol」の1本で解くのが最速!

(1)(2)(3)アンモニアの極性・三角錐形とアンモニウムイオンの配位結合 要確認(知識・電子式)

📝 どういう問題か?

アンモニア分子のなりたち・極性・分子の形に関する空欄補充(ア〜エ)と、アンモニウムイオンの電子式および結合の名称を答える問題(要確認)。

  • 文章の要点:窒素原子(原子番号7、K殻2個・L殻5個)は、最外殻電子(価電子)として3個の[ ア ]電子と1つの電子対(非共有電子対)をもつ。アンモニア分子は、1つの窒素原子が3つの水素原子と価電子を出し合い電子対を共有してできる。窒素原子は水素原子より[ イ ]が大きいため、アンモニア分子の3つの $\mathrm{N}-\mathrm{H}$ 結合には[ ウ ]がある。アンモニア分子の形は[ エ ]形であるため、結合の[ ウ ]が打ち消されず、分子全体としても[ ウ ]がある。アンモニア分子と水素イオンが結合するとアンモニウムイオンができる。
  • (1):[ ア ]〜[ エ ]に当てはまる最も適切な語をそれぞれ答える。
  • (2):アンモニウムイオンを電子式で書く。
  • (3):下線部について、このときできる共有結合を特に何というか答える。
【図1】大問1:アンモニアからアンモニウムイオンへの配位結合と逆滴定の量的関係(TMPS作成) ① 配位結合とアンモニウムイオンの電子式 N 非共有電子対 H H H + H⁺ ➔ [ N H H H H ] + ・アンモニア分子:三角錐形(エ)で分子全体に極性(ウ)あり ・非共有電子対を H⁺ に一方的に提供 ➔ 配位結合(設問(3)) ※できた4本の N-H 結合はすべて同等で正四面体形になる! ② 設問(4) 逆滴定の「H⁺ と OH⁻(NH₃)の収支図」 酸が出す H⁺ 総量(0.20 mol/L H₂SO₄ 50.0 mL): 2 × 0.20 × (50.0/1000) = 0.020 mol の H⁺ 塩基の内訳(吸収した NH₃ + 滴定した NaOH): NH₃: 0.0040 NaOH: 1 × 0.20 × (80.0/1000) = 0.016 mol ➔ n(NH₃) = 0.020 - 0.016 = 4.0×10⁻³ mol ➔ 体積 V = 22.4 × 4.0×10⁻³ = 0.0896 L ≒ 0.090 L
(TMPS作成)左:アンモニウムイオンの電子式と配位結合 / 右:逆滴定における物質量の収支
STEP 1 (1) 空欄[ア]〜[エ]の決定

・窒素原子 $\mathrm{N}$(原子番号7)の電子配置は K殻2個・L殻5個であり、最外殻には1組の非共有電子対と3個の不対電子(ア:不対)がある。

・共有電子対を引きつける強さの尺度を電気陰性度(イ:電気陰性度)といい、$\mathrm{N}$ は $\mathrm{H}$ より電気陰性度が大きいため、共有電子対が $\mathrm{N}$ 側へ偏り、各 $\mathrm{N}-\mathrm{H}$ 結合には極性(ウ:極性)が生じる。

・アンモニア分子 $\mathrm{NH_3}$ の立体構造は三角錐形(エ:三角錐)であるため、3つの結合の極性が互いに打ち消されず、分子全体としても極性をもつ極性分子となる。

STEP 2 (2) アンモニウムイオンの電子式と (3) 配位結合

・アンモニア分子 $\mathrm{NH_3}$ の窒素原子がもつ非共有電子対を、水素イオン $\mathrm{H^+}$ の空の電子軌道へ一方的に提供して共有することでできる共有結合を特に配位結合((3):配位結合)という。

・アンモニウムイオン $\mathrm{NH_4^+}$ の電子式は、中央の $\mathrm{N}$ の上下左右に4個の $\mathrm{H}$ をそれぞれ共有電子対($\colon$)で結んで配置し、イオン全体をカギ括弧 $[\ ]$ で囲んで右上に電荷 $+$ を記す。

$$\left[\begin{array}{ccc} & \mathrm{H} & \\ \mathrm{H}\ \colon\!\!\! & \underset{\Large\ddot{\mathrm{H}}}{\overset{\Large\ddot{}}{\mathrm{N}}} & \!\!\!\colon\ \mathrm{H}\end{array}\right]^+$$

(4)アンモニアの逆滴定による体積計算 検算済み・ALL OK

📝 どういう問題か?

塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの加熱で発生させたアンモニアを過剰の希硫酸に吸収させ、残った硫酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定(逆滴定)した結果から、発生したアンモニアの標準状態での体積 $[\mathrm{L}]$ を有効数字2桁で求める問題。

  • 【実験】塩化アンモニウム $\mathrm{NH_4Cl}$ を水酸化カルシウム $\mathrm{Ca(OH)_2}$ と混合し加熱することで、アンモニアを発生させた。
  • 発生したアンモニアすべてを $0.20\,\mathrm{mol/L}$ の硫酸 $50.0\,\mathrm{mL}$ に吸収させたあと、$0.20\,\mathrm{mol/L}$ の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ、中和に $80.0\,\mathrm{mL}$ を要した。
  • 実験で発生したアンモニアは標準状態(モル体積 $22.4\,\mathrm{L/mol}$)で何 $\mathrm{L}$ であったか、有効数字2桁で答える。
STEP 1 中和の量的関係からアンモニアの物質量 $n\,[\mathrm{mol}]$ を求める

発生したアンモニア(1価の塩基)の物質量を $n\,[\mathrm{mol}]$ とする。用意した硫酸 $\mathrm{H_2SO_4}$(2価の酸)が放出しうる $\mathrm{H^+}$ の物質量と、アンモニアおよび滴定で加えた水酸化ナトリウム $\mathrm{NaOH}$(1価の塩基)が受け取った $\mathrm{H^+}$ の物質量の和が等しいので

$$1\times n\ +\ 1\times 0.20\,\mathrm{mol/L}\times\frac{80.0}{1000}\,\mathrm{L}\ =\ 2\times 0.20\,\mathrm{mol/L}\times\frac{50.0}{1000}\,\mathrm{L}$$
$$n + 0.016 = 0.020\quad\Longrightarrow\quad n = 0.0040\,\mathrm{mol} = 4.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol}$$
STEP 2 標準状態におけるアンモニアの体積 $V\,[\mathrm{L}]$ を求める

標準状態における気体 $1\,\mathrm{mol}$ の体積は $22.4\,\mathrm{L/mol}$ なので

$$V = 22.4\,\mathrm{L/mol}\times 4.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol} = 0.0896\,\mathrm{L}\ \fallingdotseq\ 0.090\,\mathrm{L}\ (\text{または }9.0\times10^{-2}\,\mathrm{L})$$
🎯 大問1 の答え
(1) ア: 不対(1) イ: 電気陰性度(1) ウ: 極性(1) エ: 三角錐 (2) 電子式: $\left[\mathrm{H}\colon\underset{\Large\ddot{\mathrm{H}}}{\overset{\Large\ddot{\mathrm{H}}}{\mathrm{N}}}\colon\mathrm{H}\right]^+$ (3) 配位結合 (4) $0.090\ \mathrm{L}$(または $9.0\times10^{-2}\ \mathrm{L}$)
⚠️ 大問1の罠:(4)で硫酸の価数 $2$ を掛け忘れると、$\mathrm{H^+}$ が $0.010\,\mathrm{mol}$ となって $\mathrm{NaOH}$ の $0.016\,\mathrm{mol}$ より小さくなり計算が破綻します。また、$0.0896\,\mathrm{L}$ を有効数字2桁に四捨五入するとき、先頭の $0.0$ は位取りの $0$ なので有効数字に含まれません。9と0の2桁を明示するために必ず $0.090\,\mathrm{L}$(または $9.0\times10^{-2}\,\mathrm{L}$)と書きましょう($0.09\,\mathrm{L}$ は有効数字1桁になるため減点対象です)。
PART 2 / 目標:完答(8分)

大問2 過マンガン酸カリウムとシュウ酸の酸化還元滴定 ── シュウ酸二水和物(式量126)の調製と濃度決定

硫酸酸性水溶液中での過マンガン酸イオンとシュウ酸の半反応式・酸化数変化、シュウ酸二水和物を用いた標準液の調製質量、および滴定によるモル濃度計算。

現場戦略 試験会場でのリアルな立ち回り(大問2)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標8分。(1)〜(3)は2分で即答し、(4)(5)の計算2問を6分で丁寧に解き切る。
⚠️ 最大の罠・警戒ライン(4)は「シュウ酸二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}$」の質量!無水物の式量 $90$ に $2\mathrm{H_2O}=36$ を足した 式量 $126$ を使うこと!
💡 初手の思考トリガー(5)では調製した $50.0\,\mathrm{mL}$ ではなく、実際に滴定に使った $20.0\,\mathrm{mL}$ を式に入れること!

(1)(2)(3)酸化剤・還元剤の役割とマンガン原子の酸化数・半反応式の係数 要確認 検算済み

📝 どういう問題か?

硫酸酸性水溶液中での過マンガン酸イオン $\mathrm{MnO_4^-}$ とシュウ酸 $(\mathrm{COOH})_2$ の反応における酸化剤・還元剤の区別、酸化数、およびイオン反応式(半反応式)中の電子 $\mathrm{e^-}$ の係数を答える問題。

  • 前半の文と式①:過マンガン酸イオン $\mathrm{MnO_4^-}$ は、式①のように、硫酸酸性水溶液中で[ ア ]としてはたらき、マンガン原子の酸化数は[ イ ]から $+2$ に変化する。 $$\mathrm{MnO_4^-} + 8\mathrm{H^+} + \fbox{ A }\,\mathrm{e^-} \longrightarrow \mathrm{Mn^{2+}} + 4\mathrm{H_2O}\quad\cdots\text{①}$$
  • 後半の文と式②:過マンガン酸カリウム水溶液の濃度は、シュウ酸標準液を用いて滴定することで求められる。過マンガン酸イオンが硫酸酸性水溶液中でシュウ酸と反応するとき、シュウ酸は、式②のように[ ウ ]としてはたらく。 $$(\mathrm{COOH})_2 \longrightarrow 2\mathrm{CO_2} + 2\mathrm{H^+} + \fbox{ B }\,\mathrm{e^-}\quad\cdots\text{②}$$
  • (1):[ ア ]、[ ウ ]に当てはまる最も適切な語を答える(要確認)。
  • (2):[ イ ]に当てはまる酸化数を答える。
  • (3):[ A ]、[ B ]に当てはまる係数をそれぞれ答える。
STEP 1 (1) 酸化剤・還元剤の判定と (2) $\mathrm{Mn}$ の酸化数

・式①において、$\mathrm{MnO_4^-}$ は相手から電子 $\mathrm{e^-}$ を受け取って自身は還元され、相手を酸化させるため酸化剤(ア:酸化剤)としてはたらく。

・$\mathrm{MnO_4^-}$ 中の $\mathrm{Mn}$ の酸化数を $x$ とすると、酸素原子 $\mathrm{O}$ の酸化数は $-2$、イオン全体の電荷は $-1$ なので

$$x + (-2)\times 4 = -1\quad\Longrightarrow\quad x = +7\quad\cdots\text{(イ:$+7$)}$$

・一方、式②においてシュウ酸 $(\mathrm{COOH})_2$($\mathrm{C}$ の酸化数 $+3$)は電子 $\mathrm{e^-}$ を放出して二酸化炭素 $\mathrm{CO_2}$($\mathrm{C}$ の酸化数 $+4$)へと酸化され、相手を還元するため還元剤(ウ:還元剤)としてはたらく。

STEP 2 (3) 半反応式①・②の電子の係数 A・B

・式①でマンガン原子の酸化数は $+7$ から $+2$ へ $5$ 減少する(または両辺の電荷の総和より $-1+8-\mathrm{A}=+2$)。したがって $\mathrm{A}=5$。

・式②でシュウ酸1分子に含まれる2個の炭素原子の酸化数がそれぞれ $+3\to+4$ へ $1$ ずつ増加する(または両辺の電荷の総和より $0=0+2-\mathrm{B}$)。したがって $\mathrm{B}=2$。

🎯 大問2 (1)・(2)・(3) の答え
(1) ア: 酸化剤(1) ウ: 還元剤(2) イ: $+7$(3) A: $5$(3) B: $2$

(4)(5)シュウ酸標準液の調製質量と過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度 検算済み・ALL OK

📝 どういう問題か?

シュウ酸二水和物から $0.10\,\mathrm{mol/L}$ の標準液 $50.0\,\mathrm{mL}$ を調製するのに必要な質量 $[\mathrm{g}]$ と、そのうち $20.0\,\mathrm{mL}$ を過マンガン酸カリウム水溶液で滴定したときのモル濃度 $[\mathrm{mol/L}]$ を有効数字2桁で求める問題。

  • 【実験】ある量のシュウ酸二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}$ をはかりとり、$0.10\,\mathrm{mol/L}$ のシュウ酸標準液 $50.0\,\mathrm{mL}$ を調製した。
  • この水溶液 $20.0\,\mathrm{mL}$ をとり、硫酸酸性のもとで約 $70\,^\circ\mathrm{C}$ に温めながら、濃度不明の過マンガン酸カリウム水溶液で滴定したところ、終点までに $25.0\,\mathrm{mL}$ を要した。
  • (4):下線部について、はかりとったシュウ酸二水和物は何 $\mathrm{g}$ か(有効数字2桁)。
  • (5):滴定の結果から求められる過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度は何 $\mathrm{mol/L}$ か(有効数字2桁)。
【図2】大問2(4)(5):標準液の調製(50.0 mL)と滴定への分取(20.0 mL)のステップ整理(TMPS作成) ① 設問(4):標準液 50.0 mL の調製(メスフラスコ) ・シュウ酸二水和物 (COOH)₂・2H₂O の式量: M = 90(無水物)+ 18×2(水)= 126 g/mol ・50.0 mL 中の物質量:0.10 × (50.0/1000) = 5.0×10⁻³ mol ➔ 質量 w = 126 × 5.0×10⁻³ = 0.63 g ※無水物の 90 を使って 0.45 g にしないよう要注意! ② 設問(5):20.0 mL を分取して KMnO₄ 25.0 mL で滴定 ・還元剤(シュウ酸 20.0 mL)が出す e⁻(B=2): 2 × 0.10 mol/L × (20.0/1000) L = 4.0×10⁻³ mol ・酸化剤(KMnO₄ c mol/L, 25.0 mL)が受け取る e⁻(A=5): 5 × c × (25.0/1000) = 4.0×10⁻³ ➔ c = 4.0 ÷ 125 = 0.032 mol/L
(TMPS作成)シュウ酸二水和物の秤量から酸化還元滴定までの計算フロー
Yuiちゃん
Yuiちゃん
なぜシュウ酸の標準液をつくるときは、無水物ではなく二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}$ をはかりとるんですか?また、約 $70\,^\circ\mathrm{C}$ に温める理由も知りたいです!
Sora先生
Sora先生
いい質問だね!シュウ酸二水和物の結晶は空気中で風解や潮解をしにくく、純粋で安定した状態で正確にはかりとれるから「一次標準物質」として使われるんだ。ただし水に溶けたあとは水分子が外れてただのシュウ酸 $(\mathrm{COOH})_2$ として働くから、$50.0\,\mathrm{mL}$ 中のシュウ酸の物質量($5.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol}$)と、溶かしたシュウ酸二水和物の物質量は1対1で等しいよ!また、室温では反応速度が遅いため、約 $60\sim70\,^\circ\mathrm{C}$ に温めて反応を速めるのも超重要ポイントだよ。
STEP 1 (4) はかりとったシュウ酸二水和物の質量 $w\,[\mathrm{g}]$

シュウ酸二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}$(化学式 $\mathrm{C_2H_6O_6}$)の式量(モル質量 $M$)は、与えられた原子量 $\mathrm{H}=1.0,\ \mathrm{C}=12,\ \mathrm{O}=16$ より

$$M = (12\times 2 + 16\times 4 + 1.0\times 2) + 2\times(1.0\times 2 + 16) = 90 + 36 = 126\,\mathrm{g/mol}$$

調製する $0.10\,\mathrm{mol/L}$ のシュウ酸標準液 $50.0\,\mathrm{mL}$ 中に含まれるシュウ酸の物質量は

$$n = 0.10\,\mathrm{mol/L}\times\frac{50.0}{1000}\,\mathrm{L} = 5.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol}$$

シュウ酸二水和物 $1\,\mathrm{mol}$ から水溶液中でシュウ酸 $1\,\mathrm{mol}$ が生じるので、必要なシュウ酸二水和物の質量 $w$ は

$$w = 126\,\mathrm{g/mol}\times 5.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol} = 0.630\,\mathrm{g} = 0.63\,\mathrm{g}$$
STEP 2 (5) 過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度 $c\,[\mathrm{mol/L}]$

過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度を $c\,[\mathrm{mol/L}]$ とおく。滴定に用いたシュウ酸標準液は $20.0\,\mathrm{mL}$、滴下した過マンガン酸カリウム水溶液は $25.0\,\mathrm{mL}$ であり、式①・②より過マンガン酸イオンが受け取る電子の物質量とシュウ酸が放出する電子の物質量が等しいので

$$5\times c\times\frac{25.0}{1000}\,\mathrm{L}\ =\ 2\times 0.10\,\mathrm{mol/L}\times\frac{20.0}{1000}\,\mathrm{L}$$
$$125c = 4.0\quad\Longrightarrow\quad c = \frac{4.0}{125} = 0.032\,\mathrm{mol/L}\ (\text{または }3.2\times10^{-2}\,\mathrm{mol/L})$$
🎯 大問2 (4)・(5) の答え
(4) $0.63\ \mathrm{g}$(5) $0.032\ \mathrm{mol/L}$(または $3.2\times10^{-2}\ \mathrm{mol/L}$)
⚠️ 大問2の罠:(2)の酸化数は「$7$」ではなく必ず正負の符号をつけて「$+7$」と書きましょう(問題文にも「[イ]から $+2$ に変化する」と $+2$ に符号がついています)。また、(5)の滴定計算でメスフラスコで調製した全体の体積 $50.0\,\mathrm{mL}$ を使ってしまうミスにも要注意です。

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🩺【自己診断】化学の滴定計算でミスが出た人への処方箋

  • 大問1(4)でミス 逆滴定の立式パターン化。「最初から入っていた酸の $\mathrm{H^+}$」=「気体で入った $\mathrm{NH_3}$」+「ビュレットから足した $\mathrm{NaOH}$」の足し算形で毎回統一すると符号ミスがゼロになります。
  • 大問2(4)でミス 水和物の式量の暗記と確認。シュウ酸二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}=126$、硫酸銅(II)五水和物 $\mathrm{CuSO_4\cdot5H_2O}=250$ は入試頻出のため、計算した上で数値自体も頭に入れておくと即座に検算できます。
CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問を18分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

大問1 (1)〜(3)(不対電子・電気陰性度・極性・三角錐・$\mathrm{NH_4^+}$ 電子式・配位結合)
大問1 (4)(アンモニアの逆滴定による気体体積 $0.090\,\mathrm{L}$)
大問2 (1)〜(5)(酸化還元・シュウ酸二水和物 $0.63\,\mathrm{g}$・滴定濃度 $0.032\,\mathrm{mol/L}$)
あなたの到達度(3パートを同じ重みとした目安)
100%

金沢医科大学の基礎学力テスト化学で満点を狙える素晴らしい到達度です!本番でも18分以内で化学を完答し、もう1科目の理科や数学に時間の余裕を作れるよう、過去問でもう一度タイムアタックしておきましょう。

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FOR PARENTS

保護者の方へ:金沢医科大(AO・推薦)の化学で知っておきたい3つのこと

① 化学基礎の「2大滴定」が直撃
アンモニアの逆滴定と過マンガン酸カリウムの酸化還元滴定という、化学基礎で最も重要な実験計算が2題並べて出題されており、基礎の定着度がそのまま得点になります。
② 「二水和物」「有効数字2桁」の精度
やり方は分かっていても、「無水物の式量90で計算してしまう」「$0.090\,\mathrm{L}$ を $0.09\,\mathrm{L}$ と書いてしまう」といった細部のミスを防ぐ答案作法が合否を分けます。
③ 理科2科目35分のペース配分
物理・化学・生物から選ぶ2科目を約35分で解き切るには、どの大問から手をつけるかの戦略が不可欠です。本番前に一度プロの目で時間配分を点検するのが安心です。
FAQ

よくある質問

Q. 基礎学力テストでは、化学に何分かけるべきですか?

英語・数学・理科2科目の計4科目で80分のため、化学(全2大問)は目標18分(大問1に8分、大問2に8分、見直し2分)で解き切る配分が理想です。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文は掲載していませんが、各設問の最初に「どういう問題か」として、実験条件・何を求めるか・答え方をTMPSの言葉と自作図解で説明しています。

Q. 大問2(4)でなぜ式量90ではなく126を使うのですか?

実験ではかりとった固体が「シュウ酸二水和物 $(\mathrm{COOH})_2\cdot2\mathrm{H_2O}$」だからです。無水物のシュウ酸 $(\mathrm{COOH})_2=90$ に水分子2個分 $2\mathrm{H_2O}=36$ を加えたモル質量 $126\,\mathrm{g/mol}$ に、必要なモル数 $5.0\times10^{-3}\,\mathrm{mol}$ を掛けて $0.63\,\mathrm{g}$ を求めます。

Q. 解説に誤りを見つけたら?

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